持続可能な開発目標(sdgs)をめぐる国際動向 と s-11からの提案

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環境研究総合推進費戦略課題(S-11)『持続可能な開発目標とガバナンスに関する総合的研究- 地球の限られ た資源と環境容量に基づくポスト2015年開発・成長目標の制定と実現へ向けて 』シンポジウム/国民との科 学・技術対話 持続可能な開発目標(SDGs)をめぐる国際動向 S-11からの提案 2015116国連大学ウ・タント国際会議場 東京工業大学大学院准教授 国連大学サスティナビリティ高等研究所シニアリサーチフェロー S-11プロジェクトリーダー 蟹江憲史 1

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環境研究総合推進費戦略課題(S-11)『持続可能な開発目標とガバナンスに関する総合的研究- 地球の限られた資源と環境容量に基づくポスト2015年開発・成長目標の制定と実現へ向けて –』シンポジウム/国民との科

学・技術対話

持続可能な開発目標(SDGs)をめぐる国際動向と

S-11からの提案

2015年1月16日 国連大学ウ・タント国際会議場

東京工業大学大学院准教授国連大学サスティナビリティ高等研究所シニアリサーチフェロー

S-11プロジェクトリーダー蟹江憲史

1

POST2015(S-11)とは?1. 【SDGs設定へ向けた提案】2015年以降の開発・成長目標(Post-

2015 Agenda)としてのSDGs及びその評価指標のオプション及び実施シナリオを、科学的根拠に基づいて提示し、世界レベル、地域レベル、日本をはじめとした国家レベル、さらにはローカルレベルやセクターレベルでのSDGs設定に貢献する。

2. 【21世紀型持続可能な開発の再定義】資源・環境制約のもとでの21世紀型の持続可能な成長・開発のためのヴィジョンや方向性を科学的根拠に基づいて提示する。

3. 【新たなコミュニティー創出】研究における環境(コミュニティー)と開発(コミュニティー)の融合

4. 【国際発信】国際的研究ネットワークを確立し、その中心となる拠点を構築する。

2

コア研究グループ(S-11研究分担者)

国際共同研究チーム

国内アドバイザリーボード・専門委員等

(推進費)国際アドバイザリー

ボード

各テーマ毎アドバイザー(peer review、任意設置)

ENBチーム

タイミング・コンテンツへのアドバイス

ゲスト(例:ジェフリーサックス、国連ワーキンググループ共同議長

等)

協力研究プロジェクトIRF、Bhutan Project, WEF,

ICSU etc.

アジア開発銀行(ADB)、JICA、S-6、S-10等との連携

政策担当者環境省・外務省・国連等

外部連携3

S-11

PL蟹江 (東京工業大学)

