ソニー研究 - 千葉大学法政経学部uchiyama/semi/intersemi04/sony.pdf7...
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第1節 収益性分析
総資本事業利益率
(事業利益/総資本)資本の効率性を表す収益性の指標
ソニー単体では2002年以降マイナスとなっているが、連結では安定している。
総資本事業利益率
-4
-2
0
2
4
6
8
1999 2000 2001 2002 2003
年度
%
ソニー
松下電器
シャープ
ソニー連結
6
総資本経常利益率
(経常利益/総資本)企業の経常的な活動による収益性を表す指標
シャープ、松下が2001年以降改善されているのに対し、ソニーは年々下がっている。
総資本経常利益率
-4
-2
0
2
4
6
1999 2000 2001 2002 2003
年度
%
ソニー
松下電器
シャープ
7
自己資本利益率
(当期純利益/自己資本)自己資本の収益性を表し、配当の余裕度を示す指標
シャープ、松下が上昇しているのに対し、ソニーは年々下がっている。連結では高い値であるといえる。
自己資本利益率
-8
-6
-4
-2
0
2
4
6
8
1999 2000 2001 2002 2003
年度
%
ソニー
松下電器
シャープ
ソニー連結
8
売上総利益率
(売上総利益/売上高)利幅の程度を示す利益率の指標
ソニー単体では年々下がっているが、連結は非常に高い利益率を示している。
売上総利益率
0
5
10
15
20
25
30
1999 2000 2001 2002 2003
年度
%
ソニー
松下電器
シャープ
ソニー連結
9
総資本回転率
(売上高/自己資本)事業活動に投下された総資本の運用効率を示す指標
ソニー連結は非常に高く、少ない資本で大きな売上高を達成している。
総資本回転率
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
3.5
1999 2000 2001 2002 2003
年度
回
ソニー
松下電器
シャープ
ソニー連結
10
第2節 安全性分析
流動比率
(流動資産/流動負債)一年以内の短期の支払能力を見る指標
ソニー単体では短期の支払能力は低いといえる。
流動比率
0
20
40
60
80
100
120
140
160
1999 2000 2001 2002 2003年度
%
ソニー
松下電器
シャープ
ソニー連結
11
当座比率
(当座資産/流動負債)当座資産を用いることで、より確実な支払能力を表す指標
ソニーは過剰在庫を抱えているといえる。
当座比率
0
20
40
60
80
100
120
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1999 2000 2001 2002 2003
年度
%
ソニー
松下電器
シャープ
12
自己資本比率
(自己資本/総資本)資本構成の健全性を判断するための指標
ソニー連結はかなり低く、資本の大部分を他人資本に依存している。
自己資本比率
0
10
20
30
40
50
60
70
1999 2000 2001 2002 2003
年度
%
ソニー
松下電器
シャープ
ソニー連結
13
固定比率
(固定資産/自己資本)固定資産への投下資金が自己資本で賄われているかを見る指標
ソニーは固定資産への投下資金を他人資本に依存してしまっている。
固定比率
0
50
100
150
200
1999 2000 2001 2002 2003
年度
%
ソニー
松下電器
シャープ
ソニー連結
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第3節 セグメント別の状況セグメント別売上高および営業収入
4,758,400753,732
487,457
756,370
565,752
174,680
エレクトロニクス
ゲーム
音楽
映画
金融
その他
(単位:百万円)
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第1節 エレクトロニクス部門の戦略
2001年の売上高、営業利益がピーク、過去最高の数値
2002年、売上高低下、営業損失を計上しているものの、年々売上高は回復の傾向
2001年は、サイバーショット、VAIOの出荷台数が最高
2001年、メモリースティック対応携帯情報端末「クリエ」発売
2000年 2001年 2002年 2003年 2004年
売上高 4,671 5,455 4,897 4,940 5,286
営業利益(損失)
121 251 -35 41 -1
表1 エレクトロニクス部門の売上高及び営業利益(損失) (単位:十億円)
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メモリースティックの商品戦略
1998年秋発売
音楽、映像などのコンテンツを保存できる。
様々な商品をつなげる“ネットワークメディア”としてサイバーショット、VAIO、など幅広い商品に採用
メモリースティックの戦略
対応機器購入→よりメモリースティックを活用したい
→他の機器もソニーの商品に買い換える
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エレクトロニクス事業構造改革
2002年、2004年の営業損失→構造改革費用
2004年構造改革目標『営業利益率10%の達成に向けた体制構築』
国内を中心に固定費削減、販売、間接部門のスリム化
主力製品に資源を集中させ売上高増加を図る
構造改革費用増加による収益性の悪化→総資本計上利益率、総資本事業利益率の低迷
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第2節 ゲーム部門の戦略
