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構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化 山崎 徹ホ Visualization of Vibration Energy Flow on Structure Toru YAMAZAKI* 33 概要:本研究は,振動インテンシティ計測の実用化を目指した基礎研究である。はじめに,振動インテンシティの 新たな波動解による定式化を行い,振動インテンシティの特性について明らかにした。次いで,これまでに提案され ている各種計測方式の比較検討を行い,実用的な計測手法について考察,提案を行った。その後,振動インテンシテ ィ計測を用いた固体伝搬音解析の新たなアプローチを示し,実構造物に適用することで,アプローチの有効性を検証 した。 本研究で得られた成果は,以下の通り。 (1)二次元の振動インテンシティは 位置に依らない平均インテンシティ成分と位置に依存する局所インテンシテ イ成分とに分けることができる。 (2)二次元の振動インテンシティの形態は 振動場が残響的であればあるほど局所インテンシティ成分の割合が大 きくなるため複雑な形態となる O (3) 残響的な振動場の正しい振動インテンシティを計測するためには,半波長当たり複数点の細かさでの計測が必 要である O (4) 有限差分近似を用いる計測方式においては,実用的な加速度計聞編は波長の十分の一程度である。 (5) 多数個の加速度計を使用する方式は,近接場の振動インテンシティ計測が理論的に可能ではあるが,差分近似 誤差の影響によって近接場での計測精度は悪く,近接場での精度良い振動インテンシティ計測は難しい。 (6)実用的な振動インテンシティ計測手法について考察し 5点法と波動分離法を提案した。 (7) 5点法は,遠距離場での完全な振動インテンシティ計測が可能で、あり,位相ずれの影響に頑健である。 (8) 波動分離法は,加振点の位置の特定が可能であり,少数点計調IJに基づき完全に波動成分を分離すれば,平均イ ンテンシティや振動エネルギを容易に求めることが可能となる。 (9) 5点法と波動分離J 去を用いた新しい国体伝搬音解析のアプローチを示し,実構造物でそのアプローチの有効性 を検証した。 Abstrad: Theaim of thissti istoestablisha practicalmeasurementtechniqueof vibrationenergy flow (structuralintensity) on plate structures.Firstly the waveformulation of structuralintensity in far fieldhas been newly derived and thecharacteristicsof intensity have been discussed.Next the(proposed) methods of structural intensity measurement have been compared. Then a practical measurement technique has been newly proposed and ithas been veritied by numericalandexperimentalstudy.Finally the newapproach for the analysisof structure bornesoundhas been shown.Theapproachhas beenappliedtosomeacturalstructures. The conclusionsareas follows. (l) The structural intensity on two dimensional field has two components one is mean intensity component which is independent of the coordinates and the other is local intensity component which depends on the coordinates. 本専任講師,機械工学科 Lecturer. Dep t. of Mechanical Engineering

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Page 1: Visualization of Vibration Energy Flow on Structure構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化 山崎 徹ホ Visualization of Vibration Energy Flow on Structure Toru

構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化

山 崎 徹ホ

Visualization of Vibration Energy Flow on Structure

Toru YAMAZAKI*

33

概要:本研究は,振動インテンシティ計測の実用化を目指した基礎研究である。はじめに,振動インテンシティの

新たな波動解による定式化を行い,振動インテンシティの特性について明らかにした。次いで,これまでに提案され

ている各種計測方式の比較検討を行い,実用的な計測手法について考察,提案を行った。その後,振動インテンシテ

ィ計測を用いた固体伝搬音解析の新たなアプローチを示し,実構造物に適用することで,アプローチの有効性を検証

した。

本研究で得られた成果は,以下の通り。

(1)二次元の振動インテンシティは 位置に依らない平均インテンシティ成分と位置に依存する局所インテンシテ

イ成分とに分けることができる。

(2)二次元の振動インテンシティの形態は 振動場が残響的であればあるほど局所インテンシティ成分の割合が大

きくなるため複雑な形態となる O

(3)残響的な振動場の正しい振動インテンシティを計測するためには,半波長当たり複数点の細かさでの計測が必

要である O

(4)有限差分近似を用いる計測方式においては,実用的な加速度計聞編は波長の十分の一程度である。

(5)多数個の加速度計を使用する方式は,近接場の振動インテンシティ計測が理論的に可能ではあるが,差分近似

誤差の影響によって近接場での計測精度は悪く,近接場での精度良い振動インテンシティ計測は難しい。

(6)実用的な振動インテンシティ計測手法について考察し 5点法と波動分離法を提案した。

(7) 5点法は,遠距離場での完全な振動インテンシティ計測が可能で、あり,位相ずれの影響に頑健である。

(8)波動分離法は,加振点の位置の特定が可能であり,少数点計調IJに基づき完全に波動成分を分離すれば,平均イ

ンテンシティや振動エネルギを容易に求めることが可能となる。

(9) 5点法と波動分離J去を用いた新しい国体伝搬音解析のアプローチを示し,実構造物でそのアプローチの有効性

を検証した。

Abstrad : The aim of this sti助 isto establish a practical measurement technique of vibration energy flow

(structural intensity) on plate structures. Firstly, the wave formulation of structural intensity in far field has been

newly derived and the characteristics of intensity have been discussed. Next, the (proposed) methods of structural

intensity measurement have been compared. Then, a practical measurement technique has been newly proposed and

it has been veritied by numerical and experimental study. Finally, the new approach for the analysis of structure

borne sound has been shown. The approach has been applied to some actural structures. The conclusions are as

follows.

(l)The structural intensity on two dimensional field has two components, one is mean intensity component which is

independent of the coordinates and the other is local intensity component which depends on the coordinates.

本専任講師,機械工学科 Lecturer. Dept. of Mechanical Engineering

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神奈川大学工学研究所所報

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第22号

(2)The complexity of structural intensity increases with the reverberant of vibration filed. It is because the ratio of

the local intensity component to mean intensity component becomes large.

(3)The intensity measurement in large reverberant filed requires many measurement points in a half of bending

wavelength.

(4)The measurement method based upon the finite approximation demands that the space between accerelometers

is one over ten of a bending wavelength.

(5)The measurement method using many accelerometers enables to measure the exact intensity in near field

theoretically. However, the error in the finite approximation and the phase mismatch among accelerometers

prevent from measuring the exact intensity.

(6)A practical measurement technique (5 points method and wave decomposition method) has been newly proposed.

(7)The 5 points method gives the exact intensity measurement in far field and is strong in phase mismatch among

accelerometers.

(8)The wave decomposition method is effective to identify the location of power input, and enables to easily

measure the mean intensity and the vibration energy.

(9)A new approach for the analysis of structure borne sound has been derived. The validity of the approach has

been verified by the experimental application to some actual structures.

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Intensity)として表され,音場内の単位断面積を単位時

間に通過する音のエネルギとして定義される111。音響イ

ンテンシティの当初の計測では,粒子速度を音圧と位相

関係を正しく保った形で直接計測することは困難であっ

たが,現在では二点の音圧の差から粒子速度を近似する

方法111により実用化され,放射音源の位置の特定,音源

からの放射音響パワーレベルの測定などに有効に利用さ

れるようになった12ト151。

一方,固体伝搬音に関しては,音響インテンシティと

同様な概念を持つ振動インテンシティ (StructuralIntensity

または VibrationIntensity)が, 1970年に Noiseuxによ

って, I単位時間に構造物の単位幅当たりを伝わる振動

エネルギJとして提唱され, 一つの計測法が提案された

161。その後, 1976年に Pavicによって有限差分近似を用

いた計測法の提案がなされげ世界的に振動インテンシ

ティに関する研究が行われ181酬 10),日本国内でも 1980年

代から盛んに取り組まれてきた叫121。しかし,音響イン

テンシティ計測とは異なり,振動インテンシティ計測は

実用化されているとは言い難い。これは,音場を支配す

る方程式が二階の偏微分で表現されるのに対し,構造物

の振動場では四階の偏微分で記述されるため,計測すべ

き物理量が多くなってしまうことや,音場の伝搬波動は

疎密波だけであるのに振動場では多様であることなどが

起因している O

国体伝搬音では機械から支持構造物へ伝わる振動や構

造物内を伝搬する振動が問題となり,振動モードに注目

したモード解析法や有限要素法がこれまで振動解析の主

流な手法として使われてきた。しかし, 20~20kHz とい

はじめに

人間を取り巻く環境に多くの機械構造物が出現してき

た現在,快適な住環境に対する配慮が望まれる。機械製

品の開発においては,その性能,耐久性および強度はも

ちろんのこと低振動,低騒音であることが製品価値の重

要な一因となり,機械の静粛性を確保する必要がある。

日常生活の上で問題となる振動・騒音の多くは機械製品

によるものであることを考え併せると,技術者にとって

機械の静粛化のための解析,計測技術の確立はきわめて

重要な課題のーっと言える。

機械騒音には,機械などから直接空気中に放射される

空気伝搬音(Air-Borne Sound),機械などの振動が構造

物へ伝搬し構造物から放射される国体伝搬音 (Structure-

Borne Sound)がある。機械によってもたらされる騒音

の多くは,一般に空気伝搬音よりも固体伝搬音の寄与が

大きい。これは,前者の空気伝搬音が直接三次元的に放

射されるのに対し,後者の固体伝搬音が支持構造物であ

る板やはりだけを伝搬するために伝搬距離に対する拡散

空間が小さくかっ支持構造物全体が騒音放射に寄与する

ためである。

空気伝搬音に関しては,騒音の伝搬場である音場を表

す物理量として音圧が用いられ,主にその計測が行われ

てきた。また,音場をより正しく記述するために粒子速

度の計測も近年の計測技術の進歩によって可能となっ

た。その結果,音圧と粒子速度で表される音の強さや音

響インピーダンスの計測が可能となった。音の強さは音

響インテンシティ (SoundIntensityまたは Acoustic

1.

