toc 制約条件 と on the theory of constraints and …

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651 1. は じ め に 日本の製造業の市場は大きく変化し,製造業は多様な生産 方式を実現させた(表 1).むろん,製造業といっても千差 万別であるからいちがいにはいえないが,おおむねこのよう なながれがあることは了解できよう. 変種変量生産とは,いわば営業部門の要求に応じて,ひと つの生産ラインで,一定範囲内で,必要なアイテムを必要な 数量だけ生産する方式である.この生産方式の特徴の根底に は,顧客・消費者のニーズ,海外調達,新業態への適応など, 社会の変貌に対する製造業の適応現象がある. 本研究では,このような広範な問題から,在庫問題を取り 上げる.むろん在庫は資産であり,それ自体が「悪」なので はない. しかし,顧客の要望は生産数量の変動を招き,生産計画の 策定を困難にさせ,生産現場を混乱に陥れる.おうおうにし て在庫による問題解決が試みられた.しかし,商品のライフ サイクルが短い製品の場合,在庫の時価は製造原価以下にな るリスクを負う.また,国際化と情報化で ERP Enterprise- Resource-Planning)が普及し,その統合データベースによる 情報授受は,部門間の壁のみならず会社間の壁を乗り越える ため,流通経路に沿って SCM Supply-Chain-Managementが構築されるため,ますます機敏な生産計画を必要としている. ここで在庫は製品在庫のみならず,仕掛品・材料の在庫を 含む.そのうえで在庫がゼロが好ましいと考える.しかしな がら,在庫ゼロはいいことづくめでもない.変種変量生産方 式のもとで,在庫削減のため生産ロットを小さくすると,段 取り替えの回数は増加し,納期も遅れ,設備の稼働率も低下 し,納品回数も増加し,生産計画が複雑になるから間接部門 の人員は増加するかもしれない.しかしながら, JITJust-In- Time)はそれでも在庫ゼロを狙う.しかし JIT を完遂する A 社に部品を納入する B 社でそのまま JIT が成り立つとは限ら ない.そこで,本研究では JIT を標榜するも,JIT とはすこ し違った視点からこの問題を考えてみた. TOC Theory-Of-Constraints)理論,直接原価計算とシミュ レーションを用いて事前に効果を検証し無駄な労力をかけず に改善ができないかを検討する. 2. TOC JIT の関係 西村[1]は JIT の本性を「古い形の在庫管理の手法と標準 原価計算の理念を,極端にフィード・フォワードした形とし て登場した」と説明する.feed-forward はいささか邦語にな りにくいが,「おおまじめに馬鹿正直に」という姿勢が含ま れよう.JIT の出発点は工場の現場での在庫の数であり,と もかくこれをゼロにするとアプリオリに宣言し,これに向 かって遮二無二突き進む.その結果に生まれる状況は,実に TOC(制約条件の理論)と直接原価計算 関 信一*,大谷 毅** * SMSC,** 信州大学 ON THE THEORY OF CONSTRAINTS AND DIRECT COST ACCOUNTING Shinichi SEKI* and Tsuyoshi OTANI** * SMSC 2-5-10 Chuo Ueda Nagano 389-0012 Japan, [email protected] ** Shinshu University 3-15-1 Tokida Ueda Nagano 386-8567 Japan, [email protected] Abstract : When the bottleneck is eliminated by applying the idea of TOC (Theory of Constraints) for production management, taking direct cost accounting will be much easier if the variable cost ratio rises, and so called “process of sensitivity” of managers of plants who are used to standard cost or estimated cost must be deeply doubted. This paper builds mathematical models based on two different cases and develops simulations respectively to explain the theory mentioned above more realistically. In the first case, the variable cost ratio went up in the simulation for utilization rate based on a model established for production process of X planet when TOC and JIT applied. Similar was done for Y planet and the variable cost went up, either. As a result, the variable cost ratios went up 128.8% and 149.6% for X and Y plants, respectively. Keywords : TOC, Theory of Constraints, Throughput, Throughput accounting, JIT, Utilization rate simulation 日本感性工学会論文誌 Vol.8 No.3 pp.651-658 (2009) 特集「第 10 回大会」 Received 2008.07.10 Accepted 2008.10.23 原著論文 1 生産方式の変遷 時期・生産方式 概要 1970 年以前, 少品種大量. 基本的な生産方式.少ない商品を大量に生産. 納期の長くとれるもの,仕様変更の少ないも の,簡単なもの. 70-90 年代, 多品種少量生産. ユーザーのニーズが多様化.より多くの商品 を少ない量生産. 2000 年代, 変種変量生産. 量,種類に,タイミングの概念が加わり.市 場が何を・いつ・どれだけ必要とするか予測 しにくい.商品のライフサイクルの短期化.

