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Tsukuba Medical Center Hospital Cardiology

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Page 1: Tsukuba Medical Center Hospital 環器内科Cardiology Tsukuba Medical Center Hospital 循環器内科 Cardiology Warm, Smart & Modern Hospital C ardiology 循環器内科は、今でこそ、様々な侵襲的治療を駆使して

Tsukuba Medical Center Hospital

CardiologyTsukuba Medical Center Hospital

循環器内科Cardiology Warm, Smart & Modern Hospital

Page 2: Tsukuba Medical Center Hospital 環器内科Cardiology Tsukuba Medical Center Hospital 循環器内科 Cardiology Warm, Smart & Modern Hospital C ardiology 循環器内科は、今でこそ、様々な侵襲的治療を駆使して

Cardiology 循環器内科は、今でこそ、様々な侵襲的治療を駆使して

診療を行っていますが、元々は聴診器一本でどの弁に

どのような異常があるかを聴きわけ、ジギタリスのさじ

加減により患者さんを治療する最も内科的な診療科で

した。心臓カテーテル検査等の侵襲的な検査はありまし

たが、あくまでも診断学であり、外科的治療の適応を検討

し、患者さんを心臓血管外科に依頼するのが役割でした。

 循環器内科医が最初に侵襲的治療に踏み込んだのは、

血栓溶解剤を急性心筋梗塞の急性期に冠動脈内に注入

し再潅流をはかる経皮経管的冠動脈再開通術でした。

筑波メディカルセンター病院は開院して32年が過ぎま

したが、この間循環器内科の診療の幅は大きく広がり、

心エコー検査をはじめとする非侵襲的な画像診断の進歩

に加え、冠動脈および末梢動脈への血管内治療、植え込み

型除細動器やカテーテルアブレーション等の不整脈

治療、更には大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動

脈弁留置術(TAVI)が施行される時代になりました。幸い

筑波メディカルセンター病院の循環器内科では、各領域

の専門家が集まり常に診療レベルをアップデートする

ことが出来ています。

 今回、TAVIを開始するにあたり私たちのグループを

紹介する小冊子を作りました。これからも、先生方と

協力して地域医療に貢献すべく全力を傾けていきたいと

考えていますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

筑波メディカルセンター病院 副院長

野 口 祐 一

 ごあいさつ

■Profile1981年卒・日本循環器学会認定循環器専門医・日本心血管インターベンション治療学会 専門医・指導医・日本内科学会認定内科医、 総合内科専門医・指導医

■専門分野 冠動脈疾患 冠動脈インターベンション 末梢動脈インターベンション

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CardiologyDTBT90分以内の達成率は90% 急性心筋梗塞を発症すると急速に心筋の壊死が

進展し、その結果、時間経過とともに心機能は低下し

死亡率は上昇します。患者さんの予後を改善するため

には一刻も早く閉塞した冠動脈の再開通を得ること

が重要であり、ガイドラインでは来院から経皮的冠

インターベンション (PCI)による冠動脈再開通までの

時間 (door to balloon time; DTBT)を90分以内にする

ことが強く推奨されています。

 当院は救命救急センターが併設されており、救急医

のみならず循環器医が24時間365日常駐しているこ

とで、速やかな治療が可能となっており平均のDTBT

は約60分、DTBT 90分以内の達成率は90%を維持

しています。病院到着前の診断確定はDTBTの短縮

に有効であり、登録医の先生方には患者さん紹介の際

に、心電図のFAXをお願いすることもありますが、こ

れは非常に役立っています。

 また、心臓血管外科チームと密接な連携をとって

おり、必要に応じて速やかな外科的介入が可能と

なっています。PCI後は心臓リハビリテーションを

入院早期から導入、退院後も継続すると同時に登録医

の先生方に生活習慣病の積極的なコントロールを

お願いし、共同で二次予防に努めて参りたいと考え

ています。

診療科長仁科 秀崇 Hidetaka Nishina

■Profile1994年卒・日本循環器学会認定循環器専門医・日本心血管インターベンション治療学会 専門医・日本内科学会認定内科医・日本核医学会核医学専門医

■専門分野冠動脈疾患冠動脈インターベンション心臓画像診断

急性心筋梗塞に対するカテーテル治療

当院におけるDTBT平均値とDTBT90分以内達成率の推移 DTBTの度数分布表(2014年~2017年3月)

治療前

再開通後

ステント留置後

2008

90

80

70

60

50

100%

68%

76%

83%86%

93%90%

89% 89%

91%

97%

90%

80%

85

78

7067

63

6965

67

63

59

70%

60%

50%2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

※2017年は1月~3月の集計

DTBT平均(分)DTBT≦90分達成率

DTBT≦90分達成率(%)