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構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化 35

う高周波かっ広帯域の振動を対象にする必要のある固体

伝搬音では,共振ピークが多数近接して存在するために

これまでの解析法では解析が困難である。また,固体伝

搬音の発生メカニズムにより 機械から支持構造物への

振動の伝達箇所,構造物内の振動の伝搬経路および騒音

として放射される箇所を知ることの方が,振動モードを

知ることより固体伝搬音解析においては重要である。

以上の背景のもと,振動インテンシティ計測の実用化

を目指した本研究では,これまでに六回にわたって研究

成果の報告側、1181を行い,二次元(平板)の振動インテン

シティの実用的な計測手法の確立を行った。そこで,本

論文では,著者のこれまでの研究に関して,特に丈献

(16)(17)(18)の成果を中心に,平板構造物の振動インテン

シティ計測について示す。具体的には,はじめに二次元

の振動インテンシティの定式化とその特性について論じ

るO 次いでこれまでに提案されてきた計測方式について

検討を行い,実用的な計測手法について考察する。その

後, 5点法と波動分離法に基づく実用的計測手法を提案

し,平板で構成される実構造物への適用について述べ

る。

2. 振動インテンシティ

本章では,振動インテンシティの定式化とその特性に

ついて論じる。なお,構造物の振動にはいくつかの振動

形態があるが,本研究では,固体伝搬音に支配的な曲げ

波のみを対象とする O

2.1 振動インテンシティの定式化

2.1.1 スペクトル表示

本研究では, I単位時間に構造物の単位幅当たりを伝

わる振動エネルギJと定義される振動インテンシティを,

フーリエ変換したスペクトルとして扱うこととする。

Fig. 1に示すような x,y平面を板面としたとき x軸

方向に伝搬する振動インテンシティスペクトル L(x,

y;ω)は,この方向に垂直な微少断面に作用するせん断

ztム

Fig. 1 Forces and moments on a cross section of plate

力 Q"曲げモーメント Mxおよびねじりモーメント九ιによってなされる仕事の和として

L(x,y;ω)=Re[ -jω(Qx • c+ Mx.(fx+ Mxy・θ刊…(1)

c:z軸方向の曲げ変位, ω:角振動数,

(Jx, 9y : x, y軸方向の回転角, j= f工I,*複素共役,Re[ ] :実部。

と表される。

また,せん断力,曲げおよびねじりモーメントは,そ

れぞれ曲げ変位を用いて次のように表せる。

←手,9y= 手dX dV

Mx=-s.也 +v主主lp ¥ar '. aダ j

-・・(2),(3)

-・・(4)

Mxv= -Mvx =BD(l-v)宝L

Y" -v ,- . , axay -・・(5)

Qx=BD I笠 よc"¥ ax3 axJy' /

)

Cり(

Bp=Emh3/12(1-v') :平板の曲げ剛性,

Em:縦弾性係数, h:板厚 v:ポアソン比。

これらの式を式(1)に代入すると, x軸方向に伝搬する振

動インテンシティスペクトル Ix(x,y;ω)が次式のように

表される。

L(x,y;ω) = L,j + Ix̂m+ J;m …(7)

[タ aI θ'c・a'c* ¥ 1 せん断力項 L,j = Re LiwBD( ~I 一一+ニ2- 11

rμ~ ax ¥ ax' ay' / J

|θc Iθ'c* θ'c*¥ 1 曲げモーメント項 Ix̂m=Re↓iωB" ~':> 1一一+v一一11

L -νax ¥ ax' . ay' / J

1 '..T> " ..,acθ2C*1 ねじりモーメント項 L'm=Re 1-)ωIBD (l-v)ー一一一-?-IL ._--v ,- . , ay axJy J

なお, y軸方向に伝搬する振動インテンシティスペクト

ル Iy(x,y;ω)は,上述の式中の xとyを入れ替えるこ

とによって表され,板面上の任意の位置 (x,y)における

振動インテンシティスペクトルは,成分 (L,J,,)のベクト

ルとして表現される O

2.1.2 波動解表示

振動エネルギは波動によって伝搬きれると考えること

もでき,振動面外変位を波動解として得ておいた方が便

利なことも多い。

位置 (x,y)における面外変位5は,次式のように八つ

の波動解の和として記述することができる。

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36 神奈川大学工学研究所所報 第22号

C(x, y)=Ae-J旬 +k川+Be Jlk,x+k,yl+ Ce -Jlk,x-k"I+ De jlk,x-k,yl

+ Ee-'k,x+k,yl+ Fek,x+k"y+ Ge-Iり k,yl+ Hek,X-k,y

-・俗)A~D: 伝搬波の複素振幅,

E~H: 減衰波の複素振幅,

k" Jι: x, y軸方向の曲げ波数。

なお,k" k, は板材の曲げ波数kとは次式の関係にある。

k'=k;+k; -・・(9)

減衰J皮は指数関数的に減衰する性質を持つ波動を表

し,減衰波の影響が顕著な領域は近接場 (nearfield),そ

の影響が無視できるほど減衰した領域は遠距離場 (far

field)と呼ばれる。遠距離場においては,式(8)で記述さ

れる面外変位は伝搬波のみで次式のように簡単となる。

C(x, y)=Ae 比 x+k,yl+ Bejlk,出 γYI+Ce〆k,x-k,yl+De'Ik,x-k,y1

・・・(10)

そのため,遠距離場では次式

宝ι どidX2=kiE'OJF2=-kic …(11), (12)

が成り立つため,式(7)で記述された振動インテンシティ

スペクトルは,遠距離場においては

|θc'* I 1'-2 1 __,-2¥ ac I,(x,ぁω)=jωIBpl-k'Cてー+(k~+vk;) てLÇ*_

C/X C/X

(l-v)笠王立1"'(13) 。Iy Jxay j

と空間偏微分項の次数を低減した式で表すことができる O

さらに,式(13)に式(10)を代入して整理すると,

L(x,y,ω)=2ωBρk2kx (IAI2ー IBI'+ICI2ー IDI2)

+4ω,B~x(kx'+ vki)[Re(AC*e-J2k,y)-Re(BD*e'2k,y)]

・・・(14)

のように,遠距離場における振動インテンシティスペク

トルの波動解表示が得られる。この式から分かるように,

遠距離場の振動インテンシティは,位置に依らない成分

(第一項)と,位置に依存する成分(第二項)とから構成さ

れている。本研究では,前者を平均インテンシティ

(mean intensity),後者を局所インテンシティ(Jocal

intensity),これらの和を全インテンシティ (total

intensity) と呼ぶことにする。

2.2 振動インテンシティの特性

本節では,基本的な平板構造物として周辺単純支持さ

れた矩形平板と遠距離場を対象に,振動インテンシティ

の特性について明らかにする。

2.2.1 矩形平板での検討

加振力 Fが位置 (XF,YF)に作用し,減衰係数 Cで速度

に比例したダンパが位置 (x"yclに設置されている周辺

単純支持矩形平板を考える。この場合の曲げ振動面外変

位の厳密解を求めることはできず,一般にはモード解の

重ね合わせとして表現される。

いま,矩形平板の直交するこ辺に沿った x軸方向, y

軸方向の考慮するモード数をそれぞれ m,nとすると,

曲げ面外変位引土,次式で表される。

山 ω)=ιLLrmpゆ)sinl些)sin f n~) .. .(j5) 叫'Vl m n ¥ a ¥ 0

ただし,

rmp(ω)=

2 Fsin(竿L)sin(キ)十Rsin( m,;:' ) sin (旦雫)ぽ一ω2十(1+jηmJωι

仇思(ザニ4こ)

R=一jwcF

行叫手ドin(千)判手ドin(旦子)zrγω, +(1十jηmn)ωい

M ,. ........ sin'(与三)Birl2(2子);rT ]uJC仲ーω三十(1+jηmn)ω

M:平板全体の質量, ω:加振振動数, m"=ph,

p:平板の密度, a, b :平板の二辺の長さ,

η 平板の損失係数。

これにより求めた面外変位を空間に関し偏微分を行

い,式(7)に代入することで振動インテンシティスペクト

ルを求める。なお,本研究においては,平板す法

600mm X 900mm X 4.5mm,位置 (450mm,200mm)に加

振力lOOON,位置 (150mm,700mm)に減衰係数100kg/s

のダンパ,平板内部の損失係数は Oとし,振動応答が大

きくなる固有振動数近辺で十数種の計算を行った。

(副振動パワーフロー形態

数十種の振動数における振動インテンシティの計算を

行った結果は全て異なるが, Fig.2にその結果のいくつ

かを示すように,ストレート型, Box型, s字型,渦巻

き型などの数種に大別される。その形態については,渦

巻き型以外ではいずれも加振点から減衰点への振動エネ

ルギの流れとなっている。

このことから,振動インテンシティを計測することが

できれば,構造物上での振動エネルギの伝搬経路を解明

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37 構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化

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ー1.0 0.0 1.0 2.0 Propagating power Ilnpul問wer

Estimation of propagating power through a cross section on x-axis -Case of (1,1) Mode 43.9Hz

PowerFlow

Fig. "