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Page 1: TOC 制約条件 と ON THE THEORY OF CONSTRAINTS AND …

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1. は じ め に

日本の製造業の市場は大きく変化し,製造業は多様な生産方式を実現させた(表 1).むろん,製造業といっても千差万別であるからいちがいにはいえないが,おおむねこのようなながれがあることは了解できよう.変種変量生産とは,いわば営業部門の要求に応じて,ひとつの生産ラインで,一定範囲内で,必要なアイテムを必要な数量だけ生産する方式である.この生産方式の特徴の根底には,顧客・消費者のニーズ,海外調達,新業態への適応など,社会の変貌に対する製造業の適応現象がある.本研究では,このような広範な問題から,在庫問題を取り上げる.むろん在庫は資産であり,それ自体が「悪」なのではない.しかし,顧客の要望は生産数量の変動を招き,生産計画の策定を困難にさせ,生産現場を混乱に陥れる.おうおうにして在庫による問題解決が試みられた.しかし,商品のライフサイクルが短い製品の場合,在庫の時価は製造原価以下にな

るリスクを負う.また,国際化と情報化で ERP(Enterprise-

Resource-Planning)が普及し,その統合データベースによる情報授受は,部門間の壁のみならず会社間の壁を乗り越えるため,流通経路に沿って SCM(Supply-Chain-Management)が構築されるため,ますます機敏な生産計画を必要としている.ここで在庫は製品在庫のみならず,仕掛品・材料の在庫を含む.そのうえで在庫がゼロが好ましいと考える.しかしながら,在庫ゼロはいいことづくめでもない.変種変量生産方式のもとで,在庫削減のため生産ロットを小さくすると,段取り替えの回数は増加し,納期も遅れ,設備の稼働率も低下し,納品回数も増加し,生産計画が複雑になるから間接部門の人員は増加するかもしれない.しかしながら,JIT(Just-In-

Time)はそれでも在庫ゼロを狙う.しかし JITを完遂するA

社に部品を納入する B社でそのまま JITが成り立つとは限らない.そこで,本研究では JITを標榜するも,JITとはすこし違った視点からこの問題を考えてみた.

TOC(Theory-Of-Constraints)理論,直接原価計算とシミュレーションを用いて事前に効果を検証し無駄な労力をかけずに改善ができないかを検討する.

2. TOCと JIT の関係

西村[1]は JITの本性を「古い形の在庫管理の手法と標準原価計算の理念を,極端にフィード・フォワードした形として登場した」と説明する.feed-forwardはいささか邦語になりにくいが,「おおまじめに馬鹿正直に」という姿勢が含まれよう.JITの出発点は工場の現場での在庫の数であり,ともかくこれをゼロにするとアプリオリに宣言し,これに向かって遮二無二突き進む.その結果に生まれる状況は,実に

TOC(制約条件の理論)と直接原価計算関 信一*,大谷 毅**

* SMSC,** 信州大学

ON THE THEORY OF CONSTRAINTS AND DIRECT COST ACCOUNTING

Shinichi SEKI* and Tsuyoshi OTANI**

* SMSC 2-5-10 Chuo Ueda Nagano 389-0012 Japan, [email protected] ** Shinshu University 3-15-1 Tokida Ueda Nagano 386-8567 Japan, [email protected]

Abstract : When the bottleneck is eliminated by applying the idea of TOC (Theory of Constraints) for production management, taking direct cost accounting will be much easier if the variable cost ratio rises, and so called “process of sensitivity” of managers of plants who are used to standard cost or estimated cost must be deeply doubted. This paper builds mathematical models based on two different cases and develops simulations respectively to explain the theory mentioned above more realistically. In the first case, the variable cost ratio went up in the simulation for utilization rate based on a model established for production process of X planet when TOC and JIT applied. Similar was done for Y planet and the variable cost went up, either. As a result, the variable cost ratios went up 128.8% and 149.6% for X and Y plants, respectively.Keywords : TOC, Theory of Constraints, Throughput, Throughput accounting, JIT, Utilization rate simulation

日本感性工学会論文誌 Vol.8 No.3 pp.651-658 (2009)

特集「第 10回大会」

Received 2008.07.10Accepted 2008.10.23

原著論文

表 1 生産方式の変遷

時期・生産方式 概要

1970年以前, 少品種大量.

基本的な生産方式.少ない商品を大量に生産.納期の長くとれるもの,仕様変更の少ないもの,簡単なもの.

70-90年代, 多品種少量生産.

ユーザーのニーズが多様化.より多くの商品を少ない量生産.

2000年代, 変種変量生産.

量,種類に,タイミングの概念が加わり.市場が何を・いつ・どれだけ必要とするか予測しにくい.商品のライフサイクルの短期化.

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日本感性工学会論文誌 Vol.8 No.3

ただしい状況であるから,その原価もただしく計算されるのであって,全部原価計算で標準原価計算を適用してもなんら遺漏はないということになる.実態の恥部が計算方法で隠される心配がない.しかしながら,実態の恥部を抱えたままの現実を問題にするときは,JITの発想が絶対に有効であるとは限らない.恥部の存在を認めて,いわばアポステオリに出発しなければならない.

