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取引先品質マニュアル 【第 11 版】 改訂日:2016 年 06 月 30 日 マーレエレクトリックドライブズジャパン株式会社(MEDJ) 調達部 品質保証部

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取引先品質マニュアル

【第 11 版】 改訂日:2016年 06 月 30 日

マーレエレクトリックドライブズジャパン株式会社(MEDJ)

調 達 部

品質保証部

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はじめに ページ

1.品質に関する基本的な考え方 ・・・ 4

1.1 MEDJ の品質方針と取引先への要求 ・・・ 4

1.2 品質マネジメントシステムの国際規格への適合要求 ・・・ 4

1.3 受入時の検証 ・・・ 4

1.4 品質監査 ・・・ 4

1.5 品質不具合情報のフィードバッグ ・・・ 4

品質保証上の基本的要求事項および運用手順

1.品質管理システムの構築 ・・・ 5

1.1 一般要求事項 ・・・ 5

1.2 文書化に関する要求事項 ・・・ 5

1) 文書の管理 ・・・ 5

2) 記録の管理 ・・・ 5

1.3 当社より発行される文書と管理 ・・・ 5

2.取引先(供給者)の責任 ・・・ 6

2.1 経営者の役割 ・・・ 6

2.2 顧客要求事項の重視 ・・・ 6

2.3 品質方針の策定と実施 ・・・ 6

2.4 品質管理システムの取り組み ・・・ 6

2.5 組織の中での責任、権限及びコミュニケーション ・・・ 6

2.6 品質管理システムのレビュー(評価と是正・予防) ・・・ 6

3.資源(設備・要員・施設など)の運用管理 ・・・ 6

3.1 資源(設備・要員・施設など)の提供 ・・・ 6

3.2 人的(要員)資源の管理 ・・・ 6

3.3 生産体制(インフラ)の整備 ・・・ 6

3.4 作業環境 ・・・ 6

4.受注から納入までの進め方(製品実現) ・・・ 7

4.1 製品実現の計画 ・・・ 7

4.2 顧客関連(当社からの要求事項と手続き等)のプロセス ・・・ 7

1) 品質管理システム要求事項 ・・・ 7

2) 当社の要求事項 ・・・ 7

3) 品質保証に関する事務手続き ・・・ 7

4) 主な提出書類 ・・・ 8

4.3 設計・開発(部品及び工程の設計・開発) ・・・ 8

1) 部品設計責任 ・・・ 8

2) 部品設計変更に対する管理 ・・・ 8

3) 変更点管理 ・・・ 8

4) 初期流動管理 ・・・ 8

5) 標準類の整備 ・・・ 9

6) 生産部品承認プロセス(PPAP) ・・・ 9

4.4 購買品の管理 ・・・ 9

4.4.1 取引先が行なう購買品の管理(二次メーカ・三次メーカの管理) ・・・ 9

4.4.2 受入検査 ・・・10

1) 初物の受入検査 ・・・10

2) 量産品の通常納入 ・・・10

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4.5 製造上の管理 ・・・12

1) 製造工程の管理 ・・・12

2) 検査・試験の状態(識別管理) ・・・12

3) 識別及びトレーサビリティ ・・・13

4) 当社所有物の管理 ・・・13

5) 部品の保管・保存 ・・・13

4.6 監視機器及び測定機器の管理 ・・・13

1) 当社より貸与した計測機器 ・・・13

2) 取引先の計測機器 ・・・13

5.測定、分析及び改善 ・・・14

5.1 一般事項 ・・・14

1) 統計的手法の活用 ・・・14

5.2 監視及び測定 ・・・14

5.2.1 品質監査 ・・・14

1) 内部監査(自主監査) ・・・14

2) 当社による品質監査 ・・・14

3) 取引先の品質評価 ・・・14

5.2.2 検査・試験の実施 ・・・14

5.2.3 初物管理 ・・・14

1) 初物検査成績書 ・・・14

2) 材料証明書 ・・・14

3) 初物エフ ・・・14

4) 識別表示 ・・・15

5) 量産試作図(S図) ・・・15

5.2.4 納入品の品質評価 ・・・15

1) 取引先グループ区分 ・・・15

2) ppm評価方式(不良個数率) ・・・15

3) 評価点方式(減点法) ・・・15

5.2.5 信頼性の確保 ・・・16

5.3 不適合製品(不良品)の管理 ・・・16

1) 異常処置の手順 ・・・16

2) 不適合品の識別 ・・・16

3) 特別採用の手続き ・・・16

4) 乙返品・不適合品の返却 ・・・16

5.4 データの分析(取引先の品質評価の活用) ・・・16

5.5 改善 ・・・16

1) 継続的改善 ・・・16

2) 是正処置及び予防処置 ・・・16

6.個別の運用手順 ・・・17

7.関連するコアツール ・・・18

8.主管者と実施日 ・・・18

9.付則(調達部) ・・・18

●「ISO9001:2015」または「ISO/TS16949:2009」を認証登録した取引先は、その品質管理システムを基本に、

この「取引先品質マニュアル」を遵守してください。

●「ISO9001:2015」を認証登録しない取引先は、この「取引先品質マニュアル」に基づき運用管理してください。

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はじめに

1.品質に関する基本的な考え方

1.1 MEDJ の品質方針と取引先への要求

現在の社会環境に対応する為に、弊社は経営理念である 「品質第一」 を基本とし、「常に顧客の立場に立ち、

顧客に喜ばれ信頼される製品を作ろう」 をスローガンに、顧客の要求事項、及び法令・規制要求事項を満たす製

品実現のため、ISO9001:2015 及び ISO/TS16949:2009 の規格に則り、企画・開発から生産準備・生産・納入までの

各段階にわたり、一貫した品質保証業務の展開に努めています。

1.顧客のニーズと期待を先取りした新製品の開発・提案を行う。

2.設計・開発から製造に到るすべての段階で、「品質の作りこみ」を行う。

3.顧客の評価、及び活動の成果を測定分析し、製品・プロセスの継続的改善を行う。

弊社の製品である電装品・モータ・発電機は顧客の製品に組み込まれ使用されます。重要保安部品の扱いの

製品もあり、その構成部品の多くは取引先から納入されます。これら個々の部品は、弊社製品の機能に極めて

重要な役割を占めています。従って、取引先からの納入品は100%良品が前提となります。

製品責任予防 (Product Liability Prevention) の見地からも、今後益々充実した品質保証体制の構築が必須と

なってきています。 従って、取引先におかれましても、弊社の品質方針をご理解頂き 「弊社の要求品質を完全

に保証した製品を納入できる社内体制を構築し、維持する」ための自主的な活動を推進されますよう要求します。

弊社製品の不具合はユーザの人命や災害の発生に繋がる可能性を有し、顧客より不良ゼロ、100%良品

かつ安定した品質を要求されています。弊社製品が100%良品、かつ安定した品質を作りこみ、高い信頼性と

安全性を確保するために、取引先からの納入品は100%良品、かつ安定した品質であることが前提となります。

1.2 品質マネジメントシステムの国際規格への適合要求

弊社の品質マネジメントシステムは、国際規格である ISO/TS16949:2009 に合致したものとなっており、

