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基基基基基基基基基 基基基基基基基基基基基基基基基基基基 基基基 基基基基 基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基 。、 基基基基基 基基基基基 基基基基基基基基基基基基基基基基基基 、、 基基基 基基基 基基基基基基 基基基基基基基基基基基基基基基基基 「」 基基基基 基基基基基 基基基基基基基基基基 基基基基基基基基 。、、 基基基基基基基基基基基 基基基基基基基基基基基基基基基基基 基基基 基基基基 基基基基基基基基基基 基基基基基基基 基基基基 、、、、 基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基 基基基基基 基基 。、 基基基基基基 基基基基基基基基基基基基基基基基 基基基基基 ・、 、 基基基基基基基基基基 基基基基基基基基基基基基基基基基 、。 基基基基基基基基基基基 基基基基基基基基基基基基基基基基基 、、 基基 基基基基基基基基基基 基基基基基基基基基 基基基基基 「」 基基基基基基基基基基基基 基基基基基 基基基基基基基基基基 、、 基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基 基基基基基基基基基基基 基基基基 (1) 基基基基基 基基基基基 基基基基 基基基基基 (2) 基基基基基基基 基基基基基 基基基 基基基基 基基基基基基 基基基 基基基基 基基基基基基基基基基基基 (3) 基基基基 (1) 基基基基基基 基基基 基基基基基 基基 基基基基 基基基基基 基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基 基 、、 基基 基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基 ・・・・ 基基基基基基基基基基基基基 基基基基基基基基基基基基基 1基基 基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基 基基基基→ 、、 「① 基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基 基基基基基 基基基基 基基基基 基基基基基基基基基基基基基 基基基 基基 !6 基基基基基基 基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基 基基基基基基基 基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基 」、 「」 基基基基基基基基基基 基基基基基基基基基基基基 基基基基基 体、。、 基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基 基基 、200 基基基基基基基基基基基基基基基基 基基基基基基基基基 基基基基基 基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基 (2) 基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基 基基基 基基基基基基基基基基基基基 「」 基基基 基基基基基 基基基 基基 基基基基基基基基基基基基基基基基 基基基基基基基基基基基 「」 基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基 基基基 基基基 基基基基基基基基基基基 基基基基基基基基基 基基基基 『』」「 基基基基基基基基基基基基基基基 基基基基 基基基基基基 」「 基基基基基基基 基基基基基基基基基基 基基基基基基基基基 104 基基 基基基基基 基基基基基 基基基基基基基基 基基基基基基基 。、() 基基基基基基 基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基 基基基基→基基→基基→基基基基基基 基基基基基基基基基基基 基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基 基基基基基基基基基 基基基基基基基基基基基基基 基基基基基基基基基基基 、。 (3) 基基基“基基基基基基基”基基 基基基基基基基基基 基基基基基 基基基基基 基基 基基 基基基基基 基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基 基 、、 基基基基基基基基基基基基 基基基基基基基基基基基基基基基 基 。、 基基基基基基基基基基基基基 基基基基基基基基 基基基基基 「」 基基基基 基基基基基基基基基基基基基基基基基基基 基基基基基 、。 基基基 基基基 基基基基基基基基基基基 基基基基基基基基 基基 、、、体 基基 基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基 基基 「」 基基基基基 基基基基基基基基基基基 基基基基基基基基基基基基 「」 基基基基 基基基基基 基基基基基基基基基基基基基基基基基基基 。、 基基基基基 基基基基基基基基基基基基基基基基基 基基基基基 、、、 基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基 基基基基 基 」「、 基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基 基基基 基 」、 基基基基基基基基基基基基基 (4) 基基基基基基 基基基基基基基基基基基基基基基基 基基基基基基基基 ~~ 基基基基基基基基 基基 基基基基基基 基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基 基基基基基基基基基基基基基基基基基基基基 基基基基基基基 。、 11 8第 第第 第第第第 第第第第第第 第第第第第 第第第第第 () 基基 基基基基 () 基基基 () 基基基 () 一()

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Page 1:   · Web view「目の前の子どもを粗末にしない教育」をめざして、実践を交流する中で、「子どもたち」「自分自身」「つながり」を大事にしながら、私たち自身が学び続けたい。

1 基調

報告教 育 をめぐる状 況 は、 教 育 基 本 法 の改 悪

を契 機 に急 速 に悪 化 してきた。 近 年 は、 全国 学 力 調 査 の結 果 公 表 の強 行 や事 後 対 策 の強 要 が横 行 し、 現 場 には、 人 材 育 成 のための日 本語 教育 が求 められている。

しかし、 人 材 とは人 を「 何 かに役 立 てるための材 料 」 として見 る発 想 だ。 私 たちは 、人 材 の育 成 ではなく、 人 格 の完 成 を目 指 して教 育 活 動 にとりくむ。 人 と人 が分 かり合い手 をつなぐ社会 を目 指す。

私 たちは、 日 本 語 教 育 を通 して、 現 実 を見 る目 、 疑 う目 、 真 実 を見 抜 いて追 求 する力 を育 てていきたい。 とりわけ、 綴 り方 ・作 文 指 導 は、 書 くことや読 み合 うことを通して、 互 いを受 け入 れられるようになり、学級 づくりにも有 効に活用 できる。

限 られた時 間 ではあるが、 子 どもの実 態と、 言 語 の本 質 を基 点 として「 日 本 語 の教育 とは何 か」 を根 本 から考 えたい。 「 目 の前 の子 どもを粗 末 にしない教 育 」 をめざして、 実 践 を交 流 する中 で、 「 子 どもたち」「 自 分 自 身 」 「 つながり」 を大 事 にしながら、 私たち自 身が学び続けたい。

2  討議 の柱(1 ) 言語 の教 育

① かな文字 ・漢 字指 導② 日本 語文 法

(2 ) 言語 活動 の教 育① 読み方指 導

ア物 語・ 文学 作品イ説 明的 文章

② 綴り方・ 作文 指導(3 )日 本語 教育 をめぐる諸問 題

3  研究 発表

(1 ) 私の作文 指導(和 寒・ 和寒 中分 会  小林  智  大 内

健司 ) 本 発表 では、作 文力 を「 国語 学力 の総 決算」 であるとし、 思考 力・ 判断 力・ 表現 力や文 学力 ・論 理性 ・言 語感 覚を育む上での、作文 指導 の大 切さが語 られた。 作文 指導 の不振 を招 く理 由の 1 つには、 書かせた後 の 添 削 な ど の 大 変 さ が あ る と と ら え 、「 ① 大 作 → 小 作 」 「 ② 娯 楽 と し て 書 か せる」 「③ 精しく読 むな!」 「④ 評語 を書 くな ! 」 「 ⑤ 添 作 す る な 」 「 ⑥ や た ら 書 かせよ!」 の6 つの提言 がされた。実 践の切り口 としての「ファシリテーション作文 」の紹 介もされ、子 どもたちに「 かかわりの中で学ぶこと」を体験 させている様 子が、資料 を通 して報告 された。 協議 では、「 作文を書く時間 の取 り方 」について話 題になり、 20 0字 の専 用作 文用 紙を活用 していることや、「 他教 科と関連 させて、 まとめや考 察、 意見 文として書く方法 もある」 等の意 見が交わされた。(2 ) 自分 の思 いや考えをわかりやすく

表現 できる児 童の育成 ~国 語科 「書くこと」 の授 業を通して~

(美 瑛・ 明徳小分 会 向井原  理恵)学校の研 究と関連 した本リポートは、前

年度の「 読むこと」の研究 を踏まえて「 書くこと」 に焦点をあてたものである。「 ①指導者が6年 間の系統性を理解して『書 く力』を育 む」 「② 子どもに単元のゴールイメージをもたせる」「 ③構成メモ・ 作文メモの 活 用 」 「 ④朝学習1 0 分への位置づけ」 の4点を意識した実践 である。 協議 では、 目的 意識(ゴールイメージ)や見通 しについて話題 になり、 「書 くことを通して意欲や学習の高まりがある」「『構成→記述→遂行 →交 流』という、ゴールに向かうための流 れが明確にされている」などの意見が出た。メモとしての付箋の活用 に興味を寄せる声もあり、活 用法 の交 流もされた。

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分 科 会 討 議第 6 8 次   上 川 ・ 旭 川 支 部教 育 研 究 集 会

第1分科会 日本語(国語)教育運営委員 田中 毅 (愛別中)

伊藤 陽子(近文第二小)進 行 係 月田 佳佑(名寄南小)

森  隆一(北星中)

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(3 ) 学 級 に “ 言葉でつながる ” 場 を~作文 教育 を生かした学 級づくり~

(永山小 分会  髙原 隼希)  本 発 表 では、 子 どもの人 格形成 や学 級 づくりにつなげる、 作 文 教 育 の実 践 が報 告 された。 「 書 くこと」 は周囲に目 を向け、 考えを深めるために行っており、 「 読 み合 うこと」 は、背景や感 動 を共有 し、多様 な書き方 に触れるために行っている。 書 き方 の指 導 では、誤字 ・脱字 に目 を向けるより、たくさん書 かせ、具体 的 な「 あなたにしか書 けない日記」 であることを大 切 にし、 また、 学 級 通信は「 読 み合 うこと」 の場 の一つとして位置づけてきたと語 られた。 協 議では、 学 級 通信への保護者からの反応に関心が寄せられた他 、 「そのまま書 くという絶対ルールが、 子 どもに、 物 事 を正しく見抜 く目 を育 てているのではないか」 「 自 分も、 書 かれたことから子 どもの物 語 が見 えるようになりたい」 など、 活 発 に意 見 や感想が交流 された。(4) 読 む力 を育 て、 「 自 分 の考 えの形

成 を図る指 導 の実 践 ~ 国 語 科 において~

(上川・ 上川小分 会 森 直子 )本リポートは、国 語科 において積み重ね

てきた実 践の報告 である。 本を読むことが好きな子 どもの姿に向けて、学 級文庫や読み聞かせ、読 書記録に取り組んできたと報告。 また、どの子 にもあらすじをとらえることができるように、叙述に沿ったセグメント(挿絵) を自 身で作成 し、 実物 を紹 介した。子 どもと教師が見通 しをもって学習を進めるための「 学習シート」 の取組では、ねらいを明確にする重要性 が強 調された。最後 は「『私 にはこれがある』という教師力をもてるようにこれからも研修していきたい」と締めくくり、 教師自身 が学 び続 けていく姿勢を打ち出した。 協議 では、暗唱レストランや読書記録の取 り組み方 、子 どもとの学習の進め方などへの関心が集まり、より詳しく知りたいとする質問 が多く寄せられた。(5) 「 話 す・聞く」 力 の育 成 をめざした授業 実 

    践(上川・ 上川中分 会 福本香織)

 本 リポートは、 中学 1年生の生徒たちの、発表 に対 する、抵抗感 や苦手意識を和らげようと取 り組んだ、2 年間 の実 践報 告である。 1年次は、「ミニスピーチ」を行うことで、発 表への抵抗感 を和 らげることができた。しかし、メモだけでスピーチをさせたことにより、内容面の充実に課題 が残った。 2年次には、スピーチメモを「原稿」に修正することで、内容面の充実が得られている。今後 の課題としては、 「原稿」 を「自 分の言葉」として「語 る」 ことができる生徒の育成 があげられた。協 議では、 小中のつながりが話 題となり、小 学校の頃に「どんなスピーチがよいスピーチか」をわかっていることが、中 学校での学びを支える等 、学 びの系統を意識した意 見が交わされた。(6 ) 語彙力・ 言語 感覚 を高めるための

日常的な実践東川・東川第一小  自主教 研推進委員会

(吉野麗 田中毅 岸本俊彦) 3 つの実践 報告 である。一つ目は、子 どもたちの語彙力が危ぶまれていることを伝える実践 として、新聞記事 を使った授業 を紹介 。二つ目 は「 漢字 本」 を使って語彙力を高める取組の実 践。 学年 に応じた「漢 字本」 と「 漢字 本専 用ノート」を用いて 1日 1 ページ以上の練習に取 り組ませ、漢字 を書 くことへの抵抗感 や苦手意識を、薄めることができた。 3つ目は「話 す・聞く」 力を高めるための日常的な実践 として、1分 間スピーチや振り返り、交 流の仕方 をまとめた表の取組など、9つの日常実践 が紹介 された。 協議 では、新聞を手に取ることが第1 のハードルとなっている現 状をふまえつつ、「新聞を用 いた学習が貴重だった」 という自 身の経験 を振 り返る声や、 子ども向け新聞をストックして活 用する方 法等が交流 された。

4  成果 と課題 今年度は、 実践 に基 づいた6 つのリポートが 発 表 さ れ た 。 研 究 協 議 で は 、 「 綴 り

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方 ・ 作 文 指 導 」 や「 書 くこと」 の指 導 を中心として、 書 く力 をつけていくための教 材の開発 、 「 書 くこと」 の意義について等 、活 発 な意 見 交 流 がされた。 「 書 くこと」 を通 して、 「 現 実 を見 る目 、 疑 う目 、 真 実 を見 抜 いて追 求 する力 」 を育 てている実 践 に触れたことが、 何 よりの成 果 である。一方で 、 作 文 や 書 く こ と の 時 間 が 取 り に く くなっているといった課題 、新聞を手 に取 ることが少なくなっている子 どもたちの姿も浮き彫りとなり、 子 どもを取 り巻く現 実 と合わせた、内容の濃い交流 ができた。

第2 分科 会 外国 語教 育運営委

員小西 雅人(名寄東中 )小野寺里歩(啓明 小)櫻井   基( 大町小)

進行係 加 藤   太 一 ( 風 連 中 央小)

1  基調 報告  子 どもたちは今、 「情報 化 やグローバル化 といった社 会 的 変 化 」 に対応するとして 、「 点数」偏重の学 力観により、矮小 化 された学 びを強 いられており、新しい発 見 に目を輝かせ追 求 する力 を発揮できず、 学 ぶ喜びや目 的 を見失っている。 これは、多様 な価値観を認め理解を深め合 う学校の機能を変 質 さ せ 、 「競争」 「愛国心」 「規範意識」 を徹底して国家に都合 のよい価値観を押しつけ、 「権力 に従順な人 づくり」 を目論むものである。  さ ら に 、 「 小 学校外国 語 」 「 6 ・ 3 ・3 ・4 制の見直し」 導 入 による「高校教 育改革」 などの施策 は、差別選別を一層すすめ、一部エリート養成 を加速 させることが危惧される。 文 科省は「 教 育 の強靱化 に向けて」 を公 表 し、その中 で、 ① 学習内容の削減を行 わない、 ② 学習過程の質 的 改善を行 う 、 ③必要 な 科 目構成 を 見直す 、 ④養成 ・採用 ・ 研修の一体 改革をすすめ、 教員

の質 を向上させるなどの考 えを示した。 これは、子 ども・地域の実態 を顧みることなく、企業 が要 求する「グローバル人 材」 育成のための資 質能力の向上 に固執し、依然として知識詰め込み型学習を強 要するものである。 私たちはこうした状況 を克服し、すべての子どもたちにゆたかな学びを保障し、次世代の主権者を育成 するという社 会的責任を果たすことが大切 である。 2020 年度から実施される「 学習指導 要領」 の中 で、 小学校英語については現行 5年生からの「外国 語活 動」 を2 年間 前倒しして3 年生からとし、 5 年生からは英語が教 科 化 (週 2 コマ) さ れ る 。 「必ずし も15 時間以上 の上乗せを求 めるものではない」 としたものの、現 状でさえ高学 年( 4~6 年) は週28 コマでぎりぎりの時間数であるところへ、 もう1 コマ押し込むことになる。旭川 上川両支部内では・ 18 年度からの全面実施が強行 され増える時数をどう確保するかは学校にゆだねるという無責任ぶりである上に、授 業を担当する教員についての条件整備も不十分 なままのスタートとなるため、現 場の混乱は深まっている。 私 たちは、 このような過酷な状況 に置かれている子どもたち、そして現 場の教育環境と真摯に向き合 い、 子どもたちに寄り添う教 育実 践をする中で、「 点数学力 」「特定の価値観」 の強 要等 「学習指 導要領」 の押しつけを排除し、「 子どもたち一人ひとり の居場所が あ り 、 楽 し く 通 え る 学校」「ゆと り が あって わ か る 授 業 、 楽 し い 学校」 の創造を求め、自主編成運動を強化 していかなければならない。2  討議 の柱(1 )現 状報 告    上川・旭川支部のレポート発 表より(2 )楽 しくわかる外国語 授業 をどう創るか(3 )ALT (または日本 人 T2 )とのTT

のありかたについて(4)小 学校への英語 導入 問題(5)平和教 育としての英語(6 )その他3  研究 発表

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(1 )外国語 活動 における授業 実践 とその成果 と課題

(名寄南小分 会 香川 寛明)  2 0 2 0 年度から新学習指 導 要領が適応され,小 学校の外国 語 においては,3 ・4年生が35時 間,5・ 6 年生が70 時 間 実施される。 上川管内 では先行 実施されている。 本 発 表 では,外国 語 活 動 の授 業 をどのように進めると子 どもたちにとって実 りのある学習になるのかについての実 践 や成 果と課題が紹介 された。具体 的 な取 り組みとして,導 入 ・展開・

まとめ部分 の授 業展開に分 けて紹 介 された 。まず,小 学校5年生の外国 語 活 動 での導 入部分 では,「 Small   tal 」 という既習文型を用 いて子 ども同士ペアになりコミュニケー ションを図る活 動 を行ったり,新 単 語 チ ェ ッ ク 「 Matching game 」 や 「 Key   Word game 」 などのゲーム感 覚 で発音練習など行 えるものを取 り入 れたりする。 小 学校4年生では,コミュニケー ションタイムといった名前 や誕生日 をペアでやり取 りする活 動 や,チャンツといった本 時 に学習する内容の ALT と HRT の会 話 を見 せ,2 人 がどんな話 をしているのか想像させる活 動 を取 り入 れる。 これにより,学習への見 通 しをもたせる。展開部分 では,小 学校5年生では,キャラクターゲームやビンゴゲームなどの Activity を取 り入 れたり,小 学校4年生では, ALT と HRTの実際のやり取 りを見 て考 えるデモンストレー ションや児 童同士のコミュニケー ションタイムを取 り入 れたりして,意欲的 な学びとなるようにする。 まとめ・ 振 り返り場面では,児 童 自 身 が本 時 の課題 の達成率を4段階で評価し,自 分 のできたことや友達のがんばり,次回がんばりたいことなど記述する。

実 践 を踏まえた成 果 として,児 童同士コミュニケー ションする場 が確保され,ゲーム感 覚 で楽 しく活 動 することができることなどが挙げられていた。 また,課題 として,ゲームで使用 するカードの準備の時 間 がかかることやコミュニケー ションを苦手 とす

る児 童にとっては外国 語嫌いを招く恐れがあるということなどが挙げられた。

 ( 2)剣淵小学校における外国語 教育(剣淵小 分会  高橋 卓

広) 剣淵町では,現在小 学校・中 学校・高等学校に 1 名の ALT が配置されている。 小学校における外国語 教育 は, ALTと連携を取りながら担任が主体 となって進めている。しかし新学習指 導要領による授業時数の増加により, ALT との打合 せが激減している現 状にある。本 発表 では,限られた人員や時 間の中で,子 どもたちのためになる外国語 教育 を進めるための取組が紹 介された。 具体的 な取組として,学習環境の整備や教員間の共通 理解の方 法が紹介 された。 学習環境の整備として,「外国語 教室」という広い教室をつくり,外国 語教 育を行う上で必要なデジタル教材 や ICT 機器,絵カードなどをまとめて配置している。これによって多くの教 材の中から,より有効 なものを選んで活用 することができる。共通理解の方 法として,「外国 語教 育通信」 を発行 している。これには 1 単位時間 の授業 の流 れやデジタル教材 の活 用の仕方 などが書かれている。これによって全職員が共通認識をもった上で外国 語教 育を進めることができる。 本 発表 では,外国語 教育 を進めるための準備にかかる時間 のこと,小学校と中学校の外国語 教育 の違いのことについて多く話が挙がった。絵カードやワークシートなど,担任だけで教 材を作成 するとなると多くの時間 がかかってしまう。そのため,学年 間や学校全 体で連携しながら教材 の準備を進める必要 がある。 また町に 1 人しかいない ALT と効率よく授 業の打合 せを行うために,打合せの観点を絞って短時間 で行うことが重要である。小 学校と中 学校の違いについては,学習内容や学習環境,評価に対して,小学校・ 中学校間 でギャップが出てきてしまう恐れがある。 小学校と中学校がより連携し,子 どもたちの外国語 教

