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CUDBAS Manual v.3.0 [能力マップ作成編] A Method of Curriculum Development Based on Vocational Ability Structure 標準作業時間:5 時間 00 All rights Reserved. Tokyo, JAPAN Copyright 2015 Lab. of Skill/Technology Education CUDBAS マニュアル 発行: 2016/4/22 著者: 森 和夫、発行・版権所有: 株式会社 技術・技能教育研究所 URL: ginouken.com 主なステップ 手順 主なポイントと図解 物と場所を準備 する ● 場所と資材を用意する ①部屋=静かな個室 ②備品=広めの机(1)、いす(5)、ホワイトボード(1)、パソコン(2) ③資材=・ABL カード(Ability Card、30 枚×5 冊) ・仕事カード(Duty Card、30 枚×1 冊) 、A4上質紙(1 枚)、模造紙(2 枚)、 ・サインペン(芯径 0.8mm,5 本)、CUDBAS マニュアル(5 部) ・A3上質紙(5 枚)、ドットライナーのり(5 個)、 ・CUDBAS ソフトウエア メンバーとルー ルを紹介する (10 分) ● その職業人(研修内容)を知る人 5~6 人程度が集まる (多方面から参加する。同僚、上司、教 育担当者、管理者など) ● 自己紹介をする ●「はじめの言葉」を読む ●「ルール」を読む ・はじめの言葉=「これから、ある人の能力・資質をリストします。これは教育訓 練や評価に役立ちます。進め方はこのマニュアルを読みながら進めます」 ・ルール=「ルールは次の4つです。守りましょう。 ①メンバーはすべて同等の資格、権限で進める ②個人への非難や攻撃はしない ③互いに協同して良いリストを作成する ④できるだけ柔軟に発想を出し合って質の高い内容にする」 打ち合わせをす る(20 分) ●職業人のプロフィールについて 20 分 程度話し合う ・同じ人物イメージでカード書きができるように、次の①か②を話し合う ①仕事は具体的にはどこまでやるか(研修の仕上がりは何か) ②職場での立場と役割、職場の理念、コンセプト、現在の課題など ・A4 版上質紙にサインペンでまとめて書く ※20 分を超えて話し合うと同じカードが出やすくなるのでしないこと ※必要があればホワイトボードに要点を書く ABL カードに記 入する(40 分) ● ひとりひとりが ABL カードに能力 項目を書き入れる ● ひとり 30 枚書く ● 記入済みのカードはA3用紙に貼る ● 全て書き終えたら、仮分類しておく ・下記の①②③のいずれかについて1件1カードにサインペンで書く ①何が出来なければならないか。語尾は「~ができる」 ②何を知っていなければならないか。語尾は「~を知っている」 「知っている」=「理解」+「記憶」 ③どんな態度をとれなければならないか。語尾は「~の態度がとれる」 (能力として教育可能なものとし、人格や性格などは書かない) ・他の人との重複は気にしないで書く ・できるだけ表現は明確に書く。2~3行程度で書く ※だんだん、書けなくなくなるが、次の点で見直すと書ける ①場面別、②朝昼晩夜間の時間帯別、③春夏秋冬の季節別、④繁忙期閑散期イン トなどの期間別、⑤緊急時突発時災害時などの状態別、⑥難しい相手外国人子供など の人別、⑦安全衛生決まり事法規制など カードを分類す る(40 分) ● メンバーのひとりが読み上げ、机に 置いていく。他のメンバーは自分の カードを置く。 ● 同一内容のカードは重ね、少しでも 違う場合はそばに置き、関連カード は近くに置く。 ● 仕事カードを置く。カードには仕事 の内容を記入する。 語尾は「~をする」。 同一内容のカードは重ねる 4枚以上重なっている場合には見直す ・類似カードはそばに置く ・関連カード、その仕事に必要 なカードも近くに置く 予約の受付 をする 予約の手続 きができる ・4 枚以上の能力カードがそろったら仕事カードを置く ※机の上は広くあけて使う。カードとペだけでよい。 ※机の中心線の方向に並べていく ※「を知っている」、あるいは「ができる」だけを集めてグループにしない。 ※「基礎知識」、「基本技術」という仕事はあり得ない。 ※仕事数は 15 までとし、1 つの仕事は 4~20 の能力カードが属するようにする。 ※4 枚以上の能力カードが並んだら仕事カードを置いていく。 ※4 枚に満たない場合でも、必要なものは残す。追加して 4 枚以上にすればよい。 ※縦方向に伸び過ぎないように、まとめる方向で分類する。 ※分類は内容の類似性に注目して行う。 ※仕事カードの記入は属する能力カードの内容をもとに上位のイメージを書く。 打ち合わ せメモ (A4)

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CUDBAS Manual v.3.0 [能力マップ作成編] A Method of Curriculum Development Based on Vocational Ability Structure 標準作業時間:5時間 00分 All rights Reserved. Tokyo, JAPAN CopyrightⒸ2015 Lab. of Skill/Technology Education

