pdcaサイクル型河川管理...3 2.「pdcaサイクル」について...
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大和川河川事務所における
PDCAサイクル型河川管理
~ 平成27年度実施計画書~
※ 今後の精査等により、予告なく修正等することがありますので、ご了承ください。
大和川河川事務所
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1.PDCAサイクル型河川管理の取り組みについて
国土交通省近畿地方整備局では、平成25年11月28日に、概ね30年程
度の中長期計画として、河川法第16条の2に基づき、「大和川水系河川整備
計画」(以下「整備計画」という。)を策定しました。
整備計画においては、「河川整備の目標に関する事項」の一つとして、「河川
維持に関する目標」が定められました。
また、その目標を達成するための方策である「河川維持の目的、種類及び施
行の場所」として、河道の機能維持や河川管理施設の維持管理について、全体
像が定められています。
これらをさらに具体化し、概ね5年間に実施する具体的な河川管理の内容を
定めたものが、「河川維持管理計画<大和川>」(以下「維持管理計画」という。)
です。
大和川河川事務所では、整備計画の策定に先立ち、平成24年4月に維持管
理計画を策定し、河川の状態把握や維持修繕事業、河川区域等の管理などを行
ってきました。
加えて、今般策定した整備計画においては、目標達成のために実施する河川
工事などが確実に実行されるよう、PDCAサイクル型の行政マネジメントを
導入することとされました。
そこで、まず河川管理の分野から、この取り組みを始めることとし、毎年度
の事業などの進ちょくや効果を点検・評価し、常にその改善に努めていくこと
としたものです。
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2.「PDCAサイクル」について
まず、維持管理計画による具体的な河川管理の内容毎に、今年度末までに実
施する主な内容とその考え方を設定します。
次に、それを実施することで達成を目指す、今年度末時点での目標をできる
限り具体的に設定します。
これらをとりまとめ、今年度の実施計画書(平成27年度版は本書)としま
す。(Plan)
この実施計画書に基づき、各種取り組みを実施するとともに、河川の状態把
握として、河川巡視や堤防点検などにより河川の状態を監視し、データを蓄積
します。(Do)
年度末には、目標に照らし合わせ、各種取り組みの実施状況や結果を点検し
ます。(Check)
その点検結果を基に、蓄積したデータも活用しながら、残された課題や新た
に判明した問題点の分析を行うとともに、改善策を検討し、今年度の実施評価
書としてとりまとめます。(Action)
その際、目標の達成状況などに応じて、維持管理計画などについても、変更
の必要性について検討します。
併せて、今年度の改善策も反映させつつ、次年度末までに実施する主な内容
等や達成目標を設定し、次年度の実施計画書とします。
このサイクルを毎年度繰り返していくことを通じて、河川管理を点検し、常
にその改善に努めていきます。
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(1)河道流下断面の確保 ①堆積土砂の掘削
【達成目標】(平成27年度末):
○樋門等の操作に支障がある土砂堆積5箇所を解消します。
【目標達成のために実施する内容】(~平成27年度末):
○樋門等の操作に支障が生じる堆積土砂を撤去します。
<解 説>
a)目標設定の考え方
平成27年度出水期前の河川巡視、堤防点検及び樋門等の定期点検により発見され
た土砂堆積箇所を対象に、以下の支障種類毎に選別し、優先度の高い順に実施対象を
選定しました。
・現況流下能力の阻害
・樋門等の操作不全
・河川管理施設の機能維持不全
なお、軽微なもの及び樋門等の操作に直ちに支障が生じ得るものは逐次対応しま
す。
また、状態の経過を観察している箇所については対象外としました。
b)実施する箇所の主なもの
谷川樋門における土砂の堆積状況
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(1)河道流下断面の確保 ②河川内樹木の管理
【達成目標】(平成27年度末):
○将来的に洪水時における水位上昇が懸念される樹木群1箇所を0箇所に減らしま
す。
○伐採木の無償配布を実施します。
【目標達成のために実施する内容】(~平成27年度末):
○柏原市高井田地区の1箇所において樹木伐採を実施します。