「取引先品質マニュアル」は、この規格の基本要求事項に基づくものとなっています。また ISO/TS16949:2009 の

規定内容は ISO9001:2015 を包含しています。

1) ISO/TS16949:2009 の対象製品を納入いただく取引先への要求事項

ISO/TS16949:2009 の適合を到達目標として、ISO9001:2015 の認証登録を取得してください。認証登録

しない場合でも、ISO/TS16949:2009 に適合する仕組みを構築することが、最低限の要求事項となります。

また、これを証明するための定期維持監査として取引先の品質保証責任者による自主監査を少なくとも

1回/年、必ず実施し、弊社に報告してください。自主監査の要請は、弊社の調達部より取引先へ通知

いたします。

2) ISO9001:2015 の対象製品を納入いただく取引先への要求事項

ISO9001:2015 の認証登録を取得することを強く要求します。また認証登録しない場合でも、ISO9001:2015

に適合する仕組みを構築することが最低限の要求事項となります。また、これを証明するための定期維持

監査として取引先の品質保証責任者による自主監査を少なくとも1回/年、実施し、弊社に報告して下さい

自主監査の要請は、弊社の調達部より主要な取引先へ通知いたします。

1.3 受入時の検証

取引先から弊社への納入品は100%良品が前提ですが、購買品が規定要求事項に適合していることを検査ま

たは検証し、製造工程へ要求事項に適合した購買品を供給する目的で受入検査を実施しています。

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1.4 品質監査

(新規取引先の工場認定・継続取引先の QC パトロール、新規重要保安部品の監査)

取引の開始時又、不具合発生時など必要に応じて、当社または当社顧客の要請により、取引先の品質保証体制、

個々の納入品、並びにその製造工程の品質管理状態の確認のため、取引先と弊社の信頼関係の基に 品質監査

を実施します。この監査結果に不具合があれば、指導・指摘しますので、速やかな改善を要求します。

1.5 品質不具合情報のフィードバッグ

弊社への納入品に不具合が発生した時は、その都度、取引先に通知しますので速やかに処置を行い、再発防

止策・水平展開・予防処置等の改善を実施し、以降の品質保証体制の向上に反映される様、要求します。

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品質保証上の基本的要求事項および運用手順

1.品質管理システムの構築

1.1 一般要求事項

取引先は、当社に納入する購買製品の品質保証を確実にするために品質管理システムを確立した上で、文書

化し、実施、維持してください。又、その品質管理システムの有効性を掌握し、継続的に改善してください。なお、

「ISO9001:2015」または「ISO/TS16949:2009」を認証登録した取引先は、その品質管理システムを基本に、この「取

引先品質マニュアル」を遵守してください。また、「ISO9001:2015」を認証登録しない取引先は、この「取引先品質マ

ニュアル」に基づき、運用管理してください。

1.2 文書化に関する要求事項

1) 文書の管理

①取引先は、文書に関する手順を定め、維持すること。適用図面・仕様書・本取引先品質マニュアル等の最新版

が容易に使用できる様に管理すること。

②文書の変更は、該当箇所が、関係者に確実に伝達され、実施されていることを確認できる様な管理すること。

2) 記録の管理

①取引先は、要求事項に対する適合性、及び運用を実証するために記録を管理する手順を定め、維持すること。

記録は読み易く、識別され、容易に取り出せる様に保管のこと。

②取引先は、製造の管理記録、検査・試験結果の記録、ロット管理記録、計測機器の精度管理 記録、社内監

査記録、二次取引先の監査・指導記録、不具合対策記録等を管理し、品質及び品質保証体制の維持・向上す

る様に管理すること。

③取引先は、記録の保管期間を定め、維持すること。尚、部品に直接関わる製造、検査・試験、ロット管理、計測

機器の校正、不具合対策等の記録の保管期間は、15年のこと。

④取引先は、当社が記録の提出を要求した場合、速やかにその指示に従うこと。

1.3 当社より発行される文書と管理

当社から発行される品質に関連する文書は次の通りですが、1.2 項 1)文書の管理で運用管理すること。

表1.文書一覧表

分類 文 書 発 行 授受管理など

マニュアル 取引先品質マニュアル 新規取引時および改訂時

当社→取引先 取引先品質マニュアル受領書

図面等

新規図面 当社→取引先 図面等送付案内書兼受領書

設計変更図面 当社→取引先 図面等送付案内書兼受領書

修正仕様書・指示票 当社→取引先 図面等送付案内書兼受領書

技術規格

KPS(製造規格) 必要時 当社→取引先 図面等送付案内書兼受領書

KQS(品質規格) 必要時 当社→取引先 図面等送付案内書兼受領書

KDS(設計規格) 必要時 当社→取引先 図面等送付案内書兼受領書

基準書

検査基準書A;当社作成 必要時 当社→取引先 文書発行リスト

検査基準書B;取引先作成 取引先→当社(承認)→取引先 文書発行リスト

検査指示書 必要時 当社→取引先 文書発行リスト

取引先品質マニュアルについては下記URL からダウンロードできます。

パスワードが必要なため、当社調達担当者までお問い合わせください。

URL:http://www.kokusandenki.co.jp/edi/

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2.取引先(供給者)の責任

2.1 経営者の役割

取引先は、当社に納入する部品の全数が、当社の要求仕様に合致する品質であることを保証する責任を有しま

す。このため取引先の品質保証責任者は、2.2~2.6 の各項目を満足した品質管理システムを確立し、実行並びに

その有効性を検証し継続的に改善すること。

2.2 顧客要求事項の重視

取引先は、当社の要求事項を満たすことを確実にすること。試作段階から十分な品質の作り込みの手順と基準

を定め、実行すること。試作段階の結果を量産に反映し、100%良品を保証できる工程の品質管理体制を確立し、

維持すること。

2.3 品質方針の計画と実施

取引先は、品質に関する基本方針を定め、これによる品質目標を設定し、社内に展開し、これを達成する為の

活動を実施し、記録すること。尚、当社では取引先業種ごとに品質目標値を設定しています。これは当社の調達部

門に掲示していますので、確認ください。

2.4 品質管理システムの取り組み

取引先は ISO9001:2015 の認証を取得し、要求事項を満足する品質管理システムを確立の上、システムを展開

すること。また、認証登録しない場合でも、ISO9001:2015 に適合する仕組みを構築することが、最低限の要求で

す。

2.5 組織の中での責任、権限及びコミュニケーション

取引先は組織の中で、品質に影響する業務を管理、実行、検証する人々の責任、権限を明確にし、品質保証の

責任者を選任し、当社の調達部門に提出すること。関連文書は表6による。また、取引先は品質管理システムの有

効性に関する情報交換が適切に行なわれることを確実にすること。そのための品質情報等を開示・掲示し、組織の

中で周知徹底のこと。

2.6 品質管理システムのレビュー(評価と是正・予防)