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育 に対 する学習意欲を維持・向上 させていく必要がある。

4 成果 と課題 今年度は,外国 語 活 動 の授 業 実 践及び外国 語 活 動 を進めていく上 での各校の取組についての発表 が行 われた。  研 究 協 議 では,討 議 の柱 ( 2 ) 楽 しくわか る 外 国 語 授 業 を ど う 創 る か ,( 3 ) ALT ( または日 本 人 T2 ) とのTTのありかたについての2 つが多く協 議 された。 教 材 研 究 はもちろん, ICT の活 用,環境の整備,ALT やT2 との連携など,様々な面を通 して楽 しくわかる外国 語 授 業 を創ることができる。 小 学校での外国 語 教 育 の「 楽 しい」 「 わかる」 という経験 があることで,中 学校における英語 教 育 をスムーズに行 うことができる。そのためには,ALTや T2 の 活 用 だ け で な く,さ ら に は 小 学校・ 中学校の連携も必要になってくる。  一方 で,小 学校で英語 が教 科 化 されることに当たり,どのように子 どもたちを評価するかが課題 である。 小 学生は発達段階を考 えると単語 を書 けるかどうかで見 取 ることが難しい。 また,一人ずつ一対一で会 話をし,どの程度話 すことができるか確かめるにも時 間 がかかる。そのため,活 動 の様子 を動画で撮影しておく方 法 なども考 えられるが,まずは毎時 間 の振 り返りシートをしっかり蓄積しておくことが大 切 であると協議 された。 今回の研 究 協 議 において,小 学校と中 学校それぞれの学校での取 り組みを交 流 することができた。各学校での ALT やT2 の活用 の特色はあるが,授 業 に携わる先生とのより効率的 な打合 せのあり方 も今後 の課題である。

第3 分科 会  社会 科教 育運営委 大 津   こずえ ( 美 馬 牛

員 小)山本  美 和  (東陽中 )小野 可奈  (共栄小 )

進行係 結城 直   (美 瑛小 )西田 秀巳  (神楽小 )

1  基調 報告「森友学園」 の国 有地売却に関 する決算

文書 の改 ざんや交渉記録の隠蔽目的 での廃棄、 「加計学園」 の獣医学部新設をめぐる「本件は首相案件」「安倍首相と加計理 事長が面談」と記した愛媛県文書 の発 覚、 さらには自衛隊によるイラク・南スーダン派遣部隊「 日報 」の隠蔽など、民主主義の根幹を揺るがす事態 が相次いでいる。その一方で、自民党は、安倍首相の「2020 年の新憲法施行」 を受 け「 改憲案」 を決定し、本年 中にも国 会での「 発議 」を目論んでいる。昨年3 月には、 子どもたちに一方 的な道

徳観・価値観・家族観を押し つ け る な ど「従順な国民づくり」 を企図する「 小・ 中学校の 学習指 導 要領」 と 「幼稚園教 育 要領」 が告示され、 小中 学校では今年度から移行期間 に入っている。次期指 導要領は、教育 の目 的を「人 格の完成 」から「 国家のための教 育」 に変 質させる戦後最悪 ・最大規模の学習指 導要領である。小 ・中 学校の社会 科においては、政府見解を一方 的に押しつけ、北方領土に加え、竹島や尖閣諸島を「固有 の領土」 と明記し、中 国や韓国 の立場 について「並べて教えることは想定していない」とした。

子どもたちは、「 点数学力向上施策 」と「競争と管理 」の教育 の下、学 ぶ楽 しさや意欲を奪われている。将来に対 して夢や希望をもつこともできず、いじめ・不登校など様々な形で苦悩を表出している。今、 「平和憲法」 「人権」 「民主教 育」

は、戦後最大 の危機的 状況 を迎えている。そこで、 社会 科が担うべき「未来に横たわる諸 問題 を正しく考え解決 していく主権者を育 てる。」 という使命を明らかにしながら、 実践 をすすめていくことが求められる。

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今次支部教 研 では、 社 会 科 の現 状 と課題 をしっかりと把握し、 私 たちのめざす社 会 科教 育 の推進に向けて、 大 いに討 議 を深めていくことが重要である。

2  討議 の柱(1 )社 会科 をめぐる今日 的課題(2 )主権者を育 てる社会 科教 育のあり方    ①平和 ・ 人権・憲法 にかかわる教 育 を

どうすすめるか   ②歴史教 育をどうすすめるか   ③地域や産業 学習をどうすすめるか(3 )社 会科 授業 をどう活 性化 するのか  ① 意欲を高める教材 化   ②地域教 材の用い方(4) 教 育課程の自主編成 をどうすすめるか    ① 教 科 書 の内容をどう押さえ、 活 用 し

ていくか    ② 小 ・ 中 ・高の連携や自主編成 の共同

化をどのようにすすめるか

3  研究 発表( 1 ) “ 術・ 学 ・観 ” に も と づ い て “ 学

び ” を構造化 した社会 科授 業の実践(比布・比布中央小 自主教 研推進委

員 会 大津 慎吾)

  小 学校第4学 年 の「住みよいくらしをつくる 水はどこから」 の授 業 実 践 が報 告 された。興味関心を引き出す工夫として,導入 では , 泥水を飲む子 どもの写真 等印象に残る資 料 を提示した。 また , 自己の変容を視覚 的 に捉えることができるための工夫として,予想 とまとめで,「 みずがど こ か らマップ」 を 作 成 す る 学習活 動 を行った。  協 議 の中 で,板書 を残し , 児 童 が振り返ることができること,予想 とまとめで同じイラストを使ったことにより,児 童 自身 が学習してわかったこと・ 変容を理解できていたことについて確認された。働く人に焦点 を当てるとしたら,という視点 からも意 見 が出された。そのような授 業展開に

ついても考えながらも,本 授業 実践 では,児童 が水の流 れについて理解できていたことから,1時 間で学習できる内容には限 りがあるため , 欲張らず,内容を広げ過ぎないことも大切 であると確認された。 児童の自発 的な考えを引き出す課題作 りについても話 し合 われた。(2 )異文化 を認めることから始まる民主教育

富良野西中 分 会  藪内 充裕  在外使節派遣教諭としてマレーシアにある日 本人 学校で勤務された経験 と実 践について報告 された。

地域ならではの素材を授業 に取 り入れ る こ と に よ り,経験 や地理 的条件から , 学習内容を理解することができた。異文 化 を認め る た め に,「 話 を聞く こ

と」 と「 自分 の気持ちを伝えること」が必要な力である。この力 は , 全ての教 科において「民主教 育」 をすすめていくために必要な力でもある。マレーシアには ,植民地支配を乗り越えてきた歴史がある。違う人種が集まっていながら互 いを理解しようという気持ちが強 い。それが,「学校でグループがない」「 いじめ」 がない環境にもつながっていた。 協 議では,マレーシアと日本 のつながりを活 かす方法 について話し合われた。日 本人学校の先生を通 してスカイプで話 をする方法 や,海外の生活をした先生などをゲストティーチャーとして授業 をしてもらう方法が提案された。

(3 )地域の中で育む社会 科教 育             (千代田小 分会  井須 哲朗)  「地域の 中 で く ま れ る 社 会 科 教 育 の 実践」 をテーマにした授 業実 践について報 告された。「ほとんどの単元で見 学に行く」「課題 をはっき り さ せ て,ま と め る 活 動 を設定する」 「まとめの段階では人 に伝える活動 をする」「地域素材 を取 り入 れる」という4つの視点 を意識して行った。

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  社 会 見 学 をすることにより,児 童 が体 験したことをもとに自 分 で課題 を見付ける力や粘り強 く学習に取り組む力が身に付いた。

小 さな地域では,副読 本編集が難しい。地域資 料 を活 用 できるように補助資 料 を作成していけると良い。  協 議 では,教 科 書 で取 り上げられる地域が児 童 にとって身 近 でないために理解が難しく,児 童 にとって身 近 な地域に合 わせた副読 本 やテストを作 成 する必要 性 があること に つ い て 話 し 合 わ れ た 。一方,地域に合った資 料 やテスト必要 ではあるが,作 成が困難である実 態 や,バス代がかかることから,社 会 見 学 自 体 が困難な現 状 も交 流 された。(4)生徒の気づきを尊重した「 文 化 」 の学習

(緑が丘中 分 会  今村 恭子 )  文 化 の学習を,顕著な芸術作 品 や作者名を強 調 し,暗記するだけの授 業 ではなく,当時 の人々の生き様 や政治のダイナミックな流 れを感じられるように実 践 した授 業 について報 告された。  文 化 と経済と人 を関 連 づけて考 えることで,生徒が気づきをもつことができた。 また,資 料 から,生徒が気づくことも多い。適切 な資 料 を選ぶことが重要 である。 資 料をきっかけに教 科 書 の記述とつなげ,理解が深まるように意識している。  協 議 では,小 学校でも文 化 の扱いが難しく,背景を知ることがとても大 切 だということや,中 学校で,学習の最後 に文 化 の通史をした例が交 流 された。 中 学校では,受験 に向けての学習と,一つのことを深く取り上げることとのバランスをとることが難しい,という実 態 も報 告 された。 小 学校と中 学校でどのような学 びがされてきたかの交 流 をすることの重要 性 についても共通 理解された。

4  成果 と課題  小 学校でも中 学校でも高校でも児 童 や生徒に「 できた」 と実 感 させることが大 切 である。 社 会 科嫌いの子 どもが増えている中,

どのようにすれば,興味をもったり楽しみにしたりできる子 どもを育 てられるか工夫されていた。一つ目は,資 料の工夫である。適切 な資 料があることにより,児童 ・生徒の興味や気づきにつながるという成 果が再確認された。二つ目は,体 験活 動を位置づけた学習過程を取 り入 れることである。 社会見 学から,自分 で課題をみつける力,身近なものをもとに考え始める力 が育 まれた。三つ目は,実 感をもって捉えられるように工夫することである。 小学校中 学年段階では,身近 な地域と結びつけた学習を設定することにより,自 分の経験 をもとにしながら,学習を理解することにつながっていた。 課題としては,副読 本作 成自 体が厳しいこと,身 近な地域を取 り上げた資料 やテストを作成 することの苦労があげられた。 また,小・ 中・高でどのような学 びがされているか共通理解が不十分であることや,社会見 学は有効 であるが,バス代や日程等 の側面から実施が難しい実態 であることも確認された。

第4分科 会  算数・数学教 育運営委

員橋場  裕輔(富良野西中)児玉 郁子(緑新小)鎌田 喜美子 (忠和小 )

進行係 金森 隆也(トマム学校)米澤 德之( 日章 小)

1 基調報告算数・数学教育のねらいは,算数的・数学的

活動を通して,知識・技能の定着を図り,数学的な思考力・表現力を育成するとともに,それらを進んで活用する態度を育てることにある。

2011 年から小学校で学習指導要領が完全実施された。その翌年に行われた算数・数学教育に関する国際比較調査では,世界の中で成

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績が上位に位置し,過去の同調査と比較しても,日本の算数・数学教育における学力が向上していると言われている。

しかしながら,深刻な課題も隠れている。数学における興味・関心や楽しみや学びがいがあるといった「数学における道具的動機付け」,計算に自信のあるといった「数学における自己効力感」,数学ではよい成績を取っているといった「数学における自己概念」が世界の最低水準にあるということである。また,「数学に対する不安」も高いという結果が出ている。さらに,上位国に比べ,応用力があるとされる習熟度が高い上位層が少なく下位層が多く,数学的概念を利用したり, 数学的結果を応用したりする力も弱いことが指摘されている。

学力重視の傾向にある現在にあって,子どもたちに本当に身に付けさせるべき力とは 何か,算数・数学を通してそういった力をどのように身に付けさせていくのか,改めて考えなければならない。子どもが中心となって自らが主体的に考え,考える過程が大切にされる。そして自分の考えをクラスの仲間と議論することによって,互いに考えを深めたり広げたりする,そんな授業が展開されなければならない。「すべての子どもたちに楽しく・わかる授業」を実践していくために,研鑽と自主編成の継続に力を入れていくことが必要である。

こういった情勢を受け,本分科会では現学習指導要領下での子どもの現状を交流する ことから始め,自主編成のとりくみの重要性を再確認していきたい。我々が日々行っている実践を,少し工夫することでも,それは自主編成となる。自主編成は「難しい」「大変だ」「面倒だ」という意識が少しでも変わるような分科会になることを期待している。

2 討議の柱(1)現学習指導要領下での子どもたちの現

状と自主編成のとりくみ(2)楽しく,わかる授業(3)子どもの意欲を高める教材,問題,発問(4)算数・数学教育における「指導」と

「評価」のあり方 

3  研究 発表

(1 )分 かる喜び・できた感動 を実 感できる指 導を目指 して~算数科 の習熟度別指 導を通して~

(下川小 分会  川邊 宏司)① 現在の下川小 学校の状 況

1年生から3 年生は TT と習熟度別指導,4年生以上 については一定の成果 が出ているというデータがあるため,全て習熟度別による指導 を行っている。レディネステストや単元テスト,授 業の見取 り,児童の希望をもとに,実 態に考慮して,「 ぐんぐんクラス」と「じっくりクラス」に分けている。保護者には通信などで習熟度別学習についての連絡をしている。② 習熟度別指導 の工夫エクセルファイルに個人の情報 (学習の

定着度等 )をまとめ,効果 的な指導 に結 び付けている。目標設定の重点をどこに置くかについては,実態 に応じて決めている。担任と TTとで別々に授 業をするため,考 え方 の学習では全員分のノートをコピーして確認をしたり,担当クラスを固定せずにチェンジしながら指 導をしたりといった工夫をしている。課題,まとめ,評価規準については可能なかぎり揃えている。学習内容に合わせた宿題や, T1 と T2 の効 果的 な役割分担についても,打ち合わせながら進めている。デジタル教 科書,実 物投影機,テレビ,教員1人 1台タブレットが使用 できる充実 した ICT の環境を指導 で効 果的に活用 している。③ 成果 と課題習熟度別指導 と TT 指導 を進めてき

た中 でのメリット・デメリットをまとめ,成果 と課題を明らかにしながら,より効 果的な指導 ができるようにしている。習熟度別に指導 を行 う場 合は,職員間 の連携やクラス分けの配慮,工夫等が必要 である。今後もこの取り組みに対 して,評価・工夫・改善を行っていくことや業務を効率化していくことが大 切である。加配がなくなってしまわないように,細かな報告,資 料の作成,ヒヤリング等 がある。 もっと予算化 し

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ていけるように,継続 して働きかけされるべきである。

( 2 ) つながりを考 え,操作 的 活 動 を取 り入れた算数科 の指 導の工夫

( 自主教 研推進委員会 本幸小 分 会  半澤 雅宏)

① 研究 テーマとテーマ設定の理由  本幸小 学校は小規模校であり,一人ひとりに向き合った授 業 を行 いやすい。 しかし,間接指 導 の場面があるため効率も必要 。気付かせたり,話 し合ったりという指 導 の時間 が薄くなりがちである。知識や技能のみにならない,子 どもの実 態 に即した実 感 を伴う授業 を目 指したいと考 え設定した。② 児童 の実 態・ 学校の概要  2 年生女子 2名,3 年生男子 1名の計3名。 全校児 童 は7名,職員5名である。今年度で閉校。間接指 導 を行 うときには,目配りをしている。③ 授業 での取り組み  2 年生た し 算 の 学習で は,タイル,ブロックの活 用 により正しい答えを考 えさせることができた。お金を使うことで,理解が深まり,百の位への繰り上 がり,繰り下がりについても意欲的 に学習することができた。 3 年生わり算 の包含除,等 分除の指導 において積み木を使用 して確認することで,次の問 題 においてイメージ化 することができていた。④ まとめ

現代は,電卓で計算 できたり,スマホで必要 な情報 がすぐに調べられたり,現金ではなくカードや仮想 通貨になるなど,時代が変 わってきている。バーチャルな時代だからこそ,感 覚 や操作 を伴った体 験 を通じた学習,物 を使って解決 する楽 しさを実 感してほしい。 学習内容の理解に,具体 物 の操作 が有 効 であったので,具体 物 の操作 の時 間 に余裕が欲しい。 また,学習用具の整備など教 育予算 の充実 も必要 である。 教 科書 の単元の配列には重要 な意味がある。 児童 の実 態 や興味関心をもとに学習に取 り組むと,さらに効果 的である。

4  成果 と課題 分 科会 の初めに,比布中 学校分会玉置英樹先生から,第67次全道合同教育 研究集会環流報 告をしていただき,全道各地の算数・数学 教育 の現 状について知ることができた。レポート数は過去最少の8本,先生方の忙しさが背景にあるのではないだろうか。 「『学校の主役は子どもたちであり,その子どもたちのために,私たちは努力 しているのだ。』ということを忘れないことだ。 」というまとめが胸に響いた。布部小中学校分 会の牧野徹先生から「数学 科教 育~どの子 にもわかる授 業づくり」の資料 提供もいただいた。 2本 のレポート発 表をもとにそれぞれの学校においてのTT 指導 の実態 やメリット,難しさについて交 流することができた。T1,T2 で綿密に連携を図り,児童 の実 態に合わせた効果 的な指導 を行 うことが理 想だが,多忙化との折り合 いが難しいところである。「 小・ 中学校での指 導方法 の違い」 についても多く話 し合 われた。小学校では具体物 を使用して学習をすることが多い。中 学校の学習においては,小 学校で取り組んできた学習を基に,「具体 物で考 えると」 をイメージしながら学習する。小学校で学習したことを中 学校の学習で生かせるように,毎回の振り返りが大 切である。 小中 の連携を図り,互 いの学習内容や指導 方法 を知った上で,系統性 を考 えながら教 育していくことの大切 さについて確認することができた。題 意がわからず単位を間違ってしまう,量感 がなく筆箱の厚さを2mと答えてしまう,「かける数」,「 かけられる数」 は求 める過程において逆にしても答えが出る場 合もあるが順番や考え方を意識しておかないと間違いに繋がってしまう , 帯分数の扱い方など,子どもたちの現状 や実際の指導 方法 についても具体的 に交流 することができ,収穫の多い分 科会 であった。次回の教 研では,新学習指 導要領に基 づいて指 導した結 果,どのような成 果や弊害があったかということについて議 論をしていく必要があるだろう。

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第5分科 会  理科 教育運営委

員山本  一範(鷹栖小)古屋 正之(永山南中 )長岡 信二(東町小)

進行係 太田 吉政(鷹栖中)北西 友弥(愛宕東小 )

1  基調 報告2011 年 に起きた東日 本 大震災を契 機 に 、

科 学技術の役割を見直すとともに、 科 学技術への関心や役割を見 つめなおすことの必要 性 が高まっている。 OECD (経済協 力開発 機構) のPISA調 査 や全 国 学 力 ・ 学習状 況調 査 の結 果 から「 理 科離れ」 や「 理 科 学習に関 する有 用 感 の低さ」 、 「将来科 学技術に関係する職業 に就きたいと考 える児 童 の減少」 等 が叫ばれている。それに対 して今次改定で重視された「 理 科 教 育 の充実 」 は 、個々の子 どもたちではなく「グローバルな経済競争を勝ち抜 く人 材 育 成 」 に意識が向けられている。 現 場 では、 「 点数」偏重の学 力観により、矮小 化 された学 びを強 いられ、 子 どもたちは新しい発 見 に目 を輝かせ追 求 する力 を発揮することができず、 学 ぶよろこびや目 的 を見失いつつある。そうした中 でも、 私 たちは目 の前 にいる子 どもたちの発達を保障し理 科 教 育 を進めていかなければならない。