○樹木伐採によって発生する伐採木について、資源リサイクル及びコスト縮減の観点
から、この伐採木を希望者への無償配布を行っていきます。
<解 説>
a)目標設定の考え方
平成 26 年末の樹木の繁茂位置や繁茂状況による評価から、水位や施設への影響を
考慮し、今後生長すると、上流において水位が HWL を超過する恐れのある樹木群を実
施対象として選定しました。
なお、その際に発生する伐採木については、資源リサイクル及びコスト縮減の観点
から、希望者に対して無料配布を行います。
b)実施する箇所の主なもの
柏原市高井田地区における樹木繁茂状況 伐採木の無償配布の状況
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(1) 河道流下断面の確保 ③堤防の高さ、形状の維持
【達成目標】(平成27年度末):
○堤防の変状(侵食及び植生の異常)253 箇所を 250 箇所に減らします。
○堤防天端の未舗装区間 5.4km を 5.3km に減らします。
【目標達成のために実施する内容】(~平成27年度末):
○堤防の変状(侵食及び植生の異常)に対処します。
○堤体の形状維持のため、堤防天端の未舗装区間の舗装を実施します。
<解 説>
a)目標設定の考え方
堤防の変状については、平成27年度出水期前の河川巡視及び堤防点検等により発
見されたもののうち、堤防等への影響が特に懸念される箇所について優先して対処す
ることとし、実施箇所を選定しました。
天端舗装については、堤防の安全性への影響及び河川管理上支障となる状況等によ
り、実施する区間を選定しました。
b)実施する箇所の主なもの
堤防の変状(侵食及び植生の異常)
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(2) 施設の機能維持
①河川管理施設(堤防、護岸及び樋門等の土木構造物部分)の機能の維持
【達成目標】(平成27年度末):
○構造物の機能に支障が生じている1箇所の対策を実施します。
○不具合が進行して構造物の機能に支障が生じる恐れがある1箇所で対策を実施しま
す。
○また、残りの箇所は応急対策を実施します。
【目標達成のために実施する内容】(~平成27年度末):
○護岸の変状が構造物の機能に支障が生じている箇所及び不具合が進行して構造物の
機能に支障が生じる恐れがある箇所を優先的に修繕します。
<解 説>
a)目標設定の考え方
平成27年度出水期前の河川巡視、堤防点検及び樋門等の定期点検より発見された
不具合箇所を対象に、「堤防及び護岸点検結果評価要領(案)」並びに「樋門・樋管点
検結果評価要領(案)」で再評価しました。
【D:措置段階】評価の樋門等(土木構造物部分)は、大規模な修繕が必要なため
対策を検討のうえ実施します。
【C:予防保全段階】評価の箇所について、不具合が進行して構造物の機能に支障
が生じる恐れがある箇所を優先して対応します。
【B:要監視段階】評価の箇所について、経過観察を継続していきます
今年度は、上記の評価を踏まえ、護岸の変状が【d:措置段階】と評価された箇所
のうち構造物の機能に支障が生じている箇所を優先して対応するとともに、不具合が
進行して構造物の機能に支障が生じる恐れがある箇所で対策を実施します。また、残
りの箇所は応急対策を実施します。
護岸などのコンクリート構造物に変状が生じているが堤防の治水機能に支障が生
じていない箇所について、経過観察を継続していきます。
b)実施する箇所の主なもの
川表護岸損傷状況【d:措置段階】箇所 川表護岸損傷状況【d:措置段階】箇所
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(2)施設の維持機能②樋門等(機械設備、電気通信施設部分)の機能の維持
【達成目標】(平成27年度末):
○【機械設備】
不具合箇所43箇所を23箇所に減らします。
【目標達成のために実施する内容】(~平成27年度末):
○【機械設備】
老朽化した開閉装置更新、塗替塗装や潤滑油の定期交換など(20 箇所)を実施しま
す。
<解 説>
a)目標設定の考え方
【機械設備】
平成 26 年度年点検結果に基づき
①樋門操作環境の不具合修復または簡易な機器・部品交換による不具合の修復
②現在軽度の不具合であり、すぐに対応の必要は無いが、将来において不具合の拡
大による修理の困難等が見込まれる箇所
③予防保全必要箇所(現在不具合はでていないが、設置後相当の期間が経過してお
り、通常操作時において故障が発生した場合に、ゲートの基本機能を確保でき
なくなる機器・部品)
に選別し、①⇒②⇒③の順に実施対象を設定しました。
ただし、劣化の進行によるゲートの基本機能への影響が小さく、状態の経過を観
