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食事シートの使い方 ミールラウンドの実際15
全国高齢者ケア研究会
わたしたちのやりたいケア 介護の知識 50 食事シートの使い方 ミールラウンドの実際
食事は高齢者の健康状態を維持する上でとても重要です。重度の身体機能の低
下や障がいのある方に対しては、多職種(医師、看護士、管理栄養士、介護職、
セラピスト、相談部門等)のチームで観察と評価し、方針を出していくミールラ
ウンドが必要です。
対象者が重度になればなるほど、ミールラウンドで検討された高度で複雑なケ
アの標準化が必要となります。そのケア内容を 1 枚のシートにまとめたものが
「食事シート」です。
このシートを使うことで、新任職員も高度で複雑なケア内容を共有することが
できます。
Ⅰ.食事シートとは
食事シートの使用目的
➀介護・看護・栄養・リハ部門の情報共有
②食事ケア方法のスタッフ間での標準化
③食事ケアの現場での再確認
食事シートの記入内容
➀食事姿勢(ポジショニングがわかる画像をつける)
②食事形態(食器/自助具/配置位置がわかる画像をつける)
③介助の方法(個別の方法を具体的に記入)
④注意事項(個別の注意点を具体的に記入)
⑤その他(食前のリハビリや口腔ケアなどを必要に応じ記入)
※各ポイントについては介護の知識 50 第5回〜第17回を参照。
食事シートの作成と更新
誤嚥のリスクが高い人や食事ケアの対応が難しい方について作成する。状態
の変化に応じて更新する。
(例)・新人職員が配置されるとき(ユニットやグループ)
・退院時の状況にあわせて
・誤嚥のハイリスクがあるとき
・看取り期
・新規入居者のケアの統一のため
・円背のひどい方
食事シートの設置場所
食事シートはスタッフがケアするとき、手元ですぐに確認できる場所に置きま
す。
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食事シートの使い方 ミールラウンドの実際15
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(例)・スタッフのデスク(食堂に近い場合)
・利用者の車椅子のポケット
・配膳するテーブルに設置
※ )必ず手元で確認できることが重要です
Ⅱ.食事シートの活用方法A)【基本シート】
(使用時の方法)
➀ 新しく入居時、誤嚥リスクが高いため専門職で検討し作成
② リクライニング型車椅子の後ろにカードにしてつるす
※ A5 用紙両面印刷しラミネートしました。 ③ 食事介助に入る時、そのつど確認します
(1)食事姿勢
⇒椅子 /車椅子の使
用方法、ポジショ
ニング方法など※
画像を使うとわか
りやすい
(2)食事形態等
⇒特別に必要な食器
/自助具、配膳方法
など。
※画像を使うとわか
りやすい
※とろみの使用方法
については別途と
ろみの目安を用い
る
(3)介助方法
⇒食事摂取 の 目安
(アプロ-チ方法や
時間など)。一口
量や摂取ペースな
ど。
※必要に応じて中止
の目安など補足す
る
(4)注意点
⇒とく に注意すべ
きこと。誤嚥や食
事水分低下につな
がる可能性がある
対応など補足。
(5)その他
( 1)( 1)( 1)
( 2)
( 4)
( 5)
( 3)
食事シートの使い方 ミールラウンドの実際15
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④ 介助方法の統一のため言語聴覚士(ST)が現場で指導。
B)【応用シート】食事の摂取が難しい方、ポジショニングで細かな設定が必要な方は、必要な
項目を詳細に書いた「応用シート」を、基本シートの他に別紙としてつけま
す。
(使用時の方法)
① 状態変化(ムセ込が多くなっている)にともない、姿勢/介助方法を再チェ
ックし注意事項のみすぐに更新
②食事介助時テーブルに常時設置し確認
③ 姿勢の統一のため、毎食介護主任または ST が現場指導
④関わるユニットスタッフが全員対応できるまで継続
Ⅲ.留意すべきこと
食事シートを効果的に活用するための工夫として以下のことに留意
します。
☑シートの作成は一目でわかりやすいように画像を使う。
※)ただし、姿勢の確認は細かな微調整をふくめ必ず現場で指導する。
☑シートを作成し設置する際は、必ず現場スタッフへ伝え、必要
に応じて、実際に見せる。
※)シートを手元で確認する意識づけもあわせて行う。
☑シートに示されている方法でうまくいかない場合や状態が安定
しない場合は、すぐに確認しケアの見直しをはかる。
☑基本的な知識は、内部研修で必ず伝えておく
⇒食自前のリハビリ
や口腔ケア方法。
※)1
ガリラヤ荘では、
基本シート以外に
注意点のみを更新
しシートを追加し
ています。
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Ⅳ.ミールラウンドの実際ミールラウンドの対象者
① 摂取困難(食事の形態や量や時間、咀嚼力等)な方
② ムセが出てきている、誤嚥のリスクの高い方
③ 終末期で食事が多くとれない方
④ 食事の姿勢がとりづらい方
などスタッフが食事介助に困難を感じている方が対象です。
ミールラウンドの方法
➀ 多職種(医師、看護職、管理栄養士、歯科衛生士、リハ職、介護職)が参加
② 食事の場面を観察
③ カンファレンスにて対応を検討し方針を決める
④ 実践(この際に、食事カードを作成しケアを統一する)
⑤ 評価する
ミールラウンドの参加者は以下の『食事ケアのチェックポイント』を参考に
ミールラウンドでチェックし、それぞれの視点で検討し今後の目標、対応を決
める
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