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国民健康保険勝浦病院改築基本構想

平成 29年 3月

徳島県勝浦町

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目  次

はじめに····································································································1

1 病院を取り巻く医療状況(1)医療提供体制の政策···········································································2(2)人口の減少と高齢化···········································································3(3)勝浦町住民の医療需要········································································4(4)南部Ⅰ保健医療圏および勝浦町の医療提供体制·····································7

2 勝浦病院の現状と課題(1)病院の概況·······················································································9(2)職員配置の状況··············································································10(3)取扱患者の状況··············································································11(4)経営状況························································································12(5)問題点と課題··················································································12

3 新病院と施設整備の方向性(1)新病院の方向性··············································································14(2)診療体制························································································19(3)施設整備の方向性···········································································20

4 新病院改築事業計画(1)敷地条件························································································22(2)土地利用計画··················································································22(3)配置計画························································································23(4)災害時対策·····················································································23(5)計画概要························································································23(6)整備スケジュール···········································································24

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はじめに

 国民健康保険勝浦病院(以下「勝浦病院」という。)は、昭和 25年に国民健康保険直営横瀬病院として開設し、昭和 56年 3月に、現在の場所に国民健康保険勝浦病院として移転改築しており、開院以来、地域医療の拠点としての役割を果たしてきました。

この間、以下のように医療を取り巻く環境は大きく変貌しました。

① 人口の減少と高齢化② 疾病構造の中心が急性期から生活習慣病などの慢性期の疾患への移行③ 車社会への移行による受療行動の変化等

勝浦町地域包括ケアシステム構築

我が国の医療は、「治す医療」から介護と連携し「治し支える医療・介護」への転換を図る

ことが喫緊の課題となっています。

勝浦町においても将来にわたり町民の皆様に「安全・安心の医療の提供による地域医療への

貢献」をするため、2025年を目途に地域の実情にあった地域包括ケアシステム(医療・介護・予防・住まい・生活支援が確保される体制)の構築が求められており、病院や介護保険施

設などが併設されている現在の病院周辺地域を「医療と福祉ゾーン」と位置付け、医療と介護

の連携や地域で患者を支える体制づくりについて推進することが重要です。

その中でも、勝浦郡内で唯一の入院機能を持つ病院である勝浦病院は、地域包括ケアシステ

ムの構築に寄与するため、その中核施設の一つとして整備する必要があります。

    新勝浦病院構想

こういった医療環境が大きく変化を遂げる間に、勝浦病院の施設は、築 35年を経過し、建物の老朽化が進むとともに、効率性や安全性、さらには快適性に欠けた医療施設になっていま

す。また、時代の医療ニーズに併せて、増改築や医療機器の導入を進めていましたが、すでに

手狭で、このままの状態では新しい医療ニーズに対応することが難しいため、改築が必要な段

階にあります。

基本構想では、地域包括ケアシステム構築への寄与をはじめ、勝浦町住民のかかりつけ医と

しての機能、更には在宅医療の推進のため、新病院に必要な主要機能・適正な規模・診療科な

どを定め、今後の改築に関する計画の基本とします。

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1 病院を取り巻く医療状況

(1)医療提供体制の政策

病院や診療所の医療提供制度や基準については、医療法を基本に進められています。こ

の中で、都道府県に対し、地域の実情を踏まえた医療計画を策定し、効率的かつ効果的な医

療の提供を進めることを求めています。徳島県では平成 25年に県を3つの保健医療圏(以下、「医療圏」という。)とする第6次保健医療計画を策定しました。医療計画では、5疾

病5事業及び在宅医療を推進することを中核に医療機関の役割分担とその連携を定めていま

す。

一方、平成 37(2025)年を目途に効率的かつ効果的な医療提供体制の構築と地域包括

ケアシステムを構築することとしています。効率的かつ効果的な医療提供体制の構築では、

病床機能報告制度を創設し、都道府県には地域医療構想の策定を求めています。

先ごろ公表された徳島県地域医療構想では、南部医療圏の必要病床数を図表 1-1のとおりとしています。これによると、現在(平成 26年 病床機能報告)と平成 37年の必要病床

数を比較すると急性期病床が過剰で、回復期病床が不足しています。慢性期については、入

院から在宅医療へとシフトをすることを想定し減少しています。

図表 1-1 平成 37年の必要病床数と現在の病床数

405

790

278

574

179

514

613

557

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900

高度急性期

急 性 期

回 復 期

慢 性 期

平成26年病床機能報告での病床数(床)A 平成37年必要病床数(床)B

226床

276床

△ 335床

17床

注1) グラフ内の病床数は、将来の過不足病床数 A-B

2) 病床数合計 平成 37年:1,863 床  平成 26年:2,047 床

《参考》徳島県の 2次保健医療圏における基準病床数(療養病床及び一般病床)

保健医療圏名 基準病床数既存病床数

(H24.3.31現在)過不足病床数

東 部 5,165 床 7,887 床 +2,722 床

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南 部 1,374 床 2,102 床 + 728 床

西 部 486 床 1,251 床 + 765 床

合 計 7,025 床 11,240 床 +4,215 床

注 出典:第 6次徳島県保健医療計画(平成 25年 4月)

(2)人口の減少と高齢化

徳島県のすべての医療圏で人口の減少と高齢化が進んでいます。国立社会保障・人口問

題研究所によると、徳島県の人口は、平成 27年の 755,619人が 37年に 686,332人、47年に 610,592人(対 27年 19%減)に減少すると予測されています。65 歳以上の人口が

