2018...2014年 年 年 年 タカラバイオグループ 1988年 2011 年...

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宝グループレポート 2018

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Page 1: 2018...2014年 年 年 年 タカラバイオグループ 1988年 2011 年 スパークリング清酒「澪」 2014 年 遺伝子・細胞プロセッシングセンター あくなきチャレンジ精神で

宝グループレポート

2 018

2018

Page 2: 2018...2014年 年 年 年 タカラバイオグループ 1988年 2011 年 スパークリング清酒「澪」 2014 年 遺伝子・細胞プロセッシングセンター あくなきチャレンジ精神で

1997年

2010年

1983年

企業概要

グループ全体の事業成長と企業価値向上を目指す

宝ホールディングスグループ経営の統括

宝酒造(国内事業)

技術に裏付けられた安全・安心な商品を提供する国内酒類・調味料・酒精事業

宝酒造インターナショナルグループ(海外事業)和酒・和食を通じて日本の食文化を世界に広める海外酒類事業/海外日本食材卸事業

タカラバイオグループ(バイオ事業)遺伝子治療などの革新的なバイオ技術の開発を通じて人 の々健康に貢献するバイオ産業支援事業/遺伝子医療事業/医食品バイオ事業

1977年 1984年

2001年

2016年

1979年

宝酒造インターナショナルグループ

米国産「松竹梅」の製造・販売を開始

フーデックス社(フランス)の株式を取得。海外日本食材卸事業に参入ミューチャルトレーディング社(アメリカ)を連結子会社化宝酒造インターナショナル株式会社を設立

19832010

2016

2017

焼酎復権に向け、“宝焼酎「純」”発売

国内発の缶入りチューハイ“タカラcanチューハイ”発売芋と芋麹だけでつくる“全量芋焼酎「一刻者」”発売新感覚のスパークリング清酒“松竹梅白壁蔵「澪」” 発売

19771984

2001

2011

宝酒造

国産初の遺伝子工学研究用試薬「制限酵素」を発売(バイオ事業を開始)

PCR装置の国内独占販売権を獲得

遺伝子治療研究用試薬「レトロネクチン®」を全世界で発売

遺伝子・細胞プロセッシングセンター竣工

1979

19881997

2014 年

タカラバイオグループ

1988年

2011年スパークリング清酒「澪」

2014年遺伝子・細胞プロセッシングセンター

あくなきチャレンジ精神で新しい時代を切り開く

2TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

1

1. 私たちの理念・事業・歴史Section 1 宝グループについて

Page 3: 2018...2014年 年 年 年 タカラバイオグループ 1988年 2011 年 スパークリング清酒「澪」 2014 年 遺伝子・細胞プロセッシングセンター あくなきチャレンジ精神で

1985年

「カムバック・サーモン・キャンペーン」を開始、企業の自然保護活動支援の先駆けに

適正飲酒を啓発する「Say No」キャンペーンを開始

公益信託タカラ・ハーモニストファンドを設立、自然保護活動・研究を支援

缶入り飲料製品に日本で初めてステイオンタブを採用

米国宝酒造に「Sake Museum」をオープン

1979

1985

1985

1989

1997

自然との調和を大切に、

発酵やバイオの技術を通じて

人間の健康的な暮らしと

生き生きとした社会づくりに

貢献します。

企業理念 宝グループの主な取り組み

安全・安心な品質の確保に努めるとともに、世界のライフサイエンス研究支援・遺伝子治療実現への取り組みを推進しています。

「宝グループ環境方針」のもと、温室効果ガス排出の抑制や水使用量の抑制、廃棄物排出の抑制、生物多様性の保全などに取り組んでいます。

適正飲酒の促進や海外への和食普及、伝統文化の継承などに取り組むとともに、将来の事業成長に向けて、多様性の確保・人財育成に注力しています。

食と健康 環 境 人と社会

2016年

1979年カムバック・サーモン・キャンペーン

1985年タカラ・ハーモニストファンド

年2004田んぼの学校

年2017研修施設 宝ホールディングス歴史記念館

1997年

1989年 2008年

「食と健康」「環境」「人と社会」重点分野への取り組みを通じて持続可能な社会の発展に貢献する

環境報告書「緑字決算報告書」初刊を発行

次世代を担う子どもたちに自然の恵みの大切さを伝える「田んぼの学校」を開校

日本初の体外遺伝子治療の治験を開始

宝酒造の国内全工場で食品安全マネジメントに関する国際規格「FSSC22000」を取得

国内外のグループ社員を対象とした研修施設「宝ホールディングス歴史記念館」を開館

1998

2004

2008

2016

2017

1998年

4TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

3

1. 私たちの理念・事業・歴史Section 1 宝グループについて

Page 4: 2018...2014年 年 年 年 タカラバイオグループ 1988年 2011 年 スパークリング清酒「澪」 2014 年 遺伝子・細胞プロセッシングセンター あくなきチャレンジ精神で

209,568

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7

・・・・・・・・・・・・・・・ 13

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15

・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 41

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 48・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 55・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 56

財務ハイライト目次

         宝グループについて1. 私たちの理念・事業・歴史2. 業績ハイライト/目次

         宝グループの目指す姿社長メッセージ

         特集1.

  こだわりの「樽貯蔵熟成酒」を強みに市場を開拓2.

  清酒のおいしさを世界へ3.

  新施設の建設によりCDMO事業をさらに加速

         ESG課題への取り組み1. 社会・環境側面の取り組み2. コーポレートガバナンスの取り組み

         セグメント別事業概況1. 事業概況2. TOPICS

         財務・企業情報1. 11ヵ年連結財務サマリー2. 経営者による財政状態及び経営成績の解説と分析3. 連結財務諸表4. 会社情報5. 主要子会社データ6. 投資家情報

この報告書に記載されている、当社および当社グループの現在の計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しであり、これらは現時点において入手可能な情報から得られた当社経営陣の判断に基づくものですが、重大なリスクや不確実性を含んでいる情報から得られた多くの仮定および考えに基づきなされたものです。実際の業績は、様々な要素によりこれら予測とは大きく異なる結果となり得ることをご承知おきください。実際の業績に影響を与える要素には、経済情勢、特に消費動向、為替レートの変動、法律・行政制度の変化、競合会社の価格・製品戦略による圧力、当社の既存製品および新製品の販売力の低下、生産中断、当社の知的所有権に対する侵害、急速な技術革新、重大な訴訟における不利な判決などがありますが、業績に影響を与える要素はこれらに限定されるものではありません。

将来見通しに関する注意事項

宝酒造

宝酒造インターナショナルグループ

タカラバイオグループ

売上高・売上高原価率

2017201620152014 (3月期)

300,000

250,000

200,000

150,000

100,000

50,000

02018

(百万円) (%)

64

63

62

61

60

1

0

ContentsSection 1

Section 2

Section 3

Section 4

Section 5

Section 6

%百万円

1

268,142

売上高 売上高原価率

130,386 264,438

268,142 61.0

287,059

219,490

225,364

234,193

61.861.861.261.2

60.360.359.959.9

61.061.070,631

販売費及び一般管理費・売上高販管費率

2017201620152014 (3月期)

100,000

80,000

60,000

40,000

20,000

02018

(百万円) (%)

36

35

34

33

1

0

%百万円

88,999

販売費及び一般管理費売上高販管費率

88,999 33.2

74,003 77,81580,458

9,490

営業利益・売上高営業利益率

2017201620152014 (3月期)

16,000

12,000

8,000

4,000

02018

(百万円) (%)

6.5

6.0

5.5

5.0

4.5

0.5

0

%百万円

15,612

営業利益 売上高営業利益率

15,612 5.8

11,096 11,680

13,551

33.733.7 33.733.7

34.534.5 34.434.4

33.233.24.54.5

5.15.1 5.25.2

5.85.8 5.85.8

3,376

研究開発費・売上高研究開発費率

2017201620152014 (3月期)

6,000

5,000

4,000

3,000

2,000

1,000

02018

(百万円) (%)

4

3

2

1

0

%百万円

5,063

研究開発費 売上高研究開発費率

5,063 1.9

3,754

4,608 4,55010,280

親会社株主に帰属する当期純利益・売上高当期純利益率

2017201620152014 (3月期)

12,000

10,000

8,000

6,000

4,000

2,000

02018

(百万円) (%)

8

6

4

2

0

%百万円

11,029

7,702

親会社株主に帰属する当期純利益売上高当期純利益率

11,029 4.1

5,7067,055

8,480

資本的支出・減価償却費及びその他の償却費

2017201620152014 (3月期)

10,000

8,000

6,000

4,000

2,000

02018

(百万円)

百万円

資本的支出減価償却費及びその他の償却費

海外

6,414 百万円7,702

121,431

自己資本・自己資本当期純利益率(ROE)

2017201620152014 (3月期)

150,000

100,000

50,000

02018

(百万円) (%)

12

10

8

6

4

2

0

%百万円

145,111

145,111 7.9

131,923 135,043238,577

総資産・総資産当期純利益率(ROA)

2017201620152014 (3月期)

300,000

250,000

200,000

150,000

100,000

50,000

02018

(百万円) (%)

6

4

2

0

%百万円

総資産総資産当期純利益率(ROA)

287,059 3.9

253,253274,368

603.44

一株当たり当期純利益(EPS)・一株当たり純資産(BPS)

2017201620152014 (3月期)

80

60

40

20

02018

(円) (円)

800

600

400

200

0

円円

726.90

54.97 726.90

655.60 647.97671.11

1.61.6 1.71.72.02.0 1.91.9 1.91.9

4.94.9

2.62.63.13.1

3.63.6 4.14.1

6,6586,003

8,9679,533

4,997 5,537 6,180 6,213

6,414

自己資本自己資本当期純利益率(ROE)

9.39.3

4.54.55.45.4

6.46.4

7.97.9

非財務ハイライト

生産工程でのCO2排出量

2017201620152014 (3月期)

125

100

75

50

25

02018

(千t-CO2)

千t-CO2

108.93

108.93

95.30

海外従業員比率

2017201620152014 (3月期)

8,000

6,000

4,000

2,000

02018

(人) (%)

50

40

30

20

10

0

%47.2国内

宝グループ連結宝酒造

海外比率

4.64.6

2.32.32.72.7

3.23.2

3.93.9

一株当たり純資産(BPS)一株当たり当期純利益(EPS)

50.8350.83

28.3628.3635.0635.06

42.1542.15

54.9754.9731.131.1 32.932.9 34.134.1

43.343.347.247.2

94.30

97.10 92.00 91.10

生産工程での用水使用量

2017201620152014 (3月期)

620

580

540

500

460

420

1

02018

(万m3)

万m3

611

611

550

586563

4,3493,631 3,697 3,780

4,407

536 528

2. 業績ハイライト/目次Section 1 宝グループについて

宝グループ連結宝酒造

5 6TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

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宝グループのさらなる成長と企業価値向上に取り組んでいきます。

当期(2018年3月期)の業績について

連結業績は過去最高を更新しました。

「宝グループ中期経営計画2019」の進捗状況

中期経営計画の定量目標を上方修正しました。

2018年3月期連結業績の増減要因

(百万円)

268,142 百万円連結売上高

+386

+33,176+2,937

−2,605

+53

234,193

268,142

売上高前期比

百万円

+33,948営業利益前期比

百万円

+2,061(百万円)