察する必要がある箇所は、目標設定の対象外とし、突発的な不具合が発生した場合
に緊急的な修復を行うこととします。
b)実施する箇所の主なもの
老朽化した開閉装置更新
ワイヤロープ式開閉装置 ラック式開閉装置
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(2) 施設の機能維持 ③水文観測施設等の補修
【達成目標】(平成27年度末):
○管内の水位観測所について、異常値を表示したり経年劣化している水文観測機器に
ついて 1 箇所を更新します。
○管内の水位観測所について、老朽化している量水標を 18 箇所取り替えます。
【目標達成のために実施する内容】(~平成27年度末):
○異常値を表示したり経年劣化等した水位計の機器について更新を行います。
○錆等により判読が困難となっている量水標を取り替えていきます。
<解 説>
a)目標設定の考え方
○洪水時の住民の避難誘導に資する情報を確実に把握するため、洪水予報等の基準と
なる観測所の水位については、確実に把握できる体制を整備する必要があることか
ら、異常値等を表示したり経年劣化が進む観測器械を優先的に更新を進めます。
○洪水予報等の基準でない観測所については、観測機器の保守有効期間を勘案のう
え、順次更新します。
b)実施する箇所の主なもの
経年劣化している水位観測装置 判読できない量水標
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(2) 施設の機能維持 ③水文観測施設等の補修【電気通信設備】
【達成目標】(平成27年度末):
○管内のテレメーター観測局のうち、経年劣化している設備の 7 箇所について解消し
ます。
【目標達成のために実施する内容】(~平成27年度末):
○機器の設置後13年以上を経過しているテレメーター観測所の機器について更新を
行います。
<解 説>
a)目標設定の考え方
○テレメーター観測局の電気通信設備は、概ね13年を迎えると部品等製造が取りや
められて不具合が出た場合復旧が困難になってしまいます。
○しかし、この期間を越えても実態として使用可能であるため、設計寿命である13
年を越えている機器について順次更新します。
○なお、この間に不具合が発生した場合は緊急的な機器の更新をすることとしていま
す。
b)実施する箇所の主なもの
テレメーター設備の更新
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(2) 施設の機能維持 ④許可工作物の維持管理
【達成目標】(平成27年度末):
○平成27年度に許可更新する構造令不適合施設3橋について、改善を指導し、公表
します。
【目標達成のために実施する内容】(~平成27年度末):
○構造令不適合施設の管理者から改築計画(予定)について聴取します。
○確認した改築計画(予定)について、大和川河川事務所のホームページで公表しま
す。
<解 説>
a)目標設定の考え方
河川管理施設等構造令は、河川管理上必要とされる一般的技術基準を定めたもので
あるが制定が S51 年のため、それ以前に架けられた橋などは基準を満たしていないも
のがあり、それらは洪水の原因となる可能性があります。
大和川河川事務所では、河川管理施設等構造令に適合していない橋の架け替えなど
を促すため、各管理者から改築計画(予定)を確認し、公表していきます。
※構造令施行前に設置されたものは令に適合していなくても法令違反ではありません。
b)実施する箇所の主なもの
保 橋 弁天橋
南海高野線大和川橋梁
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(3) 河川区域等の適正な利用 ①不法占用
【達成目標】(平成27年度末):
○不法占用箇所 25 箇所を 24 箇所に減らします。
【目標達成のために実施する内容】(~平成27年度末):
○不法占用箇所 25 箇所のうち、1箇所を重点的指導箇所として選定し、不法占用解消
に向けて是正指導を行います。
<解 説>
a)目標設定の考え方
平成 27 年度時点の不法占用箇所 25 箇所のうち、早期に不法占用の解消を図る必要
がある箇所として、事業に支障となっている箇所(1 箇所)について、重点的に対応
する箇所として選定しました。
b)実施する箇所の主なもの
事業の支障となっている箇所の解消
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(3) 河川区域等の適正な利用 ②不法行為・迷惑行為
【達成目標】(平成27年度末):
○平成 26 年度に確認した迷惑行為件数(河川敷でのゴルフ)341件の減少を図りま