占める割合は、平成 27年 31.3%が、37年に 35.8%、47年に 38.1%に高まると予測し

ています(図表 1-2 参照)。

勝浦町については、平成 27年の 5,429人が 37年に 4,796人、47年に 4,304人(対27年 20.7%減)に減少すると予測されています。65 歳以上の人口が占める割合は、平成

27年 38.6%が、37年に 41.1%、47年に 37.0%と予測し、人口の減少や高齢化は、県と

比較し急速に進んでいます(図表 1-3 参照)。

図表 1-2 将来人口予測(徳島県)

755,619 722,519 686,332 648,962

610,592 571,016

236,255 247,105 245,950 239,662 232,391 229,820

123,360 129,177 146,009 152,958 150,081 142,640

0

100,000

200,000

300,000

400,000

500,000

600,000

700,000

800,000

平成27年 32年 37年 42年 47年 52年

総数 65歳以上 75歳以上(再掲)

(31.3%) (35.8%) (38.1%)

(人)

注 国立社会保障・人口問題研究所による。

図表 1-3 将来人口予測(勝浦町)

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5,429 5,095 4,796 4,539

4,304 4,074

2,097 2,094 1,973 1,791 1,594 1,421

1,182 1,151 1,208 1,218 1,126 981

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

平成27年 32年 37年 42年 47年 52年

総数 65歳以上 75歳以上(再掲)

(38.6%) (41.1%)(37.0%)

(人)

注 勝浦町人口ビジョンによる。

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(3)勝浦町住民の医療需要勝浦町の将来患者数を将来人口と厚生労働省の患者調査※(以下、「患者調査」という。)にある徳島県の受療率(人口 10 万人当たりの推計患者数)から予測しました。ア 入院治療が必要な人数の推計(ア)入院患者(病院と診療所)は平成 27年の 111人から減少し、37年 102人、47年 89人となります。このうち、65 歳以上の高齢者が占める割合は、平成 27年の 80.1%から37年には 85.5%となり、その後 42年の 86.1%をピークに微減で推移していくと予測されます(図表 1-4参照)。なお、参考の「受療率の比較」によると徳島県の入院患者の受療率は 1,705で全国平

均より 667(64.3%)多く全国第 6位となっています。

図表 1-4 1日当たりの入院患者数の予測 年齢区分  平成 27年 平成 32年 平成 37年 平成 42年 平成 47年 平成 52年

総 数 111 人 106 人 102 人 98 人 89 人 78 人0~14 歳 1 人 0 人 0 人 0 人 0 人 0 人15~64 歳 21 人 17 人 14 人 13 人 12 人 11 人65 歳以上 89 人 88 人 88 人 84 人 76 人 67 人65 歳以上割合 80.1% 83.5% 85.5% 86.1% 86.0% 85.7%

注 (病院+一般診療所)の数値、平成 26年 10月患者調査を基に推計

《参考》 受療率の比較

 入院 外来

総数 病院 一般診療所 総数 病院 一般

診療所歯科診療所

全 国 1,038 1,002 36 5,696 1,292 3,331 1,073徳島県 1,705 1,586 119 6,256 1,781 3,432 1,042

注 平成 26年 10月患者調査による。

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(イ)入院治療の内容を疾病大分類でみると、多い順に①精神および行動の障害(22%)、②循環器系の疾患(19%)、③損傷、中毒及びその他の外因の影響(13%)、④新生物(8%)、⑤呼吸器系の疾患(7%)となっています(図表 1-5 参照)。なお、()内の%は、平成 27年での全体に占める割合です(外来も同じ)。

図表 1-5 1日当たりの疾病別入院患者数の予測

疾病大分類 H27年 H32年 H37年 H42年 H47年 H52年 H27年構成比

総    数 111 人 106 人 102 人 98 人 89 人 78 人 100%

 

精神及び行動の障害 24 人 23 人 21 人 19 人 17 人 15 人 22%循環器系の疾患 21 人 20 人 21 人 20 人 18 人 16 人 19%損傷,中毒及びその他の外因の影響

15 人 14 人 14 人 14 人 13 人 11 人 13%

新生物 9 人 9 人 8 人 8 人 7 人 6 人 8%呼吸器系の疾患 8 人 8 人 8 人 8 人 7 人 6 人 7%筋骨格系及び結合組織の疾患 8 人 8 人 8 人 7 人 7 人 6 人 7%神経系の疾患 7 人 7 人 7 人 7 人 6 人 5 人 7%消化器系の疾患 5 人 5 人 5 人 5 人 4 人 4 人 5%腎尿路生殖器系の疾患 5 人 4 人 4 人 4 人 4 人 3 人 4%内分泌,栄養及び代謝疾患 2 人 2 人 2 人 2 人 2 人 2 人 2%その他 6 人 6 人 4人 4人 4人 4 人 5%

注 (病院+一般診療所)の数値、平成 26年 10月患者調査を基に推計

イ 外来治療が必要な人数の推計(ア)外来患者(歯科診療所を除く。)については、平成 27年の 359人から、37年 309

人、47年 254人となります。このうち、65 歳以上の高齢者が占める割合は、平成 27年の 59.6%から 37年には 66.2%となり、その後横ばいか微減で推移していくと予測されます(図表 1-6 参照)。なお、前述の参考の「受療率の比較」によると徳島県の外来患者の受療率は 6,256で全国平均より 560(9.8%)多く全国第 11位となっています。

図表 1-6 1日当たりの外来患者数の予測年齢区分 平成 27年 平成 32年 平成 37年 平成 42年 平成 47年 平成 52年

総 数 359 人 335 人 309 人 283 人 254 人 226 人0~14 歳 29 人 24 人 20 人 18 人 16 人 14 人15~64 歳 116 人 97 人 84 人 77 人 70 人 63 人65 歳以上 214 人 214 人 205 人 188 人 168 人 149 人65 歳以上割合 59.6% 63.9% 66.2% 66.5% 66.1% 66.0%

