隔週刊「鶏卵肉情報」 - 2015年7月25日号

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2015 The Poultry Magazine “KEIRANNIKU JOHO” 自給率向上に向けて 国産鶏と飼料用米で農業のモデルケースに インタビュー: かわなべ鶏卵農場代表 川鍋重美氏に聞く 前よりおいしくなったといわれる卵を 7 25 25 2015 年 7 月 25 日発行 [毎月10日、25日発行] 第45 巻第 14 号 通巻第 1502 号 昭和46年11月9日第3種郵便物認可

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Page 1: 隔週刊「鶏卵肉情報」 - 2015年7月25日号

2015

The Poultry Magazine “KEIRANNIKU JOHO”

鶏卵肉情報(毎月 日、 日発行)第 巻第14号平成 年7月25日発行

昭和 年 月9日第三種郵便物認可通巻第1502号

発行人

杉浦嘉彦

禁無断

編集人

伊藤和夫

発行所

株式会社鶏卵肉情報センター

名古屋市瑞穂区下坂町124

1502

7

25

2015

自給率向上に向けて国産鶏と飼料用米で農業のモデルケースに

インタビュー: かわなべ鶏卵農場代表 川鍋重美氏に聞く

前よりおいしくなったといわれる卵を 定価650円+税

45

27

25

46

111077 2525

2015 年 7 月 25 日発行 [毎月10日、25日発行] 第45巻第 14 号 通巻第 1502 号 昭和46年11月9日第3種郵便物認可

Page 2: 隔週刊「鶏卵肉情報」 - 2015年7月25日号

効率性が利益をもたらすハイラインの傑作

白玉鶏に匹敵する高効率の赤玉

卵量追求型白玉鶏産卵性が高く飼料効率抜群のピンク卵

FAX027-266-1795TEL027-266-1451番㈹

万全な防疫・衛生対策を施した種鶏場、孵卵場、育成場で生産された良質なヒナをお届けします。

Page 4: 隔週刊「鶏卵肉情報」 - 2015年7月25日号

給与したものの、鶏が選り好みをす

るなどうまくいかなった」。そこで、

いち早く飼料用米に取り組んでいた

トキワ養鶏(常盤村養鶏農業協同組

合)の話を聞き、飼料だけでなく、

冬場の鶏舎管理などを学んだとい

う。

 

その結果、籾米でトウモロコシの

全量を代替した「ホワイトたまご」

は、今では国立ファームの看板商品

の一つになった。

 

農場のある青梅市北部は「冬場は

マイナス5〜8℃になる」という厳

しい立地条件にある。また、採卵鶏

の経験は長いものの、東京しゃもの

飼育を始めたのは昭和50年代に入っ

てから。採卵鶏と同様、しゃもも

初生雛から育雛・育成しているが、

「しゃもの雛は採卵鶏より5℃高い

舎内温度が必要だということは飼い

始めてからわかった」という。その

 「おいしい卵をつくってお客様に

喜んでもらうこと」を経営理念とし

て国産鶏のもみじとさくらでブラン

ド卵「多摩のかがやき」を生産、こ

れまでに日本農業賞や東京都知事賞

などを受賞してきたかわなべ鶏卵農

産鶏もみじとさくらの「多摩のかがやき」

27年度国産鶏飼養優良農家表彰受ける

場(東京都青梅市、川鍋重美代表)

がこのほど、国産鶏普及協議会から

平成27年度国産鶏飼養優良農家表彰

を受けた。

 

先代の芳美氏が昭和35年の庭先養

鶏開始とともに直売もスタートさ

山あいの農場に隣接する直売所

せ、後を継いだ重美氏が「多摩のか

がやき」をブランド化。個性的な品

揃えで知られるスーパー・福島屋を

はじめ、直売や宅配などで販路を開

拓してきた。さらに、国産の採卵鶏

とともに肉用鶏の東京しゃもの飼

育も始めたほか、農業の新しいビジ

ネススタイルを展開する国立ファー

ム㈲とともに飼料用米を使った黄

味の白い「ホワイトたまご」を共同

開発するなど、自給率向上に向けた

先進的な取り組みが高く評価されて

いる。

 

しかし、その道のりは平たんでは

ない。平成7年には、それまでの主

要取引先だった生協と「条件面で折

り合わずに」(重美氏)出荷を停止。

昨年2月には関東地方を襲った記録

的な大雪で、移動直前の大雛が入っ

た育成舎と鶏ふん置き場が倒壊した。

 

飼料用米も「当初は玄米や古米を

Page 5: 隔週刊「鶏卵肉情報」 - 2015年7月25日号

かわなべ鶏卵農場(東京都青梅市小曽木2丁目271)TEL 0428-74-5492  FAX 0428-74-6838

シリーズ 進化するブランド 97

ため、「育成舎に床下暖房を入れて

その上にコンクリートを打つこと

で、冬場でも舎内温度を保つように

した」。

 

飲水には水道水ではなく、山から

湧き出る沢の水を使っている。この

ように、「実際にやってみないとわ

からないことが多い」と、実践を積

み重ねた結果が今の卵の味と数々の

表彰につながっている。

 

こうした飼養管理に基づいた国産

鶏のもみじとさくらが生む「多摩の

かがやき」は、「濃厚でほんのり甘

い卵」として、着実にファン層を広

げてきた。

しっかりした現状認識を

 

重美氏は現状について、「青梅市

でも商業施設の大型化が進んでい

る。個人の小売店がどんどんなく

なっていて、うちの取引先も廃業す

るところが増えている。しかし、大

型店は需要があると見込んでいるか

らこそ進出してくるのであって、市

場はあるということだ。生産者はそ

こをしっかり認識しなければならな

い」という見方を示した上で、「だ

からといって、うちが大手と同じや

り方をしても意味がない。飼料代が

高いからといってエサの品質を落と

したら、卵の品質も落ちてしまう。

増羽や大型化ではなく、『かわなべ

の卵はおいしい』『前よりもっとお

いしくなった』といってもらえるよ

うな卵をつくっていきたい」と、今

後を見据えている。