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SARANIP 市立函館博物館館報 郷土資料・館展示資料 (その1 舶来ストーブ 現在、郷土資料館玄関わきの土間に展示されているァ 獅造の舶来ストーブ(組立式、全災2.60メートル)は、 採暖専川の貯炭式で、炊事はできないが、ストーブの周 囲に施した精功細微な花模様、人、獣それぞれの顔の浮 き彫りなど、実に見事である。正面の透かし彫りもまた、 見る人の眼を堪能させるものである。 明治以来、すでに文明諸国では、冬期間このような暖 炉を焚いて、常に室内を暖めていたのであった。 ストーブの経路は、船場町8番地(現在の末広町14番、 詞倉庫付近)に住んでいたドイツ人シュリューター氏が、 本則から運び使用したものというが、鯉造国はIリリらかで ない。 シュリューター氏は、明治15年の夏に流行したコレラ に感染して死亡、その後住宅は外人専用の洋食店「養和 軒」と変わり、さらに明治22.3年頃、渡辺孝平氏(初代 熊四郎)が譲り受けて、湯の川の別荘に移したが、建物 の槻傷甚し〈なり、昭和52年の春、遂に解体された。 4基のストーブは、別荘時代に若山徳次郎氏の元に移 り、その中で鎧も優れたこのストーブ1基が、昭和45年 12Ji函館市に寄贈されたものである。 Afo.17 1979.1.1皇

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Page 1: SARANIP Afohakohaku.com/.../wp-content/uploads/2015/03/SARANIP17.pdfAfo.17 1979.1.1皇 (2 SARANIP 市立函館博物館沿革史(その'0) HJHfi使函館支庁仮博物場>(3)

SARA NIP市立函館博物館館報

郷土資料・館展示資料

(その1

舶来ストーブ

現在、郷土資料館玄関わきの土間に展示されているァ

獅造の舶来ストーブ(組立式、全災2.60メートル)は、

採暖専川の貯炭式で、炊事はできないが、ストーブの周

囲に施した精功細微な花模様、人、獣それぞれの顔の浮

き彫りなど、実に見事である。正面の透かし彫りもまた、

見る人の眼を堪能させるものである。

明治以来、すでに文明諸国では、冬期間このような暖

炉を焚いて、常に室内を暖めていたのであった。

ストーブの経路は、船場町8番地(現在の末広町14番、

詞倉庫付近)に住んでいたドイツ人シュリューター氏が、

本則から運び使用したものというが、鯉造国はIリリらかで

ない。

シュリューター氏は、明治15年の夏に流行したコレラ

に感染して死亡、その後住宅は外人専用の洋食店「養和

軒」と変わり、さらに明治22.3年頃、渡辺孝平氏(初代

熊四郎)が譲り受けて、湯の川の別荘に移したが、建物

の槻傷甚し〈なり、昭和52年の春、遂に解体された。

4基のストーブは、別荘時代に若山徳次郎氏の元に移

り、その中で鎧も優れたこのストーブ1基が、昭和45年

12Ji函館市に寄贈されたものである。

Afo.17

1979.1.1皇

Page 2: SARANIP Afohakohaku.com/.../wp-content/uploads/2015/03/SARANIP17.pdfAfo.17 1979.1.1皇 (2 SARANIP 市立函館博物館沿革史(その'0) HJHfi使函館支庁仮博物場>(3)

(2 SARANIP

市立函館博物館沿革史(その'0)

HJHfi使函館支庁仮博物場>(3)