理 科 教 育 の本 質 とは、 「 感じ、 考 え、実 践 する」 ことにある。 子 どもたちが科 学的 な 現象を 目 に し た際、 「 なぜ、 ど う して」 「ふしぎだ」 等 のつぶやきが生まれ、その原理 を追 求 しようとしたときに、 事象の性 質 や規則性 に気付くことができる。その過程で「 楽 しさ」 や「おもしろさ」 を実感 し、 より広い世界観から今後 の生活 や未来を見据えた考 え方 を養っていくことが必

要 で あ る 。そう し た 「おも しろい ・ 楽 しい・ わかる授 業」 の創造こそ私 たち理科 教員の使命であると考える。 私たちが理科 教育に対する信念をもって、 教育 活動 をすすめていくために、 自主教研 をとおして多くの情報を吸収し、 指導 のスキルを高めていくことが必須なのである。

本分 科会 では、現在の理科 教育 における課題や問題 点を適切 に把握する中 で、 自主編成をすすめるための手 立てや方 策を模索したい。また、 様々な教 材・ 教具や授 業方法 の工夫を交流 し合 う中 で、 理科 の本 質的な楽しさや面白さを子どもたちが感じられるような教員の資質 を高める場としたい。

2  討議 の柱(1 )理 科教 育を巡る現場 の状 況と課題(2 )学習指 導要領の問題 点と自主編成

のとりくみ(3 )おもしろい・楽 しい・わかる授業

の創造

3  研究 発表(1 )植物の世界                    (東明 中 分 会  栄 耕平) 本レポートでは,単元では何を学び,どのようなことが身 につくのか理解させることと,学習の前後 での変容を生徒自 身が捉えられるようした単元導入 についての実 践が紹 介された。本 研究 では「植物の世界」の単元導 入において,身近 な野菜や果物 を生徒がもっている知識で分類することで,単元全体 の学習内容を確認でき,学習後 に再度同じ分類を行 うことで,自 分自 身の変容をみとることができた。 また,野菜や果物を扱うことで学習内容と日常生活 との関連付け,身近 な植物について新たな気づきや探求につながることが期待できる。課題として,コケ植物 を扱うことができなかったことと生徒の思 考が「食べること」を中心にグループ分けする発想 に偏ったことが紹介 された。   

協議 では、小 学校と中 学校での植物 についての学習内容の交流 が図られた。そこで

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は,児 童生徒が身 近 に感じている植物 というのは少なく,中 学生が覚 えているのは,小 学校で育 てたり扱ったりしたアサガオやヘチマ,ヒマワリが多い。 教師側から積極的 にアプローチし,小 学校から植物 にかかわる土壌を育 むことが大切 と話 し合 われた。(2 )地域教 材の資料 化 (東神楽 ・東神楽 小 自主教 研推進委員

会富岡 雅

人)  本レポートでは,地域教 材 を資 料 として蓄積し,引き継いでいくことで,使用 できる教 材 の幅を広げる実 践 が紹 介 された。 授業 で扱う生物 教 材 のいくつかを,校地・校区に見 られる生物 を用 いて観察 することで,学習内容を身 近 に感じさせたり,季節感 をもたせながら教 材 にふれさせたりすることができた。 また,観察 した日付やそのときの生物 の状 態 を写真 に残すことで,次年度以降の指 導 や理 科 教員の異動 の際にも有 効に利用できると考 えられる。

協 議 では、特に小 学校において校舎敷地平面図を利用 した植物マップを作 成 しておくと,専門外の教員でも有 効 に利用 できるのではないかという意 見 が出された。生物の観察 を含めて,タイムリー な指 導 のためにも資 料 を残し,伝えていく必要 があるのではないかと話し合われた。

(3 )楽 しい理科 実験                      (新町小    折内 絵美 ) クラブ活 動 における磁石や空気にかかわる実 験 の実 践 が紹 介 された。知識や技能の習得,テストのないクラブ活 動 における実験 を 通 し て 「 理 科 は 楽 し い 」 「 なぜだろう」 「 もっと知りたい」 という気持ちを育てている。 テストや受 験 のための学 力 には結 びつかないかもしれないが,教 科 書 にはない,子 どもも教師も楽 しくてわくわくする事件も,理 科への興味関心を高めるためには必要 であると考える。磁石を使った実 験 では,磁石シートに鉄

粉をふりかけ縞模様 が見 えてくることから

SNが順番に並んでいることがわかることや,その磁石シートを使ったキツツキのおもちゃが紹介 された。 また,空気にかかわる実 験では,スポレー缶を使った空気の重さ を 調べる 実 験 やステ ンレスのボールを使ったマグデブルグ半球の実験,大気圧を利用 した缶つぶしが紹 介された。

協議 では、理 科室にガウス加速器などを展示し,常時,生徒にふれさせる環境をつくっている実 践が紹介 された。 また,実 験のインパクトが強 く印象に残っているものは,よく覚えており,教科 書にない実験 も,活用 の仕方によっては有効 であることが話し合 われた。

(4)実 験サークル「 はてな」 のとりくみ             (北門中分 会   沖野 祐樹) 実 験サークル「 はてな」 は,旭川市内 の教員が毎月1 回集まり,指導 要領にとらわれ る こ と な く,授 業 に 役 立 ちそう な 実 験ネタや現 場での悩みなどの交流 を行ってる。20 00 年にスタートし,活動 は19年 目を迎えた。月 1 回の会合 で紹 介された実験ネタは,A3 の通信にわかりやすくまとめられており,研究 発表 では,その過去2年 分の実践 報告 がなされた。その内容は,多岐にわたっており,日々の実 践で使えそう な ネ タ が 数 多 く 紹 介 さ れ て い た 。ちょっとした工夫やひと手 間加えることで,結果 がうまく出ない実 験も理想 的な値に近づいたり,生徒にわかりやすく伝えたりすることができる。 協 議では,教科 書の実験 手順にこだわることなく,日々の実践 の中 で工夫し,交 流していくことでわかる実験,楽 しい実験 ができるのではないかと話し合われた。

4  成果 と課題 今年度は、実 践に基づいた4つのレポートが発表 された。 成果 としては,地域に根差した教 材を資料 化し,蓄積していくことの意義について,その重要 性を共有 することができた。そして,より楽しい,わかる理科 の授 業を創造するための実 践交 流を行

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うなかで,それぞれの課題 や良さを紹 介 しあうことができ,実 験サークル「 はてな」の発 表 では,日々の実 践 の中 で失敗と工夫を重ね,積み上げてきたものを交 流 する場が必要 であると再認識することができた。ただ,多忙化 の影響からなのか,そうした場 に先生方 が集まらなくなってきており,自主教 研 が成 り立 たなくなってきているとの報 告 もされた。 また,自主編成 が一部のみの取 り組みにならず,小 学校から中 学校へのつながりを含め,体系的 な知識や世界観をどのようにつくっていくのかを考 えていく必要 があると話し合われた。

第6 分科 会 図工・美術教 育運営委

員    岸本  研二( 明徳小)栄村 麻美(新富小)麻生 枝里(陵雲小)

進行係  森  洋  (東川中 )  大 矢   成 人 ( 雨 粉小 )  

1  基調 報告私 たちは今までの教 研 活 動 の中 で,「 美

術教 育 は人 間形成 に直接かかわる教 科 であること」 を多くの実 践 をとおして確認してきた。そして,自然や社 会 の非人 間 化 の現象,受験制度や過度な部活動 になどによってゆがめられた学校体制の中,図工・ 美術教 育 は子 どもたちの感 受 性,つまり,やさしさや豊かさを育 もうと努力

してきた。しかし,子 どもたちをとりまく大きな社 会現象はバーチャルな映像や安易な刺激に満ち溢れ,さらに「生命」 までも軽々しく扱われ,人と人との触れあいや他者と連帯することのない孤立化 に拍車をかけている。 また,旭川・上川の専科 教師の配置状 況を考 えると免許外の教員による美術の指 導や小 学校での図工を専門とする教師が少ないことから,作品 の見栄えや出来上 がりを第一とする一定の形式に従った指導 などが蔓延している。 そのような厳しい状 況の中で,これまでの教 研活 動でおさえられてきた美術教育 の本来の目標ある「 美術教育 を通 した人間形成」 に立 ち返り,先人達によって培われてきた文化 や芸術を伝承していくとともに,試行錯誤や葛藤のすえ創り上げる喜びの体得や自律心の向上,自然物 の変 化や生命の営みを発 見し愛着心や慈しむ心の醸成,そして色や形を通して,他人 の思 いがわかり,自分 の思 いがわかってもらえる喜びなどを実感 させていかなければならない。 日々慌しく業務に追 われる学校生活の中,私たちはいつのまにか「美術教 育は作品 づくりの教 科」 と思ってしまっている現状 があるように思 う。 本来,図工・美術教 育は子どもの心にふれ,共に響きあい,寄り添っていこうとする教師の姿勢が前 提にある。しかし,私 たちは子どもの心の問題 より,「 どのように表現 させるか」という技能・技法指 導が話題の中心となり論 議してきたように考える。そうしていつの間 にか,子 どもの繊細な心情を受け止める「 受信力」 を失ってしまっていることに気付かなくなってしまったのではないだろうか。作 品の背景にある子 どもの心をみることを忘れ,作品 だけをみている教師になっていないだろうか。 この教 研では,子どもたちの作品 を持ち寄り,作 品について交 流する場 だけではなく,作品 と向き合 う中 で変容していく子 どもたちの姿を語り合うことで,子どもたち一人一人 の思 い ( 心 ) に寄り添 うことを考える契機 としたい。その上 で私 たち教師自

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身 が変容し,子 どもたちとの関 わり方 が変わることで,これからの教 育 実 践 の活 力 になればと願っている。2  討議 の柱

( 1 ) 題材 と子 どもの表 現について   ①題 材のねらい・価値   ②指 導の観点 ・指 導法

( 2 ) 子どもたちの育ち・変容について ① 子どもの姿・ 思いをどうとらえたか。  ② どのように寄り添 い,どのような変

容をみたか。 どのようにつなげたか。( 3 ) 子 どもたちにとっての題 材 の価値

について( 4 ) 美術教育 をとりまく現 状・展望 ① 社会情勢の中 での困難・問 題点    ( 教 科 研 究 資 料 ・ 学習指 導 要領・ 教

科書 など )  ② 私 たちがめざす美術教 育,具体 的 な

とりくみ 3  研究 発表( 1 ) 「生きる」を創る美術教育

(神居中 分 会  西村 徳清)① 全国 教研 では,新学習指導 要領に対 する特別の教 科『道徳の影響』が指摘された。押しつけられる価値観やマニュアルを無批判に受け入れる子 どもを育 てることに繋がっていないか,子どもたちは自分 の表 現ができているのか,美術教 育の現状 を厳しく見 つめながら実 践紹 介と討議 が展開された。②『なりたい自 分』を描く学習を行った。自分 の家庭環境に対する絶望や将来に対 する不安を抱いているある生徒には,対話 を通して,生徒がどんな思いや願いを抱いているのかを引き出し,構想 を練っていった。絵が完成 し,美術室に飾ると,みんなが賞賛した。 表現 を通 して周囲と関 わり合おうとし,自己肯定感 を高めるきっかけとなった。③ 美術は心をはたらかせる科 目であるが,心を育てる道徳と連携できると捉えられ,道徳の教 材の一つにさせられる可能性を孕んでいる。また,鑑賞についても言 語活 動に飲み込まれたり,アートコミュニケー

ションの方向に流 れすぎたりしていることが危惧される。また,『現在美術』として扱っているものが古いという現 状もあり,今を生きる作家から生の声を聞くことも大切にしていきたい。( 2 ) 版画はたのし

~モノタイプであらわす抽象表 現~

(上富良野中 学校分会  庄子展弘)①仕事 の効率化 を求 められる今,美術の授業の中でも効率よく学 ぶことを考えているが,それは「 効率よく制作 する」というわけではない。 子どもたちの資質 ・能力を伸ばすために,より無駄なく授業 改善を行 い,子どもたちに寄り添って指 導や支援を行 うことである。その取組が上 手くいくと,教師の想像を超える作品 が生まれ,生徒も満足して達成感 を味わい,学 びが深まるのである。②モノタイプは,1回しか表 現できない版画である。直接インクを版の上 にのせて,定規などで模様をつくり,プレス機 で写し取る。生徒の狙い通りに上 手くいった場 合も美 しいし,偶然できた色の混ざり具合 で何とも言 えない良さが出てくる場合 もある。③どのような手 の動 かし方で模様 を付けるか,何色のインクと何色のインクを混ぜるとどんな色になるのか予想 し,のせるインクの分量を考 えることが,『術・学 ・観』でいう『学』にあたると考 える。刷り上がった作 品に題名をつけて展示することで,表現 を楽 しみ,自 分の作品 に自信をもちそれに伴って自己肯定感 を高めることが,美術を通して育 てる『観』なのではないかと考える。 教師の生産性 を高める工夫が,生徒の学びの生産性 を高め,新しい時代を生き抜 く子 どもたちの大 きな力となるはずである。( 3 ) 『すわってみたい椅子 をつくる』

旭 川 家 具 と の 出 会 い から・ ・ ・

     (鷹栖中分 会 山岸  和子 )

「旭川家具」 に目 を向け地域教 材を試みた 。 題 材構成 を 「 感じる 」 「 想 う 」 「創

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る」 「味わう」 とし,特に「 感じる」 学習過程での「旭川家具」 という地域素材 に直接触れることができる鑑賞の場面を重視。鑑賞活 動 を通 して身 近 なところにあるものの素晴らしさの発 見 から興味・ 関心,制作意欲を引き出していった。 また,表面的 な見 た目 のキレイさだけでなく,実際に使うことを考 えた形の追求 ができるようにした。 視点 に沿って鑑賞した後,目 的 や機能を考 え,自 分 なりに考 えた椅子 の形を考 えてアイディアスケッチをする。 アイディアスケッチに基 づいて,紙粘土で自 分 の椅子 のミニチュアを制作 。 できた作 品 をお互 いに鑑賞し,発表 した。  身 近 なところにあるものの素晴らしさや生活 の中 に美術を生かしていくということに気付かせることができた。 しかし,見 た目 にとらわれてしまい「 実 用 」 という点 をなかなか意識させられなかったのが課題 である。 学校と地域が連携しながら教 育 活 動を進めていけたらと考 える。(4)『~いつでも,誰でもできる!~                  フセン鑑賞法 (その2)』       (旭川第二中 分 会  吉野  法行) 鑑賞教 育 というのは「 表 現 」 「鑑賞」 と二分 されるくらい大 きなウェイトを占めている。 しかし,現 状,鑑賞教 育 には,あまり 力 を 入 れ ら れ て い な い 。鑑賞の主流 となっていた対 話型鑑賞には,たくさんの落とし穴がある。そこで「 フセン鑑賞法 」 を取り入れた。  フセン鑑賞法 は,「 自己( 作 品 ) との対話 」 「 他者の視点 との対 話 」 「 自己との対話 」 の3段階で構成 される。 アウトプット方 法 に「 書 く」 という行為を入 れること,お互 いに「 見 る」 という行為を入 れることが 対 話型鑑賞法 と の 大 き な違い で あ る 。「 書 く」 → 「 ( 書 いたモノを) 見 る」 という段階を踏むことによって,スケールしたときにパンクすることも,思 考 速度に左右されることもなく進めることが可能。 「 書く」 と「 見 る」 のフェーズを分離することによって,それぞれに思 考 のリソースを割

くことができるようになる。 フセン鑑賞法の手法 としては,「ヒートマップ法 」「相互鑑賞で用 いる」「KJ法的鑑賞法 」「吹き出し鑑賞法」 がある。 フセン鑑賞法は非常に敷居が低く,いつでもすぐに始めることが可能。 また,より客観的な評価もしやすいことがメリットである。鑑賞教育 に対 して消極的な層に対するアプローチとしても十分な手段になり得ると考える。4  成果 と課題技術指導,地域素材,鑑賞教育 を中心に

各参加者からの意 見が交わされた。技術指導については,小 学校と中 学校での現状 から問 題点 が出された。技術的なものを指 導する場面が少なくなってきている実 態から,「何 を技術とするか」 について話し合われた。描き方を指導 することだけではなく,構想 や発 想も技能であること,また,自 分の思 いを膨らませることも磨いていかないといけない技術の一つである等 の意 見が出された。 作品 の達成感 を求 めるのではなく,表現 する喜びを味わわせることが大 事であることが確認された。 昨年も発表 されていた「 フセン鑑賞法 」は,実 践 し て み た と い う声が た く さん上がった。メリットが多く使いやすい方法 であることが実証された。 

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第7 分科 会    音楽 科教 育運営委

員       

横濱  文則    ( 上士別中)辻   博康    (永山南小)小松 友子     (千代ケ岡小 )

進行係 星     路 子     ( 糸 魚小)田中  千尋    (旭川第三小 )

1  基調 報告 音楽は,人々の心に訴えかけ,様々な感情を呼び起こすことのできる芸術である。学校の中 の音楽科 は,この音楽 の持つ力 で子どもの感性 を豊かに育て,表 現力 を高めたりすることのできる教科 である。 また一人一人の個性 や興味・ 関心を生かしながら,仲間 とともに学習を深めたり,作品 をつくりあげたりできるという特性をもつ教科 である。

日本 の政治は,大 きな災害や世間を揺るがすような事件・ 事故が起きるたび,心の教育 と称して教育への関与を強 めてきた。特に,安倍政権の下,戦後政治の大転換とな る安全保障関 連 法案が 提出さ れ る 中,「戦争に行きたくないという主張は自分勝手! 」との発 言が政治家から出たり,国 立を含む多くの大学 に国旗の掲揚を半ば強制したりするなど,信じられないような改革が現 実のものとなっている。個か ら 公への転換を 合 い 言葉に,日 の

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丸・君が代強制を強 めてきた安倍政権。 小泉政権での国旗・ 国歌法案成 立 時 には,強制はしない,心の問 題,と答弁していたにも関 わらず,現在のこのような状 況 を招 いてしまった現 実 。今こそ私 たちの力 が試されているのではないだろうか。音楽 と美術を統合 し「 表 現 科 」 に,との

論 議 が盛んに行 われた 1995 年頃,音楽 科の存続 が決定したのは,皮肉にも 1997 年に起きた「神戸児 童 連 続殺傷事件」 があったからだとされる。冒頭にも述べたように,音楽 には人々の心に訴える力 があり,音楽科 教 育 には仲間 とともに学習を深めることができるという特性 がある。 これらの力 や特性 を大 いに生かして,私 たちの手 で授 業をつくり,成 果 を交 流 し合 い広げることで,感 性豊かな子 どもを育 てることが重要 である。そしてそのような子 どもを育 て,平和な社 会 の礎を築いていくことこそが,私 たちの最大 の使命である。 また,これらを行うにあたり,他 の職員や保護者・地域と連携を取 りながら,私 たちの目 指 す姿を発信していくことが大 切である。

こ の 教 研集会 で,日々の 授 業 実 践 や 教材 ・ 研 究 の交 流 を通じて討 議 が深まり,自主編成 の手 がかりを得られることを期待したい。

2  討議 の柱(1 )新学習指導 要領の問 題点(2 )音楽の授業 と教 材の自主編成(3 )私 たちがめざす音楽 活動 とは(4)「君が代」 について

3  研究 発表( 1 ) 創作 の指 導について

(美深・ 美深中分 会 竹内 まみ)

小 学校での音楽 の基礎を再度確認しながら,旋律づくりに取 り組んでいるが,年々記譜能力 が低くなる状 況 で,創作 活 動 に難しさが出てきている。

また,音楽科 は学校行 事の時間 を補う時間 に なって し ま う こ と が多く,鑑賞・器楽・創作 に十分取 り組ませられない現状 がある。 1 時間 の学習の中で,歌と鑑賞を並行して取 り組んでいるが,創作 にはあまり取り組めていない現状 がある。

