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養鶏をめぐる情勢 生産局畜産部 資料4

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平 成 2 1 年 6 月

養鶏をめぐる情勢

生産局畜産部

資料4

Ⅰ 需給と流通をめぐる情勢

1.鶏卵需給等の動向

(1)需給(消費、生産、輸入等) … 1

(2)価格 … 3

(3)流通 … 4

2.鶏肉需給等の動向

(1)需給(消費、需要、供給、輸入等) … 6

(2)価格 … 8

(3)流通 … 9

3.国際動向

(1)関税制度 …12

(2)EPA・FTA …13

(3)輸出 …14

Ⅱ 生産及び経営をめぐる情勢

1.経営の動向

(1)生産額 …15

(2)生産構造 …16

2.養鶏経営における担い手確保について …18

3.アニマルウェルフェアの考え方に対応した鶏の飼養管理指針について …19

4・アニマルウェルフェアの考え方に対応した採卵鶏の飼養管理指針(概要) …20

目 次

Ⅲ 飼料をめぐる情勢

1.配合飼料価格、とうもろこしのシカゴ相場等の推移 …21

2.配合飼料価格安定制度と価格差補てんの実施状況 …22

3.エコフィード(食品残さの飼料化)の取組のイメージと対策 …24

4.飼料用米をめぐる状況 …25

5.国内産飼料用米使用畜産農家等へのMA米

販売措置について …26

6.動物用医薬品及び飼料の適正な使用 …27

Ⅳ 養鶏経営における環境問題

1.家畜排せつ物の発生状況と施設整備状況 …28

2.家畜排せつ物の利活用の促進 …29

Ⅴ 家畜衛生の動向

1.鶏の伝染性疾病の発生状況等 …30

2.高病原性鳥インフルエンザ対策 …31

-1-

Ⅰ 需給と流通をめぐる情勢

1.鶏卵需給等の動向

(1)需給(消費、生産、輸入等)

・ 畜産物については、多様化する国民食生活の中で消費量が大幅に増大。

・ 鶏卵の消費量は、これまで食生活の高度化、多様化に対応して着実に増加してきたものの、近年はほぼ横ばいで推移。

1人1日当たり鶏卵消費量

資料:総務省「家計調査」、農林水産省「食料需給表」

30.0 29.8 30.7 29.7 29.3 28.5 28.6 28.2 27.8 26.1 27.0 27.3 27.6

13.1 15.3 16.222.2

25.8 26.2 25.5 26.0 25.9 27.2 26.5 26.5 27.7

43.145.1

46.9

51.955.1 54.7 54.1 54.2 53.7 53.3 53.5 53.8

55.3

0

10

20

30

40

50

60

50 55 60 2 7 12 13 14 15 16 17 18 19年度

g/日

家 計 消 費

業 務 加 工 用

-2-

・ 鶏卵の国内生産量はほぼ需要を満たす水準で推移(鶏卵の重量ベース自給率:96%、カロリーベース自給率:10%

(平成19年度))。

・ 輸入は、国内需要の影響により増減を繰り返しているが、全需要量の4~5%の範囲内で推移。

鶏卵の国産・輸入別供給量と自給率

2,599

113

0

1,000

2,000

3,000

50 55 60 2 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19

0

50

100

輸入

国産

自給率

(千トン)

年度

資料:農林水産省「食料需給表」、「畜産物流通統計」、財務省「日本貿易統計」

 注:19年度の自給率は概算値である。

(%)96%

-3-

・ 卸売価格は、鶏卵の自給率が96%と高く、需要も概ね安定的に推移していることから、わずかな生産量の変動が大幅な

価格変動につながりやすい傾向にあり、季節的な変動のほか5~6年を周期とするエッグサイクルが存在。

・ 鶏卵卸売価格(標準取引価格)は、20年度は、生産量が前年を下回っていること等から堅調に推移したが、21年度(4~

5月)は、需要の低迷により前年同期を下回って推移。

(2)価格

205

133

164

94

142

259

224

142

215

151

129

192

220

140

169 168

142

159 163 162 166185

191 191

50

100

150

200

250

300

14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度

円/kg○ 鶏卵卸売価格(標準取引価格)の推移

基準価格

年度平均

166円 139円 200円 181円 178円 168円 190円

資料:全国鶏卵価格安定基金調べ

注1:( )内は、対前年同月比

注2:標準取引価格とは、全農の東京及び大阪で販売された適格卵の加重平均価格

21年5月

159円(▲17.3)

(4~5月)

161円

14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度

-4-

(3)流通

・国産鶏卵を合理的な価格で安定的に供給していくためには、農家段階の生産コストのみならず、流通の各段階

での合理化を図ることが重要。

生産量約260万トン(平成19年度)

3.3千戸

注)GP(グレーディング&パッキング)センターは2万卵/時以上の能力を有する施設の数。((社)日本卵業協会調べ)業界聞き取りによると全農の出荷量シェアは全生産量の2割程度、全国鶏卵販売農業協同組合連合会は同4割程度である。

GPセンター

487カ所

全 農

全鶏連

鶏卵の洗浄、検卵、選別、包装、表示等を行い、合理的な物流を実現する供給基地の役割

量販店等

生 協

加工業者

直接販売

鶏 卵 問 屋

鶏 卵 市 場

平成20年2月

① 鶏卵の流通

・ 平成21年3月27日、「鶏卵の表示に関する公正競争規約」が官報に告示。6月10日には鶏卵公正取引協議会が設立

・ 本規約の主要部分の施行は、平成22年3月27日から施行

・ 本規約の適正な実施が図られるよう、生産者や流通業者のみならず消費者に対しても、規約の普及・啓発等を図

ることが重要

② 鶏卵の公正競争規約について

-5-

「鶏卵の表示に関する公正競争規約」の概要

(平成21年3月27日 官報告示)

1 対象

① 事業者

鶏卵を販売する者で、規約に参加するもの

② 商品

国産殻付き鶏卵(一般消費者向け生食用)

2 主な内容

① 必要表示事項

原産地や内容量等

② 特定事項の表示基準

栄養強化卵等の表示基準

③ 特定用語の使用基準

「平飼い」「有精卵」等の用語の使用基準

④ 不当表示の禁止

ブランド卵・銘柄卵とは

○ 給与する飼料を変えて栄養成分を強化する等により、

付加価値を高めて販売される鶏卵

○ 昭和50年代初頭に登場

○ 現在、鶏卵生産量の2割程度がブランド・銘柄卵で、

その数は1000を超えるとも言われている(関係者から

の聞き取り)

○ 通常卵(レギュラー卵)が相場に応じて取引されるの

に対し、固定価格にて取引される場合が多い

〔参考〕

鶏卵公正取引協議会

会員証紙(案)

・ 畜産物については、多様化する国民食生活の中で消費量が大幅に増大。

・ 鶏肉については、食肉の中で豚肉に次いで消費量が多く、重要なタンパク源として位置づけ。

(1)需給(消費、需要、供給、輸入等)

2 鶏肉需給等の動向

食肉消費量の推移

0

2

4

6

8

10

12

14

35 40 45 50 55 60 2 7 12 17

牛肉

豚肉

鶏肉

資料:農林水産省「食料需給表」(19年度は概算値)  注:1人1年当たり供給純食料

kg

年度昭和 19

-6-

11.6

10.8

5.7

・ 鶏肉の自給率は、近年、消費量が安定的に推移する中で、概ね横ばいで推移。(鶏肉の重量ベース自給率:69%、カロリー

ベース自給率:7%(平成19年度))

・ 16年1月以降、タイ、中国での鳥インフルエンザ発生により、両国からの鶏肉輸入が一時停止。このため、ブラジル産鶏肉の

輸入量が大幅に増加するとともに、タイ、中国については、我が国が指定した加工施設で加熱処理された鶏肉調製品の輸入が

可能となったことから、両国からの鶏肉調製品の輸入量が大幅に増加。

・ 国産鶏肉は家計消費及び加工の仕向割合が高く、輸入鶏肉はその他(外食等)の仕向割合が高い。

鶏肉の国産・輸入別供給量と自給率

鶏肉の用途別供給割合

鶏肉輸入量の推移

鶏肉調製品輸入量の推移

資料:財務省「貿易統計」

36

35

34

9

9

8

55

56

58

0 100

資料:生産局畜産部推計

注 :国産・輸入の数値は、各用途における割合である。

(%)

