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STA00014 説明同意文書 作成日:2018 年 8 月 10 日 数:第 1.3 版 CONFIDENTIAL 1 黄熱に対するワクチン「スタマリル」の研究に参加していただくにあたっての 説明文書及び同意文書 研究の名称:黄熱に対するワクチン「スタマリル」を接種した時の安全性情報収集の ための研究 この冊子は、黄熱に対するワクチン「スタマリル」の臨床研究への参加をお願いするため の説明文書と同意文書です。この研究は、フランスのサノフィパスツール社がワクチンと資 金を提供し、黄熱に対するワクチン接種証明書を発行できる国内の厚生労働省指定機関で 実施されます。また、この研究を実施する各機関の管理者にも認められている研究です。 なお、臨床研究法に基づき、この研究の内容は、jRCT(https://jrct.niph.go.jp/)に公開さ れますが、あなた個人を特定できるような情報が公開されることはありません。また、この ウェブサイトはいつでも検索することができます。 1. はじめに この説明文書は、この研究の内容を正しく理解していただき、あなたの自由な意思 にもとづいて、この研究に参加するかどうかを判断していただくためのものです。こ の説明文書をお読みになり、担当医師から説明を受け、十分に考えてからこの研究に 参加するかどうかを決めてください。また、参加することを決めたあとでも、あなた の意思が変わった場合、同意を撤回してこの研究への参加をやめることができます。 参加しなかった場合や参加を辞めた場合でも、あなたが不当な扱いを受けることは ありません。この研究についてわからないことや心配なことがあれば、どんなことで も気軽に質問してください。この研究にご参加いただける場合には、同意文書にご署 名と日付を記載のうえ、担当医師にお渡しください。同意撤回の場合には、同意撤回 書にご署名と日付を記載し、担当医師にお渡しください。 2. 特定臨床研究とは 病気の原因の解明や、予防・診断・治療方法の改善などのために、人を対象として 行われる研究を「臨床研究」といいます。この臨床研究では、国内未承認のワクチン を使用し、製薬企業等から資金提供を受けて実施するため、臨床研究の中でも特定臨

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STA00014 説明同意文書 作成日:2018 年 8 月 10 日

版 数:第 1.3 版

CONFIDENTIAL

1

黄熱に対するワクチン「スタマリル」の研究に参加していただくにあたっての

説明文書及び同意文書

研究の名称:黄熱に対するワクチン「スタマリル」を接種した時の安全性情報収集の

ための研究

この冊子は、黄熱に対するワクチン「スタマリル」の臨床研究への参加をお願いするため

の説明文書と同意文書です。この研究は、フランスのサノフィパスツール社がワクチンと資

金を提供し、黄熱に対するワクチン接種証明書を発行できる国内の厚生労働省指定機関で

実施されます。また、この研究を実施する各機関の管理者にも認められている研究です。

なお、臨床研究法に基づき、この研究の内容は、jRCT(https://jrct.niph.go.jp/)に公開さ

れますが、あなた個人を特定できるような情報が公開されることはありません。また、この

ウェブサイトはいつでも検索することができます。

1. はじめに

この説明文書は、この研究の内容を正しく理解していただき、あなたの自由な意思

にもとづいて、この研究に参加するかどうかを判断していただくためのものです。こ

の説明文書をお読みになり、担当医師から説明を受け、十分に考えてからこの研究に

参加するかどうかを決めてください。また、参加することを決めたあとでも、あなた

の意思が変わった場合、同意を撤回してこの研究への参加をやめることができます。

参加しなかった場合や参加を辞めた場合でも、あなたが不当な扱いを受けることは

ありません。この研究についてわからないことや心配なことがあれば、どんなことで

も気軽に質問してください。この研究にご参加いただける場合には、同意文書にご署

名と日付を記載のうえ、担当医師にお渡しください。同意撤回の場合には、同意撤回

書にご署名と日付を記載し、担当医師にお渡しください。

2. 特定臨床研究とは

病気の原因の解明や、予防・診断・治療方法の改善などのために、人を対象として

行われる研究を「臨床研究」といいます。この臨床研究では、国内未承認のワクチン

を使用し、製薬企業等から資金提供を受けて実施するため、臨床研究の中でも特定臨

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床研究と呼ばれ、臨床研究法という法律に従って行います。この研究は、医薬品を日

本で製造販売するための厚生労働省の承認を得ることを目的とした臨床試験(治験)

