psychoacoustics chapter8 loudness
TRANSCRIPT
Psychoacoustics
• Psychoacoustics, Facts and Models• Fastl, Hugo, Zwicker, Eberhard
• 3rd ed., 2007, XII, 462 p. 315 illus. With CD-ROM. ISBN 978-3-540-23159-2
• http://www.springer.com/physics/classical+continuum+physics/book/978-3-540-23159-2/
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
イントロ
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
イントロ
•ラウドネス:強度(intensity)の知覚•刺激と感覚(stimulus-sensation)の関係• 大きさの推定などの測定法を用いる• 直接的にJND(丁度可知差異)からの測定は難しい
•ラウドネスレベル(loudness level)(≠ラウドネス)も重要• ラウドネスレベルは感覚値ではない• 感覚と物理的な値の間のどこかに属する
• 表現するときに物理値 (dB) で表現するため
4
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
イントロの続き
•部分的にマスクされた音がある場合のラウドネスについて •ラウドネスレンジ(loudness ranges)• マスクされていない音>>>部分的にマスクされた音 •部分的なマスキングは2種類• 同時に提示されるマスカー (周波数)• 時間的にシフトしたマスカー• 周波数(spectral)と時間(temporal)の両方
5
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
8.1 ラウドネスレベル
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
8.1 ラウドネスレベル
•ラウドネス比較(loudness comparisons)• マグニチュード推定法(magnitude estimations)よりも正確な結果を得られる
•ラウドネスレベルの測定• 任意のラウドネス感覚を特徴づけるために作成• 研究者バークハウゼン(Barkhausen)• これは1920年代の研究
• 彼の名前を短くしたものがBark
• 臨界帯域比(critical-band rate)をあらわす
7
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
等ラウドネス曲線とphon
•音のラウドネスレベル• 平面波、正面入射の1 kHzの正弦波の音圧レベル• 単位は "phon"• どんな音でも測定することが可能• 最もよく知られているが、異なる周波数の純音に対するもの
•等ラウドネス曲線(Fig. 8.1)• 可聴領域において、等しいラウドネスの点を結ぶ線• 様々な研究施設で測定• 呈示される刺激の持続時間 > 500 ms に成り立つ
• (メモ:短くなるとスペクトルの広がりがかわる)
8
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
等ラウドネス曲線の特徴
• 1 kHzでphonと同じ値の音圧レベルを通過(定義より)• すべての曲線において• 40 phonの等ラウドネス曲線: 1kHzで40dBを通過•最小可聴値(threshold in quiet)• ラウドネスを知覚する限界の部分• 1 kHzで、0dBではなく、3 dBに対応• この等ラウドネス曲線は3 phonを表す
9
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
等ラウドネス曲線の特徴
•低いラウドネスレベルでは(約20phon)• 最小可聴値の曲線とほぼ平行• 特に200 Hz以上の周波数• 大きなラウドネスレベルでも当てはまる
•低い周波数では• 高いレベルにおいて、平らになってくる• 50 Hzにおいて• 50 dBの音圧レベルは、約20phon (差は30)
• 110dBでは100phonに達する。(差はわずか10)
10
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
等ラウドネス曲線のdip
•最小可聴値において最も敏感なエリア• 2 - 5 kHzの周波数範囲• すべての等ラウドネス曲線でディップ(へこみ)• 高い音圧レベル:ディップがより深く
• 最小可聴値から予想されるよりもさらに大きな音• (倉片先生memo: iso 226 2003では、大きいレベルでは浅くなっている!)