17年

18年

19年

家計消費 加 工 その他

輸入

国産 輸入

国産輸入

国産 輸入

国産

国産

輸入

輸入

国産

国産

国産 輸入

輸入

輸入国産

93 7 81 19 56 44

92 8 83 17 59 41

96 4 86 14 59 41

1,3641,2931,2421,2391,2291,2161,1951,2111,2161,2341,2361,2521,3801,354

1,120

759

1,372

589679561585662702686591568634581297

115

80

28

650605

9297

94

82

69 67 68 67 65 64 64 6567 69 67 69 69

0

400

800

1,200

1,600

2,000

50 55 60 2 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

輸入

国産

自給率

年度

資料:農林水産省「食料需給表」 注:19年度の自給率は概算値である。

%千トン

194

323

394

146

43

41

32

28

27

392308 333

23

22

0

100

200

300

400

500

15 16 17 18 19 20

千トン

その他

米国

中国

タイ

ブラ ジル

年度

365

433

340362

420430

114143

185 196

122

83

122

149149

186

193

144

0

100

200

300

400

15 16 17 18 19 20

千トン

その他

米国

タイ

中国

311

272

338346

339

年度

203

資料:財務省「貿易統計」

-7-

鶏肉卸売価格の推移(東京加重平均)

資料:「日本経済新聞」注 :( )内は対前年度騰落率

資料:総務省「小売物価統計調査」注 :( )内は対前年度騰落率

・ 鶏肉卸売価格は、19年度に国産指向の高まりから大幅に上昇したものの、20年秋以降は輸入の増加に伴う在

庫量の増加等により軟調に推移。

・ 国産鶏肉の小売価格も、20年秋以降は景気の低迷等により低下の傾向。

(2)価格

-8-

鶏肉の小売価格の動向(もも肉:東京)

0

100

200

300

400

500

600

700

800

14年度    15年度     16年度     17年度    18年度    19年度     20年度     21年度

むね肉年度平均

325円

(28.2)

205円

(▲21.9)

210円

(2.5)

(円/㎏)

もも肉年度平均

672円

(4.1)649円

(6.5)

549円

(▲15.4)

584円

(6.3)

231円

(9.8)

576円

(▲1.4)

242円

(4.7)

21年5月

581円

(▲21.4)

560円

(▲2.7)

208円

(▲14.0)

21年5月

214円

(▲34.6)

254円

(22.0)

645円

(15.2)

4~5月

571円

(▲22.9)

4~5月

216円

(▲32.2)50

60

70

80

90

100

110

120

130

140

150

21年4月

133円

(0.7)

14年度     15年度     16年度      17年度     18年度     19年度     20年度    21年度

(円/100g)

135円

(6.7)

125円

(3.8)

124円

(▲0.4)

123円

(▲1.4)

123円

(0.1)

123円

(0.4)

126円

(2.4)

年度平均

鶏肉の流通経路

[生産] [処理・1次加工] [2次加工、卸売段階] [小売段階]

外 食 店集 出 荷 団 体 食

生 (農協等) 食肉卸売業者 店235,823( 社) 消7,039

20% 鳥食品製造業者

産 処 畜産食品製造業事業者3,169

理 量 販 店 費者

自営・契約農場 店2,469場

80%

ブロイラー飼養戸数 者食鳥処理場2,456 20 2 1 171戸( 年 月 日現在) 大規模

国内生産量137万トン 小 売 店小規模 2,518

店14,665海外(全輸入量) 万トン( )42 100%ブラジル 万トン( ) 輸入業者39 93%米 国 万トン( )2 5%

(20年度)

(3)流通

・ UR合意に基づく関税率の引下げ等を背景として、鶏肉輸入量が増加する中で、国産鶏肉を合理的な価格で安定的に供

給していくためには、農家段階の生産コストのみならず、鶏肉処理・流通の各段階での合理化と衛生的な処理の推進を図

ることが重要。

資料:財務省「日本貿易統計」、総務省「平成18年事業所・企業統計」、厚生労働省「平成19年度とちく・食鳥検査等に関する実態調査」、農林水産省「平成19年食鳥流通統計調査」、

農林水産省生産局畜産部推計、(社)日本食鳥協会調べ

とさつ、解体、部分肉処理を行い、衛生的・合理的な物流を実現する産地における供給基地の役割。

-9-

① 鶏肉の流通

・ 我が国の鶏肉需要は、欧米と異なり、適度な脂肪と歯ごたえのあるもも肉が中心。

・ 1羽当たり販売価格に占めるもも肉の割合は1/2以上であり、ブロイラー経営の収益性はもも肉価格の影響が大。

・ 一方、もも肉以外の部位(むね肉、ささみ、肝臓等)の需要は低く、冷凍に回すなど廉価販売を余儀なくされている。

・ 部位毎の需給バランスの不均衡の改善がブロイラー経営の安定化に繋がることから、低需要部位の新規用途開発等を通じ

た利用促進が重要

② 鶏肉の低需要部位について

-10-

ささみ(90g程度)

約40円/羽

むね肉(400g程度)

約120円/羽もも肉(450g程度)

約310円/羽

肝臓・心臓(50g程度)※価格は肝臓

約20円/羽

②生鮮品と凍結品の販売数量割合及び価格差(調査例)

注:卸売価格は日経新聞(20年度平均値を一羽当たりに換算)

筋胃(30g程度)

約20円/羽

手羽もと(100g程度)

約50円/羽

手羽先(100g程度)

約50円/羽

生体(2,500g)

部位計約610円/羽

34%28%72%むね肉

23%11%89%筋胃(砂肝)

79%24%76%肝臓・心臓

21%9%91%手羽さき

26%16%84%手羽もと

50%32%68%ささみ

25%8%92%もも肉

凍結品生鮮品

生鮮品と凍結品の価格差

販売数量割合部位名

注:東京荷受5社平均((社)日本食鳥協会調べ)

①食鳥若どりの1羽当たりの部位別重量及び卸売価格(生鮮)

③地鶏等に関する状況

○ 地鶏肉の特定JAS規格認定事業者により生産されている銘柄 (平成21年6月)

2,72793,928(1.2) 8,577622,834728,06619

2,66687,171(1.2) 8,851621,820720,50818

2,71988,938(1.2) 8,546606,898707,10117

2,66186,193(1.2) 8,388589,957687,19916

2,73491,913(1.3) 9,318595,283699,24815

2,14389,507(1.3) 9,162586,045686,85714

2,12788,545(1.2) 8,196567,876666,744平成13

その他の食鳥廃鶏その他の肉用鶏肉用若鶏

食 鳥 計

・近年、各地で在来鶏等を利用した高品質鶏肉(地鶏、銘柄鶏)を生産する動き。・地鶏肉の特定JAS規格認定事業者により生産されている銘柄は19銘柄。

○ 食鳥の出荷羽数

注:「その他の肉用鶏」とは、ふ化後3カ月以上で出荷された鶏(一般的な「地鶏」、「銘柄鶏」を含む)をいう。( )内は食鳥計に占めるその他の肉用鶏の割合

資料:農林水産省「畜産物流通統計」

【地鶏の定義】

資料:「国産銘柄鶏ガイドブック(2007年度版)」((社)日本食鳥協会)、農林水産省畜産振興課調べ

(飼養期間)

(飼養方法)

(素びな)

(飼育密度)

在来種由来百分率が50%以上、出生

の証明(在来種からの系譜、在来種由来百分率及びふ化日の証明)ができるものを使用

ふ化日から80日間以上飼育

28日齢以降平飼いで飼育

28日齢以降1㎡当たり10羽以下で飼育

「地鶏肉の日本農林規格」

《地鶏肉の生産の方法についての基準》

(単位:千羽、%)

-11-

19計

紀州鶏、播州地どり、おかやま地どり、はかた地どり414年

媛っこ地鶏118年

19年~

17年

15年

京赤地どり、讃岐コーチン2

銘柄数 銘 柄 名 (県政順)~13年 2 奥美濃古地鶏、阿波尾鶏

4 筑波地鶏、やさとしゃも、岡山桃太郎地どり、鳥取産大山地どり

16年 5 奥久慈しゃも、丹波黒どり、熊本コーチン、天草大王、みやざき地頭鶏

1 三陸地鶏

(1)関税制度

・ 鶏肉については、UR合意後累次の引き下げを実施。

・ 骨付きのももは8.5%、その他のものは11.9%を課税。

3 国際動向

○鶏肉関税率の推移 (単位:%)