本レポートでは,コードの仕組みを理解して,ワークシートを活用 しながら旋律や伴奏を作 る実 践が紹介 された。 作った曲を自分 で楽器を選んで演奏させたり,他の人に弾いてもらったり,創作 活動 に親しませることができた。 創作は時間 がかかるので取り組みにくいが,本レポートのワークシートは取 り組みやすそうで,参加者からは,ICTの活 用も取 り入 れながら,本 実践 を参考に取り組みたいという声があった。

中学校は週1 時間 しかないので,前 時の復習すらままならない状態 にあるので,充実した指 導のためには週 2 時間 は欲しい,指導 方法 の交 流のためにも担当教諭も複数配置して欲しいという切実 な声があった。

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( 2 )鑑賞の 授 業 に 入 る 前 の鑑賞の 授 業 ( 和 寒 中 自主教 研推進委員会坪 和美 )

  本レポートでは,小 学校から入 学 して鑑賞に不安に思 う生徒に,中 学校での鑑賞の授 業 の前 の鑑賞の授 業 の実 践 について紹 介された。誰でも知っている曲を速度,調,音の高さ,拍子 などを変 えて聞かせながら,そのときに感じた曲について文 章 で書 き表す方 法を確認した。

また,音色やリズムの違う曲を比較しながら聞かせたり,アニメの中 でBGMが効果 的 に使われることを確認したりして,曲を聞いてどんな場面なのかを想像する楽 しさを感じさせている。友達と交 流 することで,同じ曲でも様々な捉え方 があることを理解させることができる。

話 し合 いの中 で,入 学 してきたばかりの1 年生に音楽 の諸 要素について指 導 するために,諸 要素の働きを掲示したり,諸 要素に合 わせてペンの色を使い分 けたり,それに合 わせてマグネットシートを活 用 するなどの実践 も紹 介された。オーケストラの曲を鑑賞する前 などに,

楽器の名前 や音色について学習させるために「 楽器カルタ」 を使った実 践 が紹 介 された。それによって音色と楽器名が繋げて鑑賞させることができる。DVDやインターネット上 の映像資 料 やいろいろな機 材 を有効に活用 する方法 についても話 し合 われた 。

( 3 ) 思 考 力 ・ 判 断 力 を測るワークシ ート・ペーパー テストの設問 づくり&表現 力 を高め伸びやかに歌うことのできる歌唱指 導 2018

(愛宕中  三浦 恒義)

  本レポートで は,音楽 科 指 導 におけ る「 思 考 力 ・ 判 断 力 」 をより的確に見 とることができる出題 の仕方 やテストの設問 の工夫について紹 介された。音楽 科 を定期テストに入 れていない学校

もある中 で,鑑賞と合唱の学習した後,そ

の内容や基本 的な音楽記号などを定期テストで問うことは,子どもの能力 を見 とる客観的数値で 評価す る 材 料 も必要 で あ り,ペーパー テストを行うことで子 どもたちに知識や考 え方 を深めることができることが確認された。

学習した内容の中 からキーワードを設定することによって,設問の狙いをはっきりさせることができる。そのことによって自由記述の中に,ある程度の道筋ができ,生徒が授業 で学んだことを思 考力 ・判 断力 として身に付けることができたかを測ることができる。 音符の名前,休符の名前 や基 本的 な記号の名前と意味を,繰り返しテストに出すことによって,中学校の3年 間でしっかり覚えることの重要性,実技演奏の中では「創意・工夫」の評価は,技能が追 いつかないこともあるので難しいことが多く,「どのように演奏したいか」 などをペーパーテストや発言 で見 とれるのではないかなどの音楽科 の評価のあり方についても話し合われた。

4  成果 と課題 新学習指導 要領の「主体 的・ 対話 的」 という部分 は音楽の学習には馴染みやすい部分もある。

しかし,「深い学 び」 については学んだことを生活につなげることが大 切である。しかし,授業 時数が少なく,深い学 びを目指すことと矛盾していると思われる。行 事対応で音楽の時間 が少なくなる傾向があり,本来の教 材や教える内容が削られることもある。音楽は人生の楽 しみにつながる教 科であるので,学習したことが普段の生活 につながるような音楽の授業 が大 切であり,普段の音楽の学習の中 で子 どもの興味・ 関心をひく,生活に結びついた教 材を取り入れなければならない。 様々なことに興味をもたせられるように学んだことを広げるためにも,音楽 で学習したことを話し合う時間を確保してあげたいが,それをする時 間があまりにも少ないことが指摘された。

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さまざまな音楽 に関 わる機 材 が出てきているので,使いやすい音楽室の配置など物理 的 な環境を含めて整備してもらえたらよい。 本 物 の楽器に触れさせたいがそれらの環境を整えてほしいという要望もあがった。

第8分科 会 技術・家庭科 教育運営委

員齊藤 英俊(宇文 中)小 笠 原   真 矢 子 ( 末 広小)宮坂 有泰(豊岡小)

進行係 大内  康敬(士別中)山崎 茜(末広北小)

1  基調 報告 次期「 学習指 導 要領」 の改訂における中学校技術科 の動向は、 「知識基盤社 会 」 での汎用 的能力 をもった人 材 の育 成 をめざし 、全 体 としては、 教 育 内容重視から資 質能力重視へ移行 し て い る 。具体 的 に は 「主体的 ・能動 的 学習」 ( アクティブ・ラーニング) の推進、カリキュラム・マネジメントによる教 育 評価の2 本 柱 となっている。 また、 わたしたちのめざす家庭科 教 育 の目標は、男女を問 わず一人ひとりが生活者として自 立 した生き方 ができ、家庭生活 において男女が共同で責任を果 たしうるための基礎的 な教養や知識、技能を子 どもたちに身につけさせることである。技術科 、家庭科ともに、 すべての子 どもたちが将来の進路にかかわりなく男女ともに学習し習得しなければならないものである。  しかし「 47 教 育 基 本 法 」 の改 悪 により 、男女共学 の文 言 が削除され、新たに「家庭教 育 」 が盛り込まれるなど、男女平等主義を否定し、 「 国家に従順な人 づくり」 がすすめられている。 さらに安倍政権は集団的自衛権の行使、 「特定秘密保護法案」並びに「 テロ等準備罪」 を新設した改正組織犯

罪処罰法 を 強引に施行 す る な ど 、着実 に「戦争のできる国 づくり」 を加速させており、 これらの動きはさらに注視しなければならない。そんな中、森友学園・加計学園問題 など、現 内閣にとって都合 の悪 い事 実を隠蔽しようとしている状 況が明白化している。 わたしたちは、そんな安倍政権に振り回されることなく、平和 と人権を守り、一人の 人 間 と し て 自 立 し 互 い の 人 格 を尊重し合って生きることのできる子どもを育てるために、 日々の教 育活 動を行っている。 これからも平和 な社 会、 真の男女平等 、男女共同参画社会 の実 現をめざし、 さらに力 強くとりくんでいかなければならない。学習指導 要領や教 科書 の問 題、多くの中 学校で行われている免許外指 導や教育環境の不備など、技術・家庭科教 育をとりまく情勢は非常に厳しい。分 科会 での実践 交流 を通 して現 状と課題 をしっかりと把握し、 わたしたちのめざす技術・家庭科 教育 の推進に向けて、大 いに討議 を深めていきたい。

2  討議 の柱(1 )技術・家庭科教 育の現状 と課題( 実践交 流)(2 )技術・家庭科教 育の推進に向けて

3  研究 発表(1 )「旭川養護学校訪問 教育 における調

理学習の実践 」      ~他 教科 との関連 を持たせながら

~          (旭川養護学校分会  櫛田 恵) 在宅訪問(訪問 教育 )によって教 育を受けている生徒への調理 学習の実 践が紹介 された。小 中学校の教育課程を知的養護学校の教 育課程における教 科の学習に替えて実践計画を立て実施した。スクー リング(個別の登校学習)で継続 的に行った調 理学習の実 践7例が紹介 された。生徒の興味・ 関心に合わせて個別指導計画を作 成するところから始める。「 アイスクリーム作 り」 では、 理科 (物 質の三態 )や数学 (計量) と

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の関 連 を図り、 「お茶会 をしよう」 では、国 語 ( 書 き初め) や美術(ポスター 作 り)との関 連 を図って実 践 した。 発 表 の最後 に 、様々な電気機器のボタンを押せない生徒それぞれの特性 に合 わせたリモコンリレー を使ったスイッチ(棒スイッチ、紐スイッチ、センサースイッチ等) の紹 介があった。  協 議 では、家庭科 における個別指 導計画の立 て方 について話 し合 われた。生徒の特性 に 合 わ せ た個別指 導計画が 立 て ら れ 、日々実 践 されていることは素晴らしい。 指導 に当たる教員の得意 分野において実 践 を行 うことに関 して、主体 的 な活 動 につながる 場 合 は多い が 、 教 育課程(個別指 導計画) 全 体 を見 通 して実 践計画を立 てることが大 切 である。 また、家庭科 は、 指 導 時数が調 理 実習に偏る傾向もあるが、栄養素の種類や働き、食事 の役割等 の指 導 時数を十分確保することが大 切 である。 さらに、刺激物 の扱いについても話し合われた。

(2 )これでいいのか 家庭教 育             ~免外か? 拠点 か?~         (多寄小 分 会 服部かおり)  家庭科 教 育 の現 状 や課題 が話 された。 1

つ目 は、家庭科 の授 業 時数がどんどん減らされてきていること。 2 つ目 は、 小規模校では多くの免外教員が授 業 を行っていること。 指 導 書 を見 れば授 業 は成 立 するが、 授業 の準備や指 導 方 法 、 評価の仕方 等 に苦しむ様 子 を見 てきた。 3 つ目 は、拠点校方式の現 状 と問 題 点 。担当教諭は、 3校を受 け持ち、週3 日 は拠点校で、残り2 日 は小規模校で授 業 を行っている。同じ単元をくり返すので、 授 業 改善はできるメリットもあるが、 授 業 時数が多すぎて、 教 材 研 究 や準備で、夜遅くまで残業 することもしばしばある。ベテランの先生が拠点校の授 業 を行うのであれば経験 を生かすこともできるが 、期限付きの先生にとっては大 変 なことだ。家庭科 の学習内容を着実 に理解させるために、 問題 点を改善していく必要 がある。

協 議 では、家庭科 教 育 の重要 性 、免外教員が多いことの問 題 点 、拠点校方式の問 題

点について話 し合 われた。

(3 )小規模・僻地校における技術・家庭科の現状 と特色ある教 育活 動

               (樹海中 分会  四ツ嶋健吾)

 小規模・僻地校における授業 の特色と問題点 について話された。問 題点 としては、「専 科の教員がいない」ことで、

① 教具の不足 ② 教材 ・教具の整備が進まない 

という2 つが挙げられた。 専門外の教員が、指導 に必要なものが何 かを考えることは難しかったり、 教材 ・教具の使い方がわからず、メンテナンスなどもできなかったりといった現 状がある。また、 小規模校は教員の定員が少ない関係で、免許をもっている教員が揃わないことが多く、その矛先が技術・家庭科や美術の教 科へ向くことが多いことも問 題である。 授 業の特色としては、地域の保護者の協力を得ながらの「 学校農園」「保育 実習」が挙げられた。地域の学校に対 する協力 体制が確立 している部分 は、 小規模・僻地校の良さといえる。 協 議では、 問題 点について意 見や感想 が述べられた。 専門の教員がいない中 で、 どの程度教 材・ 教具の適切な管理 ・運営ができるかが、特色ある教 育活 動を展開する上での問題 である。

(4)家庭科 実習教 材 におけ る 、 動画(YouTube )の活用               (東光小 分会  松井芳樹) 調 理実習や裁縫実習の動画教 材を自分 で作成 し、 YouTube にアップしている先生の動画が紹 介された。裁縫で最初に学習する玉留め・玉結 び・ なみ縫いの様 子が、教科 書で学習する順番で見 ることができた。他にも、ご飯とみそ汁の作 り方 などの動画もあった。教 科書 の絵や写真だけではわかりにくいことが解決できたり、 教材 研究 の手間 が省けたりといった良さがあった。 また、繰り返し見ることができたり、 指導 し

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たいことが網羅されていたりと、 児 童 にも教師にも使いやすい点 が多くあった。  協 議 では、 実技をともなう教 科 は映像など視覚 的 なものが有 効 であることや、 「誰でも使える」 「 いつでも見 られる」 という2 つの利点 があることが話 題 に上 がった。課題 としては、校内無線LANの整備の問題 や、映像がなければ理解できない児 童 が増えているといった現 状が挙げられた。

4 成果 と課題○ 小 ・ 中 学校と養護学校の家庭科 の教 育過程や指 導 内容、 指 導 方 法 について交 流 を深めることができた。○免外教員が減らない実 態 や拠点校方式の現 状 や問 題 点 を交 流 することができた。 また 、家庭科 教 育 の重要 性 を確認し た 。頑張っている免外教員を補助する体制を整えることも重要 であることを確認した。

第9分科 会 保健 ・体 育教 育運営委

員金川 一代(東川小)高島 美穂(正和 小)及川みなみ(旭川中)

進行係 中江 千尋(東神楽小 )戸田 健斗( 末広北小 )

1  基調 報告  「特別の教 科道徳」 、 「 小 学校英語 」 の教 科 化 、 「プログラミング教 育 」 の必修化などの導 入 により、 現 場 はますます多忙を

極め て い る 。保健 ・ 体 育 分野におい て も「全 国体 力・運動能力 等調 査」 の実施で、「全 国学 力調 査」 と同様、 目標とする数値に近 づけるようにメディアを利用しながら暗黙の圧力を強いている。北海道の子どもたちは依然として、「 学力 も体 力も低い」といったことばにより人権を傷つけられ、点数や順位を唯一の成 果とする社会 的風潮の中 で自己肯定感 や自尊感情を否定され、多様 な価値観を認め 合 い可能性 を広げる「学 び」 を奪われている。

また、地震や川による大震災による被害と原発事故の復興がままならないまま、多額の費用 を必要とする2020 年の東京オリンピックの開催が決定した。自 分自 身のためでは無く、 国のためにスポーツが扱われてはならない。その受 け皿としての部活 のあり方や学校教育 を批判し、「客体 としてのからだ」ではなく、 「主体としてのからだ」 を改 めて確認する中で、私 たちが求 める保健体 育の実現 に取 り組む必要がある。次の学習指導 要領では、冒頭で「体 育や

保健 の見 方・ 考え方を働かせる」ことが付加された。自己の適性 等に応じた「 する・みる・支える・知る」 の多様な関わりと関連付けることは、 私たちが目指 してきた生涯スポーツとの関 わりと合致するが、運動種目 がこれまで以上に細分 化され、運動技能の高さが求 められるなどの内容には問 題がある。過度な運動技能と偏った体 力作 りを目 指すのではなく、生涯スポーツの視点から考えることが必要 である。 本来私 たちが求 める体育 とは、運動の特性の魅力 をすべての子 どもたちに体 感させ、多様 な価値観を認め合 う中 で、その習慣を保証するものであるはずである。したがって、過酷な状 況に置かれている子どもたちと真摯に向き合い、寄り添 う教 育実 践を行う中 で、 子どもの実態 とそれぞれの地域の特性 をふまえた運動やスポーツを扱い、 すべての子 どもが運動やスポーツの持つ本 質に触れ、個々の能力を生かして楽しむことができるような実 践をすすめていく。そのために健康増進や体力 の向上について理解や関心を高めることを目的 とし、「 点数学

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力 」 「特定の価値観」 の強 要 等 「 学習指 導要領」 の押しつけを排除し、 教 育 の自 由 を守り、 子 どもの人権を保障する教 育課程の自主編成運動 を強 化すべきである。

2  討議 の柱( 1 )保健 体 育 教 育 がめざす子 どもの真 の姿(2 )体 力・運動能力向上 をめぐる諸問 題( 3 ) 教 育課程自主編成 のとりくみの実 態交流

3  研究 発表( 1 ) ネット型ゲーム ~ミニバレー で「 」たくさんつなごう~

(上富良野小 分会  貫田 航)このレポートは、ボールやシャトルを落

とさないでつながなくてはいけないネット型ゲームの楽 しさを十分 に味わえるようになるために、ボールではなく風船を活 用 しラリー を続 けられる工夫や得点 の数え方 などルールの工夫を行った3 年生の授 業 の実践 報 告 である。ラリー を続 けやすくなることで、 さらに続 けていくためにはどうしたら よ い か つ なぎ続 け る た め の 方 法 と「 」

い か に相手 に風船を落と さ せ る か の 方「法 の双方 を考 えることとなり、 よりゲー」ム性 が増すとも考 えられる。 協 議 では、次への発展や次学 年へのつながりなどについて質 問 が出され、道具やルールをさらに工夫していくことが今後 の課題となった。

( 2 ) ちょっとの意識で変 わる授 業 改善「 、体力 づくり」

(富良野小分 会 清水 駿)  このレポートは、 体 育 は専門の人 しか上手 く授 業 ができない、 思 考 判 断 の評価の仕方 がわからない、多くの子 が苦手 とする種目 がある、遊びの中 に異学 年 交 流 がない、といった体 育 授 業 の課題 やイメージを改善するための実 践報 告である。 職員室に体 育コーナー の設置をしたり、アイデア集の配布をしたりしている取 り組みや、 児 童 に対 しては体 育ノートの活 用 や情熱体 育 という体 育委員が中心となっ「 」

て休み時 間にそれぞれの種目のポイントやコツを教 える取り組みを行っていることの紹介 がされた。協 議では、準備の時 間や場所の確保など、内容についての質問 が多く出され、具体 的に取り組むための、 活発 な意見 交流 がされた。

(3 )教 育課程とCO, トレーニング(鷹栖中 学校分会  金田 知樹)

 このレポートは、子 ども達の体力 ・運動能力 のアップを目 指し、体 育の時間 に年4時 間各学 級 で 、コオーディネー シ ョ ントレーニングを 取 り 入 れ て い る 実 践 報 告 であった。 体幹を鍛えると、習得の時 間の短縮や巧みさを身につけることができるようになるという。また、 動きは複雑ではなく、できるかできないかは問題 ではなく、やってみることで神経系が刺激され発達する。協議 では効果 の検証について質 問が出されたが、他 の地域での資 料はあるが、鷹栖では新しい取り組みであるため、検証の方 法に つ い て は ま だ課題 で あ る と い う回答があった。町としての取 り組みを、学校現 場の中 でどう取 り入 れていくかも課題 である。

(4)神楽岡小学校の児童 が身 体を動かす機会 づくりの取組について

(神楽岡小学校分 会  前川 真也) このレポートは、神楽岡小学校で行っている、マラソン、縄跳び、 健康教育プログラム(放課後 はスポーツタイム!) の取 り組みの実 践報 告である。 朝マラソンは全員参加だが、 速さや周数は自 由としている。その他マラソン以外の取り組みについては、 基本 的には自主的 な参加となっている。教員が声かけなどはしないが、 様々な活 動の機会 と場所を用意 することで、運動をする機会 が増えたり、特定の運動 に消極的 な児 童が、その他 の運動で積極的 な活 動を行うことができたりする。協議 では、あくまでも子どもの自主性を大切にすることによって、運動が好きな子 どもが育っていくのではないかという話し合いがされた。

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4 第68次教 研の成果 と課題 今年度は、 実 践 に基 づいた4つのレポートが発 表 された。 発 表 後 の研 究 協 議 では、各校の自主的 な取 り組みについての実 践 交流 を行った。規模の大 きい学校では、 子 どもの人数も多く、休み時 間 ですら場所の確保や安全管理 が難しい実 態 がある。 また体育 の授 業 でも、 1 0 0 人弱が一緒に学習をしているため運動量の確保が難しいといった課題 についても話 し合 われた。 いつでも遊べる環境づくりや、 みんなが動 ける学習集団の工夫や道具の工夫など、各校の実 践が紹 介され、 活発 な意 見交 流の場となった。

