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SharePoint Server 2010 エンタープライズ検索 /

FAST Search Server 2010 for SharePoint

活用ガイド

SharePoint Server エンタープライズ検索 / FAST Search Server for SharePoint 活用ガイド

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著作権

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2010 Microsoft Corporation. All rights reserved.

SharePoint、Excel、Internet Explorer、は、米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における

登録商標または商標です。記載されている会社名、製品名には、各社の商標のものもあります。


3

Contents

はじめに .......................................................................................................................................................................................... 4

変更履歴 ...................................................................................................................................................................................... 6

前提環境について ........................................................................................................................................................................ 7

第 1章サーバーの管理者が行うエンタープライズ検索環境の構築 ............................................................................. 8

1.1 SharePoint Server 2010 エンタープライズ検索を計画する ................................................................................ 9

1.2 検索でよく使用される用語 ............................................................................................................................................. 10

1.3 SharePoint Server 2010 で検索を開始する ...................................................................................................... 14

1.4 クロール対象の詳細設定 ................................................................................................................................................ 25

1.5 検索対象のファイルの種類を増やす ............................................................................................................................. 28

1.6 人の検索を有効にする .................................................................................................................................................... 41

1.7 検索結果を組織向けに操作する .................................................................................................................................. 43

1.8 フェデレーション検索を構成する ...................................................................................................................................... 45

第 2章サイトコレクションの管理者が行う検索設定 ....................................................................................................... 57

2.1 サイトコレクションの管理者が行うことのできる検索設定 ............................................................................................ 58

2.2 おすすめキーワードの追加 ............................................................................................................................................... 62

2.3 検索範囲を設定する ....................................................................................................................................................... 66

2.4 エンドユーザーに効果的な検索手法を伝える ............................................................................................................. 71

第 3章 FAST Search Server for SharePoint の活用 ...................................................................................... 76

3.1 FAST Search Server for SharePoint とは ....................................................................................................... 77

3.2 インストール用件を整える ................................................................................................................................................ 78

3.3 FAST Search Server を活用する ......................................................................................................................... 102


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はじめに

SharePoint Server 2010 を組織に導入するメリットの一つとして、エンタープライズ検索の利用があります。組織の

中には様々なデータが存在します。定型データ（データベースのようなフィールドと型が定まったデータ）、非定型データ

（ユーザーが自由に作成するデータ）などが入り乱れています。

ある調査によれば、インフォメーションワーカーは一日の労働時間の多くを「探し物」を見つけるための作業に時間を費や

していると報告されています。SharePoint Server 2010 が提供するエンタープライズ検索では、組織内のすべてのコ

ンテンツを検索対象とし、SharePoint から一括で組織内、外の検索を実現します。「エンタープライズ検索」との名称

通り、SharePoint Server 2010 は、組織内のほぼすべてのコンテンツを検索対象にすることができます。

本自習書では、検索の基本設定を行い、その後組織に合わせた検索のチューニング、そして活用編へと進んでいきま

す。最後のパートでは FAST Search Server 2010 for SharePoint をご紹介いたします。

FAST Search を利用するためには：

・SharePoint Server 2010 サーバーライセンス

・SharePoint Server 2010 Standard CAL

・SharePoint Server 2010 Enterprise CAL

・FAST Search Server 2010 for SharePoint サーバーライセンスが必要です。

標準の SharePoint Server 2010 の検索機能と、FAST によって拡張される機能の違いは、下記の表のとおりで

す。

機能 SharePoint Server 2010 FAST Search Server

2010 for SharePoint

基本的なサイト検索 ○ ○

おすすめコンテンツ ○ ○

ビジュアルおすすめコンテンツ ○

類似する結果 ○

重複する結果 ○

検索範囲 ○ ○

ユーザーコンテキストに基づく、検索の機能強化 ○

クロールされたプロパティと管理プロパティ ○ ○*

クエリフェデレーション ○ ○

クエリ候補 ○ ○

管理プロパティやランクプロファイルに基づく結果の並べ替え ○


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ドキュメントやサイトの昇格による関連性の調整 ○ ○*

結果の大まかな絞り込み条件 ○ ○

結果の詳細な絞り込み条件 ○

ドキュメントのプレビュー ○

Windows 7 フェデレーション ○ ○

人の検索 ○ ○

ソーシャル検索 ○ ○

充実した Web インデックス作成のサポート ○

* - FAST Search Server 2010 for SharePoint が強化された機能を提供する領域を示します。

組織は、SharePoint Server 2010 を通して実現したい検索ソリューションを吟味し、検索アプリケーションを開発し

たい、結果をチューニングしたいといった高度なニーズを満たす必要があれば FAST Search Server for

SharePoint を追加することを検討できます。


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変更履歴

バージョンリリース時期変更内容

Version 1.0 2010年 6月初版リリース


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前提環境について

評価用の Active Directory環境と電子メールサーバーが既にあることを前提環境とします。

本自習書を記述する際に使用した前提環境は下記の通りです。

・Active Directory

サーバーOS： Windows Server 2008 R2 (x64)

