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1 櫻会員特急便(第 14 号) 言論さくら組「前へ、進め!」第 3 文字起こし≪要約版≫ 櫻井よしこ・杉田水脈・田北真樹子・瀬尾友子 201747 放送 論点 一.丹波マンガン記念館にある朝鮮人徴用工の像 1 二.強制動員真相究明全国研究集会での歴史観と歴史の事実は違う 6 三.カナダ南京大虐殺記念日制定反対運動で日系人が対立 11 四.ホロコースト、原爆投下は事実だが、南京大虐殺は事実ではない 12 五.立命館大国際交流セミナーの自虐史観と乗松聡子氏の役割 14 六.乗松聡子氏とカナダ抗日連合会(BC アルファ) 17 一.丹波マンガン記念館にある朝鮮人徴用工の像 櫻井:今夜は、この言論さくら組のテーマであります歴史問題を取り上げて行きたいと 思います。今、韓国で、「少女像」の後は徴用工の「少年像」を建てようという動きが あります。このことについて、杉田さんが取材をなさってきました。 杉田:韓国の労働組合が、日本に強制徴用の像があるのに、どうして韓国に建てられな いのかと言っているというニュースを見たので、日本のどこにあるのか調べたら、京都 にあったのです。京都のだいぶ山奥です。 櫻井:丹波マンガン記念館。ここが京都市でこれが琵琶湖です。かなり入ったところ。 杉田:日曜日に 1 人で車を飛ばして、うちから片道 100 キロくらいでした。 櫻井:VTR がありますので、それを回して下さい。 VTR インサート> 丹波マンガン記念館(京都市左京区)にある朝鮮人徴用工の像、地下坑道、展示物など の映像 杉田:車を止めて、坑内見学の順路というところの途中に見えてきたのが、これが徴用 工の像です。

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櫻会員特急便(第 14 号)

言論さくら組「前へ、進め!」第 3 回 文字起こし≪要約版≫

櫻井よしこ・杉田水脈・田北真樹子・瀬尾友子

2017・4・7 放送

論点

一.丹波マンガン記念館にある朝鮮人徴用工の像 1

二.強制動員真相究明全国研究集会での歴史観と歴史の事実は違う 6

三.カナダ南京大虐殺記念日制定反対運動で日系人が対立 11

四.ホロコースト、原爆投下は事実だが、南京大虐殺は事実ではない 12

五.立命館大国際交流セミナーの自虐史観と乗松聡子氏の役割 14

六.乗松聡子氏とカナダ抗日連合会(BCアルファ) 17

一.丹波マンガン記念館にある朝鮮人徴用工の像

櫻井:今夜は、この言論さくら組のテーマであります歴史問題を取り上げて行きたいと

思います。今、韓国で、「少女像」の後は徴用工の「少年像」を建てようという動きが

あります。このことについて、杉田さんが取材をなさってきました。

杉田:韓国の労働組合が、日本に強制徴用の像があるのに、どうして韓国に建てられな

いのかと言っているというニュースを見たので、日本のどこにあるのか調べたら、京都

にあったのです。京都のだいぶ山奥です。

櫻井:丹波マンガン記念館。ここが京都市でこれが琵琶湖です。かなり入ったところ。

杉田:日曜日に 1人で車を飛ばして、うちから片道 100キロくらいでした。

櫻井:VTRがありますので、それを回して下さい。

<VTR インサート>

丹波マンガン記念館(京都市左京区)にある朝鮮人徴用工の像、地下坑道、展示物など

の映像

杉田:車を止めて、坑内見学の順路というところの途中に見えてきたのが、これが徴用

工の像です。

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櫻井:これは日本人の徴用工なのですか、それとも。

杉田:朝鮮人の、やせこけてあばらが浮き出ているような、そんな像ですが。去年の 8

月に建っているのです。

櫻井:ああ、そう。最近のものなのですね。

杉田:韓国語と日本語の説明書きがあって、「瞳を閉じてこそ見えてくる祖国のあの空

とオモニの温かい微笑み」。最後に、「真実を明らかにすると約束します」とあって、韓

国の労働組合の名前が書いてある。

櫻井:韓国の労働組合がここに去年の 8月に建てた。これ、ずいぶん山の中の道ですね。

杉田:そうなんです。ここから炭坑の中に入っていくのですが、下手なお化け屋敷より

怖かったです。真っ暗な中に、私はたった 1人で撮影しながら入っていったのですが。

田北:他にお客さんはいないのですか。

杉田:誰もいなかったです。所々、人形を使って作業工程を示して、説明書きが添えて

ある感じで、これが延々、真っ暗な中、300メートルくらい続くのです。かなり奥に入

って、その後、出てきた後に資料館があるのですが、そこに資料の展示があって、全然

関係ない慰安婦の展示もありました。

櫻井:この記念館を作った人は、リ・ジョンホ(李貞鍋)。この人はどういう人なので

すか。

杉田:この方は朝鮮半島からこちらに来たそうです。お父さんとお母さんが、元々、働

いていたお兄さんを頼って日本に来て、そこで生まれたので日本で生まれ育ったそうで

す。ここでずっといろいろ管理をしているお婆さんからお話を聞いたのですが、そのお

婆さんというのが、李さんの奥様。その奥様は大阪生まれの大阪育ちで、16 歳で李さ

んの所に嫁いだと。

櫻井:ここに像を建てたということは、強制連行があったとか、しかもあばら骨がこん

なに浮き出た像というのは、酷い目に遭ったことを強調するための記念館なのですか。

杉田:いえ、記念館はそういう雰囲気ではなくて、とても違和感があったのです。記念

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館は、昔、ここにマンガンの炭鉱がありましたよという、その過程が。

