powerpoint プレゼンテーション · 多職種連携への期待①...
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「カンファレンスとチーム医療を考える」 より良い地域包括ケアの実現をめざすために
キーワードは看看連携
2014年9月20日(土) 地方独立行政法人 大牟田市立病院
MSW がん専門相談員 北嶋晴彦
1 地域包括ケアシステムと街づくり
2 多職種連携とチーム医療
3 カンファレンスの実践方法
・グループダイナミクスと
ファシリテーション
・チーム形成に必要なこと
4 人生の最終段階における医療支援
(大牟田市での取り組み例) 5 まとめ
福岡4地区看護研修会
医療危機!? 7つのキーワード
1. 2025年問題
2. 医師・看護師を中心としたマンパワー不足
3. 医療提供体制改革
4. 死に場所不足
5. 地域包括ケア
6. 診療報酬改定
7. 医師偏在
「医療危機」pp46-85 週刊東洋経済 2014年7月19日発行
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医学モデル → 生活モデル
「生命を“輝かせる看護”」
・「生命の量から質への転換」
鎌田ケイ子(2014) 「看護」2014.9日本看護協会機関紙p97
「自助」「互助」「共助」「公助」の関係
出所:平成25年3月『地域包括ケア研究会報告書・」概要版』より
地域や時代に応じて4つの重みや役割は異なる 「自助」「互助」の役割が大きくなりつつある 「共助」「公助」の拡大は期待できない側面がある。
公助
共助
互助
自助
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地域包括ケアシステムにおける「5つの構成要素」
「地域包括ケアシステム」を正確に理解する(二木立)
地域包括ケアシステムの「実態は『システム』ではなく『ネットワーク』、主たる対象は都市部」
地域包括ケアシステムの具体的な在り方は地域に
よって異なります。 「誰が地域包括ケアの中心を担うのかも、地域によ
り異なる。」
それぞれの地域で力がある組織や人がリーダーシップを取ってやるしかないんです。
二木立(日本福祉大学学長)2013.5.1(水)「二木立の医療経済・政策学関連ニューズレター(通巻
106号)」2013年3月15日の日本慢性期医療協会役員を対象とした講演より。 全文は非営利・協働総合研究所「いのちとくらし」HPから見られます。
http://www.inhcc.org/index.html
財団法人医療研修推進財団(2010)「精神腫瘍学クイックリファレンス」厚生労働省委託事業p318
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出所:第46回社会保障審議会介護保険部会(平成25年8月28日開催)資料3,p7より。厚労省HP(平成26年9月15日)
市町村では、 2025年に向けて、3年ごとの介護保険事業計画の策定・実施を通じて、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じた地域包括ケアシステムを構築していきます。
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200
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300
「 コミュニティの中心」として特に重要な場所 広井良典(2008)
(注)以上のほか、「その他」と回答した数が351 あり(内訳は、公民館174、自治会館77、地区センター等68、コミュニティセンター等49など〔重複回答あり〕)。 (出所)「地域コミュニティ政策に関するアンケート調査」(2007 年5 月実施)の調査結果をもとに筆者作成。
広井良典(2008)『「コミュニティの中心」とコミュニティ政策』千葉大学法学部総合政策学科教授 公共研究 第5巻第3号(2008 年12月) 広井良典(2014)『これからの地域コミュニティと医療・福祉』病院73巻9号(2014年9月)pp686-691
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多職種連携への期待①
半田一登(2013)公益社団法人日本理学療法士協会会長
「異職種間連携を強化するための必須条件は、他の職種の本質を知ることである。臨床実習前教育および臨床実習教育にあって、他の職種のことを学ぶ機会は皆無に近いのが現状である。卒業した途端に職種連携といわれても、その素地すらできていないのである。多職種連携を推進するためには、まずは、多職種間連携教育を始めなければならない。(中略)シームレスな多職種間連携が完成すれば、患者満足度は大きく向上するはずである。(中略)2025年、タイムリミットは迫っている。」
