ツイッターで災害情報の発信と共有 レジリナイトvol.2 平成28年6月21日

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和光市龍ケ崎市事例考察 レジリナイト Vol.2 平成28年6月21日 稲野 一般財団法人道路新産業開発機構 (前 国土交通省国土技術政策研究所) 1

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和光市と龍ケ崎市の事例考察レジリナイト Vol.2 平成28年6月21日

稲野 茂一般財団法人道路新産業開発機構(前 国土交通省国土技術政策研究所)

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自己紹介と注意事項稲野 茂(いなの しげる)

• 国土交通省職員(主に道路関連を担当)• 昨年9月まで国土技術政策総合研究所(国総研)• 昨年10月から一般財団法人道路新産業開発機構このスライドの内容は、自治体の取り組み等を踏まえて、個人の考えをまとめたもの研究所及び財団等との関係は、ありません

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災害の発生直後の課題が

• 被災地にいる人➔ 周囲の状況は? 近くに要救助者は?• 勤務中、離れた自宅周辺で災害発生➔ 家族の安否は? 自宅周囲の状況は?帰宅経路の状況は?

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災害の発生直後情報不足の解決策• 現地の人(一般住民)が• 現地の状況を• 情報発信(ツイッターに投稿)▼訓練を実施し、その結果を考察

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埼玉県和光市の事例• 平成26年6月1日、埼玉県和光市は、災害時ツイッター活用訓練を実施(市民へ現在地の状況の投稿を呼びかけ)• ハッシュタグは、#和光市災害• 訓練後の6月25日、ゲリラ豪雨発生の際、市内の冠水等の状況を伝える投稿があり、状況把握に役立った• その後も、大雨等の際に、市内の状況を伝える投稿あり

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防災訓練(平成26年6月1日)でツイッター投稿を呼びかけた

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和光市 防災訓練の投稿例

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訓練は成功• 訓練の依頼に応じ、多数(137件)の的確なツイッター投稿が得られた• ニュースの影響と想定されるイタズラ投稿は、少数(13件)かつ一過性で、気にする必要なし• 日本初*のツイッターハッシュタグを活用した市民協働の防災訓練は成功(*平成26年6月1日時点、個人調べ)

…と思っていたところ、6月25日にゲリラ豪雨が発生8

ゲリラ豪雨、当日の投稿

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新聞記事によるとこれは使える!• 和光市は、大雨への対応検討においてツイッター情報を参考にした、とのこと• 和光市の松本市⾧のコメント「ビジュアル面も含め、瞬時に被害の把握ができたことは大きい。」

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茨城県龍ケ崎市の事例• 平成28年6月5日、茨城県龍ケ崎市は、災害時ツイッター活用訓練を実施(市民へ現在地の状況の投稿を呼びかけ)• ハッシュタグは、#龍ケ崎市災害• 訓練により、市内の状況を伝える数多くのツイッター投稿が得られた

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龍ケ崎市による訓練参加よびかけ

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訓練の投稿例

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訓練の投稿例

ジオタグ15

ジオタグ付き投稿の表示例1(webサイト「ちずツイ」を活用)

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ジオタグ付き投稿の表示例2(webサイト「ちずツイ」を活用)

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「ちずツイ」の表示例

18この表示例は、龍ケ崎市の訓練とは関係ありません

ジオタグ+ツイッタージオタグが添付されたツイッター投稿はPCやスマホで、地図上に展開して閲覧可能(webサイト「ちずツイ」等を活用)▼

さらにジオタグ付きの投稿は、ウソ・デマの可能性が低いと想定19

俯瞰的な状況把握に効果的

住民へツイッター投稿を呼びかける方式▼浸透すれば迅速に多数の有益な情報が集まる• さらに様々なメリットあり新規投資のコストゼロで実施できるハッシュタグ検索で情報の抽出が簡単ジオタグ活用で俯瞰的な状況把握が可能市役所等が機能停止しても大丈夫イタズラ投稿は、気にする必要なし投稿の信頼性評価は、事後対処可能と想定 20

注意事項• 避難等が必要な状況下では、住民に投稿を求めてはいけない• 人がいない場所の情報は得られない• 通信が途絶したエリアの情報は得られない• 個々の投稿の信頼性は保証されない• それでも、メリット絶大!

21注意事項!万能ではない

アクティブ・ソナー• ツイッター投稿の呼びかけ方式は、言わば、アクティブ・ソナー(呼びかけが探針音)• 呼びかけに呼応した投稿をハッシュタグ検索で、簡単に抽出して活用• 一般的なツイート分析は、黙って聞き耳をたてるだけのパッシブ・ソナー• 膨大な投稿の中から必要な情報抽出が難しい

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災害時の自情、共情、公情(誤字・誤変換ではありません。造語です。)

■自情– 自分自身で、直接、現場を見て確認した情報– 情報を得られる範囲が限定される■共情– 各自が得た情報(自情)をネット上に投稿して共有– 情報の集約・共有にツイッターとハッシュタグを活用■公情– 行政等の公的機関やマスコミから出される情報– 公的機関の情報は、出るまで遅いケースが多い←個人の感想– テレビのニュースは目立つ箇所が中心で、知りたい情報が得られない←個人の感想

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災害情報システムと住民これまでの災害情報システム住民は情報の受け手

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これからの災害情報システムスマホとソーシャルメディアの普及を踏まえ住民は情報の受信+発信主体とすべきさらに原則、全ての情報をオープンにすべき

災害情報の集約・活用イメージ(理想)国・県住民(TWユーザ)

現地の災害情報を集約(ハッシュタグ、位置情報、画像)

民間企業市町村

住民(TWユーザ)市町村

国・県民間企業

キュレーター

住民(ネット使えない人) 25

災害情報の伝達には、最新の情報サービスを使うべき

小江戸川越ブログ より26

災害情報の伝達には、日常的に使われている最新の情報サービスを使うべき• 昔半鐘、サイレン

• 約半世紀前~現在拡声器、ラジオ、テレビ、電話、FAX電子メール、ホームページ災害時に使われない災害専用ガラパゴスシステム

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• 今、これからの主役スマホ+ソーシャルメディア(ツイッター)

やらなわからしまへんでサントリー創業者 鳥井信治郎 の言葉

小理屈を並べても、物事は運ばない。とにかく実行して、そこから学びながら、次のアクションを考えたらええ。28

訓練の実施を検討したいそんな場合は

お気軽に、ご連絡下さい29