櫻井:これがパンフレットですね。杉田さん、たくさん持ってきましたね。

杉田:友達みんなに配って下さい、いっぱい来てもらうように言ってね、と言われたの

でもらってきました。とても苛酷な労働だったということを展示してあるのです。それ

から、いろいろな資料を買ってきました、こういう人権資料とか。そこで働いていた人

たちが、最後に塵肺にかかってバタバタ亡くなっていかれたということなんですね。そ

れの、国の補償などのやり取りをずっとこの李さんという方がやっていたという記録な

のですが、人権という言葉で全部まとめられてしまっています。あと、これは『マンガ

ンに生きた朝鮮人と部落』という DVDで、5000円もしました。

田北:自宅で作っていますね、その DVD。

杉田:自宅で作っている感じですね。この中の静止画の写真を撮ってきていますので見

てください。これは昭和 9年です。

櫻井:1934年。

杉田:(労働者が)炭坑に募集で来たと言っているのです。インタビュアーが、強制で

来たのですかと聞くのですが、いやいや、募集で来たんやで、という回答でした。

櫻井:募集ばかりだった、若い者は募集でみんな引っぱられたと。

杉田:そういう証言をしているので、全然強制ではなかった。日本に行ったら、犬でも

白いご飯を食べていると聞いて、その時、朝鮮半島では薄いお粥みたいなのものしか食

べれなかったから来たと。

櫻井:なるほど。今はドッグフードを犬に食べさせるけれど、昔の日本人は、うちにも

犬がいましたが、ご飯を食べさせましたよね。この方がそれを言っているわけですね。

犬でも白いご飯を食べたって。

杉田:そうです。来て働いていても、いつもお腹がすいていて、一杯のご飯しか食べら

れなかったと言うので、それは大変ですね、ひどい目に遭いましたねと(インタビュア

ーが)言うのですが、その朝鮮の方は、いや日本人でも食うや食わずなのに、それは当

たり前だったと言っていました。

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櫻井:なるほど。この DVDの中に、正直に話している証言が残っているということです

ね。もう 1人の方の証言もここにあります。

杉田:この方は肩を怪我された。

櫻井:落盤で肩に石が落ちたと。おまえ、仕事ダメだから一時金を出してやるというこ

とで、その時、一時金はナンボや?と聞いたら、200円か 400円。

杉田:そうなのです。1930年代の 100円というのは、今の 80万円くらいに相当するん

です。だから、怪我をしたらお金をもらえた、補償されたということなのです。

櫻井:ということは、酷い目に遭って、奴隷労働だったと、慰安婦のことは性奴隷だっ

たと、徴用工のことは奴隷労働だったと彼らは言うけれども、全然違いますね。

杉田:全然違うんです。本当にこれを見ていただいたら、前回お伝えした軍艦島のこと

で、すごい強制徴用されたというような話が全部覆せる。5000 円ですごくいい資料が

手に入ったと私は思いました。ただ、こういうことが利用されているという気がしたん

です。この人たちは、このマンガンの炭坑というのが、きつい仕事だったと(言ってい

る)。すごく空気も悪いし、ダイナマイトを使うとそれで吹き飛ばされて死んだ人もい

る。きつい仕事を、例えば朝鮮人や部落の人にさせていたと訴えたい。それから先ほど

申し上げたように、塵肺になってみんな死んでいった、そういうことがあったと訴えた

い、そういう記念館なのです。

櫻井:それは本当に気の毒だと思いますが、日本人も同じだったのですよね。彼らだけ

を別にしたわけではないでしょう。

杉田:そうなんです。証言の中に、日本人はみんな戦争に行っていた、戦争へ行くより、

ここで働いていた人はみんな生き残れたわけだから、という証言が入っているのです。

櫻井:なるほどね。

杉田:ただ、そこが、今言うところの反日団体などに利用されて、さっきのような像が

建ったりしています。私も行ってビックリしたのですが、自由に取れるパンフレットな

どが置いてある所に、WAMのパンフレットがありました。これはコピーなのですが。

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櫻井:WAM、「女たちの戦争と平和記念館」、西早稲田にある。