TOC理論はつぎの 2点を出発点とする.①工場には,必ずボトルネック工程があり,工場の生産能力はボトルネック工程の能力に制限されている.②生産現場では,作業時間のばらつき,設備の故障,品質問題など常に計画にない事態が起こっているため,計画どおりにはことは進まない[1].

TOC理論の DBR(Drum-Buffer-Rope)生産方式は,ボトルネックが全体の能力を決定するというシンプルな理論を軸にした生産管理法である.まず,実際観察からプロセス全体の能力やスループットを制約する「ボトルネック」を見つける.次にボトルネック工程がフルに活動できるように,例えば適量のバッファ在庫(安全在庫)をボトルネック工程の上流に積んでおく.そのうえで,ボトルネック工程に上流・下流工程を同期化させ,流れをスムーズにする.さらに,長期的にはボトルネックそのものを解消する.ボトルネック工程を挟んで,上流は「引っ張り工程」,下流は「押し出し工程」になる.「ボトルネック」のある生産状況を図 1で説明する.図 1の上段の状態がボトルネック工程のある生産状況である.各工程は作業者に相当する.そして先頭が最上流工程,最後が最下流工程である.作業工程と作業工程間隔が工程間在庫の量である.この場合一番遅い作業工程がボトルネック工程になる.そして生産ライン全体のスピードはボトルネック工程で決まってしまう.そこで,図 1の下段のように一番遅い作業工程(作業者)を見つけその工程を起点に前の作業工程(作業者)をロープでつないでしまう.ロープでつなぐとは生産スピードを合わせるという概念を説明している.これにより上流工程での在庫累積を防ぐことができる.ボトルネックの後(下流工程)はこの工程に合わせざるを得ないのでロープにつなぐ必要はない.これらの工夫の結果一番遅い作業工程(作業者)が太鼓でリズ

ムを設定して他の作業工程(作業者)がこれに同期化することになる.ただし,TOCでドラムを鳴らすのは,JITのように最下流ではないことに注目しよう.TOCでは,ボトルネック工程の上流工程に最適のバッファ在庫をおくことによりボトルネック工程が最大限の能力を発揮できるようにする.その上で,ボトルネックの解消が行えるか努力する[2].また,当該ボトルネック工程が償却しきった旧式の機械を使っていたとしよう.標準原価計算では,ボトルネック工程に配賦される機械償却額が低いので,その工程の高い労務費を薄めてしまうことになる.そうなると,肝要の生産管理上の問題の所在が見えなくなる.そこで,直接原価計算の考え方が有用なのだが,この TOC理論の発想と直接原価計算の考え方とは,適合するところがある[2].

JIT生産方式は,必要な時に,必要な量の原材料を購入し完成品は直ちに顧客へ配送される.その特徴は,在庫ゼロの考え方である.このように在庫を持たないシステムのため,既述のように原価計算の方式で恥部が隠れてしまうことはないし,また,材料勘定,仕掛品勘定,製品勘定をとおして原価管理をすすめる意義はほとんどない[1].

JITを取り組むには旧来の在庫管理や標準原価計算の実務や理念を全員がマスターする必要がある.そうした集団において実行可能である.この質の維持のために TPM(Total-

Productive-Maintenance)をはじめ,様々な小集団活動を全員一丸となって取り組むことになる[1].一方 TOC理論の DBR生産方式は,生産ラインのボトル

ネック工程に注目し,ボトルネック工程前と出荷前の在庫が生じることを容認する.工程間のバランスが取れていない不安定さを残した生産ラインにも迅速かつ容易に導入できる.TOCで用いるスループット会計では,原価に占める固定費の割合が無視できないほど大きいことを認め,固定費の割合を製品別に配賦しない.このためスループット会計では,製品別原価は計算しない.算出できるのはスループットである.ここまでのところを整理しよう(表 2).表 3に全部原価計算,直接原価計算とスループット会計

の比較を示す.全部原価計算は製造原価として材料費,労務費と経費を認めている.また,直接原価計算は変動費のみを認め固定費は認めていない.スループット会計では,直接材料費のみを認めている.全部原価計算では,製造での発生費用を全て認め改善を促す余地がない.スループット会計では,直接材料費のみを認めるその他の費用は業務費用として改善を要求することになる.TOCといわゆる直接原価計算の違いについては田中[4],田中[5],高橋[7]らの研究がある.本研究では,直接材料費と変動間接費を認めるため直接原価計算を用いる.