15,612 百万円連結営業利益

 当期の日本経済は、個人消費に力強さが欠けるものの、

国内外の底堅い需要を背景に企業収益や雇用環境は改善し、

緩やかな回復基調が続きました。一方、海外においては、

米国の製造業を中心とした景気拡大や中国経済の持ち直し

など、緩やかな回復傾向の持続が見込まれますが、貿易摩擦

への不安の高まりや、東アジアや中東情勢の緊迫などもあり、

世界経済は依然として先行きが不透明な状況です。

 このような経済状況のもと、当社グループは、長期経営

ビジョン「宝グループ・ビジョン2020」の実現に向け、当期

より2019年度(2020年3月期)を最終年度とする3ヵ年の

新たな中期経営計画「宝グループ中期経営計画2019」を

スタートさせ、積極的な事業活動を推進しました。

 当期の業績については、宝酒造、宝酒造インターナショナル

グループ、タカラバイオグループの各事業セグメントにお

いて、新規連結子会社の寄与も含め好調に推移した結果、

連結売上高は2,681億42百万円(前期比14.5%増)となり、

7期連続の増収となりました。利益面では、運送費や研究

開発費を中心に、販売費及び一般管理費が増加したものの、

売上高の増加に伴い売上総利益が増加したことにより、

連結営業利益は156億12百万円(同15.2%増)、連結経常

利益は160億84百万円(同12.1%増)となりました。また、

関係会社株式売却益を特別利益に計上したこともあり、

親会社株主に帰属する当期純利益は110億29百万円(同

30.0%増)となり、連結業績としては、売上高、営業利益、

経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに過去

最高を更新しました。

 「宝グループ中期経営計画2019」では、海外売上高比率を

さらに高めるとともに、国内外で抜け・モレのない商品ライン

アップを構築し、また競争優位性の高い商品を多数揃える

ことで、他社に勝てる分野を数多く築き上げることに取り組ん

でいます。これにより、どのような環境変化が起ころうとも、

収益を大きく伸長させることができる、バランスのとれた

事業基盤を確立することを目指しています。

 国内事業を担う宝酒造では、「和酒No.1メーカー」として

の確固たるポジションを確立すべく、売上高の拡大と利益率

の向上に取り組みました。最注力カテゴリーである清酒では、

市場全体が縮小傾向にある中、若干の減収とはなったものの、

新商品発売効果もあり、市場でのシェアを拡大することが

できました。ソフトアルコール飲料(RTD)は、市場の追い風

もあり、タカラ「焼酎ハイボール」を中心に、引き続き売上が

伸長しました。利益面では、付加価値商品の開発に注力する

とともに、2017年6月の「酒類の公正な取引に関する基準」

施行に適切に対応することで、利益率の改善に一定の効果

を見ることができました。

 2017年7月3日付で宝酒造株式会社の海外事業を分社し、

新たに設立した宝酒造インターナショナルグループでは、

海外の日本食市場の広がりを背景に、世界の和酒・和食市場

におけるリーディングカンパニーとなることを目指し、事業

規模拡大と基盤整備を進めました。海外日本食材卸事業で

は、北米のミューチャルトレーディング社、オーストラリアの

ニッポンフード社、ポルトガルのケタフーズ社の3社が連結

対象に加わるとともに、欧州の既存の連結子会社各社の業績

も好調に推移したことから、売上高、利益ともに大きく伸長

しました。海外酒類事業でも、欧米の連結子会社のウイス

キー販売が好調であったほか、米国を中心とする海外清酒

市場のさらなる拡大を視野に、米国宝酒造で設備投資を

実施し、清酒の生産能力を2割増強しました。

+498

+1,210

+352+151 −151

13,551

15,612

このたび、2018 年6月28日付で宝ホール

ディングス株式会社の代表取締役社長に

就任しました木村睦でございます。株主・

投資家をはじめとするステークホルダー

の皆様におかれましては、平素より格別

のご高配を賜り厚くお礼申しあげます。

前社長柿本敏男(現副会長)が築いてきた

経営基盤を継承し、中期経営計画、長期

経営ビジョンの達成に向けて、さらに

スピード感をもって取り組んでまいります。

当社グループのさらなる成長と企業価

値向上のために邁進する所存ですので、

変わらぬご支援を賜りますよう、何卒よろ

しくお願い申しあげます。

宝ホールディングス株式会社代表取締役社長

2017年

3月期実績

2018年

3月期実績

宝酒造

宝酒造

インターナショナル

グループ

タカラバイオ

グループ

その他

調整額

2017年

3月期実績

2018年

3月期実績

宝酒造

宝酒造

インターナショナル

グループ

タカラバイオ

グループ

その他

調整額

 バイオ事業を推進するタカラバイオグループでは、再生

医療関連の製品を手掛けるグローバルな企業としてのプレ

ゼンスを向上させるべく、各事業部門戦略の推進と経営基盤

の強化に注力しました。バイオ産業支援事業では、ベクター

製造、細胞加工・検査を中心にCDMO(再生医療等製品の

開発・製造支援)事業の業績が大きく伸長し、今後もさらなる

事業拡大が見込まれることから、再生医療等製品の研究およ

び製造施設の新設を決定しました。遺伝子医療事業では、国内

でのメラノーマを対象としたCanerpaturev(略称:C-REV /

旧HF10)※の第Ⅱ相患者組入れを完了したほか、2018年

4月には大塚製薬株式会社とNY-ESO-1・siTCR®および

CD19・CARの日本国内における共同開発・独占販売に関す

る契約を締結するなど、遺伝子治療の実現に向けて大きく

前進しました。

 これらの取り組みが順調に進捗した結果、本中計初年度

の連結営業利益は156億12百万円となり、中計最終年度

(2020年3月期)の当初目標であった「155億円以上」を前

倒しで達成することができました。これを受け、本中計の最

終年度の定量目標を、連結売上高2,950億円以上、連結営

業利益187億円以上、海外売上高比率35.0%以上に上方

修正しました。

社長メッセージSection 2 宝グループの目指す姿

8TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

7

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連結売上高

中期経営計画2019定量目標との比較

2016 2017 2018 2019 2020

(百万円)中期経営計画目標値

(3月期)(計画) (目標)

実績 計画

「宝グループ中期経営計画2019」の概要(2018年5月 定量目標修正後)

基本方針

当初定量目標

上方修正後定量目標

事業戦略

海外売上高比率をさらに高めるとともに、国内外で抜け・モレのない商品と競争優位性をもった商品を多数もつことで、他社に勝てる分野を数多く築き上げ、どんな環境変化が起ころうとも収益を大きく伸長させることができるバランスのとれた事業基盤を確立する。

経営基盤強化

長期経営ビジョン

(基盤強化)グローバル展開の拡大に向けた経営管理機能の強化(風土・人財)グループを支える人財の育成とグループ人事戦略の強化(CSR)コーポレートガバナンスポリシーに則した体制整備と社会貢献・環境活動、ESG情報開示の推進

財務方針 健全な財務体質を維持しながら、成長投資を行うとともに、適切な株主還元を実施することによってROEを向上させ、適正な株価水準を実現する。

(   )2020年3月期宝グループ連結

宝酒造インターナショナルグループ(海外事業)

750億円以上(当初)

830億円以上(修正)

43億円以上

52億円以上

40億円以上

60億円以上

タカラバイオグループ(バイオ事業)

1,600億円以上

売上高目標 営業利益目標

売上高目標 営業利益目標

売上高目標 営業利益目標

宝酒造(国内事業)

清酒を中心に各カテゴリーの売上高を拡大するとともに、利益率を向上させ、国内の酒類・調味料市場で和酒No.1メーカーとしての確固たるポジションを確立する。

日本食材卸網の拡充により事業規模を飛躍的に拡大するとともに、事業基盤の整備を進め、世界の和酒・和食市場におけるリーディングカンパニーに向けて地歩を固める。

「バイオ産業支援」、「遺伝子医療」、「医食品バイオ」の3つの事業部門戦略の推進とこれを支える経営基盤を強化し、グローバル企業かつ再生医療等製品企業としてのプレゼンスを向上させ、飛躍的な成長を目指す。

「宝グループ・ビジョン2020」国内外の強みを活かせる市場で事業を伸ばし、環境変化に強いバランスのとれた事業構造を確立する

宝グループ・ビジョン

2020

長期経営ビジョン

の実現

2,095億円売上高

(2014年3月期)

94億円営業利益

13.0%海外売上高比率

(2017年3月期)

2,341億円売上高

135億円営業利益

22.2%海外売上高比率

2,950 億円以上売上高

(定量目標)

187 億円以上営業利益

35.0 %以上海外売上高比率

第1ステップ第2ステップ

第3ステップ

2011.4~2014.32014.4~2017.3

2017.4~2020.3

宝グループ 中期経営計画2013宝グループ 中期経営計画2016

宝グループ 中期経営計画2019

33 %以上

35 %以上

海外売上高比率

(当初)

(修正)

(当初)

(修正)

62億円以上

385 億円以上

2,950 億円以上

2,900 億円以上

売上高

187 億円以上

155 億円以上

営業利益

 「宝グループ中期経営計画2019」では、海外売上高比率を

さらに高めるとともに、国内外で抜け・モレのない商品ライン

アップを構築し、また競争優位性の高い商品を多数揃える

ことで、他社に勝てる分野を数多く築き上げることに取り組ん

でいます。これにより、どのような環境変化が起ころうとも、

収益を大きく伸長させることができる、バランスのとれた

事業基盤を確立することを目指しています。

 国内事業を担う宝酒造では、「和酒No.1メーカー」として

の確固たるポジションを確立すべく、売上高の拡大と利益率

の向上に取り組みました。最注力カテゴリーである清酒では、

市場全体が縮小傾向にある中、若干の減収とはなったものの、

新商品発売効果もあり、市場でのシェアを拡大することが

できました。ソフトアルコール飲料(RTD)は、市場の追い風

もあり、タカラ「焼酎ハイボール」を中心に、引き続き売上が

伸長しました。利益面では、付加価値商品の開発に注力する

とともに、2017年6月の「酒類の公正な取引に関する基準」

施行に適切に対応することで、利益率の改善に一定の効果

を見ることができました。

 2017年7月3日付で宝酒造株式会社の海外事業を分社し、

新たに設立した宝酒造インターナショナルグループでは、

海外の日本食市場の広がりを背景に、世界の和酒・和食市場

におけるリーディングカンパニーとなることを目指し、事業

規模拡大と基盤整備を進めました。海外日本食材卸事業で

は、北米のミューチャルトレーディング社、オーストラリアの

ニッポンフード社、ポルトガルのケタフーズ社の3社が連結

対象に加わるとともに、欧州の既存の連結子会社各社の業績

も好調に推移したことから、売上高、利益ともに大きく伸長

しました。海外酒類事業でも、欧米の連結子会社のウイス

キー販売が好調であったほか、米国を中心とする海外清酒

市場のさらなる拡大を視野に、米国宝酒造で設備投資を

実施し、清酒の生産能力を2割増強しました。 ※ 腫瘍溶解性ウイルスHF10の国際一般名がCanerpaturev(略称:C-REV)に決定しました。本レポートでは国際一般名を使用しています。

268,142268,142

225,364225,364

234,193234,193

282,000282,000

295,000295,000

連結営業利益

2016 2017 2018 2019 2020

(百万円)中期経営計画目標値

(3月期)(計画) (目標)

15,61215,612

11,68011,680

13,55113,551

17,30017,300

18,70018,700

海外売上高比率

2016 2017 2018 2019 2020(3月期)(計画) (目標)

33.033.0

20.520.5

22.222.2

34.934.9 35.035.0

(%)中期経営計画目標値

 バイオ事業を推進するタカラバイオグループでは、再生

医療関連の製品を手掛けるグローバルな企業としてのプレ

ゼンスを向上させるべく、各事業部門戦略の推進と経営基盤

の強化に注力しました。バイオ産業支援事業では、ベクター

製造、細胞加工・検査を中心にCDMO(再生医療等製品の

開発・製造支援)事業の業績が大きく伸長し、今後もさらなる

事業拡大が見込まれることから、再生医療等製品の研究およ

び製造施設の新設を決定しました。遺伝子医療事業では、国内

でのメラノーマを対象としたCanerpaturev(略称:C-REV /

旧HF10)※の第Ⅱ相患者組入れを完了したほか、2018年

4月には大塚製薬株式会社とNY-ESO-1・siTCR®および

CD19・CARの日本国内における共同開発・独占販売に関す

る契約を締結するなど、遺伝子治療の実現に向けて大きく

前進しました。

 これらの取り組みが順調に進捗した結果、本中計初年度

の連結営業利益は156億12百万円となり、中計最終年度

(2020年3月期)の当初目標であった「155億円以上」を前

倒しで達成することができました。これを受け、本中計の最

終年度の定量目標を、連結売上高2,950億円以上、連結営

業利益187億円以上、海外売上高比率35.0%以上に上方

修正しました。

社長メッセージSection 2 宝グループの目指す姿

実績 計画 実績 計画

9 10TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

Page 7: 2018...2014年 年 年 年 タカラバイオグループ 1988年 2011 年 スパークリング清酒「澪」 2014 年 遺伝子・細胞プロセッシングセンター あくなきチャレンジ精神で

