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R02 社会教育主事講習[A] 講義レジュメ 坂野達郎 内容・テーマ 評価の意義と視点・評価の内容と方法 8月3日 講義は、社会計画策定ハンドブックー計画の評価と実際(NIER、平成 24 年)「第 I 章第 2節『計画を評価する視点とその評価』」に基づいて下記の内容について解説します。 ニューパブリックマネジメントと成果評価 ・目的合理性を指導理念とした行政管理手法 ・目的手段合理性の徹底とニューパブリックマネジメント ・統制強化と権限移譲の両立問題 ・「規則と階層性の原則」から「成果目標と分権の原則」へ 評価と計画の関係 ・計画の評価と政策評価・行政評価 ・評価のインセンティブと評価の技術 計画と評価の関係の要点整理 ・科学的学習過程としての計画過程 ・ロジックモデル ・評価のタイミングと評価指標の設定 ・計画の階層性と評価 評価を前提とした計画の構造と策定手順のイメージ ・計画体系と評価体系の連動 ・目的―手段の論理的整合性 ・指標の代表制、包括性 ・検証可能性、解釈可能性 ・ロジックモデルを媒介にしたサイクル 〔参考文献〕 ・社会教育経営論ハンドブック 第2章 I「行政の経営戦略」 pp.16-24 第3章 II 3 「その他の調査」 pp.66-73 ・社会計画策定ハンドブックー計画の評価と実際(NIER、平成 24 年)「第 I 章第2節『計 画を評価する視点とその評価』」(pp.6-23) ・社会教育推進の PDCA サイクルを確立するために必要とされる評価指標のあり方 に関する調査 『4 地方公共団体の評価指標から見えてきたこと』

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R02 社会教育主事講習[A]

講義レジュメ

講 師 坂野達郎

内容・テーマ

評価の意義と視点・評価の内容と方法 期 日 8月3日

講義は、社会計画策定ハンドブックー計画の評価と実際(NIER、平成 24 年)「第 I 章第2節『計画を評価する視点とその評価』」に基づいて下記の内容について解説します。 1 ニューパブリックマネジメントと成果評価 ・目的合理性を指導理念とした行政管理手法 ・目的手段合理性の徹底とニューパブリックマネジメント ・統制強化と権限移譲の両立問題 ・「規則と階層性の原則」から「成果目標と分権の原則」へ 2 評価と計画の関係 ・計画の評価と政策評価・行政評価 ・評価のインセンティブと評価の技術 3 計画と評価の関係の要点整理 ・科学的学習過程としての計画過程 ・ロジックモデル ・評価のタイミングと評価指標の設定 ・計画の階層性と評価

4 評価を前提とした計画の構造と策定手順のイメージ ・計画体系と評価体系の連動 ・目的―手段の論理的整合性 ・指標の代表制、包括性 ・検証可能性、解釈可能性 ・ロジックモデルを媒介にしたサイクル

〔参考文献〕 ・社会教育経営論ハンドブック 第2章 I「行政の経営戦略」 pp.16-24 ・ 同 第3章 II 3 「その他の調査」 pp.66-73 ・社会計画策定ハンドブックー計画の評価と実際(NIER、平成 24 年)「第 I 章第2節『計画を評価する視点とその評価』」(pp.6-23) ・社会教育推進の PDCA サイクルを確立するために必要とされる評価指標のあり方 に関する調査 『4 地方公共団体の評価指標から見えてきたこと』

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R02 社会教育主事講習[A]

講義レジュメ

講 師 大 木 真 徳

(青山学院大学コミュニティ人間科学部)

内容・テーマ

社会教育施設の経営 期 日 2020 年 8 月 3 日

1 社会教育施設の「運営」と「経営」

・ 社会教育施設の運営基準

・ 社会教育施設の「経営」という発想

2 社会教育施設の理念と経営

・ 社会教育施設の理念・目的・目標

・ 社会教育施設の評価

3 社会教育施設の経営手法

・「民間活力の活用」を意図した制度の導入

・「教育施設」の経営という前提

4 社会教育施設の経営をめぐる動向と課題

・ 施設の複合化・集約化

・ 首長部局への移管

〔参考文献〕

国立教育政策研究所社会教育実践研究センター編集・発行『社会教育経営論ハンドブック』, 2020 年.

鈴木眞理・井上伸良・大木真徳編『社会教育の施設論』(講座 転形期の社会教育Ⅲ)学文社, 2015 年.

大木 真徳 [email protected]

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事例発表レジュメ

内 容 ・ テ ー マ

社会教育施設の経営とネットワーク

実 践 事 例 名 ~地域の絆をつなぐ 魅力ある上灘をめざして~

「地域で取り組む人育て」

事業主体(実施機関)

倉吉市上灘公民館

連 携 ・ 協 力 機 関 等 上灘地区青少年健全協議会、地区子どもいきいきプラン

上灘小学校、市立図書館、児童センター、

子育て総合支援センター、 他

発 表 者

倉吉市上灘公民館 主 事 山本美保子

期日 令和2年 8月 3日

内 容

① 倉吉市の地区公民館

② 上灘地区について

③ 上灘公民館の取組

④ 事業をする上で…

⑤ 公民館職員として気をつけていること

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R02 社会教育主事講習[A]

講義レジュメ

講 師 坂口 緑

内容・テーマ

NPO,企業等との連携・協働の推進と地域の活性化

期 日 令和 2 年 8 月 4 日(火)

1.なぜ協働か

・ 日本の 1990 年代〜→地方分権推進法(1995)、NPO 法施行(1998)、指定管理者制度

/地方自治法改正(2003)

・ 海外の社会学者による日本社会→「中央集権的な垂直構造」(Schwarts 2003:1-19)、

「政治的な権利主張を伴わない団体多数」(Pekkanen 2006)

・ 地方分権+市民参画

2.行政と NPO/企業との連携・協働

2−1 事例

・ 日立市職業探検少年団(茨城県日立市)

・ 子ども大学(埼玉県)

・ みんなの尼崎大学(兵庫県尼崎市)

2−2 行政と NPO/企業との連携・協働

・ 協働とは「お互いを理解しながら共通の目的を達成するために協力して活動するこ

と」。

・ ①対等の原則、②公開の原則、③目的共有の原則、④自主性・自立性の尊重の原則、⑤

時限性の原則(世古 2007:36−38)

1)横浜市→「“公”とは行政のみをさすのではなく、“市民と行政”とが共に主体になる

もの」(1999 年)、「横浜市における市民活動との協働に関する基本方針(横浜コード)」

(1999 年)、歴史的建造物を文化芸術に活用しながら都市再生を目指す活動「BankART1929」

(のちに NPO 法人)がスタート(2003 年)、協働推進の基本方針(2004 年)、市民協働条

例制定(2012 年)

2)連携・協働の推進に必要な視点

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NPO側の課題

①NPO の持つ財の不十分性

②NPO の専門に関する偏重性

③ボランティアの慈善に基づく温情主義

④ボランティアのアマチュア性(Salamon 1987:111-113)

行政側の課題

①補助金等の支援策を利用した統制

②あるいは特定の組織形態の強要

③行政に異議申し立てをする NPO のもつアドボカシー的機能の否定もしくは等閑視

④行政が担うべき責任との区分け(広川 2017:13-14)

3.社会教育行政に期待されること

1)協働のメリットとデメリット?