3. 感性および感性工学との関連

変種変量生産に挑戦する者はそれぞれ過去の経験にもとづく知識があり,五感を通じて取得した情報を,問題解決に向けて取捨選択・再構成する感性の過程があると稿者らは考え

最上流工程 在庫累積 ボトルネック工程

最下流工程

最上流工程 ボトルネック工程

最下流工程

ボトルネックのペースに合わせる

ロープ ロープ ロープ

バッファ

ドラム

放っておくと最上流工程はどんどん作り込んでしまう。

前の作業工程(作業者)をロープでつなぎ、遅い作業工程(作業者)が拍子をとる。

作業工程 バッファ

図 1 DBRの説明図

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TOC(制約条件の理論)と直接原価計算

る.そしてこの問題解決は複数のメンバーによっておこなわれるから,その数だけ自立した感性の過程があるとも考えられる.とうぜんに相互作用がおこなわれる.その相互作用が経営感性となって,会社や部門の意思を形成する.こうした記述は平凡であるが,官僚制の論理から,いったん合理的なものと認められ根づいたものを,別のロジックを使って再構成するのは,少なくも経験的には容易ではない.その点,JITと TOCは好一対なのである.JITが依拠する標準原価計算は,本来は,製造部門の恥部を隠蔽する側面がある.そうおうの利益さえ上がっていれば,その先は問わないという経営感性が働きやすい.トヨタの JITはそこを開き直った.大野によれば「かんばん方式」は昭和 37年[8].日本でも原価計算が必要であるとして,通商産業省がやっとキャンペーンを始めた頃である.大野の感性の過程は演繹的展開を選択せざるを得なかった.それがほぼそのまま経営感性になったといえよう.しかしすべての製造現場でその開き直りが通るとは限らない.そこで TOCにかかる知識が当事者たちの感性の過程で記憶され,しかるべき場面で覚醒・想起され,それが問題解決の思想になるかもしれない.ちなみに,製造部門で発生した費用についてそれぞれの計算方式では原価の受け止め方が違ってくる.つまり,売上高から引かれるものは原価として正当化される.それをどう受け止めるかということである.長期的に専門化し熟練することにより見落とす問題が発生する.そしてイノベーションが蓄積され偶発的にシーズを発見する.このようにみることによりスループット会計の考案も理解できるのではないか.

表 2 TOCと JITの比較

内容 TOC JIT

発想現実から

a posterioriinductive

理想からa priori

deductive

コスト管理 スループット会計 標準原価計算

工程間在庫 容認する 容認しない

工程速度 ボトルネック工程 最終工程

導入前提 現実の恥部 理想の容認

利点 短期でも効果 長期改善の構築

表 3 スループット会計と原価計算の比較

項目 JIT TOC① TOC②

計算方式

全部原価計算

直接原価計算

スループット会計

改革範囲 正確な配賦 固定費 材料費以外

計算式標準的 P/L でいう売上原価と販売費一般管理費の範囲

売上高-製造原価(材料費+労務費+経費)=売上総利益-販売管理費=営業利益

売上高-直接材料費-直接労務費-変動間接費=限界利益-固定費 =営業利益

売上高-直接材料費=スループット-業務費用=営業利益

4. 事例 1(X社)

4.1 改善実施方法第一にビデオ分析により作業時間を計測する.ビデオ分析では動作の内容,時間を動画で分析することができるため一般的に用いられている.第二に現状に即したモデルを物理構成要素と運用の制約を表現できる FACTOR/AIM(以下 AIM)[3]で構築する.

AIMモデルを用いて多様な生産・物流システムをモデル化でき,先述したように実際の資源を用いずにシステムのふるまいに対して実験を行える.AIMはものの流れの状況を分析する離散型(待ち行列)シミュレーションを行うシミュレータである.現在の製造ラインをモデル化し生産ラインの稼働率のシミュレーションを実施する.第三に製造ラインのシミュレーションよりネック工程を発見し改善を行う.第四に現在の生産ラインと改善後のコスト分析を行い,改善効果を確認する.第五に改善の評価を直接原価計算により評価を行う.こうした研究例は他に見当たらない.TOC理論の考え方を適用してボトルネックを解消し生産ラインの省人化を実現する.それにより生産ラインの変動費率が上昇することを検証する.後述する事例 2も同様の方法をとる.

4.2 生産ラインの現状X社では生産ロットがより小さくなり,段取り替え回数の増加,納期の長期化,仕掛り品の増加,高額設備の稼働率低下になっている.X社ではプリント基板(以下 PC基板)の生産を行っているがハンダ槽の稼働率が収益に直結している.このため現在の稼働率は最盛期の約 50%減となり収益も半減している.また,問題を解決するための間接部門人員の増加なども発生している.しかし,PC基板の受注はあるが納期に間に合わないため外注へ出している.