ではありません。

3. 黄熱について

黄熱は、蚊(主にネッタイシマカ)に刺されることによって感染する全身性のウイ

ルス性疾患です。感染すると、通常 3~6 日の潜伏期間の後、発熱、頭痛、筋肉痛、

吐き気などの症状が出ます。ほとんどは回復し、3~4 日で症状が改善しますが、重症

化すると鼻や歯肉などさまざまな臓器からの出血や黄疸などをおこし、重症者の

50%が死に至るといわれています。特別な治療法はなく、症状を軽くするための対症

療法が行われます。ヒトからヒトに感染することはありません。

黄熱は、アフリカとラテンアメリカの熱帯地域で流行しています。2015 年以降、

アンゴラ共和国やブラジル連邦共和国で黄熱の流行があり、ブラジルでは 2018 年初

めに黄熱と確定診断された患者数が数週間で 3 倍に増えています。また、予防接種を

受けずにアンゴラやブラジルに滞在し、帰国した旅行者が黄熱を発症したという報

告があります。

黄熱に対して最も重要な予防対策は、ワクチンによる予防接種です。1 回のワクチ

ン接種で十分な免疫が獲得できれば、生涯免疫を維持することができる可能性があ

ります。

4. この研究の目的と背景

日本国内で厚生労働省の承認を受けている黄熱に対するワクチンは、サノフィ株

式会社の「黄熱ワクチン」のみです。このワクチンを製造する米国で、製造設備を新

施設に切り替えるため、現在一時的に利用できない状態にあります。つまり、日本で

黄熱ワクチンを受けることができないため、流行地域に入国する渡航者に大きな影

響が出ます。そこで、代替としてフランスのサノフィパスツール社が製造している黄

熱に対するワクチン「スタマリル」の接種を受けていただき、その安全性確認をさせ

ていただく目的で、この研究に参加いただきたいと考えています。なお、日本のサノ

フィ株式会社とフランスのサノフィパスツール社は、同じサノフィグループの一員

です。

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5. 「スタマリル」ワクチンについて

「スタマリル」は、「黄熱ワクチン」と同様のワクチンのもととなるウイルス株か

ら、ほぼ同様の方法でつくられたワクチンで、接種対象者、接種方法、接種量も「黄

熱ワクチン」と同様です。違いは、「スタマリル」には添加剤(安定剤)としてゼラ

チンを含まないことです。ゼラチンを使用しないことで、ゼラチンアレルギーの方に

おいても安全に接種することができます。また、「スタマリル」は世界保健機関(WHO)

から事前承認を受けているワクチンであり、1986 年以降 70 を超える国と地域で製

品として承認されていて、これまでに 4 億回接種分を超えるワクチンが出荷されて

います。「スタマリル」が承認されている国には、韓国、香港などアジアの国も含ま

れます。

6. 研究に参加しない場合

この研究に参加した場合、「スタマリル」の接種により接種証明書(イエローカー

ド)の発行を受けることができます。「黄熱ワクチン」は日本の他に米国とカナダで

承認されていますが、これらの国でも日本と同様に「黄熱ワクチン」が一時的に利用

できなくなります。そのため、この研究が終了するまでの間、国内及び国外で「黄熱

ワクチン」の接種を受けて接種証明書を入手する方法はありません。

研究に参加を希望しない場合、海外で接種証明書を入手することもできます。欧米

諸国をはじめとする多くの先進国においては「スタマリル」が承認されているため、

本研究に参加するのと同じワクチンの接種により接種証明書を入手することができ

ます。その他には、いくつかの発展途上国において独自のワクチンを使用し、接種証

明書を発行している場合もあります。

さらに、8.参加の方法に記載された研究参加に関する条件に合致しない場合など、

「スタマリル」の接種を受けられない方に関しては、黄熱に対するワクチンの接種に

合わないことを証明する、「接種禁忌証明書」などを発行することができます。研究

に参加しない場合、その他に、黄熱流行地域への渡航を中止又は延期するなどの方法

もあります。

7. この研究の実施予定期間と参加予定者数

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2018 年 11 月頃から研究を開始し、約 7 ヵ月間の研究実施を想定しているので、

研究終了は 2019 年 5 月頃となる予想です。およそ 10,000 名の方にこの研究に参加

いただく予定です。

8. 研究の方法

参加条件の確認

この研究に参加するための条件に合致しているか、担当医師が確認します。

参加条件は以下の通りです:

1) 黄熱のリスクにさらされる可能性のある方

2) スタマリル接種当日に、生後 9 ヵ月以上の乳児

3) 日本国内で製造販売承認を受けている「黄熱ワクチン」の代替として、日本国内

未承認の「スタマリル」の接種を受けることに文書で同意された方

※16 歳以上 20 歳未満の方は、ご本人の文書同意の他に、代諾者の文書同意も

必要です

※16 歳未満の方は、代諾者の文書同意が必要です

4) 生後 6 ヵ月以上 9 ヵ月未満の乳児、妊婦及び妊娠している可能性がある方、60

歳以上の方、免疫機能障害を伴わない無症候性ヒト免疫不全ウイルス感染者の

方においては、医師によりワクチン接種の有益性が危険性を上回ると判断され

ていること

※有益性と危険性については、渡航する地域、渡航期間、渡航目的などを踏ま

えて、医師が最終的に判断します。

以下の条件にひとつでも当てはまる場合は参加できません:

1) 黄熱に対するワクチン、「スタマリル」に含まれる添加剤、鶏卵、鶏肉タンパク

に対する過敏症をお持ちの方

※「スタマリル」含まれる添加剤は、ラクトース、ソルビトール E420、L-ヒス

チジン塩酸塩、L-アラニン、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸二ナトリウ

ム(無水)、リン酸二水素カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウムです。

これらの添加剤は、一般的にアレルギーが問題になるものではないと考えられ

ますが、これまでにワクチンを接種して副作用が生じた方など、不安がある方は

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担当医師に相談してください。

2) 化学療法や副腎皮質ステロイドの全身投与等の免疫抑制療法を受けているなど、

先天性又は後天性免疫不全の方

3) 胸腺機能不全(重症筋無力症、胸腺腫、胸腺摘出を含む)の既往歴がある方

4) 症候性ヒト免疫不全ウイルス感染者の方

5) 免疫機能障害を伴う無症候性ヒト免疫不全ウイルス感染者の方

6) 明らかな発熱(37.5℃以上)がある方

7) 医師により重度の急性疾患にかかっていると判断された方

8) 「スタマリル」接種後少なくとも 14 日間授乳中断ができない授乳婦の方

9) その他、医師により予防接種を行うことが不適切であると判断された方

研究手順

あなたがこの研究に参加することに書面で同意し、参加に必要な条件をすべて満

たしている場合は、医師による問診ののち、「スタマリル」を皮下に 0.5mL 接種しま

す。その後、急な副反応が見られた場合にすぐに適切な処置ができるよう、およそ 30

分間は接種施設内に留まっていただき、安全性の問題が無いかどうかを確認します。

接種後およそ 30 日間は体調の変化にご注意いただき、もし不調を感じた場合は、必

要に応じて医療機関を受診し、「スタマリル」の接種を受けたことを伝えた上で医師

の診察を受け、「スタマリル」の接種を受けた施設へ連絡してください。その際は、

あなたにその不調が起きた時期や内容、医療機関を受診した際の治療などについて

伺います。

その他報告いただきたいこと

「スタマリル」接種後 30 日以内に妊娠していることが判明した場合や「スタマリ

ル」接種後 14 日以内に授乳を行った場合は、「スタマリル」の接種を受けた施設へ連

絡してください。

新たな情報を入手した場合

この研究参加に関して、あなたの意思に影響を与える可能性がある情報を得た場

合は、その情報を提供いたします。

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研究を中止する場合

あなたがこの研究への参加中止を希望された場合や、あなたがこの同意説明文書

へ署名したあとに容態の変化などで担当医師が研究への参加が適切でないと判断し

た場合、またこの研究自体が中止となった場合は、あなたの研究への参加は中止とな

ります。

9. 予期される利益及び不利益

予期される利益

黄熱に感染した場合、特別な治療法はなく対症療法となります。さらに、感染者の

20%が死に至るといわれており、重症化した場合は重症者の 50%が死に至るといわ

れています。この研究に参加することにより、黄熱に対するワクチン接種を受けるこ

とと黄熱予防接種証明書を取得することができ、黄熱に対する生涯免疫を獲得でき

