リン酸の比色定量法 i. 中 村 道 徳 - j-stage

1

Upload: others

Post on 09-Apr-2022

6 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: リン酸の比色定量法 I. 中 村 道 徳 - J-STAGE

〔連載講座〕

リン酸 の比色定量法 I.

中 村 道 徳

東京大学農学部農芸化学科

リン酸 お よびその誘導体 は,生 体の成分 として広 くか

つ数多 く存在 してお り,代 謝の上で重要な役割を果た し

ているので,リ ン酸 を定量す る必要に迫 られ ることが し

ばしばある.リ ン酸化合物 のあ るものは特殊な方法に よ

っても定量 し うるが,普 通には加水分解 または灰化に よ

って無機 オル トリン酸 に変 えてか ら定量 され る.こ こで

は無機 オル トリン酸 の定量法のみを取 り扱 うことにす る.

リン酸 の定量法 としては,古 くか ら重量法お よび容量

法 が広 く用い られ てきてい るが,こ れ らの方法は操作が

繁雑 であ り,か つ微量 の リン酸に適用す るのが困難であ

るため,最 近 の生化学 の研究 ではほとんど比色法に とっ

て代わ られ ている.し か し,実 際に リン酸 の定量を行な

お うとして,少 し く既往 の文献 を調べ てみ ると,あ ま り

にその数 が多 く,ど の方法に従 った らよいのか迷われ る

に違 いない.ど の文献 をみ てもそ の方法がいちばん良い

よ うな ことが書い てある一方,最 近 の新 しい文献で古い

定量法 を使 っている例が数多 くあ る.成 書 をみ ても,い

くつか の方法 が並列 して紹介 してあるだけ で,1つ1つ

の方法 の評価 はあま りしていないのが普通 である.同 じ

"リ ン酸"を 定 量す るのに,な ぜ こんなに沢 山の方法が提

出され,今 でもなお"改 良"が重ね られ ているのであろ う

か.古 い方法 では不満足だか らよ りよい方法を探 してい

る のだ,と 答 えるな らば,現 在で も古い方法が平気で使

われ ているのはなぜだろ うか.実 際古い方法,た とえば

Fiske-Subbarow法 で もAllen法 で も,標 準 リン酸溶

液を用いて検量曲線を書いてみ ると実に よ く直線上にの

っ て くれ る.そ の意味か らい うど,リ ン酸の定量 くらい

易 し くかつ正確な方法は生化学で用 い られてい る数多 く

の定量法の中で もまれであ るとさえいえ る.し か し実際

にわれわれが測定 しようとしてい る試料 は純 粋な リン酸

溶液 ではな く,多 くの場 合生体 の他 の成分 を含 んでいる

のが常である.こ の"不 純物"は 試料に よってその種類

と量が異な ってお り,ま た 目的 とす る リン酸 の濃度 も大

幅に違 ってい る.数 多 くの定量 法が考 案され ているのは,

皆それぞれの試 料に最 も適 した方法 を探 し求 めた結果に

ほかな らない.1つ の試 料に最 も適 当な方法 が,他 の試

料に も同 じように最 も適 している とはいえな いので ある.

したが って,わ れわれは 目的に応 じて これ らの方法 を使

い分け,ま たは必要 があればさ らに新 しい方法 を発展 さ

せていかなければな らない.

そのためには今までの定量 法が どの ような原理 で行 な

われてお り,ま た1つ1つ の方法 の長所 と短所,そ の適

用 し うる範囲を知 ることが必要 である.し かし数多 い リ

ン酸定量法を1つ1つ 吟味す ることは,文 献 の上 だけ で

もたいへんであ り(文 献に よっては データが発表 され て

いないため,そ れ さえで きない ことがあ る),ま してや 自

分の手でいちいち追試 して確かめ ることは不 可能 に近 い.

しか し,い くつかの文 献を集 め,分 類 整理 してみる と,

原理が似てい る方法はその適用 範囲や,長 所,短 所 がお

のずか ら似 てい るものであ る.本 稿 では上記 の点 を念頭

において,な るべ く1つ1つ の方法 の長所 と短所 をはっ

き りさせていきたい と思 っている.筆 者 自身文献を完全

に集めてい るわけではな く,ま た経験 も浅 いので,こ れ

か ら書いてい くことが どれだけ標 的に当た っているかは

はなはだ心 もとない.も っどよい方法 を御存知 の方,ま

た1つ1つ の方法について経験 をお持 ちの方 か ら御教示

をいただければあ りがたい.

数多い リン酸 の比色定量法 を分類整理す るのに,い ろ

いろな方法が考え られ るが,こ こでは次 の ように分類 し

てみた.