杉田:先ほどの展示のところにも、この鉱山とは全く関係のない慰安婦の(展示があり

ました)。

櫻井:ある種の協力関係があるのだろうと推測が出来る展示だということですね。

杉田:人権ネットワークのパンフレットも置かれていて、人権というのをキーワードに、

反日の人たちにいいように利用されているなと。もう 1つ気がついたのは、要するに戦

時中というのは、赤紙 1枚来たら軍隊に入って戦争に行くわけではないですか。ハガキ

が来たら、工場へ行って働かされて、学徒動員もあった。あれは、国のために働くのは

当たり前という感覚なんだけれども、それを強制労働だとか、強制連行だと言っている

のではないかなと。

櫻井:それは、赤紙が来たら徴兵ですからね。これは行かざるを得ないという意味では、

選択はないのですが。でも国民であるならば、それは国に対する義務だと思って、むし

ろ自分で責任を引き受けようというのが日本人の感覚ですよね。朝鮮半島の人は同じ日

本人だったわけですが、しかし民族が違うから、受け止め方が違う。

杉田:この人たちもそういう感覚なのですが、後で取材に来ている人とか、像を作った

人たちが、それは強制だったんですよね、ハガキが来たから行かなくてはならなかった

のは、それは強制ですよね、という感じでやっていった。それが今、背びれ尾ひれみた

いな形になって、私たちの感じる強制連行、つかつかと家にやって来て、そこにいる人

を引っ張り出して、無理矢理連れて行ったみたいな話に脚色されているのではないかと。

田北:このパンフレットには違和感がありますね。緑が一杯、空気がうまい、森林浴と

書いてあって。強制とは全く無縁な牧歌的な。

櫻井:鉱山の中を実体験、丹波マンガン記念館、緑一杯、空気うまい、森林浴。

田北:それはこの人たちの純粋な部分を反映したのかと思いますが、でもパッと後ろを

見ると、戦争中には一部の鉱山において強制連行された朝鮮人が作業を強制されていた、

と付け足したようなセリフがありますね。

櫻井:これはやはり後付けのところが多い。

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瀬尾:強制連行というのは、何を強制連行と指しているのかというのが、杉田さんの問

いですよね。気の毒な思いをした人に寄り添うのはいいのですが、それを利用している

というか、イデオロギーに利用している人たちがいるとおっしゃっているのですよね。

杉田:そうです、そうなのです。

瀬尾:それはでも、本当に気の毒な思いをした人にも気の毒ですよね。

櫻井:そうですよね。この VTRで、日本人もお腹いっぱい食べることができなかったと、

日本人と同じだったのだと言っている人たちは、このような強制連行という扱い方をさ

れたくないはずですよね、本当は。だから、みんなに対してずいぶん失礼な思い込みを

していると言えるかもしれないですね。

杉田:このマンガン抗には、産経さんも、田北さんも目をつけていた。

田北:マンガンは杉田さんが行かれる前に、韓国の報道で同じ像が韓国に建つという報

道があったので、それでうちの新聞でも記事は、ソウル発で掲載した経緯があります。

櫻井:現地には行ったのですか。

田北:行っていないです。それで、これはどこにあるのかと調べていたら、なんと京都

にあるというのが分かって、そうしたらあっという間に杉田さんが先に。

櫻井:産経新聞が先を越されてしまった。杉田さん、スクープですよ、これは本当に。

頑張らなくてはね。

杉田:頑張ります。

二.強制動員真相究明全国研究集会での歴史観と歴史の事実は違う

櫻井:それで、もっと他の所にもつながっている動きがあって、強制連行、強制徴用に

ついて、長野県の松本市で、今度は田北さんが取材されてきました。

田北:長野県の松本市で 3月 25日に、第 10回強制動員真相究明全国研修集会、強制連

行、強制労働をどう伝えるか、という会合があったのです。

杉田:10回もやっているということですか。

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田北:そう、毎年やっているのです。つまり 10年。

櫻井:どこの主催ですか。

田北:主催は、長野県強制労働調査ネットワーク、松本強制労働調査団、強制動員真相

究明ネットワーク、この最後のは全国的な組織なのですが、どうも長野県とか松本市と

いうのは、この強制労働と言われることに関してすごく理解があるというか、先駆的ら

しいのです。特に松本市で、動員された人たちの調査をけっこう早い段階で始めていて、

これが松本市の調査報告なのです。この、市が作っている外国人労働実態調査報告書は

平成 4年頃から出されていて、平成 23年には 3刷りまで発行されています。

櫻井:長い歴史があるのですね。ここにその(集会の)映像を出してみましたが、これ

は何人くらいいらしたのですか。

田北:出入りもあったのですが、70人前後ではないかと思います。

櫻井:では、それ程大勢ではない。でも 10年間もずっと、10年間どころか、過去四半

世紀くらいやっているわけでしょう、その報告書の年月日を見れば。

田北:普通、こういうイベントというのは、あまり自治体は関わりたくないはずではな

いですか。ところが、すごく面白いことに、松本市長から、出席できなくてすみません

という、こういう挨拶が来ているのです。

櫻井:今年の分ですね。何と言う方ですか。

田北:菅谷昭さんですね、市長さんなのですが、わざわざご丁寧にこういうのも出して

いらっしゃる。

杉田:後援はやっていないのですか。市が後援したりとか。

櫻井:教育委員会が関わってるというようなことは。

田北:後援が松本市と、市教育委員会で、信濃毎日新聞、市民タイムスとか、そういう

左系の団体ですね。

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櫻井:教育委員会がこのようなことに関わることが、本当にいいことかどうかというの