テーマ1資源環境制約下の開発・成長の方向性と

目標及び効果的ガバナンスの提示【統括班】

東京工業大学 蟹江 憲史

サブテーマ1全体統括及び目標・指標とガバナンスの総合的提示

東工大 蟹江 憲史

サブテーマ2

持続可能な開発目標とその実現に資するボトムアップ事例の検討東工大 阿部 直也

サブテーマ3目標や指標の定量的オプションや

シナリオの提示(株)イー・コンザル 榎原 友樹

サブテーマ4

資源・エネルギー・食糧・水等の複合目標及び指標の検討

(独法)国立環境研究所 亀山 康子

テーマ2

資源環境制約の観点からの目標と指標の提示

東北大学 馬奈木 俊介

サブテーマ1

Beyond GDP目標と指標の提示

東北大学 馬奈木 俊介

サブテーマ2

資源・環境制約下での開発及び成長実現のための目標や指標の提示

関西大学 鈴木 政史

サブテーマ3

地球システムからの制約の検討(生物資源に焦点をあてた検討)立命館大学 橋本 征二

サブテーマ4

地球システムからの制約の検討(鉱物資源に焦点をあてた検討)東京大学 村上 進亮

テーマ3

開発の観点からの目標と指標の提示東京大学 北村友人

サブテーマ1

教育分野におけるポスト・ミレニアム開発目標と指標の提示東京大学 北村友人

サブテーマ2

保健・健康・衛生に関する分野におけるポスト・ミレニアム開発目標と指標の提示

長崎大学 山本 太郎

サブテーマ3

経済開発分野におけるポスト・ミレニアム開発目標と指標の提示関西大学 春日 秀文

テーマ4

持続可能な開発目標実現のための

ガバナンスの研究

(公財)地球環境戦略研究機関(IGES) 森 秀行

サブテーマ1

持続可能な開発目標実施のためのマルチレベル・ガバナンスのあり方の検討

IGES 森 秀行

サブテーマ2

国連を中心とした持続可能な開発のガバナンスの検討

国際連合大学高等研究所山田 高敬

サブテーマ3

効果的資金メカニズムの検討慶應義塾大学 小林 光京都大学 森 晶寿

ENB委託

サブテーマ4

水、エネルギー等社会の存続に関する領域におけるポスト・ミレニアム開発目

標と指標の提示東京大学 鎗目 雅

4

ここまでの主な取組

• 国連ワーキンググループ(OWG)参加各国政府代表・非政府組織リーダー・研究者等によるステークホルダー会議(2013年2月)

• ポリシーブリーフの発表(1~6)• 国連Open Working Group on Sustainable Development Goals

(OWG)におけるサイドイベント(国連本部 Conference Room3, 2013年6月19日)

• 国連における成果普及イベント(2014年5月22日)

• ジェフリー・サックス教授・OWGコロシ共同議長等を招聘したシンポジウム開催

• SDGに関する国際共同研究成果をNatureに発表(蟹江PL、2013年3月)、Inclusive Wealth Index研究に参加(馬奈木TL)

5

持続可能な開発目標(SDGs)とは?

6

1992年 環境と開発に関する国連会議(UNCED:地球サミット)

⇒「環境と開発に関するリオ宣言」「アジェンダ21」の採択

⇒「気候変動枠組み条約(UNFCCC)」「生物多様性条約(CBD)」の採択

⇒「地球環境ファシリティ(GEF)」「国連持続可能な開発委員会(UNCSD)」の創設

2002年 持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD:ヨハネスブルグ・サミット)⇒「ヨハネスブルグ実施計画」の採択

1972年 国連人間環境会議 (ストックホルム会議)

1987年 『ブルントランド委員会報告書 (Brundtland Report)

-Our Common Future-』

2012年 国連持続可能な開発会議(UNCSD, Rio+20)

環境と開発に関連した国際動向 ミレニアム開発目標に関連した国際動向

1995年 世界社会開発サミット

2000年 国連ミレニアムサミット

⇒「ミレニアム宣言」の採択

⇒「ミレニアム開発目標(MDGs)」の検討、採択(2001年)

2015年以降の「開発」アジェンダ/持続可能な開発目標(SDGs)

7

1992年 環境と開発に関する国連会議(UNCED:地球サミット)

⇒「環境と開発に関するリオ宣言」「アジェンダ21」の採択

⇒「気候変動枠組み条約(UNFCCC)」「生物多様性条約(CBD)」の採択

⇒「地球環境ファシリティ(GEF)」「国連持続可能な開発委員会(UNCSD)」の創設

2002年 持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD:ヨハネスブルグ・サミット)⇒「ヨハネスブルグ実施計画」の採択

1972年 国連人間環境会議 (ストックホルム会議)

1987年 『ブルントランド委員会報告書 (Brundtland Report)

-Our Common Future-』

2012年 国連持続可能な開発会議(UNCSD, Rio+20)

環境と開発に関連した国際動向 ミレニアム開発目標に関連した国際動向

1995年 世界社会開発サミット

2000年 国連ミレニアムサミット

⇒「ミレニアム宣言」の採択

⇒「ミレニアム開発目標(MDGs)」の検討、採択(2001年)

2015年以降の「開発」アジェンダ/持続可能な開発目標(SDGs)

持続可能な開発目標(SDGs)とは?・・・

リオ+20の結果策定することとなった、ミレニアム開発目標(MDGs)後(=2015年以降)の

『開発』目標に統合される国際目標

・簡潔であること・わかりやすいこと・普遍的なもの(途上国だけが対象ではない)・2015年までに策定

8

Sustainable Development Goals

SDGs should be…• 行動指向• 簡潔で伝達しやすい• 限られた数• 意欲的

• グローバルな性質ですべての国に普遍的に適用可能

• 様々な国別の状況、能力、開発レベルや政策及びその優先順位を考慮

• ポスト2015年開発アジェンダに統合(The Future We Want, para245-251, 2012)

• 『目標 – ターゲット – 指標』の三重構造

• 進捗状況のモニタリングと評価を実施(法的義務はなし)