サーバー名： DC2008

サーバーの役割：AD DS、DNS

ドメイン名： Contoso.com

ドメイン機能レベル： Windows Server 2003 ネイティブ

IP アドレス 192.168.1.100

サブネットマスク 255.255.255.0

DNS 127.0.0.1

・電子メールサーバー


サーバー名： MAIL2010

アプリケーション： Microsoft Exchange Server 2010

インストール： Exchange Server の標準インストール（Hub、CAS、Mail Box、Exchange管理ツール）

IP アドレス 192.168.1.200

サブネットマスク 255.255.255.0

DNS 192.168.1.100

・SharePoint Server 2010 ＆FAST Search Server 2010 for SharePoint インストールサーバー


サーバー名： SP2010

SQL Server： SQL Server 2008 R2

IP アドレス 192.168.1.110

サブネットマスク 255.255.255.0

DNS 192.168.1.100

本自習書では、一台のサーバーに SharePoint Server 2010 と FAST Search Server 2010 for

SharePoint 、SQL Server を混在させていますが、それぞれを別サーバーで用意し、使用することにより、日常メン

テナンス、データバックアップの信頼性、パフォーマンス向上を望むことができます。なお、既存の SharePoint Server

2010 に混在させてインストールすることはサポートされていません。本自習書の構成はあくまで FAST Search

Serverの検証のみを行ってみたい方向けです。


8

第1章サーバーの管理者が行う

エンタープライズ検索環境の構築


9

1.1 SharePoint Server 2010 エンタープライズ検索を計画する

SharePoint Server 2010 では SharePoint サイト内のコンテンツに関する検索結果を提供するだけではなく、「エ

ンタープライズな検索」を提供します。

では、具体的にエンタープライズ検索とはどのような検索要素を指しているのでしょうか？

・エンタープライズ検索は SharePoint サイト内にとどまることなく、外部コンテンツを含めた「社内・社外すべてのデータ」

を横断的に検索できるソリューションを提供します。

SharePoint Serverは主に下記のコンテンツを検索対象にすることができます。

SharePoint サイト

ファイル共有内のファイル

Exchange Server のパブリックフォルダー

他の Web サイト（内部、外部）の Web ページ

他の基幹業務システム (CRM データベースや ERP ソリューションなど) などに格納されているデータ

他のアプリケーション（Lotus Notesなど）

・エンタープライズ検索は「組織に合わせた適切な検索結果」を表示することができるような仕組みを提供します。

多くのコンテンツソースを検索対象にした場合、検索結果は必然的に多く表示されます。しかし使用するユーザーは、

あまりに多くの検索結果が表示された場合、検索結果をさらに吟味するために時間を要します。インターネット上の検

索とは異なり、組織内の検索は求められている要件が異なることに注意してください。SharePoint Server 2010 の

エンタープライズ検索はこれら組織内特有の問題を「機能」を用意し解決します。

・エンタープライズ検索は組織内の人や人に紐づいた専門知識の検索を提供します。

SharePoint Server 2010 の検索の特徴は「人」というコンテンツが検索できることです。人を効果的に検索できるの

は、組織にとって非常に重要です。

単純に、「人」の内線電話番号を知りたいなど以上に、これまで「人」がかかわってきたプロジェクトや経験を知りたいとき、

ある分野に専門性を持った人を見つけたい場合もあるでしょう。

ユーザープロファイルを検索対象にすることにより、それらの情報も効果的に検索することができます。

・エンタープライズ検索は、検索専用の「カスタマイズ可能なページ」を提供し、管理者が組織のニーズに応じて表示手

法や配置を変更することができます。またユーザーが自分の意志で、より高度な検索条件を設定できる機能を提供し

ます。

このようにエンタープライズ検索では多くのコンテンツを検索対象とすることができる以上の検索機能を提供します。

しかし同時に、サーバーの管理者は検索に関し十分に計画をしなければ、検索実行サーバーに負荷がかかってしまった

り、管理、仕分けがされないままあまりに多くの検索結果を表示してしまい、逆にユーザーの生産性を低下させる可能


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性もあります。

本自習書を通し、一つずつ設定をしながら組織に適したエンタープライズ検索を提供されることをお勧めいたします。

1.2 検索でよく使用される用語

SharePoint Server 2010 が提供するエンタープライズ検索機能について詳しく説明する前に、検索に関する用語

とその定義を知っておくと、自習書を読まれるときに役に立つでしょう。

下記の表は、SharePoint Server 2010 の検索に関してよく使用される用語の簡単な説明です。

用語定義

おすすめコンテンツおすすめコンテンツは、1 つ以上のキーワードに関連付けられているドキュメントの

URL です。一般に、このようなドキュメントやサイトは、ユーザーが検索結果一覧の

上位に表示されることを望むと思われるドキュメントやサイトです。おすすめコンテンツ

は、その URL にインデックスが付けられているかどうかにかかわらず、関連付けられて

いるキーワードを含むクエリによって返されます。サイトコレクションの管理者は、キー

ワードを作成し、おすすめコンテンツをキーワードに関連付けることができます。

プロトコルハンドラプロトコルハンドラの適切なプロトコルを使用して、インデックスを付けられるシステムと

通信をします。たとえば、共有フォルダーにインデックスを付けるために使用されるコネ

クタは file:// プロトコルを使用して通信します。Web サイトにインデックスを付ける

ために使用されるコネクタは http:// プロトコルまたは https:// プロトコルを使用

します。

コンテンツソースコンテンツソースは、クロールされインデックスを付けられるシステムの定義です。たとえ

ば、管理者は、共有ネットワークフォルダー、SharePoint サイト、他の Web サイ

ト、Exchange パブリックフォルダー、サードパーティ製アプリケーション、データベー

スなどを表すコンテンツソースを作成することができます。

クロールルールクロールルールでは、インデックスを付けるコンテンツをクローラーがコンテンツソースか

らどのように取得するかを指定します。たとえば、クロールルールでは、特定の種類の

ファイルがクロールから除外されるように指定したり、指定された範囲内の URL のク

ロールに特定のユーザーアカウントが使用されるように指定したりすることができます。

クロールスケジュールクロールスケジュールでは、コンテンツソースをクロールする頻度と日付/時刻を指定

します。管理者は、すべてのクロールプロセスを手動で開始しなくて済むように、クロ

ールスケジュールを作成します。

クロールされたプロパティクロールされたプロパティは、インデックスが付けられているコンテンツのメタデータを表し


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ます。一般に、クロールされたプロパティには、SharePoint リストアイテムの列デー

タ、Microsoft Office などのバイナリファイルのドキュメントプロパティ、および

Web ページの HTML メタデータが含まれます。管理者は、有益な検索エクスペリ

エンスを提供するために、クロールされたプロパティを管理プロパティにマップします。詳

細については、「管理プロパティ」を参照してください。

クローラークローラーは、コネクタを使用してコンテンツソースからコンテンツを取得するコンポーネ

ントです。

クローラー影響ルールクローラー影響ルールは、クローラーがソースシステム内のコンテンツをクロールする際

にソースシステムにかける負荷を規定します。たとえば、あるクローラー影響ルールで

は、インフォメーションワーカーがあまり頻繁に使用しないあるコンテンツソースのクロ

ールでは 64 個のドキュメントを同時に要求する必要があることを指定し、別のクロ

ーラー影響ルールでは、インフォメーションワーカーが絶えず使用するシステム用に、

より負荷の低いクロール特性を指定することができます。

フェデレーションフェデレーションは、ユーザーが実行した 1 つのクエリに基づいて、複数の検索プロバイ

ダーから検索結果を取得するという概念です。たとえば、組織では、Bing.com との

フェデレーションを採用して、あるクエリの結果が SharePoint と Bing.comの両

方から返されるようにすることができます。

IFilter IFilter は、特定の種類のファイルのコンテンツを読み取るためにコネクタによって使用

されます。たとえば、PDF IFilter は PDF ファイルを読み取るために使用されます。

インデックスインデックスは、インデックスが付けられたコンテンツが収録されている物理的なファイル

で、クエリを遂行するためにクエリサーバーによって使用されます。

インデクサーインデクサーは、1 つのインデックスに含まれるコンテンツを管理し、そのコンテンツをクエ

リサーバーに伝達します。クエリサーバーでは、コンテンツはインデックスファイルに格

納されます。

管理プロパティ管理者は、1 つ以上のクロールされたプロパティにマップすることによって管理プロパティ

を作成します。たとえば、管理者は、コンテンツソースの異なる Customer、

Client、および Cust という複数のクロールされたプロパティにマップされる Client

という名前の管理プロパティを作成することができます。その後、管理プロパティはエン

タープライズ検索ソリューション全体で (検索範囲の定義やクエリフィルターの適用

などに) 使用することができます。

Open Search Open Search は、フェデレーションシナリオで規格に準拠した検索エンジンを使用


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することを可能にする業界標準です。詳細については、「フェデレーション」を参照して

ください。

パーティション分割されたイ

ンデックス

SharePoint Server 2010 には、管理者がクエリの負荷を複数のクエリサーバー

に分散させることを可能にする新しい概念が導入されています。これは、インデックス

のサブセットを作成し、個々のサブセットを異なるクエリサーバーに伝達することによっ

て実現されます。サブセットは "パーティション" と呼ばれます。ユーザーに返す必要

のある結果がすべて含まれるように、クエリ時に、クエリオブジェクトモデルは、検索を

遂行できる各クエリサーバーにアクセスします。

プロパティデータベース検索結果の管理プロパティとセキュリティ記述子は、物理的なインデックスファイルに

は格納されません。これらは、クエリサーバーに伝達される効率的なデータベースに

格納されます。クエリサーバーは一般に、インデックスファイルとプロパティデータベー

スの両方から情報を取得することによってクエリを遂行します。

クエリオブジェクトモデルクエリオブジェクトモデルは、検索ユーザーインターフェイスから入力を受け取る役

割と、クエリサーバーに適切なクエリを発行する役割を担います。SharePoint

Server 2010 が提供する検索 Web パーツでは、クエリオブジェクトモデルを使

用してクエリが実行されます。開発者は、クエリオブジェクトモデルを使用してクエリ

を実行するカスタムのユーザーインターフェイスとソリューションを作成することもできま

す。

クエリサーバークエリサーバーは、クエリを遂行するために、インデックスファイルとプロパティデータベ

ースからデータを取得します。

ランキングランキングでは、クエリから返される結果の並べ替え順序を定義します。一般に、結

果は、最も関連性の高いドキュメントが結果ページの上部に表示されるように、関連

性に基づいて降順に並べ替えられます。しかし、インフォメーションワーカーは、別の

並べ替え順序 (更新日時など) を適用することを選ぶ場合があります。

関連性関連性は、ある検索がユーザーの情報ニーズをどの程度満たすかを表します。関連

性には、どのドキュメントが結果で返されるか (ドキュメントの再現率)、および結果内

でのドキュメントの順序 (ランキング) が含まれます。

検索センター検索センターは、検索センターのサイトテンプレートをベースとしたサイトです。インフォ

メーションワーカーがクエリを実行して検索結果を処理することができる、的が絞られ

たユーザーインターフェイスを提供します。

検索項目検索項目は、ドキュメント、リストアイテム、ファイル、Web ページ、Exchange パ


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ブリックフォルダーへの投稿、またはインデックスの付けられたデータベース行を表しま

す。検索項目は "検索ドキュメント" と呼ばれることもありますが、重要なのは、こう

した項目が検索クエリによって返されるということです。

ステミング各言語には、複数の形を持つが本質的に同じことを意味する単語が存在する場合

があります。たとえば、"To Write" という動詞には、"writing"、"wrote"、

"write"、"writes" という形があります。同様に、英語の名詞には通常、"book"

と "books" のように、単数形と複数形があります。エンタープライズ検索のステミン

グ機能では、ある単語の 1 つの形がその単語の他の形にマップされることにより、適

切なドキュメントの再現率が向上することがあります。

ノイズワード

（ストップワード）

ノイズワードとは、インデックスを付けても意味がない単語のことです。英語には、いく

つかのストップワードが含まれています ("a"、"and"、"the" など)。このような単語

は、インデックスが付けられた項目の多くに含まれている可能性が高いので、このよう

な単語にインデックスを付けても意味がありません。また、インフォメーションワーカーが

この種の語だけを検索することはめったにありません。

類義語類義語とは、他の単語と同じことを意味する単語のことです。たとえば、"ラップトップ"

