月刊現代ギター - 2015年2月号

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Page 1: 月刊現代ギター - 2015年2月号

現代

ギタ

ー 

昭和

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株式会社 現代ギター社 

(本体 1,200 円 + 税)定価 1,296 円

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【修正日】 2015/01/08_02:12  【出力日】 2015/01/08_02:08

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10 特 集

第 57 回東京国際ギターコンクール44 第 2 特集 Cross Talk ~益田正洋×大萩康司×松尾俊介

CONCERT PHOTO REPORT

20 コンサート・フォトレポート 松尾俊介、中島良史(指揮)~カルミナ・ブラーナ 日本ギタリスト協会会員による 秋のコンサート バード・エカチャイ・ヤラクール マヌエル・バビローニ 中峰秀雄 鈴木 豊 河野智美

REPORT

38 第 60回九州ギター音楽コンクール40 第 26回日本ギター合奏フェスティバル

INTERVIEW

30 Jiro'sBar ~濱田滋郎対談〔23〕

 太田尚樹(東海大学名誉教授/スペイン史学)51 デイヴィッド・ラッセル54 バード・エカチャイ・ヤラクール56 ミロシュ60 アルバロ・ピエッリ・インタビュー     &マスタークラス①

READING / ESSAY / LECTURE

26 愛器を語る[71]

    古川忠義(アストリアス“辻 渡 S-CW C”)

34 ポインツ・オブ・ギターテクニック[11]    佐藤紀雄58 ロンドン便り〔62〕(ワシリー・サバ/訳:関塚亮司)66 奇蹟のギタリスト(手塚健旨)   ジュリアン・ブリーム/ジョン・ウィリアムス

75 オールド・ポップス・コレクション〔11〕   セレナーデ(ビゼー)(たしまみちを)

INFORMATION

18 マルシン・ディラ期待の来日単独公演迫る!70 新譜案内72 外盤案内74 新刊案内78 めもらんだむ100 今月の見どころ聴きどころ102 各地から106 イベント&コンサートガイド110 コンクール・インフォメーション

ENSEMBLE

98 アンサンブルの広場

SCORE

121 今月の楽譜解説122 かっこう(ダカン~西垣正信)126 ラ・マルセイエーズ(リール~ダマス)128 オリエンタルOp.37-2(グラナドス~劉明睿)※二重奏

132 茸のダンス(佐藤正美)134 ノクターン第20番“遺作”(ショパン~津田昭治)

Vol.49 No.2 February2015 No.614 February

マヌエル・バビローニ

●表紙 マルシン・ディラ●写真 仲野達也

79 ポピュラー・ヒット・レパートリー〔23〕 ようかい体操第一~アニメ『妖怪ウォッチ』より                  (菊谷知樹)  (小関佳宏)82 キネマ楽園〔11〕(鈴木大介) 魅惑のワルツ~映画『昼下がりの情事』より(マルケッティ)

86 遡行ギター音楽史年表〔11〕(朝川博)88 atempo 日記〔59〕(渡辺和彦)90 セゴビアとパキータ〔47〕        (A.エスカンデ/訳:坪川真理子)94 レパートリー充実講座〔239〕(猪居信之)    大序曲 Op.61 ④(ジュリアーニ)

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Page 3: 月刊現代ギター - 2015年2月号

――昨日は東京国際ギターコンクールでの優勝、おめでとうございました。チャバ(以下、C) ありがとうございます。――1週間前に名古屋ギターコンクールでも優勝されたそうですね。重ねておめでとう!C パリに留学しているタイキ(松本大樹)が、どうせ東京に行くのなら他所でも何かやったら? ということで名古屋の生田直基さんを紹介してくれて、名古屋で小さなコンサートとレッスンを準備してくれたんです。名古屋のコンクールも出たら? と言われので、やってみました。――すごい友達繋がりですね。ところで、

チャバというお名前はフランスでは珍しいのでは?C ええ、実はフランスの姓ではなくて、ハンガリーの姓です。父がハンガリー人です。――簡単に自己紹介をお願いします。C 1990 年、フランスのリヨンに生まれ、すぐにパリに移りました。そして 8 歳からギターを始めました。友達がギターを始めるというので、私もやりたくなって一緒に近所のギター教室に通いました。その後、ナントという町にまた引っ越して、そこの音楽院でミシェル・グリザー

(Michel Grizard)という先生に就きました。卒業してスペインのコリア国際ギターコンクールで優勝しました。その

後、パリの国立音楽院に入り、オリビエ・シャッサンに就き、2012 年に卒業しました。卒業後は、ジュディカエル・ペロワに師事しています。コンクール歴としては、ドイツのイサローン国際ギターコンクールで第 4 位、ウィーンのコンクールで第 3 位、フランスのバルブジューのコンクールで第 3 位、そして 2014 年には GFA 国際ギターコンクールで第 2 位、セビーリャ・ギターフェスティバルのコンクールで第 3 位になりました。――ペロワは日本でも演奏して、とても印象に残っていますが、先生としてはどんな教え方をする人ですか?C 自分のやり方を生徒に押し付けるというより、生徒がどうしたいのかを聞き

