20140731 ku-librarians勉強会#180 : 大学図書館は違う! 何が? -...
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大学図書館は違う! 何が?
- 大学図書館機能論、 NACSIS-CAT30 年の価値、データ処理ユーティリティ "D" -
2014 年 7 月 31 日 ( 木 ) 18:30-20:00
京都大学附属図書館 3 階 共同研究室 5
甲 斐 重 武
京都大学附属図書館事務部長[email protected]
第 180 回 ku-librarians 勉強会
1.はじめに:お話すること
1) 大学図書館機能論 Under35世代のための大学図書館経営論 「大学図書館」の定義を自分で探す。 「利用」の支援から「創作」の支援へ
2) NACSIS-CAT30年 (29年 ) の価値 1 図書 1 書誌 ID - ルーチン業務に埋もれた宝 - 所蔵、貸出、シラバス、研究業績等: NCIDで見える価値 日本の大学図書館が築き上げてきた価値
3) 大学図書館員のためのデータ処理ユーティリティ "D" DB,CSV,HTML,Word,Excel,XML 等のデータの加工・整形等 可変長、不定形、多言語の処理 こっそりデータ処理した結果を csv等で他のシステムに渡す。
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大学図書館を語れるの?
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(1) 筑波大学 初任者時代 雑誌・レファレンス
(2) NACSIS ( 現在 NII) ILL システム開発運用 CAT, 学総目 , DB, ELS, 講習会
(4) 広島大学 学内合意形成 EBM, 自動書庫 , WrC
(3) 九州 ( 熊本・佐医・九大・長崎 ) 目録・電情・閲覧・管理等 国際交流・古写真
(5) 京都大学
大学図書館は違う!
そもそも、「違い」とは
「韋」(たがう、そむく、もとる…) 「しんにょう」がついて、「違」(はなれる、一致し
ない…) 「にんべん」だと、「偉」 ( えらい、すぐれる、大き
い…)
「(日本の)大学図書館は違う!」 「(京都)大学の図書館は違う!」 「(京都)大学の図書館(員)は違う!」
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大学図書館とは?
「図書館」:一般には公共図書館。「・・・図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、・・・利用に供し、・・・資することを目的とする施設で・・・」(図書館法、昭 25)
「大学図書館」の定義はない。 大学設置基準と各大学の規則で規定。 「大学に附属する図書館」とは
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大学図書館の概念図
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社会
大 学学 部 ・ 大学院 ・ 研究所 ・ センター ・ 病 院 ・ 事務
図 書 館
必要な資料
利
用
者大学設置基準
収 集 整 理 備える 提 供情報処理・情報提供システムの整備 , 必要な専門的職員
等 ,
適当な規模の施設設備等 , 他の大学図書館等と協力
教 育 研究 社会貢献
収 集 整 理 保 存 提 供
学内規則
( その他、各大学固有の機能 )
大学の目的実現を支援する大学図書館
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(1) 大学図書館は、大学の目的実現・目標達成を支援する組織( 手段 )
(2) 大学の重要な目的・目標は、学術情報の作成・発信
(3) 大学図書館は、学術情報の作成・発信を、より直接的に支援する
(4) 「利用」は「作成」のための手段
(5) 大学が「作成」し続ける限り、大学図書館の支援は必要・重要
電子図書館建議 (1996):作成機能を定義
図書館法 (1950) 「図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、
保存して、一般公衆の利用に供し、・・・とする施設で・・・」
電子図書館的機能の建議 (1996) 「電子的情報資料を収集・作成・整理・保存し,ネットワークを介して提供するとともに,外部の情報資源へのアクセスを可能とする機能をもつもの」
貴重書や目録データの遡及入力
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大学図書館職員の専門性
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社会
大 学学 部 ・ 大学院 ・ 研究所 ・ センター ・ 病 院 ・ 事務
図 書 館
必要な資料
利
用
者大学設置基準
収 集 整 理 備える 提 供情報処理・情報提供システムの整備 , 必要な専門的職員
等 ,
適当な規模の施設設備等 , 他の大学図書館等と協力
教 育 研究 社会貢献
収 集 整 理 保 存 提 供
学内規則
( その他、各大学固有の機能 )
新たな企画の提案
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取り組み案
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京都大学の取組( 案 )
(1) 京大研究者 IDと、著者名典拠 ID の対応テーブルのメンテ
(2) 京大研究者の著書の書誌 ID対応テーブルのメンテ
(A-1) 日本の大学図書館等の所蔵データ収集
(A-2)* 数年後、 全国の大学図書館等の貸出統計の収集(協力体制の構築)
API
API
(B) 世界の図書館等の所蔵データ収集
(3) API による定期的な情報付加
教育研究成果 DB の改善:
新たなサービスをはじめよう! でも・・・
今ある仕事をどう片付けるのか?