取引先は、品質方針、品質目標の達成状況を定期的に見直し・検証して、品質管理システムが 有効に展開さ

れ、継続的に改善できていることを評価すること。又、当社が必要と判断した取引先には、取引先トラブルゼロ品質

改革会議、品質報告会などに出席をお願いすることがあります。その際は出席をお願いします。

3.資源(設備・要員・施設など)の運用管理

3.1 資源(設備・要員・施設など)の提供

取引先は、2.1~2.6 項に必要な資源を明確にし、3.2~3.4 項の資源が使用できる様にすること。

3.2 人的(要員)資源の管理

取引先は、管理者、スタッフ、及び工程作業者に必要な力量とその力量を習熟するための、教育・訓練を実施し、

教育効果の確認、履歴及び経験を基に資格を認定し、維持管理すること。

3.3 生産体制(インフラ)の整備

取引先は、当社の要求事項に適合した部品の生産に必要な建物、作業場所、ユーティリティ、設備及び輸送・通

信などの支援業務を整備・維持すること。設備には当社から貸与した検査装置(ゲージ含む)・製造設備、金型・治

具を含む。

3.4 作業環境

取引先は、当社の要求事項に適合した部品の生産に必要な作業環境(室温、湿度、照度、塵埃など)を整えると

共に、従業員の安全・5S・3定を確保し、維持すること。

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4.受注から納入までの進め方(製品実現)

4.1 製品実現の計画

取引先は、当社の部品の受注から納入するまでの、それぞれに必要なプロセスを明確にし、必要な標準類の準

備を含め、システムを構築すること。

①製品に対する品質目標及び要求事項

②製品に特有なプロセスおよび資源の提供・文書の確立

③製品の検証、妥当性確認、監視、検査・試験方法と判定基準

④製品実現のプロセス及びその結果として要求事項を満たしていることの実証と記録

4.2 顧客関連(当社からの要求事項と手続き)のプロセス

1) 品質管理システム要求事項

当社はこの取引先品質マニュアルに基づく品質システムを要求しますので、内容を確認の上、要求事項を満

足する品質管理システムを構築し、実施すること。要求事項の内、その内容で該当しない場合は、当社の調達部

門と調整すること。

2) 当社の要求事項

取引先は、当社が発注する部品に対する要求仕様を確認すること。

①重要な特性に関わる要求仕様は、当社の調達部門と事前に協議・調整すること。

②取引先は、日本並びに世界の各国、地域の法規により仕様が禁止或いは制限されている物質の使用及び当

社へ納入する部品に含まれていないことを確認し、維持すること。又、安全衛生環境に関する法律及び、規制

を遵守すること。不明な場合は、当社の調達部門に確認すること。

③環境適合を図るため納入部品の成分調査を「NEC Pro Chemist/AS」を通してお願いすることがあります。

その際は依頼日から5日以内に回答すること。

NEC Pro Chemist/AS とは、RoHS,REACH等、製品内含有化学物質規制への対応として、

取引先(サプライヤ)に納入品内の含有化学物質情報の入力をするシステムです。

別途、入力をお願いします取引先は、ご協力をお願いします。

3) 品質保証に関する事務手続き

取引先は、新規取引開始前の事務手続きと取引開始以降の新規品・設計変更品の生産、工程変更、異常発生

等の事項が生じた場合、この取引先品質マニュアルに基づき事務手続きを実施すること。事務手続きの詳細は、

4)主な提出書類(抜粋)により実施してください。関連文書は表6による。不明な場合は、必ず当社の調達部門又

は品質保証部門に確認すること。

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4) 主な提出書類

表2.主な提出書類一覧表

主な提出書類

(抜粋)

新規取引先 継続取引先 調

備 考 取引

開始前

取引

決定後

取引

開始後

定期・

変更時

新規

発注時

取引先調査表・財務諸表 ○ ○ ○ 1 回/年

取引先品質管理調査書 ○ ○ ○ 1 回/年

品質保証責任者等届 ○ ○ ○ 変更の都度

基本契約書 ○ ○

取引先開設関係書類 ○ ○

納入(購買)仕様書 ○ ○ ○

梱包仕様書 ○ ○ ○

QC工程表 ○ ○ ○ 重要保安部品、生

産部品承認プロセ

ス(PPAP)、また

は品証部が要請

外注部品一覧表 ○ ○ ○

検査測定具管理校正方法 ○ ○ ○

検査基準書 ○ ○ ○

4.3 設計・開発(部品及び工程の設計・開発)