注 (病院+一般診療所)の数値、平成 26年 10月患者調査を基に推計

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(イ)外来治療の内容を疾病大分類でみると、多い順には、①循環器系の疾患(18%)、②消化器系の疾患(15%)、③筋骨格系及び結合組織の疾患(12%)、④健康状態に影響を及ぼす要因及び保健サービスの利用(9%)、⑤呼吸器系の疾患(8%)となっています(図表 1-7 参照)。

図表 1-7 1日当たりの疾病別外来患者数の予測

疾病大分類 H27年 H32年 H37年 H42年 H47年 H52年 H27年構成比

総    数 359 人 335 人 309 人 283 人 254 人 226 人 100%

 

循環器系の疾患 64 人 61 人 58 人 54 人 49 人 43 人 18%消化器系の疾患 53 人 49 人 44 人 39 人 35 人 31 人 15%筋骨格系及び結合組織の疾患 41 人 40 人 38 人 36 人 32 人 28 人 12%健康状態に影響を及ぼす要因及び保健サービスの利用

31 人 28 人 26 人 24 人 21 人 19 人 9%

呼吸器系の疾患 29 人 26 人 23 人 21 人 19 人 17 人 8%内分泌,栄養及び代謝疾患 25 人 24 人 22 人 20 人 18 人 16 人 7%腎尿路生殖器系の疾患 18 人 17 人 15 人 14 人 12 人 11 人 5%損傷,中毒及びその他の外因の影響 17 人 16 人 15 人 13 人 12 人 11 人 5%眼及び付属器の疾患 15 人 14 人 13 人 12 人 11 人 10 人 4%精神及び行動の障害 14 人 13 人 11 人 10 人 9 人 8 人 4%その他 53 人 48 人 45 人 41 人 36 人 32 人 15%

注 (病院+一般診療所)の数値、平成 26年 10月患者調査を基に推計

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(4)南部Ⅰ医療圏および勝浦町の医療提供体制ア 医療機関の状況

1.5次医療圏としての南部Ⅰ医療圏は、小松島市、阿南市、勝浦町、上勝町、那賀町の2市 3町で構成されています。当圏域内には 16の病院があり、14病院は沿岸部の小松島市と阿南市に集中しており、勝浦町には勝浦病院しかありません(図表 1-8参照)。診療所は、当圏域内には一般診療所 103、歯科診療所 54があります。勝浦町には歯科

診療所 3があります。

図表 1-8 南部Ⅰ医療圏の病院の位置

凡例 病 院 名 凡例 病 院 名

★ 国民健康保険勝浦病院 ⑧ 阿南共栄病院

① 徳島赤十字病院 ⑨ 阿南中央病院

② 徳島赤十字ひのみね総合療育センター ⑩ 羽ノ浦整形外科内科病院

③ 碩心館病院 ⑪ 宮本病院

④ 徳島ロイヤル病院 ⑫ 玉真病院

⑤ 小松島病院 ⑬ 原田病院

⑥ 小松島金磯病院 ⑭ 杜のホスピタル

⑦ 江藤病院 ⑮ 那賀町立上那賀病院

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イ 病院の機能と規模当医療圏の 16病院のうち 6施設が公的病院です。公立病院は勝浦病院のほか那賀町立上

那賀病院の2施設です(図表 1-9参照)。徳島赤十字病院は、病床規模 405 床で圏域における一般病床の 30%を占め、前述の5疾病5事業(精神疾患を除く。)の中核をなしています。

図表 1-9 南部Ⅰ医療圏の病院規模・機能

総数 一般 療養 精神 3次救急

救急告示

MRI

C T

徳島赤十字病院 小松島市 405 405 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ② ②徳島赤十字ひのみね総合療育センター 小松島市 140 140 ○ ○ ○

阿南共栄病院 阿 南 市 343 343 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

阿南中央病院 阿 南 市 229 179 50 ○ ○ ○ ○ ○ ○

国民健康保険勝浦病院 勝 浦 町 60 60 ○ ○ ○ ○ ○ ○

那賀町立上那賀病院 那 賀 町 40 40 ○ ○ ○ ○ ○

徳島ロイヤル病院 小松島市 98 38 60 ○

江藤病院 小松島市 92 34 58 ○ ○ ○ ○

小松島病院 小松島市 92 92 ○ ○

碩心館病院 小松島市 82 60 22 ○ ○ ○ ○

小松島金磯病院 小松島市 47 47 ○ ○ ○

原田病院 阿 南 市 126 126 ○ ○ ○

宮本病院 阿 南 市 48 48 ○ ○ ○

玉真病院 阿 南 市 42 42 ○

羽ノ浦整形外科内科病院 阿 南 市 40 40 ○ ○ ○

杜のホスピタル(旧藤井病院) 阿 南 市 127 127 ○

2,011 1,346 538 127 1 5 2 2 3 2 3 3 7 5 10 3 6台 15台

精 神

公的病院

民間病院

16合 計( 病院)

6出典:第 次徳島県保健医療計画、各病院ホームページなど

へき地

在 宅

が ん

脳卒中

急性

心筋梗塞

糖尿病

病院名 所在地

許可病床数H24.3.31( 現在)