2) 社会教育行政の役割とは何か?

・ ポイント:共通のルールづくりのプロセスに行政と多様な主体がともに、関わることが

できるのか

〔参考文献〕

広川喜裕, 2017,『政府−NPO 関係の理論と動向』関西大学出版部

今西幸蔵, 2018, 『協働型社会と地域生涯学習支援』法律文化社

Lester M. Salamon, 1987, Partners in Public Service: the Scope and Theory of Government, in:

Walter W. Pawell (ed.), The Nonprofit Sector, Yale University Press.

世古一穂編,2007,『協働コーディネーター』ぎょうせい

世古一穂編, 2009, 『参加と協働のデザイン』学芸出版社

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R02社会教育主事講習[A]

講 義 レ ジ ュ メ

高野山大学文学部

客員教授 今 西 幸 蔵

社会教育行政と市民協働・住民自治

住民が主体となる地域活性化の取組

令和2年8月4日(火)

1.学習を通した地域課題の解決

「人は何故学ぶのか」という問いかけ。「人格の完成をめざすこと、生活の質を向上させること、

コミュニティを形成すること」といった基本的要求があるのではないか。 (1)成人の教育・学習 ① 成人教育の推進とアンドラゴジー(Andragogy)としての理解 ② 「学習者の集積された経験が学習資源としての価値を持つこと、学習レジネスが個人にとっ

ての生活課題によって整備されること。」(池田秀男) ③ 生活から発する要求課題や社会が求める必要課題の焦点化が必要 (2) 地域生涯学習に求められている 24の社会教育課題(トピックス)

① 国際化 ② 情報化 ③ 高齢化 ④多文化共生 ⑤ 社会的包摂 ⑥健康教育 ⑦防災・

防犯 ⑧ 人権教育 ⑨ 同和問題 ⑩ 環境問題 ⑪ 青少年健全育成 ⑫キャリア教育

⑬ 貧困問題 ⑭ 家庭教育 ⑮ 男女共同参画 ⑯ 社会福祉 ⑰特別支援教育 ⑱ 消費者

教育 ⑲文化芸術 ⑳ 文化財保護 ㉑ 生涯スポーツ ㉒ 地域の歴史文化 ㉓地域産業

㉔ ボランティア活動(社会教育主事養成課程から)

2.地域課題解決の拠点としての社会教育施設

(1)社会教育施設の役割

① 「公の施設」(地方自治法第 244 条)の役割とは何だろうか

ア.「普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設

(これを公の施設という。)を設けるものとする。

イ.すべての公的施設は「住民の福祉の増進」のためのものであり、そこでは地域課題を解決

するための教育と学習が実施される。

② 社会教育施設としての公民館の役割

ア.「………実際生活に即する教育、学術及び文化に関する各種の事業を行い、もって住民の

教養の向上、健康の増進、情操の純化を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与する

ことを目的とする。」とある。(社会教育法第 20条、一部略)

イ.「集う」「学ぶ」「結ぶ」という協力性、学習性、実践性がどれだけ担保されているか。

ウ.「地域社会の活性化に向け、社会教育行政は、地域住民が地域に根ざした活動を行えるよ

うな環境を創り出すことや住民が一体となって地域づくりをしていくような活動(地域共創)

を支援していくことに取り組む必要がある。」(「生涯学習審議会答申」1998 年 9 月)

エ.「発信型の学習活動支援」を積極的に推進していく必要があること、「参加」と「自治」

という運営原理の確認が必要である。

オ.公民館は教育と学習のための「地域の拠点」であり、地域課題解決のために、「地域自治」

に根ざした「分権化」の取組が実施されることが期待される。

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(2)黒潮町の生涯学習・社会教育の実践(今西が知っていること)

① 「まちづくり・学校づくりで人材育成」で有名であること。

② 地域と協働する学校、たとえば高等学校の余裕教室に「テレキューブ」(インキュベーショ

ン施設)が設置されていること。

③ インターネット市民塾(現地域学習プラットフォーム研究会)高知県版である「おおがた学

校」が開設(平成 16 年度)され、テレワーカーが育成されていること。

④ 県立高知短期大学との連携講座「高知短大e-講座」が実施されていること。

⑤ テープ起こしグループ活動(県町の事業を受ける)があり、障がい者雇用を行っていること。

⑥ 「砂浜美術館」の実践があり、「住民ディレクター」が育成されていること。

本日、詳しいお話しを村上健太郎さんからうかがうことを楽しみにしています。

(3)福岡県久山町の生涯健康学習

① 福岡県東部の健康宣言都市久山町(人口約 8千人)

② 「陪検率 100%のまち」の歩みと社会教育

③ 脳卒中に対する世界的な疫学研究の成果(九州大学久山町研究室との連携)

④ 1960 年頃、社会教育での啓発により町民ぐるみの成人病集団検診の実施

⑤ 町民みんなが協力して脳卒中の実態の解明に努めた。

⑥ 結果として「陪検率 100%のまち」が誕生した。

⑦ 「久山町研究は、行政と町民の信頼関係を築き、町づくりの方向性をも想定した」という小

早川新氏(2代目町長)の発言がある。

⑧ 同町には健康につながる温泉設備があり、とても充実している。

⑨ 現在の同町の方針は、「安心・元気な『健康が薫る郷』の実現にある。

(4)大阪市立総合生涯学習センターの防災学習

① 阪神・淡路大震災の記憶

② 南海トラフ巨大地震に対する備え(減災をどうするのか。)