優勝者インタビュー トマ・チャバ An interview with Thomas Csaba

The 1st.prize winnerThomas Csaba

10 Gendai Guitar

第57回東京国際ギターコンクール

57th Tokyo International Guitar Competition

ハイレベルな接戦を制し、東京・名古屋で二冠を奪取前回に引き続き Hakuju Hall で開催された第 57 回東京国際ギターコンクール。海外からの参加者が大きく減少しながらも、精鋭たちによりハイレベルな争いが繰り広げられた。

2014 年 12 月 6 日、7 日Hakuju Hall主催:公益社団法人日本ギター連盟写真:東 昭年

6th, 7th December 2014Hakuju HallHosted by Japan Federation of GuitaristsPhoto by Akitoshi Higashi

東京国際ギターコンクール.indd 10 2015/01/07 17:56:57

Page 4: 月刊現代ギター - 2015年2月号

マルシン・ディラ期待の来日単独公演迫る!

 ポーランドの名手、マルシン・ディラが昨年に続けて今年の 3 月に再び日本公演を行なう。昨年は噂に名高いギタリストの初来日とあって各所で話題を呼んだが、イベントでの招聘だったためハーフ・プログラムでの出演だった。しかし、今回の来日はすべて単独公演。ディラの素晴らしい演奏を存分に楽しむことができる。 ここで、ワシントンポスト紙で“地球上でもっとも才能あるギタリスト”と謳われたマルシン・ディラについて、改めて解説したい。 彼は 1976 年、ポーランドのホジェフで生まれた。カトヴィッチェ国立音楽院を卒業後、スイスに留学してバーゼル音楽院でオスカー・ギリアに、その後ドイツに渡りフライブルグでソーニャ・プルンバウアーに、オランダのマーストリヒト音楽院でカルロ・マルキオーネに師事した。そして驚くべきことに、1996 年から 2007 年にかけて 19 ものコンクールで優勝している。そこには、アランブラ(スペイン)やアレッサンドリア(イタリア)、GFA(アメリカ)など最難関の国際ギターコンクールの他、ジョアン・ファレッタ(アメリカ)、フリアン・アルカス(スペイン)、ギターの春(ベルギー)、など注目度を増している難関コンクールも含まれる。近年複数のコンクールで優勝する若手ギタリストが増えているとはいえ、この数、この内容は圧倒的と言えるだろう。 2006 年には、ホアキン・ロドリーゴの娘セシリアの指名により、近年発見された〈ギターのためのトッカータ〉

(1933 年)をマドリッドで世界初演。また、ニコラス・モーの〈ミュージック・オブ・メモリー〉(1991 年)やマグヌス・リンドベルイの〈マノ・ア・マノ〉(2004 年)、ペ

トリス・ヴァスクスの〈孤独のソナタ〉(1990 年)など、難易度の高い現代作品の“再演”も積極的に行なう。 今回の来日公演プログラムは、そんなディラのレパートリーの構成を良く反映した内容だと言えるだろう。彼がロドリーゴと並んで集中的に取り組んでいる作曲家であるポンセの超大作〈フォリアの主題による変奏曲とフーガ〉は昨年も素晴らしい演奏を聴かせてくれた。 もう 1 つの目玉であるロベルト・シエラ(1953 ~)は、プエルトリコ出身アメリカ在住の作曲家で、その作品は数々の賞を受賞し、グラミー賞やピューリッツァー賞などにもノミネートされている。ギター作品も多数書いており、2 つのギター協奏曲〈フォリアス〉と〈バロッコ協奏曲〉はマヌエル・バルエコの独奏で 2005 年に EMIから CD がリリースされている。今回ディラが演奏予定の〈ギターのためのソナタ〉は 2010 年の新しい作品。 ディラは古典・ロマン派のギター作品にも定期的に取り組んでおり、ジュリアーニやディアベッリ、メルツなどウィーン系の作品を弾いているライブ映像がYouTube上に多数アップロードされている。また、昨年の来日公演のアンコールではタレガの〈アラビア風綺想曲〉を息をのむような美しさで聴かせてくれた。その他、最近では同じくタレガの〈朝の歌〉や〈ゆりかご〉の演奏動画がアップされているので“3 つの小品”はこれらのことかもしれない。ソルは“幻想曲”とだけ書かれたプログラムが提示されたが、具体的に何を弾くのかは現在のところ不明。ディラがソルを演奏するのは非常に珍しい機会なので楽しみだ。 マルシン・ディラの再来日はギター愛好家に限らずプ

写真提供:ザ・フェニックスホール©仲野達也

18 Gendai Guitar

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Page 5: 月刊現代ギター - 2015年2月号

20 Gendai Guitar

指揮者・中島良史のデビュー 40周年を記念するコンサートに、〈アランフエス協奏曲〉のソリストとして、多方面で活躍する松尾俊介が出演。客席 2,000 の東京芸術劇場大ホールで、満場の観客を前に熱演を繰り広げた。松尾は日頃室内楽のコンサートも多数こなしているためか、コンチェルトではめったに聴くことのできないような高い精度でオーケストラとぴったりと寄り添って弾き進めていく。しかし同時に、決