X社は,資本金 300万円,従業員(含臨時雇用)25名.コンデンサやコネクタなどのディスクリート部品のはんだ付け実装工程で実装した PC基板を生産する.モデル化しやすい小規模会社である.はんだ槽は鉛フリーと共晶(鉛含む)があり,それぞれ基板に部品を実装するラインが直列に繋がっている.実装工程は,3名がワンユニットで作業し,検査・出荷工程に 1名の 4名の生産ラインである(図 2).作業者 oper1,oper2,oper3は,それぞれ 1部品ずつ持ち PC板に実装する.aから gは,作業工程であり,それぞれの数字は標準時間を示す.Tは,oper1,oper2,oper3の作業時間のそれぞれの合計である(表 4).また,検査・出荷ラインを 1名が担当している.oper1,oper2,oper3の順に作業をするものとする.部品実装工程にて oper1,oper2,oper3により 20部品を実装する.

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日本感性工学会論文誌 Vol.8 No.3

4.3 現状に即した工程モデルの作成現状の作業工程に作業員を配置し,作業別,工程別作業時間をパラメータとするモデルを構築する.各作業者は,表 4の作業時間の作業を行う.各作業者の

作業能率を oper2を標準 1.0とし,oper1,oper3をそれぞれ 0.8,1.2の係数を掛ける.

4.4 シミュレーションの実施4.3のモデルにより以下の項目についてシミュレーション

を行った.(図 3)1) 作業者 oper1,oper2,oper3の作業の順番を替えて行った.

作業能率の良い順番(oper1 → oper2 → oper3)に作業を行った場合が一番稼働率は,良くなった.

2) ハンダ槽の工程において作業時間を変化させてシミュレーションを行った.代替案 1は,ハンダ槽のスピードを 30秒/1枚.

代替案 2は,25秒/ 1枚.稼働率は,ハンダ槽のスピードアップにより向上している.このモデルでは,各作業の前に段取が発生しており,

oper4の稼働率が比較的に良くなっているものの oper1,oper2,oper3が低い.これらの結果から改善案として実装工程の作業者を 2名にすることで稼働率の向上が可能と思われる.次項でこの改善モデルを作成する.

4.5 改善案を取り入れたモデル4.4のシミュレーション結果から PC板 1枚流しと仮定し

てモデルをかえた(表 6).図 4に示す U字ラインに変更する改善をおこなった.PC板実装工程に 2名を配し,検査,出荷に 1人おく.各工程の作業時間は,PC板実装工程が 20秒,ハンダ槽が 30秒,検査・出荷が 25秒になる.合計作業時間は,PC板を 1枚毎に流すので,30秒に 1枚が完成することになるので 50枚で 1,500秒かかることになる.それぞれ作業者の作業能力を考慮しそれぞれの係数を掛けるとoper1が 16秒,oper2が 20秒である(表 7).さらに,oper1がもう一部品を実装すると表 8に示すよう

0.000.100.200.300.400.500.600.700.800.901.00

oper1 oper2 oper3 oper4

代替案1

代替案2

稼働率

図 3 改善前の稼働率

表 6 改善後モデルの工程ステップSTEP 内容

1 oper1が bの 10工程を PC基板に実装2 oper2が bの 10工程を PC基板に実装3 STEP2終了したものをハンダ槽に流す4 STEP3終了したものを検査・出荷する

ハンダ槽 検査 出荷

PC板部品実装工程

作業の流れ

一枚流し

工程名 作業時間(秒)

部品実装工程

ハンダ槽

合計作業時間

:作業員

oper1oper2 oper4

検査・出荷

18

30

25

1,500

図 4 改善後の作業工程

ハンダ槽 検査 出荷

CP 板部品実装工程

作業の流れ

部品置場

作業の流れ

工程名 作業時間(分)

部品実装工程

ハンダ槽

合計

:作業員

1repo2repo3repo 4repo

16.4

25.0

17.5

58.9検査・出荷

図 2 現状の作業工程

表 4 作業時間

工 程 a

工 程 b

工 程 c

工 程 d

工 程 e

工 程 f

工 程 g

標準 作業 時間

実際 作業 時間

oper1 2 2 3 2 2 1 3 15 12oper2 2 2 2 2 2 3 3 16 16oper3 2 1 1 1 1 2 - 8 9.6ハンダ槽 30 30

oper4 25 25

単位:秒oper1=0.8,oper2=1.0,oper3=1.2として各工程の 作業時間を集計する.

表5 モデルの工程ステップ

STEP 内容1 a工程をoper1,oper2,oper3の順にPC基板に実装2 b工程をoper1,oper2,oper3の順にPC基板に実装3 c工程をoper1,oper2,oper3の順にPC基板に実装4 d工程をoper1,oper2,oper3の順にPC基板に実装5 e工程をoper1,oper2,oper3の順にPC基板に実装6 f工程をoper1,oper2,oper3の順にPC基板に実装7 g工程をoper1,oper2の順にPC基板に実装8 ハンダ槽にSTEP7終了後にPC基板を流す9 oper3がSTEP8終了したものを検査出荷する

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TOC(制約条件の理論)と直接原価計算

533円となる.一方改善後の作業時間は,1,500秒(25分)である.この時の固定費は,755円となる.利益は 1,550円となり,290%アップしたことになる.この時の変動費率の変化をみると,改善前は,製造原価は直接材料費,変動間接費,固定費の合計で,1,867円である.改善前の変動費は,700円となり,変動費率は,37.5%であるのに対し,改善後の変動費率は同様に 48.3%となり,128.8%アップした(表 9).