③ 地域・学校・企業での防災学習のための教材作成(同センターと神戸学院大学との共同開発)

ア.防災学習プログラムの実施に必要な「視聴用 DVD」「手引書」「解答記入シート」「振り

返りシート」がセットされた学習キットの貸出を実施している。

イ.2種類の防災学習プログラム『OSAKA 防災タイムアタック!』(2017 年より貸出)と『OS

AKA 防災タイムアタック!-生きぬくチカラ編-』(2019 年より貸出)の教材の貸出。

ウ.いずれも3部構成(知識の習得、ワークショップ、ふりかえり)のプログラムで、中学生

以上がグループ 4~8名で実施できる。

(ア)『OSAKA 防災タイムアタック!』(90分)

【ブロック1】「視聴覚 DVD」で地震・津波の基礎知識、避難行動に関する知識を得る。

【ブロック2】チームに分かれて防災クイズを解き、得点を競いながら防災の知識をチ

エックする。実践的な内容の2コース「避難行動編」「避難生活編」が

あり、選択できる。

【ブロック3】防災チェックシートで、家庭や地域の災害への備えを確認する。

(イ)『OSAKA 防災タイムチェック!-生きぬくチカラ編-』

【ブロック1】「視聴覚 DVD」で、地震や津波のメカニズム、南海トラフ巨大地震が発

生した場合の被害想定、避難行動について学習する。

【ブロック2】DVD の進行で、地震発生時の避難行動、避難生活や避難所運営について

の知識などを学び、チームに分かれて3択クイズやクロスワードパズル

などの防災クイズに挑戦する。実践的な内容の3コースからの選択が可

能である。「避難行動編」「避難生活編」「避難所運営編」の3コース。

【ブロック3】クイズで学んだことをふり返り、「ふりかえりシート」を使って、災害

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時の役立つ情報や備えを確認する。

(5)大阪市立クラフトパークの地域産業学習

① 日本では数少ない総合工芸施設(大阪市平野区)

② 旧大和川の流路に近い河内平野の一角にあり、近世より栽培が盛んとなった河内木綿の主要

産地に連なる場所にある。

③ 典型的な生涯学習施設。館の主要コンセプトは「出会う」「創る」「学ぶ」である。

④ 大阪の伝統工芸である「大阪欄間」「唐木指物」「とんぼ玉」「大阪浪華錫器」などの手作

り工芸を学ぶことができる。(大阪の伝統文化の継承)

⑤ 「自由な創作」の場、「モノづくり」の学びの場

⑥ ガラス工芸(吹きガラス、キルンワーク、バーナーワーク、ステンドグラス)、陶芸、染色

(型染め、ろう染め)織物(和機、洋機、竪機)、木工(組立コース、簡易組立コース、バー

ドカービングコース)、金工(鍛金、彫金、板金、溶接)など9つの工房の設備があり、旧大

和川が堆積した粘土の利用による陶芸などもある。

3.連携・協働を推進する際に必要な視点 (1)市民協働・住民自治に向かう「連携」「パートナーシップ」とは ① 「連携」の意味 ア.「連携」とは、辞書では「互いに連絡を取り合って物事を行うこと」(広辞苑)とある。

社会教育に関係する事項で「連携」といえば「学社連携」があり、「学校と広義の社会教育

が共に施設・設備や指導者など両者の教育資源を有効に活用して行う教育・学習活動」(『生

涯学習研究e事典』日本生涯教育学会)という説明がされている。 イ.AとBが共通する資源でもってつながって物事を行っているような状態が「連携」である。 ウ.AとBの間の関係が深まるとパートナーシップでもって物事を行うようになり、このパー

トナーシップこそ「協働」の根幹の考え方となる。 ② パートナーシップの意味

ア.共同で何かを行うための対等な協力関係

イ.提携や共同経営の事業体

ウ.開発途上国のオーナーシップの対語としての開発支援国のパートナーシップ

③ 協働に向けてのパートナーシップの意味と意義

ア.主体、対等、自立(自律)、責任、信頼を持つ関係性であり、シチズンシップに基づく。

イ.パートナーシップの定義 「活動主体であるAとBが各々対等かつ自由な立場で、共通する目的のために協働する関係」

(『東京都ボランティア・非営利団体の活動促進に関する懇談会報告』p.13)

ウ.世古一穂氏の考え方

「主体となる(自己の確立)A と B が、相互の認識と相互の理解のもとに、誰でも参入でき

ること、公開された関係(透明性)があることを原則として共通の目的に向かう営みであり、

そこには自己変革の受容性(創造性)が発揮されるという解釈。

エ.「公共サービスにおける社会的役割負担を見直そうとするとき、行政が担うべきサービス

分野、行政と市民が協働するサービス分野、市民の自己責任のもとで行われるべきサービス

分野の各セクターの役割と責任を明確にすることが重要です。まず行政と市民の関係が、従

来の「対立・依存」から「協力・自律」に支えられた関係に改めることが必要です。とりわ

け行政と市民が協働するサービス分野は、両者の信頼の上に成り立つパートナーシップが求

められます。」(大阪狭山市における市民公益活動促進に関する提言」)

(2)市民協働・住民自治に向かう「協働」とは

① 「協働」概念に関する説明または定義

ア.「地域住民と自治体職員とが、心を合わせ、力を合わせ、助け合って、地域住民の福祉の

向上に有用であると自治体政府が住民の意思に基づいて判断した公共的性質をもつ財やサー

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ビスを生産し、供給してゆく活動体系」(荒木昭次郎『参加と協働』ぎょうせい,1990 年)

イ.「行政とボランティア・NPO とが、相互の存在意義を認識し尊重し合い、相互にもてる資

源を出し合い、対等の立場で、共通する社会的目的の実現に向け、社会サービスの供給等の

活動をすること」(東京都行政とボランティア・NPO との協働に関する検討委員会「『協働

の推進指針』策定への提言」,2000 年)

ウ.「自己の主体性・自発性のもとに、共通の領域において、互いの特性を認識・尊重しあい

ながら、共通の目的を達成するため、課題解決に向けて協力・協調すること」「これまで、

わが国の公共的サービスは行政主導で行われてきたが、今後は行政、営利組織、NPO が公共

的サービスの提供主体として対等な立場に立って、お互いの特性を理解したうえで、これま

での役割分担を見直し、協働関係(パートナーシップ)を構築する必要がある」(大阪府民

間非営利活動促進懇話会「NPO 活動活性化に向けての提言」)