は、大いに疑問ですね。

瀬尾:政治的ですからね。この強制動員というのは、強制徴用と同じ意味なのですか。

田北:同じ意味だと思われます。そんな感じの使い方をしていました。

櫻井:内容はどうだったのですか。

田北:内容は、いろいろな人が話をしたのですが、10 人くらいの中で 2 人、すごく気

になった人物がいて、1人は立命館大学の庵逧由香(あんざこ ゆか)さん。

櫻井:庵逧さんて、すごく難しい字を書く人ですよね。庵逧由香さん、立命館大学の教

授ですね。

田北:この方が、実際、教壇に立たれて大学生を教えている経験を元にお話をされてい

ました。3段階あって、要するに、我々は今まで蓄積がある、書籍とか記念碑とか記念

館、映像とか、いろいろやっている。それをどうやって次の世代に引き継ぐかというこ

とをお話しされていました。キーワードっぽいことを言われていたのですが、「戦争を

知らない世代から、戦争体験世代を知らない世代へ」と。つまり、我々はまだ戦争体験

がある方を知っていますね、親だとか。

櫻井:お爺ちゃんとかね。

田北:でも、今の大学生くらいになると、お爺ちゃん、お婆ちゃんでさえ戦争体験を知

らない、していない、という人がいるので、引き継いでいかなければいけないというこ

とを話しているのです。彼女いわく、今までは朝鮮半島の歴史などを知りたいと思うよ

うな受け皿がなかったけれども、今は新しい現象が出ていると。つまり、韓流とか Kポ

ップとか。

杉田:レコード大賞の新人賞は韓国のグループが取りましたね。

田北:普通に日本の歌謡曲と同じくらいに出回っていますね。要するに 10代、20代の

人の韓国に対する関心が飛躍的に増大している。なおかつ、彼女が実際、朝鮮半島の歴

史を教えているのですが、受講する生徒の数が近年増えているそうです。なので、そう

いう人たちにきちんと伝えていかなければいけないと。

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櫻井:庵逧さんの考える歴史観とか歴史の事実、私たちから見ると大いに疑問がある内

容も沢山あるわけだけれども、それを引き継いでいきたい、引き継がせたいと。

田北:そうですね。庵逧さんが言われていたのは、この植民地歴史博物館というのを、

元々ソウルに作ろうという構想があって、しばらくいろいろとお金を募ったり支援を募

ったりしたそうです。

瀬尾:何ですか、その植民地歴史博物館というのは。

田北:要するに、日本があんなことやった、こんなことやったというのを、一切合切詰

め込んでしまおうというような。

瀬尾:朝鮮でやったことですか。

杉田:そうだと思うんですけれども。日本が水道を引いてあげたとか、道路を整備して

あげたとか、橋を架けてあげたとか、そういうことは言っていないわけですよね。

田北:そんなことは言っていないです。過去清算のための運動支援交流とか、その言葉

だけで、ああという感じですけれども。あと常設展示とかね。東アジア近現代史とか、

そういうものの展示。彼女いわく、どうやらこれをソウルに建てる目処がついたと。土

地の契約をしたということを言って、今年か来年くらいに開館できるのではないかと。

瀬尾:庵逧さんがお建てになるんですか。

田北:いや。庵逧さんはこれに関わっているんです。

杉田:推進派の 1人です。これは、とても北朝鮮とつながりが深いと言われている動き

の 1つです。

櫻井:あのね、北朝鮮の人たちのこのような運動における役割というのは、今日は時間

がないからあまり深く入りたくないのですが、私たちが考えるよりは実は大きいのです。

本当に、いろいろなところに北朝鮮関係の人たち、北朝鮮を支援するグループが関わっ

ているのです。これは次の回でやりたいと思いますけれども。今おっしゃったこと、本

当のその通りだと思いますね。では、この庵逧さんが 1人、すごく気になった人だった。

もうお一人はどなた。

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田北:もう 1人は東大の方で、肩書きが確か大学院の教授。

櫻井:東大大学院、総合文化研究科の教授の方。

田北:外村大(トノムラ マサル)という方です。以前、この場でもお話ししたように、

産経新聞が軍艦島の報道をしましたよね。あのことを多分、取り上げて言ったと思うの

です。その時外村さんが言ったのは、ごく一部の新聞が、要するに、軍艦島での生活は

そんなにひどくなかったと(報道した)。いろいろな人がいろいろな思い出話をしてい

る、楽しく暮していたとか、そういうことを言っていると。外村さんは、そういう記憶

は別に個人の記憶だからいいんです、とは言うのですが、いろいろつらつら言った揚句

の果てに、強制かそうでないかの議論は不毛だと、自分の意思に反したのは強制だと、

本人が強制だと考えたら強制だということを最後に言われたのです。

瀬尾:慰安婦も一緒ですね。

田北:別に経緯がどうだったかではなく、自分で志願をして行っても、実際に、ああ、

しんどいなとか、本当は寝たいのにやれと言われてやったとなると、それも全部自分の

意に反してというカテゴリーに入れられかねない。

櫻井:でも、しんどいなと思うことは仕事には付きものだし、強制かどうかというのは、

本人の意思が曲げられてでも、無理矢理連れてこられたかどうかを焦点にしないと、こ

れは話が進まないですよね。

杉田:その外村さん理論で言うと、先ほど言ったように、赤紙が来て軍隊に行った人も

強制、学徒動員も強制、日本人も全員強制労働で、強制連行ということになりますね。

田北:そうなんですよ。結局、この人たちは、日韓請求権協定が結ばれたことに関して

も、全然重視しないわけです。

櫻井:でも、日韓請求権協定とか、中国との間の条約とか、これをもし尊重しなかった

ら、国際秩序などは全然成り立たないですね。そのようなことを東大の総合文化研究科

教授の外村さんが講演でおっしゃったのですか。

田北:それは外村さんの発言ではないのですが、でも多くの人が、メッセージ性として

これに共通するというか、明らかに 1人の人はその点について言っていました。

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櫻井:でも、そのような感じで歴史を見直されてしまったら、本当に歴史そのものが新