す。
【目標達成のために実施する内容】(~平成27年度末):
○河川敷でのゴルフ等の迷惑行為は、管内の6地区で多発しており、その地域を重点
監視地域とし、河川巡視の強化、指導の徹底、啓発看板の更なる設置を行います。
また、所轄警察への情報提供を行い、悪質な行為については適宜、協力を求めてい
きます。
<解 説>
a)目標設定の考え方
平成 26 年度の河川巡視において迷惑ゴルフを確認した26箇所のうち、他の河川
利用者に危険を及ぼす可能性が高い6箇所を重点監視地域として設定しました。
なお、呼びかけや啓発等だけでなく、関係機関と連携を図りながら指導強化するな
どの工夫も検討していきます。
b)実施する箇所の主なもの
(例)河川敷での迷惑ゴルフ 迷惑行為禁止看板の設置
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(3) 河川区域等の適正な利用 ホームレスへの対応
【達成目標】(平成27年度末):
○ホームレスについては、自主退去が基本となりますが、地方自治体の福祉担当部局
と連携しつつ、河川管理者として指導を実施し、退去に努めます。
【目標達成のために実施する内容】(~平成27年度末):
○ホームレスについては、「ホームレスの自立支援等に関する特別措置法」に基づき、
地方自治体の福祉担当部局と連携しつつ、退去指導を実施します。
<解 説>
a)目標設定の考え方
平成 26 年度末現在、確認しているホームレスについては、「ホームレスの自立支援
等に関する特別措置法」に基づき、福祉担当部局は生活保護等による支援を行うとと
もに、河川管理者は河川敷地の適正利用の観点から指導を行い、互いに連携して対応
することにより、ホームレスの退去に努めます。
b)実施する箇所の主なもの
ホームレスの退去
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(3) 河川区域等の適正な利用
③河川保全区域、河川予定地及び高規格堤防特別地域の維持管理
【達成目標】(平成27年度末):
○現状、不適切な状況は確認されていないため、現状維持を図ります。
【目標達成のために実施する内容】(~平成27年度末):
○現状維持を図るため、河川巡視において河川保全区域等の状況について注視し、不
適切な状況等を確認した場合は、口頭指導等により速やかに対応します。
<解 説>
a)目標設定の考え方
現状では不適切な状況は確認されていないので、引き続き適正な状況を維持してい
くことを目標とします。
b)実施する箇所の主なもの
河川巡視による確認 河川保全区域での開発行為の適正化
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(3) 河川区域等の適正な利用 流水管理
【達成目標】(平成27年度末):
○【慣行水利権】
慣行水利権 25 件について、水利権者に対し法定化に向けて理解を求めていきます。
【目標達成のために実施する内容】(~平成27年度末):
○【慣行水利権】
慣行水利権については、許可工作物点検実施、取水施設の改築、土地改良事業の実
施等の機会に水利権者に対し、法定化の必要性について理解を求めていきます。
<解 説>
a)目標設定の考え方
平成 27 年度に現存する慣行水利権 25 件を対象とします。
慣行水利権については、許可水利権に比べ、その権利内容が必ずしも明確ではなく
他の水利使用による影響の予測、渇水調整の効果、ダム等の建設計画における既得権
の評価などを行う場合にも問題があるので、取水施設の改築、土地改良事業の実施、
治水事業の施行等の機会に慣行水利権の許可化を進めます。
※慣行水利権については、明治29年の旧河川法施行前からの流水占用は河川法の規定による許可を
受けたものとみなして、河川法に位置づけられています。
b)実施する箇所の主なもの
慣行水利権(かんがい用水)
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(4)河川環境の整備と保全 ①自然再生の目標
【達成目標】(平成27年度末):
○瀬・淵の再生として5箇所を整備します。
○ヒキノカサの移植手法の検討を実施します。
○若林・太田地区かわまち整備箇所の現地調査を通じて研究機関(近畿大学)との交流
活動を行います。
【目標達成のために実施する内容】(~平成27年度末):
○瀬・淵の再生として 16 箇所のうち3箇所にて整備します。
○ヒキノカサ移植手法検討のため、3地区でモニタリングを実施し、学識者へのヒアリ
ングを行います。
○整備箇所の自然再生状況把握のために、研究機関との協働を行います。