 国内では、景気は緩やかな回復基調が続くものの、高齢化

や人口減少、消費の多様化を背景に次期も厳しい競争環境が

続くと予想されます。また、海外では和酒・和食人気の高まり、

バイオ事業では再生・細胞医療分野での技術開発の進展など

により、それぞれの関連市場が一層拡大する見込みですが、

一方で競争も激化してくるものと考えられます。

 このような環境の中、宝酒造では、引き続き「和酒No.1

メーカー」としての確固たるポジション確立に向けて、清酒を

中心に売上の拡大を図ります。また、拡大するソフトアルコール

飲料(RTD)市場に向け、「樽熟成焼酎」など焼酎トップメー

カーならではの強みを活かした商品開発に注力するととも

に、継続して収益力の向上にも取り組みます。

 宝酒造インターナショナルグループでは、まず海外酒類

事業において米国清酒市場を最重点エリアと定め、現地産

に加え日本からも輸出を拡大することにより商品ラインアップ

をさらに強化し、シェア拡大を図ります。海外日本食材卸事業

では、さらなる事業規模拡大に向け、拠点・エリアの拡充と

営業力の強化に注力するとともに、共通購買などグループ

卸会社間のシナジー創出の具体化を目指します。

 タカラバイオグループでは、当期よりグループ化した米国

2社とのシナジーの最大化を図るとともに、CDMO事業の

さらなる拡大に向け、新施設の建設と既存の研究・製造

施設の拡張を進めます。遺伝子医療事業では、当期に国内

での第Ⅱ相臨床試験を開始したメラノーマを対象とする

Canerpaturev(C-REV)の承認申請を目指すとともに、

膵がんを対象とした第Ⅰ相臨床試験を推進します。また、

NY-ESO-1・siTCR®遺伝子治療では、滑膜肉腫を対象とし

た国内第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験、CD19・CAR遺伝子治療では、

急性リンパ芽球性白血病を対象とした国内第Ⅰ/Ⅱ相臨床

試験を進めます。

 これらの取り組みにより、次期の連結業績見通しは、売上高

2,820億円(前期比5.2%増)、営業利益173億円(同10.8%

増)、経常利益179億円(同11.3%増)を計画しています。

一方、当期に特別利益に計上していた関係会社株式売却益

がなくなることから、親会社株主に帰属する当期純利益は

96億円(同13.0%減)となる見込みです。

次期(2019年3月期)の見通し

各事業の戦略を推進し、さらなる成長を目指します。

株主還元について

成長投資と株主還元のさらなる充実に努めます。

ステークホルダーの皆様へ

新たな経営体制のもと、さらなる飛躍を目指します。

ESG(環境・社会・ガバナンス)側面について

社会的価値の創造と持続可能な社会の発展に貢献していきます。 当社グループは、事業活動を通じて、社会的価値を創造

することで、持続可能な社会の発展に貢献していくことを

目指しています。

 環境側面においては、穀物や水、微生物といった様々な自然

資源の恩恵のもとで事業活動を行う宝グループにとって、

豊かな自然環境が保たれることは、当社グループが存続する

うえでの大前提であるという考えのもと、「宝グループ環境

方針」を定め、環境負荷の削減を通じて、地球環境の保全と

事業活動の調和を目指して取り組みを進めています。

 社会側面においては、安全・安心な商品やサービスの提供

を通じて、人々の健康的で生き生きとした社会づくりへの

貢献を目指すとともに、将来にわたる事業成長を担う人財

の育成に注力しています。

 コーポレートガバナンスの側面においては、透明・公正かつ

迅速・果断な意思決定を行うために、「宝ホールディングス

コーポレートガバナンスポリシー」を定め、積極的な対話を

行うことで、株主、顧客、従業員、債権者、地域社会などの

ステークホルダーの皆様との信頼関係の構築を目指して

います。

 今後も事業活動を通じて、社会に貢献していくことを目指す

とともに、SDGs(持続可能な開発目標)などで示される社会

課題の解決に向けて継続的に取り組みを進めていきます。

 「宝グループ中期経営計画2019」では、「健全な財務体質

を維持しながら、成長投資を行うとともに、適切な株主還元

を実施することによってROEを向上させ、適性な株価水準

を実現する」という財務方針のもと、株主の皆様への利益

還元につきましては、連結営業利益の水準に応じて配当する

方針とし、配当総額の税引後連結営業利益に対する比率を

「みなし配当性向※」として30%を目安に配当する方針として

おります。これに基づき、当期の配当につきましては、前期

から3円増配の1株当たり16円とさせていただきました。

 また当期には、株主還元の一環として20 億円分の自己

株式取得と発行済株式総数の7.35%にあたる自己株式を

消却するとともに、株主の皆様の日頃からのご支援への感謝

のしるしとして、株主優待制度を導入しました。なお、次期の

配当につきましては、さらに2円増配となる1株当たり18円

を予定しております。※ みなし配当性向=配当総額/(連結営業利益×(1-法定実効税率))≒30%

 当社グループは、2011年4月から2021年3月までの10

年間の長期経営ビジョン「宝グループ・ビジョン2020」を

策定し、「国内外の強みを活かせる市場で事業を伸ばし、環境

変化に強いバランスのとれた事業構造を確立する」ことを

経営目標に掲げ、取り組みを進めてきました。

 長期経営ビジョンのスタートから次期までの8年間で、

宝グループの連結営業利益は2倍以上に拡大し、また海外

事業、バイオ事業は、事業セグメントの利益構成比において

それぞれ30%近くにまで向上するなど収益基盤として大きく

成長し、バランスのとれた事業構造に近づきつつあります。

そして、今後もさらなる企業価値の向上と持続的な成長を

実現していくために、コンプライアンスや内部統制、財務面

におけるリスクマネジメントを適切に行うとともに、様々な

ステークホルダーに配慮したESGへの取り組みなどを推進し、

あらゆる方面に対して強固な事業基盤を確立していきます。

 このたび、従来、宝ホールディングスが発行してきた年次

報告書「アニュアルレポート」と、宝酒造が発行してきたCSR

報告書「緑字企業報告書」とを集約し、統合報告書「宝グループ

レポート」として発行することとしました。これにより、ESG

をはじめとする様々な課題に対する当社の考え方や取り組み

状況をより具体的に示すことで、ステークホルダーの皆様と

の信頼関係を築いていきたいと考えています。

 新たな経営体制のもと、中期経営計画の達成と長期経営

ビジョンの実現、そして将来に向けたさらなる飛躍を目指し、

グループ一丸となって取り組んでまいります。ステークホル

ダーの皆様には、引き続き当社グループへの温かいご支援を

賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。

12.0※13.0

18.0

16.0

みなし配当性向 配当金

株主還元の状況

円%

※ うち記念配当1円

29.6 16.0

2016 2017 2018 (3月期)2019(計画)

(%) 配当金みなし配当性向

30.930.928.028.0 29.629.6 30.130.1

社長メッセージSection 2 宝グループの目指す姿

計画

11 12TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

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 多種多様な「樽貯蔵熟成酒」を有すること、そしてそれら

を最適な酒質にブレンドする技術。焼酎トップメーカー宝

酒造の競争力の源泉はここにあります。

 宮崎県高鍋町にある「黒壁蔵」。焼酎の酒質の決め手となる

「樽貯蔵熟成酒」は、この工場で生み出されます。一口に「樽

貯蔵熟成酒」といっても、原料、発酵、蒸留方法、貯蔵年数、

精製方法などの違いによって香りや味わいは様々。黒壁蔵

では多種多様なタイプの約20,000樽、85種類もの熟成酒を

一つひとつ丁寧に管理し、さらには、複数の熟成酒を最適な

比率でブレンドすることで、商品の特徴に見合う香りと味わい

を生み出しています。ブレンドの決め手となるのは、人間の

研ぎ澄まされた五感による色・香り・味わいのチェック(官能

検査)。独自の蒸留技術や貯蔵技術とともに、このブレンド

技術も宝酒造の大きな強みです。

 

 宝酒造の主力商品である“宝焼酎”は、そのおいしさが多く

のファンに支持され、甲類焼酎No.1ブランドとして長年に

わたり市場での揺るぎない地位を確立してきました。

 1977年に発売した“宝焼酎「純」”には、厳選した11種類の

「樽貯蔵熟成酒」を13%ブレンド。スタイリッシュなボトル

デザインも相まって、大ヒット商品となりました。また 2007年

には“極上〈宝焼酎〉”を発売。「樽貯蔵熟成酒」を3%ブレンド

することで、甲類焼酎のすっきりした味わいに加え、ほのか

な甘い香りとまろやかな口当たりを実現しています。

 「樽貯蔵熟成酒」は、ソフトアルコール飲料のベースにも

使用されています。1984年に日本発の缶入りチューハイ

として発売し、まもなく35周年を迎える“タカラcanチュー

ハイ”は「樽貯蔵熟成酒」を贅沢に使用した元祖辛口プレミ

アムチューハイです。また、2018年2月に発売した“樽熟成

焼酎ハイボール”は、「樽熟成」ならではの深いコクと、「焼酎」

ならではの食事に合うすっきりとした味わいが好評を得て

います。

 飲酒人口の減少や消費嗜好の多様化などにより、国内の

酒類市場では厳しい競争環境が続くことが予想されますが、

これからも「樽貯蔵熟成酒」をはじめ焼酎トップメーカー

として培ってきた技術力・開発力を活かし、市場を牽引して

いきます。

COLUMN

黒壁蔵

宝焼酎「純」に使用している11種類の「樽貯蔵熟成酒」

こだわりの「樽貯蔵熟成酒」 を強みに市場を開拓

焼酎で変わる、「レモンサワー」の味わい

1特集

食事との相性や健康イメージから近年人気の「レモンサワー」。

そのベースとなる甲類焼酎に注目が集まる中、宝酒造では

“宝焼酎”のラインアップを強化しています。原材料の一部

にレモン系のハーブを使用し、シャープな酸味とレモンの

香りが際立つ“宝焼酎「レモンサワー用」”、「樽貯蔵熟成酒」

の比率を高め、焼酎の芳醇さと

レモンの爽やかさの絶妙なバランス

を引き出す“宝焼酎「タカラリッチ」”

(飲食店ルート限定)。ベースとな

る焼酎の違いで、ほかにも様々な

レモンサワーがお楽しみいただけ

ます。

熟練の技術が生み出す「黒壁蔵」の「樽貯蔵熟成酒」

焼酎トップメーカーとして市場を牽引

20,000 85樽樽貯蔵熟成酒 約 種類 「樽貯蔵熟成酒」を使用した豊富な商品ラインアップ

Section 3 特集 1. 宝酒造

14TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

113

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COLUMN

清酒のおいしさを世界へ

2. 宝酒造インターナショナルグループ

米国宝酒造商品ラインアップ

“和食ブーム”を背景に、海外の清酒市場は年々拡大が

続いています。過去10年間の世界全体での市場成長率は

年平均5%を超えており、今後もさらなる拡大が期待でき

ます。この成長市場において、当社グループはシェアNo.1

のポジションにあり、海外清酒市場全体に占めるシェアは

約2割、最大のマーケットである北米でのシェアは3割近く

に達すると推計されます。

宝酒造が米国への清酒の輸出を開始したのは、今から60年

以上前の1951年。そして、米国に最初の日本食ブームが

訪れ、清酒への関心も高まってきた1980年代初頭には、米国

での現地生産に乗り出しました。カリフォルニア産米を原料

とし、水質も日本国内とは異なる条件のもと、製造工程を

全面的に見直すなど試行錯誤を重ねた末、1983年に米国産

「松竹梅」の製造・販売を開始。その後も厳しい品質管理の

もとで酒質の向上に努め、現在では日本産清酒と同レベル

の高評価を受けるまでになっています。

海外市場の中でも特に清酒人気の高い米国では、近年も

年6%前後のペースで清酒市場が拡大していると見られ、

家庭での飲用も増えています。需要の拡大に対応すべく、

当社グループは当期、米国宝酒造(カリフォルニア州)に約

5億円の設備投資を実施。醸造タンク増設や加熱処理・充填

設備の改良などにより、清酒の生産能力を原酒ベースでそれ

までの年間7,500キロリットルから2割増となる年間8,800

キロリットルに引き上げました。今後も米国市場の拡大ペー

スに合わせ継続的に生産能力を増強していく方針です。

日本政府は2020年の東京オリンピック・パラリンピックに

向け、清酒に関する海外への情報発信を積極的に進めてお

り、当社グループも日本からの輸出商品を含めて米国での

商品ラインアップを拡充していく計画です。米国市場にお

いては、長年パートナー関係にあった日本食材卸ミュー

チャルトレーディング社を前期当社グループに迎え入れた

ことを機に、同社との連携をさらに深め、日本食レストラン

向けの営業を強化するなど、グループとしてのシナジーを

最大限に発揮させます。

宝グループはこれからも、海外での和酒トップメーカー

として、清酒のおいしさを世界中の人 に々お届けしていきます。

清酒の文化を米国に伝える「SAKE MUSEUM」

1980年代に米国での現地生産をいち早く開始

清酒人気の高まりに応えるべく米国工場の生産能力を増強

8,800㎘年間7,500㎘

北米市場における当社シェア

28.5%

米国宝酒造

工場内部の様子(注) 当社推計

2特集

米国宝酒造の原酒ベース

清酒生産能力

北米市場

当社シェア

米国宝酒造の清酒工場内にある「SAKE MUSEUM(サケ

ミュージアム)」は、1997年に完成した清酒の資料館。現在

は年間1万人以上の来場者がある人気スポットとなって

います。施設では古い時代の清酒造りの道具や製造方法、

酒器の変遷、米国における清酒の製造史など、多彩な展示

を通して「SAKE」に関連した様々な日本文化を紹介してい

ます。ミュージアムには手軽に

試飲ができる「テイスティング

ルーム」も併設されており、来場

者に清酒体験の場を提供して

います。

Section 3 特集

16TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018115

Page 10: 2018...2014年 年 年 年 タカラバイオグループ 1988年 2011 年 スパークリング清酒「澪」 2014 年 遺伝子・細胞プロセッシングセンター あくなきチャレンジ精神で

新施設の建設によりCDMO 事業をさらに加速

CDMO事業とは?