1) 部品設計責任

当社に納入する部品の設計責任を持つ取引先は、提示された購買仕様書、納入仕様図等に記載されている

仕様(特性)に対し、それを満足するための記録を保管し、当社より提出要請した場合は、提示すること。

2) 部品設計変更に対する管理

①取引先は、当社の図面(図面に準じる指示書等を含む)に記載された仕様の変更が行われた場合、関連する

標準類(項目、4.3 5)項)の修正を確実に行い、量産品質を確保すること。

②設計変更品の納品に当たっては 5.2.3 項の初物管理を実施すること。

③当社の図面の図示に対し、変更を申請する場合は、「設計変更要望票」に必要事項を記載し、当社調達部門

に必ず提出すること。

④当社から初期流動管理を要求することがあります。その際は対応のこと。

3) 変更点管理

①取引先は、納入部品の工程変更を行う場合、当社へ原則6ヶ月前に変更申請書を提出し、当社顧客承認要否

を含め、関連部門の審査・承認を得た上で、十分な品質確認を実施し、QC工程表、作業指示書等の標準類

についての必要な変更を確実に実施すること。関連文書は、表6による。

②変更品に関して検討の結果、暫定的に「仮承認」で変更を実施する場合があります。最終判定は品質保証部

門がおこないます。

③承認可否の判定前に、変更された購買製品を当社に納入しないこと。

④工程変更品の生産開始に当たっては、5.2.3項の初物管理を実施し、検査成績書、初物エフを添付し、指定場

所に納品し、当社の初物検査を受けること。

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【変更点の定義】

① 加工・作業条件・方法の変更

② 工程系列の変更

③ 設備の変更

④ 治工具の変更

⑤ 金型の変更

⑥ 試験装置・検査方法の変更

⑦ 材料メーカ・購入先の変更

⑧ 製造場所の変更

⑨ 梱包方法の変更

⑩ 取引先の外注先の変更及び外注先での①~⑧項の変更

4) 初期流動管理

当社から初期流動管理を要求した場合、当社規定にて実施しますので、ご協力ください。初期流動管理は、

当社の設計部門が管理項目を取り纏め、調達部門を通じ、取引先へ指示します。

①取引先は新規受注部品、設計変更部品・工程変更部品の生産準備段階において、品質管理標準類の早期

整備を目的に、初期流動管理を計画・実施して、量産品質の確保と工程の早期安定化を図ること。

②取引先は、当社の要求する書類を提出すること。当社が生産部品承認手続き(PPAP)を必要とする場合は、

別途依頼します。

5) 標準類の整備

①取引先は、部品の要求仕様に基づき、初品流動段階で量産開始前までにQC工程表、検査指示書、作業指

示書、検査モデル、限度見本、その他の標準類を作成し、これを維持すること。当社の図面に重要記号 (重

保)、(CP)が記載された場合は、各標準類に重要記号を記入すること。

②取引先が作成した検査基準書等の標準類は、当社が要求した場合は速やかに提出すること。

6) 生産部品承認プロセス(PPAP)

取引先は、当社が生産部品承認プロセスを要求する部品に対し、その要求事項に基づく活動を実施すること。

また、当社が要求した場合、関係する標準類を提出すること。

4.4 購買品の管理

4.4.1 取引先が行なう購買品の管理(弊社から見て二次メーカ・三次メーカの管理)

1) 取引先が、当社への納入製品の製造または加工を第三者に委託する場合、若しくは材料、部品を購入する

場合には、サプライヤチェーン(会社名、所在地など)に関する事項について明確にすること。また、取引先の

責任において品質を全数保証すること。

2) 委託先、購入先の選定にあたっては実態調査を行い、技術水準、品質管理状況、生産能力を充分審査した

上で選定し、その結果を記録・管理すること。

3) 取引先は委託先、購入先の生産工程・検査等の品質保証体制を監査すること。監査により、品質保証体制の

レベルを把握し、必要に応じて指導を行うこと。

4) 取引先は製品の受入検査を行い、品質保証を行うと共に記録を残し、当社が取引先に要求している事項を、

委託先・購入先へ確実に伝達し、実施させること。本取引先品質マニュアルの要求事項を含む。

5) 原則として重要保安部品、特別部品の製造及び、重要保安特性、特殊特性に該当する工程は第三者に委託

することはできません。やむを得ず第三者委託を行う場合には、その第三者及び委託部品工程を当社によっ

て認定することが必要です。

6) 委託先の変更及び委託先の工程変更については、原則6ヶ月前に当社の調達部門に届出、承認を得た後に

実施すること。

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7) 取引先は、部品及びその製造工程において、使用される全ての物質、毒性物質、危険物質について関係す

る法令・規制に適合していることを保証すること。

8) 特殊特性として、電気及び電磁気の規制対応が必要である場合は、図面若しくは仕様の指示に基づいて行う

こと。(電波障害など)

4.4.2 受入検査

1) 初物の受入検査

① 初物検査品については、当社の品質保証部門が受入検査を実施します。

② 初物検査成績書は、提検する現品に添付し、指定場所に納入すること。

【初物の定義】

①量産品の初回納入ロット

②変更時の初回納入ロット

③トラブル後の初ロット

④一時中断品(間欠生産で休止期間6ヶ月以上のものの生産再開)

注1) 量産図および量産試作図に適用します。

量産図および量産試作図とは、管理区分「A*」、「B*」、「C*」が対象となります。

管理区分は納品書兼検査票および注文書でご確認ください。

注2)新製品・新部品・一時中断品の「納品書兼検査票・納品荷札」には、

「初物検査要す」または「N」が表示されます。

2) 量産品の通常納入

①初物受入検査の合格後、当社の品質保証部門が量産後の受入方式を設定します。

②設定した受入方式は、「納品書兼検査票・納品荷札」に表示します。取引先は表示記号により、受入方式に

従って指定場所に納入すること。

③納入品の受入方式は、表3による。

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表3.当社の受入検査方式

類 受入方式

管理

コード 受入方式の内容

1 試作受入品 S 試作品に使用する購買品を受入処理するもの(X図面)

当該品の発注部門が受入処理します。

2 初物受入 N 初物項目および変更項目を受入検査するもの。

取引先で初物検査を実施し、納入時に検査成績書を添付して下さい。

原則、図面の全寸法・性能・外観検査の検査成績書および材料証明書

を添付して下さい。

重要保安部品 H 量産後、継続購買品で当社で受入検査を実施し、なおかつロット番号を

記録管理するもの。取引先と重要保安部品(検査基準書)の取り交しを

必須とし、取引先で出荷検査・ロット管理を実施いただき、納入時に検査

成績書を添付して下さい。

定常受入部品 A 量産後、継続購買品で当社にて受入検査を実施するもの。

取引先と定常検査(検査基準書)の取り交しを原則とし、取引先で出荷

検査を実施いただき、納入時に検査成績書を添付して下さい。(ただし

顧客支給品・中継販売品は検査基準書の取り交しは原則不要とします)

P サービスパーツ

量産後、継続購買品で当社にて受入検査を実施するもの。

取引先と定常検査(検査基準書)の取り交しは不要ですが、取引先で出

荷検査を実施して下さい。

4 委託受入部品 L 量産後、継続購買品で品質が安定し管理されていると承認し、取引先と

委託検査(検査基準書)を取り交し、取引先に出荷検査を実施いただ

き、納入時に検査成績書を添付して下さい。

その検査成績書を検証し、当社は検査判定します。

5 委託検査部品 無表示 専門取引先による一般標準品で、品質が安定され、保証されていると承

認されたもの。(保証購入部品)