エ.「市民の多種多様なニーズから、公共サービスが増大しつつあるのに対して、行政が担う

べき分野、行政と市民が協働するサービス分野、市民の自己責任のもとで行われるべきサー

ビス分野にシェアリング(役割分担)を行うことが求められています。それぞれが本来的な

役割を果たし、協働関係も構築しようとする考え方です。地方分権社会では、公共サービス

のすべてを行政が担う社会から、市民の自己責任を基調とする社会への移行が必要とされて

います。公共サービスにおいて市民公益活動が担う領域は、行政との協働的な相互関係にお

いてとらえられねばなりません」(大阪狭山市非営利公益市民活動推進懇話会「大阪狭山市

における市民公益活動促進に関する提言」)

オ.「協働とは、公共サービスの実現を目的に、サービスを提供する各主体が、相互にパート ナーシップに基づいた共同活動を実施するなかで、新たな価値や効果を創出するための行動 原理である」とされている。

② 協働を進めるにあたっての原則(大阪狭山市非営利公益市民活動推進懇話会)

ア.自発性の尊重と自主的な活動の保障

イ.活動の多様性の理解

ウ.行政と対等な関係に立っての活動目的の共有化

エ.市民主体によるサービスの提供への行政的支援

オ.行政の情報公開と説明責任の確立

カ.評価の公表と公平性・平等性の原則の確立

キ.開かれた地域社会づくりの推進等

③ 協働を支える自治基本条例の制定(協働を進める上での協定書の役割を果たす) ア.自治体の各政策・施策分野に関する基本方針(自治体の最高規範)

イ.政策の具体化、体系化

ウ.住民と行政のパートナーシップの推進

エ.自治基本条例の性格

(3)住民との協働促進のための行政による具体的取組の方向

① 既存の公共機関(社会福祉協議会、ボランティアセンター、公民館など)や NPO と連携し、

公共施設における新規事業の企画や運営面での NPO の参画を促進する。

② 協働プロジェクトとして、NPO への請負事業(アウトソーシング)や事業委託促進及び共催

事業や補助金事業等を推進、新たな公共サービスや起業活動支援、パイロット事業を実施する。

③ 協働のための資金支援には、既存の公共サービス事業の NPO への委託化の促進、公益住民活

動団体の自主的な「公共サービス活動」に対する補助、応援(補助金支出、事業委託の実施へ

の方策・ルールづくり、入札方法、審査、事業評価、情報公開など)がある。

④ 基金などの新たな助成制度を検討する。(補助金制度、活動推進基金、運営支援基金、融資

制度、コミュニティファンド、寄付控除などの多面的検討と実施のための手立て)

⑤ 公共施設における事業企画や運営面での NPO の参画を促進支援する。

⑥ NPO と企業(商店や自営業者を含む)との協働を促進支援したり、NPO と地域社会の組織(自

治会、老人会、福祉協議会、各種サークル・団体など)との交流・連携を援助、実施する。

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4.多様な主体とのネットワークの形成

(1)生涯学習社会におけるネットワーク型行政

① 「生涯学習社会においては、人々の学習活動・社会教育活動を、社会教育行政のみならず、

様々な立場から総合的に支援していく仕組み(ネットワーク行政)を構築する必要がある。社

会教育行政は、生涯学習振興行政の中核として、学校教育や首長部局と連携して推進する必要

がある。また、生涯学習施設間や広域市町村間の連携等にも努めなければならない。」(生涯

学習審議会答申 1998 第 3節1「ネットワーク型行政の必要性」)

② 公民館の役割の再確認

③ 行政の各部局や民間活動との相互連携、ネットワーク化の推進

④ 学習資源の有効活用

⑤ 学校、高等教育機関、民間教育事業、社会教育関係団体、首長部局と社会教育の有機的連携、

生涯学習施設間の連携、市町村の広域的連携などを提言

(2)ネットワーク形成に必要な要素

① 主体となる各アクター(産業等の民間企業、行政・公企業、学校、住民など)の活動が基本

② ネットワークの対象の理解(産・官・学・民等を中心としたアクター同士の組織形成) ③ 相互依存的関係であってはならず、自立した主体の確保と自律性の担保

④ アクター間のサービスの流通(各アクターの協働性と互恵性・互酬性の尊重) (3)地域形成に対する支援ネットワークの形成

① 「生涯学習まちづくりプラットフォーム」の構築(生涯学習まちづくり) ② 領域別や機能別の多重の学びのネットワーク構築

③ 各主体が協働し合うことにより、公共サービスを提供するという形で住民活動を支援 ④ コミュニティ・スクールも同様の発想

(4)産・学からの住民活動支援

① 産(企業や商工団体など)からの住民活動支援 ボランティア参加、会費や基金の提供、寄付等の行為など

② 学(主に大学や専門学校などの高等教育機関)からの住民活動支援

知的財産の提供(公開講座や社会人入学等)、共同研究など (5)NPO やボランティア等と住民活動とがネットワーク形成

① 住民活動事業の実施と支援

② 住民活動指導者養成講座の実施(住民の発掘と育成)と人材交流

③ 各種団体やサークルが情報を共有化、情報交換(コミュニケーション、交流機能の向上)

(6)わが国における地域形成にかかる諸問題の存在

① 行政と民間の役割分担論や行財政改革

② 地域主権・住民主権

③ 参画型市民社会への移行

④ 地域に密着した課題の解決

⑤ 魅力的なまちづくり

⑥ 地域経済の活性化

【参考文献】池田秀男『生涯学習事典』(東京書籍,1997 年)

弥津加奈子『陪検率 100%のまち』(ライフサイエンス出版,2001 年)

今西幸蔵『協働型社会と地域生涯学習支援』(法律文化社,2018 年) 世古一穂『協働のデザイン』(学芸出版社,2001 年)

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R02 社会教育主事講習[A]

事例発表レジュメ

内 容 ・ テ ー マ

住民が主体となる地域活性化の取組

実 践 事 例 名

建物のない砂浜美術館の取組

事業主体(実施機関)