<解 説>
a)目標設定の考え方
「大和川自然再生計画(H24.1)」の段階的整備計画に基づき、魚道整備、樋門等の
落差解消、瀬・淵の再生、水際の寄石等設置、干潟の創出などを、整備効果や地域、
関係機関の理解と協力の度合い、他事業との連携など優先度も考慮して実施してきて
います。平成 26 年度までに実施した整備のモニタリング結果等も踏まえて、優先度
の高い整備箇所を実施します。
b)実施する箇所の主なもの
瀬・淵の再生
淵 瀬
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(4)河川環境の整備と保全 ①河川景観の目標
【達成目標】(平成27年度末):
○工事施工箇所のうち該当箇所について景観検討を実施します。
○大和川水環境協議会の取り組みとして行う地域の活動と河川管理者による連携につ
いて、平成 26 年度よりも協力自治体数を増やします。
【目標達成のために実施する内容】(~平成27年度末):
○近畿地方整備局所管の公共事業において適切な景観検討を実施するための手順と体
制を定めた「国土交通省所管公共事業における景観検討の基本方針(案)について」
(平成 21 年 6 月 3 日付け国近整企画第 19 号)に基づき景観検討を実施します。
○大和川水環境協議会の取り組みとして、地域の活動と河川管理者による連携(「大和
川リレー美化活動」)を行います。
<解 説>
a)目標設定の考え方
中流部の歴史、文化、遺産、亀の瀬の渓谷景観、河口の水鳥が飛来する干潟景観等、
大和川には特徴的な河川景観がみられます。
河川工事の実施にあたっては、河川景観に配慮しつつ実施します。
洪水後に水が引くと樹木等に付着したゴミが目立ち、景観を損ねているため、国・
府県・流域 36 市町村で組織する大和川水環境協議会の取り組みにより、ゴミが付着
した樹木の伐採や除草、ゴミ収集による景観対策を実施します。
b)実施する箇所の主なもの
大和川リレー美化活動
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(4)河川環境の整備と保全 ③水質の目標
【達成目標】(平成27年度末):
○イベント等を通じて生活排水対策の普及促進を図ります。
○水生生物調査等を通じた環境学習の取り組みにより、子供への啓発を図ります。
○水質強化月間への取り組み率を向上させ、発生源対策の啓発効果を高めます。
【目標達成のために実施する内容】(~平成27年度末):
○イベント等への住民参加者数を平成 26 年度より増やすための広報を実施します。
○水生生物調査を定期水質測定箇所(4箇所)で実施します。
○H26 年度より取り組み率を向上さるため、小学生アンケートに取り組みます。
<解 説>
a)目標設定の考え方
水質については、「大和川水環境改善計画」(H24 年 2 月)に基づき、国・府県・
流域 36 市町村で組織する大和川水環境協議会において連携・協働した発生源対策を
行っています。引き続き、生活排水対策イベント、環境学習等を通して、引き続き啓
発活動の取り組みを進めます。
b)実施する箇所の主なもの
水環境改善講座 水生生物調査
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(4)河川環境の整備と保全 ④河川空間利用の目標
【達成目標】(平成27年度末):
○堺水辺の楽校、若林・太田地区かわまちづくり整備箇所において、地域住民等の利用
を図ります。
○流域一斉のクリーンキャンペーンを年2回実施します。
【目標達成のために実施する内容】(~平成27年度末):
○「水辺の楽校プロジェクト」「かわまちづくり支援制度」により整備した河川空間を
利用し、環境教育や水環境改善の啓発活動を実施する。また、地域住民等のコミュニ
ティーの場を提供します。
○ゴミの不法投棄のない快適な河川利用を実現するため、河川美化等の啓発活動を実施
します。
<解 説>
a)目標設定の考え方
○水辺の楽校、かわまちづくり整備箇所について、地域住民等の利用を図ります。
○住民の提案を受け入れて推進するアドプトプログラムなど沿川の住民や団体と連
携し、美化活動や啓発活動を推進し、親水空間の適切な維持管理を推進します。
b)実施する箇所の主なもの
水辺の楽校の利用促進 クリーンキャンペーン
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(5)水防等 ①水防活動への対応
【達成目標】(平成27年度末):
○前年度出水時に使用し、不足する資機材について確保します。
○民間保有機材等の活用については、1 機関と災害協定を締結します。
○各水防管理団体等 6 団体と重点区間の共同点検を行います。
