2007 年度 p6 課題研究 on 2008/3/7
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2007 年度 P6 課題研究 On 2008/3/7. PART1: (基本編) Geant4 ~10 分 by 劉 PART2: (応用①) RX J1713.7-3946vs 分子雲仮想の X 線スペクトルのシミュレーション ~15 分 by 芝原 PART3 : ( 応用② ) 宇宙線による検出器 BG シミュレーション ~15 分 by 劉. PART1 Geant4. 前半: Geant4 の簡単な説明 後半: Geant4 の確認実験. Geant4 とは GEometry ANd Tracking 4. - PowerPoint PPT PresentationTRANSCRIPT
2007年度P6課題研究
On 2008/3/7
2007年度P6課題研究
On 2008/3/7
PART1:PART1: (基本編) (基本編)
Geant4Geant4 ~10~10 分分 byby 劉劉
PART2: PART2: (応用①) (応用①)
RX J1713.7-3946vsRX J1713.7-3946vs 分子雲仮想の分子雲仮想の XX 線スペクトルの線スペクトルのシミュレーションシミュレーション ~15~15 分分 byby 芝原芝原
PART3: PART3: (応用②(応用② ))
宇宙線による検出器宇宙線による検出器 BGBG シミュレーション シミュレーション ~15~15 分分 byby 劉劉
PART1:PART1: (基本編) (基本編)
Geant4Geant4 ~10~10 分分 byby 劉劉
PART2: PART2: (応用①) (応用①)
RX J1713.7-3946vsRX J1713.7-3946vs 分子雲仮想の分子雲仮想の XX 線スペクトルの線スペクトルのシミュレーションシミュレーション ~15~15 分分 byby 芝原芝原
PART3: PART3: (応用②(応用② ))
宇宙線による検出器宇宙線による検出器 BGBG シミュレーション シミュレーション ~15~15 分分 byby 劉劉
PART1Geant4
前半: Geant4 の簡単な説明
後半: Geant4 の確認実験
Geant4 とはGEometry ANd Tracking 4
物質を通過する粒子の過程をモンテカルロシミュレーションする TOOLKIT である。
高エネルギー物理、宇宙線物理、放射線医療などの分野で広く使用されている。
User は目的に応じ Geant4 が提供した C++ 言語の LIBARY群から必要なもの実装し、自分で Program を書かなければならない。 CMS/LHC
INTEGRAL/ESA
Geant4 のモンテカルロシミュレーション
モンテカルロ法とは、乱数を用いた統計的なサンプリングによって問題の近似解を求める数学的手法である。
positron
Gamma #1
Gamma #2
Step 乱数を用い、反応断面積や物質の性質を対応させることにより粒子と物質の相互作用が決定される。粒子の軌跡
は、 Step という単位で区切られる。
Geant4シミュレーションの構築 (1)
最小構成
Detector Construction•物理環境 (Geometry )
•有感部分 (Sensitive Detector)
Physics List•粒子の種類
•必要な物理相互作用
•生成粒子 Cut Value
Primary Generation•初期粒子の情報
(種類、位置、運動エネルギ
-、方向など)
Geant4シミュレーションの構築 (2)管理階層と UserAction
G4 のシミュレーションは Run 、
Event 、 Track 、 Step の順に
管理階層が細かくなっていく。
User は各階層に対して、各
G4UserAction クラスでシミュ
レーションを制御したり、情報
を取り出すことが出来る。
Hit を定義し、検出応答も可能
Geant4シミュレーションの流れ
以上は Geant4 の簡単な説明
次は、 G4 の確認実験のお話
初期化
•Run-Manager
•Geometry
•Physics
Run 開始
•初期情報を読み込む
•BeamOn で START
進行中
•粒子をStepbyStep を追跡
•各階層で情報をメモリーに保存
UserAction
•Hit の場合
•情報を書き出し
LOOP
Run 終了
•メモリー解放
PMTPMT
Source
NaI
PreAmp
HighV1090V
LowV15V
MCA600PC
OUTPUT
Pb実験配置
Geant4の確認実験をした
NaIシンチレータによる γ 線の測定 2007/12/29
線源は
•137Cs ( 662keV )
•22Na(511keV&1275keV)
測定時間は
LT=1500Sec
Geant4で NaI実験を再現した
•PhysicsList :