特定非営利活動法人NPO砂浜美術館

連 携 ・ 協 力 機 関 等

発 表 者

村上健太郎

期日 令和 2 年 8 月 4 日

内 容

「私たちの町には美術館はありません。美しい砂浜が美術館です。」

これは、「砂浜美術館」の 30 年以上変わらないコンセプト文です。この言葉の通り

建物はなく、有名アーティストの作品が存在するわけでもない。基本的にあるのは、

ありのままの自然の風景と「考え方」のみ。それでも、今年活動 31 年目を迎えました。

ありのままの自然の砂浜を、美術館に見立てる。創造力で創られる美術館には、建

設費も維持費もかかりません。テーマは「人と自然のつきあい方」。ものの見方を変

えることで新しい発想が生まれ、今まで見過ごしてきた当たり前の風景や自然が、か

けがえのないものに見えてくる…。館長も人ではありません。砂浜の前に広がる土佐

湾で暮らすニタリクジラ。体長 12mの貫禄で、開館当初から館長就任しました。地域

の資源を「作品」ととらえ価値を創造する、そしてそれを多くの人と共有することで、

「砂浜美術館」を地域の文化にしたいと、活動を続けてきました。

「考え方」を伝えるためには、分かりやすさが必要。Tシャツアート展はその代表

的なイベントです。全国から公募した約 1,000 枚のTシャツが、砂浜でひらひらする

風景をみると、「ここは本当に美術館なんだ」ということを実感します。しかし、多

くの人たちが訪れるイベントであるにも関わらず、当初町民の参加の少ないことが課

題でした。町民が砂浜美術館を実感し、楽しむことができなければ本物ではありませ

ん。試行錯誤しながら、町民が主体的に参加できるカタチをつくってきました。

10 年継続すれば文化になる。と言われた活動も 30 年が経過。町内で「ひらひら」

と言えば多くの人が「たくさんのTシャツが風におどる風景」を思い浮かべ、「すな

び(砂浜美術館)」という言葉も身近なものになっています。一部の人が余暇で楽し

んでいるとの印象があった砂浜美術館の活動は、町を元気にする活動の代表になり、

黒潮町の特徴を聞かれ「砂浜美術館がある」と応える子どもたちも増えてきました。

そんな砂浜美術館の取組をお話しさせていただきます。

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R02 社会教育主事講習[A]

講義レジュメ

講 師 土屋 隆裕

内容・テーマ

学習課題を把握するための具体的な方法 期 日 令和 2 年 8 月 5 日

・なぜ社会教育調査は必要か

・社会教育調査の種類

・調査票設計の手順と原則

・標本サイズの定め方

・結果のまとめ方と注意点

・統計的仮説検定の考え方

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R02 社会教育主事講習[A]

講義レジュメ

講 師 坂井知志

内容・テーマ

社会教育行政における地域広報戦略 期 日 2020.08.05

1 社会教育における PR の目的、意義、方法

(1) 目的:地域住民に社会教育に関する学習機会や学習に関連する情報を提供して社会教育行政の取

り組みを理解していただく。

(2) 意義:学習支援及び行政上の説明責任を果たす。

(3) 方法:様々なメディアを年齢などを考慮して有効な方法を選択する。

2 ステークフォルダーとの連携及び関係の構築

(1) ステークフォルダー:地域住民

(2) 連携:地域住民個人及び団体、企業、学校等との定期的な連絡会と個人的な関係の構築

(3) 関係の構築:社会教育に関する委員会等の現状を踏まえ新たな視点を加え委員の構成を見直す。

その他、連絡協議会や防災などのテーマを持った団体と新たな互恵性を構築する協議

3 各種情報ディアの活用

(1) 印刷メディア

(2) 電子メディア

(3) デジタルアーカイブ

(4) 学習情報提供システム(H9.3.28:「都道府県生涯学習情報提供システムの高度化方策について(審

議のまとめ)全国生涯学習センター機能に関する調査研究協力者会議」

「将来的には、各県内の公民館等で主催される講演会そのものや各県で作成された教材をマルチメ

ディア化し、提供することも考えられる。」

4 情報化に関する世界の取り組みと日本の学校教育・社会教育

(1) ヨーロッパ中心とした教育圏構想

(2) ミネルバ大学

(3) オンライン授業と SARTRAS

5 知っておきたい「今」の情報技術と取り組み

(1) IIIF とジャパンサーチ、exif・・・

(2) 会議システム

(3) デジタルアーカイブ:メタデータと権利処理、地域資源を活用し、大切なデータを未来に!

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R2社会教育主事講習【A】社会教育経営論

1

地域課題解決・まちづくりに取り組む 人材の育成と活動支援

期日:令和2年8月5日(水) 講師:野島正也(学校法人文教大学学園) [email protected] はじめに

・何かをしたい、しなければと思う職員と、程々のことをしようと思う職員

・たった一人の職員の発想・行動からも、地域は変わる

1 地域のこれまでいま

①「ムラ」から「マチ」の社会へ。経済の高度成長期における「マチ」の崩壊。

中村雅俊「ふれあい」(1974)「〽 なにげない 心のふれあいが / 幸せを 連

れてくる / ひとはみな 一人では / 生きてゆけないものだから」

②「マチ」を基盤にしたコミュニティ感覚(sense of community)の醸成

・阪神・淡路大震災(1995.1.17)をきっかけにした地震・豪雨等でのボラン

ティア活動

・特定非営利活動促進法(NPO法)の制定(1998.3)

「ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動」の健全

な発展を目指す(法第 1条)

③地域の現在。近所付き合い、地域活動、夏まつりなど地域を挙げてのイベン

トは…。過度な“Family First”も。

・米国の地域社会を映す『孤独なボーリング』(Robert Putnam, 2000) の示唆

④地域(Community)は世界(International Community)につながっている

・“Think Globally, Act Locally”

・例えばSDGs(Sustainable Development Goals))

貧困・飢餓、健康・福祉・教育、自然保護、エネルギー、まちづくり…

「将来よし」と「地球よし」~新たな豊かさへ(国谷裕子)

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R2社会教育主事講習【A】社会教育経営論

2

2 地域のこれから

①呼称を巡って: 「地域」?「コミュニティ」?「地域コミュニティ」?