る可能性があります。また、黄熱の感染を防ぐことで、黄熱の罹患や重症化に伴う死

亡リスクを回避できる可能性があります。

予期される不利益

「スタマリル」接種により、⾧期に渡る黄熱に対する防御免疫を得られますが、黄

熱ワクチンと同様、「スタマリル」の接種を受けた人全員を 100%黄熱から防御でき

るとは言い切れません。

他のワクチンと同様に、「スタマリル」接種により副反応が現れることがあります。

頻度が高いものとして、頭痛、筋肉痛、疲労感や脱力感、注射部位の痛みが報告され

ています。幼児の場合、ちょっとした刺激に反応したり、なだめても泣き止まなかっ

たり、食欲不振や眠気を生じることがあります。他によくみられる副反応は、発熱、

吐き気、発疹、注射部位の発赤や腫れなどです。これらの副反応の多くは、接種後 3

日以内にみられ(発熱は接種 4-14 日後にみられることが多いです)、通常 3 日以内

に症状はおさまります。

また、他のワクチンと同様に、「スタマリル」接種によりアレルギー反応が現れる

可能性があります。症状としては、皮膚のかゆみやじんましん、発疹、くちびるや顔

やのどの腫れ、頻脈、発汗、恐怖感、息苦しさ、血圧の低下によるめまいやふらつき

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などです。これらのアレルギー反応は、通常ワクチン接種のほぼ直後にみられます。

「スタマリル」を含む黄熱に対するワクチン接種後に、重篤な副反応が生じる場

合があります。脳神経に影響を及ぼす黄熱ワクチン関連神経障害と黄熱に感染した

時と同じような症状が現れ、急速に多臓器に影響を及ぼす黄熱ワクチン関連熱性多

臓器不全が報告されています。

黄熱ワクチン関連神経障害は、通常ワクチン接種後 30 日以内に生じると報告さ

れています。頭痛を伴う高熱、錯乱、けいれん、体の一部又は全身が動かせない、

感覚がないといった症状があらわれる場合があります。この病気にかかったほと

んどの方は回復しています。

黄熱ワクチン関連熱性多臓器不全は、通常ワクチン接種後 10 日以内に生じると

報告されています。発熱、筋肉痛、疲労、頭痛、低血圧など症状があらわれ、そ

の後、皮膚や目の色が黄色くなる重度の肝障害や筋肉障害、内出血や出血、呼吸

器や腎臓が正常に機能しなくなる場合があります。この病気にかかった約半分の

方は死に至ります。

これらの副反応が生じることは極めてまれですが、60 歳以上の方、授乳を介して

黄熱に対するワクチンの影響を受けた生後 9 ヵ月未満の乳児、先天性又は後天性免

疫不全の方、胸腺機能不全の方は、これらの副反応を生じるリスクが高くなることが

知られています。副反応の発現頻度と種類は 9 ページの一覧表をご覧ください。

妊娠について

「スタマリル」のこれまでの使用経験より、妊婦又は胎児や新生児の健康に対し

て悪影響がないとされていますが、その根拠となるデータの数は限られているため、

妊娠中又は妊娠の可能性がある方は、原則としてワクチン接種を避けてください。但

し、渡航が避けられず、医師によりワクチン接種が必要と判断された場合はその限り

ではありません。また、「スタマリル」接種後 30 日以内に妊娠していることが判明し

た場合は、接種を受けた施設へ連絡してください。その後、あなたの妊娠終了まであ

なたと連絡をとり、あなたと赤ちゃんの健康状態を確認します。

授乳について

授乳により乳児へワクチンウイルスが移行する可能性があるがあるため、「スタマ

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リル」接種後少なくとも 14 日間は授乳を避けてください。もし、誤って「スタマリ

ル」接種後 14 日以内に授乳を行った場合は、接種を受けた施設へ連絡してください。

その後、30 日間はあなたと連絡をとり、あなたと授乳を受けた乳児の健康状態を確

認します。

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副反応一覧表

種類 副反応発現頻度

10%以上 1~10%未満 0.1~1%未満 0.01~0.1%未満 0.01%未満 頻度不明※3

感染症 鼻炎 黄熱ワク チン 関 連

熱性多臓器不全

リンパ系障害 リンパ節症

免疫系障害

ア ナ フ ィ ラ キ

シー様反応(血

管浮腫を含む)