光電効果、 Compton 散乱、電子対
生成、電離損失、制動放射などの相互
作用を G4 に取り入れた。
•DetectorConstruction :
NaI 、 PMT 、 Pb ブロック、空気密
度 etc
•PrimaryGeneration
線源から出る各々の光子エネルギーと
強度比を考慮した。
by Geant4
実際の実験の測定結果
赤 :137Cs紫 :22Na
赤 :137Cs紫 :22Na
各ピークの分解能を解析し、 G4 の生データの解析に使用した
511keV662keV
1275keV
662keV の光電 PEAK
G4 シミュレーションの結果( Cs137)
赤:実際の実験緑: G4 の生結果青: G4&Gaussian
赤:実際の実験緑: G4 の生結果青: G4&Gaussian
477keVの
ComptonEdge
184keV の後方散乱
Pb のK 系列 X 線
I のEscape
keV
ratio
赤:実際の実験
緑: G4 の生結果
青: G 4の生結果をGaussian で処理したもの
G4 シミュレーションの結果( Na22)
緑:実際の実験
赤: G4&Gaussian
緑:実際の実験
赤: G4&Gaussian
511keV の
光電 PEAK1275keV
の
光電 PEAK
Pb の
K 系列 X 線
keV
counts
ratio
Part1 のまとめ
完全再現とはいえないが、物質と粒子の相互作用をよく再現できた。
Geant4 は検出器の性能を User が設定できるため、実際の検出装置が見えないものを予測できる。
RX J1713.7-3946 vs RX J1713.7-3946 vs 分子雲分子雲仮想の仮想の XX 線スペクトルシミュレー線スペクトルシミュレー
ションション
P6P6松本班松本班
芝原光樹芝原光樹
PART2PART2
目次11 .動機・目的.動機・目的
22 .. RXRX J1713.7-3946J1713.7-3946 についてについて
33 .方法~シミュレーション~.方法~シミュレーション~
3-13-1 .シミュレーションのために.シミュレーションのために
3-23-2 .予備シミュレーション.予備シミュレーション
3-33-3 .. γγ 、、 pp 、、 e-e- の相対値はいくらくらい?の相対値はいくらくらい?
44 .シミュレーション結果.シミュレーション結果
4-1.4-1.掲示掲示
4-2.4-2.陽子由来の陽子由来の 6.4keV6.4keV~再考~再考
55 .まとめ.まとめ
1.動機・目的
•超新星残骸 RX J1713.7-3946
・ Fe などの輝線が見られない。
→ほんと?
もし Fe を含む分子雲通過→輝線はどの程度見える? ?
南西部の X 線スペクトル
2. 2. RX J1713.7-3946RX J1713.7-3946 についてについてさそり座の尾の中付近に見られる(目では見えません)超新星残骸距離 ~ 1 kpc年齢 ~ 1600 yr (中国の文献に載っている!)ROSAT All-Sky Survey により発見ASCAによりその北西部からのシンクロトロン放射によるX線スペクトルを確認( Koyama et al. 1997Koyama et al. 1997 )
• photon 強度スペクトル
~ keV :熱的放射<非熱的放射
~ TeV : keV領域に匹敵するほどの強度
→ p originp origin (( ππ 00崩壊)?崩壊)?
e- origine- origin (逆コンプトン散乱)?(逆コンプトン散乱)?
今回は陽子起源だとして話を進めます。
Photon Energy(eV)
Flu
x(/
erg
/cm
2/
s)
E.G.Berezhko,E.G.Berezhko,H.J.Volk 2006H.J.Volk 2006
3.方法~シミュレーション~
• 1~10keV1~10keV付近の強度スペクトル付近の強度スペクトルをシミュレーションする。
• 想定している状況は・・・↓
e-
p
X
π0 γ
Shock
SupernovaMolecular Cloud
Observer
・球形の分子雲球形の分子雲に中心から中心から pp などなどを打ち込む。
・出てきた光子のみ出てきた光子のみを検出する。p
γ
e-
Molecular Cloud
検出方法は・・・
★分子雲★ ★分子雲★・組成比(個数比):・組成比(個数比):H 85%,He 14%,H 85%,He 14%,
C 0.6%,O 0.3%,Fe 0.1%C 0.6%,O 0.3%,Fe 0.1%・その他・その他
R~1pcR~1pc T~10K T~10K density~100/ccdensity~100/cc
シミュレーションのために・・・• Geant4 では「 Kinetic EnergyKinetic Energy が○が○ MeVMeV の陽子を△本打つの陽子を△本打つ」
というような設定。
→何を何本打つか?何を何本打つか?