まとめとしては、運動 を通 して運動 の楽しさを学んでいくことが保健 体 育 の目標であり,運動 の技術よりも、 できないことに対 してどう取 り組んでいったらよいのかを学んだり、チームとして、 できない子 にどういう工夫したりしていくことがよいのかを学 ぶことが大 切 であり、それが目 指 す子どもの真 の姿ではないだろうかとの確認がされた。 また、 国 や道などの指示で、 現 場でやらなければならないことが増えている 。それにより、 子 どもの時 間 が圧迫されていることについては、 活 発 な意 見 交 流 が行 われた。 時代の変 化 とともに、 子 どもたちが安心して遊べるものや場所が学校以外になくなってきている。運動 自 体 を楽 しいと感じられる子 どもや自主的 に体 を動 かせるような子 どもを育 てていくために、今後 の教育 活 動 を進めていくことを確認できる有 意義な話し合いの場 となった。

第1 0 分 科 会   「『自主的 判 断』を育 む営み 総 合・ 自治・生活指 導・道徳」

運営委員

東海林 秀樹(東川小 )小野 由紀子 (愛宕小 )篠     章 (近 文小 )﨑

進行係 才田  亜希(朝日中 )吉田  暁弘(北門中 )

1  基調 報告 安倍政権は、憲法 改悪 と一体的 に「 教育再生」を最重要課題と位置づけ、改 悪「 教育基 本法 」にもとづき、戦前回帰の「教 育政策 」をおしすすめている。とりわけ「道徳の教科 化」 によって「愛国心」「節度、節制」 「遵法 精神と 公徳心」 な ど の 「徳目」 をはじめ「国家に都合 の良い価値観」や「規範」の押しつけを目 論んでいる。

子どもたちは、「 効率」や「成 果」 のみが評価され「 自己責任論」 がまかりとおる「格差社 会」 の中 で、 「仲間はずれ」「無視」 など排他 的な傾向を強 め、 表面上の人間関係づくりに追 われ、ゆたかな関係性 が断ち切られている。「 いじめ」 「不登校」など、子 どもたちの苦悩の背景には、「 教育政策」 の押しつけや「自己責任」 が強 調される社 会状 況がある。

学校は、 よりよい集団・社 会を形成 するもっとも基礎的な場であり、民主主義の力を高める場である。そのため学校教 育における自治的活 動は、自 らの社会 について考え、 実践 的行 動を通して、 現実 の民主社 会を担う主体を育成 するための場 でなくてはいけない。今こそ、自治的 活動 や生活指 導の教 育的価値を確認し、実 践を展開していく必要がある。子 どもたちは主権者として自治社会 を形成していく担い手 であることを自 覚し、学校を真に民主的な社会 にすることが重要となる。

また、総 合学習は、学 びの主体 性と多様性(観形成のためのゆたかな学 び) を保障

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できる。 総 合 学習を教 育課程の中心にすえることで、 様々な教 科 、 自治的 活 動 、道徳性 の教 育 との一体 的 な学 びが見 え、 教 科 ・他領域での課題 が明 らかとなる。 自主的 判断 を育 む営みとして、 もう一度、 総 合 学習を中核に据えた教 育課程を編成 することが重要 である。

「特別の教 科  道徳」 の内容項目 には、個人 の心のありように関 する項目 が多く示され、民主社 会 の形成者としての権利主体を育 む「価値」 が見 事 に排除されている。われわれがめざす “ 道徳性 の教 育 ” は、 子どもたちの「 人 格 の完 成 」 をめざし、 子 どもを権利主体 と位置づけ、民主主義社 会 の形成者としての道徳性 を育 成 することが目標であり、 人権教 育 を根底とした「 自主的判 断 」 の育 成 をめざすものである。 現 場 での実 践 を交 流 する中 から、 より確かな方向性を確認していきたい。

2  討議 の柱( 1 ) 学 級 づくり・仲間 づくりの実 践 について(2 )子 どもの現 状と生活 指導( 3 )創造的 な総 合 学習の自主編成 のとり

くみについて(4) “ 道徳性の教育 ” をどうすすめるか

3  研究 発表

( 1 )『富良野東中 学校の道徳実 践 と今後の課題』

(富良野東中 分 会  杉野 雅人 )  富良野東中 学校分 会 では研 究 でも道徳を窓口 に 研 究 し て い る 。モラルジレンマ・オープンエンド・個人 →ペア→ 全 体 という流 れで学習を進めることで①安心して発 表 できる雰囲気がつくられ発 表者が増えた。 ②友達と積極的 に意 見 を交 流 できるようになった。 ③ 自 分 の意 見 と友達の意 見 を比べて考 えることができるようになった。などの成 果 があった。 評価をどのように進めていくかということが課題 となっている 。中 学校では来年度より通知表 にも評価していることになるので,どのように実際行っ

ているかなどが質 疑交 流された。分 科会 の中では年度末 に1度記述している学校が多かったが,前期後期や3学期とも記述している学校もみられた。

(2 )『郷土芸能発表 活動 をどう授 業にとりいれるか』

( 山 部 中 分 会   新 保 平)郷土芸能「山部獅子舞」を題材 に道徳の授業 を行っている。生徒が実際に獅子舞を体 験する実 践と読み物教 材( 資料 )の両方 から主題 にせまるという授 業は生徒のいろいろな価値観,考え方があってよいという授業 を心掛けた内容展開になっている。 交流 では,今年度は特に評価は行 わ な い よ う で あ る が,個人 の 活 動 によってどう変 わっていったかということを文 章表記することが評価につながるのではという意 見があった。

 ( 3) 「道徳教 育について」(東小 分 会  川越 勝

弘) 組合員の道徳に関する様々なアンケート行い,様々な問題 が浮き彫りになった。特に価値を押し付けるような内容や評価の在り方,教 材研 究の難しさなどについては悩みや不安が多くなっていた。評価の記述について分 科会 で交 流が行われた。実際の行動を表記したり評価したりしない。個人 の考え方の変容を記述することが望ましい。どの単元でどんな項目 を行 い,そこでどのような発 言や成長をしたかということを記述したなどの意見 が出された。

(4)「一人ひとりの子どもが生かされる学級 をめざして」

(愛別小 分会  石川 裕司)  一人一人を生かすために行った学 級経営①一人ひとりを生かす場面(話 せる・表現 できる場面) ②自主的 に活 動できる係③個を認め合 える活動 (キックベースボール・ 学芸会) の実 践を発表 した。学 級経営の基盤となる支持的な風土を保つために教

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師が心掛けることについて交流 した。  (5) 「 子 どもが考 え,議 論 する道徳授業」

( 近 文第二小 分 会  三好 雅之) 道徳では,みんながよくなるためにどうすればよいのか( よりよい行 動 は何 か) を議 論 す る 授 業展開を重要視し 授 業 実 践 を行っている。道徳の中 で何 を議 論 すべきかを明確にしたり,心情をふまえた意 見 を言わせたり,教 材 を日常に近 い場面に設定し直してシュミレー ションさせることで議 論す る 授 業 と なって い る 。道徳の 教 科 書 やノートの扱いについて質 疑 意 見 交 流 が行 われた。 教 材 研 究 する時 間 の不足やノートの発 問 の問 題 点,議 論 する授 業展開の時 間 の工夫など交流 した。

(6 )「 どうする?プログラミング教育 」( 北 鎮 小 分 会   近 江

正規)プログラミング教 育 は手順を踏んで考 えること(プログラミング的 思 考 を育 むこと)を重要視した実 践 の紹 介 が行 われた。プログラミング教 育 を進めるにあたってはパソコン・ソフトの整備等 の費用 で問 題 がある 。質 疑 交 流 では実際に授 業 でどのように取 り組んでいるのか,小 学校と中 学校との連携を意識した教 材などの交流 を行った。

( 6 ) 本校児 童 のメディア利用 の 実 態 と「ノーゲームデー 」のとりくみについて

(樹海小 分 会  渡邊 琴奈)  児 童 のゲームに対 する実 態 と保護者の願いをふまえ,児 童 会 の委員会 が中心となって進めた「ノーゲームデー 」 の実 践 では,自主的 活 動 を行 うことで児 童 の意識の高まりがみられたことやゲームなどのいろいろなメディアとの付き合 い方 について成 果 と課題 が出された。 様々なゲームやメディアの扱いは各家庭で環境や考 え方 が異なるので浸透させていくことは難しいが,学校だけではなく家庭や地域のつながりを大 切 にしていくことが今後 求 められていることが

交流 された。

4  成果 と課題 学 級づくり仲間 作りの実 践を行っていくためには一人ひとりを大事 にした支持的風土が大切 である。 子 どもの現 状と生活 指導 については,本来的 には家庭の問 題であるものが多いことは分 かっていても,学校として関わっていくことも必要 である。 子どもを中心として,家庭や学校だけでなく地域との連携も大 切である。創造的な総合 学習や自主編成の取り組み

では,プログラミング教育 などこれから模索していくべき学 びの場を子ども達の学 びの必要性 を重視しながら少しずつ環境を整えていくことが大 切である。道徳教育 を進めるにあたっては,ノート

の在り方 や評価の仕方 など整備していくことはたくさんあるが子 どもの心を育 てることを重視し,プログラミング教 育同様に実践や教材 を整えていくことが必要になる。

第11 分科 会 職場 の民主化 と学校改革運営委

員野呂 淳一( 美沢小)工藤 知里(東栄小)河野 翼(神居小 )

進行係 坂本  典之( 美瑛 中)大島 泉(明星中 )

1  基調 報告安倍政権は今,朝鮮半島情勢の危機 を口

実に憲法9 条の改憲,専守防衛を逸脱する軍備拡張を押し進め,「集団安全保障による武力攻撃」 「力 による外交」 「戦争のできる国づくり」の姿勢を一段と強めている。現代版治安維持法 ともいえる「共謀罪」 は団結権や表現 の自 由を押さえ込み,教職員の監視につながる「通 報制度」 「人 事評価

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制度」 は 国 に従順な 教職員づ く り に つ ながっている。 教 育 現 場 から退場 させられたはずの「 教 育勅語 」 が礼賛され,「修身 」が「特別の教 科  道徳」 として復活 する。まさに戦前 と同じ状 況 が作 られている。安倍政権の求 める,国 のための「 人 づくり」の先にかつてみた時代が透けて見 えてくる 。「 教 え子 を再び戦場 に送らない」 とりくみを一層強 化しなければならない。今学校は,多忙化政策 で仕事 に追 われ,

教 育 のあり方 を真摯に議 論 する場 であるはずの「職員会 議 」 は,会 議そのものが削減され連絡確認の場 にされようとしている。伝えられたことを黙々と「 作 業 する」 教職員の位置づけが進行 している。 教職員が分断 され全 国 で,物 言 わぬ職場,物 言 えぬ職場 が広がっている。 「 点数至上主義」 が教育 と教室に覆いかぶさり,子 どもたちも教職員も他 を追 い抜 くことに駆り立 てられ,価値観や行 動 が規制され「同調圧力 」 が強まり,学校は息苦しくなってきている。

9 月1 日 は「生き辛さの象徴日 」 と言 われている。若者の死亡の原因の 1 位が自死は先進国 の中 で突出している。未来を夢見るべき子 どもたちが,その未来を描けない。

改 悪 学習指 導 要領は,教 育 内容と指 導 時数増でさらに子 どもたちと教員の負担を増大 させようとしている。 学 力向上,時数確保のためとして,全 国 で週時数の拡大,土曜授業 の復活,長期休業 中 の削減が進み,「脱ゆとり」 「脱学校五日制」 が鮮明 になっている。 文 科省は先頭になってその旗をふっている。

学校現 場 の多忙化 が過労死ラインを超え,教職員の休職,早期退職,自死が深刻な事態 となっている。今年度は道のアクションプランにより学校閉庁日 が設定されたが,休業 日 とはなっていない。働き方 改革関 連法 が成 立 し,2019 年4 月に施行 になるが,どれほどの効 果 があるだろうか。守られるべき労働者の権利が脇に追 いやられ,学校は,「労働関係法令の無法地帯」 となっている。厳しく困難な状 況 の中 わたしたちは,子

どもと保護者の願いを受け止め,未来の主権者を育 むことのできる教 育をめざし,一人ひとりの思 いを束ね,平和と民主教育 を守るために組合に結集してきた。数多の攻撃に屈することなく,粘り強くとりくみ,歯止めをかけてきた。一人ひとりがバラバラにされようとして

いる今,子どもたちの未来を守り,働くものの尊厳を勝ち取 るために,子 どもたちの教育 につながるすべての仲間に,改 めて運動への結集を心から呼びかける。仲間 と子 どもたちに寄り添 い,平和 を守

り真 実を貫く民主教育 を,すべての学校と地域で力 強くすすめていきたいと思 う。職場の民主化は,このたたかいの原点 であり出発 点である。

2  討議 の柱(1 )文 科省・道教委の管理体制強 化に反

対し,自律的 ・民主的職場 づくり,自主編成運動・ 学校改革のとりくみ

  ①道教委の 「 通 報制度」 「 人 事 評価制度」 「多忙化政策 」など不当な組合攻撃と超勤・諸権利はく奪に抗するたたかいと職場づくりについて。

 ② 「日 の丸・君が代」「 全国 学力 調査 」「学 力向上策 」「道徳の教 科化 」など,改悪 「学習指 導要領」 体制に反対し,ゆたかな教育 の実 現をめざす自主編成運動 のとりくみ。

 ③超勤,多忙化 の解消に向けたとりくみ。  労働組合 の役割を再確認し「みえる・

わかる」 活動 を通 した組織強化 ・拡大のとりくみ。

3  研究 発表(1 ) 「 子 ど も た ち の 学 び の た め に ~

小・ 中連携を通して~ 」(上士別小分 会 高橋

朋之)合同運動 会の実施、児 童会 ・生徒会 の連

携、 小学校外国語 と中 学校英語 の授 業・情報交 流など小 中連携した取 り組みを進めている。せっかく繋がっている校舎を生かし、子どもたちにとっても、職員にとってもよ

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り良いものとしていきたい。(2 ) 「超過勤務縮減におけ る 実 態及

び」今後 に向けて その2 」( 美 瑛 東 小 分 会   岡

睦)自校における超過勤務の実 態 を調 査 した 。

8割ほどの職員が1 ~5時 間ほどの超勤をしている。労働環境が改善しているとはいいがたい。 また、休憩時 間 も十分 に取 れていないのが実 態である。(3 ) 「名寄南小 における働き方 改革~

教職員の超勤・多忙化解消に向けたとりくみ~」               

(名寄南小 分 会  福川 岳樹)

働き方 改革として,職員数が多いので業務が平準化 するよう努めたり,高学 年担任の負担軽減のため事務を補助する職員を配置したり,運動 会 で種目 の固定化 による練習時 間 の 削減や係児 童 の負担軽減な ど を図っている。(4) 「東神楽 中 学校における勤務実 態

について」         (東神楽 中 分 会 西川靖二)

働き方 改革の影響は感じていない。超勤解消は難しい。その大 きな要因は部活 動 指導 だが、それは中 学校教員としての魅力 でもある。 改善の方 策 を今後 の課題 として見つけていきたい。(5) 「働き 方 改革プロジェクトの 行

方」  ( 大 有 小 分 会   大野

美稚子)働き方 改革プロジェクト会 議 を行ってい

る。その結 果 、 まとまったものが大 有 アクションプランとして現在取 り組まれている 。学校全 体 で働き方 を見直そうという雰囲気になっているので、 これをさらに推進していきたいと思 う。(6 )「働き方改 悪」 改革をめざして

(朝日 小 分 会  谷口愛)職員会 議 は減ったが、 行 事特別会 議 が入

り負担感 は 変 わ ら な い 。 丸付け 、宿題チェックの簡素化 を図っているが、 まだ保

護者の理解が得られない側面がある。早く帰ろうとの声かけも形だけになっている。(7)「 美瑛 小分 会の取組」

(美 瑛小 分会  田村仁)組合員数の減少を食い止めるために,先

輩教員が地道に声をかける、相談に乗る、懇親の場 をもつなどして、確実 に組合員の新規獲得につなげている。 また,定期的 な分会 会議 を開いたり、 分会 だよりを発行 したりしている。(8)「職場 のみんなで共有したい~集団フッ化物洗口 のことを通して~ 」

(鷹栖小 分会  西島さなえ)

議論 の場 がないまま、 フッ化物洗口の実施が始まった。鷹栖町に勤めているのだから協 力しなければならないという現 状がある。まずは自分の声を出し、周囲と問 題を共有 することから民主的な職場 づくりを進めていく。

(9) 「 教 育 の ICT 化 に 関 わ る 現 状 と課題」

(愛宕東小 分 会  長濱 孝令)

プログラミングについて導 入を試みている。今年度、 教育課程にも組み込んだ。工夫次第で、楽 しみながら子 どもたちに学ばせることができるツールもある。

4  成果 と課題各校における超勤・多忙化解消に向けた,

また民主的な職場 づくりに向けた取組や実態の交流 を行った。その中 で互 いに参考 となる取組や意 見について話 し合 うことができた。具体的 な制度面からの取組と意識面からの取組について成 果として共有 された。一方 で,超勤・多忙化 の解消,民主的な職場づくりが十分なされているとは言 い難く,まだまだ口だけ,制度として取 り入 れているだけになっている面がある。 実際に機能させていくためには,今後 も声を上げ,働きかけていくことが必要である。

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第1 2分 科会  平和・ 人権教育運営委

員鶴田 翔(下川中 )河本  雄樹(西神楽小 )井上  祐司(神楽 中)

進行係      

小林  篤史(富良野小 )高垣 仁隆(東鷹栖中 )

1  基調 報告2018 年 8 月、戦後 73 年 を迎えた今も

なお、 日 本 が着々と戦争のできる国へと進んでいることに大 きな危機 を感じる。安倍首相は「 2020 改憲」 を表 明 し、 現

在、 自民党においては「 9 条への自衛隊の明記」 「参院選の合区解消」 「 教 育 の無償化 」 に つ い て 「党改憲案」 の 策定を 急ぎ18 年 中 に国 会 発 議 し、その後 、 「 国民投票」 を実施する憲法改 悪を目論んでいる。

人権教 育 においては、 日 本 が「 子 どもの権利条約」 に批准してから四半世紀が経過しようとしている。北海道では、 近 年 、多くの市町村において子 どもの権利条例制定に向けた動 きがあり、 上川管内 では旭川市(12 年 ) 、士別市 (13 年 ) と条例を施行 した。

しかし、 「 学習指 導 要領」 体制や「 日 の丸・君が代」 の強制など、 文 科省がすすめる差別・選別、管理 強 化 の「 教 育施策 」 によって、 子 どもたちは過酷な競争に追 い込まれるとともに、 思 想 ・良心の自 由 が束縛されるなど、個性 や多様 な価値観などが抑制され、 成長や発達する権利が歪められている。平和 ・ 人権教 育 をすすめるうえで、 教 育

課程への位置づけ、戦争体 験者の高齢化 、アイヌ歴史の隠蔽、道徳の教 科 化 など、課

題は山積である。 だからこそ、 このような課題 や情勢をふまえた平和 ・人権教 育を模索し、すすめていかなければならないのではないだろうか。

「学習指 導要領」 を創造的 にのりこえ、平和 教育 をどのように教育課程に位置付けるかを検討するとともに、 「教 え子 を再び戦場へ送るな」の誓いを新たに、平和憲法を守り「 教育 基本 法をもとにもどす」運動を全道・ 全国 的に展開することが重要である。

人権教育 では、子 どもを権利主体として育む教育 活動 をすすめてきたことを改めて問い直すとともに、あらゆる差別に反対 し、平和 で平等な社会 の実 現をめざすことが大切である。各レポートの実践例を参考 に、 現場 です

ぐにでも実践 できる交 流を行うことが重要であると考える。2  討議 の柱( 1 ) 平和 教育 をどのように実践 するか ①平和 教育 の教 育課程への位置づけをど