CDMO事業の売上高(百万円)

2017

3,252

(計画)2019

4,3603,648

(3月期)2018

再生医療等製品関連受託遺伝子研究・検査受託

タカラバイオは近年、「再生医療等製品開発支援サービ

ス」と、ゲノムシーケンスや再生医療等製品の遺伝子解析

などの「遺伝子検査支援サービス」をワンストップで提供する

CDMO事業の拡大に注力しています。

このCDMO事業の中核拠点が、2014年に滋賀県草津市

で稼働した「遺伝子・細胞プロセッシングセンター」です。同

センターは自社の遺伝子治療開発プロジェクト開発で使用す

る治験薬の製造や、GCTP/GMPに準拠した再生医療等製品

の製造関連(ウイルスベクター製造、細胞加工など)の受託

サービス、さらに遺伝子治療に使用されるレトロネクチン®の

製造や各種品質試験・保管などの幅広いサービスを提供。

「再生医療等製品開発のベストパートナー」として、遺伝子治

療や細胞医療などの先端医療を強力にサポートしています。

2015年には、この「遺伝子・細胞プロセッシングセンター」

に隣接して「本館棟(新研究棟)」を建設。それまで各地(滋賀

県大津市・草津市、三重県四日市市)に分散していた研究拠点

を集約し、研究開発体制を強化・効率化しています。

 2018年1月、タカラバイオは滋賀県草津市の本社地区に

総事業費約73億円をかけ、新たに再生医療等製品の研究・

製造施設を建設、あわせて同地区の既存の研究・製造施設

を拡張する計画を発表しました。

 これまでは「遺伝子・細胞プロセッシングセンター」と

「本館棟(新研究棟)」により、自社の遺伝子治療開発プロ

ジェクトとともにCDMO事業を推進してきましたが、遺伝子

治療開発プロジェクトは、上市を見据えた製造スケール

アップを行うステージに達し、CDMO事業でも再生医療等

製品の開発プロジェクトの増加やゲノム解析技術の診断

分野への拡がりなどから受託サービスの受注量が増大。各

施設の稼働率が急速に高まっています。

 新施設の建設はこのような状況に対応したもので、

GCTP/GMPに準拠した再生医療等製品の製造、品質検査

業務、およびゲノム編集やiPS細胞作製などの受託サービス・

研究開発業務を行う3つのエリアで構成され、完成時には実

装区域のみで約2.5倍のキャパシティが得られます。また、

延べ床面積14,100m2のうち、約4,600m2は未実装区域と

し、将来の多様なニーズに機動的に対応できる設計として

います。本施設の新設・改修を機に、遺伝子治療開発プロ

ジェクトおよびCDMO事業の一層の強化を図っていきます。

CDMOのトップランナーとして高付加価値のサービスを提供

新たな研究・製造施設の建設・拡張により事業基盤を強化

3特集

CDMO事業は、企業や研究機関による再生医療等製品

などの開発・製造を支援するビジネスです。再生医療等

製品は、有効性、安全性に優れる一方で、製造には専用の

設備・施設など多大な初期投資のほか、高度な製造技術、

品質管理体制も必要とされるため、開発初期からアウト

ソースされることが一般的です。タカラバイオでは、自社

の遺伝子治療プロジェクトの開発過程で蓄積した技術や

ノウハウに加え、国内・海外の製造管理基準に対応した

施設(遺伝子・細胞プロセシッングセンター)、品質管理

体制を整備し、受託サービスの基盤を確立することで、

再生医療等製品関連CDMO事業No.1のポジションを

堅持しています。

7,500百万円百万円

遺伝子・細胞プロセッシングセンター関連売上高 約

2017年3月期

施設最大稼動時

約3,000

COLUMN

遺伝子・細胞プロセッシングセンター本館棟

新施設予定地(2019年12月稼動予定)

Section 3 特集 3. タカラバイオグループ

18TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

117

Page 11: 2018...2014年 年 年 年 タカラバイオグループ 1988年 2011 年 スパークリング清酒「澪」 2014 年 遺伝子・細胞プロセッシングセンター あくなきチャレンジ精神で

食と健康

 宝グループは、食品や医療に関わる事業を営む企業として、

安全な商品・サービスの提供を積み重ね、お客様に安心を

感じていただくことを重視しています。将来にわたって

お客様に信頼される企業グループであり続けるために、

食品安全・品質マネジメントシステムに基づいた適切な

管理に努めています。

 宝酒造では、国内全6工場(松戸工場、楠工場、伏見工場、

白壁蔵、黒壁蔵、島原工場)において、食品安全マネジメント

システムに関する国際規格FSSC22000※の認証を取得して

います。あわせて、同6工場で、品質マネジメントシステム

ISO9001の認証を取得することで、食品安全・品質管理に

万全を期しています。

 タカラバイオグループでは、タカラバイオ、宝生物工程

(大連)有限公司、タカラバイオDSSインド、タカラバイオ

ヨーロッパS.A.Sにおいて、品質マネジメントシステム

ISO9001の認証を取得しています。あわせて、タカラバイオ

USAにおいては、医療機器の品質マネジメントシステム

ISO13485の認証を取得し、厳正な品質管理を行っています。

さらに、タカラバイオにおいては衛生検査所登録、CAP-LAP

(米国病理学会の臨床検査室認定)、特定細胞加工物製造業

などの第三者認証や許可を取得し、製品やサービスの継続的

な品質向上に取り組んでいます。

商品企画 商品企画にあたって、日々の営業活動による情報収集に

加えて、消費者アンケートやグループインタビューも実施

しています。味わいや安全・安心に関するお客様の潜在的

なニーズ、こだわりをキャッチすることや、自社の独自技術

の市場適合性を確認することによって、オリジナリティの

ある商品を提供しています。

設計審査 商品設計の段階では、品質規格、商品の安全性から容器・

包装品、製造工程に至る商品の設計内容すべてに対し、

デザインレビュー(設計審査)の手法を用いて適法性や妥当性

を確認しています。

 こうして「不良」となりうる可能性を設計段階で極力排除し、

万全な品質設計であることを確認したうえで、商品化して

います。

原料調達 原料の調達については、調達ルートがすべて間違いなく

確認できる原料、もしくは品質保証書において品質・安全性・

適法性が確認できる原料のみを採用しています。一部の

輸入原料や農産物原料に対しては、前述の取り組みに加え、

残留農薬、重金属などの分析を実施し、安全性を確認して

います。原料分析に際しては、専門分析機関と同等レベルの

高性能な分析機器を分析センターと主力工場に配備して

います。

 また、放射能リスクへの対応として、国産原材料については、

放射性物質の基準値への適合を確認したうえで調達して

います。あわせて、国産原材料の自社による検査を並行

して実施しています。さらに、関東・東北エリアの生産工場

においては、継続的に製造用水・製品の放射性セシウムを

モニタリングし、基準値への適合を確認しています。

製造 工場の建屋内は清浄度別にゾーンを分けています。充填室

など最も高度な清浄性が要求される作業区域においては、

クリーンルーム仕様を採用し、異物混入を防いでいます。

 充填後は、自動検査装置による異物検査や印字検査、検査

員による目視検査や官能検査、最新の分析装置を利用した

成分分析を実施して、商品の安全と品質を確保しています。

物流 製造された商品は、物流センター(東西2カ所)に転送され、

そこから出荷されます。物流センターでは、パレットごとに

貼付したバーコードによって、製造ライン、製造日時などの

情報を管理しています。製造履歴を管理することで商品の

品質情報を迅速に確認できる体制を整えています。

 お客様相談室には、年間約8,000件のお客様の声が寄せ

られています。内容は、商品の取扱店、賞味期限、原材料の

原産地などに関するお問い合わせ、さらには商品に関する

ご意見・ご指摘など、多岐にわたります。

 宝酒造では、これらの声の一つひとつに真摯に耳を傾け、

よりご満足いただける商品づくりや商品の改良に取り組んで

います。さらに、お客様対応/苦情対応マネジメントシステム

ISO10002の自己適合宣言により、お客様対応プロセスの

継続的な改善に取り組んでいます。

 タカラバイオでは、「遺伝子治療などの革新的なバイオ

技術の開発を通じて、人々の健康に貢献する」という企業

理念に基づき、世界中のすべての人々の健康的な生活に

貢献することを目指しています。

ライフサイエンス研究の発展を幅広く支援 タカラバイオは、遺伝子工学技術・細胞工学技術を利用

した研究用試薬などを世界中の大学・企業に提供してい

ます。

 当社グループのバイオ事業は、1979年、国産初の遺伝子

工学研究用試薬として4種類の「制限酵素」の販売を開始

したことに始まります。その後、新製品の開発や事業の

拡大、買収などを経て製品のラインアップを強化し、現在の

アイテム数は約7,000。ライフサイエンスの最先端分野から

産業分野で日常的に使用される研究用試薬まで幅広く

製品を取り揃え、世界中で販売しています。

 今後も、世界の研究機関とともに、ライフサイエンス研究

の発展をグローバルで支援していきます。

がんなどをターゲットとした遺伝子治療の技術開発・商業化 タカラバイオは、革新的なバイオ技術を活かして、がん

などのアンメット・メディカル・ニーズ(いまだ充足されて

いない医療ニーズ)に対する遺伝子治療や細胞医療などの

先端医療技術の開発を進めています。

 2008年に日本で初めて体外遺伝子治療の治験を開始した

タカラバイオは、その後も様々な試行錯誤を経ながら複数

の遺伝子治療プロジェクトに取り組んできました。

 現在、メラノーマや膵がんを対象とした腫瘍溶解性ウイルス

Canerpaturev(略称:C-REV)の臨床試験を進めており、

メラノーマについては2019年3月期に日本初のがんの

遺伝子治療薬として承認申請を予定しており、長年の研究

開発の積み重ねが医療という形で実用化されようとして

います。

 タカラバイオでは、これからも遺伝子治療の臨床開発を

着実に推進し、早期の商業化を実現することで、世界中の

人々の健康に貢献していきます。

安全・安心な品質の確保

食品安全・品質マネジメントシステム

宝酒造の安全な商品づくり

※ FSSC(Food Safety System Certification)22000とは、食品安全を確保する衛生管理手法であるHACCPの考えを取り込んだISO22000に、設備の構造、レイアウトや洗浄、殺菌など一般衛生管理の具体的要求事項を規定したISO/TS22002-1(前提条件プログラム)、さらに従業員の管理などに関する追加要求事項を加えたスキームです。

分析機器による検査

事業活動を通じて社会的価値を創造しESG課題の解決を目指す

「社会・環境側面の重点テーマ」

SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)とは、世界が抱える問題を解決し、持続可能な社会をつくるために世界各国が合意した17の目標と169のターゲットです。2015年9月、前身であるMDGs(ミレニアム開発目標)を継承し、国連で採択されました。貧困問題をはじめ、気候変動や生物多様性、エネルギーなど、持続可能な社会をつくるために世界が一致して取り組むべきビジョンや課題が網羅されています。

SDGsとは?