・~10keV X 線を出さないものをやたら打ってもムダ。
・各粒子の応答性を見るために予備シミュレーションをしました。
予備シミュレーション~数数 keV XkeV X 線線を生むのはを生むのは !?!?
p
e-
光子
1-1000keV
?
・それぞれ 106 本ずつ・一様確率密度で 1-1000[MeV など ]を
0.1刻みで打ってみる・出てきた 1-1000keV 光子を図にしました。
1MeV 1000MeV
○ or ×
1-1000MeV 1-100TeV 1-1000GeV
打ち込むエネルギーレンジ打ち込むエネルギーレンジ
E = 1-1000 E = 1-1000 keVkeV
・・ 1-1000 [GeV]1-1000 [GeV] 、、 1-100 1-100 [TeV] [TeV] は は 6.4keV 6.4keV が それが それ
ぞれぞれ22 event event だけありました。だけありました。
他は何もなし。他は何もなし。
events
①
②
keV
photon の応答性 E = 1-1000 E = 1-1000
MeVMeV
keV
①①1-3keV 1-3keV のかなりの光子のかなりの光子は光電効果、コンプトン散は光電効果、コンプトン散
乱を受ける乱を受ける②②7 keV 7 keV あたりに鉄のあたりに鉄の
エッジが見られるエッジが見られる
events events
p の応答性
K = 1-100 K = 1-100 TeVTeV
K = 1-1000 K = 1-1000 GeVGeV
K = 1-1000 K = 1-1000 MeVMeV
keV
events
events
keV
keV
events
・衝突電離による・衝突電離による 6.4keV6.4keV がほとんどがほとんど・どのレンジでも出てくる・どのレンジでも出てくる 6.4keV X 6.4keV X
線はほぼ同じイベント数線はほぼ同じイベント数・・ 1-1000keV1-1000keV のpでは(のpでは( 1keV1keV 以上以上
の)の) XX 線は出てきませんでした。線は出てきませんでした。(SetCutForSecondaryPhotons=1k(SetCutForSecondaryPhotons=1k
eV eV のせいのせい (( おかげおかげ ?))?))
K = 1-1000 K = 1-1000 MeVMeV
K = 1-1000 K = 1-1000 keVkeVeventsevents
eventsevents
keV
keV
e-e-衝突による各原子に対する衝突による各原子に対する KK殻電子電離断面積 殻電子電離断面積 (( 実線実線 ))(V.Tatischeff 2002)(V.Tatischeff 2002)
e- の応答性~その1
e- の応答性~その2
・衝突電離による・衝突電離による6.4keV6.4keV がほとんどがほとんど・制動放射による・制動放射による成分も見られる成分も見られる・出てくる・出てくる 6.4keV 6.4keV XX 線はどのレンジ線はどのレンジでもほぼ同じイベでもほぼ同じイベ
ント数ント数 K = 1-100 K = 1-100
TeVTeV
K = 1-1000 K = 1-1000 GeVGeV
keV
keV
events
events
予備シミュレーションまとめ予備シミュレーションまとめ ~~ 1010 keVkeV のの XX 線線を生むのは・・・を生むのは・・・
• e-e- :どのレンジでも出てくる:どのレンジでも出てくる 1-10keV X1-10keV X線は同じくらい線は同じくらい
• pp :どのレンジでも出てくる:どのレンジでも出てくる 1-10keV X1-10keV X線は同じくらい線は同じくらい
• 光子:打ち込むのは光子:打ち込むのは 1-1- 数百数百 keVkeV で十分で十分
◎◎
○○
×× ○○○○○○
◎◎◎◎◎◎
×× (透過)(透過) ×× (透(透過)過)
×× (透(透過)過)
pp
e-e-
光光子子
1~1000 keV 1~100 TeV1~1000
GeV1~1000 MeV
打ち込んだエネルギーレンジ打ち込んだエネルギーレンジ
本シミュレーションの前に残念な話が1つ・・・
step
real trajectory
chords
★★今回は磁場はかけずにシン今回は磁場はかけずにシンクロトロンクロトロン XX 線はすでにでき線はすでにできたものとして打ち込むことにたものとして打ち込むことに
します。します。
磁場と e- から シンクロトロン X 線を再現したかった。→計算機の計算時間都合上と僕の力不計算機の計算時間都合上と僕の力不
足で足で無理でした無理でした。難しかったです・・・。
各粒子の相対量は?各粒子の相対量は?