のようにすすめるか ②平和 教育 を教 育課程に位置づける「 と

りたてておこなう平和 教育 」の実践 について

③組織的に平和 教育 をすすめるための工夫

④主権者意識をどのように高めるか( 2 ) 人権・反差別教育 をどのようにすすめるか ① 人権意識をどのように育てていくか  ② 「 子 ど も の権利条約」 や 「 日 本 国憲

法」 をどのように教えるか③民族・人種、LGBTなどへの偏見 や差別に対 する教育 をどのようにすすめていくか

3  研究 発表(1 )「沖縄施設で学んだことをもとにし

た平和教 育の実施」 (中富良野中 分会  高橋 宏幸)

・沖縄平和視察に行って学んだことを教 材とした道徳の授業 の実 践報 告。

○ 社会 科の公民で学んだ内容を平和教 育につなげることができた。

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▲ 平和 教 育 を教 育課程に位置づける難しさを感じたが、組織的 ・継続 的 な取組ならば35コマの中 で実戦可能であるとの見解もあった。

(2 )「平和 教育 の実 践」(美馬牛小分 会 長谷川 義博)

・各学 年 の発達段階に応じた読 み聞かせによる平和 教育 の実 践報 告。

○ 非組合員にも協 力 を依頼して全 学 級 で取 り組むことが出来た。平和 教 育 に対 して必要感 をもっている方が多い。

▲ 発達段階を考 えた教 材選びと、系統性をもって取 り組んだことで子 ども達に戦争の怖さを伝えることが出来た。 しかし 、加害の側面について触れることが出来なかったのが課題である。

(3 )「 本校の平和教 育の取組について」(扇山小 分会  丸山 貴大 )

・ 読 み聞かせや国 語 教 材 による平和 教 育 の実践 報告 。

○ 平和 に関 する行 事 や報道が多くなる夏休み前に授業 実践 ができてよかった。

▲ 教 育課程に縛られて、平和 教 育 に協 力を得られないこともあり、 実 践 していく上での困難さを感じた。

(4)「平和 教育 の継続した取組」(富良野小分 会 三谷 海広)

・ これまで行ってきた平和 教 育 の教 材 や反省点 などを生かした授 業実 践報 告。

○ 実施教 科 、 教 材選定の意図、使用 した資 料 を指 導案に盛り込むことで、今後 もスムーズに取 り組める工夫を行った。

▲ 異国籍の児 童 や保護者の職業 によっては、偏った見 方 をしてしまうと大 変 なことになってしまう。側面からしか物 事 をとらえられなくなってしまう恐ろしさもあるので、それを担任が導 いてやる大 切さに改めて気付いた。

(5)「 子どもと考える平和」(当麻小 分会  高田 裕輔)

・戦争をテーマにした絵本 の読 み聞かせによる平和 教育 の実 践報 告。

○ 毎年 司 書 教諭と相談しながら、その学年 に あった 本 を選定す る な ど の工夫を行っている。

▲ 戦争を身 近に感じられるような教材 や方法 が課題。旭川のパルプ工場 の空襲や、富良野の爆撃など、その地域の歴史を知ることの重要 性を感じた。(6 )「毒ガスの島を訪ねて~加害の歴史にふれる~ 」           (第三小分会  北原 孝子 )

・被爆73周年原水爆禁止世界大会 ・広島大会 に参加して学んだ、日 本の戦争加害の事 実報 告。

○ 日本 が国際条約を破って毒ガスを作 り続けたこと、今もなお中国 などでは遺棄化学兵器の処理が進められていること、時には被害を受けている人 がいることなど、新たに知ったことをしっかりと伝えていく必要がある。

(7)「 2018 北教組沖縄視察研修報告&絵本『ひめゆり』を使った平和 教育」

(忠和小 分会  蛯名 祐介)

・沖縄視察研修に参加して学んだことの報告と、それを生かした平和 教育 の実 践報告。

○ 空港では「不 発弾を持ち込まないように」 との貼り紙があった。 現地では、子どもが裏山から不 発弾を見 つけて持ってくることもあるという事実 に驚いた。

○ 戦争の歴史を知らない 4 年生に平和教 育を行ったが、絵本「ひめゆり」による読み聞かせであること、沖縄を舞台としていること、同じ学生という立 場であることから、関心を高めることができた。

(8)「樹海中学校における『性と生の学習』の現 状と課題 」 

(樹海中 分会  清水  小雪)

・ 8 年間継続 して取り組んでいる性 教育実 践の報告 と、昨年度の授業 実践 報告 。

○ 全学 年で共通 理解をもって取り組むことが出来ている。

○ 全担任が関わることで、性 に対 する多様な考え方を知ることができ、 指導案を見合 うことでより意義のある学習ができ

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る。▲ 知識のない子 がデート DV などに

あってしまうのを防ぐために、 事 前 に知識として伝えていきたいが、 発達段階に合 わせて教 える内容を選定して丁寧に指導していくことが必要 。

4 成果 と課題成果組織的 に平和 教 育 を進めるに当たり、各

学校で工夫して取 り組んでいる様 子 が見 られた。未組織者が増えている昨今、組合員の取組に抵抗感 を示す方 も少なくない。 だが、継続 的 な取組で資 料 を提供したり、平和 教 育 の大 切 さを伝えたりすることで、未組織者にも取 り組みやすい環境を整えることで平和 教 育 を組織的 に取 り組むことが出来ている。  また、各分 会 の取組を聞くことで、利用した教 材 などを交 流 し、各分 会 での平和 教育 の充実 に生かすことができる。特に、継続 的 な取組や資 料 の蓄積などが大 切 だということを改めて学んだ。課題

教 育課程への位置づけをどのように進めるかは非常に大 きな課題 となっている。道徳の教 科 化 などにより教 科 書 が配付され、縛られた学習を余儀なくされているため平和 教 育 に取 り組みにくい環境になっている 。余時数で取 り組んでいる分 会 もあるが、 根本 的 な解決 になってない。 学校の特色や継続 的 な取組であれば、 教 科 書 の項目 と差し替えるなど、各分 会 での取組の工夫をしていく必要 がある。

第1 3分 科会  しょうがい児教 育運営委

員   髙 橋   美 智 子 ( 中 川中)  梁 瀬   充 宏 ( 春 光 台中) 橋詰 郁郎(旭川盲)

進行係  舘野 裕(東川養護)刀禰 典雄(新町小)

1   基 調 報 告

1   分 科 会 基 調

日 本 は 、 2014 年 1月に よ う や く 「 国 連

障害者権利条約」 を批准し た 。条約の 理念

と し て は 、 しょう が い者の 人権尊重、差別

の禁止な ど が あ る が 、 日 本 で は 、旧優生保

護法 ( 1948~96 年 ) に 基 づ く 強制不

妊手術がほんの二十数年 前 ま で脈々と 続 け

ら れ て き た 。 ま た 、一昨年 の相模原市の津

久井や まゆり園の 事件も記憶に新し い 中 で 、

条約の批准後 に も か か わ らず、 社 会 に 根 強

く あ る優生思 想 や差別意識と ど う向き 合っ

て い く の か と い う こ と が 本 分 科 会 の 大 き な

テ ーマで あ る と 考 え る 。

文 科省・道教委の す す め る 「特別支援教

育 」 は 、個人 の しょう が い の 改善・克服を

重視す る 「医学モデル」 中心の 考 え の た め 、

17 年 度 の し ょ う が い 児 学 級 在 籍 者 は

12,938 人 ( 16 年 度 + 770 人 ) 、 通 級

4,934 人 ( 16 年度+ 359 人 ) 、 しょう が

い 児 学校 5,817 人 ( 16 年度+ 145 人 ) と

なった 。 17 年度は新た に高等支援学校2

校が開校す る な ど 、 分離・別学 は拡大 し て

い る と い え る 。

こ の こ と に つ い て道教委は 、 「ニーズに

応じた 教 育 を 行って い る 」 と し て 、 現 状 の

「特別支援教 育 」 を肯定し て い る が 、共

生・共学 の と り く み を す す め る た め に は 、

国 連障害者権利条約や 16 年4月施行 の障

害者差別解消法 に も あ る よ う に 、 しょう が

い の あ る ・ な し に か か わ らず共に 学 ぶ た め

に 、 しょう が い 児 を と り ま く 社 会 的障壁を

取 り除く た め に環境の 変更・ 調整( 「 合 理

的配慮」 ) を 行 う 「 社 会モデル」 の 考 え を

も と に し た イ ンクルー シブ教 育への転換を

す す め る こ と が必要 で あ る 。 文 科省・道教

委の す す め る 「 イ ンクルー シブ教 育 システ

ム」 も 、名称は似て い る が 、 現 状 の 「特別

支援教 育 」 を 基盤と し て い る 「医学モデ

ル」 中心の 考 え の た め 、 分離・別学 の解消

が す すんで い な い 。 ま た 、普通 学 級 で は

「 全 国 学 力 ・ 学習状 況 調 査 」 な ど の影響に

よって 点数学 力 に の み 関心が集ま り 、 子 ど

も一人ひと り に とって の必要 な 学 び に つ い

て は 社 会 の 中 で 語 ら れ て い な い と い う情勢

も共生・共学 の と り く み が す すんで い な い

一因で あ る 。

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こ の よ う な厳し い情勢で は あ る が 、 私 た

ち は 、 現 場 で の共生・共学 の と り く み を少

しずつ で も す す め て い く こ と が重要 で あ る 。

2   討 議 の 柱

( 1 ) イ ンクルー シブ教 育 に向け

た 実 践 を ど う つ く る か (各学 級 ・

学校におけ る しょう が い 児 教 育 の

実 践 )

( 2 ) 地域で就学 ・進学 を ど う す

す め る か

( 3 ) イ ンクルー シブな地域社 会

を ど う つ く る か

3   研 究 発 表

3 つ の 分 会 、 1 つ市民団体 か ら計4つ の

発 表 が あった 。

旭川高等支援学校分 会 の 発 表:福祉サー

ビス科 の 現 状 と課題 に つ い て 。旭川高等支

援学校に は 、職業 科 に 3 つ 、普通 科 に 1 つ

の 科 が あ り 、それぞれ 1 間 口 (8名) の定

員。福祉サービス科 は 、職業 学 科 に あ り 、

社 会 自 立 に必用 な知識、 態度、 意欲の 育 成

を 目標と し 、 「 介護・家事援助」 「接客」

な ど の 学習に 取 り組んで い る 。校内 で の 学

習の 他 に 、外部機 関 と 連携し て の 実習に も

取 り組んで い る 。課題 と し て は 、 資 格 を習

得さ せ る た め の 教員と 実習先の確保で あ る 。

名寄市立風連 中央小 分 会 の 発 表:風連 中

央小 学校の特別支援学 級 の 現 状 と課題 に つ

い て 。 「知的 」 「情緒」 「肢体 」 「 言 語 」

「病弱」 の 5 つ特別支援学 級 が設置さ れ て

い る 。毎週水曜日 に 会 議 を持ち 、 子 ど も の

様 子 の共有 、支援策 の検討 、サポート体制

の構築に努め て い る 。 交 流 学習が可能な 教

科 は積極的 に 協 力 学 級 に 入 り同じ場 で 学習

す る よ う に し て い る 。コーディネーター が

担当シ フトを 作 成 し 、 教室と 教員の確保等

を柔軟に 行って い る 。 年 に 2回、 全職員で

の特別支援と生徒指 導 の 交 流 会 を 行 い 、 全

校で 子 ど も の 「困り 感 」 の共有 化 を図って

い る 。 き め細か な支援を す る た め の 人員不

足が課題 。粘り 強 い 教 育予算拡充行 動 が必

要 で あ る 。

士別西小 学校分 会 の 発 表:デイジー 教 科

書 を利用 し た支援の 報 告 。デイジー 教 科 書

と は 、 通常の 教 科 書 を 読 む こ と が難し い 子

ど も の た め のデジタル教 科 書 で 、パソコン

や iPad に情報 を 入 力 す る こ と で 、 文 字 を 大

き く し た り 、音声化 し た り で き る も の 。 日

本 リハビリ テ ー シ ョ ン 協 会 が 提供し ており 、

読 み の困り 感 を持つ 子 ど も は 、誰で も無料

で使用 す る こ と が で き る 。士別西小 学校で

は 、特別支援学 級 の 6名の 児 童 がデイジー

教 科 書 を利用 し て い る 。 読 む こ と が苦手 な

児 童 に 有 効 で 、 学習意欲の向上 に も つ な

がって い る 。デイジー 教 科 書 は 、無料 で あ

る 、申請で き る 対象の範囲が広い 、ふり が

な も付加で き る 、操作 が簡単、写真 や図も

教 科 書 と同じ等 の長所が あ る 。申請か ら 提

供ま で に 時 間 が か か る 、ページが部分 的 に

し か 見 え な い 、 年度末 に は 削除し な け れば

な ら な い 等 の短所が あ る 。

障が い 児地域の普通 学校へ・道北ネット

の 発 表:重度の しょう が い を も ち な が ら 中

学校普通 学 級 で共生・共学 を 実 現 し て い る

生徒の保護者か ら の 報 告 。 子 ど も が 小 さ な

頃は 、 しょう が い の あ る 子 は 、 専門の 機 関

で 学 ぶ の が一番と 考 え て い た が 、幼稚園で

他 の 子 ど も と の 関 わ り の 中 で 変 わって い く

様 子 を 見 て 、地域の 小 学校への 入 学 を 考 え

る よ う に なった 。 小 学校で は 、普通 学 級 を

希望し た が 、 学校と 協 議 は平行線の ま ま で

あった 。 2 0 17年 、 中 学校入 学 に当たっ

て は 、市教委か ら の 入 学 指定通知に は 、

「特別支援学校」 と 書 か れ て い た が 、 意義

申し 立 て を 行 い 中 学校の 通常学 級への 入 学

が 決 まった 。 現在中 学 2 年生で あ る が 、 通

常学 級 で 「 合 理 的配慮」 を得つ つ 、クラス

の生徒た ち と も良好な 関係を保ち元気に登

校を し て い る 。 「 発達障が い の 専門性 」 よ

り も 「 子 ど も を知ろう 、 理解し よ う 」 と い

う姿勢が な に よ り 大 事 と 感じて い る 。特性

に応じた 合 理 的配慮を得つ つ 、地域で共に

暮ら し 、共に 学んで い く こ と が 、 本 質 的 な

意味で の 「その 子 の た め 」 で は な い か 。来

年 は高校受 験 。 本 格 的 な 「壁」 に挑む 。

こ の 他 、 美 瑛町立 美 瑛 中 学校分 会 か ら

「 し ら かば学 級 におけ る 自 立 活 動 の 実 践 に

つ い て 」 と 題 し たレポートも出さ れ た が 、

当日欠席の た め 、 紙面だ け の 発 表 と なった 。

4.第68次教 研 の 成 果 と課題

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 今回の 分 科 会 で は 、レポート発 表 や 討 議

におい て 、 しょう が い 児 教 育 におけ る 有 効

な 教 材 に つ い て 、 ま た就学 や進学 の 実情に

つ い て 、そし て イ ンクルー シブ教 育 の必要

性 や重要 性 な ど に つ い て 、幅広い 話 題 に つ

い て 交 流 す る こ と が で き た 。

しょう が い 児 教 育 の 指 導 におけ る 教 材 と

し て一つ の 有 効 な選択肢と な り得る 「デイ

ジー 教 科 書 」 の 紹 介 やそれ に類似し た 教 材

の 交 流 で は 、 読 み が苦手 な 児 童生徒への 教

材 と し て多く の 人 が無料 で の使用 が可能で

あ り 、多数の 教 科 が 入 手 で き る こ と や 、

様々な 教 育 場面で 有 効 活 用 が 見込め る こ と

な ど の共通 理解を図る こ と が で き た 。 し か

し一方 、音声が 機械的 で あ る こ と や 、 漢 字

指 導 の使用 場面で は フォントの制限 に よ る

課題 な ど が あ る こ と も 指摘さ れ た 。 いずれ

に し て もメリットを踏ま え な が ら 活 用 場面

を工夫す る こ と に よ り 、 有 用 な 教 材 と な り

得る情報 交換が で き た こ と は 、 大 き な収穫

で あった 。

そし て 、 しょう が い 児 教 育 の将来的展望

と し て進学 状 況 や就労状 況 の 実情を高等支

援学校の具体例を 交 え な が ら 交 流 し た 。高

等支援学校で工夫を講じな が ら将来の就労

に つ なげて い る 実 践例を 発 表 い た だ き 、そ

の 他 、 しょう が い 児 の進学 に つ い て 、普通

高校で の 通 級 教室の課題 、各学校間 で の 交

流 の 実情な ど 、幅広い 話 題 に つ い て深く 研

修す る 場 と なった 。

そし て 、今回の 討 議 の 柱 も なった イ ンク

ルー シブ教 育 に つ い て は 、 学校生活 におい

て 実 行可能な 合 理 的配慮の 実 践例や 実際の

イ ンクルー シブ教 育 が ど の よ う な形で 実 践

さ れ て い る か を 交 流 で き た 。 話 し 合 い の 中

で は 、各校におけ る特別支援教 育 の 教員の

配置の工夫策 や 、 交 流 学 級担任が特別支援

担任の 動 き が わ か る よ う に す る た め の 連携

方 法 、親や 教師が 「 こ う し て あげるべき

だ 」 と 思 い込んで 物 事 を 決 め るべき で は な

く周り の生徒の 理解が あ れば更に い い 関 わ

り 合 い が 子供た ち の 中 で生ま れ る可能性 が

広が る こ と な ど が 交 流 さ れ た 。 ま た 討 議 の

中 で は各学校の 実情に応じた 様々な 疑 問 ・

質 問 が だ さ れ 、 全 体 の 場 で各校の 実 践例を

紹 介 し 合 い な が ら た く さんの こ と を 学 ぶ 場

に なった 。 し か し 、 イ ンクルー シブ教 育 に

つ い て は 、その必要 性 や 有 効 性 ・ 実 践例を

再確認で き た一方 で 、その課題 も多く 話 題

に 上 がった 。特に 、特別支援教 育 に携わ る

教員の絶対数が足りずに支援を必要 と す る

生徒にずっと寄り 添 う こ と が で き な い 現 状

や 、 き め細か い 指 導 を 目 指 せば教員本来の

業務に支障を来し かねな い 現 状 、 ま た 健常

者が 合 理 的配慮への 不 公平感 を も ち 理解が

十分 に得ら れ な い 状 況 な ど は 、 こ れ か ら の

改善が必要 不可欠で あ り 、 2 0 14年 に批

准さ れ た 「 国 連障害者権利条約」 に 基 づ い

た 国 と し て の施策 に よ る 改善を 強 く 求 め て

い き た い と い う 意 見 が 強 かった 。特に 前述

し た 事柄に つ い て は早急 な 改善が必要 で あ

り 、具体 的 に は 、 「担任2 人制」 「 3 0 人

学 級制」 「特別支援に携わ る 教員の増員」

な ど を こ れ か ら も多方面か ら 要 求 と し て訴

え 続 け 、 しょう が い 児 の 人権を保障す る 教

育 を充実 さ せ て い く た め の土台を 求 め て い

き た い こ と を確認し た 。

第14分 科会  地域と教育 (小規模校)運営委

進 行

高見  直広(宇文 小)長谷部 麻衣子 (台場小)井野 亜紀(雨紛小)安口  光男(布部小中 )髙橋 孝明(春光小)

   

1  基調 報告

この分科 会では,主に過疎地における教育や学校を取 り巻く状 況,小規模校・極小規模の教職員の抱える課題,増加する学校統廃合,山村留学 ・海浜留学,地域住民・保護者との連帯のあり方について議 論されてきた。 実際に小規模校,へき地校では地域に根ざしたさまざまなとりくみがなされているが,教職員の定数基準・複式指導 の形態 ・欠学年 の問 題などが依然として残っている。我々にとって重要 なことは,これまでの