(b) (2,2) Mode 175.8Hz

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(a) (1.1) Mode 43.9Hz

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する振動エネルギであるため,それに幅を乗じることに

よって伝搬する振動パワー量の評価も可能である。これ

は,前述の伝搬経路の解明がインテンシティベクトルの

方向成分に注目したものであるのに対し,大きさ成分に

注目したものである。そのため, Fig. 3に示すように,

構造物の任意断面や加振点周りの関空間に沿ったインテ

ンシティを計測し,計測幅を乗じて総和を取ることで,

任意断面を通過する振動伝達パワーや振動入力パワーを

評価することが可能となる O

そこで, Fig.2に示した結果から軸正方向に伝達する

振動パワーの評価を行った。 (1,1)モード時の結果を一例

として Fig."に示す。加振力と加振点応答速度から求

めた真の入力パワーで正規化した伝達パワーは,平板自

体の損失を Oとしているため,加振点より下側で 0,上

側で1,さらに減衰点より上側で Oという結果になるべ

きであり, Fig."の結果には計算の多少の誤差はあるも

のの予測通りの結果となっている。

ー方,入力パワーに関しては,加振点を中心とした半

径lOOmmの円周上の点におけるインテンシティから入

力パワーを求め,真の入力パワーとの比較を行った。そ

の結果を Fig.5に示すが,いずれの振動数でもインテ

ンシティより評価した入力パワーが真の入力パワーと良

く一致していることが分かる。

以上より,振動インテンシティを精度良く計測するこ

とができれば,従来計測が困難であった伝達パワーや入

力パワーの評価が可能となる。

(c)振動インテンシティの構成

振動インテンシティは,式(7)に示したように,せん断

力成分,曲げモーメント成分 ねじりモーメント成分の

(d) (2,3) Mode 243.3Hz (e) (3,2) Mode 327.8Hz (X : Excited position, 0 : Damper position)

Fig. 2 Power flow on plate (some example)

P.n

J 失↓バ斗¥L

〆/τ円九=工L,.1,

(b) Input power

y 九.= IL. .1,

(a) propagating power

P館a

----t惨

L15I2

Estimation of propagating and input power by structural intensity

Fig.3

することができることが分かる O また,渦巻き型を除け

ば,外部からのパワーの流入部,外部への流出部を正確

に知ることができ,間体伝搬音の対策等に有効な知見が

得られる。

(b)伝達,入力パワーの評価

振動インテンシティは,構造物の単位任意断面を通過

Page 6: Visualization of Vibration Energy Flow on Structure構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化 山崎 徹ホ Visualization of Vibration Energy Flow on Structure Toru

~gfO9':;らrljjfji--,.g

第22号神奈川大学工学研究所所報

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3d

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季、.

38

曲げ波数

インテン

なお本研究では,任意に U= V =0.01 + j 0.01,

kx/ム=.{3,大中小三種の反射係数を設定し,

シティは式(]4)から求めた。

三種の振動場における振動パワーフローの算出結果,

平均インテンシティ成分,局所インテンシティ成分をそ

れぞれ Fig.7, Fig. 8, Fig. 9に示す。これらの図には

各方向一波長分のパワーフローが示されているが,どれ

も半波長毎の繰り返しの形態を呈し,反射係数が大きく

つまり振動場が残響的になるにつれ,形態は複雑になっ

ている。平均インテンシティ成分は Fig.8に示すよう

に位置に依らずどの位置でも一定となり,振動場によっ

てベクトルの向きが異なるだけである。一方,局所イン

テンシティは Fig.9のように振動場に依らず同じ形態

• •

2 1.8 1.6 1.4 1.2

0.8 0.6 0.4 0.2 o o

oZ咽』』由主O仏

800

Yメ.. I〆, .〆 y!,,, "'t,,,!! 11.〆〆 1",, 1//ノノ/ノノノノ//...-ι"ノ.//.戸ノ〆"ノ'///------// ......... _ ............. /

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〆モノ〆-/ろ........ /.......-.--. ........ ろ/λx λ x

(b) Medium reflection (c) Strong reflection

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λx

(a) Weak reflection

Itm

Ibm

600 300

Frequency [Hz]

Estimation of input power

400 100

Fig.5

1st 46% 46%

(3,2)Mode

Ratio of power flow components

(2,3)Mode (2,2)Mode (1,1 )Mode

Fig.6

Power flow in far-field

λ xλx

(b) Medium reflection (c) Strong reflection

Fig.7

///.ノ"'/,ノY/毛ノy/,ノY//...-モノy,ノy////////.ノ"'///...-〆y/ノ"'/////,ノy,ノy,ノY/毛ノy/,ノy////τ/...-弓ノノ..... /// ..... 〆y//...-〆y/////////ノメ

λy //,ノ~ノy,ノノノシ4ノ////...-ノy/////毛ノY/,......吃///,ノy///ノ",///////そ/...-そ//,ノ/乍ノy,ノ/毛ノ/モノy,ノノ"'/,ノyノ"ノY/.〆ノy,ノy,ノy/弓/...-ろうろうろ"'//

λx

(a) Weak reflection

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-,.....//ヘー/ヘ~ーベー/ んぷ//ベー/λxλxλx

(a) Weak reflection (b) Medium reflection (c) Strong reflection

;ijsfi:

Mean intensity in far-field Fig.8

三成分で構成される O そこで, Fig.2の振動パワーフロ

ーの各成分の構成割合を調べた。その結果を Fig.6に

示すが,振動数に依らずせん断力成分が半分程度を支配

しており,順に曲げモーメント成分が3割,ねじりモー

メント成分が2割程度となっている。

このことから,振動インテンシティの計測においては,

いずれの成分も精度良く計測することが必要なことが分

かる O

2.2.2 遠距離場での検討

矩形平板の検討結果 (Fig.2)から,振動数が大きくな

るにつれ振動インテンシティの形態は複雑になってい

る。また, ?,成衰波の影響が無視できる遠距離場は加振点

などの不連続部から3/4波長ほど離れた領域(1わであり,

振動数の増加に伴い,遠距離場の領域は広がる。そのた

め,遠距離場に限定して振動インテンシティの特性を検

討することは重要であると共に,議論もしやすい。

そこで,遠距離場を式(10)の等価な次式

iaa軍事;,z・4gd‘Jillil

Local intensity in far-field Fig.9

-・・(16)

日V:x,y軸方向伝搬波の複素振幅

rx, r¥. : X, y軸方向の反射係数

で与え,反射係数によって様々な残響度の振動場を記述

し,インテンシティの特性についてさらに検討を加える。

C(x, y)=(Ue仰 +TxUek,x) (Ve町 +TyVek,y)

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構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化 39

を呈するものの,平均インテンシティに対する局所イン

テンシティの割合(小:11%,中:34%,大:43%)は,

反射係数の増加と共に大きくなっている。

以上から,振動パワーフロー形態を複雑かっ半波長周

期の形態にするのは局所インテンシティによるものであ

る。また振動数の増加に伴い波長は短くなることを考え

ると,正確な振動パワーフロー形態を計測するために

は,半波長当たり複数点での計測が必要で、ある。そのた

め,特に対象振動数が高い場合においては,大規模の計

測が必要となり実用的とは言えない。むしろ小規模の計

測で平均インテンシティが検出できた方が好ましいと考

えられる。そのためには,波動成分の把握が必要となる

が 4章で述べる波動分離法によって可能となる。

3. これまでの計測方式の検討

振動インテンシティの計測は,面外変位に関する物理

量を加速度計やレーザ変位計などを用いて計測し,空間

微分項を有限差分近似して求めることが多い。本章では,

加速度計を用いて複数点の加速度を検出し有限差分近似

を行う方式に限定して議論を行う。

3.1 これまでの計測方式

複数個の加速度計で有限差分近似を行う方式は, 1976

年に Pavicにより最初に提案された1710 Pavicによれば,

一次元の振動インテンシティ計測では三階の空間微分項

を得るためには直線上に並べた 4点の計測が必要であ

り,二次元のインテンシティでは,高階の偏微分項を求

めるのに十分な数として一方向 8点の計測が必要とされ

た。単純にこの方式で二次元分を求めるにはその倍の16

点が必要となり, Fig.l0(a)に示すような配置となる。

また, 16点法の配置に対して X,Yの対称性を考慮して

点数を減らした Fig.l0(b)の配置を用いる12点法が示さ

れている。さらには次元の遠距離場でのインテンシ

ティ計測である 2点での計測に基づき二次元波を各方向

2点合計4点の計測を行う方式 (Fig.l0(り 4点法)も

簡便な方法として用いられている。 2個の加速度計アレ

イだけを用いてアレイをスキャンして最大の大きさ,方

向を計測する 2点法もある。

3.2 各計測方式の比較検討

振動インテンシティを計測する場合,計測誤差をさけ

られない。本研究で検討する有限差分近似に基づく方式

では,検出する点間が有限で、あるため,空間微分量の評

価に差分による誤差が含まれる。また検出器の使用に当

たっては,検出器の計ì~IJ対象への取り付けによる質量な

どの影響,複数の検出器を同時に使用する場合の検出器

の取り付け位置の不確かさ,検出器岡有の特性の違い

(例えば,位相ずれ)などによって計測誤差が生じる。

(a) 16 points method

(b) 12 points method (c) 4 poi附 meth叫

Fig.lO Accererometer arrangement

取り付けの影響や位置の不確かきによる影響について

は,文献(19)(20)に詳しいので,本研究では,有限差分近

似と検出器固有の特性の違いによる影響について比較検

討を行う O なお,検出器固有の特性の違いとは,複数の

検出器を使用する場合に,同じ信号を入力したとしても,

検出器本体,ケーブル,アンプ類,AID変換器などを

経由して計測された信号に違いが現れるようなことを意

味する。特に,加速度計の場合には,加速度計聞の位相

のずれなどがそれに相当する O

なお,有限差分近似誤差に関しては,加速度計間隔 3

と由げ波長 xの比について,計測系の位相ずれによる

誤差に関しては,それぞれの加速度計位置の位相ずれが

振動インテンシティ計測に及ぼす感度という観点から,

個別に加速度計に0.2度のずれがあるとして検討を行う

ものとする。また,振動場としては前述の波動で与えた

遠距離場加振点と減衰点を有す矩形平板を対象とする。

矩形平板では遠距離場領域,加振点と減衰点近傍の近接

場領域とに分けて議論を行うため,近接場と遠距離場が

はっきりと区別できる (3,3)モード395.4Hz時を対象とす

る。

Page 8: Visualization of Vibration Energy Flow on Structure構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化 山崎 徹ホ Visualization of Vibration Energy Flow on Structure Toru