たに作られてしまう。先ほどのマンガン記念館でも、証言した人は、募集だった、出稼

ぎに来たのだと言った。でも後になって、強制でしょう、しんどかったでしょうと、捏

造をしていくことになってしまうわけですね。

三.カナダ南京大虐殺記念日制定反対運動で日系人が対立

櫻井:日本を貶めるこのような大学の教授、しかも東大の教授とか、もう 1人の方は立

命館大学ですか、一流の大学の教授たちがいる。彼らは日本人ですよね。日本国内だけ

ではなく、外国でも同じような動きをしている。この前、カナダのオンタリオ州で南京

大虐殺の記念日を作ろうという動きがあることをお伝えしました。杉田さん、その後、

また新しい動きがあったそうですね。

杉田:そうです。この番組に出ていただいたマリノフ・利江さんたちが、一生懸命それ

を止めようとしています。前も紹介しましたが、国会議員の先生たちの手紙を募集した

りといった活動をしていて、私も本を送りました。その人たちに対して、日本人がそん

なことをするのはおかしいというような声明文が出されたのです。

櫻井:これは杉田さんが作って下さったカナダの地図です。今、このオンタリオ州で南

京大虐殺記念日制定法案というのが出されていて、まだ法案で、可決はされていない。

それを、モントリオール 9条の会、トロント 9条の会、バンクーバー9条の会というの

が応援している。

杉田:そのバンクーバー9条の会で、私が去年、バンクーバーに行ったときに、沖縄の

『うりずんの雨』という反日映画を上映していたのが、そこに写真がある乗松聡子さん

という方です。この方が、オンタリオ州の南京大虐殺の記念日制定法案を一生懸命止め

ようとしている日本の人たちに対して、いや、そんなことをする日本人はおかしい、恥

ずかしいという声明文を出したということなのです。

櫻井:南京大虐殺の記念日はダメと言っているカナダの日系人を非難する立場に乗松さ

んは立っていらっしゃる。日系人が今 2つに割れている。

杉田:割れているということです。ただでさえ数が少ない日系人が、そういう形で 2つ

に割れている。

櫻井:日系人が割れている。比較的高齢の人たちは、南京大虐殺記念日など作ってはい

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けない、それは違うのだから、事実でないのだからと言っている。新しい若い世代、子

供の世代、青年部というのでしょうか、このような人たちは、年上の人たちが言ってい

ることを非難している。そうなのですか。

杉田:そんな感じになっています、構図的には。

櫻井:その非難している若い人たちの応援を乗松さんがしているのですね。

杉田:乗松さんがそういう立場でやっています。この方は、この南京大虐殺のこともや

っていますし、沖縄の問題もしょっちゅう沖縄に行ってやっていますし、教育の部分(を

受け持っているわけ)ですよね。

櫻井:ここに、乗松さんが書いた、これはブログですか。

杉田:ご自分のホームページに載せていらっしゃる。

櫻井:ホームページに載せている、そこを少し読んでみます。これは、カナダの若い世

代の日系人が書いた、自分たちの先輩世代を批判する文です。オンタリオ州議会は 1998

年にホロコースト記念日を制定したと。その時に、ドイツ系の人たちは何も反対しませ

んでしたと。そして 83 年に平和庭園を造成して広島の灯火というのを掲げた時にも、

アメリカは反対しませんでしたと。今、南京大虐殺記念日を制定しようとする時に日本

人コミュニティーが反対している、これはおかしいではないかと言っているんですね、

カナダの若い日系人が。このような考え方に、乗松さんは、これはその通りです、私も

深く共感出来ますと書いているんですよ。

四.ホロコースト、原爆投下は事実だが、南京大虐殺は事実ではない

杉田:でも、(他の)2 つは事実だけれども、南京大虐殺は事実ではない。そこを我々

は、事実ではないからこういうのを制定すべきではないと言っているのであって、そこ

のところが全然分かっていらっしゃらない。

櫻井:やはり事実を言い続けていくしかないですね。

瀬尾:ただ、外国の方に分かるように説明するのが、非常に難しいですね。なぜならば、

悪い事をしたと言う方が簡単ですから。

田北:刷り込みやすい。日本が悪い事をしたというのが世界中に拡散していて、今まで

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それを論破する人たちがなかなか出なかった。日本国内でも、特に海外でも。そういう、

いわば我々のような動きが遅れて、何周回も遅れている中で、先走っている左の人たち

の主義主張があらゆるところに浸透してしまっているから、ある意味で素地があるんで

すよね。

櫻井:そして、先ほどの松本市の会合もそうですが、あんな地味な 70 人くらいの会合

だけれども 10年続いていて、そしてさらに遡ると、松本市などが、もう 25年くらい前、

四半世紀くらい前からいろいろな資料を作っている。ずっと継続をしていて、何と言う

のか、努力する人というか、継続性があるというか。こちら側は、田北さんがおっしゃ

ったように周回遅れで、ようやく始めたというところ。この乗松さんは今、向こう側に

立っていろいろな南京大虐殺のことをカナダで広げているのでしょう。

杉田:広げているというか、前も 1回紹介しましたけれども、向こうで高校生の授業と

かという形で(動いています)。

櫻井:これですね。『Japan 77年の帝国主義と戦争(77 Years of Imperialism and Wars)』

ということで、ここに SATOKO OKA NORIMATSUと書いてありますね。

杉田:これは向こうの高校生が、自分で実際に受けた授業のスライドを撮って、そのお

母さんが私に送って下さったものです。田北さんの話では、これが低年齢化していると。

田北:低年齢化していると聞きました。

櫻井:どういうふうに。

田北:恐らく、小学校や中学校で、バンクーバーの周辺らしいのですが、乗松さんが、

歴史教育のような感じで行って、その際に文房具などと一緒に、南京大虐殺とかいう資

料を挟んで配布しているという話を聞きました。

櫻井:何ですかそれは。文房具を子供達にあげる時に南京大虐殺の資料を挟んで。

田北:そういうふうに聞きました。私もまだ現物は見ていませんが、現地の人からそう

いう話を聞きました。

櫻井:これはずいぶんと偏っている話ではないですか。

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田北:そうなのです。

五、立命館大国際交流セミナーの自虐史観と乗松聡子氏の役割

櫻井:乗松さんは、その他にもいろいろなことをしているのでしょう?