次ページ以降、上記重点テーマごとに、事業と社会課題の関わりに関する当社の基本的な認識や詳細な取り組み・パフォーマンスを紹介しています。

Section 4 ESG課題への取り組み

➡ P20 ➡ P29

活動領域

●安全・安心な品質の確保●世界のライフサイエンス研究支援・遺伝子治療実現への取り組み

●温室効果ガス排出の抑制●水使用量の抑制●廃棄物排出の抑制●生物多様性の保全

重点テーマに関連するSDGs社会的価値創造のための重点テーマ

●多様性の確保・人財育成●適正飲酒の促進●海外への和食普及●伝統文化の継承

食と健康

環境

人と社会

国連のSDGs(持続可能な開発目標)などで示されて

いる多様な社会課題の解決を視野に入れ、宝グループ

の事業と関わりの深い3つの活動領域において、

社会的価値を創造していくための重点テーマを定め、

取り組みを推進しています。

透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うために、

「宝ホールディングスコーポレートガバナンスポリシー」

を定め、積極的な情報開示と対話を通じて、ステーク

ホルダーの皆様との信頼関係の構築を目指しています。

社会・環境側面の取り組み

コーポレートガバナンスの取り組み1. 2.

1. 社会・環境側面の取り組み

20TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

19 TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

Page 12: 2018...2014年 年 年 年 タカラバイオグループ 1988年 2011 年 スパークリング清酒「澪」 2014 年 遺伝子・細胞プロセッシングセンター あくなきチャレンジ精神で

 宝グループは、食品や医療に関わる事業を営む企業として、

安全な商品・サービスの提供を積み重ね、お客様に安心を

感じていただくことを重視しています。将来にわたって

お客様に信頼される企業グループであり続けるために、

食品安全・品質マネジメントシステムに基づいた適切な

管理に努めています。

 宝酒造では、国内全6工場(松戸工場、楠工場、伏見工場、

白壁蔵、黒壁蔵、島原工場)において、食品安全マネジメント

システムに関する国際規格FSSC22000※の認証を取得して

います。あわせて、同6工場で、品質マネジメントシステム

ISO9001の認証を取得することで、食品安全・品質管理に

万全を期しています。

 タカラバイオグループでは、タカラバイオ、宝生物工程

(大連)有限公司、タカラバイオDSSインド、タカラバイオ

ヨーロッパS.A.Sにおいて、品質マネジメントシステム

ISO9001の認証を取得しています。あわせて、タカラバイオ

USAにおいては、医療機器の品質マネジメントシステム

ISO13485の認証を取得し、厳正な品質管理を行っています。

さらに、タカラバイオにおいては衛生検査所登録、CAP-LAP

(米国病理学会の臨床検査室認定)、特定細胞加工物製造業

などの第三者認証や許可を取得し、製品やサービスの継続的

な品質向上に取り組んでいます。

商品企画 商品企画にあたって、日々の営業活動による情報収集に

加えて、消費者アンケートやグループインタビューも実施

しています。味わいや安全・安心に関するお客様の潜在的

なニーズ、こだわりをキャッチすることや、自社の独自技術

の市場適合性を確認することによって、オリジナリティの

ある商品を提供しています。

設計審査 商品設計の段階では、品質規格、商品の安全性から容器・

包装品、製造工程に至る商品の設計内容すべてに対し、

デザインレビュー(設計審査)の手法を用いて適法性や妥当性

を確認しています。

 こうして「不良」となりうる可能性を設計段階で極力排除し、

万全な品質設計であることを確認したうえで、商品化して

います。

原料調達 原料の調達については、調達ルートがすべて間違いなく

確認できる原料、もしくは品質保証書において品質・安全性・

適法性が確認できる原料のみを採用しています。一部の

輸入原料や農産物原料に対しては、前述の取り組みに加え、

残留農薬、重金属などの分析を実施し、安全性を確認して

います。原料分析に際しては、専門分析機関と同等レベルの

高性能な分析機器を分析センターと主力工場に配備して

います。

 また、放射能リスクへの対応として、国産原材料については、

放射性物質の基準値への適合を確認したうえで調達して

います。あわせて、国産原材料の自社による検査を並行

して実施しています。さらに、関東・東北エリアの生産工場

においては、継続的に製造用水・製品の放射性セシウムを

モニタリングし、基準値への適合を確認しています。

製造 工場の建屋内は清浄度別にゾーンを分けています。充填室

など最も高度な清浄性が要求される作業区域においては、

クリーンルーム仕様を採用し、異物混入を防いでいます。

 充填後は、自動検査装置による異物検査や印字検査、検査

員による目視検査や官能検査、最新の分析装置を利用した

成分分析を実施して、商品の安全と品質を確保しています。

物流 製造された商品は、物流センター(東西2カ所)に転送され、

そこから出荷されます。物流センターでは、パレットごとに

貼付したバーコードによって、製造ライン、製造日時などの

情報を管理しています。製造履歴を管理することで商品の

品質情報を迅速に確認できる体制を整えています。

 お客様相談室には、年間約8,000件のお客様の声が寄せ

られています。内容は、商品の取扱店、賞味期限、原材料の

原産地などに関するお問い合わせ、さらには商品に関する

ご意見・ご指摘など、多岐にわたります。

 宝酒造では、これらの声の一つひとつに真摯に耳を傾け、

よりご満足いただける商品づくりや商品の改良に取り組んで

います。さらに、お客様対応/苦情対応マネジメントシステム

ISO10002の自己適合宣言により、お客様対応プロセスの

継続的な改善に取り組んでいます。

 タカラバイオでは、「遺伝子治療などの革新的なバイオ

技術の開発を通じて、人々の健康に貢献する」という企業

理念に基づき、世界中のすべての人々の健康的な生活に

貢献することを目指しています。

ライフサイエンス研究の発展を幅広く支援 タカラバイオは、遺伝子工学技術・細胞工学技術を利用

した研究用試薬などを世界中の大学・企業に提供してい

ます。

 当社グループのバイオ事業は、1979年、国産初の遺伝子

工学研究用試薬として4種類の「制限酵素」の販売を開始

したことに始まります。その後、新製品の開発や事業の

拡大、買収などを経て製品のラインアップを強化し、現在の

アイテム数は約7,000。ライフサイエンスの最先端分野から

産業分野で日常的に使用される研究用試薬まで幅広く

製品を取り揃え、世界中で販売しています。

 今後も、世界の研究機関とともに、ライフサイエンス研究

の発展をグローバルで支援していきます。

がんなどをターゲットとした遺伝子治療の技術開発・商業化 タカラバイオは、革新的なバイオ技術を活かして、がん

などのアンメット・メディカル・ニーズ(いまだ充足されて

いない医療ニーズ)に対する遺伝子治療や細胞医療などの

先端医療技術の開発を進めています。

 2008年に日本で初めて体外遺伝子治療の治験を開始した

タカラバイオは、その後も様々な試行錯誤を経ながら複数

の遺伝子治療プロジェクトに取り組んできました。

 現在、メラノーマや膵がんを対象とした腫瘍溶解性ウイルス

Canerpaturev(略称:C-REV)の臨床試験を進めており、

メラノーマについては2019年3月期に日本初のがんの

遺伝子治療薬として承認申請を予定しており、長年の研究

開発の積み重ねが医療という形で実用化されようとして

います。

 タカラバイオでは、これからも遺伝子治療の臨床開発を

着実に推進し、早期の商業化を実現することで、世界中の

人々の健康に貢献していきます。

世界のライフサイエンス研究支援・遺伝子治療実現への取り組み

お客様満足の追求

生産でのCO2削減

タカラバイオの研究風景

 地球温暖化に起因する気候変動は、全世界が一致協力

して取り組むべき重要な社会課題です。また、当社グループ

の事業継続にとってリスクとなる可能性もあるため、事業

に伴う温室効果ガス排出の抑制に取り組んでいます。

 宝グループの2018年3月期の生産工程におけるCO2の総

排出量は、108.93千t-CO2となりました。一方、宝グループ

のCO2排出量の8割以上を占める宝酒造の生産工程での

CO2排出量は、2017年3月期までは順調に減少してい

ましたが、2018年3月期は前期比で3.5%増加しました。

 高効率ガスボイラーや省エネエアコンへの更新、照明の

LED化などの省エネ設備の導入や、省エネ診断を活用した

蒸気配管の保温対策の実施、原料アルコールの品質に

対応した蒸留条件の最適化

などに取り組みましたが、

製造数量増加によるCO2排出

量増加をカバーできません

でした。

〈生産工程でのCO2排出量削減の取り組み事例〉● 重油ボイラーからガスボイラーへの転換および高効率

ボイラーへの更新● 蒸気や高温排水の排熱の再利用● コージェネレーション(熱電供給)システムの導入

温室効果ガス排出の抑制

マイクロガスタービンコージェネレーションシステム

108.93

生産工程でのCO2排出量(総排出量)

94.3097.10 95.3092.00 91.10

2014 (3月期)

110.00

100.00

90.00

80.00

02015 2016 2017 2018

(千t-CO2) 宝グループ連結宝酒造

1. 社会・環境側面の取り組みSection 4 ESG課題への取り組み

宝グループ環境方針

宝グループは、地球環境の保全と事業活動の調和

を経営の重要課題のひとつとし、環境マネジメント

システムを構築して継続的な改善に取り組み、持

続可能な社会づくりに貢献します。

1. 環境に関連する法令および組織が同意するその他の要求事項を順守します。

2. 宝グループが行う事業活動の中、以下の項目について重点的に取り組みます。

(1)環境汚染の予防に努めます。

(2)省エネ・省資源を推進し、持続可能な資源の利用に努めます。

(3)温室効果ガスの排出量を削減し、気候変動の緩和に努めます。

(4)生物多様性や生態系の保護・保全に関わる活動を推進、支援します。

(5)容器包装の3Rへの対応など、環境に配慮した商品開発に努めます。

3. 環境活動への取り組みや環境パフォーマンス情報を積極的に開示し、社会とのコミュニケーションに努めます。

4. 本環境方針は、教育啓発活動を通じて宝グループの全構成員に周知するとともに、社員の社会貢献活動への参加を積極的に支援します。

環境

21 22TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

〈集計範囲〉宝酒造、Takara Sake USA Inc.、宝酒造食品有限公司、The Tomatin Distillery Co. Ltd、 タカラバイオ、瑞穂農林、きのこセンター金武、宝生物工程(大連)有限公司

Page 13: 2018...2014年 年 年 年 タカラバイオグループ 1988年 2011 年 スパークリング清酒「澪」 2014 年 遺伝子・細胞プロセッシングセンター あくなきチャレンジ精神で

 宝酒造では、物流の効率化や省エネ運転、モーダルシフト※

の推進などにより、輸送時のCO2排出量の削減に取り組んで

います。

 2018年3月期の物流工程におけるCO2排出量は、前期比

で1.3%減少しました。その主な理由は、アルコール輸送

タンカーの燃料品質を変更

することで燃費が向上したこ

とによるものです。

〈物流工程でのCO2排出量削減の取り組み事例〉● フェリー、鉄道などへのモーダルシフト● 消費地生産による東西間の転送の削減● 物流子会社による高積載トラックの開発

 宝グループにとって水は、酒類・調味料の原料としては

もちろん、製造設備や容器の洗浄、商品の冷却にも使用

するなど不可欠な資源です。水資源の持続的な利用は当社

グループの事業継続において重要なテーマであり、各製造

拠点を中心に、水の再利用や節水に努め、用水使用量の

削減に取り組んでいます。

 宝グループの2018年3月期の生産工程における用水

使用量は、611万m3となりました。一方、宝グループの用水

使用量の9割以上を占める宝酒造の用水使用量は、2017年

3月期までは順調に減少していましたが、2018年3月期は

前期比11.0%増加しました。増加の主な要因は、製造数量

の増加によるものです。

〈生産工程での用水使用量削減の取り組み事例〉● 製造設備の洗浄方法の改善による洗浄水の削減● 商品製造時の容器洗浄水や冷却水の再利用● アルコール蒸留方法の改善による冷却水の削減