• Marozeau and Florentine, “Loudness growth in individual listeners with hearing losses: A review,” J. Acoust. Soc. Am. 122(3), September 2007参照
11
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
平面音場・拡散音場•等ラウドネス曲線の測定• 平面波音場(plane sound field)で行われる• 平面波、正面入射• しかし、普段の生活では多くの場合、 拡散音場(diffuse sound field)で聴いている• あらゆる方向から音が到達する
• 音の到来方向に対して、聴覚システムは一様な敏感さを持っていない
• 周波数にも依存• →このため、平面音場と拡散音場では等ラウドネス曲線が異なる
12
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
減衰aD
•平面音場と拡散音場の違いを表す• 同じラウドネスを生み出すために必要•図8.2にaDの周波数依存特性•低周波数領域では、この減衰は無視• 聴覚システムは、全方向性として機能するため• 1 kHzで減衰量は-3 dB• 拡散音場での1 kHz純音の音圧レベルは、平面音場より3 dB小さくする必要がある
13
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
減衰と音場
•減衰aDの測定• × 正弦波○狭帯域雑音(誤差が出づらい)
• 図8.2の横軸は狭帯域雑音の中心周波数•高周波数領域:減衰は再び増加• 2.5 kHzで約2 dB•さらに高周波数領域:aDは減少•拡散音場での等ラウドネス曲線• 図8.1と8.2のデータを利用• 等ラウドネス曲線は周波数依存性を示す
14
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
A特性とラウドネスレベル
•ラウドネスが依存する変数• 帯域幅、周波数成分、持続時間...•音圧レベルのA特性(A-waighted)は単純• 単一の重み• 周波数依存性があるため、低い音圧レベル場合での近似しかできない(正弦波もしくは狭帯域雑音)• 低い音圧レベルでの等ラウドネス曲線のように
• A特性のノイズまたは複合波(complex tone)もしくはそれらの組み合わせ• 主観的に知覚されるラウドネスの指標として使用される場合、誤解を招く恐れ
15
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
8.2 ラウドネス関数
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
ラウドネスの測定
•音の大きさ• 刺激の音の強度に最も密接に対応する感覚• ラウドネスにて感覚と刺激の関係• 対象音が基準音に対してどれだけ大きく(または小さく)聞こえたか、という質問に答えることによって測定
• 刺激を変えることで比率を求める• または二つの刺激による二つの感覚の比率を判断
17
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
sone
• 1 kHzの正弦波• 最も一般的な基準音• 電気音響学(electroacoustics)と音響心理学(psychoacoustics)にて
• 音の強さ(sound intensity、音響インテンシティ)の代わりに音の強さのレベル(sound intensity level)が使用される• 自由音場条件では、この値は音圧レベルに対応している。
• 平面方向波は、インテンシティの方向が揃っているので、^2すると音圧レベルになる
• 1 kHzで40 dBのレベルの正弦波ラウドネス知覚の基準:1ソーン(sone)
18
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
音圧レベルとsone
•ラウドネス評価• 最も単純な比率:倍もしくは半分• 参加者は開始よりも2倍(もしくは半分)の大きさに感じるレベルを探す
• 1kHzのラウドネスが2倍→平面波音場で10 dB増加• 例:音圧レベルが40 dBラウドネスを2倍→50 dB• 2 soneに相当 (40 dBが1 sone)
19
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
ラウドネス関数
•異なるレベル全体ラウドネス関数• 異なるレベルでラウドネスを半減させたり、倍にさせたりする実験が必要
• 図8.3:開始レベルのよりも2倍のラウドネスを生成するのに必要なレベルの増分• 同じように、減少させることは、音の大きさを半減させることに相当
• 40dB以上の場合はレベルの増分または減分がほぼ独立• 1 kHz の正弦波において
20
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