と "ノートブック" は同じことを意味すると考えることができます。管理者は、組織でイ

ンフォメーションワーカーが検索する可能性のあるキーワードの類義語を作成するこ

とができます。また、適切なドキュメントの再現率を向上させるために使用できる類義

語はシソーラスファイルに格納されます。

ワードブレーカーコンテンツソースからストリームや単語が取得され、こうしたストリームはインデックス作

成のために個々の単語に分解されます。ワードブレーカーとは、ストリームを個々の

単語に分解するコンポーネントのことです。インデックスが付けられるストリームは、通

常、スペース、句読点、および各言語特有の規則を識別することによって分解されま

す。また、ユーザーが複数の単語を検索ボックスに入力すると、そのクエリはワードブ

レーカーによって個々の語に分解されます。


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1.3 SharePoint Server 2010で検索を開始する

本自習書では、「SharePoint Server 2010 自習書・インストールガイド」の構成をもとに解説をしています。

SharePoint Server 2010 インストール直後の設定から行わなければならない設定を順を追って行っていきましょう。

1. 検索用のアカウントを設定します。

あらかじめ Active Directory ドメインコントローラーに検索用のサービスアカウントを用意しておきます。

本自習書では Contoso\spsearch というアカウントを使用します。

このアカウントは通常の Domain Users グループにだけ所属しているドメインアカウントです。

インストール直後はファーム構成用に使用されたサービスアカウントが既定になっているので（ファーム構成の場合）、

検索用に準備したサービスアカウントと切り替えます。

[スタート] から [すべてのプログラム] で [Microsoft SharePoint Server 2010 Products] の中の

「SharePoint 2010 サーバーの全体管理」を開きます。

サイドリンクナビゲーションから [アプリケーションの全般設定]をクリックします。

「検索」項目から [ファームの検索管理] をクリックします。


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2. 既定の Search Service アプリケーションを選択します。

SharePoint Server 2010 サーバーインストール後、ファームの初期構成ウィザードを使用した場合は、既定で

Search Service Application が一つ作成され、定義されています。

3. 検索アカウントを入力します。中央の「システムの状態」から [既定のコンテンツアクセスアカウント]を選択します。

あらかじめ用意しておいた検索用のサービスアカウントとパスワードを入力します。 [OK] をクリックします。


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これで、検索サービスアカウントの設定が終わりました。次に連絡先の電子メールアドレスを設定します。

4. 連絡先の電子メールアドレスを設定します。

「システムの状態」から[連絡先の電子メールアドレス] をクリックします。

連絡先の電子メールアドレスは任意のアドレスを入力することができますが、監視されていない電子メールボックスの

アドレスではなく、SharePoint ファームを管理する管理者の電子メールアドレスを入力することをお勧めします。

監視されていない電子メールアドレスを使用した場合、クロールに問題が起きても気づくのに時間がかかってしまうか


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もしれません。

5. プロキシサーバーの指定をします。（オプション）

プロキシサーバーの設定には、大きく 2 つの目的があります。

SharePoint Server 2010 には「フェデレーション検索機能」が標準で搭載されています。フェデレーションとは、ユ

ーザーが検索ボックスに入力した「検索キーワード」を外部の検索サービスに渡す機能です。そうすることにより、社内

で検索結果が得られなかったときに、もう一度ブラウザを起動して、インターネット上で再検索といった手間を省き、社

内、インターネット上両方の検索結果を同時に表示することができます。

社内から社外への（インターネット上）アクセスを行う際にプロキシを介する必要がある組織では、プロキシの設定を

行ってください。

2 つめの目的はクロール対象のコンテンツが外部にあるケースに対応するためです。外部コンテンツにアクセスへ行くと

きにプロキシを介する必要がある組織の場合はプロキシの設定が必要です。

本自習書環境ではプロキシを使用していませんので、内容は空白のままにします。

プロキシを使う場合と、使わない場合（ローカル検索）の例外も設定することもできます。


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6. コンテンツソースを設定します。左ナビゲーションの「クロール」から [コンテンツソース] をクリックします。

コンテンツソースは大きく分けて下記のような種類のコンテンツが考えられます。

SharePoint サイト（個人用サイトを含む）

ファイル共有内のファイル

Exchange Server のパブリックフォルダー

他の Web サイト（内部、外部）の Web ページ

他の基幹業務システム (CRM データベースや ERP ソリューションなど) などに格納されているデータ

他のアプリケーション（Lotus Notesなど）

コンテンツそれぞれに適したプロトコロルハンドラを使用するよう設定します。

例えばファイル共有をコンテンツソースとする場合、「file://Server名/共有フォルダー名」と指定します。そうすること

により、ファイル共有の ACL（アクセス権）を適切に反映させることができます。

SharePoint Server 2010 が標準で準備しているプロトコルハンドラ以外が必要な場合、サーバーの管理者はプ

ロトコルハンドラを別途準備する必要があります。プロトコルハンドラは必要であれば開発することもできます。


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7. 例として「ファイル共有」を追加クロール対象として設定してみましょう。

[名前] の欄に任意の定義名を入力します。（本自習書では「ファイル共有」としています。）

[コンテンツソースの種類]で、クロール対象となるコンテンツの種類、[ファイル共有] を選択します。

[開始アドレス] にファイル共有フォルダーのアドレスを UNCパス (\\) か File://で入力します。

8. スケジュールの設定を行います。同画面をスクロールさせます。[クロールのスケジュール] で [スケジュールの作成]

をクリックします。フルクロール、増分クロール共に設定を行います。


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スケジュールの管理画面でクロールの頻度の単位を選択します。（日、週、月）

実行間隔を設定します。

Tips: クロール実行間隔の設定に注意してください。フルクロールは何度も繰り返す必要はないかもしれません。

一度フルクロールを行った後は、増分クロールで前回からの差分のインデックスを作成することができます。

増分クロールをどの程度の間隔で行うのが適切かは組織が SharePoint検索に何を求めるのかにより、異なるでし

ょう。またユーザーがファイルを一つのファイルを作成するのには、ある程度の時間がかかります。

あなたの組織のユーザーは検索対象となるファイルを作成するのに、どの程度時間をかけているでしょうか？

テンプレートに記入するタイプでしょうか、それとも、一から文章を作成しているでしょうか？

作成するコンテンツの種類によっても異なることでしょう。量によっても異なります。

様々な要素を総合的に考慮し、クロール間隔の時間を決定することができます。


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9. ファイル共有に検索サービスアカウントがアクセスできるよう、権限を付与します。

ファイル共有の場合、対象となるフォルダーにアクセス権がなければ、検索サービスアカウントがコンテンツにアクセスし、

コンテンツを読み、インデックスを作成することができません。

対象のフォルダーを右クリックし、[共有] の [特定のユーザー] を選択します。


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10. 共有フォルダーに検索サービスアカウントを追加します。[読み取り] アクセスがついていることを確認します。

対象フォルダーが共有されたことを確認し、[終了] をクリックします。


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共有済みのフォルダーのプロパティを確認します。[セキュリティ] タブを開き、検索サービスアカウントに「読み取り」権

がついていることを改めて確認し、終了します。

ここまでの設定で、対象コンテンツの設定と、クロールの実行ができるようになりました。

なお、本自習書で取り上げていない、Lotus Notesなどをコンテンツ対象とする際は

http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ff463593.aspx を参照してください。