 近年、食品廃棄の問題をはじめとして、資源節約・循環

の重要性が叫ばれています。宝グループでは、持続可能な

循環型社会の形成・維持を重要な課題の一つと認識し、

事業活動で生じる廃棄物の削減に努めるとともに、空容器

の問題についても独自の取り組みを進めています。

 宝酒造の2018年3月期の廃棄物排出量は、前期比で

31.2%増加しました。工場では焼酎粕などの副産物や排水

処理汚泥、原料や容器の運搬資材などの廃棄物が発生

します。そのため、焼酎粕などの食品系副産物を飼料化・

肥料化するなど有効利用を図り、工場廃棄物排出量の削減に

取り組んでいます。2018年3月期に廃棄物排出量が増加

した主な理由は、製造数量の増加に伴い、設備能力の関係

から焼酎粕のうち焼却減容化にまわるものが増加したり、

排水処理汚泥などが増加したためです。

〈廃棄物削減の取り組み事例〉● 焼酎粕飼料化設備の導入● 排水処理汚泥の減容化

 日本では、一般家庭から出るごみの約6割(容積比)が

容器包装で占められています。宝酒造ではこの問題に対処

するため、リデュース(減量化)、リユース(再使用)、リサイ

クル(再資源化)の3Rに配慮した資材調達や商品開発を

進めています。

 また、宝酒造独自の取り組みとして、焼酎のはかり売りを

展開しています。自社工場で専用タンクに充填した焼酎を

販売店に直送し、お客様は家庭にあるペットボトルなどの空

容器を販売店に持参して、専用タンクから必要な分だけを

容器に詰めて購入します。このように、新たな容器を購入せず

必要な分だけ中身を買うため、資源の節約とごみの削減に

つながります。1998年の開始以来2018年3月までに、2.7ℓ

ペットボトル換算で約9,300万本を節約することができました。

 宝グループは、自然の恵みを得て様々な事業を展開して

おり、豊かな自然環境や生物多様性が保たれることは、

事業活動を進めるうえでの大前提となっています。

 宝グループでは、公益信託を通じた助成や子どもたちへの

環境教育活動などを通じて、生物多様性等を次世代へ守り

継いでいくことを目指しています。

 宝ホールディングスは、1985年に公益信託「タカラ・

ハーモニストファンド」を設立し、以来毎年、日本の森林・

草原や水辺の自然環境を守る活動や、そこに生息する生物

を保護するための研究などに対して助成を行っています。

助成先の選考は自然科学分野の専門性の高い有識者により

構成される運営委員会により行われます。

 2018年3月期は、多数の応募の中から、「伊勢のウシモツゴ

を守る会」など全国で11件の自然環境保全に関する活動・

研究が助成先として選ばれました。第1回からの助成先件数は

延べ344件、助成金累計額は1億6477万6千円になりました。

 宝酒造は、次世代を担う子どもたちに自然環境や生物多

様性を守ることの大切さ(環境教育)や自然の恵みのありが

たさ(食育)を伝えることを目的として、宝酒造「田んぼの

学校」を開催しています。

 小学生とそのご家族を対象に、5月から12月までの約半年

間に京都府南丹市園部町の田んぼと京都市内のクッキング

スクールにて、稲作体験や自然観察、料理教室などの授業

を4回にわたって行います。料理教室では、本みりんを使った

料理をつくってもらうことで、参加者に当社の商品に親しみ

を感じてもらえるようにしています。

物流でのCO2削減

生産工程での用水使用量の削減

工場廃棄物の削減

空容器問題への取り組み

子どもたちへの啓発宝酒造「田んぼの学校」

生態系や生物多様性を守る活動や研究への助成

※ トラックから環境負荷の小さい鉄道・海運利用へと貨物輸送を転換すること。

専用タンカーでのアルコール輸送

田植え体験の様子

本みりんを手に料理する参加者の様子

水使用の抑制

廃棄物排出の抑制

生物多様性の保全

焼酎粕の飼料化設備

1. 社会・環境側面の取り組みSection 4 ESG課題への取り組み

宝酒造の物流工程のCO2排出量(総排出量)

宝酒造の廃棄物排出量

15.5

16.3

15.715.2

15.7

2014 (3月期)

17.0

16.0

15.0

14.0

02015 2016 2017 2018

(千t-CO2)

5,261

3,9384,465 4,247 4,009

2014 (3月期)

6,000

4,000

2,000

02015 2016 2017 2018

(t)

生産工程での用水使用量

〈集計範囲〉宝酒造、Takara Sake USA Inc.、宝酒造食品有限公司、The Tomatin Distillery Co. Ltd、 タカラバイオ、瑞穂農林、きのこセンター金武、宝生物工程(大連)有限公司

586611

563550

536 528

2014 (3月期)

650

600

550

500

02015 2016 2017 2018

(万m3) 宝グループ連結宝酒造

23 24TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

Page 14: 2018...2014年 年 年 年 タカラバイオグループ 1988年 2011 年 スパークリング清酒「澪」 2014 年 遺伝子・細胞プロセッシングセンター あくなきチャレンジ精神で

 宝グループでは、「人」はかけがえのない「財産」である

との視点に立ち、人材を「人財」と表現しています。多様な

人財が健康的に働くことのできる環境整備に努めるとともに、

社員研修施設の宝ホールディングス歴史記念館などを活用

した人財育成に取り組み、長期的な事業成長に欠かせない

人的資源の維持・強化を図っています。

 宝グループでは、女性のさらなる活躍を重要テーマと捉え、

行動計画を策定するなど、取り組みを進めています。

 宝ホールディングス、宝酒造、宝酒造インターナショナル

の3社では、全社員に占める女性社員比率が約10%程度

である状況をふまえ、2020年3月までの計画において、

事務系・技術系の新卒採用者の女性比率を3社計で30%

以上とすることを目標の一つに掲げています。ウェブサイト

上で女性社員が活躍する事例をインタビュー形式で詳しく

紹介するとともに、会社説明会に女性社員を積極的に登用

するなど、当社で働く女性像を求職者に具体的にイメージ

してもらいやすくする取り組みを進めたことにより、2019年

3月期の新卒採用者については、女性比率34.8%(23名中

8名)となりました。

 また、女性活躍推進のもう一つの柱として、新任女性

管理職、新任女性課長補佐を2016年4月から2020年3月

までの期間中に延べ18名以上登用することを目指してい

ます。女性社員のキャリア意識の形成と人財育成を目的と

して実施しているキャリア研修では、女性を取り巻く環境

の理解と役割の自覚を促すとともに、女性社員一人ひとり

の特性を活かしたリーダーシップの発揮について考えるなど、

役割拡大に必要となるスキル学習とトレーニングを実施して

います。こうした取り組みにより、2018年4月1日までの新任

女性管理職、新任女性課長補佐の登用人数は17名となって

います。

 タカラバイオにおいては、2019年3月期の新卒採用者は

女性比率52.0%(25名中13名)で、全社員に占める女性

社員比率が約40%となりました。また、2022年3月までに

女性管理職を10人以上登用する、または管理職に占める

女性割合を25%以上(2016年3月末時点の全管理職に

対して)とすることを目標に掲げて取り組みを進めており、

2018年4月1日までに4名を登用し、管理職に占める女性

の割合は21.4%となっています。

 宝ブループでは社員の人権を尊重し、差別のない、明るく

いきいきと働ける職場づくりを目指し、入社時や管理職研修、

コンプライアンス研修において、人権に関する啓発活動を

実施しています。

 採用活動においても、男女雇用機会均等法を遵守すると

ともに、人権への配慮を徹底するため、採用に関わる社員

にはマニュアルなどによる人権教育・啓発を行っています。

また、セクシュアルハラスメントやパワーハラスメント、妊娠、

出産、育児・介護に関するハラスメントの防止に向けて、

事業場ごとに相談・苦情の窓口と苦情処理委員会を設置

しています。

 障がい者の雇用にあたっては、職業能力の把握、障がい者

の特性に応じた職域の確保・開発、職場環境の改善などを通

じて障がい者がその能力を十分に発揮できる職場を確保し

ています。さらに、障がい者が健常者とともに職業生活に

参加し、働く生きがいを見出せる環境づくりに取り組んで

います。

 なお、2018年4月1日現在の障がい者雇用人数は、

宝ホールディングスでは3名、宝酒造では37名、タカラバ

イオでは11名となっており、いずれも法定雇用人数を満た

しています。(注) 法定雇用率:2.2%(2018年4月1日より)