CUDBASマニュアル 発行: 2016/4/22 著者: 森 和夫、発行・版権所有: 株式会社 技術・技能教育研究所 URL: ginouken.com

主なステップ

手順

主なポイントと図解

物と場所を準備

する

● 場所と資材を用意する

①部屋=静かな個室 ②備品=広めの机(1)、いす(5)、ホワイトボード(1)、パソコン(2)

③資材=・ABL カード(Ability Card、30 枚×5 冊)

・仕事カード(Duty Card、30 枚×1 冊) 、A4上質紙(1 枚)、模造紙(2 枚)、

・サインペン(芯径 0.8mm,5 本)、CUDBAS マニュアル(5 部) ・A3上質紙(5 枚)、ドットライナーのり(5 個)、

・CUDBAS ソフトウエア

② メンバーとルー

ル を 紹 介 す る

(10 分)

● その職業人(研修内容)を知る人

5~6 人程度が集まる (多方面から参加する。同僚、上司、教

育担当者、管理者など)

● 自己紹介をする

●「はじめの言葉」を読む

●「ルール」を読む

・はじめの言葉=「これから、ある人の能力・資質をリストします。これは教育訓

練や評価に役立ちます。進め方はこのマニュアルを読みながら進めます」 ・ルール=「ルールは次の4つです。守りましょう。

①メンバーはすべて同等の資格、権限で進める

②個人への非難や攻撃はしない

③互いに協同して良いリストを作成する

④できるだけ柔軟に発想を出し合って質の高い内容にする」

③ 打ち合わせをす

る(20 分)

●職業人のプロフィールについて 20 分

程度話し合う

・同じ人物イメージでカード書きができるように、次の①か②を話し合う ①仕事は具体的にはどこまでやるか(研修の仕上がりは何か)

②職場での立場と役割、職場の理念、コンセプト、現在の課題など

・A4 版上質紙にサインペンでまとめて書く

※20 分を超えて話し合うと同じカードが出やすくなるのでしないこと

※必要があればホワイトボードに要点を書く

④ ABL カードに記入する(40 分)

● ひとりひとりが ABL カードに能力 項目を書き入れる ● ひとり 30 枚書く ● 記入済みのカードはA3用紙に貼る ● 全て書き終えたら、仮分類しておく

・下記の①②③のいずれかについて1件1カードにサインペンで書く

①何が出来なければならないか。語尾は「~ができる」

②何を知っていなければならないか。語尾は「~を知っている」

「知っている」=「理解」+「記憶」 ③どんな態度をとれなければならないか。語尾は「~の態度がとれる」

(能力として教育可能なものとし、人格や性格などは書かない)

・他の人との重複は気にしないで書く

・できるだけ表現は明確に書く。2~3行程度で書く

※だんだん、書けなくなくなるが、次の点で見直すと書ける

①場面別、②朝 昼 晩 夜間の時間帯別、③春夏秋冬の季節別、④繁忙期 閑散期 イン

トなどの期間別、⑤緊急時 突発時 災害時などの状態別、⑥難しい相手 外国人 子供など

の人別、⑦安全 衛生 決まり事 法規制など

カードを分類す

る(40 分)

● メンバーのひとりが読み上げ、机に 置いていく。他のメンバーは自分の

カードを置く。

● 同一内容のカードは重ね、少しでも

違う場合はそばに置き、関連カード

は近くに置く。

● 仕事カードを置く。カードには仕事

の内容を記入する。

語尾は「~をする」。

・同一内容のカードは重ねる

・4枚以上重なっている場合には見直す

・類似カードはそばに置く

・関連カード、その仕事に必要

なカードも近くに置く

予約の受付

をする

予約の手続

きができる

・4枚以上の能力カードがそろったら仕事カードを置く

※机の上は広くあけて使う。カードとペ だけでよい。

※机の中心線の方向に並べていく

※「 を知っている」、あるいは「 ができる」だけを集めてグループにしない。

※「基礎知識」、「基本技術」という仕事はあり得ない。

※仕事数は 15 までとし、1 つの仕事は 4~20 の能力カードが属するようにする。

※4 枚以上の能力カードが並んだら仕事カードを置いていく。

※4 枚に満たない場合でも、必要なものは残す。追加して 4 枚以上にすればよい。

※縦方向に伸び過ぎないように、まとめる方向で分類する。

※分類は内容の類似性に注目して行う。

※仕事カードの記入は属する能力カードの内容をもとに上位のイメージを書く。

打ち合わ

せメモ

(A4)

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A Method of Curriculum Development Based on Vocational Ability Structure

主なステップ

手順

主なポイントと図解

能力カードを配

列する(20 分)