前回函館新HlIの明治11年8月6日付、第53号の記事を紹

介し、英国の有名な地震学者、ジョン・ミルンが開拓使で

北千島巡視の井深基八等属と|同1行したことに触れた。ミル

ンの北千鳥行は彼が翌12年英文で発表した「千島列島の火

山について」、また明治15年発表の論文には、明治11年に北

千島の占守烏に上陸し千島アイヌに接したことを明示して

いる。しかし、わが国の新川lおよび千島アイヌの研究杵で

はこの二人が同時に北千脇まで行ったことに触れたことは

ないようである。

明治;i年9月10日付、第70号の函館新聞には井深基氏か

帰函し、写真家井田孝吉氏が、現地の悪天候により充分活

躍できなかったがある程度の写真を撮ったことを報じてい

る。幸いこの時の写真は現在北海道大学の北方資料室に数

枚保存されている。特に占守島で陸揚げした物賓の前で写

した千島アイヌと開拓使の人々の記念写真は有名で今まで

縮小されIfi)度か発表された。彼らの後方に小さく1人の外

人らしい人物が写っているが、当ll.'lこの人物はあまりmm

にされなかった。

数年前札幌在住の小島家より寄託を受けた古い写真の中

に、北海道大学所蔵と同じ写真があったので北海道新聞社

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1写真部の渋谷記者にこの

外人の部分を拡大しても

らい、現在ジョン・ミル

ンの関係者でミルンの研

究者である早稲田大学名

誉教授明石信道氏がこの

写真をみて若き日のミル

ンの姿であることを確認

してくれた。

ミルンと函館との関係

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は、願乗寺(本願寺派函ジョン・ミルン<30才ころ〉

館別院)の住職であった堀川乗経の娘、とねと結婚したー

と以外に、明治11年の在函*は蝦夷の歴史に興味を持つ一

石器時代の研究を行なってきた。造園中であった函館公園

用地から石器、土器を採集したり、開館準備で収集され-

いた仮博物場の考古学浅科を調べて、翌12年には論文をデ

ジア協会の雑誌に英文で発表している。この論文の“小樽

函館の石器考”では、ブラキストンが博物館に寄賊した函

館公|側出土の大型石斧など出土品の写典を掲紋し、当時の

I"I拓使函館支庁仮博物場をIlakculaii'Mustnuiiと響いてし

る。この‘肥述は外国人によって函館の博物場が初めて欧米

に紹介されたものである。〈学芸係長姫野英夫>

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旧開拓使函館博物場における展示準備中の考古学資料(最上部写真がブラキストン寄贈の石斧)

北千島占守島におけるジョン・ミルン<28才ころか明抽11年井田幸吉氏淳

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SARANIP (3

園す歴史民族博物館井上光貞準備室長、民俗資

料調査のため来函

科学教室(夏の星座)講師津川軍次郎氏

市民購座(植物研究会)購師村田孝、乳井幸教氏

幕末銃砲の変遷展準備のため休館、(~7月24日

まで)

幕末銃砲の変遷展(~8月18日まで)

科学教室(昆虫野外観察会)購師中島康二氏

科学教室(昆虫野外観察会)購師中島康二氏

科学教室(秋の星座)講師津川軍次郎氏

衣生活研究会岡村吉右ヱ門氏、民俗資料調査の

ため来函

市民講座(植物研究会)講師宗像英雄氏

科学教室(中秋の名月と月食)講師津川軍次郎氏

北海道大学池上二良教授、北海道教育庁倉谷一

男文化財係長、オロッコ涜料調査のため来函

北海遊教育委員会安藤鉄夫委員良、視察のため

来函

浜松市天野知Iりi美術館長、運営状況視察のため

来函

資料曝涼のため休館(-15日まで)

室蘭市教育委員会文化審議会委員、博物館建設

調査のため来函

寿郁町若狭守教育長外6名、運営状況調査のた

め来函

市民淵座(植物研究会)

講師宗像和彦、工藤光信氏

科学教室(冬の星座)講師津川軍次郎氏

科学教室(昆虫供養と講演会)

講師中島康二氏、昆虫同好会

青函交流婦人視察団30斜館内見学

市民鱗塵(史跡、文化財見学会)

講師川嶋腿司、厨川魂氏

登別市文化協会大山吉次会長外25名博物館建設

調査のため来函

市民講座(植物研究会)

講師林勝也、乳井挙教氏

北海道教育庁安達盛文化課長、オロッコ安料視

察のため来函

市民講座(植物研究会)