ラウドネス関数:詳細
•ラウドネス関数の指数• この範囲では、べき乗則(power law)に対応• 10 dBの増分は、2倍のラウドネスの増分• 対数で3dBの増加に対応
• 40 dB以上のレベルの1 kHzの正弦波のラウドネス関数を表す、べき乗則の指数は3/10 (約0.3)
• 40dB以下で、ラウドネスが2倍、半減するのに必要なレベルの差は小さい• 20 dBのときに5 dB
• 10 dB SPL付近ではわずか2 dB
• ラウドネス関数は低いレベルにおいて急峻21
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
ラウドネス関数:基準
•ラウドネス関数を計算• 1 kHz 40dBの正弦波のラウドネス• 基準点であり1soneの音の大きさに相当する
• 図8.4の実線• 横軸:1 kHzの正弦波のレベル縦軸:対数目盛でラウドネス
• 30dB以上のレベルにおいては、べき乗則の指数は直線の勾配
• 30 dB未満のレベルにおいては、べき乗関数は、近似として使用できない
• 破線(べき乗則に対応する)と実線には差が生じる所がある
22
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
ラウドネス関数 (続き)
•最小可聴値 (3dB SPL) において垂直方向の漸近線に到達•他の周波数では・・• ラウドネス関数は通常、1 kHzの正弦波• 等ラウドネス曲線を使用→他の周波数に対しても• phonで測定されたラウドネスレベル
• →1 kHzの正弦波が同じラウドネスに聞こえる音圧レベルに対応するため、図8.1に描かれた等ラウドネス曲線は、phonに加えて、対応するラウドネスでもマークすることができる(等ラウドネス曲線はsoneの曲線で当てはめられる)
23
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
phonとsoneの関係
• 10 phonの増分:ラウドネス2倍• 20 phonの増加:ラウドネスが4倍• 60 phon:4 soneのラウドネス• 80 phon:16 sone• 100 phon:64 sone• 40 phon以下ではラウドネスはより迅速に減少• 20 phonに対応する4倍より大きく、6.6倍以上(40フォンに対応する音の大きさよりもい?)。
• 20 phonに対応するラウドネス値:0.15sone• 最小可聴値(3 phonの等ラウドネス曲線)→0 soneのカーブに対応
24
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
8.3スペクトルの影響
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
スペクトル分布
•音のスペクトル分布(狭いまたは広い)• 帯域幅が最も狭い音は、正弦波• UEN(uniform exciting noise)• 最も広いと同時に、最も均等に分布している
• 物理的にではなく、人間の聴覚において
• 各臨界帯域においてが同じ強さ(式6.7 p. 171)
• (memo: uniform masking noiseとの違いに注意)
• これらは両極端な尺度• ほかのスペクトルをもつ信号は2つの尺度の間におさまる。
• ラウドネスがスペクトル(周波数成分)に依存している場合→UENは、最大の影響及ぼすはず
26
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
調整法による測定
•対象音のラウドネスレベルを測定• 調整法:対象音が基準音と同じラウドネスになるまで調整する
• 実験結果からバイアスを除去するために二回目の実験が必要• 反対に基準音を対象音と同じラウドネスになるように調節
• 図8.5に対象音としてUENを使用した場合の両者の結果• 図8.5では(この章の他のすべての図は違って)基準音と対照音のラウドネスレベルの中央値と四分位範囲の両方を示す
27
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
2つの測定の比較
•図8.5の結果• 対象音と基準音を変化させること• 多少異なる結果に
• 対象音のラウドネスレベル ≠基準音のラウドネスレベル
• 実線:二種類の測定値のから平均的な結果を表す補間されたラウドネスレベル
28
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
2つの結果を比較•二つのデータをより慎重に精査• 結果の間に系統的な差• 約80 dB SPLより低い場合、参加者は変化させる音を予想以上に大きく設定• かすかな、もしくは中程度の大きさの音では合理的→その場合、参加者はより良く聞こえる大きさに 合わせる(すなわち大きい音)