5. 事例 2(Y社)

5.1 生産ラインの現状Y社は,生産ロットが小さく海外への生産移管ができない産業用モータの生産工場である.設備をすでに減価償却が終わっており,ほとんどが手作業である.しかし,作業には高度なスキルが必要であるが作業者は全員がこのスキルをマスターしている.しかし,生産ラインが旧来よりの量産ラインで生産を行っており仕掛り品の増加,納期の長期化,在庫の増加等の問題がある.

Y社は創業以来 30年程度を経過した資本金 1,200万円,従業員 30名の中小企業である.いま,地元大手企業の下請けとして,産業用モータの部品加工,組立,修理,ステッピングモータの部品加工,組立,修理及び電子機器やプリンタ部品等の組立生産等をおこなっている.モータの組立工程は,巻き線,テープ巻き,ケースはめ込み,組立・配線,仕上・検査からなっている.各工程は,それぞれ複数の工程からなっている.特に複雑な組立・配線は,45工程,次に仕上・

に 2秒改善が可能となる.1枚流しをするとハンダ槽の工程が 30秒であるためこの効果は表れず 30秒に 1枚の生産になる.今後さらなる改善により工程のバランスをとることにより効果が現れる.改善後のモデル(表 6)に表 7,表 8のパラメータを設定すると稼働率は,改善前の結果より 1名削減でき稼働率もアップしている(図 5).

4.6 評 価 結 果X社の PC基板実装生産における売上高は加工賃として 1枚当たり 60円であり,受注枚数は 50枚で 3,000円である.直接材料費はハンダ槽におけるハンダ費用で 500円,その他に PC基板製造に関連して増加する間接費用(梱包費用)の変動間接費を 200円とする.貢献利益は 2,300円になる.固定費は,人件費で改善前の作業時間は,38.9分になり分単価を 30円とすると,1,167円である.この時の利益は

0.000.100.200.300.400.500.600.700.800.901.00

oper1 oper2 oper3

代替案1

代替案2

稼働率

図 5 改善後の稼働率

表 9 直接原価計算

  改善前(円) 改善後(円)売上高 3,000 3,000 直接材料費 500 500 変動間接費 200 200 限界利益 2,300 2,300 期間原価(固定費) 1,167 750 利益 533 1,550 製造原価 1,867 1,450 変動費率 37.5% 48.3%

表 7 作業時間

人員 作業工程 作業 時間

実際作業時間

oper1 2+2+2+2+2+1+3+2+1+2 20 16oper2 2+1+2+2+1+1+3+2+3+3 20 20

単位:秒作業工程欄内の数字:1作業ごとの作業時間を示す.

表 8 バランス後作業時間

人員 作業工程 作業 時間

実際作業時間

oper1 2+2+2+2+2+1+3+2+1+2+2 22 17.6oper2 1+2+2+1+1+3+2+3+3 18 18

単位:秒作業工程欄内の数字:1作業ごとの作業時間を示す.

表 10 モデルの工程ステップ

STEP 内容

1巻き線1,巻き線2をそれぞれ作業員oper1,oper2が作業を行う.

2 oper3が治具で調整作業を行う

3 oper4が手作業でテープ巻きを行う

4 oper3が治具でケース嵌め込みを行う

5oper5,oper6,oper7が手作業で組立・配線作業を行う

6 oper8,oper9が治具で仕上・検査を行う

巻き線1(9) 巻き線2(8)

調整(3)

テープ巻き(3)

ケースはめ込み(9)

組立・配線(45)

仕上・検査(40)

( ) 内は作業工程数を示す

図 6 モータ工程図

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日本感性工学会論文誌 Vol.8 No.3

検査が,40工程となっている(図 6).現在の作業工程は巻き線機 2台にそれぞれ 1名を配置し,テープ巻き 1名,ケースはめ込み(調整を含む)1名,組立・配線 3名,仕上・検査 2名,合計 9名で行っている(図 7).巻き線 1では,1個のコアにコイルを巻くことができる.

また,巻き線 2は,同時に 3個までコアにコイルを巻くことができる.

5.2 現状に即した工程モデルの作成事例 1と同様に図 7の作業工程の流れと表 11の条件を考慮してシミュレーションモデルを作成する.表 10に示すモデルの工程ステップを作成し,パラメータは作業時間とした.

5.3 シミュレーションの実施5.2で作成したモデルに表 11のパラメータを設定してシ

ミュレーションを行った結果が図 8である.ケースはめ込み工程がネックになっていてその後の工程に影響を与えている.この時の生産台数は 1日の作業時間を 8時間として 1台当たりの作業時間を求める.この時のボトルネック工程は仕上・検査工程であり,21分 50秒である.作業人員は 2名であるから 1台当たりは 10分 55秒である.1日の生産台数は 42台で月当たり 20日稼働とすると 860台となる.