5医療機能(事業+在宅医療) 5医療機能(疾病) 医療機器設置状況 救 急

小 児

周産期

災 害

10

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2 勝浦病院の現状と課題

(1)病院の概況地域住民に『安心・安全・信頼の医療を提供します。』を基本理念とし設置されていま

す。

図表2-1 勝浦病院の規模・機能等

基本理念

基本方針

【基本理念】・安心・安全・信頼の医療を提供します。

【基本方針】・新しい医療技術・知識の習得に努め、患者さまに安心と安全そして信頼される医療サービスを提供することを目指します。・患者さまおよび家族の方と緊密な意思疎通を図り、患者さま本位の医療を実践します。・健診や介護にも積極的に取り組み、地域の保健・医療・福祉に貢献します。

病棟の機能と病床数

病床数 病床種別 医療機能 病棟数

60床 一般病床※ 急性期 1病棟

診療科目 内科・外科・整形外科・小児科

その他 訪問診療 ・ 訪問看護 ・ 禁煙外来 ・ 栄養指導 ・ 糖尿病教室 ・ 相談窓口

図表2-2 勝浦病院の沿革年 月 内    容

昭和 25年 8月 国保直営横瀬病院として勝浦町大字三渓字古川 3-2に開院(20 床) 昭和 25 ~ 29年

坂本・立川・生比奈の3診療所設置

昭和 30年 3月 横瀬町・生比奈合併により勝浦町となり勝浦病院と改称 昭和 33 ~ 45年

坂本・立川・生比奈の3診療所廃止・休止

昭和 56年 3月 現在地に改築移転(一般 68 床、結核 5 床)平成 9年 3月 病院北側にデイケア施設新築 平成 9年 9月 一般 8 床削減⇒(一般 60 床、結核 5 床)平成 18年 9月 糖尿病教室開始 平成 20年 4月 相談室の設置 平成 25年 4月 結核病床廃止 ⇒(一般 60 床)平成 26年 4月 院外処方開始

図表2-3 主な医療機器注

平 成28 年度 固定 資産 現況 表に よる 契約金額 7,000千円以上の医療機器

11

医療機器名 導入・更新年月東芝マルチCTシステム(東芝メディカル) 平成 18年 8月 23,800千円超音波診断装置 VIVID7 平成 21年 6月 9,514千円高性能乳房X線撮影装置 MAMMOMAT1000 平成 21年 7月 9,670千円東芝デジタルX線テレビシステム 平成 21年 7月 13,790千円一般撮影 X線撮影装置 Radnext PLUS 平成 26年 3月 18,440千円電子カルテシステム 平成 23年 3月 33,000千円電子カルテ連携システム 平成 23年 6月 7,300千円

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(2)職員配置の状況勝浦病院の職員の数は、平成 27年 7月 1 日現在で図表2-4のとおりとなっています。内訳は、常勤で勤務する医師が3人(内科医師 2人、外科医師 1人)、非常勤で勤務する医師が 11人(内科医師 7人、小児科医師 1人、整形外科医師 2人、放射線科医師 1人)となっています。看護師は、常勤職員が正規 20人、臨時 2人、非常勤職員が 2人の計 24人となっており、勝浦病院の看護要員数全体の 75%を占めています。なお、常勤医師数が同規模病院と比べて少ないと言えます。

図表2-4 職員の配置状況

部門及び職種実 員 数

備  考常  勤非常勤 計

正規 臨時

医   師 3 人 - 11 人 14 人  

看護部門

看護師20 人 2 人 2 人 24 人 このうち、病棟 16人

准看護師 1 人 - - 1 人 このうち、病棟 1人 看護補助 - 5 人 2 人 7 人 このうち、病棟 7人 

計21 人 7 人 4 人 32 人  

薬剤部門薬剤師 1 人 1 人 - 2 人  

計 1 人 1 人 - 2 人  

検査部門臨床検査技師 2 人 - - 2 人  

計 2 人 - - 2 人  

放射線部門

診療放射線技師 1 人 - - 1 人  

計 1 人 - - 1 人  

リハビリ部門

理学療法士 4 人 - - 4 人  

その他 - 1 人 1 人 2 人  

計 4 人 1 人 1 人 6 人  

栄養部門

管理栄養士 1 人 - - 1 人  

調理師及び助手他 6 人 - - 6 人  

計 7 人 - - 7 人  

事務部門

事務職員 5 人 2 人 - 7 人  

その他 2 人 1 人 - 3 人  

計 7 人 3 人 - 10 人  

合    計46 人

12 人 16 人 74 人  

12

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(3)取扱患者の状況ア 取扱患者

外来患者数は、平成 22年度以降減少傾向が続き、27年度の1日当たり患者数は 97.7人で対 22年度 33.2人(25.4%)減少しています(図表2-5 参照)。入院患者数は、平成 26年度まで減少していましたが、27年度は 38人で対前年度 5人増えています。同時に平均在院日数も伸びており、患者数の増加は平均在院日数が長くなったことによるものと考えられ、病床利用率も平成 27年度は 63.3%と高くなっています。ただし、新入院患者数は減少しています。患者数の減少の要因としては、人口減少、患者の大病院指向、常勤医師の減少(不足)、施設の老朽化等による療養環境の低下などが考えられます。