11. （補足）フルクロールと増分クロール

クロールし、インデックスを作成する作業は、サーバーの多くのリソースを消費します。

そのため、一度フルクロールを行った後は、「増分クロール」で対応します。増分クロールに関しては、下記のような特

徴があります。

対象増分取得の速さ理由

SharePoint サイト早い SharePoint の変更ログを参照し、照らし合

わせて増分のみをクロールするので高速

ファイル共有早いファイルのタイムスタンプを確認し、差分をクロ

ールするため高速

Web サイト遅い変更点を図る要素がないため、コンテンツの量

によっては遅くなる傾向がある

外部データ（データベース）設計による BCS、コネクタの設計に依存する。正しく作成

されている場合には増分対応可能

http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ff463593.aspx


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フルクロールはどのような時に必要でしょうか。

下記のケースが発生した場合には、フルクロールの再取得が必要になります。（下記は代表的なケースです）

クロール範囲の変更（クロールの包含、除外を含む）

検索アカウントの変更

SharePointサイトに対する、何らかのプログラム的な変更、もしくはアップデート

（変更ログが削除されてしまう場合があるため）

IFilter を追加した、削除した場合

クロール対象にするファイルの種類を追加した場合、削除した場合

プロパティマッピングの変更（増分の場合は、増分以降のプロパティ情報が取られるので、均一のインデックス情報

にするためには必要）

フルクロールを行う必要がある時は、実行のタイミングも考慮します。

サーバーやネットワーク（インデックスの伝達）の負荷の少ない時間帯を考慮し、実行することが推奨されています。

また組織のコンテンツ量では、どのくらいのクロール時間が必要なのかをあらかじめ計算しておくことが必要です。


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1.4 クロール対象の詳細設定

検索サービスアカウントの設定やクロール対象に関する基本設定が終わった後は、組織の求める詳細なクロールルール

を設定することができます。既定では、クロールコンテンツの URL から下階層に向かってクロールを続けていきます。しか

し組織の要望により、あるサイトに関しては検索対象から除外したいかもしれません。

1. クロールルールの設定を行います。左ナビゲーションの [クロールルール] をクリックします。

（[テスト] を使用して、既にルールが作成されているかを確認できます。）

[新しいクロールルール] をクリックします。

2. ルールの設定を行います。除外したい URL を入力し、[このパスにあるすべてのアイテムを除外する] を選択すること

により、指定した URL、もしくはその URL配下を除外することができます。

URL をしているときにはアスタリスク（＊）を使用することが可能です。


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3. クロールルールの設定は、コンテンツソースをクロールする際に使用する「アカウント」を既定以外に変更し、指定する

ときにも使用します。

SharePoint に登録してある既定の検索用サービスアカウントでアクセスできない、もしくは変更したい場合は、ここ

で指定することができます。パス（URL）を入力し、[認証の指定] で[別のコンテンツアクセスアカウントを指定す

る]を選択すると、画面は下記のようになります。


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4. クロールルールは「複合 URLのクロール」を実行する際にも使用します。

既定ではクロールは疑問符の部分で停止し、疑問符以降の部分で表されるコンテンツはクロールされません。

例えば、http://sp2010/Sitepages/default.aspx?top=contentsA というURLをクロールした場合、複合

URLのクロールルールを設定していない場合は、 top=contentsA で表現されている部分のクロールはされません。

[複合 URL をクロールする] をチェックすることによりクロールを実現します。またパスでアスタリスクを使用し、

http://sp2010/* のようにワイルドカード文字を使用します。


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1.5 検索対象のファイルの種類を増やす

既定では Office ファイル、Web ページなどのコンテンツが検索対象ファイルとなっています。しかし組織の中には、PDF

ファイルを初めとする、種々のアプリケーションによって作成されたファイルも存在しています。これらのファイルフォーマットを

検索対象にするには、追加の設定が必要になります。

本自習書では Adobe PDF形式の検索対象ファイルとして追加する手順をご紹介します。

手順は下記のようになります。

検索対象ファイルの種類を増やすときにポイントとなるのは「IFilter」です。

IFilterは、Index Filterの略で、インデクサーがコンテンツを「読んで」「理解し」インデックスを作成することを可能にしま

す。例えば PDF ファイルはそのままではファイルの中身を見ることができません。PDF用の IFilter を準備することにより、テ

キストとしてインデクサーが PDF ファイルの中身を理解できるようにします。

「一太郎」や「Auto CAD」などのファイルも同様です。それぞれのファイルフォーマット用に IFilter が必要です。

もう一点考慮しなければならない点は、SharePoint Server 2010 に適用する IFilterは 64 ビット版でなければなら

ないということです。32ビット版は動作しません。64ビット版の IFilterが準備されているかどうかは、対象のファイルフォー

マット提供元に尋ねることができるでしょう。

ファイル拡張子の登録（検索対象になる）

IFilter のインストール、設定

ファイルアイコンの準備

ファイルアイコンの定義

検索サービス再起動と IISRESET の実行

フルクロールの実行


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1. 「ファイルの種類」を追加します。

左ナビゲーションの [ファイルの種類] をクリックします。

2. [新しいファイルの種類] をクリックします。

追加したいファイル拡張子を入力します。（ここでは ”pdf” と入力します）入力後、[OK] をクリックします。


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3. 新しい拡張子（pdf）が追加されたことを確認します。

※この時点では、.pdf という拡張子に対応するアイコンを紐づけていないため、アイコン欄は空白になります。

4. IFilterを準備します。PDFの IFilterは Adobe社が提供しています。Adobe社のWebサイトからダウンロードし

ます。（ZIP ファイルの形式で提供されています。ダウンロード後は解凍して使用します。）

http://www.adobe.com/support/downloads/detail.jsp?ftpID=4025

http://www.adobe.com/support/downloads/detail.jsp?ftpID=4025


31

5. ダウンロードした IFilter をインストールします。インストーラーを起動し、[Next] をクリックします。

6. ライセンスに同意し、 [Next]をクリックします。


32

7. インストールロケーションを確認し、インストールを完了します。

8. レジストリの編集を行います。[スタート] から [ファイル名を指定して実行] をクリックします。

“regedit”を入力し、[OK]をクリックします。


33

9. レジストリエディタが起動します。PDF拡張子に関するいくつかのレジストリ値を確認し必要であれば追加します。

最初に確認するレジストリは HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Office

Server\14.0\Search\Applications\{site

GUID}\Gather\Portal_Content\Extensions\ExtensionList

※{site GUID}のところは、環境別に生成された任意の ID が入っています。

ExtentionList の値の中に”pdf”があることを確認します。もしなければ、値を追加します。

リスト一覧を見渡し、まだ使われていない ID番号を確認します。（この場合は 48）

値はレジストリエディタ右側のウィンドウで右クリックをし、「新規」から「文字列値」を選びます。

Filter値の確認をします。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Office

Server\14.0\Search\Setup\Filters\.pdf

を開きます。


34

値が下記のようになっていることを確認します。

<REG_SZ> Default = <value not set>

<REG_SZ> Extension = pdf

<REG_DWORD> FileTypeBucket = 1

<REG_SZ> MimeTypes = application/pdf

10. 最後のレジストリ値を確認、変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Office

Server\14.0\Search\Setup\ContentIndexCommon\Filters\Extension\.pdf

値が ”{E8978DA6-047F-4E3D-9C78-CDBE46041603}”である必要があります。違う値が入っている場

合は、この決められた値に変更します。

Tips：詳細は Adobe社が提供しているインストールガイドを確認してください。

http://www.adobe.com/special/acrobat/configuring_pdf_ifilter_for_ms_sharepoint_2007.pdf

内容は SharePoint Server 2007 のものですが、SharePoint Server 2010 にも同様のことが当てはまります。レジ

ストリの位置で「12.0」になっているところを「14.0」に読み替えます。（これは SharePoint のバージョン番号です。）

http://www.adobe.com/special/acrobat/configuring_pdf_ifilter_for_ms_sharepoint_2007.pdf