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で,各計測方式の比較を行った結果が Fig.12である。

各計測方式の結果と厳密解とを比較すると, 16点法, 12

点法では誤差がそれぞれ10%程度でありほぼ妥当な結果

と言える O しかし 4点法, 2点法となると80%以上の

誤差が生じており,特に方向については45度程度の誤差

が含まれる O このように,加速度計の個数を減らしてい

くと精度が落ちていることがはっきりと分かる O

(b)位相ずれの影響

16点法と 12点法とで誤差は同程度であるため,位相ず

れの影響は16点法と 4点法 加速度計間隔は波長の

11100と1110について議論する。

16点j去の場合,加速度計間隔が1/100では大きさの誤

差は非常に大きな誤差 (60000%)が生じる O 加速度計

間隔が小さくなると差分誤差の影響は小さくなるが,逆

に位相ずれの影響が0.2度と小さくてもその影響は多大

である。加速度計間隔を1/10と大きくすれば差分による

誤差は最大で35%と小さくなることが分かった。一方,

4点法では,間隔が1/100では67%,1/10で6%と実用

的と言える誤差であった。このように, 16点法が4点法

より位相ずれの影響が顕著に現れた原因としては,三階

の空間微分項を16点法で、求める際に用いられる加速度計

の位柑ずれ感度が大きいためである。

以上から,位相ずれの影響は加速度計を多数要する方

式で大きく,少数個の加速度計を使用する方式は頑健で

あり,前項と同様に加速度計間隔は1/10程度が妥当であ

ると言える。

3.2.2 矩形平板での検討

(a)有限差分近似誤差の影響

この場合も前項と同様に,三種の加速度計間隔で検討

を行った。間隔を大きくすると3.2.l(a)項同様に誤差は大

きくなり,遠距離場領域より近接場領域で誤差は大きく

なった。これは,加振点や減衰点で変位の高階微分で記

述されるせん断力やモーメントがその点において不連続

に変化しているためである。

結果の一例として,間隔を波長の1/10としたときの矩

形平板内の誤差分布を Fig.13に示す。 16点法では,理

論的に近接場での振動インテンシティ計測が可能である

が,近接場領域で誤差が20%を越えている。一方 4点

法では近接場での計測は本質的に不能であるため,近接

場領域での誤差は平均43%と大きく,遠距離場領域にお

いては平均19%程度である。

以上のように,有限差分近似誤差の影響は,遠距離場

領域より近接場領域で大きいことが分かる。

(b){立相ずれの影響

加速度計間隔を波長の1110として, 0.2度の位相ずれ

の影響を検討した。 16点法では,遠距離場領域の方が近

第22号神奈川大学工学研究所所報

3.2.1 遠距離場での検討

(a)有限差分近似誤差の影響

Fig.llに16点法で加速度計間隔を三種に変化させた

場合の比較を示す。この図では,反射係数が大きい場合

のインテンシティを示している O 間隔 δ/Aが0.1までは

あまり大差が見られないが, 0.3ともなると誤差が大き

くなっているのが見て取れる。厳密解との誤差はそれぞ

れの間隔で, 0.1%, 9.9%, 62%であった。これよりイン

テンシティの計測精度という点から加速度計間隔の最大

値は波長の1/10程度と言える。なお,反射係数が小さい

場合には,誤差はそれぞれ0.07%,6.9%, 49%であり,

振動場が拡散的であるほど有限差分近似の誤差は大きく

なっている。

反射係数が大きく,加速度計間隔を波長の1/10のもと

40

ノノノノノノ/ノ//ノノ I ,〆/! t ~戸 t t t # I t If~~tt t 4 ~ t t t ~戸 t t t # ~ t ノノ y メ 11 I ,〆/ノノノノノノ ノ--./ノノノノノノノ ノ..--"ノ

ノノ/ノノノ11///1 t t ~戸 t t rf~~tt t t I 戸 tt 11/ノノノノノ/ノノノノノノノノノ

(c)% =0.3 (b)% = 0.1 (a)% =0.01

Effect of finite approximation

ノノノノノノノ1/ /ノノt t ~ I t ! fl~ltt 1 t ,戸 t! ノノ//ノノノノノノノノノノノノノノ

(b) 12 points method

Fig.ll

ノノノノノノ/1//11 t I ~戸 t t It~~fl t I ~戸 t t /1〆メ/ノノノノノノノノノノノノノ(a) True f10w

戸/,/+14141Hfy/〆/

///!!!/ノノ

y

'

a

a

a

'

F

J

-

-

-

•.

-

+

ノyfffyノノ

y/

,/41ト141F/y/戸/

メ/戸

/fl1iply/〆/ノ/

ノ/f!f/ノノ

y

j

a

-

-

d

F

,JF

f

'

'

a,

ノメ

Fjf41ーメノノ

//4/!!?JY/////

(d) 2 points method

Comparison between several methods

(c) 4 points method

Fig.12

Page 9: Visualization of Vibration Energy Flow on Structure構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化 山崎 徹ホ Visualization of Vibration Energy Flow on Structure Toru

構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化 41

L1

E轍I(

Iril L W

j

事日一

同昔ーr←一

(a) 16 points method (b) 4 points method

(%)

.40 UP

.30-40

図20-30

ロ10-20

口0-10

Fig.13 Magnitude error of intensity in a rectangular plate

接場領域よりも大きく,それぞれ最大誤差は289%,

102%であった。また,位相ずれの感度が最大となるの

は,三階の微分項を差分する際に必要な加速度計の位置

である O 一方, 4点i去の最大の誤差は,遠距離場領域で

53%,近接場領域で49%と大きな違いは見られなかった。

矩形平板においても,多数の加速度計を使用する方式

では位相ずれの影響は大きいことが分かる。また,その

ような方式では理論的には近接場での精度良いインテン

シティ計測は可能ではあるが,加速度計の位置によって

は100%を越える誤差が生じ,近接場での精度良い計測

は難しいと言える。

3.3 実用的な計測方式の考察

3.2節の比較検討から,実用的な計測j方式として,以

下の三点に留意することが必要と言える。

(1)近接場の振動インテンシティを精度良く計測するこ

とは凶難であるため,加振点などの位置の特定には

他の手段を講じる O

(2)遠距離場での完全な計測が可能であり,計測系の位

相ずれなどの影響が小さい少数個の加速度計を使用

する方式を用いる O

4. 実用的計測方式

本章では, 3.3節の考察に基づき,新たに実用的な振

動インテンシティ計測方式として 5点法と波動分離法を

提案し,その有効性を数値計算と実験によって検証する。

その後,国体伝搬音解析を行うための振動インテンシテ

ィ計測を用いた新しいアプローチを示す。

4.1 5点法

減衰波の影響が無視できれば,振動インテンシティは,

式(7)から式(13)と空間微分項の次数を低減することがで

きる。そこで,本研究では式(13)に基つ手きこの式中の空

間微分項を求めるために, Fig.14に示す 5点の加速度

計を配置する 5点j去を提案する。各空間微分項を求める

Fig.14 Transducer array of 5 points method

差分式は以下の通り。

c =C5

ac Cj-C,-C3+C4 。X 2δ

ac Cj+C,-C3-C4 。y 2δ

θ'C Cj-C,+C3-C, 。x.ay δ2

-・・(17)

-・・(18)

-・・(1到

-・・(20)

なお, x,y各方向の曲げ波数成分 kx>k,はFig.14の配

置を45度回転させ,次式から評価するo

Eι2(Cj十C3一2C5) 。X252=-k;5

a'ι2(C'+C 4一2~5~_ 1_' Y

ay'一 δ--"ら

4.2 波動分離法

-・・(21)

-・・(22)

由げ波による面外振動は,式(8)に示したように,伝搬

波と減衰波の和で構成することができる。逆にこれらの

構成成分に分離することも可能である。一次元について

は,構成要素が四つで,四点の振動振幅からあるいは四

種の空間微分項から行列演算により分離算出することが

できた113)。二次元については,波動成分の構成要素が八

つとなるが,空間微分項は独立に六つしか得られないの

で,文献(13)では近接場の項に仮定を設け,構成要素を

六つに削減して分離を試みた。そこで,本研究ではその

ような仮定を用いることなく八つの項を分離算出する方

法を提案する。

4.2.1 振動変位成分への分離

振動変{,I:を構成する八つの成分を伝搬波成分と,近接

場を表す減衰J皮成分のグループに分け,それぞれのグル

ープを以下の方法で求める。

式(8)をxに関して二階微分を行う。

2全与f壬与= 一-kx'乞ど州山Eιじdω,パ刈パ/{A河壮{凶凶A必e-)¥μ川t

い一一 Deμ叩 九州叫Fサ}+k/{Ee-'旬

Ge-I仰Aん旬_,x-k旬,.Jも)斗+Rεがk,x 久町叶Vサ….日ベ.イ(23)3お)

Page 10: Visualization of Vibration Energy Flow on Structure構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化 山崎 徹ホ Visualization of Vibration Energy Flow on Structure Toru

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第22号神奈川大学工学研究所所報42

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得られれば. 2章で示した式(13)から遠距離場の振動イ