当社の受入検査は省略し、取引先に出荷検査を委託します。取引先の

社内で検査項目を設定し、検査・記録後、出荷して下さい。

6 預託検査部品 無表示 専門取引先による一般標準品で、品質が安定し管理され、保証されて

いると承認し、預託契約を締結し、預託倉庫に預託するもの。(保証購入

部品)

当社の受入検査は省略し、取引先に出荷検査を委託します。取引先の

社内で検査項目を設定し、検査・記録後、出荷して下さい。

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正 副

注意事項

重保

重保工程名

作業者名

重保工程

4.5 製造上の管理

1) 製造工程の管理

①取引先は、作業指示書等の標準類を作成し、それを遵守し、100%良品を生産する安定した工程を維持する

こと。

②作業者には、十分な教育・訓練を行い、作業者の能力を把握し、配置すること。日常作業者の入れ替え時にも

必ず実施すること。

③製造品質を保証する為に必要な設備・機器・治工具等は、日常点検の基準を定め、確実に実施し結果や是正

処置等の記録を残すこと。又、ポカヨケ装置、チェック用の見本を作成し、チェック基準に基づき、機能の維持

と管理を徹底すること。

④当社が指定した重要保安特性、品質特性の工程能力を常に把握し、明確にすること。工程能力が不足の場合

は改善すること。改善できるまでは、原則として全数検査を実施すること。又、必要に応じ、統計的管理手法を

活用して適正な品質を維持すること。

【工程能力の評価基準】

図面に指示された(重保)項目および(CP)項目 Cpk=1.67以上

その他の項目 Cpk=1.33以上

測定サンプル数は、30個以上とする。

⑤品質チェックは、頻度、方法を定め、決められた通り行い、記録を残すこと。

⑥生産の流れを分かり易くし、5Sを実施し、工程内の仕掛品は、図番、品名、ロットや未加工品、加工完了品の

置場を明確に表示、「見える化」すること。

⑦不適合品の流出を防止する為に、表示(標示)(例:検査前、検査済合格品、不良品、手直し品等)、識別、区分

を、必ず行うこと。

⑧取引先は重要保安部品を生産する場合、当社の要求事項を遵守、実施すること。当社の発行する図面又は

指示により、重要保安工程、特殊特性をQC工程表で明確にし、作業指示書、検査基準書などの標準類を作

成すること。また、重要保安工程の標識は、原則 取引先のルールにより実施すること。

【参考】右図は、当社の重保工程の表示板

①色:「黄色字」、「黒文字」

②サイズ:A4横

図1.重保工程の表示例

2) 検査・試験の状態(識別管理)

検査工程では、未検査品及び合格品、不適合品(選別、手直し、廃棄等)に識別し、明確に表示して隔離し、不

適合品及び未検査品の流出を、必ず防止すること。

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3) 識別及びトレーサビリティ

①原則として、取引先は原材料受入から製造、出荷に至る全工程において部品の混入、誤部品の使用を防止

する為、個々の部品又はロットに識別を行うこと。

②原則として、取引先は原材料について入出庫を管理台帳又は同等の機能を有する記録類で管理すると共に

ロットのチャージ管理、識別、置場管理及び在庫管理等を行い、異材の混入を防止すること。

③原則として、取引先は当社の部品等に使用される原材料、素材、部品、及び加工・組立の工程に対し、ロット

管理を行い、先入れ先出しを徹底すること。又、ロット管理の記録を保管すること。更に部品に使用された原材

料、素材、及び工程が追跡できるトレーサビリティを確立すること。

4) 当社所有物の管理

①当社から支給又は貸与する部品、原材料及び治工具、装置等(知的所有権を含む)について、取引先は、それ

らを識別、検証し、確実に保管、維持管理すること。

②当社資産の金型・装置・治具等は精度維持や変更点(改修、更新等)の管理を確実にするため、管理台帳で維

持・管理すると共に、棚卸を定期的に実施すること。頻度:一回/期(6ヵ月)弊社の期とは、上期4月~9月、下

期10月~3月。

③取引先は当社からの支給品を管理台帳等で受取日、品名、数量など、必要事項を記録し、受払い管理を実施

すること。

④支給品又は貸与品の紛失、損傷又は使用に適さないものが発見された場合は、記録を維持し、生産を中断し、

中断品に識別表示した上で、直ちに当社の調達部門に連絡すること。

5) 部品の保管・保存

①取引先は、原材料受入から製造、出荷に至る全工程にわたり、取扱い、保管、包装、保存及び引渡しの手順

を定め、確実に実施すること。

②取引先は、納入部品について当社の要求仕様に基づき防錆処理・処置を行うこと。

③取引先は、現品票等により品名、図番等を表示して異品混入を防止すると共に、部品の損傷、塵埃、付着、品

質劣化、性能低下等をきたさない様、保管、梱包及び輸送を行うこと。出荷は先入れ先出しを遵守すること。

尚、保管品、保存品は期間が長期になる場合等、品質への影響を未然防止できる処理手順を定め、定期的に

評価し、劣化なき事を確認すると共に出荷前に再検査を実施し納品すること。

④取引先は、量産前までに当該納入部品の荷姿を設定し、当社の提出要求があった場合、届け出ること。なお、

当社の指示がある場合は、その指示に従うこと。

4.6 監視機器及び測定機器(以下計測機器という)の管理

1) 当社より貸与した計測機器

①当社より貸与した計測機器は、当社基準に基づき定められた期限で当社が校正を実施します。

②校正時期については、当社の品質保証部門より調達部門を通じて取引先へ連絡します。

③計測機器の取扱い、保存及び保管は、精度及び使用に適した状態を維持すること。

④紛失・破損した場合は、生産を中断し、中断品に識別表示した上で、直ちに当社の調達部門に連絡すること。

2)取引先の計測機器

①取引先は、検査、測定及び試験、監視に使用する計測機器について、管理対象計測機器を明確にして、管

理台帳を作成し、定期的に点検・校正を実施し、記録すること。

②計測機器は、必要な正確さと精密さを持つものを選定し、その精度を保証するための管理基準を作成して、

点検・校正を実施すること。この場合、国際標準又は国家標準とのトレーサビリティが出来る管理とすること。

③計測機器には有効期限が判る表示を実施すること。

④計測機器の取扱い、保存及び保管は、精度及び使用に適した状態を維持すること。

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5.測定、分析及び改善

5.1 一般事項

1) 統計的手法の活用

基本的統計概念(バラツキ、管理、工程能力等)を社員全員が理解し、工程の管理、是正処置の為の問題解決

等で必要に応じ、統計的手法(各種管理図、ヒストグラム等)を活用し、品質の維持と向上を推進すること。

5.2 監視及び測定

5.2.1 品質監査

1) 内部監査(自主監査)