35

11. アイコン画像を入手します。PDF ファイルに関しては、Adobe社がアイコンを用意しています。

http://www.adobe.com/misc/linking.html#pdficon

17×17サイズのアイコンを選択し、右クリックし、名前を付けて画像を保存します。本書は名前を”PDF16.GIF”と

してローカルに保存します。

※SharePoint Serverのファイルアイコン既定サイズは 16×16 です。

12. 保存したアイコン画像ファイルを下記の場所にコピーします。

C:\Program Files\Common Files\Microsoft Shared\Web Server

Extensions\14\TEMPLATE\IMAGES

http://www.adobe.com/misc/linking.html#pdficon


36

13. 階層を一つ上がり、C:\Program Files\Common Files\Microsoft Shared\Web Server

Extensions\12\TEMPLATE\XML\DOCICON.XML ファイルを右クリックで開きます。

ファイル上で右クリックし、「プログラムから開く」を選択し、「メモ帳」でファイルを開きます。


37

14. マッピングキーを追加します。<ByExtention>属性内の任意の場所に下記の値を追加します。

<Mapping Key="pdf" Value="pdf16.gif"/>


38

15. サービスの再起動と IISの再起動を行います。

[スタート] から [ファイル名を指定して実行] をクリックし、 “cmd” と入力し、起動します。下記コマンドを順に実

行します。

net stop osearch14

net start osearch14

iisreset

16. これまでの手順で、PDF アイコンが正常に表示されるかを確認します。

ドキュメントライブラリで PDF ファイルをアップロードします。


39

17. SharePointサイトをフルクロールし、PDF ファイルが検索されるかを確認します。

簡易検索ボックスで検索キーワードを入力します。

※フルクロールが終わるまでには時間がかかります。ある程度のファイルをアップロードし、時間をおいてから検索を実

行してみてください。

PDF ファイルが正しく検索されていることを確認します。

Tips：検索対象の「ファイル拡張子」として”pdf”を追加しているので、IFilterが例え正しく構成されていなかったと

しても、「ファイル名」はインデックス化されます。検索結果にも表示されるので、間違った構成を見落とすことがあるか

もしれません。IFilter が働いていない場合は「ファイル名」が表示されます。

IFilter が働いている場合は、ファイルの中を見てインデックスを作成しているため、上記のようにファイルの内容（ドキ

ュメント内の一部文字列とキーワードハイライト）、プロパティ情報が検索結果に表示されます。

Tips：IFilter に関して考慮できる他のオプション。

PDF の IFilter に関しては、Adobe社以外からも用意されています。選択する IFilter の性能によって、インデック

ス作成にかかる時間は大幅に変わります。


40

よく知られている PDF用の IFilter には「Foxit社」製品などがあります。

http://www.foxitsoftware.com/pdf/ifilter/

IFilter の導入を考慮するときには、IFilter が 64 ビットに対応しているかだけではなく、日本語に対応しているかを

確認する必要があります。

注意：中には、英語、スペイン語など特定の言語しかテキスト化できない IFilter もあります。


41

1.6 人の検索を有効にする

検索用サービスアカウントを「既定のアカウント（ファーム用サービスアカウント）」から変更した場合、そのままでは「人」に

関する情報が検索できません。インデクサーが人の情報が集まっている User Profile Service アプリケーションにアクセ

スするアクセス権がないからです。アクセスすることが出来るように適切な権限を設定します。

1. SharePoint全体管理を開きます。 [アプリケーションの管理] から [サービスアプリケーション] を選択します。

アプリケーションの一覧から、作成されている User Profile Service アプリケーションを選択します。

アプリケーションをクリックし、選択（ハイライト）します。


42

2. リボンタブから [管理者] をクリックします。検索サービス用のアカウントを入力し「追加」ボタンをクリックします。

「検索クローラー用ユーザーデーターの取得」にチェックを入れ、 [OK] をクリックします。

3. フルクロールを実行し、インデックスを取得します。必ず検索ログを確認し、エラーが発生していないことを確認します。

（アクセス権が正しくついていない場合は、「アクセスすることが出来なかった旨」エラーログとして記録されます。

また、個人用サイトをホストしているサイトコレクションのアドレスと、プロファイルストアのアドレスが適切に入力されてい

ることを確認します。アドレスは http:// と sps3://<ホスト名>で指定します。詳細は

http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ee808863.aspx を参照します。

（上記の手順は FAST Search Server for SharePoint を使用した場合も構成によっては必要になります。）

http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ee808863.aspx


43

1.7 検索結果を組織向けに操作する

検索対象のコンテンツを決め、クロールルールを決めたら、次は検索のチューニングを行います。

組織で求められている検索は、業務に必要な情報がすぐに見つかることです。

ユーザーはインターネット上の検索のようなやみくもな「大量の検索結果」を求めているわけではありません。

検索の精度を上げるためには、優先順位をサーバーの管理者が定める必要があります。この設定はサーバーの管理者

が行いますが、どのソースの優先順位を上げるべきかについては、検索を実際に使用するユーザーの動向やクエリログ、

組織の検索に対する期待と要求から総合的に判断する必要があるでしょう。

SharePoint Server 2010 では、次のように検索結果に優先順位をつけることができます。

1. [Search Service アプリケーション] を開き、左ナビゲーションから「クエリと結果」項目にある [優先するページ] を

クリックします。

サーバーの管理者は、最優先するWeb ページ、2 番目に優先するWeb ページ、3 番目に優先するWeb ペ

ージ、または優先しない Web ページを指定できます。この設定を行うことによって、検索結果の関連性のランク付

けに影響を与えることができます。検索結果一覧内における検索結果の表示順序にも影響します。


44

2. 検索結果の関連性のランク付けは、最優先するページ、2 番目に優先するページ、または 3 番目に優先するペ

ージとして指定された URL から結果がどの程度 (クリック数) 離れているかによってある程度決まります。最優先

するページには最も関連する情報が格納されているか、最も関連する情報にリンクしています。2 番目に優先する

ページでは、ペナルティクリックが 1 つカウントされます。3 番目に優先する URL では、ペナルティクリックが 2

つカウントされます。優先しない URL のランクは、他のどのサイトよりも低くなります。

※検索の結果自体は、アルゴリズムと、関連要素が考慮されて出力されるため、簡単にここで指定した優先サイト

にあるコンテンツが確実に表示されるわけではありません。しかし、もっとも優先すべき検索ランキングの「考慮事項」に

なります。

3. ノイズワード（ストップワード）、シソーラスを調整する。

これらのファイルに対する変更は、検索結果に大きな影響を与えます。作業自体はテキストファイルの内容を変更す

るだけのため、直ぐに行うことができます。しかしシソーラスなどは用語の重みづけに関連する複数の要素を理解する

必要があります。SharePoint Server 2010 の検索アーキテクチャを考慮すると、これらのファイル編集は「単純に

用語の置き換え」ではありません。通常は変更する必要がありませんが、組織のニーズが高まった時、または既定の

ノイズワードファイルに記載されている単語が組織の使用しているある特定の専門用語とぶつかり、ノイズワードとして

検索結果から外れてしまう場合には、下記の TechNet の資料を参考に調整してください。

http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc835623.aspx

http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc835623.aspx


45

1.8 フェデレーション検索を構成する

フェデレーションとは情報を多地点で流通させるための技術や仕組みのことを意味する用語です。SharePoint で用意

されているフェデレーションは、ユーザーが使用した検索用語（クエリ）を自分のクエリエンジンに渡すだけでなく、外部の

検索サービスにも渡すことにより、よりユーザーの求めている情報の提供を実現することができます。

一般的にフェデレーションは外部の検索サービス（インターネット上）とのやりとりが発生するため、組織によってはプロキ

シの設定が必要になります。

フェデレーションでポイントとなるのは「Open Search規格」です。フェデレーション先のエンジンがOpen Search 1.0、

1.1規格に準じる場合にフェデレーション検索先として指定し、使用することができます。

フェデレーションを構成するためには大きく分けて下記の作業が必要となります。

・フェデレーション場所の定義

・トリガのルール策定

・クエリテンプレートとリンクテンプレートの指定

・表示情報（XSL）の定義

・フェデレーションの使用制限

・資格情報の設定

・フェデレーション検索結果Webパーツとの紐付け

これだけみると膨大な作業量と知識が必要に感じるかもしれませんが、マイクロソフトエンタープライズサーチWebサイ

ト（http://www.microsoft.com/japan/enterprisesearch/）ではフェデレーションのサンプルコネクタ（定

義ファイル）が用意されているので、それらをダウンロードし、加工することにより直ぐに利用できるようになります。

現在用意されているサンプルコネクタは英語の検索サイトへクエリを渡すものがほとんどですが、内容を少し書き換えるだ

けで日本語の検索サイト、日本語の検索結果が利用できる場合が多くあります。


46

1. [Search Service アプリケーション] を開きます。左ナビゲーションから[フェデレーション対象] をクリックします。

フェデレーションの説明文にある「オンラインギャラリー」ハイパーリンクをクリックします。 URLは下記のとおりです。

http://www.microsoft.com/japan/enterprisesearch/connectors/default.aspx

http://www.microsoft.com/japan/enterprisesearch/connectors/default.aspx


47