区分 骨 付 き の も も そ の 他 の も の

昭和 62年1月 10.0 14.0

(丸鶏) (その他)平成 元年4月 14.0 12.0

7年4月 9.8 13.7 12.0

8年4月 9.5 13.3 12.0

9年4月 9.3 13.0 12.0

10年4月 9.0 12.6 12.0

11年4月 8.8 12.3 12.0

12年4月 8.5 11.9 11.9

・平成7年度からはガット・ウルグアイランドのステージングによる引下げ備 考

骨付きのもも:ガット・ウルグアイラウンド農業交渉合意に基づき平成12年

度までに税率を8.5%に引下げ。

その他のもの:平成元年に日・アセアン首脳会議を受け丸と体を除き

12%に引き下げ。

また、ガット・ウルグアイラウンド農業交渉合意に基づき

平成12年度までにそれぞれ11.9%に引下げ。

現在、WTO農業交渉において市場アクセス等の合意に向けた議論が

行われている。

また、インド等とEPA締結に向けた議論が行われている。

-12-

鶏肉の関税制度

-13-

我が国のEPA・FTAをめぐる状況

(注1)ASEAN全体とのEPAは、2008年12月に日本とシンガポール、ラオス、ベトナム及びミャンマーとの間で、2009年1月

にブルネイとの間で、同2月にマレーシアとの間で、同6月にタイとの間で発効。今後、フィリピン、カンボジア、及びインドネシア各国の国内手続完了の通告後、これら各国との間で発効予定。

(注2)韓国とは、2004年11月以降交渉が中断。

2008年6月及び12月に「日韓経済連携協定締結交渉再開に向けた検討及び環境醸成のための実務協議」を開催。(注3)GCC(湾岸協力理事会)加盟国:バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦。

発効・署名・大筋合意

交渉中

2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年

ASEAN全体(注1)

ブルネイ

フィリピン

スイス

ベトナム

インドネシア

タイ

チリ

マレーシア

メキシコ

シンガポール

韓国(注2)

GCC(注3)

インド

豪州

交渉(11月~)

交渉(1月~)

交渉(2月~)

交渉(2月~)

交渉(7月~)

交渉(6月~)

見直し交渉(4月~)

交渉(4月~)

交渉(2月~)

交渉(1月~)

交渉(5月~)

交渉(12月~)

交渉(9月~)

交渉(1月~)

交渉(4月~)

☆署名(3月)

☆署名(9月)

☆署名(12月)

☆署名(3月)☆署名(4月)

☆署名(8月)

☆署名(6月)

☆署名完了(4月)

☆署名(9月)

☆署名(12月)

☆署名(2月)

★発効(9月)

★発効(9月)

★発効(4月)

★発効(11月)☆署名(1月)

★発効(7月)

★発効(11月)

★発効(7月)

★発効(7月)

★発効(12月)

★発効(12月)

ペルー 交渉(5月~)

(注1)ASEAN全体とのEPAは、2008年12月に日本とシンガポール、ラオス、ベトナム及びミャンマーとの間で、2009年1月

にブルネイとの間で、同2月にマレーシアとの間で、同6月にタイとの間で発効。今後、フィリピン、カンボジア、及びインドネシア各国の国内手続完了の通告後、これら各国との間で発効予定。

(注2)韓国とは、2004年11月以降交渉が中断。

2008年6月及び12月に「日韓経済連携協定締結交渉再開に向けた検討及び環境醸成のための実務協議」を開催。(注3)GCC(湾岸協力理事会)加盟国:バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦。

発効・署名・大筋合意

交渉中

2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年

ASEAN全体(注1)

ブルネイ

フィリピン

スイス

ベトナム

インドネシア

タイ

チリ

マレーシア

メキシコ

シンガポール

韓国(注2)

GCC(注3)

インド

豪州

交渉(11月~)

交渉(1月~)

交渉(2月~)

交渉(2月~)

交渉(7月~)

交渉(6月~)

見直し交渉(4月~)

交渉(4月~)

交渉(2月~)

交渉(1月~)

交渉(5月~)

交渉(12月~)

交渉(9月~)

交渉(1月~)

交渉(4月~)

☆署名(3月)

☆署名(9月)

☆署名(12月)

☆署名(3月)☆署名(4月)

☆署名(8月)

☆署名(6月)

☆署名完了(4月)

☆署名(9月)

☆署名(12月)

☆署名(2月)

★発効(9月)

★発効(9月)

★発効(4月)

★発効(11月)☆署名(1月)

★発効(7月)

★発効(11月)

★発効(7月)

★発効(7月)

★発効(12月)

★発効(12月)

ペルー 交渉(5月~)

発効・署名・大筋合意

交渉中

2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年

ASEAN全体(注1)

ブルネイ

フィリピン

スイス

ベトナム

インドネシア

タイ

チリ

マレーシア

メキシコ

シンガポール

韓国(注2)

GCC(注3)

インド

豪州

交渉(11月~)

交渉(1月~)

交渉(2月~)

交渉(2月~)

交渉(7月~)

交渉(6月~)

見直し交渉(4月~)

交渉(4月~)

交渉(2月~)

交渉(1月~)

交渉(5月~)

交渉(12月~)

交渉(9月~)

交渉(1月~)

交渉(4月~)

☆署名(3月)

☆署名(9月)

☆署名(12月)

☆署名(3月)☆署名(4月)

☆署名(8月)

☆署名(6月)

☆署名完了(4月)

☆署名(9月)

☆署名(12月)

☆署名(2月)

★発効(9月)

★発効(9月)

★発効(4月)

★発効(11月)☆署名(1月)

★発効(7月)

★発効(11月)

★発効(7月)

★発効(7月)

★発効(12月)

★発効(12月)

ペルー 交渉(5月~)

・ メキシコについては、2005年4月より経済連携協定(EPA)が発効。鶏肉については、関税割当(5年間で8500トン、冷凍骨付きのもも8.5%→6.8%、冷凍骨なし鶏肉11.9%→8.5%、鶏肉調整品6.0%→3.6%等)を設定。

・ チリについては、2007年9月よりEPAが発効。鶏肉は関税割当(5年間で5500トン、冷凍骨なし鶏肉11.9%→8.5%)を設定。

・ タイについては、2007年11月よりEPAが発行。鶏肉は関税削減(5年間で骨なし鶏肉等11.9%→8.5%、鶏肉調整品6.0%→3.0%)を設定。

・ フィリピンについては、2008年12月よりEPAが発効。鶏肉は関税割当(5年間で7000トン、骨なし鶏肉等11.9%→8.5%)を設定。

・ シンガポール、マレーシア、インドネシア、ブルネイ、ベトナム、スイスについては、鶏肉は除外又は再協議扱い。

・ 韓国、GCC、インド、豪州、ペルーとは交渉中。

(2)EPA・FTA

0.6%

0.3%

鶏肉総輸入量に占める割合

2,962トンフィリピン

0タイ

1,157トンチリ

0メキシコ

2008年鶏肉輸入数量

国名

関割の設定又は関税削減を行った国からの輸入状況

※メキシコは鳥インフルエンザの発生により21の州及び特別区からの輸入が停止。タイは鳥インフルエンザ発生のため輸入停止。

(3)輸出

①鶏肉

・ 国内では需要が低いもみじ(鶏足)や手羽先を中心に、飲茶等の食材として香港、ベトナム等へ輸出。

・ 16年は、1月に国内で高病原性鳥インフルエンザが発生したことから、香港が我が国からの生きた家きん及び家きん肉

の輸入を一時停止したため減少したが、その後回復。

・ 19年は、ベトナム向けの輸出が大幅に増加。

②鶏卵(殻付き)

・ 輸出量は少ないものの、在留邦人の生食需要等に対応するため、香港等への輸出が増加。

-14-

鶏肉輸出量の推移 殻付き鶏卵の輸出量の推移

資料:財務省「貿易統計」

香港での販売状況

主に飲茶等の食材に利用され、日本産はサイズが大きいことなどから評価が高い。

(販売先)・レストラン等(一部小売販売もあり)

(現地での主な用途)・外食等の業務用、自家消費用

(現地販売価格)・もみじ:390~500円/kg(市場における小売価格)

シンガポールでの販売状況

航空輸送により出荷3日後には店頭販売され、生食でも安心して食べられる卵として評価が高い。

(販売先)・日系量販店

(現地での主な用途)・現地邦人の自家消費用

(現地販売価格)・500円/L6個パック

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

16 17 18 19 20

トン

0

50

100

150

200

250

300

350

400

16 17 18 19 20

トン

もみじ(鶏足)