取引先は、品質活動及びその結果が計画通りに実施されているか検証する為に手順を定め、内部監査を

計画し、実施すること。内部監査は、品質管理システム及び関連する工程に対して実施すること。また品質保

証責任者は、内部監査の結果を確認し、不備について是正処置をとること。同時に、不適切な内容の是正に

ついては水平展開と予防処置を実施すること。

2)当社による品質監査

当社は、取引先の品質管理システム及び工程監査を、定期的又は必要により随時行います。又、当社顧客

が監査される場合もあります。 取引先は、これらの監査に対応していただくと共に、当社から監査結果を「品

質監査報告書」等で、指摘事項と是正(原因・対策・水平展開)を要求しますので改善を実施すること。また是正

計画と是正した証は、必ず指定期間内に提出すること。関連文書は、表6による。

3)取引先の品質評価

当社は基準に基づいて品質評価を実施しています。

5.2.2 検査・試験の実施

1)取引先は、検査基準書を作成し、これに基づき検査・試験を行い、その記録を保管すること。当社から発行し

た検査基準書がある場合は、その基準書に基づき実施すること。特に指定された項目の記録(検査成績書等)

は、納入ロット毎 受入検査に提出すること。

2)二次取引先から部品を受け入れる場合は、受入検査又は検証を確実に実施すること。

3)取引先は検査員の能力(力量)を把握し、適任者を配置すること。また、能力の維持、向上に対して、計画的に

教育・訓練を実施すること。

5.2.3 初物管理

1) 初物検査成績書

① 「納品書兼検査票・納品荷札」に「初品検査要す」または「N」表示がされた初物については、取引先は初

物検査を実施し、「検査成績書」を添付し、指定場所に納品すること。検査成績書は、取引先の用紙の使用

を可とします。また、ISO/TS16949:2009 対象品で、生産部品承認プロセス(PPAP)として追加要求(QC工

程表、工程能力Ppk・Cpk、全寸法検査、レイアウト検査)を要請した場合は、初物納入時に「検査成績書」に

添付し納品すること。

②変更点管理品は、必ず初物検査を実施し、「検査成績書」を添付し、指定場所に納品すること。

2) 材料証明書

初物については、使用材料の「材料証明書」を検査成績書に必ず添付すること。材料証明書は、取引先ま

たは素材メーカの証明書を添付すること。

3) 初物エフ

初物品(4.4.2 項)および変更点(4.3 項)に定義したものは、必ず、初物エフを添付すること。必要事項を記載

し、必ず添付した上で納品してください。初物エフはロットで1枚以上添付し、添付しないものには、「初物品」

「変更品」などを、箱単位・パレテーナ単位で表示すること。初物エフは変更内容が製品の完成工程まで伝わ

る事が重要であり紛失なきよう配慮すること。(テープなどで固定。ホチキス禁止)。

前工程にて初物エフが添付されている場合、これを外さないこと。また初物エフに検査印がない場合は、こ

れを受領しないこと。

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4)識別表示

不良発生後の初ロット等、当社の調達部門・品質保証部門より識別表示の指示があった場合は、指定識別

表示を実施し、納品すること。

5)量産試作図(S図)

量産試作図(S図)は、「納品書兼検査票・納品荷札」に「N」または「初品検査要す」が表示されない場合があ

りますが、初回納入品は初物検査対象となりますので、5.2.3 項に従うこと。

5.2.4 納入品の品質評価

当社では、納入品に対して品質実績評価を実施しています。

1)取引先グループ区分

表4.取引先グループ一覧表

区分 取引先業種 購買品区分

Aグループ 素材・鋳物メーカ 外注品

Bグループ 切削加工メーカ 外注品

Cグループ プレス品メーカ 外注品

Dグループ 電工・組立メーカ 外注品

Eグループ 購買扱い外注メーカ(プラスチック成形・基板など) 外注品

Fグループ 一般購買メーカ(一般市販品・標準部品など) 購買品

2) ppm評価方式(不良個数率)

ppm評価=(顧客返品個数+乙返品個数)÷納入実績個数×106

3)評価点方式(減点法)

表5.減点一覧表

No. 項目 発生区分 処置内容 減点

① トラブル連絡・対策表

社内

受入検査

ラインストップ

ロットアウト

選別修正

一部返却

10点/件

5点/件

2点/件

1点/件

社内製造工程

ラインストップ

ロットアウト

選別修正

一部返却

15点/件

5点/件

3点/件

3点/件

顧客

顧客ライン

ラインストップ

ロットアウト

選別修正

一部返却

15点/件

5点/件

3点/件

3点/件

顧客ユーザ

ラインストップ

ロットアウト

選別修正

一部返却

ユーザ改修

15点/件

5点/件

3点/件

3点/件

15点/件

② 特別採用依頼書 取引先からの自己申告 1点/件

その他の申請 3点/件

③ トラブル連絡・対策表の回答遅延 0.1点/日

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5.2.5 信頼性の確保

購買仕様書等(納入仕様書・図面指示を含む)で信頼性について取り決められている場合、試験・検査を実施す

ること。尚、その試験・検査結果を当社から要求した場合、成績書等を提出すること。

5.3 不適合製品(不良品)の管理

1) 異常処置の手順

取引先は、製品・設備・計測機器などの不具合(異常)に対し、異常処置の手順をルール化し遵守すること。ま

た異常処置は、必ず記録すること。

2) 不適合品の識別

取引先は、不適合品を明確に識別すること。また不適合品の隔離を行うこと。

3) 特別採用の手続き

取引先は、やむを得ず当社の要求仕様に適合しない部品を納入する場合、当社の調達部門に申請し「特別

採用依頼書」により、当社の関係部門の審査を受け、決定事項(承認)により処置すること。特別採用の可否に関

わらず対象部品の識別を確実にし、混入と流出の防止を徹底すること。関連文書は、表6による。

4) 不適合品の返却

当社の調達部門は、不適合品が納品された場合、返却処理を行います。当社来社時、指定の乙返品・不適合

品置き場を必ず確認し、速やかに引き取りをお願いいたします。来社が困難な場合は着払いで返却いたしま

す。

5.4 データの分析(取引先の品質評価の活用)