ンテンシティを算出することができ 4点の変位情報だ

けの小規模計測で大まかなエネルギの伝搬経路と伝達量

を計測することが可能となる。

4.3 数値的検討

本節では,前述の周辺単純支持された矩形平板を対象

に 5点法による振動インテンシティ計測,波動分離法

による近接場の把握,少数個の計測による平均インテン

シティの算出について数値的に検討を行う O なお,対象

平板の振動変位は前報と同様に X.Y方向それぞれ50モ

ード考慮したモード解の重ね合わせとして求めることと

した。また,振動インテンシティは直接振動変位を空間

微分することで求め,以下これを厳密解と称する。

4.3.1 インテンシティ言十演。

(a)厳密解との比較

実験ではイ固毎に加速度計を配置することは困難であ

り,台座などの上に配置したアレイを用いるのがー般的

である。そのため,加速度計間隔はー定とし,実験と同

様に加速度計間隔を0.0283mとする O 振動インテンシテ

ィの計算は,矩形平板上の縦横50mm間隔の格子点187

点で行う。

式(8)の両辺に-k;を掛けたものと,式(23)との和,差を

求める。

Ae-j'k,x+k,YI+ Bejlk,x+k,yl+ Ce --jlり k¥y)十Dej Ik,x-k,y I

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Ee-1k,x+k,yl+ Fe k,x+k,y + Ge仰 k,yl+ H e k-,x-k,y

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-・・(2日

4.2.2 波動解振幅への分離

振動変{立が二つのグループに分けられ,それぞれ四つ

の項からなる式であるために,任意の 4点の変位情報

(αhα2.α3.α4)を得れば,次式を用いて完全に分離する

ことが可能となる。

仁A l re-Jしいj+k.D'j) e j(k . .xl+k,Yl) e -j(k.y1(j-k¥Yl) ej(九Xj-k¥Yl)l-lr,αII

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・・・(26)

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このようにして振動場を構成するそれぞれの波動成分が

…一一~~一一………一一…ぺ一一…一一二一一一一三………一一一川一…一

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(a) (1, l)Mode 43.9Hz (b) (1 ,2)Mode 84.5Hz (c) (2,2)Mode 175.8Hz (d) (2,3)Mode 243.3Hz (e) (3,2)Mode 327.8Hz

( Upper : By exact solution , Lower: By 5 points method X : Excited position , 0: Damper position )

Simulation results of structural intensity measurement Fig.15

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構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化 43

Fig.15の上段に厳密解,下段に 5点j去による結果を

示す。ここではそれぞれの流れを見やすくすることを意

図してベクトルのスケールは統ーしていなしミ。どちらの

場合も伶}の渦巻き型を除いて加振点から減衰点への流

れを見ることができる。しかし, 5点法の結果では,遠

距離場の仮定を前提としているため, Fig.16に加振点

近傍を拡大した結果を示すように,正確な加振点の位置

を同定することは困難である O

Fig.17は(1,1)モードと(2,2)モードにおける厳密解と 5

点法による結果の大きさの差について比較したものであ

る。各モード時の波長はそれぞれ1.0m,0.5mであり,

波長が短くなると,減衰波による近接場が縮小し遠距離

場つまり 5点法の適用範囲が拡大していることが分か

る。また,定量的な検討として図における上下二等分線

を下側(加振点倶ij)から上側(減衰点側)に通過する伝

達パワーをそれぞれ算出したインテンシティから評価し

た。その結果は厳密解による伝達パワーに対する 5点法

によるパワーの比として Table1に示す。 (1,1)モード以

外では,離散的なインテンシティ算出値を用いているた

めに生じる誤差以内でよく一致している。しかし(1,1)モ

ードについては, Fig.16に示すように伝達パワーの評

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(a) By exact solution (b) By 5 points method

Fig.16 Power flow around excited position

(唱)

4 7

(a) (1, l)Mode (b) (2,2)Mode

Fig.17 Difference between exact and 5 points method (magnitude)

Table 1 Propagating power ratio (5 points method/Exact)

価を行った領域の近接場の影響が10%以上であり,厳密

解では減衰波の影響を考慮できるのに対し, 5点法では

それを無視したものとなるため, 15%の誤差が生じてい

ると考えられる。

以上の検討の結果,近接場を含んだ振動場においても

近接場の影響がなるべく小さくなるような場所において

の許価であれば, 5点i去を用いて振動インテンシティを

精度良く計測することができると言える。

(b)有限差分近似誤差と位相ずれの影響

3.2節同様に,波動解で与えた遠距離場のみを対象に,

有限差分近似誤差と位相ずれが5点法による振動インテ

ンシティ計測結果に及ぼす影響について検討を行った。

これまでの方式では,振動場が拡散的になるほど有限

差分近似誤差の影響は大きくなったが 5点法の場合に

もその傾向は同じであるが,大差は見られなかった。

加速度計間隔は波長の1/10とした場合,前述の通り 16

点法, 12点i去で10%程度, 4点法 2点j去で80%以上の

誤差であったのに対し, 5点法では最も小さく 5%の誤

差,間隔 δ/λが39%の小さな誤差であった。

さらに,位相ずれの影響については,間隔 o/λが0.1

のもと 4点j去が6%であったのに対し, 5点法では同程

度の7%と実用的な誤差であった。

以上のように, 5点法は他の計測方式に比べ,有限差

分近似誤差や位相ずれの影響が小さく,頑健に計測する

ことができる方式であると言える。

(.3.2 波動分離法

(a)近接場の把鋸

平板全面にわたって式(25)を適用すれば,減衰波つま

り近接場を把握することが可能となる。これにより,近

接場でのインテンシティの記述が不能でインテンシティ

計測の利点である加振i原の同定が困難な 5点法をさらに

有効に活用することができる。そこで,前述の矩形平板

を対象に前節と同様な187点において 5点法の加速度

計配置 (Fig.l() を45度回転した状態で,式(24)(25)の α

とs1i直を評価し,二つの成分への分離を試みた。

(1,1)モード, (2,2)モードの場合についての分離結果を

Fig.18に示す。全体の面外変位に対する各成分の割合

は10:1と伝搬波成分の方が減衰波成分より大きいが,同

図(C),(f)の減衰j皮成分より明確に近接場の影響を知る

ことができる O また 5点法による遠距離場のインテン

シティの流れの計測結果と組み合わせることにより,加

振j原の位置を見極めることが可能となる O

Page 12: Visualization of Vibration Energy Flow on Structure構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化 山崎 徹ホ Visualization of Vibration Energy Flow on Structure Toru

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第22号神奈川大学工学研究所所報44

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個存在することになる。そのため,ここでは合計36点に

おいてα,戸値の算出を行った。 Fig.19に(1,1)モード,

(2,2)モードの場合について,完全な波動分離を行い,式

(8)から再構築した面外変位(減衰波を含む)と,式(14)

から再構築した遠距離場での全インテンシティと平均イ

ンテンシティの算出結呆を示す。どちらの場合において

も面外変位が正しく再構築されていることが分かる。ま

た, (1,1)モードの Fig.19(b)の場合には, Fig.17(a)か

ら分かるように減衰波の影響が大きいため, Fig.15(a)

と一致していない。しかし 減衰波の影響が小さい (2,2)

モードの Fig.凶作}は, Fig.15(りと良く一致した結果と

なっており,波動分離が正しく行われていることが確認

できる。さらに,平均インテンシティの算出結果である

Fig.19(c), (f)を見ると,両方のモードの平均的なパワ

ーフローは同様に加振点から減衰点への一様な流れを表

していることが分かる。

次に,算出した平均インテンシティから4.3.1宣告と同様

に図の上下二等分線を通過する伝達パワーの評価につい

て検討を行った。ここでは, 4.2.1節で求めた厳密解によ

る伝達パワーとの比として求めた。 (1,1)モード, (2,2)モ

ードについてそれぞれの比は0.81,0.99となり, Table

の0.85,1.00の値と良く一致しており,遠距離場での

(b)平均インテンシティの算出

式(14)に示すように,遠距離場の全インテンシティが

位置による成分(局所インテンシティ)と平均的な成分

(平均インテンシティ)とから構成されることを示した。

y方向の平均インテンシティは遠距離場の全インテンシ

ティの x方向単位波長時の平均に相当する。そのため,

平均インテンシティが算出できれば平均的なパワーフロ

ーの把握が可能となる。そのため,連続な平面上の任意

の四点の変位情報 (αhα2,α3,α4)を5点j去の加速度アレ

イによって計測し,式(16)に代入,完全な分離を行えば

各伝搬波の振幅を求められ,式(14)より平均インテンシ

ティの算出が可能となる。つまり,四点という少数点で

の計測で平均的な振動パワーフローを検出することが可

能となる(減衰波の各振幅も同時に同様に求められる)。

なお,インテンシティには伝搬波と減衰波との連成成分

も存在するが,平均的な流れという点においては伝搬波

のみを考慮すればよく,また減衰波の影響が小さいとこ

ろでは,伝搬波のみを考慮した遠距離場での扱いで十分

である。

そこで,前述の平板を対象に平均インテンシティの算

出を試みた。対象とする平板には加振点と減衰点がある

ため,それらの点と境界によって連続一様な振動場は 9

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(c) Evanescence Wave Component

o 凹 8

o ∞6

0.004 0.002

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(b) Propagating Wave Component

(1,1) Mode 43.9Hz

0.08

0.06

0.04 0.02 。

(a) Displacement

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42

(の EvanescenceWave Component (e) Propagating Wave Component

(2,2) Mode 175.8Hz (d) Displacement

Numerical results of wave decomposition method for knowing the vibrational field Fig.18

Page 13: Visualization of Vibration Energy Flow on Structure構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化 山崎 徹ホ Visualization of Vibration Energy Flow on Structure Toru

構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化 45

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(a) Reconstructed Displacement

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(b) Total Intensity (c) Mean Intensity

(1,1) Mode 43.9Hz

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(d) Reconstructed Displacement

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(e) Total Intensity のMeanIntensity