②改めて、地域コミュニティ(community)とは…

・ケーキに例えれば、コミュニティ=スポンジ部分+デコレーション部分

・「地域」概念の 2要素 ― 地域性(範囲)と関係性(共通の関心・協力関係)

・「ネットコミュニティ」が問うもの。対面の「地域コミュニティ」は表情た

っぷりの関わり

③中教審からのメッセージ ~地域の関係性~

「住民相互のつながりや相互に認め合う関係は、生き生きとした地域コミュニ

ティを形成し、地域が直面する様々な課題の解決に向けた住民の主体的な活動

を活発化させるための基盤を形成するものとして機能する」

(中央教育審議会答申「人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育

の振興方策」2018.12)

④地域課題の解決、まちづくりに向けた社会教育の取り組みへ

・「弱いつながり」(“Weak Ties”Mark Granovetter,1973)への取り組み

・地域の縁(社会的ネットワーク)の再構築~「好縁社会」を視野に

3 地域人材の考え方

①狭義の地域人材: 地域で顕在的に活躍している人々(自治会役員、PTA

役員、地域ボランティア・学校支援ボランティア、公民館学習サークル役員。

社会教育委員・公民館運営審議会委員、民生・児童委員等の行政委員など)

②広義の地域人材: 地域の人間関係を大事にし、地域の暮らしに資する活動

をしている市井の人々、及びそうした意思を潜在的に持つ人 (々家の前の道

をいつも清掃してきれいにしている人、公園の散歩中に空き缶やペットボト

ルを家に持ち帰る人…)

③注目される高齢者の潜在力: これからの本格的な長寿社会の到来を見据え

て文部科学省は『長寿社会における生涯学習の在り方について~人生100年

いくつになっても学ぶ幸せ「高齢社会」』(報告書)を発表(2012.3)。高齢

者はもはや地域で支えられる存在ではなく、むしろ地域の様々な課題に積

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R2社会教育主事講習【A】社会教育経営論

3

極的に関わる「地域社会の主役」であり、地域社会の活性化に寄与する存在

であると。

4 社会教育における地域人材

①地域人材は「発掘」されるものか

社会教育事業を通じて地域人材は見えてくる。住民とのコミュニケーショ

ンの中で見えてくる。地域人材は職員の見えるところにいる。

②学校を核とした地域づくりでの面展開 ~カナメは事業方針と役割設定

例えば、学校と地域の連携・協働の方針に基づく学校支援活動(地域人材に

よる学校支援ボランティアと調整役としてのコーディネーターの活動)

③地域人材の具体的な活動例

学校支援ボランティア、地域学校協働活動推進員、社会教育施設ボランティ

ア、子育てサポーター、家庭教育支援員、青少年育成アドバイザー、公民館

学習サークル指導者及び運営役員など。行政組織の一部を担う地域人材とし

て、社会教育委員、公民館運営審議会委員、生涯学習推進員、放課後児童推

進員、学習アドバイザーなど。(呼称・役柄は地域によっていろいろ)

5 地域人材に期待される役割

①社会教育で生かされる経験: これまでの学習の蓄積、職業経験、家事・家

政の経験、子育ての経験、地域活動の経験、時代の出来事を経た人生経験…

②地域活動への関わり方

ア 参加型の活動: 主に期待されたことやる。「ちょボラ」感覚で参加可

イ 参画型の活動: 高い協働の役割意識をもって役割に参加

③役割のタイプ(主に参画型活動)

一人一役とは限らない。自らが担いえる役割を自覚して活動に生かす。

ア コーディネーター(coordinator)として:人や活動をつなぐ役割。地域

の人とモノを効果的に結びつけて活動に生かす

イ プランナー(planner)として:活動のアイデアを提案し、企画の助言

をする役割。人や組織にアイデアをわかりやすく説明できることが重要

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R2社会教育主事講習【A】社会教育経営論

4

ウ インストラクター(instructor)として:知識や技術を人に伝える役割。

よく知っていることとよく教えられることは別。伝え方の工夫が必要

エ ファシリテーター(facilitator)として:周囲を元気づけ、活動のいっ

そうの推進を図る役割。活動のモチベーションの上げ役

オ アドバイザー(advisor)として:適切な助言をする役割。これまでの

経験を生かすだけでなく、新しい情報により助言力を高めることも大切

カ カウンセラー(counselor)として:活動での不安や悩みを聴き、寄り

添ってくれる人。表立った活動ではなく「黒衣」のような役割

④身近な「お手本」(role model)としての地域人材

地域人材の活動ぶりや、はつらつさが周囲に伝播。地域参加・参画という生

き方を発信

→新たに地域人材が活動に入っていくきっかけに

6 行政による地域人材の育成

①地域づくりにおける行政・社会教育主事の役割

「社会教育主事が、単に教育委員会の枠内での業務にとどまらず、首長部局

や社会教育に関わる様々な主体等も含め、広く社会教育に関する取組を積

極的に支援するよう、学びのオーガナイザーとしての業務内容の高度化を

図るなど、総合的な視点に立った地域の社会教育振興に取り組むことが重

要」。(前掲中央教育審議会答申、2018.12)

・行政と、地域の多様な主体(団体・個人)との連携・協働の姿勢

・「学びのオーガナイザー」として地域の社会教育をけん引する役割を強調

②社会教育事業を通しての地域人材の育成

ア 幅広い地域住民層を対象とした講座・教室の開設

市民大学、ボランティア講座、郷土史・郷土料理、環境・健康・福祉等の

地域課題に関する講座など。企画・運営、講師を地域人材が担う例も。

→講座開設の目的の一つとして講座修了後の受講者の地域参加

→受講者同士の人間関係を育み、地域活動に入りやすい環境を醸成

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R2社会教育主事講習【A】社会教育経営論

5

イ 地域人材のための研修機会の設定

例えば、地域リーダー養成講座、学習サークルリーダー研修会など。講義、

演習・話し合い、事例学習・体験学習など。各場面で地域団体の協力も

ウ 公民館等での学習サークルへの活動機会の提供

趣味・教養等のサークル、福祉・環境等のサークルなど。

・運営役員、指導者として地域人材が活動。指導者に私塾化の懸念も。

・活動を通じての生きがい感、自己有用感 →他の活動への広がり

・趣味の効用 →様々な地域活動へ(書道、絵手紙、音楽、軽スポーツ…)

エ 各種イベントの開催

公民館まつり、学習成果の発表会・展示会など。行政・館との連携による

実行委員会活動。開催時には入退館自由。地域住民が様々な地域活動に触

れる好機(サークルの内輪の発表会意識を克服する課題も)

オ 活動団体への補助金交付等

・行政は、社会教育関係団体に対して補助金を交付したり、団体の求めに

応じた助言等により地域活動を支援(社教法第 11 条及び 13 条)

・行政は地域で社会教育を行う団体に活動場所を提供。自治体によっては

施設利用料を減免し、活動を積極的に支援

・社会教育主事は、社会教育関係団体の活動に対して、専門的技術的な助

言や指導をすることで、地域の教育力を底上げ(社会教育法第 9条の 3)