杉田:そうなんです。これはカナダの話ですが、実は日本でも教育の現場に入り込んで

いることが今回分かったのです。先ほども名前が出てきた立命館大学ですが、年に 1回

セミナーがありまして、カナダから来た学生とアメリカから来た学生と、それから日本

人の学生が一緒に、広島とか長崎を回って、歴史を勉強するというセミナーなのです。

乗松さんは、カナダの学生の引率という立場でこのツアーに毎年参加している。

櫻井:これは去年の立命館大学教養教育センター、立命館大学のホームページです。こ

こに、研修、費用 55,000 円と書いてありますね。それから担当教員、随行教員、ピー

ター・カズニックさん、アメリカン大学の教授も一緒に随行しますということで。ここ

にカナダ側の引率者・通訳、乗松聡子と書いてあって、ピース・フィロソフィーセンタ

ー、バンクーバー代表と書いてあります。ですから、カナダとアメリカの学生とおっし

ゃいましたが、カナダの学生の引率者兼通訳を乗松さんがやっている。これが、去年の

立命館大学のホームページから杉田さんが見つけたものですね。

杉田:そうなのです。プログラムも、どんなことをしているかというと、先ほども申し

上げた通り、広島に行って、長崎に行って、そういう歴史を学ぶのです。まずその中で、

これは今年のプログラムから拾ってきたと思うのですが。

櫻井:ここを読んで見ましょうか。8 月 5 日 広島でのフィールドワーク、被爆者・近

藤紘子さんの証言、田中利幸教授のレクチャー、広島市立大学の Hiroshima and Peace

プログラムとの交流と書いてあります。これが 8月 5日ですね。これは第 8回。今度は

少し飛びますが、第 11 回、8 月 8 日、これは長崎でのフィールドワークで、長崎大学

核兵器廃絶研究センターで長崎大学の学生と交流。それから、これは私たちも何回か報

道をして来ましたが、「岡まさはる記念長崎平和資料館」見学という、このようなかな

り特徴のあるところに学生たちを連れて行くということですね。

杉田:この田中利幸という方は、ユキ・タナカという名前で、アメリカで『CHINESE

COMFORT WOMEN』という本を出している。

櫻井:この方、田中利幸さん、ユキ・タナカというと女性みたいな印象を持ちますが、

そのような名前で『CHINESE COMFORT WOMEN』、中国人慰安婦という本を書いているわけ

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ですね。

杉田:これがユネスコに登録されようとしている。今までは朝鮮半島から 20 万人が強

制連行されて性奴隷にされたということだったのが、今ユネスコでは、朝鮮半島から

20 万人、中国大陸から 20 万人、その他の地域から 1 万人から 2 万人の 40 何万人に膨

れ上がっている。その根拠になっているのが、このユキ・タナカさんが書いた『CHINESE

COMFORT WOMEN』なのです。

田北:確か、ジョージ・ヒックスが書いた本も、ユキ・タナカの本をけっこう引用して

いるのですよね。

櫻井:そして、中国の蘇智良さんという方が、上海大学でしたか、そこの研究センター

では、約 40 万人のうちの 4 分の 3、75%の慰安婦が殺されたということになっている

のです。そうすると、彼らが言う南京大虐殺では、30 万人が殺された。40 万人の中の

75%、4分の 3と言ったら 30万人。ですから 30万人、30万人で、中国式に数が揃って

しまうという、ものすごく変なことが今起きているのですよね。これがあまりにもひど

い数字なので誰も信じない、今は。でも、これがあと 10年、20年、50年経ったら信じ

られるかもしれないという瀬戸際に、私たちは立っているわけです。

瀬尾:少し聞いてもいいですか。これ(セミナー)は、広島と長崎に行っていて、広島

と長崎は日本が原爆を落とされた場所ですよね。それなのにどうして、広島の(プログ

ラムで)日本軍の「加害」というキーワードになっているのですか。

杉田:(原爆慰霊碑の)「過ちは繰り返しませぬから」の、主語が誰を指すのかという問

題とリンクしてくるのかもしれないですね。

瀬尾:よく分からないですね。

田北:日本が悪かったから、私たちは原爆を落とされましたと、そういう主旨というか。

櫻井:明らかに戦後のメンタリティーはそうだったではないですか。だから、「繰り返

しませぬ、過ちは」、という主語は誰かとよく聞くではないですか。誰が過ちを繰り返

さないのか、過ちとは何か。やはり原爆という大量破壊兵器、今シリアで大量破壊兵器、

化学兵器ですけれども、それが問題になっているけれども、それは本当にひどいと思い

ます。無辜の民ですもの。市民がみんな殺されているわけだから、これは本当に過ちだ

と思うけれども、広島の記念碑に書かれてあることを読むと、私たち日本人が悪いのか

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と思わせるような表現になっていますよね。だから瀬尾さんの今の問いは、やはりこの