大学図書館的解決 (1) : 共同分担方式: NACSIS-CAT の真髄 「大きく解決して、小さく適用」
大学図書館的解決 (2) : データ処理 可変長、多言語 Word, Excel以外の文書・データ処理
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データ処理ユーティリティ” D”
NII の宮澤彰教授が 1990 年代前半に開発した。コマンド群。
1996 年に部分公開。 2003 年の vir.2 からネット公開。 D フォーマット形式のデータに対して検索・編集等を行
う。 繰り返し項目を持つ構造のデータ処理に特長。 no:1
id:aa0001
ti: 日本の自然
no:2
id:aa0101
ti:Nature in Library13
概念図
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“D”はあまり利用されていないが、強力! 必ずしも初心者向けではありません。コマンドプロンプトによる CUIで
、迅速・簡便な処理を旨としています。 また D は完璧ではありません。 SQL, Perl, awk, Java, VB, Cなど他の手段を適宜併用するのがよいでしょう。
さらに D は一般には知られていません。ひそかに D で処理した内容は、他者には txtや csvの標準的な形式でデータを提供したり、WordやExcelの形式で処理結果や図表を示すことを推奨します。
蔵書数数百万件、入館者数年間百万件、リポジトリアクセス年数百万件、貸出冊数年数十万件など大量のデータはもちろん、数百件~数千件のデータを Excelでシートをブラウズしながら処理している業務などにも、 Dは活用できるでしょう。
D に親しむことを通してデータベースの基礎的知識を知ることができ、その経験は図書館システム等の開発業者との協議においても効果があると期待できます(たぶん)。今後 XML形式が標準形式になってくると、図書館内に限らず外部システム間のデータ交換がますます盛んになり、 D の処理体験やD による知識はきっと役に立つと期待できます(おそらく)。
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インストール
①検索エンジン等で " nii miyazawa " (NIIの宮澤先生のこと ) で検索②「宮澤 彰」 (http://researchi.nii.ac.jp/~miyazawa/index-jpn.html) のページ で "D -- データ処理用ユーティリティ "をクリック③「データ処理用ユーティリティ D 」のページで、「ダウンロードはこちから」のリストから、 "D-2.5 Win32用 ( 自己解凍 ) 5.34MB" を選択し、解凍して保存する。保存先を特に指定しない場合は、標準で、 C:¥D-2.5のディレクトリになる。 D ドライブや USBのドライブに保存してもよい。④README-jpn.htmlを参考に PATHを設定する。例えば、 "D:\D-2.5\bin"といったものを PATHに追記して、システムを再起動する。 PATHの設定とは何?というい人はネット上に情報がありますので参考に。⑤D-2.5¥html¥jpnディレクトリにマニュアルがある。Dintroのファイルで概要を知り、個々のコマンドは個々のマニュアルを必要に応じて参照する。宮澤教授は必要最小限の説明しかマニュアルでは記述していませんが、多くの解決策も暗に示しています。それを発見するのも楽しみのひとつです。
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D の使用例:デモ
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左図は、毎週火曜日に実施している。部課長会議の次第等の例。
その他、アンケートの処理等にも使用。
まとめ:ディスカッションのために
「大学図書館は違う」
大学図書館的課題解決
手段が目的化していない?
「違い」が「際立つ」。さらに、「極立つ」へ
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