半田一登(2013)「利用者を中心にした多様な連携」公益社団法人日本理学療法士協会会長 JOURNAL OF CLINICA REHABILITATION Vol.22,No.5,2013.5.p466
多職種連携への期待②
中村春基(2013)一般社団法人日本作業療法士協会 会長 兵庫県立リハビリテーション中央病院
「連携のためには、多職種の理解と合意形成のためのコミュニケーションならびに会議を進行させるためのコーディネイト能力が必要とされる。しかし、現行のリハ専門職の養成教育課程には、このような内容を履修する時間的な余裕はない。多職種連携が希望するための、教育からの取り組みが必要である。」
中村春基(2013)「在宅支援を基盤とした多職種連携の紹介」 JOURNAL OF CLINICA REHABILITATION Vol.22,No.5,2013.5.p474
一般社団法人日本作業療法士協会 会長 兵庫県立リハビリテーション中央病院
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多職種連携への期待③
落合芙美子(2013)NPO法人日本リハビリテーション看護協会 理事長
「専門職各人の目標に向かっての方向性が同一であることが重要である。特に各専門職の役割分担の明確化やリハ概念の共有をベースにした自己開示、自由闊達な議論、メンバーであるという意識が大切になってくる。」
落合芙美子(2013)「人生のエスコート」NPO法人日本リハビリテーション看護協会 理事長 JOURNAL OF CLINICA REHABILITATION Vol.22,No.5,2013.5.p480
専門職の協働体制の意義
それぞれの専門家が、協働体制の 効用性と限界を認識し、さらに活用 できるシステムの強化を図ることにより、地域における領域の広い福祉・ 保健・医療の包括的援助・支援が可能と考える。 福山和女(2010)『カンファレンス・協働ー保健・医療・福祉の専門家のためにー』p2,㈲FK研究グループ
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チーム医療とは
○ 医療に従事する多種多様な専門職が、それぞれの高い専門性を前提に、目的・
到達目標・手段に関する情報を共有し、
業務を分担しつつも互いに連携・補完しあい、患者の状況に的確に対応した医療を
提供すること。
厚生労働省(平成22年3月19日)『「チーム医療の推進について」(チーム医療の推進に関する検討会 報告書)』1.基本的な考え方
看護師はチーム医療のキーパーソン
看護師については、あらゆる医療現場において、診察・治療等に関連する業務から患者の
療養生活の支援に至るまで幅広い業務を担い
得ることから、いわば「チーム医療のキーパーソン」として患者や医師その他の医療スタッフから寄せられる期待は大きい。
厚生労働省(平成22年3月19日)『「チーム医療の推進について」(チーム医療の推進に関する検討会 報告書)』2.看護師の役割の拡大 (1)基本方針
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医療のキーパーソンとしての看護の役割 日本看護協会 会長 坂本すが(2014)
看護とは「24時間患者の生活を見ながら何が起こっているかを察知し、誰
(どの職種)の手が必要か采配する力」
※2014年7月4日、香川県で開催された「第64回日本病院学会」のシンポジウムでの発言。多職種の方々と「医療のキーパーソンは誰か」について意見を交わし、「ある時点や場面で各職種がキーパーソンとなる」という意見も出たが、上記のコメントをと述べると、皆さん同意を示し、キーパーソンとして看護師への注目と期待は大きいと感じた(坂本会長)。
A B C
更に個人の成長がプラスすれば= チーム(組織)力UP キーパーソンは看護師(看看連携:ケアの連続性)
チームは皆が同じ方向(目的や目標)を向くと強くなる
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「2025年に向けこれからの看護を考える」
日本看護協会会長 坂本すが(2014年6月26日) 医療経済フォーラムジャパン 第68回定例研修会
① 新人看護職の離職防止 ② 看護職が一生働きつづけられる職場づくり ③ 仕事と生活の両立を無理なく実現できる ワーク・ライフ・バランスの推進
④ ナースセンターの活用 ⑤ 患者像の変化に対応した在宅医療・訪問看護に 力をいれること
みなさん考えてみてください。
①どんなチームに所属していますか? 参加者の役割や専門性を理解していますか?
②どんなカンファレンスに参加していますか? カンファレンスの目的や役割を理解していますか?
③現在のカンファレンスに満足(納得)していますか? 問題や課題があるとすれば、どのような事を感じてい ますか?