取引先は、品質管理システムの適切性、有効性、継続的改善の実証・評価する為に、当社から提供する取引先

の品質評価等の必要なデータを収集し、分析・改善活動に活用すること。

5.5 改善

1) 継続的改善

①取引先は、品質管理システムの維持管理、改善を継続的に実施すること。

②工程能力を把握し、工程の維持管理を実施すること。

③工程内不良の低減の為、改善活動を実施すること。

④当社では、年度ワーストメーカに対し、次年度の品質目標値を必達するための品質強化計画を要請します。

当社の品質保証部門より「品質目標値達成・是正計画書」を発行しますので、品質目標値を必達するため計画

を立て、実施すること。

⑤目標の工程能力が達成できない場合は、検査工程の追加等を行うと共に是正処置を実施すること。

2) 是正処置及び予防処置

①取引先は、品質異常時の処置や是正処置及び予防処置の手順を定め、周知徹底と維持すること。手順には、

品質異常及び品質不具合の原因の調査、原因除去の為の是正処置と効果の確認、更に必要に応じ再発防止

(予防)を含めること。

②納入部品について、当社より品質不具合の情報を受けた場合は、当社の調達部門または品質保証部門の指

示に従い、迅速な処置・不具合ロットの特定・原因追求・対策・水平展開を行うこと。又、当社が発行するトラブ

ル連絡・対策表に必要事項を記入の上、指定期限内に当社の調達部門に提出すること。関連文書は表6によ

る。

③自社内で発見した不適合品が、既に当社へ納入された可能性がある場合は、直ちに当社の調達部門に連絡

し、その指示に従うこと。

④自社工程内で発生する品質異常、品質不具合に対しては、原因を調査し是正処置を実施すると共に水平展

開すること。

⑤取引先は、品質異常及び品質不具合発生の予防処置に努めること。

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6.個別の運用手順

個別の手順(手続き時期・手続き経路など)は、下記の表6による。

表6.個別運用手順一覧表

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

31

32

33

QC工程表 K6-6EB01

外注部品一覧表 K6-6EB75

K6-6EB53

取引先品質監査調査書(新規取引先) K6-6EB77

K6-6EB52

工程能力調査表 K6-6EB21

検査測定具管理校正方法 K6-6EB74

QCパトロール評価表(継続取引先) K6-6EB54

QAレベル評価報告書(重保取引先) K6-6EB62

特別採用依頼書 K6-6EB10

設計変更要望票 K6-6EF01

ナゼナゼ分析 K6-6EB80

図面等送付案内兼受領書 K6-6EB72

不適合品手直し記録 K6-6EB05

取引先不適合再発防止シート K6-6EB20

未検査品使用連絡表 K6-6EB39

変更申請書(取引先用) K6-6EB43

K6-6EB19

検査成績書(重保・定常用) K6-6EB56

樹脂成型材料証明書 K6-6EB48

検査成績書(委託受入部品用) K6-6EB30

№ 手続き文書など帳票番号

取引先調査表 K6-46009

取引先品質管理調査書 K6-6EB50

品質保証責任者等(専任・変更)届

初物納入時

取引開設前

K6-6EB71

初物エフ K6-46004

検査成績書(初物検査用)

ゴム成型材料証明書 K6-6EB49 初物納入時 要求時 可 ○

量産納入時

発生都度 発生都度 可 ○

発生都度

要求時 要求時 ○

可 ○

監査時 監査時品質監査報告書

取引先品質監査評価表(新規取引先)

検査基準書 K6-6EB22

検査指示書 K6-6EB08

検査基準書(過去の不具合事例) K6-6EB27

初物納入時 要求時

○○

- 監査時 ○

○監査時 -

○監査時 -

6ヵ月前 6ヵ月前

トラブル連絡・対策表 K6-6EB06 発生都度 発生都度

発生都度 発生都度

発生都度 発生都度

発生都度 発生都度

要求時 要求時 ○

発生都度

発生都度 発生都度

- 量産納入時 可 ○

○初物納入時

発生都度 可

初物納入時 初物納入時 可 ○

量産開始前 量産開始前 可

○発生都度品質文書発行リスト K6-6EB76

納入(梱包)荷姿届 K6-6EB73

監査時 変更都度 可 ○

変更都度 ○監査時

発生都度

発生都度

監査時 監査時

要求時 変更都度

要求時 改訂時 可 ○

発生都度 発生都度

取引開設前 変更都度 可 ○

年1回 ○

⇒当社 ⇒取引先 ⇒当社取引先 取引先

手続き経路取引先

用紙

○取引開設前 年1回

新規

使用可否 ⇒取引先

取引先 当社 取引先⇒当社 当社⇒取引先

手続き時期

継続

監査時 監査時工程認定チェックシート K6-6EG01 ○

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7.関連するコアツール

7.1 APQP (先行製品品質計画)

7.2 PPAP (生産部品承認プロセス)

7.3 FMEA (潜在的故障モード影響解析)

7.4 SPC (統計的工程管理)

7.5 MSA (計測システム解析)

8.主管者と実施日

8.1 主管者 調達部アシスタントディレクタ ー および 品質保証部アシスタントディレクタ ー

8.2 実施日 2016 年07 月01 日

9.付則(調達部)

日立オートモティブシステムズ㈱殿、ユニシアジェーケーシー(UJKC)ステアリングシステム㈱殿

4.1 経営者の責任 ○ 2.1項 経営者の責任

4.2 品質システム ◎ 2.4項 品質管理システムの取り組み

4.3 契約内容の確認 ○ 4.2項 顧客関連(当社からの要求事項と手続き等)のプロセス

4.4 設計管理 ○ 4.3項 設計・開発(部品及び工程の設計・開発)

4.5 文書及びデータの管理 ◎ 1.2項 文書化に関する要求事項

4.6 購買  ◎ 4.4項 購買品の管理

4.7 支給品の管理 ○ 4.5項 製造上の管理

4.8 製品の識別及びトレーサビリティ ◎ 4.5項 製造上の管理

4.9 工程管理 ○ 4.5項 製造上の管理

4.10 検査・試験 ◎ 5.2項 監査及び測定

4.11 検査、測定及び試験装置の管理 ◎ 4.6項 監視機器及び測定機器の管理

4.12 検査・試験の状態 ◎ 4.5項 製造上の管理

4.13 不適合品の管理 ◎ 5.3項 不適合品(不良品)の管理

4.14 是正処置及び予防処置 ◎ 5.4項 データの分析(取引先の品質評価の活用)

