qgisアプリケーションを用いた明治時代初期の土地利用dbの構築
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FOSS4G2014 Hokkaidoの発表資料です。TRANSCRIPT
FOSS4G2014 Hokkaido 2014/06/27
QGISアプリケーションを用いた明治時代初期の土地利用 DBの構築
(独)農業環境技術研究所&OSGeo財団日本支部
岩崎 亘典
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今日の発表内容
• 迅速測図について• 歴史的農業環境閲覧システム (HABS)の構築
• QGISアプリケーションを用いた土地利用 DBの構築
• 今後に向けて
Agenda
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発表者について
• 略歴– 東京都立大地理科(学部)– 東京工業大学(修士・博士)– 農業環境技術研究所
• 生態系計測研究領域
• テーマ:– 農村における土地利用変化の原因とその影響
– FOSS4Gを利用した地理空間情報の利活用手法の検討
• 活動– OSGeo財団日本支部運営委員
自己紹介
FOSS4G2014 Hokkaido 2014/06/27
迅速測図について
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迅速測図とは
• 明治初期に作製された地図– 正確には「迅速測圖法」という測量法およびその方法により測量された地図
• 関東地方では右の範囲– 本発表で「迅速測図」という場合,関東地方を対象に作成されたものを指す
• 伝統的な農村土地利用を知るのに貴重な資料– ただし発行部数が少なく,高価である
迅速測図について
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迅速測図の特徴
• 近代的測量による日本でもっとも古い地図群• 土地利用ごとに彩色されている• 位置情報や精度に難あり
迅速測図について
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ベクターデータ化の限界
• 労力がかかる– 一図幅/1人・一月
• 広範囲のデジタル化が困難
• 入力されない情報がある– 等高線や色彩情報
• ラスターデータとしてのデジタル化の必要性– ラスター:画像データ– 幾何補正が困難
• 全 900図幅,土地利用変化が極端な場合も
迅速測図について
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歴史的農業環境閲覧システム( HABS)の開発
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広域幾何補正法の開発
• 個別の幾何補正は労力がかかる• 広範囲を対象とした幾何補正手法の開発–相対的な位置関係で結合、その後に全体を幾何補正
歴史的農業環境閲覧システム( HABS)の開発
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幾何補正の実行
• ローカル座標系に合成した画像について,JGD2000, UTM54帯に幾何補正
歴史的農業環境閲覧システム( HABS)の開発
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Webインターフェイスの公開歴史的農業環境閲覧システム( HABS)の開発
• Web上で公開することにより誰もが使えるようにする– 重要な資料だが一部にしか知られていなかった
• 研究だけでなく一般も対象に• 現在との比較も容易に行える
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HABSで提供中のデータ
• 「迅速測図」の TMSタイル画像– http://habs.dc.affrc.go.jp/rapid16/{z}/{X}/{Y}/{z}.png
• zoomは 8~ 16
• 「 1/5千東京測量図」の TMSタイル画像– http://habs.dc.affrc.go.jp/tokyo5k/{z}/{X}/{Y}/{z}.png
• zoomは 8~ 17• TMSの詳細は, http://wiki.osgeo.org/wiki/Tile_Map_Service_Specification
• 「迅速測図」の図郭外図の KMZデータ– http://habs.dc.affrc.go.jp/kml/shizu.kmz
歴史的農業環境閲覧システム( HABS)の開発
KMZデータの例 (千葉県庁 )
http://habs.dc.affrc.go.jp/tokyo5k/17/116416/79445.pnghttp://habs.dc.affrc.go.jp/rapid16/16/58208/39722.png
三田周辺(三田三丁目)のタイルデータ
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オープンなライセンスの適用
• 学術以外にも利用可能に–クリエイティブコモンズ CC BY
歴史的農業環境閲覧システム( HABS)の開発
ではなく
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HABSの利用例
• データの提供,アプリでの利用,テレビで利用– 展示へのデータ提供(東海道かわさき宿交流館など), Androidアプリ(東京古い地図),テレビ番組(タモリ倶楽部:奈良・平安時代の東京古道を行く),趣味(廃道・古道の探索など)
歴史的農業環境閲覧システム( HABS)の開発
http://yamaiga.com/tunnel/siroisi/main.html
山さ行がねが:隧道レポート 安房白石隧道(仮)東京古い地図
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.gmail.boiledorange73.app.TokyoMapOld
本成果の一部は JPSP科研費 25292133によるものです
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趣味での活用事例:古道・廃道探索歴史的農業環境閲覧システム( HABS)の開発
http://yamaiga.com/tunnel/siroisi/main.html
FOSS4G2014 Hokkaido 2014/06/27
QGISアプリケーションを用いた土地利用 DBの構築
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グリッド形式データの整備
• 迅速測図のデータ整備 ラスター形式とベクター形式で行ってきた それぞれに長所と短所がある
• 整備しやすく定量可能なグリッド形式で整備
QGISアプリケーションを用いた土地利用 DBの構築
ラスター形式 ベクター形式 グリッド形式
データ整備の容易さ ◎ × ○
データ情報量 ◎ ◎ ○
定量性 × ◎ ○
各データ形式の特徴
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グリッド形式データの作成
• QGISのAPIを利用して入力システムを開発– 作業の効率化( 1 枚 1 週間)– 汎用的かつ複数人での作業が可能
• 作成は月の杜工房さまにお願いしました!
HABSの改良と今後の予定
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システムの概要
• サーバーとクライアントに分離サーバーにPostgreSQL+PostGISクライアントにQGISアプリ
QGISアプリケーションを用いた土地利用 DBの構築
背景画像はローカルに保存
点データはサーバーに保存
1.入力範囲のデータを要求
2.入力範囲のデータを出力
3.クライアントでデータを入力
4. 更新したデータをアップロード
システム概要
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デモ
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精度の検証
• 茨城県南部・牛久周辺の8×5 km データを作成 迅速測図2図画分
• ポイントとして入力し、グリッド形式に変換 ポイント,グリッド形式でそれぞれ誤差を確認
• 水田等の線状の地物で誤差が大きい 評価の際に注意が必要
QGISアプリケーションを用いた土地利用 DBの構築
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房総半島における土地利用変化
• 草地・荒れ地の減少が顕著– 背景はエコリス地図タイル :-)
QGISアプリケーションを用いた土地利用 DBの構築
1880年代 2010年代
水田
森林
荒地
建物用地河川地及び湖沼
ゴルフ場
その他の農用地
湿地
砂地
畑
凡例
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現在の進捗状況
• 約 50%が完了–やはり、草地・荒れ地が多い
• 全体構築後にCC-BYで公開
QGISアプリケーションを用いた土地利用 DBの構築
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まとめと今後
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ぢつは
• ランベルト正角円錐図法にてポイントを作成– 100m間隔になるように!
• 目指せ全国展開!–共同研究者募集!!
Conclusion
+proj=lcc +lat_1=30 +lat_2=40 +lat_0=35 +lon_0=135 +x_0=0 +y_0=0 +ellps=GRS80 +towgs84=0,0,0,0,0,0,0 +units=m +no_defs
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まとめと今後
• FOSS4Gを利用して HABSを構築した–効率的にデータの公開が可能
• QGISアプリを使ってグリッド形式で土地利用 DBを構築中–年度明けには公開の予定
• 将来的には,日本全国展開!–できたらいいなぁ w–こういうときにライセンス管理が容易なのも
FOSS4Gの利点
Conclusion