代謝栄養障害 食欲そう失※1

神経系障害 頭痛

傾眠状態※1

浮動性めまい 黄熱ワク チン 関 連

神経障害

錯感覚

胃腸障害 おう吐※2 悪心 腹痛 下痢

皮膚障害 発疹 そう痒症 じん麻疹

筋骨格系障害 筋肉痛 関節痛

全身及び接種部位反応 易刺激性※1、

泣き※1、発熱※2、

無力症、

注 射 部 位 疼 痛 /

圧痛

注 射 部 位 紅 斑 / 発

赤、注射部位血腫、

注射部位硬結、注射

部位浮腫/腫脹

注射部位丘疹 イ ン フ ル エ ン

ザ様疾患

※1:特に小児で多くみられる副反応 ※2:幼児では、10%以上にみられ、一般集団では 1~10%未満にみられる副反応

※3:これまでに得られているデータからは頻度の推定が不能

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10. 守っていただきたいこと

「スタマリル」ワクチン接種後およそ 30 分間は、接種施設内に留まってください。

「スタマリル」ワクチン接種後およそ 30 日間は、体調の変化にご注意ください。

もし、不調を感じた場合は、必要に応じて医療機関を受診し、医師の診察を受けて

ください。その際には、「スタマリル」の接種を受けたことを伝えてください。

「スタマリル」ワクチン接種後およそ 30 日間に体調変化があった場合、その内容

を、インターネット、FAX または電話のいずれかで報告してください。インター

ネットを使用する場合は、報告用ウェブサイトに入力し、FAX の場合は調査票に

記入して FAX で送信してください。電話の場合は、接種施設へ連絡してください。

「スタマリル」ワクチン接種後 30 日以内に妊娠が判明した場合や接種後 14 日以

内に誤って授乳をした場合は、接種施設へ連絡してください。

その他、この説明文書に書かれていることを守ってください。

11. 健康被害が発生した場合の対応と補償について

あなたがこの研究に参加したことによって、あなたの体に何か異常を感じたり、

気になることがあれば、必要に応じて医療機関を受診し、医師の診察を受けてくださ

い。その際には「スタマリル」の接種を受けたことを伝えてください。また、接種を

受けた施設へも連絡してください。その治療に必要と考えられる医療費は、補償の基

準にあてはまる場合、研究代表医師が加入している保険から支払われます。ただし、

その異常の原因がこの研究と因果関係がないと医師が判断した場合や、あなたがこ

の説明文書に書かれていることや医師の指示に従わなかったことが原因で発生した

場合は補償の対象とならないことがあります(詳しくは、別添の補償制度の概要をご

覧ください)。

12. 記録の閲覧と個人情報の保護

この研究に関する資料をご覧になりたい場合は、可能な範囲で閲覧いただけるよ

うに手続きをいたしますのでお申し出ください。この研究の期間中及び終了時に、あ

なたの年齢や性別、安全性に関する情報などは、国内外の規制当局、認定臨床研究審

査委員会、及び「スタマリル」ワクチンを提供している会社へ提供されますが、あな

たの氏名は全て管理番号に置き換えられて管理され、あなたの氏名や住所などの個

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人情報は一切提供されません。

また、この研究が正しく行われたかどうかを確認するため、研究代表医師が指名し

た担当者、認定臨床研究審査委員会、及び厚生労働省の担当者などの関係者があなた

の医療記録を閲覧することがあります。これらの関係者には秘密を守る義務が法律

で定められており、あなたの個人情報が外部にもれることはありません。研究に参加

することに同意された場合は、これらの関係者があなたの医療記録を閲覧する可能

性があることについても承諾していただいたことになります。

13. 費用の負担について

この研究で使用する「スタマリル」ワクチンは、フランスのサノフィパスツール社

より無償で提供されます。従って、負担していただく費用は、接種費用を除く、問診

料又は相談料と接種証明書発行手数料となります。

14. 研究費と利益相反

研究における利益相反研究における利益相反とは、研究結果がゆがめられる恐れ

のある利益が発生している状態をいいます。たとえば、研究に使用している薬を製造

している製薬会社の社員が研究を行っている場合、その薬が効かないなどの製薬会

社にとって不利益な結果にならないよう、研究データが書き換えられたり、製薬会社

にとって都合が良いように結果を解釈したりする恐れがあります。

この研究は、サノフィパスツール社と国立研究開発法人 国立国際医療研究センタ

ーとの間で研究の契約を締結し、サノフィパスツール社からワクチンと資金の提供

を受けて実施します。サノフィパスツール社は、研究で使用する「スタマリル」ワク

チンの製造販売元であり、「スタマリル」ワクチンはサノフィパスツール社より無償

提供を受けます。利益相反は事前に申告し、認定臨床研究審査委員会の審査・承認を

受けた利益相反管理計画に基づいて適切に管理・公表します。また、研究結果がゆが

められることがないよう、サノフィパスツール社は研究データの解析は行いません。

15. 認定臨床研究審査委員会

この研究は、厚生労働省から認定を受けている下記の認定臨床研究審査委員会で、

人権と安全性に配慮して、研究の計画内容が科学的及び倫理的に妥当であるかどう

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かが審査され、承認されています。また、この研究計画は、厚生労働大臣へも提出さ

