隔週刊「鶏卵肉情報」 - 2015年5月25日号

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2015 The Poultry Magazine “KEIRANNIKU JOHO” 無理な拡大ではなく 地域に根差した持続可能な経営を インタビュー : ㈲桂ファーム 栗原拓也氏に聞く 養鶏は工業ではなく農業だということを忘れずに 5 25 25 2015 年 5 月 25 日発行 [毎月10日、25日発行] 第45 巻第 10 号 通巻第 1498 号 昭和46年11月9日第3種郵便物認可

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Page 1: 隔週刊「鶏卵肉情報」 - 2015年5月25日号

2015

The Poultry Magazine “KEIRANNIKU JOHO”

鶏卵肉情報(毎月 日、 日発行)第 巻第10号平成 年5月25日発行

昭和 年 月9日第三種郵便物認可通巻第1498号

発行人

杉浦嘉彦

禁無断

編集人

伊藤和夫

発行所

株式会社鶏卵肉情報センター

名古屋市瑞穂区下坂町124

1498

5

25

2015

無理な拡大ではなく地域に根差した持続可能な経営を

インタビュー : ㈲桂ファーム 栗原拓也氏に聞く

養鶏は工業ではなく農業だということを忘れずに 定価650円+税

45

27

25

46

111055 2525

2015 年 5 月 25 日発行 [毎月10日、25日発行] 第45巻第 10 号 通巻第 1498 号 昭和46年11月9日第3種郵便物認可

Page 2: 隔週刊「鶏卵肉情報」 - 2015年5月25日号

マリアmaria

効率性が利益をもたらすハイラインの傑作

白玉鶏に匹敵する高効率の赤玉

ボリスブラウン

卵量追求型白玉鶏

ソニアsonia

産卵性が高く飼料効率抜群のピンク卵

FAX027-266-1795TEL027-266-1451番㈹

ジュリア

万全な防疫・衛生対策を施した種鶏場、孵卵場、育成場で生産された良質なヒナをお届けします。

Page 4: 隔週刊「鶏卵肉情報」 - 2015年5月25日号

の健康を重視した「産みたてたまご」

味と品質のために飼料と水と管理を追求

 

ホームページがあるわけ

でもなく、特に宣伝をして

いるわけでもない。テレビ

の取材は「常連のお客さん

が買えなくなると迷惑を掛

ける」といって断ってい

る。それでも、生産した「産

みたてたまご」のほぼ全量

を直売所で売り切っている

のが、埼玉県入間市の㈲桂

ファーム(栗原桂一社長)だ。

 「地域に根差した持続可能

な経営」を掲げる同社は、

1991年の法人化から今

年で25年を迎える。法人化

前の昭和30年代から開いて

いる直売所では地域の農家

が生産した花や野菜、産地

ならではの狭山茶コーラも

販売し、「地域のお客さんが

親子代々通ってくれている」

奥行き50メートルの開放鶏舎

(栗原拓也氏)こともあって、年に

9万人が訪れるという。平日午後の

取材中も、常連らしき人たちが続々

と車で乗り付け、卵をキロ単位で買

い求めていた。

 

開放鶏舎のほぼ半分は手集卵。無

洗卵はパックではなく、フタのない

段ボールに重さを測りながら人の手

で詰めている。機械化が進む業界に

あって、手集卵と手詰めはいかにも

「アナログな感じ」(拓也氏)だが、

これは「農業の枠を越えずに、人の

手でなんとかできる範囲で経営す

る」という桂一社長の考え方に基づ

いたもの。機械に頼らない分、卵の

味と品質には妥協しない。

 

世界的な穀物価格の高騰を受け

て、近年、配合飼料価格は高止まり

し、畜産生産者の経営を圧迫してい

る。それでも、桂一社長は「餅は餅

屋。飼料のプロであるエサ屋さんも

桂ファームのスローガン

シンプルスモールスローアナログローテクローカル

&スマイル

Page 5: 隔週刊「鶏卵肉情報」 - 2015年5月25日号

本当は良いエサを作りたいはずなの

で、敢えて値下げ交渉はしない」と

いう。

 

飼料は、NON

GMOとポスト

ハーベストフリーのトウモロコシが

中心の「ペタール」をベースに、イ

ソマルトオリゴ糖「オリゴセイバー」

や、天然総合ミネラル補助飼料「ミ

ネカン・ネオ」を配合している。こ

うした高価な添加剤によって「一般

的な配合飼料よりトン当たり1万円

は高いはず」(拓也氏)という飼料

㈲桂ファーム(埼玉県入間市寺竹1194番地)TEL 04-2936-0120 FAX 04-2936-3112

シリーズ 進化するブランド 96

空舎中にスチームなどで徹底的に洗浄する

代も、井戸水に飲水添加する植物抽

出発酵液「バイオ酵素K」も、卵の

味と品質のためには惜しまない。

 

これらの働きが鶏の腸内環境を改

善することに加えて、社員が毎日2

回、鶏舎を巡回して一羽一羽の健康

状態をチェックするという丁寧な飼

養管理によって、「産みたてたまご」

は卵独特の生臭さが少なく、甘味と

コクの強い卵になっている。フタの

ない段ボールでの販売は、卵殻の強

さの証しでもある。

部材をすべて分解して

徹底洗浄

 

鶏の健康のためには、鶏舎環境の

改善も欠かせない。酵素で鶏に直接

働き掛ける手法に加えて、病害虫に

耐性ができることを防ぐため、空舎

時の清掃もエサ樋まですべて分解し

てスチーム洗浄するという徹底ぶり

だ。酵素という科学的な方法と、人

の手による巡回チェックと洗浄は、

ともに手間ひまが掛かる。しかし同

社は、「持続可能な経営」のために

は欠かせないとして続けている。

 

拓也氏は「今後とも卵の味と品質

を維持しながら、お客さんのニーズ

に応えていきたい」と話している。