(2,2) Mode 175.8Hz

Fig.19 Numerical results of mean intensity

伝達パワーを平均インテンシティから精度良く評価でき

ることを示している。

以上から,少数点での計測により平均インテンシティ

を算出すれば,近接場の影響の小さい領域での伝達パワ

ーを精度良く評価することが可能である。この手法は,

多大な時間と労力を費やし多数点で詳細にインテンシテ

ィを計測するよりも目的によっては便利であり,実用的

な手法であると言える。

4.4 実験的検討

前節では数値計算によって 5点法による振動インテン

シティ計測は遠距離場であれば精度良く計測することが

可能であること,近接場の把握が波動分離法によって正

しく行えること,少数点での計視IJによって平均パワーフ

ローの評価が可能であることを確認した。そこで,本節

では実験的にそれらの事柄について検討を行う。

4.4.1 実験装置

実験対象は前章と同様に鋼製の大きさ0.9mXO.6mX

4.5mmの薄板とし,周辺をナイフエッジ状に支持する

フレームで囲み実験台上に固定した。加振と減衰はそれ

ぞれ点 (0.45,0.2),点 (0.15,0.7)とし,加振には小型加振

器(BK481O)を使用し,入力パワーを計測するためのイン

ピーダンスヘ yド(BK800l)を介して鋼板とボルト留め

した。 i成衰には鋼板にボ、ルト留めした鋼棒 (4mm径)を

砂に理め,その先端には砂との摩擦が大きくなるような

加工を施したものを使用した。 5点i去の加速度計アレイ

は, 5個の加速度計 (BK4393)をFig.却に示すようなジ

ュラルミン製の磁石付き台座(質量29g)上に固定し,

磁石で対象構造物に固定できるものを用い,計測の簡便

化を百十った。前述したように加速度計間隔は一定の

0.0283mである。チャージアンプ,ケーブル及び加速度

計に至る計測系統聞の位相ずれは計測精度に大きく影響

するため,事前に Fig.21に示すように位相ずれが0.2度

以下の計測系統の組み合わせを使用し,特に補正を行わ

なくてもいいと考えた。また,台座の影響は,台座の有

無のインテンシティ計測結果の比較を行い, Fig.22に

示すように概ね1kHz前後までは無視できる程度である

weight=29g

(a) Apparatus (b) Sketch of base block

Fig.20 Array of 5 transducer array method

Page 14: Visualization of Vibration Energy Flow on Structure構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化 山崎 徹ホ Visualization of Vibration Energy Flow on Structure Toru

暗証九ヂ概略~,~付前一一品吋!町内間帯:,",'-' 一一昨 J 叩肘~"~叫?哩明暗薄型駅九覗夢陣ftiI!'l!i

第22号神奈川大学工学研究所所報46

''iliaTS,E,SAT

分離には正弦を使用)は FFTアナライザ (BK2032)で

発生させる。さらに,インピーダンスヘッドによる力,

加速度信号も加速度信号と同様に処理される。

4.4.2 振動インテンシティ計測

計測では数値的検討と同様に50mmX50mmの格子点

毎にら点法加速度計アレイを配置し合計187点で一点毎

Fig.20(a)のアレイを用いて言十浪IJを行った。

振動インテンシティ計測結果の一例は Fig.23の通り

である o Fig.15の数値計算結果と見比べてみると,ど

のモードにおいても振動パワーの流れに対応を確認する

ことができ, (d)の渦巻き型を除けば加振点近傍から減

衰点近傍への流れを観察できる。しかし, (a)の (1,2)モ

ードでは減衰点近傍の流れは数値計算と一致していな

い。これは,ダンパの効果が数値計算の作用とは一致し

なかったためと思われる O

さらに,定量的な検討としてインピーダンスヘッドに

よって計測した加振器による入力パワーと,数値計算と

同様に平板の上下二等分線を通過する伝達パワーの比較

を行った。その結果は入力パワーに対する伝達パワーの

比として Table2に示す。振動インテンシティと計測

格子間隔長さとの積を求めその総和として伝達パワーを

評価する場合,計測間隔と波長の関係によっては正しい

評価が行えないことも考えられる。一般には波長が短く

なるにつれその誤差も広がる O このことを考慮すれば,

Table 2の結果のように周波数が高くなると誤差が大き

くなっていくことが納得できる。

一一一-1-3

1-5

一一-1-2

1-4

2.0

1.5

1.0

0.5

0.0

-0.5

-1.0

-1.5

-2.0 。

{回@白]ZU苛E盟

Eω的問

FE

600 800 1000 1200 1400 1600

Frequency 1Hz] 400 200

Fig.21 Phase mismatches between accelerometers (i-j : phase mismatch between aceelerometer i and j)

一一一Without base block W ith base block

120

妄 100t

E主削}

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80

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一一」600 800 1000 1200 1400 1600

Frequency [HzJ

40

20 0 400

Comparison of measured intensity with or without the base block

200

Fig.22

Experimental estimation of propagating power Table 2

恥10de

Power Ratio

ことを確認している。

加速度信号はチャージアンプ (BK2635)を経て A/D変

換機能を備えたディジタルレコーダ (TEACDR-M3a)に

蓄えリムーバブルディスクに保存される。その後,パソ

コンで FFT演算,インテンシティ計算を行う。また,

加振信号(インテンシティ計測には疑似ランダム,波動 f a r

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(d) (3,2) Mode 360Hz (c) (2,3) Mode 280Hz

Experimental results of structural intensity measurement

(b) (2,2) Mode 208Hz

Fig.23

(a) (1,2) Mode 108Hz

Page 15: Visualization of Vibration Energy Flow on Structure構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化 山崎 徹ホ Visualization of Vibration Energy Flow on Structure Toru

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47 構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化

であることが数値計算によって確認された。この場合,

連続する二次元の振動場毎に任意の四点でのα値を計測

すればよいため, 4.4.3項で用いたデータから任意に四点

づっ選択し検討を行った。その結果,再構築した面外変

位と遠距離場での全インテンシティ,平均インテンシテ

ィを Fig.25に示す。面外変位と全インテンシティの結

果をそれぞれ Fig.2"(叫と Fig.23(b)と比べてみると,

正しく波動分離が行われ再構築がなされていることが確

認できる O

また, Fig.25(りの平均インテンシティからは,加振

点から減衰点、への平均的な振動パワーフローが求められ

ている。そこで平均インテンシティから伝達パワーを評

価し,入力パワーと比較を行ったところ,その比が1.13

となった。詳細なインテンシティ計測に基づいて評価し

た4.4.2項の結果0.71と比較すると,精度が良くなってい

る。 4.4.2項のインテンシティからの評価では, 11点とい

う多くの点で計測を行っているため,一点毎の計測誤差

が積み重なり大きな誤差になる可能性が高く,かつ波長

4.4.3 近接場の把握

数値計算では,波動分離法による減衰波の影響を明確

に観察することができた。そこで,振動インテンシティ

計測と同様な手順で加速度計アレイを45度回転した状態

で合計187点で α,sの値を計測し,成分分離を行った。

その結果を Fig.24に示す。数値的検討同様に面外変位

の主な成分は伝搬波成分であり,減衰波成分の割合は小

さいことが分かる。また,加振点による近接場の影響も

数値計算結果ほどではないものの観察可能である O この

原因は,計測,算出誤差の影響で加振点近傍以外の変位

が減衰波成分に現れているためである。数値的検討では

伝搬波成分と減衰波成分の比が1/10程度であったことを

考慮すれば,誤差に埋もれる程度の小さなものを計測し

ていると考えられるが,今回の結果程度に求められれば

加振点の位置の特定には十分であり,この目的には有効

に活用できると言える。

4.4.4 平均インテンシティの算出

簡便な計測法として平均インテンシティの算出は有効

x x

(b) Propagating Wave Com仰 nent

x

(a) Displacement (c) Evanescence Wave Component

Experimental results of wave decomposition method for knowing the vibrational field (x 10--) in case of (2,2) Mode 208Hz

Fig.24

.、

11111111h

×'.,

、・Q1111111111

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.

. ,

x

(c) Mean Intensity

Experimental result of mean intensity in case of (2,2) Mode 208Hz

(b) Total Intensity (a) Reconstructed Displacement( X 10-6)

Fig.25

Page 16: Visualization of Vibration Energy Flow on Structure構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化 山崎 徹ホ Visualization of Vibration Energy Flow on Structure Toru

; 第22号神奈川大学工学研究所所報48

と計測点間隔の問題もある。それに対し,本項のような

少数点(四点)での計測による平均インテンシティから

の評価では誤差の影響が少ないと考えられる。そのため,

評価値の向上がなされたと言える。また,計測時間,手

間では圧倒的に平均インテンシティを算出する方が簡易

であり,特に,より高い周波数においては詳細なインテ

ンシティ計測は計調IJ点間隔をさらに細かくする必要があ

り,そのような場合に特に平均インテンシティの検出は

便利であろう。

Ln叩 (ω)=2ωBp(kx' + k/)kxGAI'-IBI2+ ICI'ー IDI')-・・(幻)

E=m(F)ftmω2(IAI'+ IBI'+ ICI'+ IDI')