Iモ リブデ ン青比色法(常 温発 色)

IIモ リブデン青比色法(加 熱発色)

IIIモ リブデン青-有 機溶媒抽出比色法

IVリ ンモ リブデ ン酸 またはモ リブデ ン酸 の紫外部 吸

収測定法

Vモ リブデ ィバナ ドリン酸 比色法

VIそ の他

以下,こ れ らの方法 を御 紹介す るわ けであるが,紙 数

がないので要点だけをな るべ く簡単 に記載 し,方 法そ の

ものの記載 は省略 した.し か し広 く使 われ ている方法,

とくに重要であ ると考え られる方法,ま たは他 の方法 と

の比較上好 都合なデ ータが報告 され ているい くつか の方

法については,そ の要点を第1表 にま とめておいた.一

般 に使おれ ている方法につ いて はLindberg & Ernster

(1954)の 総説お よび吉川 ・高橋(編):燐 酸代謝実験法

Vol. 3, No. 1 (39) 39

Page 2: リン酸の比色定量法 I. 中 村 道 徳 - J-STAGE

I(広 川書店,1958)に 詳 しい記載が ある.

広 い意味での リン酸の定量法 としては,リ ン酸化合物

の分離法,リ ン酸化合物を無機 オル トリン酸に変 える加

水分解 または灰化法,ま たそれぞれの リン酸化合物の特

有の性質を利用 して 目的 とす る リン酸化合物を選択的に

測定す る方法な ども重要であ るが,本 稿では これ らの点

には,い っさいふれない ことにす る.

I.モ リブデ ン青 比色法(常 温発色)

酸性溶液で リン酸に過剰 のモ リブデン酸 アンモニウム

を加 えると,リ ン酸 とモ リブデ ン酸は一定の割合で結合

し,リ ンモ リブデ ン酸 アンモ ニウムとして定量的に沈澱

す る.こ の ことは重量法お よび容量法に よる リン酸 の定

量に も利用 されてい る.こ の リンモ リブデン酸を還元す

るとMoVIはMoIIIに な り青色を呈す る.こ のモ リブ

デン青(molybdenum blue)の 生成を最初に見いだ した

のはOsmond(1887)で あ るといわれてい る.か れは還

元剤 として塩化錫を用いたが,少 しお くれてTaylor&

Miller(1914)は フェニル ヒ ドラジンを用い てや は りモ

リブデ ン青 の生成 を認めた.Tisdall(1922)は,リ ンモ

リブデ ン酸 をス トリキニーネ塩 として沈澱 させ,ア ル カ

リに溶解 した後,黄 血塩で還元 し,生 ず るモ リブデン青

の青色 と赤血塩の黄色の混合 した緑色で リン酸を定量す

る方法 を提 出した.し か し,こ れ らの方法 は リンモ リブ

デ ン酸 の沈澱,洗 浄,再 溶解,還 元呈色 と手間 がかかる

ので,リ ンモ リブデン酸 をそ のまま還元呈色 させ る方法

がBell & Doisy(1920)お よびDeniges(1927)に よ り

発展 させ られ た.こ れ らの方法 は,リ ンモ リブデン酸 の

MoVIは 容易に還元 されてMoIIIに な るが,遊 離の モ リ

ブデン酸 のMoVIは 還元 されに くい ことを利用 した もの

であ る.還 元剤 として,Bell-Doisyは ハイ ドロキノン

と亜 硫酸を,Denigesは 塩化錫 を用 いた.Bell-Doisy法

では試料 中に蛋 白が存在す ると呈色液が溷 濁す るので,

呈 色後炭酸 ナ トリウムを加 えて蛋 白を溶解 し,透 明にし

ている.Briggs(1922)は,三 塩化酢酸で除蛋 白した試

料 を用 いて酸性 で呈色 させ る と,呈 色 が非常 に安定 にな

る ことを見 いだ し,以 後 の定量法 の基礎 を作 った.こ の

方法 をさ らに発展 させ,リ ン酸 の比色定量法 を信頼 し う

る方法 として完成 したのは,Fiske & Subbarow(1925)

であ って,現 在用 い られ てい る多 くの リン酸 の比色定量

法はFiske-Subbarowに 始 まるとい って も 過言で はな

い.か れ らは定量法 の条件 を 吟 味 し,強 酸性(ca.0.5

N-H2SO4)溶 液中還元剤 としては.1-ア ミノ-2-ナ フ トー

ル-4-ス ル フォン酸 を用 いた.Fiske-Subbarow以 後,

酸 としては過塩素酸,塩 酸な どが,還 元剤 としては種 々

の ものが用い られてい るが,極 端にい うと,こ れ らの方

法は酸 と還元剤の組合せを変え,そ れに多少の改変を加

えてい るにす ぎない ともい える.一 定量の リン酸当 りで

得 られ るモ リブデン青の呈色の強 さは,用 い る還元剤の

還元力の強 さに依存す るといわれてお り,呈 色の安定性,

他の共存物質に よる干渉な ども還元剤 の種類に よること

が多いので,以 下それぞれ の還元剤に よって分類 してみ

た.

1.1,2,4-ア ミノナ フ トー ル スル フ ォ ン酸

(商 品名:Eikonogen)

Fiske-Subbarow法(1925)は,お そ らく 現 在 で も

最 も広 く使われてい る方法で ある.こ の方法 は 古 川 ら

(1952)に よ り検討 されてい る.最 も広 く,か つ最 も長 く

使われて きた方法であ るだけに,す ぐれた,信 頼 し うる

方法で あるが,欠 点 としては次 の点が あげ られ よ う.