講師宗倣英雄、村田孝氏

館内茶室投計者加倉井昭夫武蔵大教援調査のた

め来函

博物館日誌抄(53.::~53.12.31)

53.1.4御用始め

26白老町社会数ff委貝6名、運営状況視察のため

来函

53.2.14ヒナ人形展(~3月12liまで)

18市民講座(植物研究会)

講師村田孝、乳井幸教氏

53.3.4博物館協議会側催

16スウェーデン民俗博物館グスタフソン氏涜料保

存研究のため米函

53.4.15市民講座(植物研究会)

講師宗像英雄、乳井幸教氏

lli第4回日本海文化展準備のため休館(~4月30

日まで)

23市民講座(松前町郷土資料館見学会)

講師久保泰、永出鰯智氏

53.5.1第‘1回日本海文化展||トl催(~6月30日まで)

5市民講座(特別#Wiiii会)

講師須藤隆仙、常田英男氏

6科学教室〈春の星座)購師津川軍次郎氏

19lijii市池上市民部艮、利尻島郷土資料館桜庭運

営委員、運営状況視察のため来函

20市民講座(植物研究会)

講師宗像和彦、南条弘逝氏

”国虻文化財研究所樋u研究室長、旧水瀧館等のi淵

査のため来函

21文化庁五1床文部技官、旧水産館の改築調査のた

め来函

24熊石町新木識員外8掲、運営状況視察のため来函

25士別市豊田公民館災外21街館内見学

26北海道識会小林図ノ『察艮視察のため来函

53.5.29春日部市竹村消砿艮外9橘、運営状況視察のた

め来函

53.6.2長崎市越中哲也博物館腿、特別展出品状況捌査

のため来函

3科学教室(植物野外視察会)講師宗像和彦氏

9埼通県宮川県会縦11外17橘、運営状況視察のた

め来函

10科学数室(プラネタリウム見学会)講師津川鞭

次郎氏

i;市民講座(神山の石仏を訪ねて)講師会田金吾蚕

17市民講座(植物研究会)

講師工藤光信、林勝也氏

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(4 SARANIP

昭和53年度平常展示(53.4.1~53.11.302

最近受入れた資料

商田屋嘉兵術の銅像原型1点

【梁川剛一氏寄贈・東京都中野区東中野4毛0も】

茶碗(銘函館監獄)1点

【出村勝彦氏寄贈・函館市花園町42-11】

銀畔風他2点

【浜坂孝作氏寄蝿・函館市万代町9丑9】

3点

足踏ミシン他5点

【濡井武夫氏寄贈・函館市船見町4-13】

6点

小人

矢 立 1点

【多胡哲夫氏寄贈・函館市桔梗町359-120

背負い春 2点

【宗原幸一氏寄噸・函館市宝来町34-4

鵬帯気圧計他1点

【佐藤ツメ氏寄贈・函館市弁天町10-砿

2点

御 植他1点2点

【吉川静枝氏寄贈・函館市尤町3-13】

竿はかり 他 1 点 2 点

【米里伝一氏寄贈・函館市元町3-13]

高松凌雲 遺 品 2 3 点

【高松あい氏寄贈・東京都北区十条仲原4-10-10】

看 板(銘日露漁業貿易)他9点10点

【窟崎善雄氏寄贈・函館市本町5-10】

昭和53年度特別展

(本館)5/l~6/30

(分館)7/25~8/18

入 館者統計

昭和52年度平常展示(52.1.1~53.12.31二

あとがき-小人

※今月号からNoISまでの2回郷土資料館に展示されている董

料を第1頁に紹介します。No.17は「舶来ストーブ」(森川)、

次号はr11露漁業貿易などの看板」の予定です。

HakodateCityMuseumNews

SARANIP一サラニッフ.-N0171979.1.15発行

編集・発行市立函館博物館('I'EL0138-23-5480

北海道函館市青柳町・函館公園内(〒040)

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