図表2-5 取扱患者の推移

40.1 40.2 35.7 34.1 33.0 38.0

130.9

112.8 113.0 106.7 105.0

97.7

22.0 22.9 23.9 25.1 26.5

31.1

66.8 66.9

59.4 56.9 54.9 63.3

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

120.0

140.0

H22年度 H23年度 H24年度 H25年度 H26年度 H27年度

外来患者数

入院患者数

平均在院日数

病床利用率

イ 介護保険サービス利用者の状況勝浦病院では介護保険サービスとして、通所リハビリテーション(デイケア)と訪問リ

ハビリテーションを行っています。図表2-6をみると、通所リハビリテーション(実線のグラフ)の利用者は減少傾向にあ

りますが、訪問リハビリテーション(点線のグラフ)は増加傾向にあり、日常生活動作が極めて困難な重度の要介護者を中心にニーズが高まっています。

図表2-6 介護保険サービス利用者の推移

4 71

229 287 473

559 621

3,713 3,726 3,205 3,235 3,184

2,999 3,055

05001,0001,5002,0002,5003,0003,5004,000

-100100300500700900

1,1001,3001,500

平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度

訪問リハビリテーション 通所リハビリテーション点線目盛 実線目盛

(4)経営状況平成 27年度の収支状況は、経常収支比率 101.6%、医業収支比率 78.2%で前年度より悪化しています(図表2-7 参照)。医業収益は、対前年度ほぼ同額ですが、入院収益が5.0%増、外来収益が 7.5%減額となっています。医業費用は、職員給与費の増などにより対前年度 5.1%増となっています。

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診療単価をみると、入院は減額し外来は横ばいとなっています。入院は患者数が増加していますが、平均在院日数が長くなったことにより、診療単価が減額したことと推測されます。なお、平成 26年度に医業収益、外来収益が大幅に落ちたのは院外処方の実施によるものです。

図表2-7 経営状況の推移 項  目 H 22年度 H 23年度 H 24年度 H 25年度 H 26年度 H 27年度

医業収益(千円) 832,657 821,858 782,082 752,677 500,353 501,034うち入院収益 355,082 367,497 325,715 298,425 279,505 293,352

外来収益 417,191 399,150 395,318 391,878 160,288 148,213医業費用(千円) 806,222 801,369 793,340 804,886 609,675 640,967

うち職員給与費 438,467 433,186 426,001 432,826 435,311 450,472経常収支比率(%)※ 102.2 101.3 100 97.2 103.9 101.6医業収支比率(%)※ 103.3 102.6 98.6 93.5 82.1 78.2人件費比率(%)※ 52.7 52.7 54.5 57.5 87.0 89.9診 療 単 価   入 院(円)※ 24,257 25,005 25,024 23,962 23,234 22,820診 療 単 価   外 来(円)※ 13,063 14,499 14,338 14,992 6,259 6,244

注 勝浦町病院事業特別会計決算書による。

(5)問題点と課題ア 運営上の課題(ア)常勤の医師の負担が過重になっています。あるいは、医師が考える地域のニーズを満

たすための本来の医療が行えていません。町の重要課題として常勤医師の確保に取り組む必要があります。

(イ)地域住民の利用が減少(患者数が減少)し、病院経営に直接的な影響を与えています。(医業収支比率が低下しています。)医師確保、地域連携の強化や患者サービスの向上(快適な療養環境等)等の対策を検討し地域の医療ニーズに合った改善策を講じることが必要です。また、経営の効率化が求められています。適正な病床数、診療報酬制度と病院の診療

態勢、医薬品や診療材料等の購入価格の検討、電子カルテシステムなど業務の見直しが必要です。

イ 施設上の課題勝浦病院は、昭和 56年に現在地に移転改築し、現在に至っていますが、建設してから

35年を経過し、施設全体の老朽化が進み、効率性や安全性、さらには快適性に欠けた医療施設になっています。また、時代の医療ニーズに併せて、増改築や医療機器の導入を進めていましたが、すでに、手狭でこのままの状態では新しい医療ニーズに対応することが難しいので、全面改築が必要です。なお、勝浦病院が抱える施設上の問題点は次のとおりです。

(ア)患者の療養環境の問題点① 高齢者の患者が圧倒的に多く車いすや歩行器の患者が増えていますが、バリアフリー対応が必須である施設からはほど遠い状況にあります。

② 病室の広さなど施設基準の条件を満たしていない施設が散見されます。

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③ ベッド間の間隔が狭く車いすや処置用トレーの移動に手間がかかります。④ 個室は、一般的な個室病室と比較して極端に狭いため、病室環境として診療の面からも居住環境の面からも好ましいものではありません。

⑤ 病棟の廊下幅も現行基準より狭くなっていて、ベッドや車いすのすれ違いにも支障をきたしています。非常時の避難にも対応が必要です。また、廊下に器材が置かれ通行の障害となっています。

(イ)施設運営上の問題点① スタッフステーションから遠い位置にある病室については、常時の患者の管理が困難な状態にあります。

② リハビリ施設は、増築されているため、患者動線が長くなっています。③ 給排水設備配管の老朽化により、水漏れや雨漏り等のトラブルが多くなっていて、修理の際には診療への影響も発生しています。

(ウ)職員の勤務環境の問題点 ① 全体的に病室が離れて配置されているため、看護動線が長くなっており、効率的な看護が困難になっています。

② スタッフトイレが男女共用であるため、プライバシーの観点、職員の勤務環境から望ましくありません。

3 新病院と施設整備の方向性

(1)新病院の方向性ア 基本方針勝浦町では、徳島県地域医療構想を踏まえ、新病院が果たすべき今後の役割を明確化するとともに、経営の効率化や再編・ネットワーク化などを通じて、より質が高く、持続可能な病院経営を目指すための新たな病院改革プランを策定しました。新たな病院改革プランの計画期間は平成 28(2016)年度から平成 32(2020)年度までの 5年間としており、その翌年を改築完成目標年度(平成 33年度途中を予定)としていることから、本基本構想においても「国民健康保険勝浦病院改革プラン」を基本方針とします。

