調剤薬局のゆくえ 20150512
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保険薬局の課題と未来
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アジェンダ
1. 門前薬局の競争から見えてくる薬局の現状
2. レセプト等のデータから見えてくる薬局の現状
3. 海外の調剤薬局チェーンの動向から考える薬
局の将来
4. 薬局の生き残り、薬剤師の生き残り
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(2014年講演資料の一部を抜粋)
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Case1,2「つぶれる薬局」と「つぶれない薬局」
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Case1: AからEまで5店舗横並び
公的病院
バス停
約150m
STORE ESTORE DSTORE CSTORE BSTORE A
マンション
学校
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Case1: AからEまで5店舗横並び⇒Eが閉店
公的病院
バス停
約150m
STORE ESTORE DSTORE CSTORE BSTORE A
マンション
学校
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Case2: 病院と駅の間にあるテナントビル
A市民病院A市民病院駅 テナントビル
約100m
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Case2: 病院と駅の間にあるテナントビル
A市民病院
A市民病院駅
テナントビル
1F
2F
2F 病院エントランスに直結
2F改札口に直結
連絡通路(雨除けあり)
歩道
階段、エレベーター
STORE BSTORE A
STORE C 空き店舗
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Case2: 病院と駅の間にあるテナントビル⇒階段を降りる必要のあったCが閉店
A市民病院
A市民病院駅
テナントビル
1F
2F
2F 病院エントランスに直結
2F改札口に直結
連絡通路(雨除けあり)
歩道
階段、エレベーター
STORE BSTORE A
STORE C 空き店舗
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Case1,2から見えてくる薬局の現状
立地がすべて
店舗の作り(デザイン等)は多少影響があるかもしれないが、決定要因ではない
薬剤師の質など、本質的な勝負ではない
⇒努力の余地がない
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Case3,4立地がすべてなら、命を賭けてでも・・・
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Case3: 4店舗合計で月賃料1千万円超
↑367万5千円
↑197万4千円
200万円↓
294万円↓
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Case3: 4店舗合計で月賃料1千万円超
⇒1号区画は選定1年後・開局前に辞退
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Case4: 敷地内の調剤薬局用土地
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Case4: 敷地内の調剤薬局用土地
10億円
4.2億円
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Case3,4から見えてくる薬局の現状
立地のためなら、莫大な投資・経費も構わない
⇒それでも利益が出る異常な状態
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Case5,6門内薬局!?
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Case5:完全に門内。作ったもの勝ち??
【都薬】病院内敷地の開設薬局、厚生局に再検討要請(薬事日報 2014/7/17)
国立印刷局東京病院を引き継ぎ、昨年4月からスタートした「花と森の東京病院」(東京都北区西ヶ原2の3の6)の敷地内に開設された「あさひ調剤薬局西ヶ原店」(同)が1日付で保険指定されたことを受け、東京都薬剤師会では、保険指定が不適当ではないかとし、近く関東信越厚生局(石井信芳局長)に対し、再検討の申し入れを行うことを決めた。
保険薬局の保険医療機関からの独立性については、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則第2条の3で規定され、1982(昭和57)年5月の厚生省薬務局長・保険局長通知、96(平成8)年3月の保険局医療課長通知により、具体的な運用が示されている。
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Case6: 門内どころか建物がつながってます
病院の敷地内に「院外薬局」がある――。こんな一見矛盾するよう
な状況が認められつつある。国は保険薬局を指定するうえでの原則として、薬局の出入口が「公道またはこれに準ずる道路に面している」ことなどを求めているが、病院敷地内に外からつながる市道などを敷くことで「公道に面する」条件をクリア。処方箋応需に有利な“門内薬局”を調剤チェーンに開設させる事例が続いている。新潟大学病院も新たに「門内薬局」を計画しており、病院と“密”な財団法人が主導している(Risfax、2013/8/5)
出所:新潟大学ウェブサイト
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Case5,6から見えてくる薬局の現状
医薬分業の原則も無視
かかりつけ薬局の概念を「教育機関」しかも「 (独法化しているとはいえ)国立大学」がないがしろにしている
⇒ただし、患者は便利と喜んでいるのが現状
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6つの事例から見えてくる薬局の現状
立地がすべて
患者は利便性で選んでおり、薬局・薬剤師の質で選んでいない
かかりつけ薬局の理念は浸透していない
医薬分業を患者は喜んでいない(価値を感じていない)
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現状からの考察、提言
患者・市民目線の利便性の議論が続くならば、院内薬局・門内薬局の解禁は現実的
病院と薬局間に利害関係がなくても、病院は高額な収入を得ることができる
⇒利便性向上の名のもとに、これまで以上に非競争的(≒質的向上が期待できない)環境かつ不透明な利益が生まれる
院内薬局を許可するならば、賃料の開示を
⇒賃料の開示により、院内調剤薬局の利益性把握ができ、診療報酬の抑制や、質的担保を期待できる施設基準の設定ができるようになるはず
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