れています。

認定臨床研究審査委員会の名称: 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター

臨床研究審査委員会

認定臨床研究審査委員会の所在地:東京都新宿区戸山 1-21-1

認定番号と認定日:CRB3180021 平成 30 年 3 月 30 日

問い合わせ先:臨床研究審査委員会 事務局 03-3202-7181

16. 研究代表医師及び研究責任医師

この研究は、国立研究開発法人 国立国際医療研究センター・国際感染症センター・

センター⾧・大曲貴夫医師が研究代表医師となり、黄熱に対するワクチン接種証明書

を発行できる厚生労働省指定の医療機関と検疫所で実施されます。研究代表医師及

びあなたの接種施設の研究責任医師は、別添の研究実施施設一覧をご覧ください。

17. 相談窓口

この研究についての説明やあなたの権利などについて、さらに知りたいことや心

配なことあれば、接種施設へお問い合わせください。接種施設と連絡先は、別添の研

究実施施設一覧をご覧ください。

緊急時、接種施設に連絡がつながらない場合は、研究実施施設一覧の一番上に記載

されている国立国際医療研究センターに連絡してください。

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STA00014 別紙 1 研究実施施設 作成日:2018 年 8 月 10 日

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緊急時、接種施設に電話が繋がらない場合は、01 の国立国際医療研究センターに電話し、国際感染症センターに電話をつないでもらってく

ださい。

施設名 研究責任医師 所属・職名 所在地 連絡先

01 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 大曲 貴夫

(研究代表医師)

国際感染症センタ

ー・センター長

東京都新宿区戸山 1-21-1 03-3202-7181

02 東京医科大学病院 濱田 篤郎 渡航者医療センタ

ー・教授

東京都新宿区西新宿 6-7-1 03-5339-3726

03 公益財団法人 日本検疫衛生協会 東京診療所 田中 喜代史 常務理事 東京都中央区八重洲 1-7-20 八

重洲口会館 3 階

03-3527-9136

04 小樽検疫所診察室 辻村 信正 小樽検疫所・所長 北海道小樽市港町 5-2 (小

樽地方合同庁舎 1 階)

0134-23-4162

05 小樽検疫所千歳空港検疫所支所予防接種室 西浦 知子 小樽検疫所・検疫衛

生課長

北海道千歳市美々 新千歳空

港内(新千歳空港国際線旅客タ

ーミナルビル 官庁合同庁舎 2

階)

0123-45-7007

06 仙台検疫所医務室

(接種場所:(独)国立病院機構盛岡病院、(独)

国立病院機構仙台医療センター)※巡回診療

小野 日出麿 仙台検疫所・所長 宮城県塩釜市貞山通 3-4-1 022-367-8101

07 新潟検疫所診察室 片山 友子 新潟検疫所・所長 新潟県新潟市中央区竜が島 1-

5-4(新潟港湾合同庁舎 2 階)

025-275-4615

08 東京検疫所診察室 本馬 恭子 東京検疫所・所長 東京都江東区青海 2-7-11(東京

港湾合同庁舎 8 階)

03-3599-1515

09 横浜検疫所診察室 北澤 潤 横浜検疫所・所長 神奈川県横浜市中区海岸 1-1 045-201-4456

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STA00014 別紙 1 研究実施施設 作成日:2018 年 8 月 10 日

版 数:第 1.3 版

CONFIDENTIAL

(横浜第 2 港湾合同庁舎 4 階)

10 名古屋検疫所中部空港検疫所支所診察室 依田 紀彦 名古屋検疫所・所長 愛知県常滑市セントレア 1-1

CIQ 庁舎 4 階

0569-38-8205

11 大阪検疫所診察室

(接種場所:(地独)大阪市民病院機構 大阪市

立総合医療センター)

柏樹 悦郎 大阪検疫所・所長 大阪府大阪市港区築港 4-10-3

(大阪港湾合同庁舎 5 階)

06-6571-3522

12 関西空港検疫所診察室 笠松 美惠 関西空港検疫所・所

大阪府泉南郡田尻町泉州空港

中 1(CIQ 合同庁舎)

072-455-1283

13 神戸検疫所診察室 加藤 誠実 神戸検疫所・所長 兵庫県神戸市兵庫区遠矢浜町

1-1

078-672-9653

14 広島検疫所診察室 芳賀 光治 広島検疫所・所長 広島県広島市南区宇品海岸 3-

10-17(広島港湾合同庁舎 3 階)