肉用牛 19.4%

生 乳 25.6%

豚 21.1%

その他 6.5%

Ⅱ 生産及び経営をめぐる情勢

<畜産の内訳>

資料:農林水産省「平成19年農業総産出額(概算)(全国推計値)」

うち 鶏 卵 4,060億円鶏 肉 2,713億円

H19農業総産出額

8.2兆円

畜産2兆4,773億円

( 30.2% )

・ 我が国養鶏は、農業総産出額の約3割を占める畜産のうち、27%のシェア。

・ 産出額は鹿児島県が も多く、産出額の上位5つの県で全国の産出額の4割弱を占める。

1.経営の動向

(1)生産額

鶏 27.3%(6,773億円)

-15-

○ 養鶏の産出額の多い都道府県

資料:農林水産省「平成19年農業産出額(都道府県別推計値)」

都 道 府 県

鹿 児 島 県

岩 手 県

宮 崎 県

茨 城 県

千 葉 県

産出額(億円)

723

585

555

351

2,559

345

10.0%

8.1%

7.7%

35.5%

4.8%

4.9%

全国に占める割合その他13.7%

果実9.2%

米21.9%

野菜25.0%

(2)生産構造

①飼養戸数、飼養羽数の推移

ア 採卵鶏

・飼養戸数は、小規模飼養者層を中心に、近年は年率4~6%程度の割合で減少。・飼養羽数は、11年以降減少傾向で推移してきたが、近年は概ね横ばいで推移。・一戸当たり飼養羽数は、増加傾向で推移。

・飼養戸数は、小規模飼養者層を中心に、近年は年率2~5%程度の割合で減少。・飼養羽数は、減少傾向で推移してきたが、近年は概ね横ばいで推移。・一戸当たり飼養羽数は、増加傾向で推移。

イ ブロイラー

-16-

10

20

30

40

50

2,000 

4,000 

6,000 

8,000 

7年 11 12 13 14 15 16 18 19 20

飼養戸数(戸)

飼養羽数(十万羽)

一戸当たり飼養羽数(千羽)

一戸当たり飼養羽数飼養戸数・羽数

資料:農林水産省「畜産統計」

注1:種鶏のみの飼養者は除く。

2:7年の数値は成鶏めす羽数

300羽未満の飼養者を除く。

3:11年以降の数値は成鶏めす羽数

1,000羽数未満の飼養者を除く数値。

10

20

30

40

50

1,000 

2,000 

3,000 

4,000 

7年 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

飼養戸数(戸)

飼養羽数(十万羽)

一戸当たり飼養羽数(千羽)

一戸当たり飼養羽数飼養戸数・羽数

資料:農林水産省「畜産物流通統計」

4:17年は世界農林業センサス調査年のため、比較できるデータがない。

43

3,300

1,425

42

2,456

1,030

2,786

24,634

6795,595

2,4665,067

13,783

46,679

5080 

10,000 

20,000 

30,000 

40,000 

50,000 

北海道 東北 北陸 関東 東海 近畿 中四国 九州 沖縄

398

5534 25 31 27 29 46 30

100 

200 

300 

400 

500 

北海道 東北 北陸 関東 東海 近畿 中四国 九州 沖縄

千羽

7

444

20

221

79189

471

1,008

170 

200 

400 

600 

800 

1,000 

1,200 

北海道 東北 北陸 関東 東海 近畿 中四国 九州 沖縄

平成15年

平成20年

戸千羽

93

256123

912

460

279

494628

55

200 

400 

600 

800 

1,000 

1,200 

1,400 

北海道 東北 北陸 関東 東海 近畿 中四国 九州 沖縄

平成15年

平成20年

6,213

19,245

7,847

37,307

18,581

8,244

23,65420,270

1,162

10,000 

20,000 

30,000 

40,000 

北海道 東北 北陸 関東 東海 近畿 中四国 九州 沖縄

千羽

67

75

64

41 40

30

48

32

21

10 

20 

30 

40 

50 

60 

70 

80 

北海道 東北 北陸 関東 東海 近畿 中四国 九州 沖縄

千羽

②地域別飼養動向

ア 採卵鶏

・飼養戸数は、全ての地域で減少。・飼養羽数は、近畿、九州、沖縄で減少。・一戸当たり飼養羽数は、全ての地域で増加。

(ア)地域別飼養戸数の推移 (イ)地域別飼養羽数の推移 (ウ)地域別1戸当たり飼養羽数の推移

イ ブロイラー

資料:農林水産省「畜産統計」、「畜産物流通統計」

▲5.7▲9.8

-17-

・飼養戸数は、北海道を除き減少。・飼養羽数は、北海道、東北、九州を除き減少しており、関東、東海、沖縄では高い減少率。・一戸当たり飼養羽数は、北陸、沖縄を除き増加。

(ア)地域別飼養戸数の推移 (イ)地域別飼養羽数の推移 (ウ)地域別1戸当たり飼養羽数の推移

▲21.1

▲20.5 ▲20.8

2.養鶏経営における担い手の状況について

・ 養鶏については、認定農業者の認定率は平成20年度現在、採卵鶏45%、肉用鶏40%となっている。

・ 養鶏部門の特徴として、他の農業部門と比して法人化が も進んでおり、また肉用鶏ではインテグレー

ションが行われていることが挙げられる。

-18-

(単位:経営体、%)

 単一経営対数

うち法人経営対数

① ② ②/①

酪 農 21,283 969 4.6

肉用牛 28,941 841 2.9

養 豚 4,815 1,228 25.5

養 鶏 5,068 1,327 26.2

畜 産 61,760 4,840 7.8

米麦作 916,729 1,310 0.1施設野菜 52,015 820 1.6

果 樹 147,918 646 0.4

※資料:「2005年農業センサス」

単 一経 営

畜産経営における法人経営の割合(平成17年)

認定農業者の割合(平成20年度)(単位:%)

酪 農 64肉 用 牛 -

繁 殖 23肉専用種肥育 52交雑種肥育 42乳用種肥育 40

養 豚(肥育豚) 60採 卵 鶏 45肉 用 鶏 40※資料:生産局畜産企画課調べ

3. アニマルウェルフェアの考え方に対応した鶏の飼養管理指針について

(構成)畜種別有識者(生産者、畜産施設業者、学識経験者等)(畜種)採卵鶏、豚、ブロイラー、乳用牛、肉用牛、馬

○活動内容①アニマルウェルフェアに関する飼養管理等のあり方の検討②飼養管理実態調査及び試行試験の実施③飼養管理指針(案)の作成

分科会科学的知見等の提供

(構成) 学識経験者、生産者、消費者、動物愛護団体 等

○活動内容①家畜別分科会の検討への指導及び分科会間の調整

②家畜別飼養管理指針の検討

推進委員会

指導分科会間の調整 飼養管理指針(案)の提示

(構成) 学識経験者

○活動内容①家畜別の科学的知見に関する

情報収集及び分析②取り組む必要のある調査・研究

の検討

科学的知見等の提供

科学的知見分析グループ

科学的知見等の分析依頼

-19-

・ 欧米を中心に、アニマルウェルフェアの議論が進められる中で、我が国としても、アニマルウェルフェアにど

のように取り組んでいくかの検討が必要。

・ 平成19年度より、検討会を設け(事務局:(社)畜産技術協会)、アニマルウェルフェアを「家畜の快適性に配

慮した飼養管理」と定義し、各畜種毎の飼養管理指針の作成に取り組んでいるところ。

・ 20年3月に「アニマルウェルフェアの考え方に対応した採卵鶏の飼養管理指針」がとりまとめられ、今後、普

及啓発を行っていく予定。ブロイラーについては、21年度にとりまとめ予定。

4.アニマルウェルフェアの考え方に対応した採卵鶏の飼養管理指針(概要)

第1 一般原則

○ 「アニマルウェルフェア」を「快適性に配慮した家畜の飼養管理」と定義。

○ 家畜を快適な環境で飼うことは、家畜が健康であることによる安全・安心な畜産物の生産につながり、また、家畜の持っている能力を 大限に発揮させることにより、生産性の向上にも結びつくもの。

○ アニマルウェルフェアへの対応において、も重視されるべきは、施設の構造や設備の状況ではなく、日々の家畜の観察や記録、家畜の丁寧な取扱い、良質な飼料や水の給与等の適正な飼養管理により、家畜が健康であること。

○ 今後、本指針を基に、生産者団体が自主的なガイドライン等を作成すること等により、アニマルウェルフェアに生産者が積極的に取組むこと、行政機関が積極的に普及啓発することを期待。