● 仕事ごとに能力カードを重要度の順に、左から右へ並べる

● 全てのカードを並べ替え終えた後

に、重要度の水準 A、B、C を決めて、

カード右上の空欄に記号を記入する

・机を分割して 2~3 人で分業する ・能力カードのうち、最も重要なものは左端に、最も重要でないものは 右端に配置する

重要 重要でない

・重要度の判断基準

A:非常に重要で、詳細に知っているか、よくできる B:普通であって、一般的に知っているか、普通に出来ればよい C:あまり重要でなく、概略知っているか、体験していればよい

・分業を終えたら、机を合わせて、分業した成果をチェックする AとB、BとCの境目が分業によって差がないように、修正する ※仕事によっては C のないもの、Aだけのものもある ※能力カード間の関連性、順序性は考えないで重要性だけで決める ※「知っている」と「できる」カードの重要度が同程度の場合「できる」を上位にする。 ※この段階でカード分類を変えたり、重ねないこと。順序づけが出来ないという理由で、まとめてはならない

仕事カードを配

列する (10 分)

● はじめの打ち合わせ内容をもとに、

重要度の高い仕事から上から下へ

並べる。 ● 仕事カードの左上部空欄に順位番

号 1、2、3・・を記入する

● 能力カードの中央上部の空欄にカ

ード番号を記入する。例えば、2番

目の仕事の1番目の能力カードは 「2-1」と記入する

・重要度の最も高い仕事は最上部へ、低いものは下へと配置する ・グループ全員でよく話し合って、順位を決める 重要

重要でない ※打ち合わせメモ(A4 版)を確認し、その内容によって判断する

※建前ではなく実質的な働き方を考えて決める。

「安全関係」は安全担当者でない限りは 1 番にはならない。

※「Aの数が多い」、「カード枚数が多い」という理由で上位を決定しない。

※仕事間の関係性、順序性は考えないで決める。

模造紙に貼り付

ける(10 分)

● 全てのカードを模造紙に貼付ける

● 打ち合わせメモ(A4版)を貼り付

け、作成者氏名、年月日を記入する

・上から仕事番号の順に貼る。能力カードが多い場合は 2 行にしてよい

・空いている場所に打ち合わせメモを貼る

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2

予約の受付を

する

予約の手続きができる

A 2-1

予約の手続き

ができる

A

作成者氏名 年月日

打ち合わせメモ

(A4)

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A Method of Curriculum Development Based on Vocational Ability Structure

主なステップ

手順

主なポイントと図解

エクセルに入力

する(30 分)

● CUDBS ソフトウエアを起動する

● 入力ページの表に入力する

・パソコンを起動して、デスクトップ上にソフトウエアをアップしておく

・一人が読み上げ、一人が入力する

・2台のパソコンで入力して、合成すると早く作業できる

・出力して間違いがないかをチェックする

能力マップシー

ト を 作 成 す る

(10 分)

● エクセルで 「能力マップ」タブを開

●クドバス入力シートから、カード番

号、重要度、能力項目をコピーしてペ

ーストする

●能力マップのスコア記入欄を作成し

て、罫線を入れる

・エクセルシートの「能力マップ」タブをクリックする。

・すべての「カード番号」「水準」「能力項目」をコピーしてペーストする。

・リストの右欄に評価記入欄を挿入する

能力項目の文章

をチェックし

て、修正する

(110 分)

●プロジェクターで投影して、メンバー

全員で検討する。

●能力項目ごとに 「これで 5 段階評価で

きるか」「評価者の解釈を同じにできる

か」で修正する。

●修正箇所は赤文字に変える。

・次の点検項目によって適切な文章に直す。

全般の点検

① 他と同じ内容のものが →削除

② 免許や資格などを書いた→削除

③ 能力とはいえない→削除

④ 「正しく」、「間違えず」、「適切に」、「確実に」がある →この用語を削除

⑤ 語尾が「できる」「知っている」「態度がとれる」ではない →修正する

⑥ 人によって解釈が違う →修正する

⑦ 長文である →短くする

⑧ 「~できる」が、技能項目ではない →知識か、態度に変える

明瞭でない

⑨ 2 つ以上の内容が入っている→1つにする

⑩ 概念が大きく、抽象過ぎる→具体的にする、例えを入れる

⑪ 適用範囲が大きすぎて曖昧になる→範囲を狭くする

⑫ あいまい→明瞭にする

評価できない

⑬ 評価できない→評価できるように変える

⑭ 考え方によって判断が変わってしまう →安定した判断にする

⑮ 考え方によって基準が変わってしまう→基準をブレないように書く

⑯明確に判断できない→明瞭にする →「条件 基準 行動」を入れる

⑰ 常に「3」の判断になってしまう →言葉を点検して分散するようにする

⑱ 「1」か「5」の判断になってしまう →中間の判断が入るようにする

⑲ ケースによって判断が変わってしまう→一定の判断が出るようにする

足りない

⑳ 不足している→付け加える

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