して埋もれることなくソリストらしい堂々たる演奏を聴かせ、全体的に速めに設定されたテンポで華やかなテクニックも披露。松尾特有の繊細さよりは、コンチェルトを意識した気迫の籠った演奏で聴衆を魅了した。プログラム:アランフエス協奏曲(ロドリーゴ)、カルミナ・ブラーナ(オルフ)〔2014 年 11月 16日/東京芸術劇場コンサートホール〕

東日本大震災 被災地支援コンサート“カルミナ・ブラーナ”

松尾俊介 写真:満田 聡

写真:満田 聡

中島良史〔共演〕カルミナ祝祭管弦楽団、カルミナ祝祭合唱団

(指揮)

Page 6: 月刊現代ギター - 2015年2月号

26 Gendai Guitar

愛器を語る

古川忠義 ◆アストリアス(辻 渡 S-CW C)

Tadayoshi Furukawa 1960 年大阪生まれ。15 歳にしてデビューリサイタル開催。1980 年日本演奏連盟新人選考会で優勝し、大阪フィルと共演。翌年、米テネシー州で開催された科学万博に出演。1990 年ベンチャーズのメンバー、ノーキー・エドワーズの日本ツアーにゲスト出演、クラシックではベルリン・フィル首席チェロ奏者、エバーハルト・フィンケとも共演する。1995 年 9 月アメリカのテネシー州ナッシュビルに単身渡米。1997 年 3 月カーネギーホールとニューヨーク市教育委員会主催のコンサート「ザ ・ ヤング ・ ピープルズ ・ コンサート」に参加。2002 年 7 月森ノ宮ピロティ大ホールファーストコンサート。10 月イタリア ソレント サロンコンサート、タッソ劇場にて公演。11 月ロシア 大阪ガスマンドリンクラブ モスクワ公演(ラフマニノフホールコンサート ゲスト出演)。現代ギター社より『ソロギターのためのベンチャーズ名曲集』、『ギター伴奏でキメる!永遠のヒットソング集』を出版。

写真:木田新一

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Page 7: 月刊現代ギター - 2015年2月号

●「僕らの世代」って !?

益田:僕らは読者の皆さんにとって若手? ベテラン?たまに「若きベテラン」のような呼ばれ方もするけど、どう思われているんだろうね?(笑) 大萩:「新星」って言われる人もいるしね(笑)。松尾:ついこないだ、出来上がったチラシに「ギターの新星」って大きく書いてあってすごくびっくりした。「まだ、新星でいられるんだ」と(笑)。益田:僕は 13 歳でデビューリサイタルを行なったから、それから数えると 23 年目? いや、24 年目だね。松尾:ベテランじゃん。大萩:それはベテランだわ。間違いない。芸人ではないから、1 年デビューが先だから「ハハー」みたいなことはないけれど、村治佳織さんも俺より 5 年早くデビューしているからね。益田:いずれにしても、僕らってちょっと微妙な年代だよね。「新人」に対しては「一人前になれるように応援

しよう!」という方も多いけれど、僕らは今や「もう随分と立派になって……」みたいな見方をされるよね。「遠くから見守りつつ、気になることがあれば指摘しよう!」という方もいる。それは非常に有難いんだけれどね。大萩:ピアノやヴァイオリンってプロとアマの垣根がしっかり分けられているけれど、ギターの場合それがないと思わない? だから、他の楽器の人たちに「ギタリストの人たちって仲いいよね」と言われる。でも、それって必ずしも悪いことじゃない気がする。みんなが互いに言いたいことを言える仲って大事だなぁと。色々なことを言われたりすることもあるけれど、それをどう受け止めるかは自分で取捨選択していくものだし。益田:演奏家って自分のやりたいことがあると一方向ばかり見つめがちだよね。でもそんな時に、「別な見方をしている人もいるよ」と言われるとパッと目が覚めることがある。ただ、たまには褒めて欲しいけれど……。大萩:そんなに褒めてくれないの?(笑)益田:いや、だんだん「出来て当然」みたいになってく

2014 年の暮れも押し迫った 12月 12日、現代ギター社GGサロンに、益田正洋、大萩康司、松尾俊介のお三方をお招きし鼎談を行なって頂いた。特にテーマを設けず自由な談義をとの趣旨であったが、いずれも 1978 ~ 79 年生まれ、志を同じくする朋友として少年時代から互いに切磋琢磨し、現在も親密な友誼を結ぶ三人だけに、会話は拡がり弾み、話せども話せどもその種は尽きない。今や本邦ギター界には欠かせぬ存在へと成長した彼らが、「僕らの世代」について語ってくれたその一端を紹介したい。なお、鼎談の和気藹々とした雰囲気をなるべく文章でも伝えたいため、敢えて三人の会話を収録時のくだけた口調のままとした。

(左より)大萩康司、松尾俊介、益田正洋

益田正洋×大萩康司×松尾俊介

2014 年 12 月 12日 GG サロン/司会:渡辺弘文、中里精一(編集部)/写真:宮島折恵

第 2 特集 Cross Talk

~「僕らの世代」について語ってみよう~

44 Gendai Guitar

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