2001年…「PS2」導入初期
→立ち上げ費用、追加コスト発生で大幅な営業損失
翌年2002年の売上高は過去最高
2000年 2001年 2002年 2003年 2004年
売上高 655 661 1,004 955 780
営業利益(損失)
77 -51 83 113 68
表2 ゲーム部門の売上高及び営業利益(損失) (単位:十億円)
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PS2の商品戦略
2000年発売
ネットに接続
→オンラインゲームが可能
PS2に直接、ゲーム、音楽、映画ソフトを有料で配信
DVDプレーヤー搭載
→ゲームソフト市場、DVDソフト市場の両方を牽引
PSX…DVDレコーダー搭載
PSポータブル…音楽、映画再生可能
⇒AV機器やあらゆるコンテンツとの融合
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第3節 音楽部門の戦略
売上高は年々減少の傾向にある
2001年ごろからCDの違法コピー増加、売上の伸び悩み
2000年 2001年 2002年 2003年 2004年
売上高 707 612 600 598 560
営業利益(損失)
28 21 22 -8 19
表2 音楽部門の売上高及び営業利益(損失) (単位:十億円)
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CD違法コピーの対処策
CCCD(コピーコントロールCD)の導入
規格外の製品、一部プレーヤーで再生できない
一部消費者の反感
→2004年11月、CCCD仕様のCD発売の終了
有料音楽配信サービス「bit music」開始
ファイル交換ソフトによる、ネットを通じた違法コピー
Apple社のiPod流行
⇒現時点では音楽業界の業績回復は期待できない。
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第4節 ブロードバンド時代を意識した商品戦略
NACS(ネットワークアプリケーション&コンテンツサービスセクター)の設立
2002年度経営方針発表の際、設立を発表
エレクトロニクス、ゲーム、音楽や映画などのコンテンツをつなぎ、ネットワークサービス化を推進
⇒現時点では必ずしも業績は良いとは言えないが、ブロードバンド時代へ向けた体制を構築している
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各事業のネットワーク対応化
エレクトロニクス部門
ホームネットワークサーバーとしてのVAIOの機能を強化
ネットワーク対応ホームAV機器を発売
⇒周辺機器やネットワークサービスを融合したトータル事業として利益の増加を図る
ゲーム部門
⇒ PSシリーズをテレビ、映画、音楽などのエンターテイメントの
プラットホームとして、ネットワーク対応化を進める
音楽部門
⇒ネットワーク配信へより重点を置く方針
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第5節 今後の商品戦略
主力であるエレクトロニクス、ゲーム、コンテンツ(音楽や映画)部門の融合、ブロードバンド化
「ユビキタス」の実現
ソニーの事業展開の3つの柱(情報端末、配信事業、コンテンツ)が融合した商品を開発
⇒あらゆる分野へ積極的に事業を展開しているソニーだからこそなせる
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環境原価企画2
ライフサイクルのステージ
輸送時 使用時 廃棄時
目標項目 ・小型化
・軽量化
・省エネルギー
・リサイクル容易性
・製品に含まれる化学物質管理
〈ライフステージと目標項目〉
ソニーHP 製品サービスの環境負荷低減
ライフサイクルの各ステージでの環境負荷低減のため、商品企画、設計の段階別に目標に対する達成状況を確認している。
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環境原価企画の課題2
ライフサイクルコスティングの導入ex)包装材
環境配慮材→①倉庫での保管コスト②運搬コスト③廃棄物としての処理コスト
などのメリット環境無配慮材→原材料の価格においてコストが
低い〈課題〉
・ライフサイクル全般を通した価格の計算・エコノミーとエコロジーの調和のとれた意思決定
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第3節 環境ビジョン〈ソニーの活動〉
・環境活動をネットワークカンパニーの業績評価に取り入れている
・ソニーの全世界共通の環境リスクマネジメントのガイドラインを持つ
・リサイクルの推進
・環境配慮型商品の導入
・情報開示
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環境配慮型商品1・MDウォークマン 2000年9月発売
省電力化デバイスの開発により、世界最小・最軽量・最長時間再生を実現
業界初の塩化ビニルを使わないヘッドホンコードの導入
・デジタルビデオカメラ 2001年3月発売
プリント配線版のはんだ付けに無鉛はんだを使用
液晶バックライトに使われていた蛍光管を発光ダイオードに置き換え水銀の使用をなくした。
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第4節 まとめ
・環境会計をより効果的に行うことが課題
・ソニーは積極的な環境投資を行っていると言える
・情報開示により、企業ブランド力・モラルの向上といった企業イメージを得ている
・環境負荷に対する責任の明確化、将来を見越した経営を行っている