第2 家畜の飼養管理

1 管理方法

観察・記録、取扱い、羽つつき防止、誘導換羽、病気、事故等の措置、清掃・消毒、有害動物の防除・駆除等

2 栄養

必要栄養量・飲水量、飼料・水の品質の確保、

給餌・給水方法

3 畜舎

開放型鶏舎、ウィンドレス鶏舎の特徴等

4 飼養方式、構造、飼養スペース

飼養方式の特徴等、構造上留意すべき事項、観察により、飼養スペースが適当であるか判断することの重要性等

5 環境

熱環境、換気、照明、騒音等

-20-

○ 配合飼料価格には、原料割合として50%を占めるとうもろこしや15%を占める大豆油かすの価格のほか、海上運賃や為替相場が影響。

○ とうもろこしの国際価格(シカゴ相場)は、バイオエタノール向け需要の増加等から高騰し、さらに主要産地の天候不順等もあり約300ドル/トンまで大幅に上昇。その後、世界的不況による需要減退、豊作予測等から相場は急落したが、直近では100ドル台後半/トンまで値を戻している状況。大豆油かすについても、とうもろこしと同様の動き。

○ 海上運賃(フレート)は、昨年は堅調な船舶需要や原油価格の高騰の影響等により大幅に上昇した後急落したものの、直近では50ドル/トン程度で推移。一方、為替相場は、昨年8月以降円高傾向で推移してきたが、直近では90円台後半/ドル程度で推移。

注:シカゴ相場の日々の終値である。(資料:生産局畜産部畜産振興課調べ)

<とうもろこしのシカゴ相場の推移(期近物)> <為替相場の推移>

<海上運賃の推移(ガルフ~日本)>

注:09年2月までの数値は実績値、09年3月以降は推計値

<配合飼料価格の推移>

35,000

40,000

45,000

50,000

55,000

60,000

65,000

70,000

75,000

06.1 4 7 10 07.1 4 7 10 08.1 4 7 10 09.1 4 7

円/トン

(06.7)43,250

(07.12)54,028

(08.9)64,664

(08.11)67,627

(09.4)52,100

(09.2)55,343

(09.7)55,000

20

30

40

50

60

70

80

90

100

110

120

130

140

150

06.1 07.1 08.1 09.1

ドル/トン

(06.7)39.7

(07.11)120.6

(09.5)48.2

(08.5)147.2

(08.12)23.6

90

100

110

120

130

06.1 07.1 08.1 09.1

円/ドル

(06.7)116

(09.5)96

(07.6)123

(08.3)101

(08.8)109

(09.1)9050

100

150

200

250

300

06.1 4 7 10 07.1 4 7 10 08.1 4 7 10 09.1 4 7

ドル/トン

(06.7/3)96

(243セント/ブッシェル)

(07.2/22)171

(435セント/ブッシェル)

(08.6/27)297

(755セント/ブッシェル)

 (09.6/19)157

(399セント/ブッシェル)

Ⅲ 飼料をめぐる情勢

1 配合飼料価格、とうもろこしのシカゴ相場等の推移

-21-

○ 配合飼料価格安定制度は、①民間(生産者と配合飼料メーカー)の積立による「通常補てん」と、②異常な価格高騰時に通常

補てんを補完する「異常補てん」(国と配合飼料メーカーが積立)の二段階の仕組みにより対応。

○ 今般の飼料価格の高騰に対して、20年度内の特例措置として、異常補てんの発動基準を115%から112.5%に引き下げ、また、

制度の安定運用に必要な財源として、20年度の第一次補正予算で85億円、21年度予算で50億円を措置。

○ 通常補てん基金については、市中銀行からの借入金900億円に対する利子助成に加え、約292億円の長期無利子貸付など

を実施。

異常補てん基金

(社)配合飼料供給安定機構

通常補てん基金

(社)全国配合飼料供給安定基金(全農系)

(社)全国畜産配合飼料価格安定基金(専門農協系)

(社)全日本配合飼料価格・畜産安定基金(商系)

畜産経営者

積立金1/2

積立金1/2

積立金

積立金

通常補てん金

異常補てん金

配合飼料メーカー

異常補てん金

異常補てん基金

国とメーカーが

拠出

・ 輸入原料価格が直前1か年の

平均と比べ115%を超えた場合

発動状況

(H18.10-12期~H20.10-12期分)

約900億円

通常補てん基金

生産者と飼料

メーカーが拠出

・ 飼料価格が直前1か年の平均を

上回った場合

発動状況

(H18.10-12期~H20.10-12期分)

約2,630億円

○ 制度の仕組み ○ 発動条件等

2 配合飼料価格安定制度と価格差補てんの実施状況

-22-

約42,600円

20年1月

配合飼料価格 (建値)

(約1,800円)

(約1,750円)

異常補てん

(1,860円)

(約1,530円)

(約600円)

(約100円)

(約2,000円)

4月

(約1,850円)

異常補てん

(3,829円)

異常補てん

(3,097円)通常補てん

(5,550円)

通常補てん

(4,553円)

通常補てん

(4,371円)

通常補てん

(4,640円)

通常補てん

(1,600円)

7月

通常補てん

(7,800円)

通常補てん

(8,983円)

10月

(約5,050円)

異常補てん

(1,517円)

10月7月4月19年1月10月

通常補てん(5,252円)

(約2,500円)

67,600円

21年1月

実質農家負担額

64,800円

62,800円

58,100円

54,100円

異常補てん

(3,398円)

通常補てん

(4,002円)

4月

約57,400円

異常補てん

(2,398円)

7月

約59,950円

(約 11,900円)

55,700円

10月

52,100円

(約3,600円)

約2,900円

55,000円

価格差補てんの実施状況

-23-

3,366千㌧

3,048千㌧

食品製造業

食品卸売・小売業

外食産業

飼料化21%(2,515千㌧)

全 体

11,342千㌧

27年度目標に必要な飼料化量

飼料化45%(5,092千㌧)

3%

○ 食品製造業:

品質・内容が明らかで、大量・定期的に発生

→ 飼料化への仕向けが容易

※ ただし、未再生分は飼料化に困難なものが多く、飼料化以外の再生利

用のものを飼料化とする検討・調整が必要。

○ 食品卸売・小売産業・外食産業:

異物の混入・品質の劣化が生じやすく、供給が不安定

→ 中小規模業者の収集・運搬体制等の課題への対応も含め、可能な限り

飼料化を促進する必要。

【食品循環資源の飼料化の進捗状況(平成19年度)】

飼料化39%

肥料化31%

メタン、油脂等7%

未再生等23%

9% 25% 63%

5%

4%

85%

① 消費者に対する理解の醸成・エコフィード利用畜産物認証制度の検討 【エコフィード対策推進事業(継続)】

・地域セミナー等の開催【未活用資源飼料化促進事業(継続)】

② 安定的利用体制の構築・配合飼料原料としてのエコフィードの利用拡大

【エコフィード緊急増産対策事業(継続)】

・TMRセンターを活用したエコフィードの利用拡大

【地域資源活用型エコフィード増産推進事業(新規)】

・モデル的な地域協議会の設置【未活用資源飼料化促進事業(継続)】

③ 技術の普及・定着の推進・専門技術者の確保・育成のための研修会等の開催

・飼料化及び飼料に関する優良事例の紹介

【未活用資源飼料化促進事業(継続)】

取組のための21年度事業4,928千㌧

3 エコフィード(食品残さの飼料化)の取組のイメージと対策

-24-

6%

(単位:ha)

年度 17 18 19 20(見込み)

292出所:生産局畜産部畜産振興課調べ。

1,61110445全国計

○ 飼料用米の作付面積

4 飼料用米をめぐる状況

○ 飼料用米の作付面積ついては、地域水田農業活性化緊急対策等の支援措置を活用しつつ、平成20年度に前年の5倍以上に拡大。

○ 農林水産省では、平成21年を水田フル活用転換元年と位置付け、飼料用米について従来を上回る支援を展開している他、4月に成立し

た米粉・エサ米法に基づく支援を行う等、飼料用米の本格的な生産・利用に向けた取組を拡大。

○ 飼料用米の利活用を推進するためには、①畜産経営にメリットのある価格で提供されること(低コスト生産・流通体制の確立)、②飼料用

米に対する消費者の理解増進、③耕畜連携による安定的な生産・利用体制の構築などが必要である。

時期 内 容

【H21】1月~

■飼料用米の需要と供給のマッチング活動の展開■飼料用米の現地推進活動の展開

4月~ ■飼料用米等に対する新たな面積当たり助成の開始

(水田等有効活用促進交付金 5.5万円/10a)

