一、「限る」
【意味と用法】 Ⅰ .動詞
① 「名に限る」 限定する。
希望者は女子に限る。応募作品は原稿用紙 400 枚以内に限る。お支払いは現金に限る。
② 「名に限り、~」 「~だけ」の意味。
11 時までにいらっしゃったお客さまに限り、 80 円のコーヒーを 50 円で差し上げます。来週の日曜日に限り、午前中休みます。
③ 「名に限って、~」 「~だけはほかと違って」の意味。
ハイキングに行こうという日に限って雨が降る。私はいつも運が悪いなあ。急いでいる時に限って、タクシーがつかまらない。
③ 「名に限らず、~」 「~だけでなく、ほかの場 合も」の意味。
若い人に限らず、かなりの年の人でもおしゃれしています。男性に限らず、女性もハイテク企業に進出している。
④ 「…とは限らない」 「…とは決まっていない」の意味。
金持ちが必ずしも幸福とは限らない。警察官だからといってみな勇敢だとは限らない。
⑤ 「…に限る」 「…が一番だ」という意味。
一日の仕事を終えた後は、冷えたビールに限る。自分が悪いと思ったら、素直に謝るに限る。
Ⅱ .名詞
① 「限りがある(ない)」 「限度・限界がある(ない)」という意味を
表す。
資源には限りがある。無駄遣いしてはいけない。欲を言えば、限りがない。
② 「名詞の・動詞連体形+限り」
「最高限度・極限まで」「すべて」の意味。
慣用表現が多い。力の限り戦ったのだから、負けても悔いはない。戦後この辺りは見渡す限り焼け野原だった。
③ 「名詞+限り」
時間・回数・空間を表す名詞に付いて、そ
れが限度であることを表す。彼女は今年限りで定年退職することになっている。今の話はこの場限りで忘れてください。
④ 「動詞連体形+限り(では)」
「見る・聞く・調べる」などの認識を表す動詞につく。
「自分の知識・経験の範囲内で判断すれば」という
意味を表す。私の知っている限りでは、この町にトモダという人は住んでいない。この植物は、私が今まで調べた限りでは、まだ日本では発見されていないようだ。
⑤ 「名詞である・動詞連体形+限り」
「~の状態が続く間は」という意味を表す。プロである限り、その大会への出場資格はない。この建物は許可がない限り、見学できません。
二、「際」
【意味】 「ちょうどその時」という意味。
【用法と用例】① 「名の・動詞連体形+際(には)」
今度お伺いする際、忘れずに必ず持って行きます。
③ 「名詞・動詞基本形+に際して」
お別れに際して一言ご挨拶を申し上げます。この調査を始めるに際しては、関係者の了解をとらなければならない。
三、「 … を異にする」
【意味】 別にする、異なっているという意味。
【用例】性格を異にする。出口と入り口を異にする。この問題に関して、あの人と私は判断を異にしている。
四、接尾語「 立て」
【意味と用例】
①車に付ける牛馬の数や船の櫓の数などに付けて、それだけの数で成り立っていることを表す。2頭立ての馬車
② 作品・項目・種類などの数を受けて、一度にいくつも行うという意味を表す。あの映画館は3本立てで500円だそうです。
五、接尾語「 ばる」
Ⅰ .動詞「張る」① 自動詞木の根は地中に深く張っている。(=伸び広がる)寒い朝は、庭の池に氷が張る。(=凍る)ほしい品だが、値が張って買えない。(=値段が高い)
②他動詞風呂場にタイルを張る。(=くっつける)テントを張って、キャンプをする。(=広げる)ミンクのコートを買うなんて、見栄を張るにもほどがある。(=外から見た目をよくする)
Ⅱ .接尾語「張る」
【接続】 「体言・動詞連用形+ばる」【意味と用例】①膨らんだ状態にある様を表す。/郵軟、皇軟【出張る】 ( 自 ) 普通より余分に外へ出る。/突出
やせてあごが出張る。【角張る】 ( 自 )
a.角が突き出ている。/有稜角角張った岩山を登る。
b.ものの言い方などが滑らかでない様子。/生硬そんな角張った言い方をしなくてもいいじゃないか。
②固い状態やマイナス状態が全体に行き渡って
いる様子を表す/燕幣堰吶議彜蓑。 【骨ばる】(自)骨が多く出てごつごつ
している。/露出骨头骨張った体つき
【意地張る】(自)思ったことをどうしても通そうとする。/固执己见あまり意地張ると人に嫌われる。
③精一杯そのことに打ち込んでいる様子/燕幣憧 凋議、鶏窟議劔徨。
【気張る】(自)a.意気込んで張り切る。/发奋,振作起来試験の時はあまり気張らないほうがいいよ。b.気前よく金を出す。/花钱大方祖父はだいぶ気張ってお年玉をくれた。
【頑張る】(自)/拼命努力彼は夜遅くまで頑張って勉強している。
六、慣用句
1、「頭が上がらない」 引け目があったり、相手の力が強かっ
たりして、自分が小さくなっていなければな
らない様子。借金があるので、頭が上がらない。
2、「顔を立てる」「顔が立つ」
「顔を立てる」 面目が立つようにする。 ⇔「顔をつぶす」
そんなに反対しないで、少しは私の顔を立ててくれないか。
「顔が立つ」 面目が立つ。 ⇔「顔がつぶれる」
彼はよく働くので、紹介した私の顔が立ちます。
3、「大目玉を食う」 ひどく叱られること。
いたずらが過ぎて、父から大目玉を食う。4、「鼻の先で人をあしらう」 相手の言葉に、ろくに返事もせずに冷淡
にあつかう。わからないところを教えてもらったが、鼻の先であしらわれてしまった。