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カンファレンスとミーティング
1.カンファレンス(conference) 相談 協議 会議 打ち合わせ Meetingよりも意図が鮮明で議題が焦点化している 場合を示す。実際に席について参加している人の利益の 為に行われる。参加者全員に同等の権利と責任がある。 ラテン語の「共に元出す」から来ている。
2.ミーティング(meeting) 会合 集会 大会 カンファレンスより広義に使われる。ある事を討議 したり取り決めるため、一団の人々が集まること。 参加者だけでなく、聴衆の利益のためにも行われる。
シンポジウム フォーラム パネルディスカッション
参考:川島みどり・杉野元子(2013※初版1984)「看護カンファレンス」第3版6刷 p61.180-181 医学書院
カンファレンスの定義① 1.支援の流れの中で、
2.保健・医療・福祉の専門家が、
3.それぞれの立場からアセスメント・ 支援計画などを提示して、
4.それぞれの役割分担についてチームの合意をえるための会議である。 福山和女(2010)『カンファレンス・協働ー保健・医療・福祉の専門家のためにー』p3,㈲FK研究グループ
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カンファレンスの定義②
「支援過程の中で、多職種で構成された チームによって開催される会議」 患者・家族の主体的な参加と多職種によるチーム アプローチにより、退院後の生活ニーズを共有化し、 目標を設定し、生活の方法やサービスの提供ついて 検討します。
参考:篠田道子、他(2012)「ナースのための退院調整第2版院内チームと地域連携のシステムづくり」(株)日本看護協会出版社.p81.
カンファレンスの意義と目的
対象患者・対象事例
QOL・ADL向上
専門家は視点が異なる。意見が違ってあたりまえ。 情報共有をして、目標の意思統一を図る
より良い支援体制の構築 →要因・原因を明らかにする。 多職種・多施設の連携と協力を深める →専門家の機能や役割を知る機会
組織・地域・制度で埋もれている課題を
発掘する。→現状での限界を知る 社会資源を創造する。 職員の教育・研修の機会となる。 新・社会福祉士養成講座8『相談援助の理論と方法Ⅱ第2版』2010年 中央法規 p207-208を参考に作成
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カンファレンスの開催時期(退院調整時)
カンファレンス 開催時期 参加者 検討内容
医療チーム カンファレンス
入院後1週間以内 医療スタッフ
治療方針 入院期間 退院後の状態と 生活のイメージ共有
退院前 カンファレンス
退院前1~2週間 医療スタッフ 家族
治療や看護、
リハビリテーションの進捗状況共有 退院後の生活の場の検討
退院時合同 カンファレンス
退院前1週間以内 医療スタッフ 家族 在宅支援チーム
退院後の生活目標の共有 具体的なサービス内容 役割分担と連携方法 緊急時の対応
参考:篠田道子、他(2012)「ナースのための退院調整第2版院内チームと地域連携のシステムづくり」(株)日本看護協会出版社.Pp61-82.
退院調整のプロセス
①方向性 統一期
在宅
スクリーニング・情報収集
①看護師間カンファレンス
アセスメントシート活用
情報提供(書類作成)・連携
退院(転院)
教育
支援
意思決定
②病棟カンファレンス
③退院前カンファレンス
外来 (通院)
入院 外来 (通院)
②療養体制
調整期 サービスや療養体制の必要性をアセスメント
③在宅・転院
移行期
転院・施設
在宅・転院調整の必要性決定
サービス調整・転院先選定
往診医・訪問看護師などサー
ビス
変更・追加・連携
石原ゆきえ・井上健朗(2014)「多職種協働事例で学ぶ退院支援・調整の進め方」日総研 p46 添付CDより
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退院調整をするために看護師が必要なこと
① 病院と部署の特徴を理解する。
② スクリーニングし、早期に退院調整が必要か見極める。
③ 患者・家族の希望を確認し尊重する。(意思決定支援)
④ 退院後必要な情報を収集し、アセスメントする。
⑤ 入院時または治療開始時に、治療方針(入院日数含む)を
医師と必ず確認する。 ⇒医療者の「ズレ」を少なく…
⑥ 多職種をコーディネート(チーム医療)
⑦ コミュニケーション技術(情報共有・チームを動かす)
⑧ 退院指導:在宅支援マニュアル、医療の簡便化、
在宅に合わせる。
⑨ 外来看護師や退院調整部署、訪問看護師との連携
石原ゆきえ・井上健朗(2014)「多職種協働事例で学ぶ退院支援・調整の進め方」日総研 院内教育ツール集より(添付CD)
退院調整するためのポイント
●倫理的問題の解決は多職種で!意思決定支援を中心に
・患者・家族の意思をゆっくり聞く:必要時は別々な場所で
→病状説明など家族を中心になっていないか
→意思決定ができない場合は?