■飼料用米等の生産拡大や必要な機械・施設整備への

支援を開始

(農山漁村活性化プロジェクト支援交付金 補助率1/2)

■飼料用米の利活用に関するモデル実証の継続

(飼料用米導入定着化緊急対策事業)

■飼料用米等の作業受託を開始するコントラクターへの

面積助成の継続(農作業受託システム拡大緊急対策)

■飼料用米等を促進する法案等の成立

(米粉・エサ米法、米トレサ法、食糧法改正)

■経済危機対策における追加の面積助成の要求

(需要即応型生産流通体制整備緊急対策、

2.5万円/10a)

■飼料用米の栽培マニュアルの作成・公表

■多収性品種マニュアルの作成・公表

■飼料用米の現地推進活動の展開

○ 飼料用米の推進に係る 近の取組について

【メリット】 【普及拡大のための課題】

(稲作農家)

・ 水田の有効利用。

・ 通常の稲作栽培体系と同じ

で取り組みやすい。

・ 農機具などの新規投資不要。

・ 連作障害がない。

(畜産農家)

・ 輸入とうもろこしより安ければ、

配合飼料の原料として利用が

可能。

・ 長期保存が可能。

・ 配合飼料の場合、特別な設

備や手間が不要。

・ 輸入トウモロコシとの価格差縮小。

・ 生産者と製造事業者、畜産農家等が連携した安定した供給計画の策定。

・ 低コスト生産や多収品種の種子の安定供給。

・ 保管・流通体制の確立。

・ 配合飼料の原料として本格的に取り扱うには、既存施設の見直し等配合飼料工場の条件整備。

○ 飼料用米の推進に係る 近の取組について

-25-

1 基本的考え方

国内産飼料用米を買い受け使用する者に対し、当該国内産飼料用米の円滑かつ継続的な使用を維持・確保するための措置として、国内産飼料用米の使用量の2倍の範囲内でミニマム・アクセス輸入米を販売。

2 販売対象者等の条件

① 国内産飼料用米の売買契約書等により確実に国内産飼料用米の使用が確認可能なこと

② MA米を使用する畜産農家等が最寄りの政府寄託倉庫において、MA米の引取りが可能なこと

③ 所属団体・法人において適正流通への取組みが可能であること

養豚・養鶏農家

団体等

①契約(3ヶ月毎)

総合食料局

各県の政府寄託倉庫MA米保管倉庫

③MA米買受代金支払(3ヵ月毎)

④MA米

の引取

②月別引取計画提 出

3 基本的な販売までの流れ

引取は個々の畜産農家、法人

5 国内産飼料用米使用畜産農家等へのMA米販売措置について

-26-

【動物用医薬品】

・22成分+2配合の使用基準改正

(平成18年5月29日施行)

・40成分+8配合の使用基準新規設定

(平成18年5月29日施行)

・休薬期間の新規設定及び変更

(平成18年5月29日付け変更)

【飼料中の農薬残留】

・60物質について基準設定

(平成18年5月29日施行)

6 動物用医薬品及び飼料の適正な使用

農林水産省の取組

・ 平成18年5月29日から、食品衛生法の改正により、厚生労働大臣が指定する物質(対象外物質)を除く全ての動物用医薬

品等は人の健康を損なうおそれのない量(一律基準)を超えて残留してはならず、その例外として残留基準が定められたもの

については、これを超えて残留してはならないとされる制度(ポジティブリスト制度)が施行。

・ これに対応し、農林水産省では、飼料中の農薬等の残留基準の設定や動物用医薬品の使用基準の改正等を実施。

なお、今後、食品中の残留基準値の見直しに併せ、適宜見直しを行う予定。

-27-

農薬、飼料添加物及び動物用医薬品農薬、飼料添加物及び動物用医薬品

食品の成分に係る規格(残留基準)が定められていないもの

食品の成分に係る規格(残留基準)が定められているもの

(799物質)

残留基準を超えて農薬等が残留する食品の販売等を禁止

一定量(0.01ppm)を超えて

農薬等が残留する食品の販売等を禁止

ポジティブリスト制度の施行と同時に、食品衛生法第11条第1項に基づき、農薬取締法に基づく基準、国際基準、欧米の基準等を踏まえた基準を新たに設定

登録等と同時の残留基準設定など、残留基準設定の促進

厚生労働大臣が指定する物質

(65物質)

人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものを告示

(特定農薬等)

ポジティブリスト制度の対象外

人の健康を損なうおそれのない量として厚生労働大臣が一定量を告示 (一律基準)

Ⅳ 養鶏経営における環境問題1.家畜排せつ物の発生状況と施設整備状況

・平成20年の家畜排せつ物発生量は8,747万トンと推計され、このうち約15%が養鶏からの発生とみられる。

・20年12月1日時点で、家畜排せつ物法の管理基準対象農家約57,327戸のうち99.9%が管理基準に対応済み。

-28-

○ 家畜排せつ物発生量の推移

○ 畜種別に見た家畜排せつ物発生量(平成20年)

畜 種 発生量

乳用牛 約2,542万t (29%)

肉用牛 約2,671万t (31%)

豚 約2,254万t (26%)

採卵鶏 約 792万t (9%)

ブロイラー 約 489万t (6%)

合 計 約8,747万t (100%)

畜産農家

(118,351戸)

管理基準対象農家

(57,327戸)

簡易対応

(4,211戸)

7.3%

その他の方法※

(1,891戸)

3.3%

管理基準適合農家

(57,295戸)

99.9%

管理基準不適合農家

(32戸)

0.1%

※「その他の方法」には、畜舎からほ場への直接散布、周年放牧、廃棄物処理としての委託処分、下水道利用等が含まれる。

施設整備

(51,193戸)

89.3%

管理基準対象外農家

(61,024戸)

51.6%

管理基準対象農家

(57,327戸)

48.4%

畜産農家

(118,351戸)

管理基準対象農家

(57,327戸)

簡易対応

(4,211戸)

7.3%

その他の方法※

(1,891戸)

3.3%

管理基準適合農家

(57,295戸)

99.9%

管理基準不適合農家

(32戸)

0.1%

※「その他の方法」には、畜舎からほ場への直接散布、周年放牧、廃棄物処理としての委託処分、下水道利用等が含まれる。

施設整備

(51,193戸)

89.3%

管理基準対象外農家

(61,024戸)

51.6%

管理基準対象農家

(57,327戸)

48.4%

8,000

8,200

8,400

8,600

8,800

9,000

9,200

9,400

平成9年 11年 13年 15年 16年 18年 19年 20年

(万

注:平成20年 畜産統計から推計

○ 家畜排せつ物たい肥の利用に関する意識・意向調査結果(17年1月農林水産省調査)

回答者数

2 544人

(100.0%)

利用したく

ない 7.2

ある程度

利用したい

37.3

無回答 0.1特に考えはない 4.4

積極的に

利用したい

51.1

利用したい

88.4

家畜排せつ物たい肥の今後の利用に関する意向

-29-

51.6 49.5 46.241.1

0

20

40

60(%)

化学肥料の

使用量の節

減が期待で

きる

たい肥の利

用によって

循環型の農

業が可能に

なる

作物の品質

向上が期待

できる

作物生産の

安定性の向

上が期待で

きる

利用したい理由(複数回答)