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実 践 を元に,さらに地域とのつながりを深め,教職員が地域と一体 となって子 どもたち主体の教育 をすす  めていくことである。 今以上 に学校と地域との絆を強 いものにし,どのようにして地域の人々と向き合 い,我々の考 えを伝え,関係性 を深めていくかということが重要 な課題である。

2  討議 の柱

(1 ) 地域の連帯,教 育 活 動 の構築

(2 ) 地域素材 と学校の特色を生かした実 践

(3 ) 地域の子 どもたちの学 びの場の保障(学校の統廃合,選抜制度と

高校の配置など)

3  研究 発表

  ( 1 ) 小規模校の特性 を活 かした教 育 活動の

実践 について( 美馬牛中 分 会  竹中

大輔)    小規模中学校における各教科 の指

導の 実態 や利点,小中 連携の様 子や特別支援教育 等について報 告された。一人一人に場と時間 を確保できる少人数の利点 を生かし,国語 の発 表活 動や英語 の会話練習などで生徒個々の特性を大切にして学習指 導が行われている。小中の体育 大会 など行事 での交流 や,人間 関係が狭いことからくる礼儀の面での課題と指導,生徒一人一人にかかる負担への配慮等 について質問・ 実態 交流 を行った。

(2 )地域の特色を生かした総 合学習

(朝日中 分会  木下  理恵)     地域の自然や人材 を生かした総 合

学習の実 践について報 告された。高齢者のボランティアグループと自然についての観察や実習を行 う体 験学習など,総合 学習を通 して地域人材と積極的 に交 流を行うことで,多くの学 びにつながっている。一方,活動が始めから準備されていることにより,生徒の主体 性を育てるための工夫が必要なことや,時数の制約について,また同じく地域で取り組んでいる全校演劇の取組について討議を行った。

 (3 ) 現在置かれている地域の現

状の中で学校ができるこ

と(江丹別小 中 分 会  澤渡

敬子 )      小中併置校における合同の取組,

限られた人数で行 う教 育活 動の難しさや工夫について報告 された。各教科や行事,集会等 を通じて,児 童生徒と地域住民が協 力して活 動を行っている。一方,地域の高齢化の問題が教 育活 動にも影響し,規模を縮小したり休止になっていったりする活動もある。PTA戸数の少なさからの,校内 でのきょうだい関係の扱いや家庭との連携の難しさ,太鼓など伝統芸能の継承,多岐にわたった特別活 動や行事 の時数等 についてどう工夫していくか,討議 を行った。

 (4)極小規模校の特色ある教育(宇園別小 分 会  長谷田

徹)     地域の特産や施設を利用した学習

活動 や,地域と合同で行う学校行事等について報 告された。極小規模のため地域で児 童一人一人が米やスイカ,菊の栽培,駐在所での警察官体

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験 など多様 な活 動 をすることができ,地域住民の熱意 が学校の教 育 活 動 を支えている。 中 学校ギャップ解消のための合同学習や,町主体 の食育 の取組等について交 流を行った。

(5) 小規模校における体 力向上 のとりくみ

( 温 根 別 小   成 田 秀徳)

       歩いて移動 する機 会 や運動 する機会 が少ない地域事情から全校で取 り組んでいる体 力 作 りについて,その方 法 や成 果 の報 告 があった。 全校をあげてラジオ体操やなわとび,マラソン,また遊びの中 で,児 童個々や全校で目標を設定して継続 した体 力作 りの取組を行っている。マラソンで走った距離を実際の地図で表 すなど達成度を明確に示すことで,子 ども達の意欲や達成 感 にもつながっている。少人数でのボール運動 の指 導についての課題,良さを発揮できる場 としての体 力 作 り,中 学校進学 後の部活 動 等長期的 に見 た新体 力 テストの 効 果 等 に つ い て 質 問 ・ 交 流 を行った。

    (6 )地域の人材 を活 用した教 育活 動                      (布礼別小  佐藤 美江)       保護者,地域住民,市教委等 様々

な人 材 を活 用 した学習について報 告があった。 手芸や自然観察,スポーツなどの技術や知識を教 えてもらう活 動 について,市の人 材バンクを活用 することで,効率的 ・ 効 果 的 に学習を進めている。少人数のため,子どもたちの興味関心を生かし,一人一人 が十分 に地域の人 と触れ合 いながら活 動 することができる良さがある。へき地という制約がある中 での講師の依頼の難しさや学習活 動 の設定の仕方,事 前 ・ 事 後 指 導 の大 切 さ等について交 流を行った。

 (7)地域の力 を,学校へ              (東川第三小 分 会  森本 真未)    地域と密着した教育 活動 や学校行 事

について,地域との交 流による利点 とともに,活動 の維持や内容の精選等 の課題 が報 告された。区対抗の競技があるなど地域をあげての行事 となっている運動会,農園での栽培活 動を手伝ってもらいお礼に料 理を振る舞う収穫祭等,地域との密接な関係の上にたった教育 活動 が行 われている。地域とのつながりのすばらしさがある一方,PTAや子ども会 活動 が盛んなことによる教職員の勤務の大 変さ,地域活 動と学校としての教 育活 動のバランスのとり方や,行 事における児 童の負担等についても話 し合 いがなされた。

4  成果 と課題    今年度は計7本 のレポートに つ い て 提

言・ 交流 を行った。最後に参加者全員で以下のようにまとめを行った。

・各学校・地域によって,様々な教 育実践がなされている。

・地域により,児 童生徒の実態 や課題はちがう部分もある。

 ・各地域の実態 を生かし,また地域・保護者と連携しながら教 育活 動を推進していかなければならない。

 様々な地域で特色を生かして,また少人数であることの課題を克服するために様々な教 育活 動が工夫して行われていることが報告 され,各地域での共通 点や相違点について認識することができ,参加者の活発 な意見 交換があって充実 した交流 となった。

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第15分 科 会  地域と教 育 (地域との関わり)運営委

員齊藤 健 (智恵文 中)小川 倫央(永山西小 )石郷岡 悟(東五条小 )

進行係 山川 美紀(下川中)横山 啓一(啓北中)

1  基調 報告文 科省は「 教 育 改革」 を口 実 に、 子 ども 、

教職員の権利を蔑ろにし、 学校を差別、選別、管理統制の「 場 」 に変 質 させ、 「一部のエリート養成 と国家に従順な人 づくり」を推し す す め て い る 。 「 学 力 学習状 況 調査 」 「 学 力向上 策 」 「特別の教 科  道徳」「 フッ素洗口 」 等 。 また、 「憲法九条の改悪 」 「共謀罪」 法 等 、安倍政権のすすめる「戦争する国 」 づくりは、 私 たちが生活 している地域を、今まさに脅かしつつある。しかし、 こうした状 況 とまっすぐに向き合い、 対峙している教 育運動 のとりくみから 、多くの勇気と、突破口 につながるアイディアや工夫を学 び、それぞれの立 場 をふまえた現退一致、地域一帯の議 論 をすすめていきたい。

子 どもとお母さんの命を守り、平和 を守るためのとりくみを 40 年以上 にわたって継続 してきた母女の活 動 に敬意 を表 したい 。そして、 活 動 を継続 することの難しさと、それでも続 けていくことの大 切 さ、継続 しながらとりくみの内容を変 化 させてきた手立 てについて学 び、 日常の生活 や、 子 育 てに密着したたたかいについての議 論 をすすめていきたい。

学 力重視、 「差別」 「選別」 をすすめる教 育 の中 で、 学校地域における文 化 活 動 は「余計なもの」 として、次々と排除されて

きた。また、多忙化がすすむ教 育現 場では、教員自身 が「 文化 活動 を通 して子どもたちの心を豊かにさせたいとは思うけど、物 理的に無理 !」 と思 うようになり、演劇や群読、音楽 発表 会やお祭り集会、 手書 きの学級通信などが、次から次へと姿を消している。 このような状 況の中でも文 化の灯を灯し続 けている実践 の知恵や工夫について学び、 議論 をすすめていきたい。2  討議 の柱

(1 ) 平和 ・人権・共生等をめざした「文 化活 動」 をどうすすめるか① 地域の連帯、 教育 活動 の構築

(2 ) 命とくらし・平和 と民主主義のたたかいを地域でどのようにすすめるか

① 子どもたちに平和 な社 会を母と女性 教職員の会の運動

② 学びの場 の保障( 学校の統廃合 ・選抜制度と高校の配置など)3  研究 発表(1 )地域とともにある学校づくり

(山部小 分会  笠井久美子) 富良野市では昨年度よりすべての小学校でコミュニティスクールが導入 され、協 議会が設置された。山部小では「 あそべ会 」という愛称で地域住民の学校運営への参画の促進及び連携強 化を進めており、 「学習隊」 「体 験隊」「環境隊」 が地域児 童を対象とした事業 を行っている。(2 )What is CS?

~誰のためのコミュニティスクールか~                   士別中 分 会  米田 健二 文部科 学省は教 育改革の名の下にコミュニティースクール( CS )を推進しようとしている。私 たちはこれまでに導入 された様々な制度で常に受け身になり、受 け入れざるを得なかったことで学校現 場は多忙化 が進んだ。 CS には多くの問 題点を含んでいるが、 導入への流れは止められそうにない以上、 私たち教職員は CS

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について学 び、 より自主的 にこの制度を活用する必要がある。(3 )地域の人材 活用

~農園・少年団活 動 を通して~

    ( 美沢小 分 会  町田 涼介 )  美沢小 では地域の協 力 体制が整っており 、様々な行 事 を通 して地域の人 材 が活 用 されている。農園活 動 では地域の人 材 を活 用 するだけでなく、 学習したことを発 表 し、収穫祭を行 うなど双方向での交 流 を行 う予定である。一方 で、少年団活 動 は基 本 的 には地域が運営しているが、 事務局は学校にあり、職員も必ず1 つの少年団に所属するようになっているなど課題も多い。(4)糸魚小 学校と地域とのかかわり                    (糸魚小 分 会  佐藤 大士) 糸魚小 学校で は 、 「サンライズ( 公民館) 」 を中心として、 学校と地域で、農園活 動 、お年寄りとの交 流 活 動 、 体 育 行 事 、中 学校と連携、運動 会 など多岐にわたる活動 をしている。 もともとつながりが深い地域ではあるが、 活 動 をとおして、 さらに地域に愛着をもつもとにつながっている。今後も継続 していきたいという報 告がされた。(5)「 学校図書館と学校司書 の役割」                      (鳥沼小 分 会  荘司 恵) 鳥沼小 学校では、保護者による読 み聞かせ 活 動 や図書委員会 に よ る 「鳥沼ブックフェス」 や「ビブリオバトル」 などを実施し読 書への意欲を高めている。 また、4月より学校司 書 が週2回配置されたことにより、 授 業準備、環境整備、 調べ物 の手伝いなどを行っている。今後 は専任化 を求 めること、 本 の不足を解消するなどの課題 も出された。(6 )子 どもたちのために できること    ~今の時代に 母女の活 動 を続 ける理由~(上川母と女性教職員のつどい推進委員会

高橋 広子)

 まず6月に行われた上川町での大 会に向けた準備について報告 がされた。また高橋さんが全 国大 会に参加し、母と教職員が苦労を共有 しつながっていくことが大 切であるとの話 があった。「草の根(声掛け)運動」 で母女の活動 を広げてきたが、難しくなってきているという課題 も出された。

4  成果 と課題・コミュニティスクールは「地域とともにある学校づくり」 を通 して社会 全体 の教 育力の向上 を図るための制度や事 業であり、地域との連携を考 えると頭から否定するものではないが、現 状では多くの課題 を含んでいることがレポート発表者や参加者から報告 された。今後 、地域の意見 という名の下に、学校が中心になって企画立案・実施運営せざるを得ない事 業が増加する懸念があることから、展開される様々な事 業を学校主導から地域主導へ転換させることが望ましい。そのためには、学校運営協 議会 に諮る学校の運営方針が「校長の独断 」ではなく私たち教職員の意 見を取り入れた「 学校の意向」となっているかどうかを注意深く監視していく必要がある。また、 現在は棚上げになっている「 教職員の任用 に関 する意 見を述べる権限」 について、私 たちは決してそれを許さないようにしていかなければならない。・地域の人材 活用 については、農村地域の小規模校で地域と学校とが良好な関係を保ち、双方向での交 流が行われている事例が報告 された。地域の人 材から子供たちが専門的 な技術や知識を教 えていただいたり地域性 を生かした体 験をしたりするだけでなく、 私たち教職員にとっても大 変勉強になり、 有意義な活動 ・交 流となっている。一方で、少年団活動 は地域と学校の折り合 いが難しく、教職員の善意で少年団活 動が成り立っている側面があるという声が発表者や参加者から上がった。具体的 には指導 が学校(担当者)任せになっている、 事務局が学校にあるため連絡調整などの負担が大きい、すべての教職員が少年団に所属しなければならない、 児童数が減少しているに

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も関 わらず活 動 内容は縮小 されない、 などの事例が報告 された。・ 小 中 連携にかかわって多くの事例が報 告さ れ た 。 中 か ら 小へ出向く 「乗り 入 れ 授業 」 。 中 学校教諭による小 学校の授 業参観。地域の小 ・ 中 の合同運動 会 。 これらは小 と中 で、お互 いの現 状 を分 かり合 うために有効 である。課題 としては、安易に連携しやすい行 事 を、形だけ行 う実 践 があることや 、時 間 や場所を共有 するために連絡・ 調整が難しいことが挙げられた。今後 も本 質 的 な小 中 連携とは何 なのか追 い求 めていく必要がある。・ 学校司 書 を置く学校は現在増えてきている。旭川市内 は常駐が多いが、旭川市以外は週に1 ~ 2 が多い。メリットは多く、 読書環境の整備、 本 の手配・準備、 学 級 文庫の本 の選定など、 教職員の負担軽減になっている。課題 としては、 学校司 書 は新しい職なので、 明確な業務内容が定まっていない中 、 手探りで仕事 をしており、職場 に居場所を見 つけられないケースもある。同じ職場 のなかまとして協働していくことが必要である。・母女の活 動 は、旭川市内 では低迷している。原発 の問 題 、食の安全 などSNS上 などに多様 なコミュニティー はあるが、 学校とつながるのは難しい。 上川母女では、 子どもが学校を卒業 しても、 活 動 を継続 する人 が多い。 大 会 などに教 育委員会 も後援してくれている。多忙により精神的 に疲弊する 人 が い る 現 状 で 、解決 に至ら な く て も「 話 す」 ことが大 事 で、 さらに自 分 たちの生活 や趣味が充実 していることが未来につながる。課題 はあるが活 動 を続 けることの意義を確認することができた。

第1 6分 科会  学校保健運営委

員竹本  亜也子 ( 上富良野小)

上西 智 子( 中央中)三浦 雅子(鷹栖中)後藤 真 由美 (大町小 )

進行係 草薙 典代 (忠栄小 )福島 貴子 (東明中 )

1  基調 報告 国 は2003 年「 健康増進法」 を成 立し、「健康は国民の責務」 として「 自己責任・自助努力 ・受益者負担」を求めている。そして、学校は健康増進実施事業者として国が求 める「健康づくり」を行うことが求 められている。北教組は、学校への「集団フッ素洗口」 の導入 に対 し、一方 的な導入 を許さないとりくみをすすめてきた。 しかし道教委は、2022 年度までに全道すべての小 学校に導入する目標を掲げ、さらに中学校での実施をすすめようとしている。予防接種については、 2016 年4 月から北海道でも「日 本脳炎ワクチン」 が定期接種となり、 2018 年1 月までで12 件の副反応被害が報告 されている。 「HPVワクチン」 は2013 年6 月より奨励中止が続いており、125 人の被害者が集団訴訟をおこしているが、日 本産婦人 科学 会などは積極的な接種の推奨を求 めている。そのため道内でも昨年度の接種者は153 人と、前 年より40 人増えている。私 たちは「安全 性・ 有効性 ・必要性 」の観点 から、地域・保護者とともに学び、定期接種であっても「NOと言 える権利」があることを広め、 日本脳炎/HPVワクチンの中止や選択権の保障を道・各自治体へ要請していく必要がある。健康診断 については、 2016 年より学校保健安全施行規則において加えられた「四肢の状 態」 をはじめ、「生活習慣病」予防検診や「中高生のピロリ菌検査」 「成長曲線の活 用」 「色覚検査の実施要請」と健康診断の多項目化 し、 子どもや学校を「生涯健康管理体制」 に組み込もうとする動 きが加速している。特にピロリ菌検査 については、厚労省が胃がんの検査 として推奨していないこと、 日本 小児栄養消化器肝臓学 会が無症状 の小 児の盲目 的な検査 や除菌を推奨し

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ていないことから、「誰のため、何 のための健診なのか」原点に立ち返り、議 会対 策を含めたとりくみが必要である。また、自治体 の健康推進計画や特定給食施設調 査で、児 童・生徒の「 身長・体重データ」 や歯科健診結 果の情報 提供依頼が急増している。道教委の「校務支援システム」や自治体 ・学校のオンライン上 での情報管理の在り方も含め、子 どもの個人情報の流出や管理 的な学校保健 体制を許さないとりくみが必要である。食物 アレルギーへの対応については、「管理指 導表 」の提出を強 要する動 きをはじめ、緊急 時のアドレナリン自己注射(エピペン)使用 の問 題がある。保護者の経済的負担や給食施設が未整備等の問題 があることについて引き続き改善を求 めるとともに、すべての教職員と問題 点を共有 した学校体制づくりが重要である。養護教員の職種の問題 として、昨年 から介護休暇や定数削減で養教が不在となった学校に、近隣学校の養教 が兼務発令を受けたり、産休などの代替者に看護師が臨免措置で配置となったりする問題 が続 いている。私たちは「養護をつかさどる」 ことは兼務でできないことを伝え、どの学校にも養護教員の配置を求め、子 どもたちの人権が尊重される民主的な学校保健 を仲間とともにすすめていかなければならない。

2  討議 の柱(1 )学校保健の現状 と問 題点   ①学校・地域・子 どもの現 状と最近 の学校保     健 の現 状   ②養護教員をとりまく現状(2 )人権・プライバシー を尊重し、一人ひとり    の子 どもの側に立った学校保健 をめざして   ①保健室での子どもとの関 わりから   ②学校における健康診断・予防接種のあり方   ③健康増進法 ・健康日 本21 の具体化攻撃と 

    そのとりくみ   ④学校保健と個人情報 ・プライバシーの保護(3 )養護教員部の組織強 化をめざして   ①組織拡大・ 強化 に向けてのとりくみ

3  研究 発表(2 )学校における健康診断 ・予防接種の

   あり方( 討議 の柱 2-② )ア 色覚 について・色覚の特性 を持った子どもの入学 を機 に、特別なことをするのではなく、今まで通 り誰にでも見やすい板書 を心がけようと職員の中 で話 し合った。色覚特性があってもなくても普通に生活 できる環境が整っているのが理想 。カラーユニバーサルデザインの考え方を広めていきたい。・眼科医が推進しているだけで、文 科省もしなさいとは言っていない。学校で検査 しても正確な検査はできない。眼科医によって対応が違う現状 がある。イ  うつる病気について・予防接種重視で、うつる病気は予防第一と考 え、 受けない選択をすると攻められる風潮がある。・就職する時 に既往歴や接種歴を聞かれる企業 が あった り 、養護学校は未接種だ とショートステイを受け入れてくれなかったりする。個人 の情報がすべて知られ、お互いが管理 し合 い狭い範囲でしか物事 を見 なくなっている。・保健だより等で、正しい情報 を知らせていくことも大 事。(2 )健康増進法 ・健康日 本21 の具体化

攻撃とそのとりくみ( 討議 の柱 2-③ )

ア  フッ化物洗口 について・すでに導入 されて数年の学校では、当たり前 のようにフッ化物洗口 が定着している。学校が忙しくなっていて、 フッ化物洗口 の問題以外にやらなければならないことが増えている。不 本意 ではあるが声をあげる時間もなく、フッ化 物洗口を続けている現 状 。・教 育委員会 や管理職の意識も学校で行 うことへの危機 感がなくなってきていたり、