• 2030年を目指した目標

9

SDG

sPr

oces

sPo

stM

DGs P

roce

ssO

ther

sSDGs / ポスト2015年開発目標関連主要プロセス(2015年1月現在)

1-2 Jul. (NY)The Role of

Partnerships and their Contribution to

the Post-2015 Development

Agenda

30 Jun.-3 Jul. (NY) HLPF

Non-ministerial meeting

7-9 Jul. (NY) High-level aspect of

the Forum

Open Working Group (Mar. 2013 – Jul. 2014)

1 Sep. (NY) High-level

Stock Taking Event on

Post-2015 Agenda

1-12 Dec. (Peru)

UNFCCC COP 20/CMP 10

2013 2014 2015

Sep. (NY)70th

UNGA

Jul. UNSG’s Report

21-23 Sep.(TBC)

UN Summit to adopt the post-2015

development agenda

24 Sep.(TBC)

Approval by UNGA

Intergovernmental Committee of Experts on Sustainable Development Financing

UN SG High-Level Panel (Jul. 2012 -

May 2013)

Consultations by theme/country

Sep.(NY)68th

UNGA

Expert Group Meeting on Science and SDGs (Mar. 2013 -)Technical Support Team

Expert Group

30 Nov.-11 Dec. (Paris)

UNFCCC COP 21/CMP 11

14-18 Mar. (Sendai, Japan)

3rd World Conference on Disaster Risk

Reduction4-8 Nov. (Okayama, Japan) Stakeholder Meetings,

World Conference on ESD10-12 Nov. (Aichi, Japan) World Conference on ESD

By June 2015 (TBC)Hearing with civil

society and the private sector to provide input

Global Sustainable Development Foundation

Future Earth

16-29 Sep. (NY)69th

UNGA

IntegratingPost MDGs and SDGs processes

Sustainable Development Solution Network

Intergovernmental Negotiations (Jan. – Jul. 2015)

4 Dec. UNSG’s

SynthesisReport

Expert Advisory Group on the Data Revolution (IEAG)

International Conference on Financing for Developments

(27-29 Jan., 13-17 Apr., 13-16 Jul.)

26 Jun. – 8 Jul. High Level

Political Forum

現時点

10

SDGsの直面する3つのチャレンジ

1. MDGsの残された課題(human well-being)2. 地球システムの限界からもたらされる新たな

課題(気候変動の植生・健康への影響など)

– 問題の相互関係・相互作用(規模や範囲を超えて): ある国での原因が他の国での影響に

3. ガバナンス:多様なステークホルダー– 多様な課題解決

– 新たな考え・アイディア活用

– 新たなネットワーク

David Griggs, Mark Stafford-Smith, Owen Gaffney, Johan Rockstrom, Marcus C Ohman, Priay Shyamsundar, Will Steffen, Gisbert Glaser, Norichika Kanie and Ian Noble, ‘Sustainable Development Goals for People and Planet.’ Nature (Vol 495, 21 March 2013).

11

ベースとしてのミレニアム開発目標(MDGs)

12

ミレニアム開発目標(MDGs)- 2015年の国際開発目標 -

外務省ホームページより 13

ポストMDGs=MDGsで未達成の課題外務省ホームページより

14

主たるMDGsの評価評価された点 改善すべき点

内容:

•貧困レベル等の改善、開発援助の増進、多様なステークホルダーの参加促進(UNGA 2011a; UNDP 2011)目標設定:•セクター間のリンケージ(Vandermoortele2011)•明確で包括的な目標設定制度のあり方:•効果的な実践を確保するための制度の存在•結果ベースのマネジメント方法(Result-base management)の定着化資金確保:•ODAの増加、途上国で貧困撲滅などに関する政策の優先順位を上げた(Moss 2010; Pollard et al. 2010; Manning 2010; Verdermoortele 2011)

•各MDG目標における具体性と包括性欠如によりいくつかのMDGsは達成できず⇒実効性の強化が必要

•MDGsは “One size fits all”型⇒各国や各目標の達成度における「ギャップ」が存在(Verdenmoortele 2011)⇒重要課題も含めたユニバーサルな目標設定と(国・地域・地方等)個別目標

•MDGs達成後の目標、課題間のリンケージが欠如⇒その後のロードマップが見えない⇒中間目標(intermediate)目標を定め、目標達成の基準を明確化(Poku et al. 2011; Moss 2010; Verdenmortele 2011; Guardian 2010; Koehler et al, 2012).