人たちに突きつけていかなければいけない。

杉田:そこの、長崎の(プログラム)でも、キーワード、一番下の行は「加害」が一番

に来ていますものね。

櫻井:いずれにしても、乗松さんたちは、このような研修旅行を行っているわけですね。

杉田:若い世代の人たちに、これでもか、これでもかと自虐史観を埋め込むことを、わ

ざわざ企画してやっているということです。

櫻井:乗松さんたちは、カナダと日本を行き来して、日本が悪かったということをどん

どん広げているわけですが、その他にもいろいろなアクティビティ、活動というのがあ

るわけですよね。

杉田:そうです。先ほどの図のように、バンクーバーから沖縄県の方にも行っています。

これは沖縄の琉球新報か何かに載っていた写真ですが、この間、山城博治さんが釈放さ

れましたよね。これは 1月に山城博治さんを釈明しなさいという声明文を乗松さんが読

み上げている写真です。アムネスティの声明文を彼女が雨の中、読み上げている写真で、

沖縄の問題とか、そういうところにもこの方が関わっているのです。

櫻井:先ほど、「岡まさはる記念館」にも行くということでしたね。「岡まさはる記念館」

はこの番組でも取り上げましたが、長崎にあって、比較的目立たない住宅街のような所

にあるのですが、中に入ってみると、写真がすごいし、それから蝋人形があって、炭坑

の中でどんなに酷いことをさせられていたか、どんなに貧しい食事しかなかったかとい

うことが、視覚的に訴えるように作られている。そこに定期的に、韓国からの留学生、

修学旅行の子供達、それからニューヨークタイムズとかドイツの新聞とか、いろいろな

所が取材に来ている。絵があるものだから、やはりテレビ取材は、絵があるところを報

道するわけですよ。そこが反日情報の発信基地になっているのですね。そんなところに

も乗松さんは学生を連れて行っている。

杉田:学生を連れて行っているということです。

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六.乗松聡子氏とカナダ抗日連合会(BC アルファ)

櫻井:杉田さんは、何か乗松さんのことで抗議をされと聞きましたけれども。

杉田:産経新聞のニュースサイトで、産経新聞に抗議が来たのです。実は、カナダに「B.C

アルファ」という(団体)があるのですが、(乗松さんが)その B.C アルファに所属す

ると(私が)書いたら、所属していませんと言って来たのです。

櫻井:これですね、アメリカ本部、世界抗日戦争史実維護連合会、Global Alliance for

Preserving the History of WWII in Asia、このカナダ支部がカナダ抗日連合会。

杉田:カナダ抗日連合会と書いたのですが、そんなものはありませんと、B.Cアルファ

というのがあるだけですということで。そういう抗議と 2つ、二段階で抗議が来たので

す。まず 1 つ、B.C アルファに所属していないと言うのですが、でもいろいろと、B.C

アルファの代表の方の Facebookとか、その B.Cアルファのホームページを見ると全部、

乗松さんがスタッフとして一緒に写っているのです。

櫻井:スタッフとして。たまたま写っているのではないのですか。

杉田:例えば、「第 2 次世界大戦中のアジアンホロコースト」という名前で、要するに

南京大虐殺ですよね。

櫻井:南京大虐殺のことはもう「アジアンホロコースト」と呼ばれているのですか。恐

ろしいですね。

杉田:それについて学生たちを集めて催すシンポジウムのことが掲載されていました。

その中で、最後スタッフで写真を撮っているのですが、そこにも乗松さんが写っていま

す。では所属していないのだったらと、「関わりのある」という表現に直したのですよ。

そうしたら OKですと。

瀬尾:では、向こうに気を遣っているのかもしれないですね。

杉田:そうそう、向こうに気を遣っているのかもしれませんが、「関わりのある」にし

たら OKが出たと。もう 1つは、「カナダ抗日連合」というのはないという抗議が来たの

ですが、要するに正式名は、アメリカの方も英語名なわけですよ。英語だけ読めば全然

抗日というのが出てこないのです、英語の部分には。それでは日本を攻撃するための団

体だということが分からないので、漢字にして初めて世界抗日という言葉が出てくるの

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です。だから私は分かりやすく、私にいろいろ情報をくれるカナダの方も、カナダ抗日

