2016-12-03 地域課題解決フォーラム エコサイクルの軌跡

12
1 筑波大学の家具・家電等リユースプロジェクト 「3E EcoCycle(エコサイクル)」の軌跡 山本泰弘 (3Ecafeプロジェクトチーム/青年シンクタンクRHO) http://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch 1.要約 地域課題を最大限の効率(費用対効果)で解決するには… ① 社会に欠けたピースをつなぐ「パズル感覚」 ② 戦略 × 拡散 × 動員 ③ 現場が満足する「緩やかな上意下達」

Upload: 10

Post on 09-Jan-2017

67 views

Category:

Small Business & Entrepreneurship


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 2016-12-03 地域課題解決フォーラム エコサイクルの軌跡

1

筑波大学の家具・家電等リユースプロジェクト「3E EcoCycle(エコサイクル)」の軌跡

山本泰弘(3Ecafeプロジェクトチーム/青年シンクタンクRHO)

http://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch

1.要約

地域課題を最大限の効率(費用対効果)で解決するには…

① 社会に欠けたピースをつなぐ「パズル感覚」

② 戦略 × 拡散 × 動員

③ 現場が満足する「緩やかな上意下達」

Page 2: 2016-12-03 地域課題解決フォーラム エコサイクルの軌跡

2

2.実現したプロジェクト

● 課題:

学生宿舎で、家具・家電の“使い捨て”が常態化

(卒業生が捨て、新入生が新品を買う)

    ● 着想:

卒業生から家具・家電を集め、新入生へ提供する

● 方法:

中心メンバー5人+超効率的な運営体制

Page 3: 2016-12-03 地域課題解決フォーラム エコサイクルの軌跡

3

3.1.プロジェクトの背景①

● 筑波大学:

大規模な学生宿舎を有し、周辺アパートと合わせて

毎年約3,000人が転出・転入

←しかし、中古家具・家電の取引を行う店舗が不足

 学生のボランティア活動も頓挫

→結果、まだ使える家具・家電が大量に不法投棄

⇒新入生・大学双方に多大な経済的損失

Page 4: 2016-12-03 地域課題解決フォーラム エコサイクルの軌跡

4

3.1.プロジェクトの背景②

● 筑波大学:

古参サークルと新興サークルの間で待遇格差

(古参は勧誘PRしやすい)

● 日本社会:

大学進学者の経済的負担軽減が社会的課題

(特に国立で宿舎付きの筑波大は、

費用対効果が高く経済的弱者向き)

Page 5: 2016-12-03 地域課題解決フォーラム エコサイクルの軌跡

5

3.2.プロジェクト登場人物

● 司令塔:3Ecafeプロジェクトチーム  → http://t3ecafe.tsukuba.ch

     人数わずか。大学の資源を使える。

● 協力者:

 大学:循環型社会化・学生支援を(他力で)進めたい。

 新興学生サークル:勧誘PRのチャンスを切望。

● ユーザー:

 卒業生・在学生:まだ使える品物をタダでも譲りたい

 新入生:新品でなくても品物をもらいたい

Page 6: 2016-12-03 地域課題解決フォーラム エコサイクルの軌跡

6

3.3.プロジェクトの進展①

● 1月~:卒業生・在学生に品物提供募集。

     学生サークルに協力取引提案。

     (サークル紹介誌掲載と引き換えに、

     プロジェクト運営への協力を求める。)

● 2月~:新入生にプロジェクト広報・応募呼びかけ。

     学生宿舎内の一角に品物引き取り場所を

     設けることを担当職員と交渉。

● (Twitter、メール、Facebook、チラシ等で拡散)

Page 7: 2016-12-03 地域課題解決フォーラム エコサイクルの軌跡

7

      卒業生・在学生向け                  新入生向け

Page 8: 2016-12-03 地域課題解決フォーラム エコサイクルの軌跡

8

Page 9: 2016-12-03 地域課題解決フォーラム エコサイクルの軌跡

9

プロジェクトメンバーと、テレビを獲得した新入生(中央)。

Page 10: 2016-12-03 地域課題解決フォーラム エコサイクルの軌跡

10

中央図書館エントランスで配布された「エコサイクルプレゼンツ サークルガイド」

Page 11: 2016-12-03 地域課題解決フォーラム エコサイクルの軌跡

11

3.3.プロジェクトの進展②

● 3月下旬:宿舎の一角に設けた引き取り場所に、

      卒業生・在学生が続々と品物を持ち込み。

      順次Webサイトに品物の画像を掲載。

● ~3月末:Webサイトで新入生から応募を募り、

      各品物の貰い手を抽選で決定。

● 4月頭:引き取り場所で、当選者に品物をお渡し。

     同時に、協力サークル紹介誌を配布。

Page 12: 2016-12-03 地域課題解決フォーラム エコサイクルの軌跡

12

4.実現のポイント

① 各主体のニーズを的確にとらえ、

  パズルのように組み上げてプロジェクト化する。

② 人を動かす戦略×徹底的拡散×取引による動員

③ 各主体が満足する役割を、司令塔が与える。

  (全員での会議は不必要)

※アイディアを実現することは…

         楽しい! ✌('ω' )✌ 三✌('ω')✌三( 'ω')✌ ✌