ただし. <入は時間平均 m は構造物の質量である 0

5.2 実験対象

対象とする構造物は. Fig.26に示す L型,箱型の二

種類の平板構造物と. Fig.27に示す軽自動車の左フロ

ントドアパネルである。 L型構造物は一枚の鋼製平板

(板厚 2mm) を平板 1(500mm x 350mm)と平板 2

(400mm x 350mm)となるように折り曲げて製作,折り

曲げ部と相対する二辺を鋼製のフレームに挟み固定条件

に近い状態で実験台にそれぞれ固定しである。平板 1の

固定端側から150mmに至る領域には,他の構造物など

が接続されてエネルギが伝達していることを模擬して,

制振材(厚さ 3mm) を両面に貼付しである。箱型構造

物は銅製平板(板厚 2mm) を折り曲げや溶接で製作,

構造物の底面四カ所で防振ゴムを介し実験台に固定して

-・倒)

lili--ii 'flitseTff!?:tlf?IE'Z1

(a) L-shaped structure

Fig.26 Setup of plate structures

(b) Box-like structure

前章では 5点法と波動分離法を提案し,新たな振動

インテンシティ計測の実用的な手法を示し,構造物の基

本的構成部材である平板単体を対象に,数値的かつ実験

的に実用的計測手法の有効性を検証した。そこで本章で

は,実用的手法を用いた固体伝搬音解析について論じ,

平板を組み合わせた実際の構造物に近いものを対象に,

振動インテンシティを用いた固体伝搬音解析を試みる。

5.1 振動インテンシティを用いた固体伝搬音解析

5.1.1 振動インテンシティ計測

構造物仁で詳細に振動インテンシティを計測すれば,

他の方法では知ることのできない構造物内のエネルギ伝

搬経路の解明に有効である。また,その伝搬量を知るこ

ともでき,構造物をいくつかの要素に分割し要素聞のパ

ワー平衡に注目する統計的エネルギ解析法 (Statistical

Energy Analysis:SEA 法問)の伝達パワーの評価等に援

用することが考えられる。そのために,詳細に振動イン

テンシティを計測するためには 5点j去を用いる。

5.1.2 振動変位成分への分離

団体伝搬音を低減するには,外部から構造物へのパワ

ー入力箇所を明らかにすることが重要である。外部から

のパワー入力筒所を特定するためには,理論的には振動

インテンシティ計測で可能で=あるが,そのような箇所で

のインテンシティ計測は実際には難しい。そのため,パ

ワーの入力箇所を知るために,波動分離法によって減衰

波成分を求める。

5.1.3 波動解振幅への分離

国体伝搬音は,特に大型で複雑な構造物で問題となる。

そのような構造物に SEAi去を適用するとなると,計測

量が膨大となり,計測時間や労力を多大に要してしまう。

そのため,簡易な計測で、振動状態を把握できることが望

まれる。そこで,波動分離法によって各振幅値を求めれ

ば,座標に依存しない平均インテンシティ Ixmeanや波動

分離された振動場全体の時間平均振動エネルギ Eが,

以下のようにそれぞれ算出することができ,計測時間や

労力を大幅に低減することが可能となる。

実構造物への適用5.

Page 17: Visualization of Vibration Energy Flow on Structure構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化 山崎 徹ホ Visualization of Vibration Energy Flow on Structure Toru

プ明曙曹酔句守ド一一~'---'-"柄拘司事担軽""'"',<

49 構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化

x excited posilion 戸・、・、 、K I I ! ~一、

.~ l 't ~ 、

t I ~事巴、 ¥I 1 、¥、、、

戸;?Zlg-牛~〆、 4、 1¥: fT? ー 『 ι- ・ー

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ト晶、、R 、、、t向、司.町 --__ x

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r 〆〆-.1_____1..._>二、 L見事 i司L一:三 己二~ 1/ __L~__L_~ ー

Coupling Line 0.35

0,3

0.25

E 0.2 >. 0.15

0.1

0.05

0 D 0.9

Result of structural intensity measurement of the L-shaped structure at 125Hz octave band

li開 cLir噛.6Li憎A

0.7 0.8 Plale.2

0,6 0.4 0,5

x 1m]

0.2 0,3 Plate.1

0,1

Fig.28

m噌引

・園調官一1

・・・・・・曹務終dun

剖開

amぷ..

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! 13

.._._._._-_._-.

.一、‘. . . ‘・、• f. -、、?・.-• • ‘a -. ,

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12 ‘・ー_._--・E・・ u・ぜ

ある。なお,箱型構造物も厚さ 3mmの制振材を平板4,

5,6,11の一部の両面に、件反13の片面に貼付しである。ド

アパネルは,軽自動車車体全体を四つのリジッドラック

上に設置した状態とし,アウターパネル(板厚0.86mm)

を計測対象とする。ドアパネルの裏面には Fig.27中に

示す位置にサイドインパクトビームが数点で連結されて

おり,水平に二本(設計ライン)となるようなピード加

工がなされている。

なお計測は, 4.4.1項の計測システムと同様であるが,

薄いドアパネルの場合,インテンシティ計測が台座の影

響が無視できるのは700Hz程度までとなる。また,加振

点は L型構造物では平板 2,箱型構造物では平板 1,

ドアパネルでは,フロントパンパ下のフロント補強ピー

Tested left front door panel of a vehicle Fig.27

l _-1

pas加ddafT割符計官eton one side

Results of structural intensity measurement of the box-like structure at 125Hz octave band

Fig.29

Result of structural intensity measurement of the left fromt door panel at 125Hz octave band

Fig.30

ムに設定した 0

5.3 振動インテンシティ計測

5点j去により平板構造物上の多数の点で振動インテン

シティ計測を行う o L型構造物では,制振材を貼付した

場所以外に結合辺と直交する方向に50mm間隔,平行な

方向に25mm間隔の159点,箱型構造物では,両面を制

振材で覆われた平板4,5,6,11では制振材の周囲のみ,片

面を覆われた平板13では制振材を貼付していない平板と

同様に50mm間隔の合計302点, ドアパネルは50mmX

50mmの格子点232点で行う。また,計測した振動イン

テンシティから平板間の伝達パワー量の評価を行い,

SEA法による予測結果と比較を行う O これより,イン

テンシティ計測結果の妥当性, SEA法への援用につい

て検討する O

振動インテンシティの計測結果は1/1オクターブバン

ド毎に処理し,その一例として125Hzオクターブバンド

の結果をFig.28, Fig.29, Fig.30に示す。これらによ

り詳細な振動エネルギの伝搬経路を知ることができてい

Page 18: Visualization of Vibration Energy Flow on Structure構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化 山崎 徹ホ Visualization of Vibration Energy Flow on Structure Toru

第22号神奈川大学工学研究所所報

図SEA.Intensity nunununununu

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EE』ω量ロ且回E=岡田国且ロ』仏

50

125 250 500 1000 Frequency band [Hz)

Estimation of propagating power in L-shaped structure

Fig.31

11・ti--EE''r一一

24rif--ie1jeF?i11

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相11."ELine

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125 250 500 1000 Frequency band [Hz]

Estimation of propagating power in box-like structure

nununununU内

U

。。マ'aURU4句。。

{〉〉

raDZO』

[国亙』

ω章。且白星百四国且口』乱

図 SEA.Intensity

Fig.32

ηυ=2L"1;Siki

125 250 500 1000 Frequency band [Hz)

ここで,Lは結合部長さl'はエネルギ透過率,Si' k,

は要素 iの面積,曲げ波数である。ドアパネル内の散逸

パワー Pd は,式(13)で求めた内部損失率とドアパネルの

振動エネルギ Eから Pd=ωηAによって算出している 0

5.4 振動変位成分への分離

波動分離i去は薄平板理論に基づくため,平板橋造物の

加振した平板 (L型:平板2,箱型:平板 1)を対象と

し,分離結果から加振源の位置の特定を試みる。なお,

対象とする平板の全面を任意の間隔で区切った格子点毎

…(29), (30) Dissipated and propagating power in door panel

ることが分かる。

また,平板間伝達パワー量を計iP'IJしたインテンシティ

によって評価した結果と実用的な精度が確認できる

SEA i去による予測結呆と共に Fig.31,Fig.32, ドアパ

ネルの Fig.30中四辺枠内への伝達パワーと SEA法によ

るドアパネル内での散逸パワーを Fig.33に示す。 L型

では平板2から平板 1,箱型構造物は Fig.29中ライン

A,B,Cをそれぞれ紙面左から右への伝達パワーであるo

Fig.34は, 125Hzバンドにおける結合辺に平行した断

面位置毎の伝達パワー(入力パワーで正規化)を示した

ものであるが,結合辺,加振点の近傍では他に比べ小さ

めの結果となっている。これは 5点法では本質的に近

接場での精度良い計測が不能なため当然であり,近接場

の結果から伝達ノtワーを評価することは精度が保証され

ない。 125Hzの曲げ波長は2π (Bplphωつ1!4 (p:密度,

h:板厚)よりO.4mであることから結合辺,加振点から

O.lm以上離れた遠距離場の結果から伝達パワーを評価

することが重要である。遠距離場のx=O.375mのライ

ン上 (Fig.34中O印)で評価した結果がFig.31である。

なお,箱型構造物のライン A,B,Cは遠距離場に相当す

るO

これらの比較において,違いは2dB程度以下と良く一

致しており, SEA法にインテンシティ計測が適用可能

なことを示し,例えば要素間の伝達パワー計測をインテ

ンシティ計測より実測し,結合損失率などの SEA法パ

ラメータの評価に利用することが考えられる。箱型構造

物の場合では,ライン A,B, Cと伝搬するに従い伝達

パワーが小さくなっていることが定量的に把握すること

ができている。ドアパネルの場合にも定量的に2dB程度

の誤差で計測できていることから,平板に近い自動車の

ドアパネルのインテンシティ計測も可能と言える。ただ

し, SEA i去による伝達パワーの評価には,内部損失率

η1と結合損失率 ηりの評価が必要であり,前者は残響時

間 T刷の計測に基づき式(29)から,後者は理論的に式(ぬ)か

ら算出しているロ11。

η=13.号{"TWlf仙 '

coup~ng fine

Fig.33

1

0.8

0.6

0.4

0.2 。。

Z|E

E1E Q. 0.9

Estimation result of propagating power at 125Hz octave band in L-shaped structure

0.8 0.7 0.6 0.5

x[m]

0.4 0.3 0.2 0.1

Fig.34

Page 19: Visualization of Vibration Energy Flow on Structure構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化 山崎 徹ホ Visualization of Vibration Energy Flow on Structure Toru