082-251-2927

15 福岡検疫所門司検疫所支所予防接種室 大坪 浩一 福岡検疫所・門司検

疫所支所長

福岡県北九州市門司区西海岸

1-3-10(門司港湾合同庁舎)

093-321-3056

16 福岡検疫所診察室 東 威志 福岡検疫所・所長 福岡県福岡市博多区沖浜町 8-1

(福岡港湾合同庁舎)

092-291-4101

17 福岡検疫所長崎検疫所支所予防接種室 田中 聖子 福岡検疫所・検疫衛

生課長

長崎県長崎市出島町 1-36(長崎

税関内 2 階)

095-826-8081

18 福岡検疫所鹿児島検疫所支所予防接種室 夕田 直子 福岡検疫所福岡空港

検疫所支所・検疫医

療専門職

鹿児島県鹿児島市泉町 18-2-31

(鹿児島港湾合同庁舎)

099-222-8670

19 那覇検疫所那覇空港検疫所支所診察室 垣本 和宏 那覇検疫所・所長 沖縄県那覇市鏡水 280(那覇空

港国際線ターミナルビル 那

覇空港合同庁舎 3 階)

098-857-0057

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1/4

臨床試験に係る健康補償制度の概要について

(STA00014)

1.はじめに

・この臨床研究は細心の注意をもって行われますが、試験薬や臨床研究の実施によっ

て、万一あなたに健康被害(副反応等あなたの身体上の被害)が生じた場合に備え、

接種医療機関等では補償制度を用意しています。

・この資料は「説明同意文書」の補償に関する説明内容を「補償の概要」としてまと

めたものです。「説明同意文書」と共に大切に保管して下さい。

・臨床研究に参加したことにより副反応等の健康被害がみられた場合には、遠慮なく

担当医師、接種医療機関又は国立国際医療研究センターに申し出て下さい。この臨

床研究に参加したことにより生じた健康被害と判断された場合には、国立国際医

療研究センターが定めたこの補償水準書に基づいて補償のお支払いを致します。

・なお、補償を行うに当たってあなたの氏名、住所、健康被害の状況、銀行などの口

座番号及びご本人確認証明書類を接種医療機関又は国立国際医療研究センターに

お知らせいただく必要がありますが、これらの情報は厳しく管理され補償の支払い

目的以外に利用されることは一切ありません。

2.接種医療機関等による補償

(1)補償の原則

① 補償とは、あなたに健康被害が発生した場合に、臨床研究法の趣旨に基づ

いて、法的責任がない場合でも(接種医療機関等に過失がない場合でも)損失

を適切に補うものです。

② この臨床研究に参加したことにより、あなたに何らかの健康被害が生じた場合

は、あなたの請求により国立国際医療研究センターが補償水準書に従って補償

を行います。

③ 補償を受けることができるのは、臨床研究への参加に同意いただいた(同意文

書に署名した)日以降に生じた健康被害で、原因がこの臨床研究(試験薬また

は研究実施計画書に定めた方法・手順等)にあると考えられる場合に限られま

す。これを、健康被害と臨床研究との間に因果関係があるといいますが、健康

被害の原因がこの臨床研究にないとされない限りは因果関係があるものとし

て扱われます。

④ あなたが補償を受けた後であっても、接種医療機関等、担当医師、その他第三

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2/4

者に法的責任があることが判った場合は、法的責任をもつ者に対して損害賠償

(治療費や逸失利益及び慰謝料等を支払うこと)を請求することができます。

(2)補償の対象とならない場合

あなたの健康被害とこの臨床研究との間に因果関係がない場合は、補償の対象

となりません。例えば、

① この臨床研究のための通院途上で運転者の不注意により車にはねられた場合

の「けが」等は、この臨床研究との因果関係がありませんので、補償の対象に

なりません。

② 接種医療機関等、担当医師、その他第三者に法的責任がある場合は補償の対象

ではなく、健康被害に法的責任をもつ者が損害を賠償することになります。

③ 試験薬が効かなかった場合には、原則的に補償の対象になりません。

④ 説明同意文書に定められた内容に明らかに違反したり、医師の指示に従わなか

ったなど、あなたに故意または重大な過失があることが証明された場合には、

補償金等が減額されるか補償されない場合があります。

(3)補償を制限する場合

試験薬以外に、明らかに臨床研究とは別の原因が考えられる場合には、補償の

対象となりません。

(4)補償の内容

補償の内容は、医療費、医療手当、並びに補償金です。

① 医療費:

あなたがこの臨床試験に参加したことによる健康被害に要した医療費(医師の

処方又は指示による投薬、検査、処置、入院に係る費用)のうち、まず病院の

窓口で通常通り健康保険等を使ってお支払いいただきますが、その後であなた

のお支払い額に相当する金額を国立国際医療研究センターが補償水準書※1に

従って支払います。

なお、医療費が高額療養費制度※2に基づく自己負担限度額を超える場合には、

限度額適用認定証の申請または高額療養費制度の申請をお願い致します。申請

後、返還された金額を除くあなたの自己負担額を国立国際医療研究センターが

支払います。

② 医療手当:

その健康被害によって担当医師の指示に基づいて入院した場合(入院に相当す

る疾病について、やむを得ず通院した場合も含みます。)には、医療費以外の

※1 医療費:健康被害発見時から 12 か月間で、医療手当と併せ 1 名あたり 100 万円限度。 ※2 高額療養制度:高額の治療費負担を軽減するために国により定められた公的制度で、ある

一定額を超えた医療費が後で還付される制度。

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3/4

費用の諸手当(医療手当)として、医薬品副作用被害救済制度※3に準じた一定

の金額が、国立国際医療研究センターが補償水準書※4に従って支払います。

③ 補償金:

a. 障害補償金

労働者災害補償保険に定める障害等級(障害の程度)に該当する健康被害や死

亡事故の場合には、医薬品副作用被害救済制度を参考に国立国際医療研究セン

ターが設けた臨床研究補償制度により障害補償金※5が支払われます。

ただし、あなたの健康被害を知ってからその日を含めて 18 か月以内に生じた

後遺障害に対するものとします。

b. 遺族補償金

死亡された場合には、医薬品副作用被害救済制度の給付額に準じて国立国際医

療研究センターが定めた補償水準書に基づき、同一生計にあった(生計を同じ

くしていた)ご遺族の代表者一名に遺族補償金※6をお支払い致します。

④ 留意点

休業補償金(仕事を休んだことによって失われた給与)は支払われません。ま

た、救急・救命のため等の特別な理由が無い限り差額ベッド代も支払われませ

ん。

(5)因果関係の判断

① 因果関係の判断や障害等級の認定は、担当医師により行われます。あなたがこ

の臨床研究と健康被害との因果関係について証明する必要はありません。接種

医療機関等が因果関係の有無を合理的に判断し、因果関係が否定されない場合

は、補償の対象となります。

② 因果関係の判断には時間を要する場合があります。判断できるまでの間、医療

費等のお支払を保留することは望ましくありませんので、いったん医療費等の

お支払を開始し、判断が出た時点で今後の補償についてご連絡致します。なお、

因果関係が否定された場合には、医療費等のお支払を打ち切ることになります

が、その場合でも既にお支払した医療費等を返還する必要はありません。

※3 医薬品副作用被害救済制度:国から承認を受けた特定の医薬品により被った副作用に対

し、後で国から治療費が支給される制度。 ※4 医療手当:健康被害発見時から 12 か月間で、医療費と併せ 1 名あたり 100 万円限度。さ

らに 1ヶ月のうち 8日未満の入院の場合、または 3日未満の入院相当の通院治療の場合は

月額 34,300円、1ヶ月のうち 8日以上の入院の場合、または 1ヵ月のうち 3日以上の入院

相当程度の通院治療を受けた場合は月額 36,300円となります。また、入院と通院がある

場合は月額 36,300円となります。 ※5 障害補償金:年齢にかかわらず、労働者災害補償保険における障害の程度により一律

2,200万円~100万円となります。 ※6 遺族補償金:年齢にかかわらず一律で、生計維持者の場合 4,000万円、それ以外の場合

1,800万円となります。

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4/4

③ 医療費等は、通常請求されてから2~3ヶ月後にあなたの指定する銀行などの

口座に振り込まれます。予めご承知おき下さい。

(6)補償の申し出から補償手続きまで

① この臨床研究に参加して副反応等の健康被害があったと思われる場合には、担

当医師等もしくは国立国際医療研究センターにご相談下さい。

② あなたが補償を希望する場合には、担当医師等に申し出て下さい。担当医師等

から国立国際医療研究センターに補償請求の連絡を致します。その後、接種医

療機関等において、健康被害と臨床研究の因果関係を判断した上で、接種医療

機関等を通じて健康被害が補償の対象か否かについてご連絡致します。