(i)呈 色が時間 とともに変化 し安定な期間が短いた

め,呈 色開始後測定 まで の時間 を一定にす る必要があ る.

(ii)還 元試薬 は室温で は1週 間 ぐらい しか もたない.

冷蔵庫 に保存すれ ば相 当長期間使用 し うるが,こ の場合

は結 晶が析 出しやす い.

Fiske-Subbarowの 原法は未知試料 の呈色 を標準 リン

酸溶液 の呈 色 とDuboscq型 比色計で 比色す るのであ る

が,現 在で はもちろん光電分光光度計 また は光電比色計

が用 い られ てい る.第1表 に は,筆者が原法を多少改変 し

スケールダ ウンした方法 を示 した.Fiske-Subbarow法

によるモ リブデ ン青 の最大 吸収は740mμ 付近であ るが,

610~750mμ の間の任意 の波長 でLambert-Beerの 法

則に適合す るか ら,感 度 が多少減 る ことを念頭 におけ ば

普通 の光電比色計 も用 い られ る.試 料 として組織 などの

三塩化酢酸 または過塩素酸 除蛋 白液 を用 いる場合 には,

試料 中の これ ら酸 に よる寄与 を考慮 して硫酸 の添加 量を

決 める.酸 として終濃度 が0.5~0.55Nに なる ようにす

れ ば よい.

Lohmann & Jendrassik(1926)も 同 じ還 元 剤 を用 い

て い る が,硫 酸 の 終濃 度 を1Nと し,37℃ に5分 間 加

熱 し てか ら比 色 し て い る.こ の方 法 は主 と し て ドイ ツで

使 わ れ てい る.Teorell(1931)はFiske-Subbarow法

を 多 少 改 変 し,比 色 計 で は な く分 光 光 度 計 を用 い て測 定

した.Reis(1951)も 酵 素 反 応 液 中 の無 機 リン酸 の定 量

に 適 す る よ うに,Fiske-Subbarow法 を改 変 し て い る.

King(1932)は,

(i)呈 色 に は 高 い 酸 度 を 用 い,か つ 酸 と モ リブ デ ン

40 (40) 化 学 と 生 物

Page 3: リン酸の比色定量法 I. 中 村 道 徳 - J-STAGE

酸 を別 々に保存 し(Fiske-Subbarowの 原法ではモ リブ

デ ン酸 アンモニ ウムを硫酸溶液に溶か した混合試薬を用

いているが,こ の試薬 は保存性が悪い.第1表 に示 した

Fiske-Subbarow法 は筆者が改変 したので,酸 とモ リブ

デ ン酸 は別 々に してあ る),

(ii)還 元剤 としてはFiske-Subbarowの ア ミノナ

フ トール スル フォン酸を用いたが,溶 解度を考慮 して多

少改変 し,

(iii)酸 としては硫酸 でな く過塩素酸 を用いた.

過塩素酸を用 い る利点は主 として湿式灰化の際に発揮

され,

i)過 塩素酸は 冷所では まった く不活性で 安定であ

るが,加 熱す ると酸化剤 として作用す るので,硫 酸で湿

式灰化す る場合 のよ うに,灰 化の最後の段階で過酸化水

素や硝酸 のよ うな酸化剤を加 える必要炉ない;

ii)一 定 の酸度 を与 えるに 要す る容量は 過塩素酸の

ほ うが硫酸 よ り大 きい(過 塩素酸 と硫酸は分子量はほぼ

等 しいが,過 塩素酸は1価,硫 酸は2価 の酸であ るか ら,

同 じ酸度を与 えるのに過塩素酸は硫酸の約2倍 容用 い ら

れ る)か ら,湿 式灰化の際に酸の量が少な くな りす ぎて

分解瓶 を破損す る危険性が少ない;

iii)沸 点 は硫酸>リ ン酸>過 塩素酸 の順であ るか ら,

過 熱に よリ リン酸を蒸発損失す る危険性が少ない;

iv)過 塩素酸の塩類は 一般に水溶性であ る.リ ン酸

化合物 の分画 にBa++ま たはCa++の 塩が しば しば用い

られ るが,過 塩素酸 のBa++またはCa++塩は 水溶性で

あ るか らBa++ま た はCa++を 用 いて分画 した画分をそ

の まま湿式灰化 して全Pの 測定を行な うことがで きる;

な どの点があげられてい る.過 塩素酸は除蛋白試 薬 とし

て も広 く用 い られてい るので,同 じ酸を除蛋 白,発 色の

溶 媒,湿 式灰化の酸化剤 として用い ることがで きて便利

であ る.し か し過 塩素酸を用 いて湿式灰化す る際,と き

として爆発す ることがあ るよ うであ る.同 じ試料を同 じ

よ うに処理 して も必ず しも全部が爆発す るわけではない

ら しい.筆 者 も過塩素酸を用 いて湿式灰化を行な った こ

とは何回かあ るが,爆 発 した経 験はない.爆 発 の原因は

今 の ところ不明の ようであ る.こ の ような爆発 はそ うし

ば しばあ るもの とは思われないが,そ の可能性があ るこ

とだけは,過 塩素酸を用 いて湿式灰化す る際には念頭に

おいたほ うが よい ようであ る.Ba++塩 がその まま使 え

るのは過塩素酸の大 きな特長であ るが,筆 者の経験で は,

その他の点では硫酸で も大 した不便は感 じていない.