イ 主要機能(ア)地域医療構想を踏まえた勝浦病院として果たす役割

勝浦病院は、郡内で唯一の病院として、一般急性期~回復期~慢性期までの幅広い患者に対応するとともに、在宅医療に関係する『退院支援』、『急変時の対応』、『看取り』等の機能についても推進します。また、訪問看護や訪問リハビリテーションといった訪問系サービスの更なる充実にも努めます。また、健診事業にも取り組みます。南部Ⅰ医療圏の医療機関と連携し、地域特性に応じた、地域密着型医療の実現を目指します。具体的には、住民の「かかりつけ医」として、急性期における一般的かつ標準的な検査・診断・治療を積極的に取り組み住民に信頼される病院を目指します。

(イ)地域包括ケアシステム構築に寄与する病院に

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南部Ⅰ保健医療圏医療機関

急性期医療が終了した患者に対し、回復期の段階で適切な医療を行い、介護・保健・福祉と連携し在宅復帰への体制を整備します。勝浦病院には、特別養護老人ホームを持つ介護施設と勝浦町で唯一の保険薬局が隣接しています。勝浦町地域包括支援センターが中心となって関係機関と連携し、新病院は在宅への橋渡し役として、勝浦町の地域包括ケアシステム構築に寄与していきます。  

(ウ)在宅医療等の充実新病院には社会復帰を実現するためリハビリ機能を充実するとともに、訪問診療、訪問看護・訪問リハビリの体制を強化し、介護との連携により医療から介護まで切れ目のない体制を整備して、患者の日常生活の復帰を支援します。また、現在あるデイケア・コスモスの機能についても新病院内に整備し、通所リハビリを行っていきます。

新勝浦病院のイメージ   

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住民(子どもから高齢者まで)の「かかりつけ医」として、標準的な検査・診断・治療に積極的に取り組み住民に信頼される病院を目指します。

かかりつけ医機能(急性期~回復期)

在宅医療の推進

周辺介護・福祉施設等

地域包括ケアシステム構築へ寄与

新勝浦病院連携 連携

勝浦町の介護・保健・福祉と連携

して在宅復帰への体制を整備しま

す。勝浦町の地域包括ケアシステ

ム構築に寄与していきます。

訪問診療、訪問看護・訪問リハビリの体制を強化し、患者の日常生活の復帰を支援します。デイケア・コスモスで通所リハビリを行います。

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※地域包括ケアシステムは、元来、高齢者に        限定されるものではなく、障害者や子ども        を含む、地域のすべての住民のための仕組        みであり、すべての住民の関わりにより実        現します。

ウ 病床数等の規模勝浦病院の過去 5年間の病床利用率は、すべて 70%未満となっており、平成 27年 3月

31 日に総務省から示された、新公立病院改革ガイドラインでは「病床利用率が特に低水準である公立病院(過去 3年間連続して 70%未満)」は「地域の医療提供体制を確保しつつ、病床数の削減、診療所化、再編・ネットワーク化、経営形態の見直しなど、再度抜本的な見直しを検討すべきである。」とされていることから、指導の対象となる可能性があり、現在の入院需要に対応しつつ、人口の減少や病院の現状などを踏まえて適正な規模に病床数を設定する必要があります。

(ア)病床規模算出の前提・ 最近の勝浦病院の取扱患者推移は、図表2-5 取扱患者の推移(前述)のグラフのとおりです。過去 5年間の平均入院患者数は 36.2人で、病床利用率としては60.3%です。

・ 勝浦町の総人口は図表 3-1のとおり右肩下がりで減少しています。また、65 歳以上の高齢者についても、平成 27年をピークに減少していくことが見込まれていますが、勝浦病院に入院する患者の多くを占める 75 歳以上、80 歳以上がピーク迎える時期は、それぞれ平成 42年頃、平成 47年頃です。従って、勝浦町の入院患者数としては大きな変動は見られず、緩やかに推移していくことが見込まれます。

図表3-1 勝浦町の人口推計

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2033 2097 2094

1973 1791

1594 1421

1269 1150 1115 1119 1145 1182 1151 1208 1218 1126

981 830

735 676 631 723 765 786 766 820 836 753 634

533 481 452

5763

5429

5095

4796

4539 4304

4074 3861

3689 3556 3463

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

65歳以上 75歳以上 80歳以上 総数

(38.6%)(41.1%)

(37.0%)

注 平成 22年までは国勢調査、27年以降は勝浦町人口ビジョンによる  

(イ)入院患者数の検証① 過去 5年間の最高・最低の入院患者数からの検証

過去 5年間の最高・最低入院患者数については図表 3-2のとおりとなっており、50人を超えた入院患者数が無いことが見てとれます。病床数として 50 床であれば、平成 28年度を含む過去5年間でこの病床数を超えた日数はありませんので、入院患者の上限として対応可能と考えます。

図表 3-2 勝浦病院の最高・最低入院者数

24年度 25年度 26年度 27年度 28年度0102030405060

47 4450 50

43

2419 19

27 24

最高入院者数 最低入院者数注 平成 28年度は 4~9月まで

② 勝浦町の入院需要からの検証―勝浦町住民の入院需要―・ 勝浦町の将来患者数を将来人口と厚生労働省の患者調査にある徳島県の受療率(人口 10 万人当たりの推計患者数)から予測したところ、勝浦町の5年ごと

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の入院患者数の推計は図表 3-3のとおりです。・ また、図表 3-4で徳島県地域医療構想の平成 37(2025)の南部 2次保健医療圏における必要病床数とその割合よると、勝浦町内の急性期(27.6%)及び回復期患者(32.9%)が合計で(B)の 60.5%となります。勝浦病院に入院する患者のほとんどが急性期及び回復期と見込んでいます。・ この急性期及び回復期の割合(60.5%)を図表 3-3の入院患者数の総数に掛けて、勝浦町内の入院患者で勝浦病院に入院する可能性のある患者数を図表 3-3の(A)と推計しました。