陽子陽子
電子電子
シンクロトシンクロトロンロン XX 線線
観測量観測量
TeVγTeVγ 線線 fluxflux とシとシンクロトロンンクロトロン fluxflux比(観測量~比(観測量~ 0.00.077 )より)より
(Yamazaki et al. (Yamazaki et al. 2006)2006)
陽子の陽子の ~10~10-3-3倍倍(Yamazaki et (Yamazaki et
al.2006)al.2006)
種類 分配関数の形種類 分配関数の形 相対量の決め方相対量の決め方
(Uchiyama et al. (Uchiyama et al. 2003)2003)
E
が決定した。実際打ちが決定した。実際打ち込むのは反応するレン込むのは反応するレン
ジから。ジから。
その結果・・・その結果・・・p→ 1 MeV~p→ 1 MeV~ をを 1.3×101.3×1099 本本e-→1 keV~e-→1 keV~ をを 2.5×102.5×1099 本本
Synchrotron X raySynchrotron X ray → → 1 keV~ 1 keV~ を を 10101212 本本
Synchrotron XSynchrotron X 線 由線 由来来
e- e- 由来由来
40keV
Flux
(photon/keV/s)*(keV)2
6.4 keV6.4 keV
4.結果 4.結果 1-40 keV 1-40 keV のの XX 線フラ線フラックスックス
p p 由来由来
青(青(赤赤++緑緑++ピンクピンク))
40keV
重ね合わせる重ね合わせる
p,e-p,e-由来の成分はほとんど寄与しない。(由来の成分はほとんど寄与しない。( FluxFlux 比~比~0.0010.001 ))
Flux
(photon/keV/s)*(keV)2
ここを拡大するここを拡大すると・・・と・・・
40keV
1-3keV1-3keV での吸収が激しいでの吸収が激しい
打ち込んだ打ち込んだ γγ・ ・ gaussgauss かける前かける前× gauss× gauss かけた後かけた後
すざくのすざくの XISXIS は分解能が~は分解能が~ 130eV 130eV (FWHM)(FWHM)
GaussianGaussian をかをかけるける
Flux
(photon/keV/s)*(keV)2
5-8keV5-8keV の拡大図の拡大図
8keV5keV
等価幅 等価幅 of 6.4keV of 6.4keV 山山~~ 21.5eV21.5eV
KKβ β + K+ K吸収端吸収端
わずかに見える・・・?
Flux
(photon/keV/s)*(keV)2
ここで話を少し戻して・・・ここで話を少し戻して・・・ππ00 崩壊崩壊 γγ の山を作ってみましたの山を作ってみました
目的 実際の図を利用して、目的 実際の図を利用して、陽子陽子由来の由来の 6.4keV6.4keV FluxFlux がどの程がどの程度シンクロトロンの山に隠れるのか度シンクロトロンの山に隠れるのかをもう一度をもう一度別の視点から別の視点から評価する。評価する。
EventEvent 数は数は ππ00 の静止の静止エネルギーの約半分でエネルギーの約半分で
ピークピークフラックスの図を作るフラックスの図を作る
と・・・と・・・
21261 events @ 6.4keV21261 events @ 6.4keV→→p origin 6.4 keV Fluxp origin 6.4 keV Flux は は
8.7×108.7×101111 [eV/s] [eV/s]
6.4keV π0 decay
67.5MeV
ev
~6
ケ タ
p origin 6.4keV Flux
Flux Flux [eV/s][eV/s]
E.G.Berezhko,E.G.Berezhko,H.J.Volk 2006H.J.Volk 2006
π0崩壊 γ の肩は~1018 [eV/s] 。
→ p originp origin 6.4keV Flux 6.4keV Flux とと約約 66 ケタの差ケタの差がある。 pp 由来 由来 6.4keV 6.4keV はやはりシンクはやはりシンク
ロトロンの山に完全に埋もれてしロトロンの山に完全に埋もれてしまう。まう。
☆☆全体のまとめ☆全体のまとめ☆
• p,e-p,e- (二次的なものも含む)の衝突電離による(二次的なものも含む)の衝突電離による6.4keV6.4keV はは無視できる程度である無視できる程度である。