Nakamura(1952)はKing法 を多少改変 し,全Pの

微量定量法(全 容1ml)を 提出 してい る.三 橋 ・中西

(1953)は 硫 酸 を,Kuby,Noda & Lardy(1954)は 過

塩 素 酸 を用 い て,そ れ ぞ れKing法 の 改 変法 を提 出 し て

い る.Furchgott & de Gubareff(1956)は,ク レア チ ン

リン酸(CrP)と 共 存 す る無 機 オ ル トリン酸(Pi)をpH

2.3でCu++存 在 下 で 測 定 し(Cu++は モ リブ デ ン青 の

呈 色 速 度 を 著 し く増 加 させ る),次 い で 強 酸 性 に し て

CrPを 加 水 分 解 してPiと の和 を測 定 し,PiとCrPを

同 一 の試 料 で 順 次 測 定す る方 法 を 提 出 して い る.

2.p-メ チル ア ミノフェノール硫酸

(商品名:Elonま たはMetol)

この試薬を初めて 用 いたのはLeiboff(1931)で ある

が,Gomori(1942)が 提出 した方法 が 割 合広 く用 い ら

れて きた.こ の方法は呈色に時 間がかか るが,呈 色の安

定な 期間が長い(Gomori法 では呈 色開始後40~90分

の間に測定す る)長 所 がある.Zimmermann(1950)お

よび高橋(1953)の 変法があ る.メ トールに よる呈色 は,

除蛋白に広 く用 い られている三塩化酢酸 で阻害 され ると

いわれてい る(Muller,1935).

3.2,4-ジ ア ミノフェ イール二塩酸

(商品名:Amidol)

Muller(1935)が 最初 に用いた この試薬を過塩素酸 と

組み合わせて,King法 の 改 良 を 行 なった のはAllen

(1940)で あ る.こ の方法は発 色が速 やかな こと,呈 色

が長時間一定 で安 定な こと,呈 色が多 くの物質 で阻害 さ

れない こと,ま た試薬が写真の現像薬 として安価にかつ

容易に手に入 ること,な どの利点に よ り広 く-と くに

イギ リス と日本 で-使 われ てい る.ア ミドールはFis-

ke-Subbarowは じめ何人かの人がす でに試 みており,

いずれ も理由は不十分であ るが不満足な もの として捨 て

ていた ものを,Mullerが 拾 い出し,Allenが その優秀

性を示 じた もので あって,今 か ら考え るとFiske-Sub-

barowら がなぜ この試薬 を 捨 てたのか 了解 に 苦 しむほ

どであ る.Whelan & Bailey(1954)は,グ ル コース-

1-リ ン酸(G-1-P)が 共存す る場合 のPiの 定量 の条件 を

検討 し,Allen法 の還元剤の濃度を1/2に す るとG-1-

Pの 加水分 解の程 度は原法の1/7に おさえ られ る と報告

してい る.中 村(1950,1951)はAllen法 を多少 改変 し,

酸 としては硫酸を用 い,還 元剤の濃 度は1/2に している

が,Whelan & Baileyの 結果を考慮 して,G-1-Pお よ

び アデ ノシン三 リン酸(ATP)の 加水分解 に及 ぼす 因子

をAllen,Whelan & Bailey,中 村の3つ の方法 で比較

検討 した(中 村,森,1958;森,中 村,1959).そ の結果

Vo1. 3, No. 1 (41) 41

Page 4: リン酸の比色定量法 I. 中 村 道 徳 - J-STAGE

第1表 モ リブデ ン青比色珠(常温 発 色)

1)試 料は(終 容積)-(試 薬の量)ま で加えられる.一 般に

は適当量の試料を適当に水で稀釈し(中 村法を例にとると5~

7mlに する),試 薬を記載の順序に従って添加し(試 薬を1つ

加えるごとにょく混合する)最 後に蒸留水で一定容にしてか

らふたたびよく混合し,指 定された時間内に吸光度を測定する.

室温 とは大体18~20℃ を指してい るか ら,温 度が著 しくこの

範囲か らはずれてい るときには,あ らか じめ検討 してお く必要

があ る.

2)呈 色液1l当 りPと して31mgの リン酸を含む液の吸

光度(液 層の厚さは1cm).

42 (42) 化 学と生 物

Page 5: リン酸の比色定量法 I. 中 村 道 徳 - J-STAGE

によるい くつかの リン酸定量法の比較

3)稀 釈係数=(呈 色液の終容積)/(添 加 し うる試 料 の 最 大

量)

4)原 法を筆者が改変した(試 薬終濃度は 原 法 と 同 じであ

る).