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管理職が変わると養護教員に業務を押しつけたりする実 態がある。・フッ化 物洗口が始まってしまったから諦めるのではなく、道段階での中止を求めていくことが望まれる。 根本 的な問題解決 として、 8020 条例(11 条) の改正へのとりくみの必要 性を感じる。・今後 、未組織の分 会 にも養護教員部の考え方 やとりくみを広げていくことが課題 。イ  学 童 健診、ピロリ菌検査 ・除菌、 がん

教育・知らないうちに条例ができていて、学校を都合良く利用しようという動 きがあるので注意しなければならない。・健診や検査データは色々なところへ流 れていく危険性 がある。・ 「 健康増進法 」 「 健康日 本 2 1 」 の概念があって、病気にならないことが幸せであり、 健診で予防することが第一という考 えが浸透している。 根底にある自然環境の問題 は、無視されていて問 題解決 になるのだろうか。 真 実 を伝え、権利を主張していくことが大 切。( 2 ) 学校保健 と個人情報 ・プライバシー

の保護( 討議 の柱 2-④)・個人 が特定されなければ大丈夫だと思 われているが、ビッグデータは、突き詰めていけば個人が特定されてしまう。・職員も自 分 のことは黙ってしまいがちだが、個人情報 やプライバシー について、おかしいと思 うことは声に出していくことが大切 。( 3 )組織拡大 ・ 強 化 に向けて( 討 議 の柱

3-①)・部員の減少やとりくみ方 など様々なことに危機 感 を持ちながら、 横 のつながりを大事 にし、支会 を越えての交 流 も図っていきたい。・代替がいなく、養護教員の免許を持っていない人 が入っている実 態 がある。制度を変 え、養護教員の免許を持った人 が入 れるように働きかけていく必要 がある。

4 第68 次教 研の成果 と課題( 1 )色々な問 題 があるが、忙しい現 状 の

中でも、 どの子どもにもどの社 会にもわかりやすい、生きやすい環境になるように、学習したことを保護者や職員に広げていく必要 性を共有 することができた。( 2 ) フッ化 物洗口 や 様々な攻撃に 対 し「始まってしまったから仕方がない」ではなく、良くないことを正していく気持ちを大事 にしながら疑 問を声に出し、できることをやっていかなければならない。(3 )部員数が減少する中 、支会を超えて連帯、協 力していくことで活動 を広げ、仲間を作っていくことの大切 さを確認できた。(4)うつる病気では、ワクチンは必ずしも万能ではないというおさえのもと、予防第一の考 えにとらわれず、病気にかかることで得られる免疫力の大切 さを確認できた。

第17分 科会     学校事務運営委

員東島 学  (北鎮小)田澤 幸紀(永山東小 )菊池 康子(東川小)辻本  祥子(名寄南小 )

進行係

助言者

森   裕晶( 美瑛 小)北村 公一(西神楽小 ) 高橋 吉之( 近 文第一小)

1  基調 報告近年 、北海道の学校事務をとりまく状況

は、厳しさを増している。非正規職員化 や業務合理 化のため「教職員事務センター 」、「道立学校運営支援室」が稼働したことや従来の 目 的加配と は異な る 「新た なミッションを担う事務職員加配」が強行 導入 され、 「教員の勤務負担軽減」の方向へと舵が切 られたこと、 さらには、「 事務主幹制度の厳格 な運用」 、「給与格付け基準の見直し」の強行 、「共同学校事務室」 が法制化されるなど、国 ・道教委の制度改 悪による課題は山積みしている。

全国 的に推し進められている「 学校事務の共同実施」 については、 学校事務職員の非常勤化 や合 理化 に繋がるものであり、到

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底容認されるものではない。北海道においても、 行政が「新たなミッションを担う事務職員配置」 「 学校力向上 総 合 実 践 事 業 」「コミュニティスクール」 「 専門人 材 」 などの事 業 と絡めながら、 事務職員加配を都良く利用 する動 きが強 まっている。 これらの動 きは、 私 たちがこれまでとりくんできた学校間 連携の推進、職務確立 の点 からも決 して容認されるものではない。 さらに、加配を受 けた学校では、 「 教員の事務負担軽減」 の 考 え 方 に 基 づ き 、 「 教員の下支え」 的 な事務の共同処理 や教員から事務職員への業務移行 などが行 われている。 このことは、 協 力 協働による「 学校づくり」 をめざす私 たちのとりくみとは相反し、 学校現 場 に上下関係、差別分 断 を持ち込むものであることからも、 断固阻止していかなければならない。一方 、 全 国 連帯による粘り強 いとりくみ

による結 果 、 学校教 育 法 37 条の「 事務に従事 する」 が「 事務をつかさどる」へ改正された。 また、 「共同学校事務室」 を置くことができることや「共同学校事務室」 に室長をおくことも法制化 され、 学校事務職員の職と身 分 にかかわる重大 な転換期を迎えようとしている。 「共同学校事務室」 に関 しては、今後 、各市町村教委で設置されることが予測されるため、長年培った学校間 連携を推進・ 発展させていくことが重要である。

教 育 の機 会均等 を支える「義務教 育費国庫負担法 」 の状 況 については、 2 分 の1 から3 分 の1 へ国 の負担が地方へ転嫁され、「 教 育 格差」 や「 子 どもの貧困」 に影響を及ぼしている。 これら義務教 育費国庫負担制度廃止への攻撃をはねのけ、 「義務教 育の機 会均等 や教 育予算 の拡充」 を実 現 し、私 たちが求 める義務教 育 ・民主教 育 を堅持していくことが重要である。

私 たちは課題 が山積みしている今だからこそ、 「 学校にいてこその学校事務職員」であることを再確認し、一丸となって「領域としての学校事務」 の深化 ・ 発展・定着を推進しなければならない。

2  討議 の柱(1 ) 領域の深化・ 発展をめざす学校事

務労働の展開~学校間 連携、二本立て運営計画など

① 保護者負担軽減のとりくみ② 教育予算拡充のとりくみ

(2 ) 学校事務職員をとりまく状 況と課題

① 事務職員加配とその現 状② 学校間連携のとりくみ③ 法改正について考 える

3  研究 発表(1 )保護者負担軽減に向けたとりくみ~続・

PFシートのとりくみ~(美馬牛小分 会 長谷川 孝)

 昨年度から町内 でPFシートにとりくみ学校における保護者負担の実態 を明 らかにしてきた。PFシートを作 成し,町内の学校間 で比較・ 交流 していく中で,個々人 のとらえ方 が定まっていなかったり細かな点で違いが見られたりすることがわかってきた。PFシートの作成 ・比較・ 交流 ・データ蓄積を今後 も続 け,細かな点 の改善や丁寧な予算 要望活動 につなげていくことにより教 育活 動にかかる保護者負担軽減につなげていけるようにしていきたい。(2 )「 教育条件整備」をめざして~学校づくりアンケートを通 して~

(名寄東小分 会  前畑 孝明) こどもたちにとって学校は一日の大半を過ごす「生活 の場 としての学校」と押さえることができる。その学校をより安全で,快適に過ごすことができるように教 育環境を整備することが,私 たち学校事務職員の職務である。名寄市では1 1月に教委との予算 要 求ヒア リ ングが あ る た め,子 ど も(児 童) にアンケートをとり子 ども目線の意見 を取 り入 れ,より説得力のある予算 要望書 を作 成することとした。アンケート実施に当たって,子 ども・教職員の協 力を得ることができ,子 どもたちの意 見を聴く機会・ 表明 する機会 を設定し,大 変有 意義な協力 協働を行 うことができた。

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( 3 ) 学校間 連携会 議 を中心とした教 育予算拡充

のとりくみ(東小分 会 柳原 拓

也)富良野市学校間連携では,20 16 年度

から連携会議 を通じて確実 に「職務」として各学校でとりくむために①連携会 議年 間計画と各校の学校事務運営計画の年 間計画表とのリンク,②保護者負担軽減に向けたとりくみを強 化してきました。特に子どもの貧困が大きな問 題となっている中,② を重点 ととらえ財政部会 を中心として学校における私費負担部分を公費化できるよう連携会 議としての共通予算要望資 料作 成や教育費拡充に向けた議員への要請活動 資料 作成を行い,微増ながらも教 育振興費の増額と「 学校司書 」モデル校事 業の導入 を実 現することができた。(4)加配事務職員と5年…

新たなミッション加配らの考察(中富良野小 分会  川越 志穂)

中富良野小 には事務職員が2 0 1 1 年4月より加配されているが,この状 況 が毎年続 くとは限 らないことから,次年度事務職員が加配されない場 合 を想定して問 題 点 を洗い出すこととした。一番の問 題 点 は加配事務職員が単年度採用 であることから,中富良野町学校事務連携会 議 には参加するが,町外の研修会への参加が消極的 なことがあげられる。 また,人 事異動 の兼ね合 いもあり年度末 に行 われる分掌反省・計画が加配の認可・ 不認可を考 えて行 わなければならないところにある。 これからも課題 を整理し,加配事務職員と同じ分掌で仕事 をしていくことのできる環境を作っていきたいと考えている。(5)旭川市の学校事務の現 状 と課題 を整理する~ 実態 としての「従事する」 から

「つかさどる」へのために~(旭川支部学校事務部 天野   修)

2 0 17年4月1 日,学校教 育 法第37条第14項の改正により「 事務職員は事務をつかさどる」 になった。 しかし「処理 業務に追 われて,主体 的 に業務をすすめられな

い。 」との声も多くある現 状にある。そこで,旭川市独自の事務に課題は無いか,解決するための方策 は無いかを検討してきた。課題 はここ数年で新しく生じたというよりも長年にわたり続 いており,課題解決へ向けた方策 もとってきていた。そのため,さらに新しい課題解決の方策 として,学校間連携会議 が職務に関する課題の解決 を担い,市教委への提案・ 協議 などをすすめることが最適だと考 える。組織の課題 は個人の課題であり,個人の課題 は組織の課題 であることから,組織的 な取 り組みで実態 として「 つ か さ ど る 」 を 目 指 し な が ら個人 の 意識・ 行動 でも「つかさどる」を実態 としていかなければならないと考 えている。4  成果 と課題 学校間 連携(会 議) やPFシート,子 どもアンケートを通じ子 どもの貧困からくる格差がなくなるよう,とりくみがなされている報告 があり大 変良かった。今後 も現 場から声を上げていき,自治体と連携しながら教 育予算拡充をすすめて欲しい。 また,「つかさどる」について,旭川・上川の事務職員は「事務に従事 する」ではな く 「 事務を つ か さ ど る 」 と し て仕事 を行ってきた。 自治体が学校事務とはなにかと職務の明確化を図ろうとしている今こそ意見 を出し合 い,一層全道に発信し領域実践を深め進めていく必要がある。共同学校事務室について,全国 的には事

務の共同実施が共同学校事務室としてスライドしているところもあるが,北海道は学校間 連携(会 議)=共同学校事務室であるというとりくみを進めて欲しい。組合員として共同学校事務室については疑問 点や意見などたくさん出したくさん論 議すべきと考える。

第18分 科会     女子教育問題教育運営委

員小川 奈都( 美深中)千葉  茂(永山南中 )

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関山 直樹(広陵中)進行係     

河野登貴子( 中央中)橋本   剛(嵐山中)

1  基調 報告 国際女性年の1975 年、北教組は前年の日教組に続き、「女子教育問題」のとりくみを始めた。1947 年に施行された憲法に男女平等が明記され、1967 年に国連が女性差別撤廃宣言をしているにもかかわらず、日本社会に男女の待遇格差が残り続けるその原因は、長く繰り返されてきた戦前 の『女子 教 育』が及ぼす根深いジェンダー(その時代の社 会 が求 める男性観・女性観)の不平等であるとし、両性が平等に扱われ主体的に生きる社会の実現には、教育の改革が欠かせないと判断したためである。 具体的なとりくみとして、技術家庭科や体育科の男女共学・共習、男女混合名簿、運動会での混合走、呼称の共通化など不必要な区別をしないことや、性の教育の実践やメディアチェックなど、正しい知識を学ばせ、ジェンダーの視点をもって生活環境を 見直す 意識の 育 成 に 力 を 入 れ て き た 。80 年代から90 年代にかけては、技術家庭が男女必修科目となり、体育が男女共学になるなど一定程度の成果が表れたが、現場での日常的な作業や児童生徒への対応などの改革は十分に進んでいるとは言い難い。 現政権は「女性活躍推進法」を成立させたが、女性が安心して働き、労働に見合った対価を得られるような積極的な具体策に乏しく、ジェンダーの視点に欠けたものである。 また、 「 私 」 よりも「 公 」 、 「個人」よりも「家庭」を重視する現政権は、「家」を単位とした戦前の「家父長制」の考え方や強い愛国心を求め、男女平等を軽んじる傾向が顕著である。このままでは性別役割分業の意識は再生産され続け、男女平等の完全な実現はないのではないかという危機感が募る。 前回の第67 次教研では、教育現場での授業実践報告が数多く発表された。教職員のジェンダーに対する理解や意識も広がり

を見せている。しかし、これまでの慣習を一つ変えるにも、地域や保護者、他の教育機関(幼稚園や保育園など)の理解を得ることが難しく、なかなか進まない実態も報告された。男女の区別に関する意識のみならず、性的マイノリティーに対する意識も含めて、私たちは今後も学ぶ姿勢を持ち続け、仲間に広げ、後進に伝えていくことを忘れてはならない。討議を通して、私たちが実践する学校教育の先に子どもたちの未来の労働環境があり、家庭生活構築の考え方があると確認し合うことができた。この上に今次教研の論議を期待したい。

2 討議の柱(1)女子教育問題とは(2)女子教育問題をめぐる現状と課題(3)運動のすすめ方

3  研究 発表(1 )「女子 教育 問題 に関 わる授業 実践 か

ら~ 小中 学校の実 践から~上川支部女子 教育 問題検討委員会中央ブ

ロック(比布中 分会  東 加奈絵)

(2 )「 小・ 中学校における人権教 育の中での男女平等 教育 のとりくみ」

(下川中 分会  島田  年恵)(3 )「ジェンダーフリー ~仕事」 の授 業

実践上川支部女子 教育 問題検討委員会石北ブ

ロック(当麻中 分会  大原   剛)

(4)「 どんなときに,差別や区別を感じるか」

上川支部女子 教育 問題検討委員会南宗ブロック

(幌加内 中分 会 赤坂  恵)(5)「多様 な性 について考える~ 性の学

習の実践 を通 して」上川支部女子 教育 問題検討委員会富良野ブ

ロック(富良野東中 分会  相澤 正一)

(6 )「ジェンダーに関するアンケートの考察 と授 業実 践」

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旭川支部女子 教育 問題推進委員会(永山南小分 会  会田 有紀)

(7)「女子 教育 問題 ~児 童アンケートの考察 から~」

(近 文第一小 分会  駒形  美幸)(8) 「啓明 小  女子 教 育 問 題 のとりくみ2018 」

(啓明小 分会  河田紗生子 )

4 成果 と課題(1)女子教育問題とは (1)と(2)を併せてグループ討議や

意見交流を行った。(2)女子教育問題をめぐる現状と課題・差別や区別に関するアンケートの実施で

は,児童アンケートの質問事項の内容に課題があるのではないか。アンケートの質問項目の改善が求められる。

・児童アンケートでの集計方法について工夫・改善し分析していくことが必要だと思う。

・人と人との関係性を通じて,お互いに尊重し,認め合うことの大切さを感じた。

・発達段階や成長過程を捉えることによって男女の意識の差があるものや差がないものなどが児童アンケートから読み取ることができた。

・求められる男性像や求められる女性像などイメージが美化され刷り込まれ,固定的な価値観を押し付けることになりかねないので指導者の問題意識をしっかりともつことが必要である。

・幼少期から刷り込まれる差別や区別では,大人の意識をもっと変えていく必要があると感じた。女子教育問題では男子も同様の不安や悩みがあることも考えていく必要がる。

・自分らしさを大切にすると自由度が優先され学級経営を行う上で困難さを感じる場合があるが,人権尊重を大切にした関係性づくりを構築したいと考えている。

・授業実践でできること,教育課程に描けるもの,成長や発達段階を考慮しながら各学年で課題を整理する必要性を感じた。

・男女ともに力を発揮させる活動についてもっと考えていく必要がある。座席,整列など男女同数の原則の考え方である。中学校での運動が進まない現状をどのように捉えるかが課題でとなるのではないか。指導者の意識がとても重要となるのではないか。

・女子教育問題の運動は以前よりも確実に広がってきていると感じている。運動は地道なものであるが,組合員が意識をしっかりもって継続していくことが大切だと感じる。

(3)運動のすすめ方 「女子 教育 問題 」においての運動 の進め方についてグループで意見 交流 を行った。・教 育課程に男女平等 教育 が位置付けられていて教 育実 践まで具体化 されていてとても参考となる発表 であった。女性部の中 だけではなく分 会内 で問 題意識を高め運動 を広めていく必要性 を感じた。・女子教 育問 題の名称について,人権尊重や人権教 育の視点 での名称がよいのではないか。広い意味で人権教育 の中 でとりくんでいくことが大切 ではないか。・啓明小 分会 では,1 年間 ではなく4年 間継続 しての実 践であったため継続していく大切 さを強く感じた。 教材開発 などアンテナを常に張りながら創意工夫していくことが大 切であると感じた。・日常の発言 や言 動などに配慮や注意を向けていく必要 性を感じた。・女子教 育問 題の名称いついて今後検討 していく必要があるのではないか。・女子教 育問 題について考 える契機 として有意義な分科 会となった。 身の回りにある又できることから確実 に積み上げ実 践していくことの大 切さを各発表者から学んだ。

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特別分科 会 食教 育特別分 科会司 会 大久保  美幸(風連 中央

小)長谷部 道彦( 近 文第一小)佐藤 大樹  (六合中 )

進行係 田村 典子  (北野小 )植 村   博 行   ( 緑が丘小)

1  基調 報告「食」 は、 私 たちの生命や健康を支える

大 切 なものである。 学校教 育 を通 して子 どもたちに「食」 について何 をどのように教えていくべきかを考 える時 、 子 どもたちを取 り巻く食環境の現 状 を把握し、 議 論 していくことが重要である。

本 分 科 会 では、 学校給食に携わる栄養教員の職務の実 態 や問 題 点 、 学校給食の現 状を交 流 しながら、 「食」 に関 するより良い実 践 を共有 し、課題解決 につなげていきたいと考える。2  討議 の柱  ( 1 ) 「食」 について、 何 をどのように

教えていくか ( 2) 子どもたちの食環境の現状把握  ( 3 ) 学校給食の現 状 や学校給食に携わ

る教職員の職務の実 態 ・ 問 題 点 の把握

3  研究 発表

 ( 1)食教 育の実践 より(日 章小 分会  山腋 敏弘)

            総合 な学習の時間 で行った、「食と健康」 についての授 業実 践について報 告された。事 前に児童への食事 に関 するアンケートをとり、「食」に対する児 童の実態把握を行った。 実践 では、普段の給食の残食調べを行い、残食が少なくなるメニューを考えた。栄養教諭からのアドバイスをもとに栄養価のバランスの大 切さを学んだレポートが発 表された。これをもとに、 子どもたちの食環境の現状 や学校現 場での取 り組みについての討議 が行 われた。

4  成果 と課題今年度は計1 本 のレポートに つ い て 提

言・ 交流 を行った。提出されたレポートは1本 ではあったが、上川・旭川管内 の栄養教諭、小 ・中 学校の教諭が多く参加していたため、レポートに限 らず、現 場の問題 や勤務実態 等について交 流を行うことができた。その中で、参加者全員で以下のようにまとめを行った。

・栄養教諭の勤務実態 においては、 まだまだ改善が必要とされるところが多々あるので、現 場の声を吸い上げ、関係機関 に改善を要請する必要 がある。

・子 どもたちの「食」 に対 する意識を向上させ、家庭との連携を深める中で、より良い食環境をつくりあげていく必要がある。

・学校現 場と栄養教諭との連携が大 切である。

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