5.4 改善案を取り入れたモデル表 11をもとに 1台流しを行うためにネック工程の改善を

含め工程のバランスをとった.その結果が表 13である.それをもとにシミュレーションを行った結果が図 10である.バランス化により各工程の稼働率が向上している.この時のレイアウトは図 9である.生産数量を改善前と同様に計算すると,調整・テープ巻き・ケースはめ込み工程は 11分43秒となる.生産数量は月当たり 800台となる.その後この作業工程のムダ取りを行った結果が表 14である.同様に計算を行うと,仕上・検査工程は 10分 35秒となる.稼働率が向上していることが分かる(図 11).この時の生産数量は月当たり907台である.

棚棚

在庫

在庫

在庫

在庫

在庫

在庫

在庫 在庫 在庫 在庫 在庫

作業台①

作業台②

コンテナ①

コンテナ②

機械

シリコン

工程1-1巻き線

機械①

作業台

コンテナ大① コンテナ大②

シリコン

工程1-2巻き線

作業台①

コンテナ①

工程3テープ巻き

在庫

在庫

在庫

作業台①

コンテナ①

コンテナ②

工程2調整

コンテナ②

機械

コンテナ①

台車

工程4ケースはめ込み

作業台

作業台

作業台

作業台②

工程5組立・配線

作業台③

作業

台④

作業台⑤

コンテナ大③

工程6仕上・検査

棚棚

在庫

在庫

在庫

台車台車台車 台車

在庫 コンテナ(仕掛品)

仕掛品置場

仕掛品置場

oper1

oper2oper3oper4

oper9oper8oper7oper6

オーブ

図 7 改善前の作業工程

表 11 改善前の工程入力パラメーター

作業者 作業時間(秒) 工程名oper1 79 巻き線1oper2 123 巻き線2oper3 27 テープ巻き

oper418 調整

163 ケースはめ込みoper5 910 組立・配線oper6 910 組立・配線oper7 910 組立・配線oper8 1,310 仕上・検査oper9 1,310 仕上・検査

稼働率

0.00

0.10

0.20

0.30

0.40

0.50

0.60

0.70

0.80

0.90

1.00

oper1 oper2 oper3 oper4 oper5 oper6 oper7 oper8 oper9

巻線1 巻き線2 テープ

巻き

ケース組立・配線 仕上・検査

図 8 改善前の稼働率

1repo2repo

3repo

4repo

5repo

6repo

図 9 改善後の作業工程

表 12 モデルの工程ステップ

STEP 内容1 巻き線1,巻き線2をそれぞれ作業員oper1が作業を行う.

2oper2が治具で調整作業,手作業でテープ巻き作業,治具でケース嵌め込み作業を行う

3 oper3,oper4が手作業で組立・配線作業を行う4 oper5,oper6が治具で仕上・検査を行う

表 13 バランス後の工程入力パラメータ(所要時間)

作業者 作業時間(秒) 工程名oper1 605 巻き線工程

oper2336 調整204 テープ巻き163 ケース嵌め込み

oper3 910 組立・配線oper4 910 組立・配線oper5 1,310 仕上・検査oper6 1,310 仕上・検査

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657

TOC(制約条件の理論)と直接原価計算

6. 結 論

JIT生産の改善を進めるにあたりシミュレーションは以下のメリットがある.①事前に効果を確認できる,②役員や現場作業員に説明がし易くコミュニケーションが図りやすい.また,改善へのモチベーションアップにも寄与する.特に中小製造業では,改善内容が可視化でき,成果がコストで現わせることにより改善活動が行い易くなった.2つの事例とも現状の生産工程をモデル化し稼働率シミュ

レーション行った.この結果をもとにボトルネック工程を解消した.両事例とも JIT生産方式の省人化と 1台流しを行っている.このモデルの条件は,1人で複数の作業を行うためのスキルが必要な多能工であること.省人化により固定費の削減ができ変動費率を上昇させることができた.今,改善前の生産ラインがあると,在庫を認めない JIT生産方式の一個流し生産を目指す.その前に TOC理論のDBR生産方式によりボトルネック工程を意識した在庫活用による生産を素早く実現する.

DBR生産方式は,JIT生産方式に比較して中小企業への導入がし易い.その後にボトルネック工程を改善し JIT生産方式を目指す.その指標として直接原価計算を利用する.

TOC理論を活用した JIT生産方式の段階的導入は,短期増益に寄与し,段階的に改善が効果を確認しながら行える特徴がある.こうした取り組みは,中小企業の生産ラインの改善手法に有望と思われる.