5)1-ア ミノ-2-ナ フ トールー4-スル フォン酸0.5gを15%

重亜硫酸 ナ トリウム195mlに 溶か し,20%亜 硫酸ナ トリウ

ム(無 水)5mlを 加え る.暗 色瓶 に保存す る.

6)1-ア ミノ-2-ナ フ トールー4-スル フォン酸0.5g,重 亜硫

酸ナ トリウム30g,結 晶亜硫酸 ナ トリウム(Na2SO3・7H2O)

6gを 蒸留水に溶 解して250mlに する.

Vol. 3, No. 1 (43) 43

Page 6: リン酸の比色定量法 I. 中 村 道 徳 - J-STAGE

を簡単に述べ ると,こ れ らの定量法 の条件 の中でG-1-

Pお よびATPの 加水分解 に影響す る最 も重要 な因子 は

温度である.す なわ ち呈 色を18~20℃ で行 なえば,こ れ

ら定量 法に よるPiの 最大 呈色に達 す る時間内でのG-1

-Pお よびATPの 酸 加水分解 は無視 し うる程 度に小で,

普通の 目的(た とえば フォス フォ リラーゼ活性 の測定)

には十 分使 えるが,呈 色の温 度が高 くな るとG-1-Pお

よびATPは 著 しく加水分解 され,も ともと 存 在 す る

Piの 呈色に重な って きて,大 きす ぎる値 を 与 え るよう

にな る.そ の他の点についてのAllen法 お よび 中村 法

の検討は,そ れぞれの原報を参照 していただきたい.

以上述べて きた ア ミノナ フ トールスル フォン酸,p-メ

チル ア ミノフェノール,2,4-ジ ア ミノフェノールに よる

リン酸の呈色強度は,い ずれ もほぼ同一であ る.

4.ハ イ ドロキ ノ ン

ハ イ ドロキ ノ ンを 用 い る 方 法 とし て はBell & Doisy

(1920),Briggs(1922)以 来,Martland & Robison

(1926),Eggleton & Eggleton(1929),Bacco(1954)

の 改 変 法 が 提 出 され て い るが,最 近 ハ イ ドロ キ ノ ンを 用

い る方 法 は あ ま り行 な わ れ て い な い.著 者 もハ イ ドロ キ

ノ ンを 使 った 経 験 が な く,ハ イ ドロ キ ノ ンの 長 所,短 所

に つ い て も知 らな い.

5.フ チオ硫酸ナ トリウム

池 田(1951)は チオ硫 酸を還元剤 として使 った.こ の

方法 ではたいていの カチオンが共存 しても妨害 され ない

といわれ てい るが,こ の方法 もあ ま り一般に は使われ て

いない.

6.硫 酸 鉄

硫酸鉄(FeSO4)を 還元剤 として用 いたのはSumner

(1944)が 最初 で,そ の後Rockstein & Herron(1951),

Taussky,Shorr & Kurzmann(1953)の 変法 が出され

ている.こ の方法 は,呈 色の強 さはア ミドールな どより

多少劣る(約90%)が,呈 色が速 やかでかつ長 時間(約2

時間)安 定 であるか ら,多 数 の試料 を短 時間で測定す る

場合な どには有 効であろ う.と くにTausskyら の方法

では 組織 の12%三 塩化酢酸抽出液にH2SO4-モ リブデ

ン酸 ア ンモ ニゥム-FeSO4の 混合試 薬を 加え るだけで よ

いか ら,操 作 は非常 に手 間がはぶけ多数の試 料を処理す

るのに よい方法であ ると思われ る.FeSO4法 の利点 とし

て弱酸性で還元を行ない うるとい うことが主張 されてい

るが,こ れ らの方法を検討 してみ るとFiske-Subbarow

や中村 の方法 よ りむ しろ強酸性を用いてい る.

7.塩 化 錫

Osmond(1887)が リン モ リブ デ ン酸 ア ン モ ニ ウ ム の

還 元 に 最 初 に 塩 化 錫(SnCl2)を 使 って か ら,Deniges

(1927)を 経 てKuttner & Cohen(1927)に 至 っ て,塩

化 錫 を 用 い る方 法 が リン酸 の 定 量 法 と し て確 立 され た.

Kuttner & Lichtenstein(1930),Youngburg & Young-

burg(1930),Bodansky(1932)は こ の方 法 の試 薬 の調

製 法 な どに 改 良 を 加 え てい る.こ の塩 化 錫 法 の特 長 は,

(i)呈 色 が 速 や か な こ と(約15秒 で 最 大 呈 色 に達

す る),

(ii)呈 色 強 度 が非 常 に 高 い(Fiske-Subbarow法 に

比 べ て12~15倍 鋭 敏 で あ る と主 張 さ れ て い る)こ と,

7)6.6%モ リブデ ン酸 アンモ ニウム溶液25mlを200ml

に稀釈 し,7.5N硫 酸25mlを 加え る.

8)硫 酸鉄(FeSO4・7H2O)5gと7.5N硫 酸1mlを 水で

50mlに 稀釈する.