図表 3-3 1日当たりの入院患者数の予測 年齢区分 平成 27年 平成 32年 平成 37年 平成 42年 平成 47年 平成 52年総 数 a 111 人 106 人 102 人 98 人 89 人 78 人0~14 歳 1 人 0 人 0 人 0 人 0 人 0 人15~64 歳 21 人 17 人 14 人 13 人 12 人 11 人65 歳以上 89 人 88 人 88 人 84 人 76 人 67 人

65 歳以上割合 80.1% 83.5% 85.5% 86.1% 86.0% 85.7%急性期+ 回 復期患者数推計(A)=a×60.5%

67人 64人 61人 59人 54人 47人

図表 3-4 徳島県の南部 2次医療圏における必要病床数とその割合

医療機能平成 37年必要病床数

病床割合勝浦病院に入院する対象患者割合

高度急性期 179 床 9.6%

急 性 期 514 床 27.6%60.5%(B)

回 復 期 613 床 32.9%

慢 性 期 557 床 29.9%

合   計 1,863 床 100%

注 徳島県地域医療構想

―入院患者数の推計―・ 平成 27年度は勝浦病院の 1 日当たり入院患者数の実績は 38人でしたので、現在の勝浦町内の急性期及び回復期患者の入院受療率は 

38人÷67人(平成 27年度患者推計(A))×100=56.7%

・ この数字から、平成 32年の(開院予定時)の勝浦町内の急性期及び回復期患者の入院需要 64人、新病院改築に伴う入院受療率増を 10%上昇と推計し、試算すると

64人(平成 32年度患者推計(A))×(56.7+10)÷100=42.6人

・ このことから平成 32年度の勝浦病院の平均入院需要数は 42.6人と推計されます。

③ 勝浦病院改革プランの数値目標勝浦病院改革プランによる平成 32年度の 1 日当たり入院患者数の数値目標(図表

3-5)は 42.6人と目標設定しており、改革プランにおける計画を実行することにより、入院患者の回復をし、さらには新病院改築に伴う入院患者の増加が予想され、新病院開

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院直後から 5年から 10年については、大幅な減少はないと考えます。

図表 3-5 医療機能等指標に係る数値目標

項  目 H26年度※実績

H27年度※見込み

H28年度 H29年度 H30年度 H31年度 H32年度

常勤医師数( 人) 3 3 3 4 4 4 4

経常収支比率%) 103.9 100.4 100.0 100.0 100.0 100.0 100.3医 業 収 支 比 率(%)

82.1 77.6 79.8 89.1 89.8 90.7 91.3

1 日当たり入院患者数(人) 33.0 38.0 41.0 41.4 41.8 42.2 42.61 日当たり外来患者数(人) 105.0 97.7 104.6 110.6 111.7 112.7 113.7

病床利用率(%) 54.9 63.3 68.3 69.0 69.7 70.3 71.0平 均 在 院 日 数(日)

26.5 26.0 25.5 25.0 24.5 24.0 24.0

注 勝浦病院改革プラン P43(図表Ⅳ-3医療機能等指標に係る数値目標)

(ウ)新病院の病床数

① 近年の最高病床利用数は 50 床② 入院需要からの平均入院需要数推計は 42.6人③ 改革プランからの目標平均入院患者数は(平成 32年度)42.6人④ ②③に対する勝浦病院での急性期及び回復期の医療需要は

   急性期 27.6%÷60.5%=45.6%       42.6人×45.6÷100=19.4人

回復期 32.9%÷60.5%=54.4%    42.6人×54.4÷100=23.2人と推計されます。

    地域医療構想策定ガイドラインでは、病床稼働率は急性期78%、回復期 90%を除するとされており、必要病床数は 急性期病床 19.4人÷0.78=24.9 床       回復期病床 23.2人÷0.90=25.7 床       合計           ≒50 床

   なお、今後の入院患者数の予測では減少傾向にあり、勝浦病院へ入院する患者の率が

上昇したとしても限界があります。①~④から、病床種別については、すべて一般病床(急性期及び回復期)とし、今後情勢の変化に柔軟な対応をすることとし、必要病床数は48床程度(50 床を限度)とします。  

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(2)診療体制ア 診療体制の方針現在の勝浦病院は少ない医師や医療スタッフで内科、外科、整形外科及び小児科の診療

科で地域医療に貢献しています。医師確保の現状は厳しいものがありますが、新病院でもこの診療科を堅持するとともに、町民の医療ニーズの状況を踏まえて、非常勤医師の確保などにより柔軟に対応します。また、訪問診療・訪問看護・訪問リハビリを強化し、在宅医療の充実に努めます。

イ 診療科の内容(ア)勝浦病院の外来患者の半数以上を占める内科患者に対応するため、今までどおり内科

の常勤医師の複数配置に努めます。

(イ)外傷患者や小手術に対応できる体制の維持に努めます。

(ウ)整形外科のニーズに対応するため、整形外科医師の確保に努め、リハビリを充実します。

(エ)小児科医の確保に努め、徳島大学小児科医局と連携して、町の健診・予防接種事業に貢献し、町の子供たちを守ります。

(3)施設整備の方向性ア 施設整備の方針施設の整備にあたっては、現状の医療機能を維持し、無駄のない経済的な施設とします。

(ア)主要機能に即した施設整備住民の「かかりつけ医」として、急性期における一般的かつ標準的な検査・診断・治療がスムーズに行える施設とします。

(イ)地域包括ケアシステム構築に寄与する設備他の医療機関・福祉施設と連携が取りやすいように施設を整備します。

(ウ)在宅医療等の充実在宅医療(訪問診療・訪問介護・訪問リハ)がスムーズに行える施設とします。

(工)快適な療養環境の施設① 利用者の利便性や居住性の向上に努め、個人のプライバシーにも配慮した快適な療養環境を整備します。また、病棟内の 1 床あたり面積の最も小さい病室における1 床あたりの床面積は 6.4㎡以上とし、実質平均面積は 8㎡以上(療養環境加算対象病床)とします。