",-~弔務啓司理想.... 務所九一々 淳司有~や.~可--.-事一司F-y"='-"j-";~-.T 一神曙蒋贋寝現摂野手予明世お マ常

51 構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化

いては平板2を,箱型構造物では平板 2,8,9を対象と

する。ここでは,各平板の任意に選定した四点で式(24)

中の α値の計測を行う。その後,式(8)により各伝搬波

振帽を求め,式(27),式(28)から平均イシテシシティ,振

動エネルギを算出する。また 平均インテンシティから

平板閣の伝達パワーを評価し, 5.3節の結果と比較する。

さらに,振動エネルギの結果を多数点で計測し求めた結

果と比較を行い,簡易計測による平均インテンシティ,

振動エネルギ評価の有効性を検証する。

波動解振幅への分離から算出した平均インテンシティ

の結果を多数点で行った5.3節の計測結果と共に Fig.37,

Fig.38に示すが,波動分離j去によって平板要素あたり

4点だけの計iHIJで平均的な振動エネルギの流れ(平均イ

ンテンシティ)が分かる。

また, Fig.39には,平均インテンシティで評価した

。Decomposition result of evanescence wave group in plate.2 of L-shaped structure at 160Hz

Fig.35

-"・ー ・ー ι ι 』

ι .一一 ι •. ・ ι ー

‘-・、一‘~‘..-...ι ιι ・ιιιι

ーもー ι-.ーもー

も ι ・」ー_.--ーも一

ι ι ιι ・・一 九

C[m) 2.Ox10--a

c [m] 1.011:10

0.Ox10合

に式(25)中の値の計潰tlを行う必要がある。ここでは50mm

間隔の格子点 (L型:56点,箱型:36点)で行う。

L型,箱型両構造物の波動成分への分離結果のうち,

減衰波成分を Fig.35,Fig.36に示すが,それぞれ点

(O.785m,O.12m),点 (O.15m,O.25m)の位置に急峻なピー

クを確認できる。これらの位置は,実際に L型,箱型

構造物を加振した点と一致しており,波動分離法によっ

て平板構造物の外部からのパワー入力箇所である加振点

を把握可能なことが検証できている O

なお今民lの場合には,加振点がある平板要素が予め分

かっていたため, L型構造物で56点,箱型構造物で35点

という多くの点で P値の計iHIJを行った。実際に加振点

がありそうな領域が分からない場合には,はじめに振動

インテンシティを 5点法で計測し,加振点が存在しそう

な領域をある程度確認した後に,その領域内の多数の点

で p値を計測することが,より正確な加振位置を得る

ためには必要であろう O

5.5 波動解振幅への分離

この子法も前節と同様に平板構造物に限定され,振動

場がひとつの式で記述できる場合に限られる。そのため,

一つの振動場として扱える平板のうち, L型構造物につ

(b) Dir,巴ιtlymeasured intenstiy

Results of mean intensity and directly measured intensity in L-shaped structure at 125Hz octave band

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l

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Plate.2

Plate.8

(a) Mean intensity

Fig.37

る........ーーー.......・・・ーーーーーーーー..

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p

p

。。Decomposition result of evanescence wave group in plate.1 of Box-like structure at 180Hz

y[m]

Fig.36

(b )Directly measured intensity

Results of mean intensity and directly measured intensity in box-like structure at at 125Hz octave band

(a) Mean intensity

Fig.38

Page 20: Visualization of Vibration Energy Flow on Structure構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化 山崎 徹ホ Visualization of Vibration Energy Flow on Structure Toru

dE-F

,‘,E

・EESFB

‘,e'字ty--,

411tile--!;tAHfsfi--zzrL晶画軍

FIF

(4)有限差分近似を用いる計測方式においては,実用的な

加速度計間隔は波長の十分の一程度である O

(5)多数個の加速度計を使用する方式は,近接場の振動イ

ンテンシティ計測が理論的に可能ではあるが,差分近

似誤差の影響によって近接場での計測精度は悪く,近

接場での精度良い振動インテンシティ計測は難しい。

(6)実用的な振動インテンシティ計測手法について考察

し 5点j去と波動分離法を提案した。

(7)5点法は,遠距離場での完全な振動インテンシティ計

測が可能であり,位相ずれの影響に頑健である。

(紛波動分離j去は,加振点の位置の特定が可能であり,少

数点計測に基づき完全に波動成分を分離すれば,平均

インテンシティや振動エネルギを容易に求めることが

できる。

(9) 5点法と波動分離法を用いた新しい国体伝搬音解析の

アプローチを示し,実構造物でそのアプローチの有効

性を検証した。

第22号神奈川大学工学研究所所報

園Meanintensity .Intensity nunununununu

oO

マrCora凋

{〉〉

]NFDF』@」

[m豆』@章。丘町EZ冊目

Eea

52

125 250 500 1000

Frequency band 1Hz]

Propagating power from plate.2 to 1 of L-sha酔 dstructure estimated by measured and by mean mtensity

Fig.39

図 Amplitudes.Oirect nunununununU

。。,,aURU必斗

qd

[ユNFDF4E

{国司}h白』@EOEDZ聞」且-〉

1) F.].Fahy,“Sound Intensity", E & Fn Spon, an imprint of Champan & Hall (1989) 2)矢野博夫,橘 秀樹,“建築音響における音響インテンシティ計調IJ法の応用ぺ日本音響学会誌,Vol.43 (12) (1987), p.966

3) 日高新人,安久司郎,橘 秀樹,“複素音響インテンシティによる音場解析日本音響学会誌,Vol.43 (12) (1987), p.994

4)橘 秀樹,日高新人,“チェロの音響放射特性の可視化音響学会誌,Vol.46 (10) (1990), p.864 5) M.Kamata, T.Yamazaki, H.Ikeda and N.Baba,“Sound Power Detennination Method for Large Scale Sound Sources", Proc. of ASA and AS] Third Joint Meeting, Honolulu, 3pEA4 (1996), p.247 6) D.U.Noiseux,“Measurement of Power Flow in Uniform Beams and Plates",]. Acoust. Soc. America, Vol.47 (1970), p.238 7) G.Pavic,“Measurment of Structure Borne Wave Intensity, PART I : Formulation of the methods", ]. Sound and Vibration,

Vol.49 (1976), p.221 8) 2nd International Congress on Acoustic Intensity, Measurement Techniques and Applications, Senlis (France) (1985)

9) 3rd International Congress on Intensity Techniques,

Structural Intensity and Vibrational Energy Flow, Senlis (France) (1990)

10) 4th International Congress on Intensity Techniques, Structural Intensity and Vibrational Energy Flow, Senlis (France) (1993)

11) 上玉利恒夫,“ノ、イブレ←ションインテンシティの計測理論自動車研究, 7-5(1985), p.25

12)大門静史郎,左藤利和,石川正臣,“振動インテンシティについて騒音制御,Vo1.10, No.4 (1986), p.26

13)鎌田 実,島谷和憲,“振動インテンシティ計測に関する基礎研究(第 l報,理論的検討)¥日本機械学会論文集 (C編入 57巻,535号(1991),p.700

14)鎌田 実,島谷和憲,“振動インテンシティ計調IJに関する基礎研究(第2報,実験および考察)" ,日本機械学会論文集 (C編),57巻, 536号(1991),p.ll96

15)小泉登男,鎌田 実,“振動インテンシティ計測に関する基礎研究(第3報,種々の方法の検討)",日本機械学会論文集 (C編j

58巻, 547号(1992), p.774 16)鎌田 実,山崎 徹,長谷弘道,振動インテンシティ計測に関する基礎研究(第 4報:2次元の詳細検討),日本機械学会論文集

献文考参125 250 500 1000

Frequency band 1Hz]

Vibration energy of plate.l estimated by directly measured accelerations and by decomposited amplitudes in case of L-shaped structure

FigAO

言宰

89語

agee-j智

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J4152弓

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WF94が

;''4eel--'s'31

日本平板間の伝達パワー量, FigAOには波動分離によって

評価した振動エネルギを,それぞれ多数点で計測して求

めた結果と共に示す。伝達パワー量,振動エネルギ共に

精度良く求めることが可能であることが確認できる。そ

のため,振動エネルギの大まかな伝搬経路やその伝達量

などを簡単に知りたいという場合に,少数点計測に基づ

く波動解振幅への分離は,時間や労力の面で有効でえある

と言える。

本研究では,二次元の振動インテンシティの実用的な

計測手法の確立を目的とし,振動インテンシティの特性,

実用的な計測手法の考察を行い, 5点法と波動分離法を

提案した。本研究で得られた成果は以下に要約される O

(l)二次元の振動インテンシティは,位置に依らない平均

インテンシティ成分と位置に依存する局所インテンシ

ティ成分とに分けることができる。

(2)二次元の振動インテンシティの形態は,振動場が残響

的であればあるほど位置に依存する局所インテンシテ

ィ成分の割合が大きくなるため,複雑な形態となる O

(3)残響的な振動場の正しい振動パワーフローを計測する

ためには,半波長当たり複数点の細かさでの計測が必

要である。

おわりに6.

Page 21: Visualization of Vibration Energy Flow on Structure構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化 山崎 徹ホ Visualization of Vibration Energy Flow on Structure Toru

明輔甥腫醒野早野壊翠詩想罵!""""'" プ芳明朝彦F 寸 ず I'"Tr-吋 """.''''''1: 一一一 b有罪費用聞帯F勾~摂理彰 哩明m 哨

構造物を伝搬する振動エネルギ流の可視化 53

(C編入 62巻594号(1996-2),p.35 17) 山崎徹,鎌田 実,振動インテンシティ計調IJに関する基礎研

究(第 5報 2次元の実験的検討),日本機械学会論文集 (C編入

63巻, 608号 (1997-4), p.50 18) 山崎徹,鎌田 実,振動インテンシティ計測を用いた固体伝

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