•垂直のバー:基準音ラウドネスレベル•水平のバー:対象音ラウドネスレベル• より高いレベルで再び、実線の右側に位置• 補間された曲線:調整法の代わりに直接恒常法を用いて測定したもの→ラウドネスレベルをを参照するときに通常使用
29
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
UENのラウドネス関数
• UENは超広帯域な特性(重要な特徴)• UENのラウドネス関数• 図8.5のUENのデータを使用して作成• 図8.4の点線• UENでは30 dB すでに1sone
• 1 kHzの正弦波では40 dBで1 sone
• 60 dB以下では、1 kHzの正弦波のラウドネスレベルよりもやや急激に上昇
• 60dB以上はドット付き破線
30
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
ラウドネスレベルの比較
• 1kHz正弦波とUEN• UENのほうがはるかに大きく聞こえる• 図8.5の破線:2つの音が同じレベル• 低いレベル:ほぼ同じ大きさ• 微かなレベルでは1kHz正弦波のほうが大きい
• 20dB以上:UENのほうがラウドネスが大きい• UEN 40 dB ⇔ 1kHz正弦波 55 dB
• UEN 60 dB ⇔ 1kHz正弦波78 dB (差 18dB、最大)
• 更にレベルが大きくなると差が小さく• UEN 100dB ⇔ 1kHz正弦波 115 dB (差 15dB)
31
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
UENのラウドネス関数
•べき乗則の指数:0.23• 1 kHzの正弦波(0.3)よりも小さくなる• 高いレベルでこの2つの関数が近づく• 60dBにおいてUENは1kHzの正弦波にくらべてラウドネスが約3.5倍大きい
• ノイズのラウドネスを判断する上で重要な役割• 広帯域雑音全体の音圧レベルとA特性の音圧レベルが似ている
• 広帯域雑音のラウドネスを示す場合、A特性の音圧レベルは誤解する値を示す
32
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
帯域幅とラウドネス• 1kHzの正弦波とUENは帯域幅が異なる• 帯域幅の関数としてラウドネスを測定するのは妥当• 図8.6に概説されている効果を考慮をする必要•強度密度(intensity density) dI / df• スペクトル密度(spectral density)とも呼ばれる• 雑音発生機による白色雑音の場合、周波数非依存• 雑音発生器に帯域通過フィルタを追加→ フィルタの帯域幅が変化 but 強度密度が変化しない音• 全体の強度は帯域幅に直接比例して変化
• 図8.6のグラフの面積で与えられる合計の音の強さは一定→帯域幅を広げるにつれて、強度密度を減少
33
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
帯域通過雑音と正弦波の比較
•帯域通過雑音と1 kHzの正弦波の間のラウドネスの比較(図8.7)• 縦軸: 等しい大きさの、1 kHzの正弦波のレベル• 横軸: 1 kHzの中心周波数の帯域通過雑音の帯域幅• 図中のパラメータ:帯域通過雑音のレベル• 帯域幅が狭い場合:帯域通過雑音≒1 kHzの正弦波• この関係は特定の帯域幅までで成り立つ(1kHzでこの帯域幅は約160 Hz)
• 臨界帯域幅(critical bandwidth)に相当
• 臨界帯域幅より上の帯域では、ラウドネスが増加
34
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
呈示レベルの影響
• 20 dBの雑音(非常に低レベル)• 曲線の増加は非常に小さい• しかも、大きな帯域幅では減少傾向• 80dBでは11dBしか増加しない• 60dBでは15dB• 16 kHzの帯域幅を持つ白色雑音60 dB SPLが75dB SPLを生成することを意味する
• UENよりやや小さめ
• 白色雑音のラウドネスが同じ音圧レベルの1 kHzの正弦波のほぼ3倍であることを示す
35
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
帯域幅の影響
•帯域通過雑音の帯域幅に対する音の大きさの依存性• 2つの異なるルール• ルール1:小さな帯域幅で帯域幅の独立性を示し、そして特性帯域幅まで保持される。
• ルール2:その特性帯域幅を超える帯域幅のときにラウドネスは帯域幅の増加とともに増加
36
2011/09/04 Keiichi Yasu ([email protected])
臨界帯域幅とラウドネス
•二つの領域を分離する特徴的な帯域幅• 1kHzの中心周波数160 Hz• 臨界帯域幅• 異なる中心周波数で同等の測定結果• 特徴的な帯域幅が他の方法を用いて測定された臨界周波数帯域幅と一致
• 臨界帯域幅がラウドネス知覚で非常に重要な役割を果たしている
• 図8.7に記載されているような測定の結果は、臨界帯域幅を定義するために使用されている
37