7 社会教育関係団体への期待

①社会教育関係団体とは

・「法人であると否とを問わず、公の支配に属しない団体で社会教育に関す

る事業を行うことを主たる目的とするもの」(社教法第 10 条)

・社会教育関係団体の例:文化・スポーツ団体、青少年育成団体、ボランテ

ィア団体、国際交流団体、PTA、公民館学習サークル…

・自治体によっては、社会教育関係団体は登録団体として認定され、地域の

社会教育活動の推進役に。地域人材の主要な活動の場に

②社会教育関係団体にとっての「三助」

・まちづくり等でいわれる「三助」(自助、共助、公助)の推進期待

・社会教育関係団体での展開

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R2社会教育主事講習【A】社会教育経営論

6

自助:団体の設立趣旨に沿った独自の運営努力、活動の積極的展開

共助:地域の他の団体や個人との連携・協力

公助:行政による補助金、活動場所の提供、広報・助言などの活動支援

③社会教育関係団体が抱える問題

設立趣旨に沿った実績を着実に挙げている団体がある一方、問題を抱え込

んでいる団体が散見

・活動内容・機会が増え,それが会員にとって重荷になっている団体

・活動のマンネリ化が続いている団体

・会員の高齢化などで会員数の減少が止まらない団体

・運営を行政に頼りきりにしている団体

・会長や外部指導者によるワンマン運営で会員の不満が募っている団体

・会計を一部の会員だけが把握している団体…

④NPO活動からの示唆

地域で優れた実績を挙げるNPO(特定非営利活動団体)の運営を参考に

ア NPO活動の特徴

・主体性 ・公共性(公益性) ・先駆性

イ「ミッション」(mission)の重視

・どのような地域課題に向き合おうとしているかを明示。会員が共有

ウ 活動情報の公開、透明性の徹底

・情報を積極的に地域に公開し、信頼を得つつ人材を活動に取り込む

エ 「協議体」「実行体」としての団体機能の発揮

・「リトリート」(retreat、振り返り)の実施、「エンジェル」(angel、

地域人材)の活用

おわりに

①社会教育主事の職務スタンス:「指導者」→「主動者」の姿勢

・「ナッジ」(“Nudge”2008, Richard Thaler )という考え方

・地域住民に、地域で役割がある、地域でつながることの「よさ」を語

れるか

②社会教育にできること: 地域づくりの担い手である地域人材のつなが

りの強化、活動環境の改善、地域人材の活動参加の促進等の地域課題の

解決を通して,地域の人々の幸せに貢献すること

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R02 社会教育主事講習[A]

講義レジュメ

講 師 水谷 修

内容・テーマ

地域課題の分析・把握 期 日 8 月 5 日

〔概要〕地域課題を把握するための資料・データの収集方法を含め、地域課題の分析・把

握することの意義やその方法、留意点等について、事例を取り上げながら検討する。

〔目標〕学習課題の設定には、地域課題を把握するための資料・データの収集方法につい

て理解し、分析することが不可欠であることを理解する。

⇒なぜ不可欠か説明できるようになる。

⇒資料・データの収集方法にどのようなものがあるか説明できるようになる。

〔構成〕

1.社会教育主事と地域課題の把握

2.学習事業計画の立案における学習課題の設定に必要な視点

(1)学習ニーズの把握

(2)社会の教育要請の把握

3.学習関連資源の把握

4.事例に学ぶ地域課題の解決に資する事業~市民による地域診断(課題の発見等)

(1)仙台市市民参画型事業

(2)那覇市繁多川公民館「あたいぐぁープロジェクト」

〔参考文献〕

①国立教育政策研究所社会教育実践研究センター編『公民館の事業及び運営の実態に関す

る調査報告書』、同所 2004.

②水谷修「学習要求と教育要請の把握」、山本恒夫他編『社会教育計画』、実務教育出版、

1995.

③水谷修「地域のニーズに応える社会教育調とデータの活用」、浅井経子他編著『地域を

コーディネートする社会教育』、理想社、2015.

➃浅井経子編『社会教育経営論』、ぎょうせい、2020.

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R02 社会教育主事講習[A]

講義レジュメ

講 師 山川 肖美

内容・テーマ

学習成果の評価と活用 期日 2020 年 8 月 6 日 9 時 30 分~12 時 45 分

1 学習成果の評価についての政策

2 学習成果の評価の考え方

3 学習成果の活用についての政策

4 学習成果の活用・循環

5 ビジョン(ゴール)から取り組みをつくるためのフレームとしてのロジックモデル

6 生活者の視点からの捉えなおしー運営側の論理で思考をとめていないか?-

〔参考文献〕

PwC あらた有限責任監査法人「社会的インパクト評価実践研修ロジック・モデル作成の手

引き」、2017。

井内慶次郎監修、山本恒夫・浅井経子、椎廣行編『生涯学習【自己点検・評価ハンドブッ

ク】』文賢堂、2004。

OECD 教育研究革新センター編著『学習の社会的成果-健康、市民、社会的関与と社会関係

資本』明石書店、2008。

山川肖美「第 12 章生涯学習成果の評価」『生涯学習社会の構図』福村出版、2008。

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R02 社会教育主事講習[A]

事例発表レジュメ

内 容 ・ テ ー マ 学習成果の評価

学習成果の活用

実 践 事 例 名

「学びプランたきざわ」による「生きがいとやりがいのある

充実した人生を送ることができる滝沢市」の実現

事業主体(実施機関)

滝沢市教育委員会事務局 生涯学習スポーツ課

連 携 ・ 協 力 機 関 等

発 表 者

滝沢市教育委員会事務局 生涯学習スポーツ課 主任主査 細川 健一

期日 令和2年8月6日

内 容

岩手県滝沢市では、「生きがいとやりがいのある充実した人生を送ることができる

滝沢市」の実現を目指し、第1次滝沢市生涯学習推進計画後期基本計画学びプランた

きざわを令和元年6月に策定しました。

同計画の確実な展開を通じた全庁規模による生涯学習・スポーツ推進体制を構築し、

SDGsに基づく「学びによる生活の質の向上」と「スポーツによる健康づくりの推

進」を図っております。

そして、「地域が人を育て、人が地域をつくる好循環」と「学びと活躍が結ぶ人と

人とのつながりづくり」の促進による「生きがいとやりがいのある充実した人生を育

む好循環サイクル」を形成。複雑化・多様化する地域課題や教育課題を解決できる「人

・つながり・地域づくり」の推進を目指しております。

今回、滝沢市における生涯学習・スポーツ推進の取り組みをお話させていただきま

すが、新型コロナウイルス感染症対策が新たな地球規模課題となっております。コロ

ナ時代に対応した生涯学習の在り方についても受講生の皆さんと一緒に考える場とな

ればと考えております。

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R02 社会教育主事講習[A]