・本当に望む治療か→終末期輸液ガイドライン、認知症の終末期:
高齢者ケアの意思決定プロセスのガイドラインなど利用する。
・擁護者としての看護師の役割発揮をすることも重要
→QOLや尊厳を十分に考えて結論を出す
・「医師や家族にまかせる」の裏には、遠慮や自己主張がわがまま
と感じて我慢していないだろうかと考える。
・多方面や客観的に考えることも重要、多職種の意見を統括する。
石原ゆきえ・井上健朗(2014)「多職種協働事例で学ぶ退院支援・調整の進め方」日総研 院内教育ツール集より(添付CD)
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終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン 厚生労働省平成19年5月
(2)患者の意思の確認ができない場合
① 家族が患者の意思を推定できる場合には、その 推定意思を尊重し、患者にとっての最善の治療 方針をとることを基本とする。
② 家族が患者の意思を推定できない場合には、 患者にとって何が最善であるかについて家族と 十分に話し合い、患者にとっての最善の治療方針 をとることを基本とする。
③ 家族がいない場合及び家族が判断を医療・ケア チームに委ねる場合には、患者にとっての最善の 治療方針をとることを基本とする。
•参考:社団法人日本老年医学会「高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン 人工的水分・
栄養補給の導入を中心として(平成24年6月27日)」も基本的には同じような事が明記されている。
相談支援のプロセスの全体像
引用:国立がん研究センターがん対策情報センター相談員基礎研修会(3)資料より
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多職種連携カンファレンスの効果 お互いに、より理解し合える ケアに対する考え方や実践が変化する 新しい知識や生きた情報を得ることができる 患者・家族をより理解できる
<結果> 地域での多職種のカンファレンスは、お互いの役割 などのみならず感情レベルでの理解を深め、実践を 変化させることに役に立つことが示唆された。
和泉典子, 他. Palliat Care Research 2012 井村千鶴, 他. 緩和ケア 21(3): 335-342,2011
出発地
目 標
効果的なカンファレンスに必要なこと
目標を明確化する チームとしての意識 グループダイナミクスの活用 ファシリテーション技術 (操縦技術・管制塔)
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カンファレンス運営上の必要なテクニック ① 目的・目標設置のためのテクニック 目的、構成メンバー、事前準備、時間厳守 ②専門家同士で相手の領域を侵さない メンバーの発言を認め、受け止める ③明確化・焦点化 問題・課題を絞り込む。優先順位を付ける 福山和女(2010)『カンファレンス・協働ー保健・医療・福祉の専門家のためにー』p13,㈲FK研究グループ
ケースカンファレンスの進め方
1 目的・ゴールをハッキリさせる。見やすい資料の準備をする。
2 患者の全体像を把握する。
3 このケースの主な問題は何か。
4 さらに必要な情報は何か。
5 原因と考えられるものは何か。
6 何からどのように進めていくか。解決策のアイデアをたくさん求める。
7 原因を解決するか、新たな問題を生まないかをアイデア一つひとつ
についてチェックする。
8 どれを実践するか、アイデアを選ぶ。
9 誰が、いつ、何を、どうする、という具体的な計画を立てる。
10 師長、主任、ベテランナースの経験知、暗黙知を活用する。
11 必要ならば、技術の伝達も実践してみる。
参考:川島みどり・杉野元子(2013※初版1984)「看護カンファレンス」第3版6刷 p114 医学書院
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問題解決のためのマネジメントツール
目標を明確にしたら、5W2Hで考えてみましょう。
意思決定の4つの方法 ① 個人の決定
リーダーや上位者を中心に決定する。しかし、 参加者の意思を十分出しきれていない場合は、 押しつけられた気分になる。
② 多数決 少数者の意見も尊重する。無視はしない。
③ 合 意 多くの意見が一致。民主的な方法。ハッキリとした 反対意見があると決められない。時間がかかる。
④ 全員一致 理想であるが、現実は困難な場合が多い。
参考:川島みどり・杉野元子(2013※初版1984)「看護カンファレンス」第3版6刷 p61.180-181 医学書院
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グループダイナミクス(集団力学)とは?