15

2つ目のチャレンジ:

地球システムの変化

16

MDGsの課題は

地球環境問題と負の連鎖

貧困回避のための都市人口の集中による都市環境の悪化・ヒートアイランド現象の助長

養殖(食糧確保)のためのマングローブ伐採による低海抜地域の脆弱性増大

海面上昇の食糧生産や都市インフラへの影響(バングラデシュやインドネシア等)

気温上昇のサブサハラ・アフリカへの影響(全球2℃⇒サブサハラ3℃)による食糧、水、衛生等への影響

17

Planetary Boundaries –地球システムの境界-

Rockström et al (2009)

気候変動

窒素循環(→大

気汚染、酸性雨、富栄養化等)

生物多様性の喪失

⇒ 環境問題の「質」の変化

身近な環境問題からこれにプラスして地球変動の課題へCf.「人類世(anthropocene)」(Crutzen 2002)

18

他方で人間活動は増大の一途

出典: Steffen W and Lambin E (2004)

限りある資源をいかに分け合いながら共存するか?19

3つ目のチャレンジ

1. MDGsの残された課題(human well-being)2. 地球システムの限界からもたらされる新たな

課題(気候変動の植生・健康への影響など)

– 問題の相互関係・相互作用(規模や範囲を超えて): ある国での原因が他の国での影響に

3. ガバナンス:多様なステークホルダー– 多様な課題解決

– 新たな考え・アイディア活用

– 新たなネットワーク

David Griggs, Mark Stafford-Smith, Owen Gaffney, Johan Rockstrom, Marcus C Ohman, Priay Shyamsundar, Will Steffen, Gisbert Glaser, Norichika Kanie and Ian Noble, ‘Sustainable Development Goals for People and Planet.’ Nature (Vol 495, 21 March 2013).

国家を超えた21世紀型の問題解決

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これまでの議論、

これから進む(べき)方向性

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17 目標169 ターゲット

OWG成果文書(2014年7月までの国際交渉結果)

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OWG成果文書(2014年7月までの国際交渉結果 A/68/970)目標 1. あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる目標 2. 飢餓を終わらせ、食糧安全保障および栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する目標 3. あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する目標 4 . すべての人々への包括的かつ公平な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する目標 5. ジェンダー平等を達成し、すべての女性および女子のエンパワーメントを行う目標 6. すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する目標 7. すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な現代的エネルギーへのアクセスを確保する目標 8 . 包括的かつ持続可能な経済成長、およびすべての人々の完全かつ生産的な雇用とディーセント・ワーク(適切な雇用)を促進する目標 9. レジリエントなインフラ構築、包括的かつ持続可能な産業化の促進、およびイノベーションの拡大を図る目標 10. 各国内および各国間の不平等を是正する目標 11. 包括的で安全かつレジリエントで持続可能な都市および人間居住を実現する目標 12. 持続可能な生産消費形態を確保する目標 13. 気候変動およびその影響を軽減するための緊急対策を講じる目標 14. 持続可能な開発のために海洋資源を保全し、持続的に利用する目標 15. 陸域生態系の保護・回復・持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・防止および生物多様性の損失の阻止を促進する目標 16. 持続可能な開発のための平和で包括的な社会の促進、すべての人々への司法へのアクセス提供、およびあらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包括的な制度の構築を図る目標 17. 持続可能な開発のための実施手段の強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

23

23

国連事務総長統合報告書The Road to Dignity by 2030: Ending Poverty, Transforming All Lives and Protecting the Planet

2014年12月4日

1. 【開発目標は「持続可能な」開発目標に】ポスト2015年開発アジェンダ→a Global Sustainable Development Agenda

2. 【17の目標をアレンジしなおす可能性に言及】The possibility to maintain the 17 goals and rearrange them in a focused and concise manner that enables the necessary global awareness and implementation at the country level (para63)

3. 【今後の議論に資する「6つの要素」の提示】– 尊厳 Dignity to end poverty and fight inequality

– 繁栄 Prosperity to grow a strong, inclusive and transformative economy

– 公正 Justice to promote safe and peaceful societies, and strong institutions

– パートナーシップ Partnership to catalyse global solidarity for sustainable development

– 地球 Planet to protect our ecosystems for all societies and our children

– 人々 People to ensure healthy lives, knowledge and the inclusion of women and children