9)濃 硫酸278mlを 水で1lに 稀釈 して10N硫 酸を 調製

す る.こ の ものに10%に なる よ うにモ リブデ ン酸 アンモ ニウ

ムを溶か した溶液10mlを100ml容 着色定容 フラス コに と り,

水で70mlに 稀釈,FeSO4・7H2O5gを 加え,水 で100ml

にして結晶を溶解 させる.こ の試薬は使用前に新たに調製す る.

10)濃 硫酸420mlを 蒸留水500mlに 加え,冷 却後1lに

稀釈す る.

11)モ リブデ ン酸 と硫酸 との混合試薬は保存性が悪いか ら,

毎 日調製したほ うが よい.モ リブデ ン酸 アンモ ニウムと硫酸は

別 々に保存すれば,室 温で も長期間安定であ るか ら,試 薬の数

が1つ ふえて手間 もそれだけかか るが,こ のほ うが便利であ る

か もしれない(13)参 照).

12)塩 化錫(SnCl2・2H2O)0.30gと 硫酸 ヒ ドラジ ン3.0g

を1lの1.0N硫 酸に溶解 し,ガ ラス共栓瓶中5℃ で保存す

れば,30~45日 は使用 し うる.

13)筆 者はHurst法 をスケールダ ウンし,次 の よ うに改変

して用い てい る.試 料(+水)3.7ml以 下 に15N硫 酸0.3ml

を加え(全Pの 測定では15NH2SO40.36mlを 用い て湿式灰

化 し,1滴 の30%過 酸化水素 で 灰化を完 了させ る),次 い で

7.5%モ リブデ ソ酸 アンモ ニウム水溶液0.5mlと 塩化錫-硫 酸

ヒ ドラジン試薬0.5mlを 加 え,全 容 を水 で5.0mlに す る.

適用範 囲は0.5~8μgPiで あ る.ミ クロキ ュベ ッ トを用いれ

ば,さ らにス ケール ダウンし うる.

14)上 記13)の 方法で ε×10-3値 は25~26で あった.

15)組 織を0.1NAcOH-0.025NNaOAcを 含む飽和硫酸 ア

ンモニ ウムで抽出 し,こ れを少な くとも5倍 は稀釈 して供試溶

液 とす る.ま た氷冷0.3N(5%)三 塩化酢酸または0.3N(2

%)過 塩 素 酸 で 除 蛋 白 した 場 合 は,速 や かに4容 の0.1N

NaOAcを 加えてpHを4.0~4.2に 直し,pH4の 酢酸緩

衝液(0.1NAcOH-0.025NNaOAc)で 適当に稀釈する.

16)最 大吸収は860mμ であ るが,650~950mμ の間 なら

どこで もよい.

17)8.1mMモ リブ デ ン 酸 ア ン モ ニ ウム(1容)+0.54M

AcOH-0.05MKOAc-0.03mMCuSO4(5容)+ジ メ チル フ

ォル ムア ミド(b.P.153±0.5℃)(20容).

44 (44) 化 学 と 生 物

Page 7: リン酸の比色定量法 I. 中 村 道 徳 - J-STAGE

であ るが,反 面,

(i)呈 色が きわめて不安定 であ りる;

(ii)Lambert-Beerの 法則 に必ず しも適 合 しない;

(iii)共 存物質(た とえば三塩化酢酸)に よ り呈 色阻

害を受けやす い;

な どの欠 点がある.し たが って,こ の方法 の改良は主 と

して これ らの点に向け られ ている とい って よい.そ の後

Dickman & Bray(1940)は,酸 として硫酸 の代わ りに

塩酸を用 い る方法を提 出 している.こ の方法 は塩化物 お

よびFe+++に よる呈 色阻害 を受 けに くく,ま た褪 色 も

硫酸を用 い る方法 よ りおそい といわれ ているが,呈 色速

度 もおそ く,呈 色強 度 も低 い ようであ る.Woods & Mel-

lon(1941)は 塩化錫法をハ イ ドロ キ ノ ン法,ア ミノナ

フ トール スル フォン酸法 と比較検討 してい る.か れ らが

これ らの方法の感度を比 較 した結果 の一部を,第2表 に

示 した.

第2表 種 々の方法に よる リン酸定量法の感度の比較

Shinowaraら(1942)がBodansky法 を改変 した方

法(フ ォス ファダーゼ活性測定法 として提 出され ている

方法)は 割 合広 く用 い られている.Howitt(1952)も

塩化錫法の欠 点である呈色 が時 間お とびpHに 対 して鋭

敏 であ る点 を改 良す る ような方法 を提 出しているが,こ

の方法では感度 が非常 に悪 くな っている ようである.

最 近,Hurst(1964)は 硫酸 ヒ ドラジ ンで試薬 お よび

呈 色を安定化 した改変法 を提 出している.こ の方法 は塩

化錫法の特 長であ る呈色の速 やかな ことと感 度の高い点

を残 しなが ら(後 述IIの モ リブデ ン青 加熱法 とほぼ同 じ

感度 がある),そ の欠点で ある試薬 お よび呈色の不安定

性 を 克服 しているので,Fiske-Subbarow法 やAllen

法 と同 じ目的 で,か つ より微量 の リン酸 の定量に用い る

ことができ よう.こ の方法 では呈色 は約3分 で最大に達

し,約40分 は安 定である と述 べ られ ている.Hurstが

この方法 と他 のい くつかの方法 を比較 した結果 を第3表

に示 した.