・家畜排せつ物の利活用促進がこれまで以上に重要となる中、農業者の9割は家畜排せつ物たい肥を「利用したい」と回答。

・19年3月には、新たな「家畜排せつ物の利用の促進に関する基本方針」を策定・公表。見直しのポイントを踏まえ、関係者が一体となっ

て家畜排せつ物の利用の促進に取り組むことが重要。

・地域バイオマス利活用交付金による家畜排せつ物利活用施設整備等の支援のほか、家畜排せつ物利活用推進事業により、たい肥の

調整・保管施設等の整備やたい肥の利活用等に係る知識や技術の普及等の支援を実施。

○ 新たな基本方針のポイント

基本方針見直しのポイント基本方針見直しのポイント

耕畜連携の強化

ニーズに即したたい肥づくり

家畜排せつ物のエネルギーとしての利用等の推進

◎ 家畜排せつ物の利用促進を

進めるためには、耕畜連携

を強化していく必要

◎ 耕種農家と畜産農家の交流

が少ないことが、耕畜連携

の阻害要因の一つ

◎ たい肥需給情報の共有が不

十分な地域も存在

◎ たい肥利用を促進するため

、耕畜連携の体制を整備

◎ たい肥需給情報の収集・整

理、ネットワーク化を推進

◎ たい肥流通の円滑化のため

、たい肥センターの機能強

化、ペレット化、コントラ

クターの育成・充実等を推

◎ 耕種農家のニーズに即した

たい肥を生産することが重

◎ 用途や作物により様々な耕

種農家のニーズに十分対応

できていない面も

◎ 用途・作物により様々な耕

種農家のニーズを的確に把

握し、たい肥生産に反映

◎ ニーズに即したたい肥生産

のために必要な情報を提供

◎ 耕地面積当たりの家畜排せ

つ物発生量は、都道府県間

で大きな格差

◎ 家畜排せつ物が過剰となる

地域等においては、たい肥

の広域利用又はたい肥化以

外の方法により家畜排せつ

物の処理・利用を図る必要

◎ 過剰地域等においては、必

要に応じ、炭化、焼却、メ

タン発酵等を推進すること

により、たい肥の需給状況

を改善するとともに、エネ

ルギー利用を推進

◎ 地域内で発生する家畜排せ

つ物以外のバイオマスにつ

いても、その活用を推進

基本方針見直しのポイント基本方針見直しのポイント

耕畜連携の強化

ニーズに即したたい肥づくり

家畜排せつ物のエネルギーとしての利用等の推進

◎ 家畜排せつ物の利用促進を

進めるためには、耕畜連携

を強化していく必要

◎ 耕種農家と畜産農家の交流

が少ないことが、耕畜連携

の阻害要因の一つ

◎ たい肥需給情報の共有が不

十分な地域も存在

◎ たい肥利用を促進するため

、耕畜連携の体制を整備

◎ たい肥需給情報の収集・整

理、ネットワーク化を推進

◎ たい肥流通の円滑化のため

、たい肥センターの機能強

化、ペレット化、コントラ

クターの育成・充実等を推

◎ 耕種農家のニーズに即した

たい肥を生産することが重

◎ 用途や作物により様々な耕

種農家のニーズに十分対応

できていない面も

◎ 用途・作物により様々な耕

種農家のニーズを的確に把

握し、たい肥生産に反映

◎ ニーズに即したたい肥生産

のために必要な情報を提供

◎ 耕地面積当たりの家畜排せ

つ物発生量は、都道府県間

で大きな格差

◎ 家畜排せつ物が過剰となる

地域等においては、たい肥

の広域利用又はたい肥化以

外の方法により家畜排せつ

物の処理・利用を図る必要

◎ 過剰地域等においては、必

要に応じ、炭化、焼却、メ

タン発酵等を推進すること

により、たい肥の需給状況

を改善するとともに、エネ

ルギー利用を推進

◎ 地域内で発生する家畜排せ

つ物以外のバイオマスにつ

いても、その活用を推進

2 家畜排せつ物の利活用の促進

最近の鶏の伝染性疾病の発生状況

(件数)

伝染性疾病の種類 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 200 0 0 0 0 0 5 10 1 4 0伝家 高病原性鳥インフルエンザ

1 8 5 9 6 0 1 2 4 1 1染畜 ニューカッスル病

0 0 1 2 5 0 0 0 0 0 0病 家きんサルモネラ感染症

0 1 1 0 0 2 4 2 3 2 1サルモネラ症

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0鳥インフルエンザ

7 4 9 1 6 15 10 14 9 10 15鶏痘

242 385 230 119 89 85 62 52 62 50 53届 マレック病

6 11 11 3 4 9 24 8 6 15 12出 伝染性気管支炎

1 2 4 1 2 0 8 3 3 5 8伝 伝染性喉頭気管炎

10 4 6 4 5 6 3 8 0 1 7染 伝染性ファブリキウス嚢病

31 8 24 20 7 10 17 12 12 13 6病 鶏白血病

0 0 0 0 0 1 1 0 1 1 0鶏結核病

2 1 2 1 0 0 4 2 4 5 2鶏マイコプラズマ病

8 15 9 4 6 12 6 14 15 4 11ロイコチトゾーン病

※:家畜伝染病予防法の届出による

Ⅴ 家畜衛生の動向

1.鶏の伝染性疾病の発生状況等

-30-

○ 高病原性鳥インフルエンザ対策(1) 対策の概要

• 海外の発生情報の収集及び水際検疫体制の確立

• 家きん、野鳥のモニタリングによる監視及び異常家きん等の早期発見・早期通報の徹底

• 農場の飼養衛生管理の徹底による発生予防対策の実施

• 防疫体制の構築

• 発生時の殺処分及び移動制限などの迅速なまん延防止対策の実施

高病原性鳥インフルエンザ防疫対策指針により我が国の清浄性を維持高病原性鳥インフルエンザ防疫対策指針により我が国の清浄性を維持

まん延防止対策まん延防止対策まん延防止対策

万が一の発生時には・・・

発生国・地域

発生予防対策発生予防対策発生予防対策

水際検疫・発生情報の収集・発生国・地域からの

家きん、家きん肉等の輸入停止

野鳥のモニタリング 家畜保健衛生所

モニタリング/報告徴求

農場の飼養衛生

管理の徹底

・防鳥ネット等の各種侵入防止対策・鶏舎内外の整理・清掃・消毒・鶏の健康管理・従業員の知識習得

・早期発見・早期通報・殺処分、焼・埋却、消毒・移動制限と清浄性確認の検査・衛生条件の確認による鶏卵の出荷等・感染経路の調査・損失に対する互助補償等

家畜保健衛生所

・異常家きんの早期発見・早期通報の徹底

関係者間の連携・

連絡体制の構築

発生農場

清浄国に復帰野鳥・野生動物、人・車両、飲用水・飼料等の

汚染からの侵入防止

-31-

<平成16年の発生> H5N1亜型1月 山口県(1農場 約3万羽)2月 大分県(1農場 14羽)2~3月 京都府(2農場 約24万羽)

・平成16年我が国で79年ぶりとなる高病原性鳥インフルエンザ(強毒タイプ)が発生・発生農場においてまん延防止措置を実施し、4月に終息・家畜伝染病予防法の改正・「鳥インフルエンザ緊急総合対策」を取りまとめ・特定家畜伝染病防疫指針の策定・家畜防疫互助基金の造成、経営維持資金の融通・緊急時に備えたワクチン備蓄

<平成17年の発生>H5N2亜型6月~翌1月 茨城県・埼玉県(41農場 約578万羽)

・平成17年6月以降、茨城県を中心に高病原性鳥インフルエンザ(弱毒タイプ)が発生・弱毒タイプであることを踏まえ、一定の条件を満たす農場に監視プログラムを適応・18年4月までに殺処分を終了・感染経路調査報告書を公表(H18,9)・防疫指針に、弱毒タイプの発生時の防疫措置を追加(H18,12)

(H21.5.26時点)

<平成19年の発生> H5N1亜型1月 宮崎県(2農場 約7万羽)1月 岡山県(1農場 約1万羽)2月 宮崎県(1農場 約9万羽)

※平成19年3月1日移動制限解除

・平成19年1,2月宮崎県、岡山県で高病原性鳥インフルエンザ発生

・防疫指針に基づく迅速な防疫措置により早期終息

・家きん飼養農場で消石灰による緊急消毒の実施

・国民への正確な情報の提供(不適切な表示の是正等)

・感染経路調査報告書を公表(H19.9)

・防疫指針の変更(発生の疑い時点での公表、食鳥処理場等の例外

措置等) (H20.2)

・養鶏農場への立ち入り検査、衛生管理テキストの作成・普及

・モニタリングの強化及び早期発見・早期通報の徹底の通知

※平成20年青森県、秋田県、北海道で、オオハクチョウに高病原性鳥

インフルエンザウイルスが確認され、緊急的な立入指導や石灰散布等の消毒を実施

<平成21年の発生>H7N6亜型2~3月 愛知県(7農場 約160万羽)

※平成21年5月11日すべての移動制限解除

・平成21年2月、愛知県のうずら農場で高病原性鳥インフルエンザ(弱毒タイプ)が発生

・発生確認後、直ちに半径10km以内の移動を制限。その後弱毒タイプと確認され、移動制限を半径5kmまで縮小。(ウイルスが分離された1~3例目に適用)

・4~7例目は、抗H7HA抗体だけが確認(ウイルス未分離)され、半径5kmの移動制限はうずらのみを対象として実施。(清浄性確認検査は半径5km内のすべての家きん農場について実施)