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17 目標169 ターゲット

今後一年で

クラスタリング(一見異なる課題の結びつけ)の可能性

• 行動指向

• 簡潔で伝達しやすい

• 限られた数

• 意欲的

25

25

クラスタリングは持続可能な社会へ向けた鍵

環境

社会

経済

持続可能な開発

将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させるような開発

20世紀型持続可能な開発

21世紀型持続可能な開発

現在及び将来の世代の人類の繁栄が依存している地球の生命維持システムを保護しつつ、現在の世代の欲求を満足させるような開発

David Griggs et al. ‘Sustainable Development Goals for People and Planet.’ Nature (Vol 495, 21 March 2013).

今後の課題 1

26

2013 TIME19501900

現時点

現代人の思考・制度のベース

‘Sustainable Development Goals for People and Planet.’ Nature (Vol 495, 21 March 2013). By David Griggs, Mark Stafford-Smith, Owen Gaffney, Johan Rockstrom, Marcus C Ohman, PriayShyamsundar, Will Steffen, Gisbert Glaser, Norichika Kanie and Ian Noble

パラダイムを変える起爆剤としてのSDGs

SDGsが目指すべき「持続可能な開発」⇒地球システムの許容範囲内で開発・成長を続けること⇒「経済」「社会」「環境」の持続性の統合(クラスタリング)

「富」の再定義(S-11-2)

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「教育」万人のための教育(Education for All: EFA)と

持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development: ESD)の連携の可能性

(1)EFAがESDに提供する新しい視点

ESDと「貧困や社会的疎外への対

処」・ 「ジェンダーエンパワメント」とのシナジーの強化

(2)ESDがEFAに提供する新しい視点・教育の質や目的についての再認識

・持続可能な開発に有効な知識・価値観・行動につながる多様な『リテラシーズ』(”Literacies”)の習得

両者のシナジーによる問題解決領域(例)エネルギー・気候変動

災害リスク軽減持続可能な生産と消費平和と人間の安全保障

都市化、移住HIV/エイズ、健康問題

生物多様性異文化・多文化理解・寛容

イノベーション 等

(1)公平で良質な教育の開発・発展

(2)地球環境問題と貧困・社会的排除問題の同時的解決 28

目標設定に起因するガバナンス – 新たなガバナンス戦略へ

SDGsのためのガバナンスは「目標」と法的「レジーム」とのギャップを埋める必要あり

国際レジーム (UNFCCC, CBD, etc) – ルールに基づくメカニズム

目標 – 野心レベルの提示(aspiration)実施メカニズムは なしモニタリングと評価のみがメカニズム

元来野心的なものも、近年は困難に直面(Copenhagen, etc)できることをプレッジする「ボトムアップ」傾向に

野心レベルを向上ギャップを埋めるガバナンス

今後の課題 2

29

Global goals – systemic challenges 地球規模の大目標Multi-level of Targets – consider diversity and facilitate actions 状況に応じたターゲット設定

Regional, national, and local targets are connected directly to the global target.

Regional, national, and local targets are nested within targets at higher levels.

Complement legal approach to global governance 法的アプローチを補完

30

日本との関係

日本からの発信:国連目標を国益推進に活用

– Universal health coverage– 人間の安全保障

– 震災等の教訓(3月国連防災会議、レジリエンス(回復力)の重要性-Wilderer, Takuchi et al. (2015))

– 資源生産性・持続可能な消費(クールビズ等)

– 低炭素技術

日本の政策への影響/活用

– 対外政策・国内政策の評価基準

今後の課題 3

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SDGsのモニタリング・評価プロセスにおける科学との協働

SDGsは目標/ターゲット/指標とその進捗評価

⇒ 人間の福祉向上(human well-being)と地球システムの保全(planetary well-being)双方の評価には科学的の役割が大

科学の側も実践的取り組みを重視(トランス・ディシプリナリ研究)

今後の課題 4

32

1. いかに統合目標(クラスタリング)をつくるか?

2. SDGsのためのガバナンスはどういうものか?

3. 世界の中の日本はどうすべきか?

4. 科学やステークホルダーとSDGs実施政策の関係はどうすべきか?

33

http://www.post2015.jp/http://sd.iisd.org/post2015-update/

ウェブサイトもごらんください

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