8.ア ス コル ビ ン酸

リン酸 の定量で,還 元剤 としてアス コル ビン酸 を用い

たのはAmmon & Hinsberg(1936)が 最初 であると思

わ れるが,こ の方法 はIIで 述 べる.ア ス コル ビン酸 が還

元剤 として リン酸 の定量 法で重要 な位 置を占めるに 至 っ

たのは,Lowry & Lopez(1946)が 酸 に不安定 な リン酸

化合物(acid-labile phosphate compounds)が 共存す

るところでPiを 測定す る方法 として,pH4.0~4.2で

アス コル ビン酸 を用 いて リンモ リブデ ン酸 を還元す る方

法を提出 してか らであ る.酸 に不安定 な リン酸化合物 と

しては前にG-1-PやATPを あげたが,こ れ らはまだ

相当安定なほ うで,す でに述べた よ うにFiske-Subba-

row,Allen,中 村 らの方法 でも 温度 に注意 しさえすれ

ば,加 水分解 はほ とん どさけ られ る.し かしアセチル リ

ン酸,リ ボース(お よびデオキシ リボース)-1-リ ン酸,

ク レアチ ンリン酸 などの リン酸結合は,G-1-PやATP

の リン酸結合 よりもはるかに酸に不安定で あって,上 記

の方法 ではPiを 呈色 させ る間にほぼ完全に加水分解 さ

れ てしま うか ら,実 際に測定 した値は もともと存在す る

Piと これ ら リン酸 化合物 か ら 生 じた リン酸の和に な っ

てしま う.し か しこれ ら非常に不安定な リン酸化合物 も

pH4.0~4.2で は割合安定 であるので,Lowry & Lopez

は呈色液 のpHを4.0~4.2に 保ち,還 元力の強い アス

コル ビン酸を用 いてPiよ り得 られ る リンモ リブデン酸

を還元 し,か つ その間 になお加水分解 して生ず るPiを

補正す るため経時間に呈 色の強 さを測定 し,こ れ らの測

定値 を零 時間に外挿 して"真 のPi値"を 求 める方法を

提 出 したのである.こ の方法 は還元剤試薬(ア ス コル ビ

第3表 い くつ か の リン酸 定 量 法 の感 度 の比 較(Hurst,1964)

Vol. 3, No. 1 (45) 45

Page 8: リン酸の比色定量法 I. 中 村 道 徳 - J-STAGE

ン酸)が 不安定であ り,操 作が繁雑で あるか ら,ル ーチ

ンの定量法 としては使いに くいが,酸 に非常に不安定な

リン酸化合物が存在す る試料 の"真 のPi値"を 測定す

る方法 としては,後 述IIIの有機溶媒抽出法 とともに広 く

用 い られ てい る.

Potter(1947)お よびPotter,Siekevitz & Simonson

(1953)はLowry-Lopez法 のモ リブデン酸 アン モニ ウ

ム濃度 を1/2に して リン酸化合物の酸加水分解速度を さ

らに減少 させ(モ リブデン酸 は リン酸化合物 の酸加水分

解速度を接触的に増大 させ る),ま たpHを4.0~4.2に

保つ ため試薬 の調製法 を多少改変 している.Bruemmer

& O'Dell(1956)お よびPeel & Loughman(1957)は

Lowry-Lopez法 を吟味 し,組 織抽出液中に存在す るグ

ル タチオンや システインお よびEDTAが 呈色速度をお

く らせ るが,少 量 のCu++を 呈色液 に加 える と これら

SH-化 合物 などに よる呈色阻害を克服 し うることを見い

だ した.Mokrasch(1961)は,水 の大部分 を ジ メチル

フ ォルムア ミ ドで置換 して酸に不安定 な リン酸化合物 の

加水分解 をほ とん ど抑制 したと ころで,ア ス コル ビン酸

とCu++に よりPiを 呈色 させ る方法 を提 出してい る.

この方法 では,Piの 呈色強度はLowry-Lopez法 の約

4倍 大 である といわれ ている.

9.そ の 他

Dryer,Tammes & Routh(1956)は2,4-ジ ア ミノ

ビ フ ェニ ル(ジ フ ェニ リ ン)を,ま たDryer,Tammes

& Routh(1957)はN-フ ェ ニル-p-フ ェ ニ レ ンジ ア ミン

(p-セ ミジ ン)を 還 元 剤 とし て 用 い て い る.こ れ ら色 素

の 酸 化 生 産 物 は青 色 を呈 す る の で,モ リブ デ ン青 の青 色

と相 ま って呈 色 強 度 が 大 に な り,微 量 定 量 法 と し て用 い

ら れ る と述 べ られ て い る(Fiske-Subbarow法 の約3倍).