グループ:集団 ダイナミクス:力学
メンバーの相互交流の結果生じた力を研究 グループには目に見えない「不思議な力」がある グループの力は、メンバーである個人の思考や 行動に大きな影響を与える 成長や課題の克服とグループ体験とが密接な関係
にある
グループワークとは・・・ 「グループの力動を媒体として 個人の成長や問題を解決する 対人援助の専門技術」
参考:黒木保博、他(2004)「グループワークの専門技術ー対人援助のための77の方法-」中央法規出版.pp14-15.
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目標達成に向けたグループダイナミクスの働き
情報共有が進み、相互作用が活性化する 肯定的で建設的な意見交換 協調的で問題解決的な雰囲気が出てくる
(-.-)
(-.-)
(-.-) (-.-)
(-.-)
強い関係 協調的な関係
弱い関係 競争的な関係
参考資料:相談支援センター相談員指導者研修会(ファシリテーションスキル)「グループダイナミクスとファシリテーション 2011年 群馬県立がんセンター 精神腫瘍科・総合相談支援センター 大庭 章
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ファシリテーションとは(定義) ① 中立的な立場で ② チームのプロセスを管理し ③ チームワークを引き出し ④ そのチームの成果が最大になるように支援すること
(黒田由貴子)
つまり・・「最大の成果がでるように会議を取り仕切る技術」 → マネジメント技術 ファシリテーター(協働促進者)≠司会者、議長
ファシリテーションスキル(4つ) 1.場のデザインのスキル・・場をつくり、つなげる 目標設定・論点整理 2. 対人関係のスキル ・・・受け止めて、引き出す コミュニケーション 3. 構造化のスキル ・・・かみ合わせて、整理する 議論内容の整理 可視化 4. 合意形成のスキル ・・・まとめて、分かち合う 最終的な結論 参考: ・堀 公俊(2004)「ファシリテーション入門」日本経済新聞社非特定営利法人 本ファシリテーション協会 ・「看護」日本看護協会 機関誌 vol.66 No11 September 2014 pp92-93
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ファシリテーターの持つギア(3つ) 1.コントロール 積極的に介入しグループを動かす 課題とゴールの再認識 指名し、発言とフィードバックを促す 話の内容に脱線しているとき
2.ガイド 時々介入しワークの進行を調整する。 発言の機会が均等になるように配慮する
3.フォロー グループワークのプロセスを見守る 順調にいっているときの対応
参考資料:独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター平成23年度相談支援センター相談員基礎研修会(3)
ケースカンファレンスの評価(24項目)
1 カンファレンスのねらいは達成されたか。
2 議題は適切だったか。メンバーは関心を持もったか。カンファレンス以外の
方法ですむことがカンファレンスに取り上げられていなかったか。
3 司会者、メンバー双方が十分準備をしていたか。
4 お互いが聞き合っていたか。
5 意見を述べ合えていたか。言うべき人が発言していたか。
6 結論は満足するべきものだったか。
7 必要な資料は準備され、活用されたか。
8 資料を配るタイミングはよかったか。
9 メンバーは議題に集中できたか。
10 時間は有効に使えたか。
11 記録は適切か。不参加者も記録を読めばわかる記録になっているか。
12 司会者は役割を果たしたか。
参考:川島みどり・杉野元子(2013※初版1984)「看護カンファレンス」第3版6刷 p110 医学書院
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ケースカンファレンスの評価(24項目)
13 司会は適切だったか。患者のプライバシーは守られていたか。
14 新しい情報や知識が得られたか。
15 雰囲気は受容的で、温かさを感じられたか。
16 気兼ねや緊張を強いる場面はなかったか。
17 時間は短く感じられたか。
18 充実し、参加してよかったと感じるか。
19 雰囲気を盛り上げる人はいたか。
20 お互いに助け合っていたか。
21 対立があったとき、その葛藤を乗り越えられたか。
22 感情的なしこりは残っていないか。
23 参加者は動機づけられたか。
24 議題提出者や参加者の満足度はどうか。
参考:川島みどり・杉野元子(2013※初版1984)「看護カンファレンス」第3版6刷 p110 医学書院
チーム
活性化
患者家族
満足 目標達成
①
②
③
堀 公俊(2010)「チーム・ファシリテーション最強の組織をつくる12のステップ」朝日新聞出版. P25「組織活性化のサイクル」をもとに演者作成