オンラインギャラリーには「検索フェデレーションコネクタ」のサンプルがそろっています。このサンプルから必要なコネクタ

をダウンロードします。

本自習書ではMSDNへのコネクタをダウンロードし、使用します。拡張子が .FLDのファイルをダウンロードし、ローカ

ルに保存します。


48

2. [フェデレーション対象の管理] から [対象のインポート] を選択します。

3. ローカルにダウンロードしておいたコネクタファイル（ .FDL）を参照し、インポートします。


49

コネクタが正常にインポートされたことを確認します。 [対象の編集] をクリックし、コネクタの内容を編集します。

4. 内容を確認します。


50

5. クエリテンプレートの内容を書き換えます。

クエリテンプレートとは、Open Search規格でクエリを渡すときに使用するひな形です。

本自習書でダウンロードしたMSDN コネクタは下記のようになっています。

http://search.msdn.microsoft.com/search/Feed.aspx?brand=msdn&query={searchTerms

}&lang=en-eu&feed=rss

query={searchTerms}のところに、ユーザーが入力したキーワードが入ります。その後、言語設定があります。

既定ではこのコネクタは en-eu（英語）設定になっています。これを ja-jp（日本語）に書き換えます。

エディタを起動し、書き換えを行います。（フィールド内で書き換えることも可能ですが、エディタを使用することにより、

スペルミスなどを防ぐことができます。


51

[OK]をクリックします。

同じ設定を[その他の結果リンクテンプレート]に対しても行います。

後の設定は、既定値を受け入れます。


52

6. 実際にフェデレーション検索が働くかを確認します。

http://sp2010 へ移動します。[サイトの操作] から [新しいサイト]を選択し、検索用のサイトを作成します。

7. 基本検索センターのサイトテンプレートを選択します。サイト名に「検索サイト」、URL に「search」と入力し、サイト

を作成します。

http://sp2010/


53

8. 検索結果ページをカスタマイズします。

作成した検索サイトで検索を行います。任意のキーワードを入れ、検索を行います。

検索結果ページが表示されます。検索結果ページで [ページ] タブをクリックします。

9. リボン UIから [ページの編集] をクリックします。ページ編集モードになります。


54

10. 右領域にフェデレーション用のWebパーツを追加します。領域で[Web パーツの追加] をクリックします。

「カテゴリ」から「検索」を選択し、「フェデレーション検索結果」をクリックし、右下の[追加] ボタンをクリックします。

11. 追加された「フェデレーション検索結果」Webパーツを設定します。すぐにフェデレーション検索の結果が表示されます。

既定では Bing サーチの結果が表示されます。[フェデレーション検索結果] の右横の「▼」をクリックし、メニューを出

します。 [Webパーツの編集] を選択します。


55

12. 「場所のプロパティ」であらかじめ登録しておいた「MSDN」をフェデレーション先として選択します。


56

13. リボン UIから、[編集の終了] を選択します

14. 検索結果とともにMSDNサイトからの検索結果が表示されていることを確認します。

以上で、フェデレーションの設定は終了です。用意されているコネクタをダウンロードして使用すると手軽に複数の検

索エンジンからの結果をユーザーに提供することができますが、フェデレーション検索を多用すると、検索結果の表示

に時間がかかるようになります。フェデレーション検索Webパーツは複数配置することができますが、配置の数には注

意する必要があります。


57

第2章サイトコレクションの管理者が行う検索設定


58

2.1 サイトコレクションの管理者が行うことのできる検索設定

ここまでで、サーバーの管理者が行うことのできる検索設定を取り上げてきました。しかし、検索はサーバーの管理者が

行うのではなく、エンドユーザーが日常的に行います。そうなると、細かい検索に対するニーズをくみ取り、詳細設定する

のは一番現場に近いサイトコレクションの管理者になります。サイトコレクションの管理者もエンドユーザーが業務の生産

性をより高めることができるよう、検索に関して多くの設定を行うことができます。

サイトコレクションの管理者が検索に関して考慮すべき事項は下記のとおりです。

「検索」という行為をユーザーが行うときは、業務上情報を必要としている時です。SharePoint Server 2010 では

Web Analysis レポートでユーザーの情報ニーズ、動向をグラフィカルに確認することができ、何が求められているのかを

見極め、必要に応じて追加の設定やチューニングを行うことができます。

ユーザーがどのような検索を行っているのか、動向を理解する

適切な検索結果がユーザーに返されているか確認する

お勧めキーワードでユーザーに付加的な情報を与える

検索範囲の設定を行い、より使いやすい検索へ

エンドユーザーに適切な検索手法を伝える


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1. Web Analysis レポートを確認します。

[サイトの操作] から [サイトの設定] を選択します。

2. 「サイトの操作」から [サイトコレクションのWeb Analysis レポート]を選択します。


60

3. ナビゲーションペインの「検索」から[よく使用されるクエリ]をクリックします。

ユーザーが良く使用するクエリ（検索キーワード）がグラフと順位で表示されます。


61

4. クエリの数が一番多いものを確認します。クエリの数が多いということは、それだけ多くのユーザーがその情報を必要と

しているということです。次に [失敗したクエリ]を確認します。

中断率で「ヒットなし」になっている検索クエリに注目します。正しいスペルで検索されているか、間違ったスペルのため

に検索結果が出なかったのかを確認します。


62

2.2 おすすめキーワードの追加

よくユーザーによって検索されているクエリ（検索キーワード）を理解したら、サーバーの管理者、もしくはサイトコレクショ

ンの管理者は何をすべきでしょうか？

管理者はエンドユーザーにより的確で最良の情報を提供したいと思われていることでしょう。

「おすすめキーワード」はユーザーが検索クエリを入力したときに、それが一致した場合、必ず表示される検索結果です。

この機能を使用し、エンドユーザーが探している情報により付加的な価値を持たせることができます。なぜならユーザー

が日常的に行う検索という行為を実行するだけで、組織としてのメッセージングと検索結果の複数の効果を一度にもた

らすことができるからです。

1. [サイトの操作] から [サイトの設定] を開きます。 [サイトコレクションの管理] から「検索キーワード」をクリック

します。

2. キーワードを追加します。[キーワードの追加] をクリックします。


63

3. キーワードとして使用する用語を入力します。[キーワードフレーズ] は入力必須項目です。

ユーザーのよく使用しているクエリを調べ、キーワードとして入力することができます。類義語がある場合には[類義語]

も登録します。

4. 同画面をスクロールし、[おすすめコンテンツの追加] をクリックします。

入力しなければならないのは下記の 3点です。

・URL －ここで入力した URLは、ハイパーリンクとして表示されます。（組織として外部へのリンクが許されているか

確認します。）

・タイトル－おすすめコンテンツのタイトルとして検索結果に「説明、URL」と共に表示されます。

・説明 – 説明はそのまま検索結果に表示されるため、十分な情報量を持たせることができるでしょう。


64

5. お勧めコンテンツは、一つのキーワードフレーズに対して複数設定することができます。そのため複数の情報を要約し

たいときには[キーワードの定義] を使用することもできますが、空白のままでも構いません。

発行の開始日と終了日を設定することにより、ある時期以降はこの「おすすめコンテンツ」を表示させないという設定

を行うことも可能です。


65

6. 登録したキーワードを使用して、検索を行います。一番上位に「おすすめコンテンツ」が「★」マークで表示されている

ことを確認します。


66

2.3 検索範囲を設定する

既定では、全てのコンテンツが検索対象になっています。組織内で情報の置き場が明確になっており、目的に応じてユ

ーザーがその範囲を選択して検索を行うことができると、さらに効率の良い検索環境を提供することができます。

この作業はサーバーの管理者、サイトコレクションの管理者が行うことができます。

本自習書ではサイトコレクションの管理者が行う方法を紹介いたします。

1. [サイトの操作] から [サイトの設定] を開きます。「サイトコレクションの管理」から [検索範囲] を選択します。

2. [新しい範囲] を選択します。


67

3. 新しい範囲の定義をします。タイトルを入力します。（本自習書では：「部署のファイルサーバー」とします）

表示場所を選択します。「検索ドロップダウン」にチェックを入れます。

4. 作成した新しい範囲定義の [更新状態] に表示されている「ルールの追加」ハイパーリンクをクリックします。


68

5. ルールを定義します。共有フォルダーの URL を「File プロトコル」を使用して指定します。

入力後、[OK] をクリックします。

6. 更新が自動的に始まり、終了します。この作業はタイマージョブで行われるので、次の作業に移ります。


69

既定で表示されていない、検索範囲ドロップダウンボックスを表示します。

[サイトの操作] から [サイトの設定] を開きます。「サイトコレクションの管理」から[検索の設定] を選択します。

「サイトコレクションの検索ドロップダウンモード」で「範囲ドロップダウンを表示する」を選択します。[OK] をクリックし

ます。


70

7. 範囲設定のタイマージョブが完了していることを確認し、 http://sp2010 へ移動します。

範囲ドロップダウンボックスが表示されていることを確認します。

また、検索結果ページでも範囲ドロップダウンボックスが表示されていることを確認します。

http://sp2010/


71

2.4 エンドユーザーに効果的な検索手法を伝える

SharePoint Server 2010 では、新しい検索機能や検索因子が用意されました。

新機能のため、エンドユーザーは、まだそれらの使い方を知らないかもしれません。効果的な検索方法をエンドユーザー

に提示することにより、検索からより業務の生産性を高めることが可能になります。

1. ワイルドカードの使用

インターネット上の検索とは異なり、組織内ではファイル名やコンテンツの内容にも、ある程度の規則性がみられるか

もしれません。例えば、営業日報のファイルは「SalesReport_Yamada_201006」などとなっているかもしれませ

ん。SharePoint 2010 でサポートされているワイルドカードを使用すると、途中まで入力し、そのあとにアスタリスクを

（*）つけることにより、より多くの検索結果を得ることができます。 “Author:” を使用することにより、作成者を絞

ることができます。ここでもアスタリスクを使用することが可能です。

例：河端さんが作成した SharePoint に関する記述のあるファイルを検索： “share* Author:Kawaba*”