参 考 文 献

[1] 西村重富:最近の在庫管理の発展から見える新しい原価管理会計,龍谷大学,経営学論集,Vol.43,No.2,pp.118-126,

2003

[2] 藤本隆宏:生産マネジメント I,日本経済新聞社,pp.23-26,

2005

[3] 野本真輔,久木野誠,越川克己:FACTOR/AIMによる実践シミュレーション,共立出版株式会社,2001

[4] 田中浩:管理会計に対する本質的批判と管理会計研究;

TOCを題材として,松本大学地域総合研究センター研究員研究業績,Vol.2(20021001),pp.71-84,2002

5.5 評 価 結 果Y社のモータ組立加工は,加工賃は 1台あたり 2,000円である.部品は無償支給されている.加工台数は改善前は860台であり,改善後は 907台である.一台あたりの費用は,直接材料費 50円,直接販売費 60円とする.改善前は固定費(人件費)が 700,000円であり,改善後は 460,000円に改善される.利益は 925,00円から 1,254,230円と 135.5%アップしたことになる.製造原価は改善前が 794,600円で,改善後が,559,770円となる.表 15に結果を示すと変動費率は,改善前 11.9%が,改善後 17.8%に増加し 149.6%アップした.

稼働率

0.00

0.10

0.20

0.30

0.40

0.50

0.60

0.70

0.80

0.90

1.00

oper1 oper2 oper3 oper4 oper5 oper6

巻き線 調 整

テープ巻き

ケース

嵌め込み

組立・配線 仕上・検

図 10 改善後の作業工程の稼働率

表 14 ムダ取り後の工程入力パラメータ(所要時間)

作業者 作業時間(秒) 工程名oper1 399 巻き線工程

oper2300 調整120 テープ巻き131 ケース嵌め込み

oper3 900 組立・配線oper4 900 組立・配線oper5 1,270 仕上・検査oper6 1,270 仕上・検査

稼働率

0.000.100.200.300.400.500.600.700.800.901.00

oper1 oper2 oper3 oper4 oper5 oper6

巻き線 調 整

テープ巻き

ケース嵌め込み

組立・敗戦 仕上・検査

図 11 ムダ取り後の作業工程稼働率

表 15 改善前と改善後の直接原価計算と変動費率

改善前(円) 改善後(円)加工高 1,720,000 1,814,000 直接材料費 43,000 45,350 直接販売費 51,600 54,420限界利益 1,625,000 1,714,230期間原価(固定費) 700,000 460,000 利益 925,400 1,254,230 製造原価 794,600 559,770変動費率 11.9% 17.8%

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658

日本感性工学会論文誌 Vol.8 No.3

[5] 田中宏:アジル経営時代の生産革新技法の適用 -「 制約条件の理論(TOC)」の解説と実践,四国大学経営情報研究所 年報,Vol.9(20031225),pp.125-136,2003

[6] 稲垣公夫:TOC(制約条件の理論)のスループット会計論,品質,Vol.28,NO2,pp.40-45,1998

[7] 高橋賢:計算目的の拡張と直性原価計算の改善,横浜経営

研究,第 23巻,第 4号,pp.59-74,2003[8] 大野耐一:大野耐一の現場経営,日本能率協会マネジメン

トセンター,p.118, 2001,[9] 都甲和幸・白土英成:やさしくわかる原価計算,日本実業

出版社,2000[10] 加藤治彦・佐々木幹男・山田雅之・相場廣治:生産システ

ムを根底から変える TOC実践事例,日本能率協会マネジメントセンター,2002

[11] 山下洋史:制約理論(TOC)に基づく生産計画システム,明大商学論業第 85巻第 3号,pp.489-506,2003

[12] 荒川雅生,小山健,大和田昭邦:機械部品加工中小企業における TOCの適用,プロジェクトマネジメント学会 2003年度秋季研究発表予稿集

[13] Shinichi Seki, Tsuyoshi 0tani, Yoshio Shimizu, Model change

in manufacturing process by manager’s Kansei in production

of many models in small quantities, Proceeding of the 2006

Spring Conference of KOSES & The 7th Korea-Japan Joint

Symposium on Emotion & Sensibility, pp.61-62 (2006)

関 信一(学生会員)

1973年明治大学工学部卒業,信州大学工学系研究科博士後期課程在籍.中小企業診断士,ITコーディネータ,(有)エス・エム・エムコンサルティング代表取締役.(社)長野県経営支援機構(会長理事).本会および日

本経営工学会・日本生産管理学会各会員.

大谷 毅(正会員)

明大院経営博中退,信大繊維学部教授,博士(学術),経営学,本学会副会長,リゾート開発など装置型サービス事業のフィージビリティスタディ・事業計画.『六本木ビジネス』『リゾートビジネス』(各日本経済新聞社,1984,

1986)『リゾートビジネスの構図』(第一法規出版,1991)“A

Proposal for Dealing with Micro-political Process Weaknesses for

Corporate Bureaucracy based on Software Agents”“PISTA

2004”, June 2004, to be held in Orlando, USA他.