講義レジュメ

講 師 原 義彦

内容・テーマ

社会教育計画の策定と評価 期 日 2020 年 8 月 6 日

1. 社会教育計画の意義と内容

1.1 社会教育計画の意義

1.2 社会教育計画の特徴

1.3 社会教育計画の条件

2. エビデンスに基づく社会教育計画

2.1 エビデンスとは

2.2 PDCA サイクルとエビデンス

2.3 EBPM

3. 社会教育計画の策定(1):現状分析

3.1 社会教育計画策定の流れ

3.2 現状分析の内容と方法

3.3 課題分析の方法

4. 社会教育計画の策定(2):計画作成

4.1 社会教育計画策定の流れ

4.2 中長期計画の構成

4.3 社会教育計画の構造

4.4 計画作成の手順

5. 社会教育計画の評価(事後評価)

5.1 社会教育計画・事業の評価

5.2 年次計画の評価

5.3 中長期計画の評価

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〔参考文献〕

・ 浅井経子他編『社会教育経営論ー新たな系の創造を目指してー』理想社、2020

・ 浅井経子(編集代表)『社会教育経営論』ぎょうせい、2020

・ 国立教育政策研究所社会教育実践研究センター『社会教育計画策定ハンドブック』2012 年 3 月

(同センターのウェブサイトからダウンロード可能)

・ 同『社会教育推進の PDCA サイクルを確立するために必要とされる評価指標の在り方に関する

調査研究報告書』2015 年 3 月(同上)

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R02 社会教育主事講習[A]

講義レジュメ

講 師 松永 由弥子

内容・テーマ

家庭、学校、地域の連携・協働の推進と地域の活性化 期日 8 月7日

1.家庭、学校、地域の連携・協働の必要性

(1)社会教育からのアプローチ

①学校教育法第 137 条、社会教育法第 44 条、同 2条

②学社連携、学社融合

③学校支援地域本部事業、放課後子供プラン

(2)学校教育からのアプローチ

①開かれた学校づくり

②学校評議員制度

③コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)

④土曜日の教育活動推進プラン

(3)地域学校協働活動へ

①教育基本法改正による第13条の規定

②教育振興基本計画における重点項目

③社会に開かれた教育課程

(4)教育に求められるもの・期待されることの変化→生きること=学ぶこと

①生涯学習の中に位置づけられる学校教育、社会教育

②人格の完成=各人が所属する社会に求められる資質・能力を有することを含む

③「生き抜く力」の育成には、経験、生活の中での応用、生きた見本が必要

④お互いの特徴・良いところを認め合い、助け合い、学びあう必要性

2.地域学校協働活動の展開

(1)地域学校協働活動の概念図、体制のイメージ

(2)地域学校協働活動推進員(社会教育法第9条の7)

(3)「地域とともにある学校づくり」と「学校を核とした地域づくり」→地域活性化

〔参考文献〕

・国立教育政策研究所社会教育実践研究センター『社会教育経営論』令和2年,ぎょうせい

・文部科学省ウェブサイト「学校と地域でつくる学びの未来」

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R02 社会教育主事講習[A]

講義レジュメ

講 師 井 上 昌 幸

内容・テーマ

学校、家庭、地域の連携・協働の推進と地域の活性化 期 日 8月7日(金)

1 学校、家庭、地域の連携・協働に必要な視点

(1)地域の立場から必要な視点

(2)学校の立場から必要な視点

(3)持続可能な仕組みづくりに必要な視点

2 事例を読み解く観点

(1)地域の活性化につながっている点は何か?

(2)一過性の活動ではなく仕組みづくりにどのようにつながっているか?

(3)自分ならどこをまねしたくなるか?

(4)自分で行うとしたら、難しいなと感じるところ。

3 学校、家庭、地域の連携・協働を行う意義

(1)子どもたちにとって

(2)学校にとって

(3)地域にとって

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R02 社会教育主事講習[A]

講義レジュメ

講 師 湊貞宗・関源一

内容・テーマ

学 校 と 地 域 の 連 携 ・ 協 働 の 取 り 組 み

期 日 R2.8.7(金)

1 合川小学校の概要

2 地域学校協働活動の取り組み

① 第2公民館としての地域住民との交流活動

② 地域の教育力を活かす8つのクラブ活動

③ 教育活動の質を高める学習支援・農園活動

3 合川小・中学校学校運営協議会の取り組み

① 小中合同による地域で子どもを育てる環境作り

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R02 社会教育主事講習[A]

事例発表レジュメ

内 容 ・ テ ー マ 社会教育経営論<シンポジューム>

実 践 事 例 名

公民館を軸とした学校と地域の連携・協働の取組について ~学校を核(舞台)にしたトライアングル型まちづくり事業~

事業主体(実施機関) 山口県長門市油谷中央公民館

連 携 ・ 協 力 機 関 等 油谷小学校・ゆや地区社会福祉協議会・長門市・長門市教委

発 表 者 油谷中央公民館元館長・学校と地域をつなぐコーディネーター協議会代表

森 田 和 康

期日R2(2020)年8月7日

内 容

1 やまぐち型地域連携教育の具現化における公民館の役割

○ 油谷地域協育ネット(公民館が事務局)とコミュニティ・スクールは車の両輪

○ 地域協育ネットの概要とコミュニティ・スクールの連携による学校と地域のパ

ートナーとしての取組

2 油谷小コミュニティ・スクール10年間の歩み<スライド視聴>

○ 「地域に開かれた学校」から「地域と共にある学校」へ、さらには「学校を核

(舞台)とした地域づくり」へ<地域交流室の設置>

3 学校を核(舞台)としたトライアングルまちづくり事業の取組

~子どもと学ぼう&カレーライスとサロンの日~

○ 学校は子どもと地域住民が共に学びあう場である。

4 <まとめ>子どもは未来からの留学生

○ 将来大人になったとき、苦難の道を歩むであろう子ども達に、今を生きる大人

として教師としてできることは何か。