DTBT(分)

20

15

10

5

050 100 150 200 (分)Door to Balloon Time (DTBT)

頻度 (%)DTBT ≦ 90分

 冠動脈

 

  インターベンションPCI

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 経カテーテル大動脈弁留置術

TAVIが登場した背景 大動脈弁狭窄症(AS)は加齢・先天的要因・リウマチ熱などを原因として大動脈弁に狭窄を来す

疾患です。初期は無症状で進行しますが、重症になると胸痛、失神、心不全などの症状を生じ、

治療を行わないと予後は不良であることが知られています。以前は治療の選択肢が外科的な

大動脈弁置換術(SAVR)のみでしたので、ご高齢な患者さんや合併症の多い患者さんでは治療を

受けられないことも多く、その割合はAS全体の4割とも言われていました。

低侵襲なTAVI しかし、現在ではそのような患者さんに対する根治的治療としてTAVIを選択することができる

ようになりました。TAVIはカテーテルを用いて大動脈弁位に生体弁を留置する治療であり、主に

大腿動脈から治療することが可能です。開胸もなく人工心肺も使用しないため非常に低侵襲な治療

であり、すでに確立された治療の一つとして急速に広まっています。日本でTAVIを受ける患者さん

の平均年齢は84歳ですが、経大腿アプローチでの入院期間は1週間〜 10日と短いため、ADLを

落とさずに退院することが可能です。

TAVI

正常 中等度狭窄 高度狭窄提供: エドワーズライフサイエンス株式会社

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TAVIの適応 重症AS治療の第一選択は長期成績の確立されたSAVRですが、手術困難・

ご高齢の患者さんに対してはTAVIが適応となります。しかし、適応の判断

は患者さんの生活背景や全身状態・合併症の有無などを十分に検討する

必要があるため、当院では検査入院を経てハートチームカンファレンスで

決定しています。TAVIを検討するケースは一般的に80歳以上の日常生活

が概ね自立している患者さんであることが多く、合併症の内容によっては

70歳台でも適応になることがあります。

筑波メディカルセンター病院でのTAVI 2017年に学会からの施設認定を取得しTAVIを開始しました。TAVIは

まだ新しい治療であるため、適応判断・実際の手技・術後管理に精通する

人材育成が重要なポイントとなります。当院では2014年から日本屈指の

TAVI施設である慶應義塾大学にスタッフを派遣して人材の育成を行って

きましたので、準備が整った状態でTAVIを開始することができました。

現在も安定して症例を重ねており、チーム力を増しながらより低侵襲

なTAVIへと向かっています。

最後に 患者さんが息切れや疲れやすさから解放されて元気に退院する姿を

見るたびに、そして患者さんの心からの笑顔を見るたびに、良い治療を

提供することができて良かったと感じます。ご高齢だからと治療を諦める

必要はありません。お元気に長く人生を楽しんでいただくために、負担の

少ない最善の治療を提供し続けたいと思っています。

1

1

2

2

3

4

3

経心尖アプローチけいしんせん

経大腿アプローチけいだいたい

折りたたまれた生体弁を装着したときのカテーテル

生体弁は留置された直後から、患者さんの新たな弁として機能します。

鉛筆ほどの太さに折りたたまれた生体弁を装着したカテーテルを、1㎝弱の小さな穴から太ももの付け根にある大腿動脈に入れて、心臓まで運びます。

肋骨の間を小さく切開し(6~7㎝)、そこから折りたたまれた生体弁を装着したカテーテルを心臓の先端(心尖部)を通じて挿入します。

バルーンを拡張したときの生体弁

生体弁が大動脈弁の位置に到達したらバルーンを拡張し、生体弁を広げ、留置します。

生体弁が大動脈弁の位置に到達したらバルーンを拡張し、生体弁を広げ、留置します。

生体弁を留置した後は、カテーテルを抜き取ります。

生体弁を留置した後は、カテーテルを抜き取ります。

■ 虚弱ではない■ 左室流出路に伸びる石灰化■ 低い冠動脈入口部■ 僧帽弁逆流/僧帽弁狭窄■ 透析患者■ 石灰化を伴わない重症AS など

SAVRの適応

■ 虚弱■ COPD(慢性閉塞性肺疾患)