・全国すべてのうずら農場等について立入検査を行い、陰性を確認・感染経路の調査のため、疫学調査チームを設置・発生農場等の経営再開及び防疫対応等について、家畜伝染病予防費のほか、食の安全・安心交付金、希少育種資源増殖回復特別対策事業等により支援するとともに家畜防疫互助基金の対象家畜に、平成21年度よりうずらを追加

(2)現在までの発生と対応

-32-

(3)海外における発生状況とそれに伴う我が国の措置

アジア地域への支援の概要

○アジアにおける鳥インフルエンザ防疫体制強化プログラムの概要

・平成19年度補正予算額1,242百万円

平成20年度予算額71百万円

・事業内容アジア域内の早期通報体制の整備、獣医行政組織の能力向上、ウイルス伝播ルートの解明

○アジアにおける食品安全・動植物検疫関連総合支援事業のうち動物衛生対策の概要

・平成19年度予算額80百万円

平成20年度予算額49百万円

・事業内容防疫計画策定支援、早期警告システム構築、専門家派遣 等

○アジアにおける高病原性鳥インフルエンザ拡大防止緊急総合対策の概要

・平成17年度補正予算額1,979百万円

・事業内容地域レベルでの防疫戦略の整備、農家の緊急サーベイランスの実施、殺処分に必要な機材等の供与 等

・ 海外からの鳥インフルエンザの侵入を防止するため、発生時には家きん、家きん肉等の輸入を停止。

・ 平成16年2月からは、ペットも含めすべての鳥類について発生国からの輸入を停止。

・ 平成17年11月、厚生労働省を中心に新型インフルエンザ対策行動計画を策定。

農水省も水際検疫措置の強化、サーベイランスの強化等の防疫措置を実施。

・ アジア諸国を対象に、本病のまん延を防ぐためOIE、FAOを通じ、アジアを中心に防疫対策を支援。

《 北東アジア 》中国 H5N1 感染確認日:2004.1.27モンゴル H5N1 感染確認日:2005.9.2北朝鮮 H7 感染確認日:2005.3.15韓国 H7N8(弱毒) 感染確認日:2007.11.26

H5N1 感染確認日:2008.4.2 H5N2(弱毒) 感染確認日:2008.10.4H5N2(弱毒) 感染確認日:2009.1.2

家きんの高病原性鳥インフルエンザの発生状況=輸入停止国【 58カ国・地域 】

《 南北アメリカ 》

アメリカ(弱毒タイプのため州単位での輸入停止)ニューヨーク州 H5N2(弱毒) 感染確認日:2009.3.12ケンタッキー州 H7N9(弱毒) 感染確認日:2009.4.6イリノイ州 H7N9(弱毒) 感染確認日:2009.4.27テネシー州 H7N9(弱毒)感染確認日:2009.5.1ミネソタ州 H7N9(弱毒)感染確認日:2009.5.18カナダ(弱毒タイプのため州単位での輸入停止)ブリティッシュ・コロンビア州 H5N2(弱毒) 感染確認日:2009.1.26メキシコ (弱毒タイプのため州単位での輸入停止)コアウイラ州他 H5N2(弱毒) 感染確認日:2005.3.31ドミニカ共和国 H5N2(弱毒) 感染確認日:2007.12.25ハイチ共和国 H5N2(弱毒) 感染確認日:2008.6.16

《 東南アジア 》香港 H5N1感染確認日:2001.5.18マカオ H5N1感染確認日:2001.5.24ベトナム H5N1感染確認日:2004.1.9インドネシア H5N1感染確認日:2004.1.25ラオス H5感染確認日:2004.1.27(※H5N1 感染確認日:2006.7)カンボジア H5N1感染確認日:2004.1.25タイ H5N1感染確認日:2004.1.22マレーシア H5N1感染確認日:2004.8.5ミャンマー H5N1感染確認日:2006.3.14

《 西・南アジア 》イラク H5N1感染確認日:2006.2.6パキスタンH7 感染確認日:2004.1.27H5N1 感染確認日:2006.2.27インド H5N1感染確認日:2006.2.21アフガニスタン H5N1感染確認日:2006.3.17イスラエル H5N1感染確認日:2006.3.20ヨルダン H5N1感染確認日:2006.3.27パレスチナ自治区 H5N1感染確認日:2006.4.18クウェート H5N1感染確認日:2007.3.1

《 ヨーロッパ 》イタリア H7N3感染確認日:2002.10.23ルーマニア H5N1感染確認日:2005.10.11トルコ H5N1感染確認日:2005.10.11アルバニア H5N1感染確認日:2006.3.9チェコ H5N1感染確認日:2007.6.22オランダ H7N7感染確認日:2006.8.1(注)オランダはワクチン接種につき2006.3.16以降輸入停止

セルビア・モンテネグロ H5感染確認日:2006.4.5ポルトガル H5N2(弱毒)感染確認日:2007.9.19英国 H7N7感染確認日:2008.6.4ドイツ H5N1感染確認日:2008.10.14デンマーク H7感染確認日:2008.12.25

《 アフリカ 》ナイジェリア H5N1感染確認日:2006.2.9南アフリカ H5N2感染確認日:2004.8.9ジンバブエ H5N2感染確認日:2005.12.5エジプト H5N1感染確認日:2006.2.21ニジェール H5N1感染確認日:2006.3.1カメルーン H5N1感染確認日:2006.3.14スーダン H5N1感染確認日:2006.4.21コートジボワール H5N1感染確認日:2006.4.27ブルキナファソ H5N1感染確認日:2006.5.31ジブチ H5N1感染確認日:2006.5.31ガーナ H5N1感染確認日:2007.5.7トーゴ H5N1感染確認日:2007.6.26ベナン H5N1感染確認日:2007.12.6

《 ロシア,NIS諸国 》ロシア H5N1感染確認日:2005.7.22カザフスタン H5N1感染確認日:2005.8.4ウクライナ H5N1感染確認日:2005.12.6アゼルバイジャン H5N1感染確認日:2006.3.1

2009年5月28現在

サウジアラビア H5N1感染確認日:2007.3.27バングラディッシュ H5N1感染確認日:2007.3.27イラン H5N1感染確認日:2008.1.17ネパール H5N1感染確認日:2009.1.19

日本●H7N6(弱毒)

感染確認日:2009.2.27●H5N1(強毒)

感染確認日:2007.1.13清浄性確認日:2007.5.8

●H5N2(弱毒)感染確認日:2005.6.26清浄性確認日:2006.7.21

●H5N1(強毒)感染確認日:2004.1.12清浄性確認日:2004.4.13

-33-

(4)愛知県において確認された高病原性鳥インフルエンザに対する農林水産省の対応

1 発生の概要

発生日 飼養羽数 移動制限の解除日

1例目 2月27日 約26万羽 3月27日2例目 3月4日 約20万羽 4月4日

3例目 3月10日 約11万羽 4月20日4例目 3月18日 約67万羽 5月11日5例目 3月29日 約14万羽 5月11日6例目 3月29日 約13万羽 5月11日7例目 3月29日 約9万羽 5月11日

2 移動制限

・発生確認後、直ちに半径10km以内の移動を制限。その後弱毒タイプであることが確認され、移動制限を半径5kmまで縮小。(ウイルスが分離された1~3例目に適用)

・4~7例目は、ウイルスが分離されず、抗H7HA抗体だけが確認され、移動制限はうずらのみを対象とした。(清浄性確認検査は半径5km内のすべての家きんについて実施)

・移動制限区域内の家きん卵、排泄物、家きん等については、農場の清浄性等を確認の上、移動制限の例外を適用。

3 発生農場等の経営再開及び防疫対応への支援措置を充実

・ 家畜伝染病予防費 :埋却場所確保の経費、防疫措置に伴う作物の被害、畜舎の損壊の補償等を追加支援

・食の安全・安心交付金 :経営再開のための雇用維持や疫学関連農場におけるまん延防止に係る経費等を追加支援

・家畜防疫互助基金 :平成21年度から、対象家畜にうずらを追加

・希少育種資源増殖回復特別対策事業:育種用うずらの導入やふ卵機機械の整備等に対して助成

(特別交付税 :愛知県が申請予定、農水省からも総務省に状況を説明中)

4 疫学調査チームによる感染経路等の調査

・発生農場の現地調査、分離されたウイルスの性状検査、うずら、鶏等への感受性試験等を実施

5 全国うずら飼養場の検査

・全国すべてのうずら飼養場について立入検査を行い、本病ウイルスの陰性を確認(38道府県、173施設、319万羽)

※静岡県の1農場で抗体検査(ゲル沈)が陽性となったが、抗H5HAおよびH7HA抗体は確認されず、定点モニタリングの対象としている

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