【目標達成のために実施する内容】(~平成27年度末):
○洪水時等の対応のために、出水期前までに所要の資機材の確保等を行います。
○災害発生時に早期に応急復旧が可能となるように民間保有機材等の活用体制を整備
します。
○市町村等の水防管理団体に対して重要水防箇所の周知・共同点検及び水防訓練に協力
参加をします。
<解 説>
a)目標設定の考え方
○出水による河川管理施設の被災の可能性を想定し、事前の準備を万全にしておく必要
があります。万一、被災を受けたとしても早急に復旧が可能なように、必要な資機材
を確保するとともに、民間が保有している資機材を緊急時に使用できるように準備す
るものです。
○災害時に河川管理施設の被害状況を早急に把握するためは、河川管理者だけでなく、
地域を守る水防管理団体の協力は欠かせません。重要水防箇所などの情報を共有し、
災害時に効率的な応急復旧活動を行うため、水防管理団体と共同で河川管理施設を点
検したり、水防訓練を行うものです。
b)実施する箇所の主なもの
水防資機材の確保(土のう) 民間保有資機材
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(5)水防等 ②水位情報等の提供
【達成目標】(平成27年度末):
○平成 13 年度作成した浸水想定区域図を見直し市町村に情報提供します。
○「まるごとまちごとハザードマップ」の設置を昨年度と同様(3箇所)実施します。
【目標達成のために実施する内容】(~平成27年度末):
○地域住民の避難行動あるいは市町村長による避難勧告等の判断の基礎となる浸水想
定区域図について見直し市町村に情報提供します。
○浸水深や避難所など洪水に関する情報を「まちなか」に表示する「まるごとまちごと
ハザードマップ」の設置を推進します。H25 末時点で 41 箇所実施。
<解 説>
a)目標設定の考え方
洪水時の水位情報等の洪水氾濫に関する情報は、水防活動、地域住民の避難行動あ
るいは市町村長による避難勧告等の判断の基礎となるものであることから法令等に
基づいて適切にそれらの情報提供を行うものです。
b)実施する箇所の主なもの
浸水想定区域図
まるごとまちごとハザードマップ
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4 . 河川の状態把握の主な方法とその概要
主な方法 概 要
縦横断測量 原則として5年に1回実施
平面測量(航空写真測量) 原則として5年に1回実施
斜め写真撮影 平面測量(航空写真測量)と併せて実施
河道特性調査(植生倒伏状況、河床材料等) 必要に応じて実施
河道内樹木調査 堤防の点検に併せて年1 回以上実施
洪水時の流向、流速、水あたりの把握 緊急河川巡視に併せて実施
河川水辺の国勢調査等 原則として5~10年に1回実施
水面利用の監視 河川巡視に併せて実施
水位観測 11観測所において10分間隔で自動観測
雨量観測 15観測所において10分間隔で自動観測
地下水観測(水位、水質) 14箇所において必要に応じて実施
流量観測(高水) 8箇所において原則として洪水時に実施
流量観測(低水) 4箇所において年間36回実施
洪水痕跡調査 原則として氾濫注意水位を超えた場合実施
水質観測 3箇所において自動観測など
河川巡視 週2回実施、緊急河川巡視は必要に応じて実
施
不法行為の巡視 堤防の点検及び河川巡視に併せて実施
堤防点検等の環境整備 年2回(原則として出水期前、台風期)
堤防の点検 年2回、氾濫注意水位を超えた場合
河道の点検 年1回以上、氾濫注意水位を超えた場合
河川管理施設(堤防、河道を除く)の点検 年1回以上、氾濫注意水位を超えた場合
樋門等の機械設備・電気通信施設の点検 年1回以上、樋門等は月1回
許可工作物の点検 堤防の点検時に概括的に点検
安全利用点検 河川巡視と併せて実施、夏休み前
水文観測施設の点検 月1回以上の定期点検、年1回以上の総合点
検を実施
地震後の点検震 震度5弱以上の地震が発生した場合など
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5 . 状態を判定するための技術や基準等の検討
大和川においては平成 24 年度からPDCAサイクル型河川管理の体系構築の一環とし
て、堤防の機能を評価する基準案を試行的に設定してきました。
そうした中で平成 27 年 3 月に水管理・国土保全局から「堤防及び護岸点検結果評価要
領(案)」と「樋門・樋管点検結果評価要領(案)」(以下「要領」という。)が出されたこ
とから、平成 27 年度の点検からはこの要領により評価し、その評価に基づき必要な対応
を講ずるものです。