72

2. SharePoint Server 2010 は、検索クエリでのブール演算子 AND、OR、および NOT の使用をサポートして

います。例えば、ユーザーは、次のようなクエリを実行することができます。

("SharePoint Search" OR "Live Search") AND (title:"Keyword Syntax" OR title:"Query

Syntax")

3. 検索クエリの入力中に提供される候補

ユーザーが検索センターの検索ボックスにキーワードを入力すると、クエリを完成させるのに役立つ候補が提供されま

す。ある程度学習がされていくと（さまざまなユーザーが良く使うことにより）、検索キーワードを入力するときに過去

の検索でよく使われたキーワードが表示されるようになります。

4. Office Web Apps との連携によるブラウザプレビュー

Office Web Apps がインストールされている環境であれば、検索結果を直ぐにWeb でプレビューし、内容を確認

することができます。


73

5. Windows 7 とのフェデレーション連携

SharePoint Server 2010 から検索クエリの結果が返された後、Windows 7 ユーザーは、Windows エクス

プローラーでその検索範囲のフェデレーション検索コネクタショートカットを作成できます。これによって、Windows 7

からその検索範囲をいつでも検索できるようになります。

検索結果および関連付けられたメタデータが Windows エクスプローラーに表示されるので、これらに対して、ファイ

ルプレビュー、ドラッグアンドドロップなどの Windows 機能を実行できます。Windows 7 に表示される検索

結果は、同じ検索クエリを SharePoint Server 2010 で直接実行したときに主要な検索結果 Web パーツに

表示される結果と同じです。

フェデレーション定義のファイルは拡張子が .osdx になります。

下記はコネクタのサンプルです。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>

<OpenSearchDescription xmlns="http://a9.com/-/spec/opensearch/1.1/">

<ShortName>SharePoint Search 2010</ShortName>

<Url type="application/rss+xml" template="http://サーバー名

/_layouts/srchrss.aspx?k={searchTerms}"/>

</OpenSearchDescription>


74

※上記コードはあくまでサンプルです。検索サイトの位置が異なっていたり、もしくは FAST Search Server for

SharePoint をインストールしている場合はコードが異なります。

メモ帳などに上記コードを記載したファイルを作成し、UTF-8で「拡張子を含め」名前を付けて保存します。

例：SharePointSearch.osdx など

保存したファイルは検索コネクタとしてWindows 7 に認識されます。ダブルクリックをして実行します。

追加をクリックすると、エクスプローラーの左ペインに SharePoint とフェデレーションされた項目が表示されます。

通常のエクスプローラーを使用するのと同じ感覚でドラックアンドドロップなどを行い、ローカルにコピーなどの作業が

行えます。またプレビュー機能を使用することも可能です。


75

なお、上記の方法では「.osdx」ファイルの仕組みを知るためにコードを記述しましたが、実際はもっと簡単にコネクタ

を追加することができます。検索ページで検索を行い、検索結果ページで表示される「コネクタ」ボタンをクリックするだ

けで、追加が可能です。


76

第3章 FAST Search Server for SharePointの

活用


77

3.1 FAST Search Server for SharePoint とは

FAST Search Server for SharePointはマイクロソフトが 2008年 4月に買収したファストサーチ&トランスファ社の

検索エンジンのアーキテクチャを利用できるスーパーセットです。SharePoint と組み合わせて使用することにより、より高

度で正確な検索結果をユーザーに提供できるだけでなく、より視覚的に、わかりやすいリッチな検索結果を提供します。

FAST Search Server for SharePoint を使用するためには、SharePoint Server 2010 サーバーライセンス、

Standard CAL と Enterprise CAL、そして FAST Search Server for SharePoint が必要です。

また FAST Search Server for SharePointは「英語でのみ」の提供です。インストールメニューなどは英語表示のみで

す。しかし、問題なく日本語コンテンツを検索対象として扱うことができますし、インストール後は SharePoint側の管理

操作にて行うため、それほど言語を意識する必要はないかもしれません。

FAST Search Server for SharePointは既存の SharePoint Server 2010 に追加インストールするのではなく、

SharePoint 2010 ファームに追加で FAST専用のサーバーを構築します。既存の SharePoint Server 2010 に混

在させてインストールすることはサポートされていません。

http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ff381239(en-us).aspx

インストール要件は TechNet を参照してください。

http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ff381239(en-us).aspx#BKMK_HardwareRequireme

nts

基本的には SharePoint Server 2010 のインストール要件と変わりありません。

本自習書では、「SharePoint Server 2010自習書・インストール編」に基づいて作成された SharePoint Server

に FAST をインストールする例をご紹介します。

上記 TechNetに記載されている通り、これは決して推奨されている環境ではありませんので、運用環境では必ず専用の

サーバーを追加して構成してください。本自習書の構成はあくまで FAST Search Server の検証のみを行ってみたい方

向けです。

また、このインストール手法はサポート対象外のため、手順に基づいてインストールをした結果もたらされるいかなる結果に

関しても責任を負うことはできません。Hyper-Vなど仮想環境で SharePoint Server 2010の環境を構築されている

方は、インストールを開始する前に、スナップショットイメージを作成されることをお勧めいたします。

全ての SharePoint内のコンテンツはバックアップをとってからお試しください。

http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ff381239(en-us).aspx

http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ff381239(en-us).aspx#BKMK_HardwareRequirements

http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ff381239(en-us).aspx#BKMK_HardwareRequirements


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3.2 インストール用件を整える

SharePoint Server 2010 と同様、FAST Search Server にも「事前準備ツール」があります。

まずは事前準備ツールを実行し、インストール環境を整えます。

1. FAST Search Serverのインストールメディアを挿入します。

「Install Software prerequisites」をクリックします。

2. 事前準備インストーラーを起動し、[次へ]進みます。


79

3. インストール後、[完了]をクリックし、再起動を行います。

4. 外部からのリモートコマンドが実行できるように設定します。

[スタート]から[アクセサリ]でWindows PowerShell を「管理者として実行」します。


80

下記のスクリプトを実行します。

Set-ExecutionPolicy RemoteSigned

実行ポリシーを変更しますか？の問いに対し、[Y]を選択します。

5. FAST Search Server をインストールします。


81

6. Destination Folder を選択します。

※ここで指定した場所は十分なディスク容量があるように注意してください。

7. インストールを完了します。


82

8. FAST Search Serverの構成を行います。

[スタート]から[すべてのプログラム]を選択し、「Microsoft FAST Search Server 2010 for SharePoint

Configuration Wizard」を実行します。

9. 構成を開始します。


83

10. 構成タイプを選択します。「Single Server」構成を選択します。

11. 実行用のサービスアカウントを指定します。ここでは Contoso\spfarm を指定しています。


84

12. サーバー間の通信の証明にしようするパスワードを設定します。本自習書では P@ssw0rd と設定しています。

13. フルサーバー名を入力します。（sp2010.contoso.com）ポートは既定値のままにします。


85

14. データベースサーバーの指定をします。本自習書では既存の SP2010 サーバーにインストール済みの SQL Server

を使用するため、データベース名に sp2010.contoso.com と入力し、データベース名、ポート番号は既定のままと

します。

15. クリックスルーの関連性を設定します。サービスアカウントを指定しますが、ここで指定するサービスアカウント

は”SharePoint 2010 Timer (SPTimerV4)” サービスを実行しているアカウントと同一である必要があります。

本自習書の場合は Contoso\spfarm となります。


86

16. [Configure] をクリックし、構成ウィザードを実行します。

構成が正常に完了したことを確認し、サーバーの再起動を行います。

17. FAST Search用のサービスアプリケーションを作成します。

SharePoint Server 2010 の「サーバーの全体管理」を開きます。「アプリケーション構成の管理」を開き、サービス

アプリケーションから [サービスアプリケーションの管理] をクリックします。


87

18. 新しい Search Service Application を作成します。

リボン UIの「新規」をクリックし、[Search Service Application] を選択します。


88

19. サービスアプリケーション名を入力します。

本自習書では「FASTSearch」と入力します。

「FAST Service アプリケーション」で「FAST Search コネクタ」を選択します。

新しいアプリケーションプールを作成します。アプリケーションプール名は任意で構いません。

「コンテンツの配信元」と「コンテンツコレクション名」を入力します。この情報は FASTがインストールされたフォルダーの

中にある「Install_Info.txt」ファイルに記載されています。


89

※ファイルの中身

この先の設定でも、本テキストファイルの情報を使用します。


90

20. 全てを入力し、OK をクリックします。サービスアプリケーションが作成されます。

21. 任意の場所に作業用のフォルダーを作成します。

本自習書では C:\TempWork というフォルダーを作成します。


91

22. ２つのファイルを作業用のフォルダー（TempWork）にコピーします。

C:\FASTSearch\installer\scripts\securefastsearchconnector.ps1

C:\FASTSearch \data\data_security\cert\FASTSearchCert.pfx

23. SharePoint 2010管理シェルを「管理者として実行」で起動します。

24. PowerShell スクリプトを実行します。

Cd C:\tempwork に移動します。


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.\SecureFASTSearchConnector.ps1 -certPath ".\FASTSearchCert.pfx" -ssaName