連合会と呼んでいたのですが、多分、カナダの方はそういう日本語名がないのだと思う

んです。

田北:でもアルファというのは、カナダの抗日連合の支部だということは広く知られて

いますね。抗日連合というのはアメリカのカリフォルニアに本部があるのですが、そこ

は中国の共産党の他、本土の方から支援を受けていると、明らかに太い関係があるとい

うのは知られていることではありますよね。

櫻井:アメリカにおける慰安婦問題などについての、日本批判の先頭に立って、一時期

ずいぶん報道されましたよね。

田北:サンフランシスコで今、慰安婦の像を建てたりという動きも、抗日連合がかなり

強烈に引っ張っていますよね。

櫻井:この抗日連合と乗松さんの関係というのは、きちんと分かっているのですか。

杉田:多分、殆どスタッフ的に、イベントなどを催す時には行っているのではないかと。

B.Cアルファのホームページのトップの写真にも、彼女が、こういう名札をぶら下げて

写っています。

櫻井:もしそうであるならば、そのように論評されても、ある意味では弁明できないか

もしれないですね。ただ、彼女が違うと言うのだったら、そこをきちんと私たちも受け

とめて、報道しないといけないと思いますけれども。

田北:「関わる」。「忖度と関与」。まるで今の森友学園問題みたいな話ですね。

杉田:例えば、杉田水脈のバックにこの宗教団体がいるぞとか、よく書かれるのですが、

それは事実として関係ないので、私はそことは一切関係がありませんと反論します。こ

の方は、所属していませんと言って、では、「関りがある」というのは OK というのは、

その意味が、私はよく分からないのですよ。本当にここの団体が嫌いで、一緒にされた

くないというのだったら、抗議するのはよく分かります。でも、いつも一緒に行動して

いるのに、所属しているのではないという抗議を、わざわざ新聞社にしてくるというの

が、私はよく分からなかったのですが。

櫻井:先ほどの立命館のホームページなどからは、彼女の名前は消えているのですか。

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杉田:今年は、名前は消えています。今年は本当に来ないから名前が消えているのか、

それとも最近、こんな形で、いろいろなところで乗松さんの名前が出てきているからな

のか。そういう関係で名前を伏せてきているのかは分からないのですが、今年のプログ

ラムの中では乗松さんの名前はない状態です。

田北:この問題を扱っていたら、絶対に引っかかる方なんですよね。

櫻井:なるほどね。いずれにしても、カナダやアメリカの大学生を日本に連れてきて、

乗松さんが通訳をしながら、先ほど言ったいろいろな所へ、「岡まさはる記念館」も含

めて連れて行くとしたら、この学生たちはある一定の反日的な思いを必ず抱くでしょう

ね。もちろん、それがもし歴史の事実であるならば、どんなことも情報公開をして、み

んな知ってもらうのも大事だと本当に思います。でも「岡まさはる記念館」のような所

に行ってみると、本当に変な写真、事実でないと思う写真などがたくさんありますから、

そういう所だけに連れて行くとしたら、これはある種の、一方的な偏向した情報を与え

るということで、反日と言われても仕方がないですね。

田北:カナダは特に、中国人の移民がすごい勢いで増えていますよね。要するに、多分、

中国人の人たちと育つような環境がある。一方で日本人は少ないですよね。領事館にし

ても、そんなにスタッフはいないし、中国が政府と中国人民で一緒にやってくることに

対して、なかなか対等に闘うというのは(難しい)。

櫻井:それと中国の人たちは、みんな地方議会の議員などになっていますからね。政治

に直接関わっていくという意味で、影響力を行使しやすいというところはありますね。

杉田:映画を作ったり、議会に入ったり、人々に浸透していくようなやり方で、どんど

んやっていっている。数がすごいですからね、中国人は。

櫻井:中国人の話もそうですが、私たちがとても心配して、疑問に思うのは、日本人が

国の内外でこのような動きに深く関わっていることが、なかなか理解出来ないし、受け

入れたくないのだけれども、事実ですよね。人脈というか、ネットワークというのは、

まだ全体像はつかめてはいませんが。今回は時間もないので深くはやりませんけれども、

次回の 4 月 21 日の「言論テレビさくら組」の総会の中では、この問題に深く突っ込み

たいと思います。杉田さんは今、どんな感触を抱いていらっしゃいますか。

杉田:いろいろな問題が今年に入って噴出してきていますが、今度のメンバーでやる沖

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縄の問題とか、いろいろなことのバックにいるところが、全部つながってくるのではな

いかと思っています。慰安婦問題にしても。そういうふうなことがつながってきそうだ

なというのと、それから左翼の人たちが、やたらに何とかネットワーク、何とかネット

ワークという名前をつけるではないですか。そのネットワークというのが張り巡らされ

ているのではないか、日本中にという、そういう感じを抱いています。

櫻井:そこはやはり、瀬尾さん、情報を拡散していくという意味では重視しないといけ

ないですね。

瀬尾:ネットワークを作ることは別に悪い事だとは思いませんが、何のためにやってい

らっしゃるかがよく分からないので。あちこち、海外まで行ってというのは。いいこと

をしようと思っていらっしゃるかもしれないし。

田北:まあ、思っているのでしょうね。

櫻井:信念を持っていらっしゃる方たちでしょうからね。きっと、いいことだと信じて

いるのでしょうけれども。

瀬尾:それはいいことではないように、我々からは見える。

櫻井:いいことでないというよりも、事実をもう少し見つめて欲しいということに尽き

るのではないでしょうか。私たちも、日本について、悪い事実があれば、ごめんなさい

と言うし、二度と繰り返さないという気持ちをみんな持っていると思いますが、事実で

ないものを事実にされることが、やはりフェアではないという気持ちなんですね。

瀬尾:そうですね。日本の人はみんなそれで怒っているわけですよね。

杉田:例えば、差別があったのなら、そのことは素直に反省して、差別のない世界にし

ていかなければならない。そのためにこの記念館があるというのは、私は理解出来るの

です。そこに、ありもしなかった強制連行などを持ち出してくることについては、厳し

く、真実ではないという声を上げていかなくてはいけないと思っています。

櫻井:4 月 21 日の放送には、この「言論さくら組」の全員が揃います。そしてこのよ

うな面についても、もう少し深く、時間をとって広げて、そして切り込んでいきたいと

思いますので、是非ご覧になっていただければと思います。

<了>