• 連続成分連続成分 XX 線の、主に光電効果による線の、主に光電効果による 6.4keV6.4keV輝線は輝線はわずかに見えるわずかに見える。
• しかし、しかし、「もし今回想定したような分子雲を通過し「もし今回想定したような分子雲を通過したら」たら」 1-3keV1-3keV での吸収が著しいスペクトルが輝線での吸収が著しいスペクトルが輝線と同時に観測されるはずである。と同時に観測されるはずである。
宇宙線による観測器の BackGround のシミュレーション
1.シミュレーションの背景
2.シミュレーションの目標
3.シミュレーションモデルの構築
4.シミュレーションの手順
5.シミュレーションの結果と分析
内容
PART3
宇宙空間の人工衛星は常に宇宙線を浴びている。
宇宙線とは、高いエネルギー持つ
光子 (Photon)
電子 (Electron)
陽子 (Proton)
など。
• 宇宙空間の人工衛星は常に宇宙線を浴びているので、衛星搭載の観測器は宇宙線による放射損傷を受ける。
• また、宇宙線が直接あるいは間接的に検出器によって観測されてしまうことが BackGroundの原因になっている。
XIS搭載
宇宙線 CosmicRay
宇宙線 BackGround
宇宙線 BackGround ( ノイズ )
Target天体の情報(貴重なデータ)
観測スペクトル全体
BG の影響を取り除くには、1.宇宙線 BG を細かく再現し (Anada.2005) 、観測スペクトルを再現した BG で処理する方法。2.検出器の周囲をシールドし、宇宙線 BG を直接減らす方法。(今回のテーマ)
現役の X 線天文衛星 SUZAKU をモデルとして、次期X線天文衛星を想定し、その XIS 検出器と宇宙線の相互作用を Geant4 でシミュレートし、 BG を大域的に再現する。
いくつかのシールドに変えながらシミュレーションを繰り返し、各々の宇宙線が作る BGの性質を調べ、結果をまとめる。
電子陽子二次粒子
電子陽子一次粒子
光子
宇宙線環境の再現
太陽光を除くために、夜の地球を想定し、地表から 600km の宇宙空間では
Based on GLAST Balloon Experiment (Mizuno.2004)
CCD カメラ
100mm100mm (面積)
100μm (空乏層の厚み)
シリコン板
周りの機材:
球殻シールド
( 物質層の厚さ ~10g/cm2)
の金属
検出器環境の再現
XIS を想定して検出器モデルを簡単化した
2005by穴田
2007 by p6
Si
外殻物質 内殻物質 物質厚さ
TYPE0視野方向を想定
なし なし 0
TYPE1XIS を想定 Al37mm Au0.5μm 10g/cm2
TYPE2お試し Au0.5μm Al37mm 10g/cm2
TYPE3おまけ Pb37mm なし 42g/cm2
検出器シールドの TYPE
Si
Si
Si
Si
1)打ち込む粒子の種類(光子、電子、光子)と観測時間(粒子数)を決める。
2)Geant4 シミュレーション開始。
3)作ったエネルギースペクトルから粒子の運動エネルギーとCount 数を読み取る。
4)天球( 4π )からランダムに選んだ点を発射位置として、中心の Si板に向かって粒子を打ち込む。
5) Si板が吸収したエネルギーを外部 Data-file に書き出す。
6)Geant4 シミュレーション終了。
7)最後は、 Date-file を処理し、スペクトルとしてグラフ化する。
光子
電子と陽子
シールドなし
全体の BG ( TYPE0 で一年間分)
• 光子: 1~100keVに 渡って count数が減少する。• 電子:
10~1000keVに渡って、山を作った。• 陽子:
10~1000keVに渡って、電子より緩やかな山を作った。
Si
解釈の準備
荷電粒子の阻止能 Stopping Power荷電粒子は電離損失が主要反応である
電離損出による単位物質長 [g/cm2] あたりエネルギー損出 dE/dxはBethe の式で与えられる。
Proton
高エネルギー荷電粒子が Si板に落とすエネルギーは
吸収エネルギー ΔE= (阻止能 dE/dx ) × (有感部の中で通過した距離 d )
高エネルギー粒子 (v~c) に対して、阻止能 dE/dx がほぼ一定になる。
電子と陽子の山型スペクトルの解釈
Si
dmindmax
Emin ∝ dmin
Emax ∝ dmax