「チームが輝けば、患者家族が輝く」 「患者家族が輝けば大きな成果を生み出す(目標達成)」
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OPTIM『緩和ケア普及のための地域プロジェクト』 厚生労働科学研究費補助金第3次対がん総合戦略研究事業
研究リーダー 江口研二先生(帝京大学)
参考:ビデオを見ながらカンファレンス・他の実践方法を学ぶ事が出来ます。
退院前カンファレンス(退院時共同指導2)
「合同カンファレンスシート」は 電子カルテへ保存。 記載は直接カルテ記載し保存 ができる。 ※下記はがんターミナルケアカンファレンスの実際
ふりがな 性別 年齢
住所
主治医
医療面
介護面
その他
■退院時共同カンファレンス2 ※□2回目→ ■在宅医療担当医の参加 □在宅医療支援の専門職3者以上の参加
在宅担当医・看護師等・薬剤師・訪問看護師・ケアマネ・歯科衛生士・その他( )
氏名 男
合同カンファレンスシート (患者ID: )
入院日: 2009 年 7月 31日
開催日: 2009 年 8月 13 日
自宅には、妻、両親がいる(本人一人になる時は基本的になし)。弟嫁が看護師であり、家族のサポートも行ってもらえる。患者は自宅トイレに行きたい希望あり。退院は、8月14日(金)14:00に当院を出発する。自宅退院時の搬送は、当院の救急車でおこなう。退院当日は、藤沢先生と米田氏が12:00頃に来院して、輸液とポートの確認を行う。
議 題
診断名(主病名のみ)
1968年3月21日 41
電動ベッド→8月14日(退院当日)13:00に納品。介護保険認定結果待ち。ポータブルトイレ介助必要。
カンファレンス参加者(施設名)合計: 5 人
記 録
5.まとめ(退院日時の確認/準備するもの/他)
1.参加者紹介
藤沢院長(ふじさわ脳神経外科クリニック)、家族5人(両親、妻、弟夫婦)、米田看護師(訪問看護ステーションながす)、小林さん(ベッドレンタル会社)、松下医師(当院主治医)、江川師長、MSW北嶋
○○○○ ○○○
○○ ○○ 様
○○市○○町
生年月日
#1 舌癌術後
そけい部よりポートあり。ターミナル期。病状が急変しやすい。24時間で高カロリー輸液を行っている。酸素2ℓ→97%。転倒注意。転移は不明である。座薬で疼痛コントロールをしている。入浴は可能。最終のターミナル期(心肺停止状態)での医療対応については、できるだけの医療処置(輸血、人工呼吸器、昇圧剤、心臓マッサージ)は行ってほしい希望あり(妻)。在宅酸素は退院時に納品。ネブライザー、吸引器は必要に応じて納品(藤沢院長、訪問看護)。
#2 再生不良性貧血(25歳時骨髄移植)
2.現在の病状やケア状況についての確認
#4
4 緊急時の確認(夜間対応など)
進武一郎 先生・松下 友 先生/ 耳鼻科 / 入院病棟(東5階)
#3 左頸部リンパ節再発
3.受け入れ体制の確認(医師、看護師、ケアマネ)
ご本人の希望も踏まえ、自宅退院(在宅医療導入+介護サービス導入)での退院支援を行っています。退院は8月14日(金)を予定です。ご本人(ご家族)と医療・福祉関係者間による情報共有を行い、できる限り、安心・安全に退院をして頂くように療養環境を確認します。
カンファレンス目的 → 今後の生活目標
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チーム・ビルディング
<チームの条件> ① チームの使命や目的があること ② メンバーが目的達成のために貢献する意欲を もっていること ③ メンバーの役割分担が明確であること ④ メンバー間に密接なコミュニケーションがあること
小川朝生・内富庸介(2010)「これだけは知っておきたいがん医療における心のケア」 財団法人医療研修推進財団 厚生労働省委託事業 2010年3月p133
チーム医療について・・・ 「最初から理想的なチームは存在しない。 チームは育て、そして立て直し続けていかなくてはならない。したがって、チーム結成のスタートは、行き詰まりや失敗の連続である。しかし、こうした行き詰まりや失敗について、メンバーがカンファレンスのなかで率直に話し合い、対策を検討することができれば、行き詰まりや失敗はチームが立ち直り、そして育つ糧となる。」
小川朝生・内富庸介(2010)「これだけは知っておきたいがん医療における心のケア」 財団法人医療研修推進財団 厚生労働省委託事業 2010年3月p139
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チームリーダーの条件 (私案:半田一登 2011)
1 専門的知識・技術が高い事
2 問題解決・改善能力が高い事
3 対人関係能力が優れている事
4 メンバーとの意思疎通能力が高い事
5 メンバーへの動機づけ能力が高い事
6 メンバーをまとめる能力が高い事
7 方針等がわかりやすく、ぶれないこと
半田一登(2011)「チーム医療における理学療法士の役割」PTジャーナル45巻11号 2011年11月 p917