"FASTSearch" -username "Contoso\spfarm"

パスワードを求められます。認証用に設定した P@ssw0rd を入力します。

実行には少し時間がかかります。コマンドプロンプトが戻るまで待ちます。

スクリプト実行後、検索サービスを再起動します。

net stop osearch14

net start osearch14

25. サービスアプリケーションの管理から、作成した FASTSearch アプリケーションを開きます。


93

26. 左ナビゲーションから「コンテンツソース」をクリックしクロールの設定を行います。

名前を入力し（本自習書では SharePoint for FAST）、開始アドレスを指定します。（http://sp2010/）

http://sp2010/


94

27. [フルクロールを行う] にチェックを入れ、すぐにフルクロールを行います。

28. 再び [サービスアプリケーションの管理]に行き、もう一つ Search Service Application を作成します。

29. ここではクエリサービス用のアプリケーションを作成します。本自習書では下記のように設定します。

サービスアプリケーション名：FASTQuery

FAST Service アプリケーション：FAST Search クエリ

新しいアプリケーションプール：任意の名前


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クエリサービスの場所：

（Install_Info.txt に記載されている）Query Service Location HTTP (default)の値

管理サービスの場所：

（Install_Info.txt に記載されている）Administration Service Location HTTP (default)値

リソースストアの場所：

（Install_Info.txt に記載されている）Resource Store Location の値

管理サービスアカウント：

（Install_Info.txt に記載されている）Account for Administration Service の値


96

30. 全てを入力し、[OK] をクリックします。

31. サービスアプリケーションの関連付けを行います。

[サービスアプリケーションの関連付けの構成] をクリックし、開きます。


97

32. アプリケーションプロキシグループの「既定」をクリックします。

33. サービスアプリケーションの関連付けから「FASTQuery」をチェックし、[既定値として設定]をクリックします。


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34. 推奨では SharePoint Server 2010 と FAST Search Serverは別のサーバーです。そのため、SharePoint

サーバーからクエリを FASTサーバー側が受け取ることができるようにするため、PowerShellスクリプトを実行します。

SharePoint Server 2010 の SharePoint 2010 管理シェルを「管理者として実行」します。

Cd C:\tempwork

$stsCert = (Get-SPSecurityTokenServiceConfig).LocalLoginProvider.SigningCertificate

$stsCert.Export("cert") | Set-Content -encoding byte MOSS_STS.cer

35. 生成されたファイル（MOSS_STS.cer）を FAST サーバー側の任意のフォルダーにコピーします。

（本自習書では同一サーバーのため、コピーの必要なし）

36. FASTサーバー側で PowerShell スクリプトを実行します。

Microsoft FAST Search Server 2010 for SharePoint shell を「管理者として実行」します。

下記のスクリプトを実行します。

cd ..\installer\scripts

.\InstallSTSCertificateForClaims.ps1 -certPath “<MOSS_STS.cerのパス>\MOSS_STS.cer"

コマンドプロンプトが戻るまで待ちます。


99

37. FASTの検索センターを作成します。

サイトコレクションの作成を行い、テンプレートに FAST Search センターを選択します。


100

38. 作成したサイトで検索を実行してみます。


101

39. リッチな検索結果が表示されることを確認します。FAST Searchでは Office ファイルのプレビューが表示されます。

※注意：プレビューおよびサムネイルを表示するには Office Web Apps を利用する権利を有している必要が

あります。

40. 必要に応じてクロール範囲を広げます。上記の手順では、SharePoint サイトのみをクロール対象にしましたが、必

要であれば、「人」を検索できるよう、User Profile Service アプリケーションで指定した個人用サイト、プロファイル

もクロール対象に含めるよう調整します。


102

3.3 FAST Search Server を活用する

FAST Search Serverではまず視覚的にリッチな検索結果を返すことが可能になります。

それだけではなく、検索結果の精度も大幅に向上します。これはファストサーチ&トランスファ社がこれまでに培ってきた

技術が生かされているため、SharePoint の検索とは全く異なる検索結果になる場合もあります。

また、特徴としてよりユーザーの検索キーワードから外れることがない、かつ的確に絞られた検索結果が得られます。

特別なカスタマイズをすることなくとも、その高い検索精度で、十分に組織の生産性向上を期待することができるでしょ

う。また、SharePoint Server 2010 をインターネットに公開した場合にも高い効果を期待できます。

FAST Search Serverでも SharePoint検索と同様、サイトコレクションの管理者がユーザーのニーズを見極め、「お

すすめキーワード」などを表示することができます。

FASTではおすすめキーワードで文字列だけでなく、画像も取り扱うことができます。

1. おすすめキーワードを登録します。

まず、対象となるキーワードを決めます。


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2. 設定したキーワードに付加的なコンテンツを設定します。

ビジュアルおすすめコンテンツの設定例：


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3. 設定したキーワードを使用して検索をしてみます。Webページや画像の URL を指定することによって、より美しく効

果的なビジュアルおすすめコンテンツを活用することができます。

4. ユーザーコンテストを設定する

FAST Search Server for SharePoint では、個人用サイトに登録されているユーザープロファイル（部署名や

勤務地、得意分野、専門性等）に応じて検索の結果表示をチューニングすることが可能です。たとえば営業部の

ユーザーが検索した場合、営業部のポータルサイトにあるコンテンツを他のサイトにあるコンテンツよりも、より上位に表

示させると言ったことが可能となっています。またビジュアルおすすめコンテンツも同様に人や得意分野に応じて表示を

変化させることができます。


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一例をご紹介いたします。 Contoso組織には「加藤」さんという従業員がいます。プロファイルには得意分野として

Exchange Server が記載されています。

先ほど設定したビジュアルおすすめコンテンツを最適化します。

例えば同じ「SharePoint」というキーワードを検索したとき、一般の従業員には「SharePoint系セミナー」の告知、

Exchange Server の経験がある従業員にはセミナー告知の代わりに「仮想化」という技術コンテンツを連想させる

ビジュアルおすすめコンテンツを表示させるようにします。

ユーザーコンテキストを設定し、定義を作成します。 [サイトの操作] から [サイトの設定] を開きます。

「サイトコレクションの管理」から [FAST Search ユーザーコンテキスト] をクリックします。


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ユーザーコンテキスト名を入力します。（本自習書では「Exchange Expert」と入力しています）

得意分野を選択します。

得意分野はユーザープロファイルに個人が書いているため、多くのリストが表示されるかもしれません。その場合は検

索をすることができます。

得意分野から「Exchange」を選択し、追加します。

これで、ユーザーコンテキストの定義ができました。

作成した定義をビジュアルおすすめコンテンツに追加します。あらかじめ２つの画像にリンクさせたおすすめコンテンツを

作成しました。そのうちの一つを「得意分野」が「Exchange」の従業員用にわりあてます。


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設定したい、ビジュアルおすすめコンテンツの定義を開きます。

ユーザーコンテキストに先ほど定義したユーザーコンテキストを「追加」します。

どのように結果が変わるか確認します。

通常のプロファイルを持つ従業員アカウントでキーワードとなる「SharePoint」を検索します。SharePoint に関する

セミナーイベントの告知画像が表示されます。


108

アカウントを切り替え、Exchange の得意分野を持つ「加藤」さんで同様に「SharePoint」というキーワードを使い

検索をしてみます。

別のユーザーとしてサインインを選択し、加藤さんのアカウントで検索画面に入ります。

加藤さんには、仮想化技術に関するビジュアルおすすめコンテンツが表示されます。

対象者の専門性にあわせて、変化を持たせることが可能です。

このように、SharePoint Server 2010 と FAST Search Server 2010 for SharePoint を組み合わせることによ

って、ユーザーが必要としている情報をより早く見つけられるようになるだけでなく、それら情報について深い知識を持った

“人”までも同時にアクセスできるようになり、社内に散在する知識資産を最大限に活用できるようになります。

sharepoint server 2010 エンタープライズ検索...

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