■ 頚部動脈狭窄■ 冠動脈バイパス術後■ 狭小弁論■ 胸壁奇形■ Porcelain Aorta(全周性の大動脈石灰化) など

TAVIの適応

Age

SAVR or TAVI ?  ※STSスコアやEuroスコア等の周術期リスクスコアも参考にしながら   総合的に判断します。

 2014年からTAVI診療を学び、累計300例以上のTAVIに携わってまいりました。TAVIはご高齢な方を対象とする治療であるため、その適応決定には患者さんの考え方や人生観も重要です。当院では必ずご家族・ご本人とともに十分な時間をかけて検討を重ねるようにしています。 毎週木曜日の午前中に弁膜症外来を行っておりますので、大動脈弁狭窄症でお困りの患者さんがいらっしゃいましたらご連絡をいただければ幸いに存じます。

循環器内科 医長掛札 雄基 Yuki Kakefuda

■Profile2004年卒・日本循環器学会認定循環器専門医・日本心血管インターベンション治療学会認定医・日本内科学会認定総合内科専門医・日本内科学会認定内科医

■専門分野弁膜症冠動脈インターベンション経カテーテル大動脈弁留置術

提供: エドワーズライフサイエンス株式会社

提供: エドワーズライフサイエンス株式会社

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 末梢血管

 

  インターベンション

PADとEVT 生活習慣病の増加や高齢化に伴い、動脈硬化性疾患

の患者さんの数が増加しています。とくに、心臓の

冠動脈と頭蓋内動脈を除く動脈硬化性血管病変は、

末梢動脈疾患(PAD:Peripheral artery disease)と言わ

れています。現在、PADに対しては薬物療法や運動

療法、カテーテル治療やバイパス手術など、病状の

程度や治療部位に応じた様々な治療法があります。

特に技術と装置の進化のおかげで低侵襲なカテーテル

治療が可能になり、これらに対してのカテーテル

治療は、血管内治療(EVT:Endovascular therapy)と

総称されています。

筑波メディカルセンター病院での取組み 動脈硬化は手足に限らず、心臓や脳など体中の血管

に及んでいる可能性が高く、PADを全身の血管の病気

のサインととらえ、管理していくことが重要です。

我々筑波メディカルセンター病院循環器内科では、

心臓血管外科や脳神経外科とも協力して、いわゆる

“全身動脈硬化性疾患” に対しての治療を網羅し、

患者さんごとに最適な治療を受けていただくことが

可能です。いつでもご相談いただければと思います。

EVT

専門科長相原 英明 Hideaki Aihara

■Profile2000年卒・日本循環器学会認定循環器専門医・日本心血管インターベンション治療学会 専門医・日本内科学会認定内科医

■専門分野冠動脈インターベンション末梢血管インターベンション

重症下肢虚血の治療

カテーテル治療:EVT(Endovascular therapy:経皮的血管形成術)

術前 術後

ステント留置

治療後

カテーテル治療前後

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 カテーテルアブレーション

不整脈患者の全人治療を目指して 不整脈は、その専門性から「相談しにくい」、「敷居

が高い」と言った印象が先行しがちですが、不整脈

こそ予防も含め包括的なアプローチが必要な疾患

です。まず救急での初期対応、更にその先の再発予防

や原因治療まで、診療科や時には病院の枠を越えて

効率良く連係治療が進められるように心がけてい

ます。

 2015年7月より心房細動へのカテーテル治療(肺静

脈隔離術)を開始し、順調に症例数も増加しました。

心腔内エコ-の導入、3Dマッピングシステムの最新

版へのバージョンアップ等、より安全・低侵襲な治療

を追求し、改良を続けています。ペースメーカーや

ICDなどのデバイス治療においては、ハイブリッド

手術室での新規留置・交換のみならず、今後は留置後

の外来診療、特に、より効率の良い遠隔モニタリング

システムの構築を進めています。

 外来診療では、火・水・木曜日の午前中

に専門外来を設けています。不整脈(か

もしれない患者さんも含め)の患者さん

に関して、まず聞いてみる、そんな「最初

の窓口」でありたいと思っています。

RFCA

小川 孝二郎 Kojiro Ogawa

■Profile2007年卒・日本循環器学会認定循環器専門医・日本内科学会認定内科医・ICD/CRT研修修了

■専門分野不整脈

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医療機関の皆様へ

▶循環器内科へのご紹介に関するお問い合わせは下記までお願いします。

  ●平日 8:30~17:30   ●土曜日 8:30~12:30

   ☎029-858-5272(地域医療連携課直通)

▶上記以外は下記までお願いします。

   ☎029-851-3511(代表)

〒 305-8558 茨城県つくば市天久保 1 丁目 3 番地の 1TEL: 029-851-3511(代表)

http://www.tmch.or.jp