(チームにはリーダーが必要な事を踏まえて・・・演者補足)
「チームにはマネージャーも必要で、組織的役割はある意味で現場責任者です。」
チームの機能不全について ①メンバーの役割と行動が固定化する ②メンバーの考え方が均質化し刺激を与え合えなくなる ③(略)コミュニケーションが固定化する ④外部と疎遠になり関心が集団内部に狭まる ⑤リーダーが過去の前例と経験に縛られ変化に抵抗を 示す自己呪縛に陥る
財団法人医療研修推進財団(2010)「精神腫瘍学クイックリファレンス」厚生労働省委託事業p318
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形成期Forming
騒乱期Storming
規範期Norming
遂行期Performing
拡散期Adjourning
チーム力
+
0
-
対立のないチーム
建設的な対立のあるチーム
時間
チームの変遷プロセス(タックマンモデル:1977) 葛藤がチームを強くする 立場が異なれば、意見も異なる(当たり前)
リーダー: 指 示 使命・目標の提示 合 議 権限の委譲 の在り方
<現場の悩み(きっかけ)>
ケアマネや後見人などの経験から、受診受療に関す る自己決定や家族の支援が受けられない方について、 患者に代わって支援者が治療方針を決めるように求め られることや、同意(書)を依頼される事もある。 状況を踏まえて、仕方なく同意(書)をすること もあった。しかし、本当に患者が望んでいる支援が できたかどうか、後から悩むことがある。今後は、 このようなケースは増えて行くのではない かと考えると不安になる。
※ケアマネ、後見人は医療同意(書のサイン)はできません。
人生の最終段階における医療支援 大牟田市における取り組み例
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「人生の最終段階における医療に関する意識調査報告書」平成26年3月
約半数は人生の最終段階における医療について話し合った事が無い。
「人生の最終段階における医療に関する意識調査報告書」平成26年3月
約7~8割の人は、意思表示をすることに賛成している。
2014/9/22
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「人生の最終段階における医療に関する意識調査報告書」平成26年3月
意思表示を書面で残している人は殆どいない
「人生の最終段階における医療に関する意識調査報告書」平成26年3月
約9の人は意思表示の尊重・家族や医療チームの判断を踏まえた治療を希望している。
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「人生の最終段階における医療に関する意識調査報告書」平成26年3月
約8割の人は、意思表示を法律で定める事を希望していない。
会議名: “人生の最終段階における医療”についての意見交換会
メンバー:13人 医師 弁護士 司法書士(後見人) ケアマネ 行政 MSW
開催日:1回目 2014年6月2日 19:00~20:30 2回目 2014年9日4日 19:00~20:30
場 所:大牟田市役所内 会議室
経 過:1回目の会義を踏まえて「これからの私の医療 に対する希望(用紙・2パターン)」を作成し た。コミュニケ―ションツールとしての位置づ けで、実際に今年中に試験的に活用する準備中。 ※用紙には、法的拘束力は全くありません。
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※ ホームページ上での画像紹介のため、制限(加工:ぼかし)を加えています。
これからの私の医療に対する希望 ※自分パターンと家族郵送分
人は生まれてきた以上、誰もが最期を迎えるときが来ます。『その時』が急に来た場合には、自分が
望んでない最期を迎えてしまう可能性もあります。そこで、できるだけ自分が望む人生を送るために、
今、あなたが『その時』に受ける医療についての考えを記しておく書類です。
1.基本的な希望 (希望の項目をチェック☑して下さい)
①痛みや苦痛について
□何らかの方法で、痛みや苦痛を取ってほしい
□何も使用せず自然のままで過ごしたい
□今は決められない
②最期はどこで過ごしたいですか
□病院 □自宅 □施設 □その他( )
2.最期のときを迎えなければならないときに受けられる延命を目的とした医療についての
希望(希望の項目をチェック☑して下さい)
① 心臓マッサージなどの心肺蘇生 □希望する □希望しない
②人工呼吸器の装着 □希望する □希望しない
③胃ろうによる栄養補給 □希望する □希望しない
④鼻などからのチューブによる栄養補給 □希望する □希望しない
⑤点滴(中心静脈栄養)による栄養補給 □希望する □希望しない
⑥点滴による水分補給 □希望する □希望しない
3.治療中に病気を治すことが難しいと医療側が判断した場合、その治療を中止されても
構いませんか?