(な か む ら ・み ち の り)

文 献

Allen, R. J. L. (1940). Biochem. J., 34, 858. Ammon, R. & Hinsberg, K. (1936). Z. physiol. Chem.,

239, 209. Bacco, G. D. (1954). Boll. chim. ferm., 93, 43 [C. A., 48,

8121a (1954)]. Bartlett, G. R. (1959). J. Biol. Chem., 234, 466. Bell, R. D. & Doisy, E. A. (1920). J. Biol. Chem., 44, 55. Benedict, S. R. & Thesis, R. C. (1924). J. Biol. Chem.,

61, 63. Bodansky, A. (1932). J. Biol. Chem., 99, 197.

Boltz, D. F. & Mellon, N. G. (1947). Ind. Eng. Chem., Anal. ed., 19, 873.

Briggs, A. P. (1922). J. Biol. Chem., 53, 13.

Bruemmer, J. H. & O'Dell, B. L. (1956). J. Biol. Chem.,

219, 283. Deniges, G. (1927). Compt. rend. Acad. Sci., 184, 330.

Dickman, S. R. & Bray, R. H. (1940). Ind. Eng. Chem., Anal. ed., 12, 665.

Dryer, R. L., Tammes, A. R. & Routh, J. I. (1956). Fed.

Proc., 15, 244. Dryer, R. L., Tammes, A. R. & Routh, J. I. (1957). J.

Biol. Chem., 225, 177.

Eggleton, G. P. & Eggleton, P. (1929). J. Physiol., 68,193. Fiske, C. H. & Subbarow, Y. (1925). J. Biol. Chem., 66, 375. Furchgott, R. F. & de Gubareff, T. (1956). J. Biol. Chem.,

223, 377.

古 川,種 田,中 村,春 日,吉 川(1952).生 化 学,24,76,

Gomori, G. (1942). J. Lab. Clin. Med., 27, 955.

Horwitt, B. N. (1952). J. Biol. Chem., 199, 537. Hurst, R. O. (1964). Can. J. Biochem., 42, 287.

池 田(1951).日 化,72,23.

King, E. J. (1932). Biochem. J., 26, 292.

Kuby, S. A., Noda, L. & Lardy, H. A. (1954). J. Biol. Chem., 209, 191.

Kuttner, T. & Cohen, H. R. (1927). J. Biol. Chem., 75, 517. Kuttner, T. & Lichtenstein, L. (1930). J. Biol. Chem.,

86, 671. Leiboff, S. L. (1931). J. Lab. Clin. Med., 16, 495.

Lindberg, O. & Ernster, L. (1954). Methods of Bioche- mical Analysis, 3, 1.

Lohmann, K. & Jendrassik, L. (1926). Biochem. Z., 178, 419.

Lowry, O. H. & Lopez, J. A. (1946). J. Biol. Chem., 162, 421.

Martland, M. & Robison, R. (1926). Biochem. J., 20, 847.

三 橋,中 西(1953).医 学 と生 物 学,27,16.

Mokrasch, L. C. (1961). Anal. Chem., 33, 432.

森,中 村(1959).Bull.Agr.Chem.Soc.Japan,23,272.

Muller, E. (1935). Z. physiol. Chem., 237, 35. Nakamura, G. R. (1952). Anal. Chem., 24, 1372.

中 村(1950)(1951).農 化,24,1;24,197.

中 村,森((958).Nature,182,1441.

Osmond, F. (1887). Bull. soc. Chim. Paris, 47, 745.

Peel, J. L. & Loughman, B.C. (1957). Biochem. J., 65, 709.

Potter, V. R. (1947). J. Biol. Chem., 169, 17. Potter, V. R., Siekevitz, P. & Simonson, H. C. (1953). J.

Biol. Chem., 205, 893.

Reis, J. L. (1951). Biochem. J., 48, 548.

Rockstein, M. & Herron, P. W. (1951). Anal. Chem., 23, 1500.

Shinowara, G. Y., Jones, L. M. & Reinhart, H. L. (1942).

J. Biol. Chem., 142, 921. Sumner, J. B. (1944). Science, 100, 413.

高 橋(1953).医 学 と生 物 学,26,235.

Taussky, H. H., Shorr, E. & Kurzmann, G. (1953). J. Biol. Chem., 202, 675.

Taylor, A. E. & Miller, C. W. (1914). J. Biol. Chem., 18, 215.

Teorell, T. (1931).. Biochem. Z., 230, 1. Tisdall, F. F. (1922). J. Biol. Chem., 50, 329.

Whelan, W. J. & Bailey, J. M. (1954). Biochem.J., 58, 560. Woods, J. T. & Mellon, M. G. (1941). Ind. Eng. Chem.,

Anal, ed., 13, 760.

吉川,高 橋(編)(1958).燐 酸代謝実験法I,pp.1-40(広 川

書店).

Youngburg, G. E, & Youngburg, M. V. (1930), J. Lab.

Clin. Med., 16, 158. Zimmermann, M. (1950). Angew. Chem., 62 A, 291.

46 (46) 化 学 と 生 物