4.15 取り扱い、保管、梱包・荷姿、保存及び引渡し ◎ 4.2項 顧客関連(当社からの要求事項と手続き等)のプロセス

4.16 品質記録の管理 ◎ 1.2項 文書化に関する要求事項

4.17 内部品質監査 ○ 5.2項 監査及び測定

4.18 教育・訓練 ○ 3項 資源(設備・要員・施設など)の運用管理

4.19 付帯サービス(※該当なし) - -

4.20 統計的手法の活用 ◎ 5.1項 一般事項

4.21 生産部品承認手続き(PPAP) - -

4.22 当社が行う納入品品質の評価と監査 ○ 5.2項 監査及び測定

4.23 当社のお客さまの要求事項に対する対応 ○ 2.2項 顧客要求事項の重視

5.1 品質保証責任者等の選任と届け出の手引き - -

5.2 生産部品承認手続きの手引き ○ 4.3項 設計・開発(部品及び工程の設計・開発)

5.3 開発・設計段階活動の手引き ○ 4.3項 設計・開発(部品及び工程の設計・開発)

5.4 文書及びデータの保存の手引き ○ 1.2項 文書化に関する要求事項

5.5 委託先の利用の手引き  ◎ 4.4項 購買品の管理

5.6 ロット管理の手引き ◎ 4.5項 製造上の管理

5.7 生産準備の手引き ○ 4項 受注から納入までの勧め方(製品実現)

5.8 管理工程図の手引き ◎ 4.3項 設計・開発(部品及び工程の設計・開発)

5.9 初期流動管理の手引き  ◎ 4.3項 設計・開発(部品及び工程の設計・開発)

5.10 特殊工程管理の手引き ◎ 4.3項 設計・開発(部品及び工程の設計・開発)

5.11 変更点管理の手引き ◎ 4.3項 設計・開発(部品及び工程の設計・開発)

5.12 重要保安部品等の管理の手引き ◎ 4.3項 設計・開発(部品及び工程の設計・開発)

5.13 検査規格の手引き ◎ 4.3項 設計・開発(部品及び工程の設計・開発)

5.14 初物納入管理の手引き ◎ 4.4項 購買品の管理

5.15 特採申請の手引き ◎ 5.3項 不適合品(不良品)の管理

5.16 品質不適合発生時の処理の手引き ◎ 5.3項 不適合品(不良品)の管理

5.17 納入荷姿・製品識別の手引き - -

5.18 品質記録の管理の手引き ◎ 1.2項 文書化に関する要求事項

5.19 当社が行う納入品質の評価と監査 ○ 5.2項 監査及び測定

5.20 規制物質の制限等の手引き ○ 4.2項 顧客関連(当社からの要求事項と手続き等)のプロセス

5.21 供給者及び購入品認定の手引き ○ 4.2項 顧客関連(当社からの要求事項と手続き等)のプロセス

5.22 支給品の管理 ◎ 4.4項 購買品の管理

5.23 米国ファスナー法(FQA)への対応の手引き  ○ 4.4項 購買品の管理

4.品質保証に関する基本的要求事項

個別手

引き

(改訂)取引先品質マニュアル記載部分項 目

顧客要求事項調達部

顧客要求項目

顧客要求事項・取引先品質マニュアル対比表

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日本精工㈱殿

手続Ⅰ品質保証責任者の登録 - -

手続Ⅱ 検査基準書の作成 ◎ 4.4項 購買品の管理

手続Ⅲ コントロールプランの作成 ◎ 4.5項 製造上の管理

手続Ⅳ 二次購入先の利用届け ◎ 4.2項 顧客関連(当社からの要求事項と手続き等)のプロセス

手続Ⅴ 限度見本承認申請手続き ◎ 4.4項 購買品の管理

手続Ⅵ 生産準備管理手続き ○ 4項 受注から納入までの勧め方(製品実現)

手続Ⅶ 初品納入手続き ○ 4.4項 購買品の管理

手続Ⅷ 工程能力調査の実施 ○ 4.5項 製造上の管理

手続Ⅸ 図面全特性検査結果の提出 ◎ 4.3項 設計・開発(部品及び工程の設計・開発)

手続Ⅹ 検査記録の提出 ◎ 4.5項 製造上の管理

手続ⅩⅠ 工程変更手続き ◎ 4.3項 設計・開発(部品及び工程の設計・開発)

手続ⅩⅡ 不適合発生時の処理 ◎ 5.3項 不適合品(不良品)の管理

手続ⅩⅢ 特採申請手続 ◎ 5.3項 不適合品(不良品)の管理

手続ⅩⅣ ゲージR&R調査の実施 ○ 4.6項 監視機器及び測定機器の管理

※顧客要求事項と取引先品質マニュアルの整合性確認を行い問題ないことを確認

※顧客要求事項変更の連絡入手時、取引先品質マニュアルの整合性確認を実施する。

※◎:責任部門、○関連部門:、-:調達部対象外

(改訂)取引先品質マニュアル記載部分

個別手

引き

項 目

顧客要求事項調達部

顧客要求項目

Page 21: 取引先品質マニュアル - MAHLE Electric Drives · PDF file取引先品質マニュアル 【第11 版】 改訂日:2016年06月30日 マーレエレクトリックドライブズジャパン

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改 訂 履 歴

NO. 年 月 日 内 容 承 認

初 版 1998/11/01 新規制定

第1版 2004/09/14 取引先調査表にISO認定およびEメール欄追加改訂

第2版 2006/09/07 ISO9001:2000およびTS16949:2002に準拠した全面見直し

第3版 2007/07/09 取引先の特採品納入方法を追加

第4版 2008/12/23 特殊工程管理追加、特別採用依頼書、トラブル連絡・対策表の様式変更

第5版 2009/09/29 規格名変更

ISO9001:2000⇒IS09001:2008

ISO/TS16949:2002⇒ISO/TS16949:2009

第6版 2009/12/26 9.1(1)項に「⑩製造場所の変更」を追加

13.1 項の「品質記録は取引先にて期間を定め保管する」⇒「品質記録の保管

は15年と定め保管する」に変更

第7版 2011/04/01 QF定着活動(全社活動)による全面見直し

第8版 2011/06/10 スモールサプライヤーに対する管理項目の適用外を廃止。

一部、誤記を訂正。

第9版 2011/10/25 JQAアドバイスを受け、1.2項 品質マネジメントシステムの国際規格への適合

要求、を追記。

第10版 2013/07/20 4.2 項 2)③ A Gree‘Net ⇒NEC Pro Chemist/AS に変更。

下記URLからログインできますが、登録が必要となります。

URL:https://ecsr.hitachi.co.jp/ を削除し、別途、入力をお願いします

取引先は、ご協力をお願いします。を追記。

第11版 2016/06/30 社名、主管者名変更

※新規制定は調達部アシスタントディレクター・品質保証部アシスタントディレクターの連名で承認し、改訂時は

品質保証部アシスタントディレクターが承認する。