山の理由:•スペクトルには最大と最小吸収端がある。•幾何的な理由から、その間には PEAKが現れる。•PEAKは 2MeV*cm2/gから 40keV程度である。
外 Al 37 mm内 Au 0.5 μm 物質厚さ 10g/cm2
全体の BG (シールド TPYE1 で一年間分)
SUZAKU の XIS モデル
•20keV 以下では光子と電子が作る BGが主要
•20keV 以上では陽子と電子が作る BGが主要
光子
陽子
電子
Si
[counts
]光子の各シールド TYPE の比較
青:シールドなし
赤:外 AL 内 Au
緑:外 Au 内 Al
無シールド
Al&Au シールド
シールドによる光子 BG 分析
シールド Al と Au の影響で、光電吸収や Compton 散乱で入射光子が吸収/散乱され、無シールドの時と比べて全体的 BG が4〜5桁減少した
シールドの構成( TPYE1 と TYPE2 )は、 BG に殆ど影響がなかった
[ particles/cm2/sr/sec/keV] 単位に換算すると、 10の -5乗というオーダーになる。
BG低減の一般対策
当たり前のことであるが、光電吸収とCompton 散乱が主要反応なので、より原子番号 Z の大きいシールドを使うのが効果的であろう。
電子の各シールド TYPE の比較
青:シールドなし
赤:外 AL 内 Au
緑:外 Au 内 Al
無シールド
Al&Auシールド
シールドによる電子 BG の分析
シールドの影響で、 20keV 以上の BG が少し減少したが、 20keV 以下では BG が劇的に増加した。これは、宇宙線電子とシールドの相互作用で作られた多数の二次粒子に由来するものと考えられる。
シールドの構成( TYPE1 と TYPE2 )に依存性があった。外 Au内 Alは外 Al内 Au より BG が少ない。
[ particles/cm2/sr/sec/keV] 単位に換算すると、 20keV 以下では~10 の -5乗、 20keV 以上では 10 の -4乗というオーダーになる。
16
BG低減の一般対策
•電離損出( Z )と制動放射 (Z2) が主要反応なので、原子番号Z の大きいものが必要であろう。•原子番号大のものを外に、原子番号小のものを内にしたシールドの方が BG がやや少ない。
陽子の各シールド TYPE の比較
青:シールドなし
赤:外 AL 内 Au
緑:外 Au 内 Al
無シールド
Al&Auシールド
陽子 BG の分析
シールドの影響を全く受けず、高エネルギー陽子の BG は殆ど変わらない(多少エネルギーを失うのも進路を変えずに貫通した)。
逆に、シールドによる二次粒子のせいで、 20keV 以下の BG が一桁増えた。シールドがない方がよいではないか ! ?
しかし、 シールドの構成を変えることで( Au を外に置く)、 20keV 以下のBG を無シールドのときを同じレベルに押さえることが出来る。
BG低減の難点
•20keV 以上の BG山は、普通のシールド( AL 、 Au 、 Pb にも!)影響されない。•磁場シルードにしても、高エネルギー陽子 (1000MeV) のため、ラモーア半径を小さく (1cm) するにはかなり強い磁場( 1000G )ばをかけざるを得ない。
陽子対策ここで、考え方を変えて、 BG を減らすのではなく、
山を観測範囲 [1~100keV] から移動させる方法を試した。
Emin ~ dE/dx × dmin
Emax~ dE/dx × dmax
空乏層を厚くすれば、Emin と Emax は大きくなり、
BG山は右(エネルギー高い方)へ移動する。
Emin Emax
空乏層 400μm
空乏層 100μm
全体のまとめ
全体20keV 以下では、光子が主要な BG を作る。20keV 以上では、陽子が山型の BG を作る。電子による BG はそれぞれの半分程度だった。
光子
金属シールドは有効であった。現在 XIS のシールド( 10g/cm^2 )は無シールド時と比
べて、 BG を5桁減少させた。
電子
20keV 以上では、 BG の山をやや(一割程度)押さえたが、20keV 以下では、シールドによる二次粒子で BG が逆に増えた。 Au を外に置くことで多少改善される。
陽子
金属シールドは殆ど無効果でした。逆に、 20keV 以下の BG が増えた。20keV 以上の BG山はかなり堅い、普通のシールドでは BG低減が無理。BG の山を空乏層を厚くすることで移動させることが可能。