② 個室については、利用者の多様なニーズに応えるための工夫をし、利用者の利便性や療養環境の充実を図ります。

③ 廊下やエレベーター、病室の出入り口などは、安全に留意し十分な広さを確保します。

④ 誰もが利用しやすい「ユニバーサルデザイン」の施設とします。⑤ 売店や食事スペース、患者と家族の面談スペース等の確保について検討します。

(オ)地域に開かれた施設① 地域に開かれた施設として、地域住民と医師をはじめとした医療スタッフなどが交流できる空間の確保に努め、親しまれる病院から住民自らも“地域医療を支える一員”という意識を醸成します。

② 既設病院の跡地利用について、駐車場としての機能を維持しつつ、遊歩道や緑地など、地域住民の交流スペースとして有効活用を図ります。

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(力)環境にやさしい施設① 太陽光パネル、蓄電池の導入等再生エネルギーの有効活用を検討します。② 省エネルギーや省資源に配慮した施設とします。

(キ)医療スタッフが働きやすく魅力ある施設① 医療機能上の必要な面積と執務に必要な室を確保するとともに、医療スタッフが機能的に働けるよう、動線なども十分に配慮した施設とします。

② 生活習慣病の治療には多くの職種の人がかかわります。チーム医療やインフォームドコンセントに必要な会議室・相談室・教習室を確保します。

③ 職員の福利厚生にも配慮した施設とします。

(ク)その他の医療提供設備について① 特別養護老人ホームを持つ介護施設や保険薬局との動線に配慮した整備を行います。

② 救急医療に対応できる施設とします。③ 災害に強い、安全で安心な施設・災害時に多くの被災患者を受け入れ、手当て等ができるスペースの確保に努めるとともに、救命医療に必要な医薬品等が十分に備蓄できるスペースを整備します。

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4 新病院改築事業計画(1)敷地条件

新病院は隣接施設も含めて勝浦町の医療と福祉ゾーンとして総合的に考え、以下の土地に建設します。

ア 敷地の概要位置:勝浦郡勝浦町大字棚野字鍛冶地 13番地 2(現在の勝浦病院東側駐車場)敷地面積:約 5,500㎡東西方向 45~65m/南北方向 50~100m地目:雑種地他北側:勝浦川土提 東側:水田 南側:宅地 西側:町道

イ 敷地の特徴① 敷地北側の勝浦川における「勝浦川水系浸水想定区域図」「勝浦川徳島市他浸水想

定区域修正業務報告書」によると、現病院部分は低い場所から約 1mの浸水が想定されているが、現状では、約 1mの盛土された地盤に建設されているため、浸水に対応した地盤といえます。

② 北側の駐車場(一部、デイケア施設コスモスにかかっている)は、2m~3m未満の浸水深さであるため、洪水時の対策が必要です。

③ 新病院建設予定地については、浸水予想がされていないが、安全を考慮した盛土高とします。

④ また、予定地内にある水田用水路は敷地外周部に沿って付け替えることになるため、そのスペースを計画する必要があります。

図表 4-1 敷地図面

(2)土地利用計画新病院は、現在の勝浦病院東側駐車場とします。また、新駐車場は現在の勝浦病院跡地を利用することし、新病院との間にある町道についてはかさ上げする等の対策を施すことにより、駐車場及び既存福祉施設さらには保険薬局から病院玄関までの安全な動線や、外来患者・救急車・デイケア利用者・各種サービス車両のスムーズなアクセスについても確保します。

(3)配置計画

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敷地条件を生かした配置計画とするとともに、病棟は東西軸を基本とした配置とし、夏季の西日に対応した計画とします。デイケア施設については利用者の利便性、安全性に配慮した計画とします。また、医療と福祉ゾーンとして必要な施設整備については新病院改築後も検討を継続し、新病院の配置に当たっては医療と福祉に関する新施設等の整備に柔軟に対応可能な配置計画とします。

(4)災害時対策・ 地震等の大災害時においても、病院機能が維持できるような構造を検討します。

・ 災害発生時に診療機能が提供できる施設とします。・ 災害時対応の備品については、管理及び使用し易い場所に保管する計画とします。

(5)計画概要・ 構造鉄筋コンクリート造 耐震構造・ 延床面積約 4,000㎡・ 病床数 48 床程度(上限 50 床) 

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(6)整備スケジュール(簡易版)( ) 33勝浦病院改築スケジュール 案 <平成 年竣工>

事業名等4|6

7|9

10|12

1|3

4|6

7|9

10|12

1|3

4|6

7|9

10|12

1|3

4|6

7|9

10|12

1|3

4|6

7|9

10|12

1|3

4|6

7|9

10|12

1|3

4|6

7|9

10|12

1|3

徳島県地域医療構想

新公立病院改革プラン

勝浦病院改築基本構想

1.2.3検討委員会 回

パブリックコメント

建築 基本設計・実施設計

( )基本計画プロポーザル準備

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