※苦痛や痛みを取る治療は最期まで行われます。ここでいう治療とは、病気を治すための治療
をさします(病気を治すための薬物療法や手術や処置がそれにあたります)。
□中止しても構わない
□治療(薬物療法や外科的・内科的に病気を治す目的の治療)を最期まで行ってほしい
□今は決められない
◎ご自身が最期のときを迎えそうになった時に受けられる医療に対する今の希望をご記入下さい。
◎ご自身が万が一、自分のことを判断できない時に、主に主治医・支援者の参考になると思われます。
◎この希望はいつでも修正・撤回ができます。また、この書類に法的な意味はありません。
4.ご自身で希望する医療等、さまざまな判断ができなくなった時、あなたの気持ちを代弁し
てくれる方、あるいはあなたの最後の希望について託しても良い方はいらっしゃいますか?
□いる⇒主治医はその方に相談をして、今後の事を決めていきます
その方はどなたですか?下記にご記入下さい
お名前【 】 あなたとのご関係【 】
□いない
5.この用紙では記入できなかったことや、今後のことで何か書き留めておきたいこと、
ご自身の想いやご自身のことで知っておいてもらいたいこと等、何でもご自由に下記の
カッコ内にご記入下さい。
お名前 書類記入 年月日
ご住所
書類記載時の同席者サイン ご本人様とのご関係
《ご家族のかたへ》
上記の内容は、ご本人が書類を記入された時期の『最期を迎えるにあたってのご本人様のご希望』
です。
もし、ご本人に代わって医療者から何らかの決断をせまられた場合には、ご本人のご希望を尊重さ
れることが、ご家族が果たすべき役割かもしれません。
上記内容を良くお読みになられて、ご本人様の意志に同意される場合は下記にご署名下さい。
お名前 ご本人様とのご関係 書類記入 年月日
ご住所
【書類受取者 氏名】 【所属事業所名】
【書類受取日】 【どなたから受け取ったか】
※ 本スライドでは「これからの私の医療に対する希望」
シートを紹介しています。しかし、案の段階ということもあり、
HP上では紹介を制限しています。
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森亘先生(2013)①
(病理学者 元東大総長 日本医学会長) 「私は、節度ある医療とは、同時に品位のあ る医療であると考えている。そして、これは 単に狭い意味での医学・医療の面からからみ て適切であるばかりではなく、患者の人間 としての尊厳が守られる事にも通じるもので ある。品位ある医療とは、温かい『こころ』 に裏打ちされた合理性を基礎とするものと考 えるが、これは決してガイドラインなどに よって導き得るものではない。 森 亘(2007)『美しい死 』アドスリー 参照:権丈善一(2014)「医療提供体制の再構築」社会保険旬報No2572(2014.7.1)pp19-20
森亘先生(2013)② (続き→)一人の医師と一人の患者が、その 時々の個々の症例について考える問題であり、 また一方、決して医学的知識・医療技術だけ では回答が得られない問題である。すなわち、 個々の医師自身にもそれらに対処できるだけ の医学的力量とともに人間的教養ならびに 品位が求められるといってよい。」 ◎「知識」「教養」「品位」の資質が必要
森 亘(2007)『美しい死 』アドスリー 参照:権丈善一(2014)「医療提供体制の再構築」社会保険旬報No2572(2014.7.1)pp19-20
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まとめ
よりよい地域包括ケアの実現を目指すために・・・
地域包括ケアは街づくりの視点が大事 良いチームをつくる(多職種連携・看看連携) 質の高いカンファレンスを行う(構成要素の理解) 良質のケアには「知識」「教養」「品位」が必須
①チーム(支援者)よし ②患者・家族よし ③地域よし
①
③ ②
正のスパイラル 近江商人の思想・行動哲学
三方よし「売り手よし、買い手よし、世間よし」