英語教育学における 「実態調査」の批判的検討
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寺沢 拓敬(関西学院大学) [email protected]
英語教育学における 「実態調査」の批判的検討
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本日の話の要点/結論 (1) 実態調査は原則としてフィールドワークですべきだ
(2) アンケートで実態調査を行って良い場面はほとんどない
定義 a. 英語教育の特定の現象に関与するアクターを対象
b. 一般化志向なし
c. ボトムアップ的な分析
実態調査の現状 1. 英語教育学における実態調査
2. 実態調査と教育研究
(a) 多変数が複雑に介在 (b) 新しい現象の宝庫 (c) 特定の事例の固有性
3. アンケート調査偏重
4. 他分野における「実態調査」
① 研究テーマは、学校現場の何らかの実態解明
No
Yes
② その研究は大部分が 自分のためだ
(例、学位取得、自分の成長)
No
Yes
実態調査自体をやめる (実態解明だけが研究ではな
い)
③ 「実態」に関して 明確な仮説がある
No
Yes
④ 緩やかな仮説ならある No
Yes
実態調査自体をやめる (文献研究・コーパス研究のような
非侵襲型の研究に変更する)
仮説検証を目指した 質問紙法による計量分析
⑤ 学校の責任者から、生徒や教師個々への接触を禁止された
No
Yes
⑥ 研究テーマは、その学校でしかできない。唯一無二
のフィールドだ
No
インタビュー調査 エスノグラフィー等
⑦ インタビューでもきちんとプライバシーは保護できると何度説明してもダメだった
No
Yes
別のフィールドを見つけてインタビュー調査・エ
スノグラフィー
Yes
Yes
現場に倫理規定の遵守をきちんと説明し、理解を得たうえでインタビュー調査・エスノグラフィー
⑧ なぜかアンケート調査なら許可されている No
⑨ アンケートの自由回答欄は本気を出せば人力で読みきれる量だ
アンケート自由記述の質的分析(必ず人間が解釈する)
Yes
No
テキストマイニング (ただし、学校調査で大量の自由記述を集めることは稀)
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