 社員の心の健康サポートの一環として、メンタルヘルス不調

の未然防止と社員自身のストレスへの気付きを促すことを

目的に、外部機関による「ストレスチェック」をグループ各社

において毎年実施しています。高ストレスと判定された社員

が希望した際は、産業医との面談を実施し、就業上の措置が

多様性の確保・人財育成

女性の活躍推進

差別のない人権に配慮した職場づくり

障がい者が働きやすい職場づくり

外部機関による診断でメンタルヘルスを確保

必要と判断された場合にはその内容に従って対応するなど、

メンタルヘルス不調を未然に防ぐ取り組みを行っています。

 また、宝グループ健康保険組合においても被保険者を対象

とした「ストレスチェック」を実施しており、外部機関の診断

を定期的に受けられる制度を整えています。診断結果は

本人にのみ通知され、希望に応じて電話やウェブサイト、

面談によるカウンセリングサービスを利用することができます。

 宝ホールディングス、宝酒造、宝酒造インターナショナル

では、海外で活躍できる人財の育成を目的として、語学学校

への通学支援やオンライン英語レッスンの受講支援を行う

ことで、ビジネスに必要な語学スキルの習得を図っています。

 また、社員の自己啓発支援においては、語学系講座に

関する通信教育の複数受講を認めているほか、新入社員研修

においては「グローバルコミュニケーション研修」と「英語力

測定試験」を行うとともに、内定者に対しても入社前に英語

学習プログラムを提供するなど、グローバルな事業展開を

積極的に推進していくための社内風土醸成を図っています。

研修施設「宝ホールディングス歴史記念館」でグループの一体感を高め、将来の事業発展を担う人財を育成

 2017年3月、当社創立90周年事業の一環として、創業の

地である京都市伏見区竹中町に国内外のグループ社員を

対象とした研修施設「宝ホールディングス歴史記念館」を

開館しました。

 1842年に酒造業から始まった当社グループの事業領域は、

現在、バイオ事業、そして海外日本食材卸事業にまで拡がり、

また地域的にも、欧米・アジア・オセアニアで積極的に事業活動

を展開しており、人財も多様化しています。

 そこで、同記念館では、宝グループ全社員を対象とした

「歴史記念館見学研修プログラム」を実施しており、グループ

全体が一体となって企業価値の向上に邁進する風土を醸成

するとともに、将来にわたってグループを支える人財の育成

に取り組んでいます。

 日本をはじめ世界各地で酒類を製造・販売する宝グループ

において、宝酒造は1984年の「はたちまでストップ」キャン

ペーン以来、過剰な飲酒や未成年者飲酒、妊産婦飲酒、

飲酒運転の防止に関する情報発信に努めています。また、

不適正な飲酒を誘発するような広告表現や表示、販売を

行わないように徹底しています。

 宝酒造は、1986年にお酒の正しい知識や飲み方をわかり

やすくまとめたパンフレット「Say No読本」を発行しました。

 さらに2009年にはこれをリニューアルした「お酒おつき

あい読本」を発行し、適正飲酒を呼びかけています。この

冊子を様々なイベントなどでご提供しているほか、同内容を

宝酒造ウェブサイトでも公開しています。

 酒類のテレビCMについては、①未成年者飲酒を誘発

するような表現はしない、②過度の飲酒を勧めるような

表現や社会的良識に反する飲酒の表現はしない、③未成年者

飲酒、飲酒運転、妊娠中や授乳期の飲酒およびアルコールの

過剰摂取等の防止に関する注意表示を明示する、④放送時

間帯を制限する(昼間[18時まで]は放送しない)、⑤未成年

の視聴者が多い番組での放送は自粛するといった業界基準

を遵守しています。

 新聞・雑誌などテレビCM以外の宣伝広告についても

同様に、未成年者の飲酒を禁止する旨などのメッセージを、

読者の目に付きやすい位置にはっきりと表示しています。

 未成年者の飲酒を防止する取り組みとして、1995年から

商品パッケージに「未成年者の飲酒は禁止されている」旨の

表示をしています。また、妊娠中や授乳期の飲酒防止の

ために、2004年から商品パッケージや新聞・雑誌広告に

妊産婦飲酒に関する注意事項を表記しています。さらに、

1995年から酒類全商品のパッケージに飲酒運転に関する

注意表示を行っています。

 清涼飲料との誤飲防止については、ソフトアルコール

飲料に「お酒」マークを業界で初めて表示するなどの取り組み

を実施してきました。現在も、缶入り商品および300㎖以下

の酒類商品で、アルコール分10度未満のすべての商品に

「お酒」マークを明示しています。また、試供品配布につい

ても、未成年者でないこと、運転者でないことが確認できる

場合に限って実施しています。

 世界的に健康志向が高まる中、ユネスコ無形文化遺産への

「和食」の登録などを契機に、海外でも日本食へのニーズ

が高まっています。宝グループは和食の普及を通じて世界中

の人々に健康的で豊かな食生活を提供していきます。

 海外の日本食レストラン数はここ10年ほどで約5倍に

増加しています。宝酒造インターナショナルグループでは、

海外日本食材卸事業を通じて、和食をつくるために必要な

コメ、のり、しょう油、お酢などの様々な和の食材や周辺商材

を現地のレストランや小売店に提供しています。

 今後もさらなる拡大が期待される世界の日本食市場の

広がりを背景に、「和食」に加え、日本伝統のお酒である

清酒や焼酎といった「和酒」の魅力を伝えることで、日本の

食文化を海外に広めていきます。

 英国で事業を展開するタザキフーズは、現地の日本食材

卸業界におけるパイオニアであり、プライベートブランド

「Yutaka」は多くの小売店で店頭に並ぶほか、業務用食材

分野でも確固たるポジションを確立しています。「Yutaka」

ブランドの高い認知度を活かし、タザキフーズでは英国各地

で開催される食の展示会への出店や、YouTube、Facebook

などを通じた積極的な情報発信にも努めています。

 また、清酒(Sake)のニーズの高まりに対しては、日本食

レストランのスタッフ向けに清酒のサービスに関する研修

を実施したり、蔵元との連携によって清酒の造りや特徴と

いったストーリーを発信する試みも始めています。

 宝酒造が製造・販売する清酒や焼酎、本みりんなどは、

長い伝統文化とともに発展してきたものです。そこで、

宝グループでは、社会貢献活動においても伝統文化を大切

にし、将来にわたって継承していくことを目指しています。

 「宝酒造杯 囲碁クラス別チャンピオン戦」は、宝酒造と

公益財団法人日本棋院の主催による、満20歳以上の成人

の方なら誰でも参加できる国内最大級のアマチュア囲碁

大会です。対局だけでなく、宝酒造のお酒の試飲やクイズ

ラリー、プロ棋士による指導碁なども実施し、当社グループ

への理解や商品への愛着を深めていただく良い機会にも

なっています。

 第10回を迎えた2018年3月期は全国13会場で地区大会、

および全国大会を執り行い、延べ9,961名の方に参加いた

だきました。宝酒造ではこの大会を通じて、囲碁愛好家の

裾野を広げ伝統文化である囲碁の普及に貢献します。

人と社会

グローバル人財の育成

1. 社会・環境側面の取り組みSection 4 ESG課題への取り組み

TOPICS

25 26TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

Page 15: 2018...2014年 年 年 年 タカラバイオグループ 1988年 2011 年 スパークリング清酒「澪」 2014 年 遺伝子・細胞プロセッシングセンター あくなきチャレンジ精神で

 宝グループでは、「人」はかけがえのない「財産」である

との視点に立ち、人材を「人財」と表現しています。多様な

人財が健康的に働くことのできる環境整備に努めるとともに、

社員研修施設の宝ホールディングス歴史記念館などを活用

した人財育成に取り組み、長期的な事業成長に欠かせない

人的資源の維持・強化を図っています。

 宝グループでは、女性のさらなる活躍を重要テーマと捉え、

行動計画を策定するなど、取り組みを進めています。

 宝ホールディングス、宝酒造、宝酒造インターナショナル

の3社では、全社員に占める女性社員比率が約10%程度

である状況をふまえ、2020年3月までの計画において、

事務系・技術系の新卒採用者の女性比率を3社計で30%

以上とすることを目標の一つに掲げています。ウェブサイト

上で女性社員が活躍する事例をインタビュー形式で詳しく

紹介するとともに、会社説明会に女性社員を積極的に登用

するなど、当社で働く女性像を求職者に具体的にイメージ

してもらいやすくする取り組みを進めたことにより、2019年

3月期の新卒採用者については、女性比率34.8%(23名中

8名)となりました。

 また、女性活躍推進のもう一つの柱として、新任女性

管理職、新任女性課長補佐を2016年4月から2020年3月

までの期間中に延べ18名以上登用することを目指してい

ます。女性社員のキャリア意識の形成と人財育成を目的と

して実施しているキャリア研修では、女性を取り巻く環境

の理解と役割の自覚を促すとともに、女性社員一人ひとり

の特性を活かしたリーダーシップの発揮について考えるなど、

役割拡大に必要となるスキル学習とトレーニングを実施して

います。こうした取り組みにより、2018年4月1日までの新任

女性管理職、新任女性課長補佐の登用人数は17名となって

います。

 タカラバイオにおいては、2019年3月期の新卒採用者は

女性比率52.0%(25名中13名)で、全社員に占める女性

社員比率が約40%となりました。また、2022年3月までに

女性管理職を10人以上登用する、または管理職に占める

女性割合を25%以上(2016年3月末時点の全管理職に

対して)とすることを目標に掲げて取り組みを進めており、

2018年4月1日までに4名を登用し、管理職に占める女性

の割合は21.4%となっています。

 宝ブループでは社員の人権を尊重し、差別のない、明るく

いきいきと働ける職場づくりを目指し、入社時や管理職研修、

コンプライアンス研修において、人権に関する啓発活動を

実施しています。

 採用活動においても、男女雇用機会均等法を遵守すると

ともに、人権への配慮を徹底するため、採用に関わる社員

にはマニュアルなどによる人権教育・啓発を行っています。

また、セクシュアルハラスメントやパワーハラスメント、妊娠、

出産、育児・介護に関するハラスメントの防止に向けて、

事業場ごとに相談・苦情の窓口と苦情処理委員会を設置

しています。

 障がい者の雇用にあたっては、職業能力の把握、障がい者

の特性に応じた職域の確保・開発、職場環境の改善などを通

じて障がい者がその能力を十分に発揮できる職場を確保し

ています。さらに、障がい者が健常者とともに職業生活に

参加し、働く生きがいを見出せる環境づくりに取り組んで

います。

 なお、2018年4月1日現在の障がい者雇用人数は、

宝ホールディングスでは3名、宝酒造では37名、タカラバ

イオでは11名となっており、いずれも法定雇用人数を満た

しています。(注) 法定雇用率:2.2%(2018年4月1日より)

 社員の心の健康サポートの一環として、メンタルヘルス不調

の未然防止と社員自身のストレスへの気付きを促すことを

目的に、外部機関による「ストレスチェック」をグループ各社

において毎年実施しています。高ストレスと判定された社員

が希望した際は、産業医との面談を実施し、就業上の措置が

必要と判断された場合にはその内容に従って対応するなど、

メンタルヘルス不調を未然に防ぐ取り組みを行っています。

 また、宝グループ健康保険組合においても被保険者を対象

とした「ストレスチェック」を実施しており、外部機関の診断

を定期的に受けられる制度を整えています。診断結果は

本人にのみ通知され、希望に応じて電話やウェブサイト、

面談によるカウンセリングサービスを利用することができます。

 宝ホールディングス、宝酒造、宝酒造インターナショナル

では、海外で活躍できる人財の育成を目的として、語学学校

への通学支援やオンライン英語レッスンの受講支援を行う

ことで、ビジネスに必要な語学スキルの習得を図っています。

 また、社員の自己啓発支援においては、語学系講座に

関する通信教育の複数受講を認めているほか、新入社員研修

においては「グローバルコミュニケーション研修」と「英語力

測定試験」を行うとともに、内定者に対しても入社前に英語

学習プログラムを提供するなど、グローバルな事業展開を

積極的に推進していくための社内風土醸成を図っています。

 日本をはじめ世界各地で酒類を製造・販売する宝グループ

において、宝酒造は1984年の「はたちまでストップ」キャン

ペーン以来、過剰な飲酒や未成年者飲酒、妊産婦飲酒、

飲酒運転の防止に関する情報発信に努めています。また、

不適正な飲酒を誘発するような広告表現や表示、販売を

行わないように徹底しています。

 宝酒造は、1986年にお酒の正しい知識や飲み方をわかり

やすくまとめたパンフレット「Say No読本」を発行しました。

 さらに2009年にはこれをリニューアルした「お酒おつき

あい読本」を発行し、適正飲酒を呼びかけています。この

冊子を様々なイベントなどでご提供しているほか、同内容を

宝酒造ウェブサイトでも公開しています。

 酒類のテレビCMについては、①未成年者飲酒を誘発

するような表現はしない、②過度の飲酒を勧めるような

表現や社会的良識に反する飲酒の表現はしない、③未成年者

飲酒、飲酒運転、妊娠中や授乳期の飲酒およびアルコールの

過剰摂取等の防止に関する注意表示を明示する、④放送時

間帯を制限する(昼間[18時まで]は放送しない)、⑤未成年

の視聴者が多い番組での放送は自粛するといった業界基準

を遵守しています。

 新聞・雑誌などテレビCM以外の宣伝広告についても

同様に、未成年者の飲酒を禁止する旨などのメッセージを、

読者の目に付きやすい位置にはっきりと表示しています。

 未成年者の飲酒を防止する取り組みとして、1995年から

商品パッケージに「未成年者の飲酒は禁止されている」旨の

表示をしています。また、妊娠中や授乳期の飲酒防止の

ために、2004年から商品パッケージや新聞・雑誌広告に

妊産婦飲酒に関する注意事項を表記しています。さらに、

1995年から酒類全商品のパッケージに飲酒運転に関する

注意表示を行っています。

 清涼飲料との誤飲防止については、ソフトアルコール

飲料に「お酒」マークを業界で初めて表示するなどの取り組み

を実施してきました。現在も、缶入り商品および300㎖以下

の酒類商品で、アルコール分10度未満のすべての商品に

「お酒」マークを明示しています。また、試供品配布につい

ても、未成年者でないこと、運転者でないことが確認できる

場合に限って実施しています。

 世界的に健康志向が高まる中、ユネスコ無形文化遺産への

「和食」の登録などを契機に、海外でも日本食へのニーズ

が高まっています。宝グループは和食の普及を通じて世界中

の人々に健康的で豊かな食生活を提供していきます。

 海外の日本食レストラン数はここ10年ほどで約5倍に

増加しています。宝酒造インターナショナルグループでは、

海外日本食材卸事業を通じて、和食をつくるために必要な

コメ、のり、しょう油、お酢などの様々な和の食材や周辺商材

を現地のレストランや小売店に提供しています。

 今後もさらなる拡大が期待される世界の日本食市場の

広がりを背景に、「和食」に加え、日本伝統のお酒である

清酒や焼酎といった「和酒」の魅力を伝えることで、日本の

食文化を海外に広めていきます。

 英国で事業を展開するタザキフーズは、現地の日本食材

卸業界におけるパイオニアであり、プライベートブランド

「Yutaka」は多くの小売店で店頭に並ぶほか、業務用食材

分野でも確固たるポジションを確立しています。「Yutaka」

ブランドの高い認知度を活かし、タザキフーズでは英国各地

で開催される食の展示会への出店や、YouTube、Facebook

などを通じた積極的な情報発信にも努めています。

 また、清酒(Sake)のニーズの高まりに対しては、日本食

レストランのスタッフ向けに清酒のサービスに関する研修

を実施したり、蔵元との連携によって清酒の造りや特徴と

いったストーリーを発信する試みも始めています。

 宝酒造が製造・販売する清酒や焼酎、本みりんなどは、

長い伝統文化とともに発展してきたものです。そこで、

宝グループでは、社会貢献活動においても伝統文化を大切

にし、将来にわたって継承していくことを目指しています。

 「宝酒造杯 囲碁クラス別チャンピオン戦」は、宝酒造と

公益財団法人日本棋院の主催による、満20歳以上の成人

の方なら誰でも参加できる国内最大級のアマチュア囲碁

大会です。対局だけでなく、宝酒造のお酒の試飲やクイズ

ラリー、プロ棋士による指導碁なども実施し、当社グループ

への理解や商品への愛着を深めていただく良い機会にも

なっています。

 第10回を迎えた2018年3月期は全国13会場で地区大会、

および全国大会を執り行い、延べ9,961名の方に参加いた

だきました。宝酒造ではこの大会を通じて、囲碁愛好家の

裾野を広げ伝統文化である囲碁の普及に貢献します。

適正飲酒の推進 海外への和食普及 伝統文化の継承

パンフレットによる啓発

広告での配慮

商品表示の配慮

海外日本食材卸事業を通じた和食普及 「宝酒造杯 囲碁クラス別チャンピオン戦」開催

和食文化の情報を発信

宝酒造杯の様子

「お酒おつきあい読本」

英国展示会での「Yutaka」ブランドPR

お酒マークの表示の例

注意表示の例

1. 社会・環境側面の取り組みSection 4 ESG課題への取り組み

27 28TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

Page 16: 2018...2014年 年 年 年 タカラバイオグループ 1988年 2011 年 スパークリング清酒「澪」 2014 年 遺伝子・細胞プロセッシングセンター あくなきチャレンジ精神で

コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方

 宝グループは、「自然との調和を大切に、発酵やバイオの

技術を通じて 人間の健康的な暮らしと 生き生きとした 社会

づくりに貢献します。」という企業理念のもと、日本伝統の

酒造りの発酵技術と最先端のバイオ技術の革新を通じて、

食生活や生活文化、ライフサイエンスにおける新たな可能性

を探求し、新たな価値を創造し続けることによって社会への

貢献を果たしています。

 2011年4月に公表した10年間の長期経営ビジョン「宝グ

ループ・ビジョン2020」では、酒類・調味料事業を基盤とし、

バイオ事業と健康食品事業という有望な将来性のある成長

事業を有する独自の強固な事業ポートフォリオをベースと

し、国内はもとより海外においても事業を伸ばし、さらに環境

変化に強いバランスのとれた事業構造を確立することを

目指しています。また、長期経営ビジョンを実現するための

具体的な実行計画として策定した3ヵ年の「宝グループ中期

経営計画2019」では、「海外売上高比率をさらに高めると

ともに、国内外で抜け・モレのない商品と競争優位性をもった

商品を多数もつことで、他社に勝てる分野を数多く築き上げ、

どんな環境変化が起ころうとも収益を大きく伸長させること

ができるバランスのとれた事業基盤を確立する」という基本

方針の下、売上高や営業利益、海外売上高比率といった業績

目標のほか、成長投資と適切な株主還元の実施によりROE

の向上を目指す方針を公表しています。具体的には、営業

利益をベースとした「みなし配当性向※130%」を目安とした

配当を行うとともに、自己株式の取得や政策保有株式の売却

にも、状況に応じた機動的な対応を図っていきます。

 このように、長期経営ビジョンと中期経営計画を着実に実行

し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を遂げるため

には、株主、顧客、従業員、債権者、地域社会などのステーク

ホルダーの立場をふまえたうえで、透明・公正かつ迅速・果断

な意思決定を行うためのコーポレートガバナンス体制が必要

であり、「宝ホールディングス コーポレートガバナンスポリ

シー※2」に定める具体的方針に則って取り組んでいきます。

報告指示

(注)タカラバイオ連絡会議は、タカラバイオ株式会社の業績・活動状況などの報告を目的としたものであり、同社の取締役会決議事項の事前承認などは求めておらず、同社の自主性・独立性を妨げるものではありません。

執行部門・グループ会社

監査役会(5名)

(うち社外監査役3名)

代表取締役(3名)

監査部

コンプライアンス委員会内部統制委員会

総務部(コンプライアンス委員会事務局)

グループ戦略会議

主な経営会議体(重要事項協議)

宝酒造戦略会議

宝酒造インターナショナル

戦略会議

監査部(内部統制委員会

事務局)

選任・解任

選定・監督

招集

監査監査監査

選任・解任

連携報告

連携

会計監査

連携

報告

報告指示

報告指示 報告指示

報告指示

内部監査

解任・不再任・選任議案の決定監視

監査

報告

指示

報告

選任

選任・解任

会計監査人

コーポレートガバナンス体制の模式図(2018年6月28日現在)

指示報告

 当社は、経営戦略の策定・遂行を通じ、各事業子会社の業務

執行の監査・監督を行うためには、各事業に関する高度な専門

知識と豊富な経験を持つ取締役が経営の意思決定を行い、

業務を監督するとともに、株主を含むすべてのステークホル

ダーの視点に立脚する幅広い見識をもった独立性の高い

社外取締役および社外監査役が業務の執行の監査・監督に

関与することで経営に対する監督機能が強化されるものと

の考えから監査役設置会社の体制をとり、これにより取締役

に対する実効性の高い監督を行うこととしています。

 また、「グループ会社管理規程」を制定し、持株会社として、

グループ各社の独自性・自律性を維持しつつ、「グループ戦略

会議」をはじめとする経営会議体を通じて 各社の経営上の

重要案件の事前協議や報告を義務付け、業務執行を監督しな

がら適切なリスクテイクを支える体制をとることとしています。

 当社は、社外役員5名のうち、社外取締役吉田寿彦氏

および友常理子氏ならびに社外監査役北井久美子氏の3名に

ついて、当社の定める「社外役員の独立性判断基準※」により、

一般株主との利益相反の生じるおそれがなく、独立性を備えた

者であると判断したため、独立役員として指定しています。

独立役員の選任理由と取締役会および監査役会への出席状況(2018年3月期)

氏名 選任理由 取締役会への出席 監査役会への出席

籔 ゆき子(社外取締役)2018年6月退任

パナソニック株式会社において要職を歴任しており、その幅広い見識ならびに一般消費財製品の企画・開発、市場調査・分析、マーケティングなどに関する豊富な経験と実績が、当社の経営体制の一層の充実に反映されると判断したためです。

13回中13回

国税庁などにおいて要職を歴任しており、その幅広い見識ならびに税務に関する豊富な経験と実績が、当社の経営体制の一層の充実に反映されると判断したためです。

吉田 寿彦(社外取締役) 13回中13回

弁護士として企業法務などに関する豊富な経験と実績および高い見識を有しており、これらが当社の経営体制の一層の充実に反映されると判断したためです。

友常 理子(社外取締役)2018年6月就任

労働省入省後、静岡県副知事を務めたことがあり、その後も厚生労働省などにおいて要職を歴任しており、その幅広い見識ならびにこれまでの豊富な職歴による経験と実績が、当社の監査体制の一層の充実に反映されると判断したためです。

北井 久美子(社外監査役) 13回中13回 13回中13回

 当社の取締役会は9名で構成され、うち2名が社外取締役

です。社外取締役については、持続的な成長と中長期的な

企業価値向上のために、2016年6月開催の第105回定時

株主総会における決議を経て、複数選任体制としました。

 また、経営環境への迅速な対応、取締役の経営責任の明確

化のために、取締役の任期は1年としています。

 取締役会の実効性についてはその運営面を中心として

評価を行っており、その概要については当社ウェブサイト※

などで開示しています。

 当社の監査役会は5名で構成され、うち3名が社外監査役

です。当社の監査役および監査役会は、その役割および責務

の遂行について、独立した客観的な立場から適切な判断を

行うこととしています。

 また、監査役は、取締役会や各種の重要な経営会議への

出席や経営陣および内部監査部門等との意見交換の場など

を通じて、会計監査や業務監査を適切に行うだけではなく、

必要と判断したときは、経営陣に対して様々な提言を行う

こととしています。

※1 みなし配当性向=配当総額/(連結営業利益×(1-法定実効税率))※2 当社ウェブサイト「コーポレート・ガバナンス」参照http://ir.takara.co.jp/ja/Management_index/CorporateGovernance.html

※ 当社ウェブサイト「コーポレート・ガバナンス」参照http://ir.takara.co.jp/ja/Management_index/CorporateGovernance.html

※ 「宝ホールディングス コーポレートガバナンスポリシー」に記載

タカラバイオ連絡会議

取締役会(9名)

(うち社外取締役2名)

株主総会

コーポレートガバナンス体制

監査役および監査役会

独立役員の選任状況

取締役および取締役会

2. コーポレートガバナンスの取り組みSection 4 ESG課題への取り組み

コーポレートガバナンスの取り組み

29 30TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

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役員報酬

 取締役および監査役の報酬については、株主総会で決議さ

れたそれぞれの報酬総額の限度額の範囲内において、取締役

会で承認された「役員報酬内規」に基づいて決定しています。

取締役の報酬額は、役職位に応じた役付部分と、役位ごとの

基準金額をもとに各取締役の前期の業績評価の点数に応じ

て決定される業績評価部分からなり、業績評価部分の取締役

個々の業績評価は、代表取締役社長が他の代表取締役との

協議を経て行うこととしています。また、監査役の報酬額は、

監査役の協議により決定しています。

 「役員報酬内規」の改定は、取締役に関する部分は取締役

会の決議、監査役に関する部分は監査役の協議を経るもの

としています。

 宝グループでは、誠実で公正な企業活動を確保するため、

社長を委員長とした「コンプライアンス委員会」を設置し、

グループ全体のコンプライアンス推進体制の強化を図って

います。そして、「宝グループコンプライアンス行動指針」に

基づき、グループ各社が適正に法・社会倫理を遵守し、危機

管理に対応することで、宝グループ全体が企業の社会的責任

を果たし、企業価値を向上させることを目指しています。

 法令違反や不正行為を発見した場合の通報窓口として

設置している「ヘルプライン」には、社内(総務部)と社外

(第三者機関)の二つの窓口を設け、相談者が不利益な取り

扱いを受けることがないよう、「公益通報者保護法」と「ヘルプ

ライン規程」に基づいて運用されています。寄せられた通報

に対しては、秘密保持に十分に配慮したうえで調査し、確認

された事実関係に基づき適切に対応しています。

コンプライアンス

リスク管理体制の状況

 当社は、2007年6月28日開催の当社第96回定時株主総会

における承認可決により、当社および当社グループの企業

価値、ひいては、株主の皆様の共同の利益を確保し、また

は向上させることを目的として、当社取締役会の事前の

賛同を得ずに行われる当社株券等の大規模な買付行為に

対する対応方針(買収防衛策)を導入しました。

 以後、2010年6月29日開催の当社第99回定時株主総会

および2013年6月27日開催の当社第102回定時株主総会

において、買収防衛策の一部変更および継続についてそれ

ぞれ承認可決され、またその後2016年5月9日開催の当社

取締役会において新たに独立委員会を設置するなど内容を

一部変更して継続することを決議し、2016年6月29日開催

の当社第105回定時株主総会において承認可決されました。

 その内容については、当社ウェブサイト※ならびに有価証

券報告書に掲載しています。

当社株券等の大規模な買付行為に対する対応方針(買収防衛策)について

 宝グループでは、平時より職場を総点検し、リスクを洗い

出すことで、優先順位を付けながらリスクの顕在化防止と

軽減に努めています。こうした活動は毎年繰り返し実施し、

その結果をコンプライアンス委員会で報告しています。

 また、人命・身体に危険が及ぶおそれのある事態、企業の

信用や資産に重大な影響が及ぶおそれのある事態などが

発生した場合は、緊急対策本部を設置するとともに、各部署

が連携し、迅速かつ的確に対応します。

 一方で、大規模地震の発生を想定し、事業継続計画(BCP:

Business Continuity Plan)を策定しています。具体的な

対策としましては、自家発電装置導入による生産拠点での

電力確保や情報伝達の確実性向上、被災時のバックアップ

オフィスの準備などに対応しているほか、計画に基づく訓練

の実施により実効性を確認しています。

 今後も、大規模地震以外の災害についての検討も含め、

継続的に事業継続計画の改善に取り組んでいきます。

リスクマネジメント

(注)1. 取締役の報酬などの額には、使用人兼務取締役の使用人分の給与は含まれていません。

  2. 取締役の報酬限度額は、固定報酬額については、2017年6月29日開催の第106回定時株主総会において年額136百万円以内(うち社外取締役分20百万円以内)、業績連動報酬額(社外取締役以外の取締役を対象)については、2015年6月26日開催の第104回定時株主総会において年間につき前事業年度の連結営業利益の1%相当額以内(ただし、これらの額には使用人兼務取締役の使用人分の給与は含まない)と決議いただいています。また、監査役の報酬限度額は、2017年6月29日開催の第106回定時株主総会において、年額120百万円以内と決議いただいています。

取締役および監査役の報酬など(2018年3月期)

取締役(うち社外取締役)

役員区分対象人数対象人数 総額(百万円)

業績連動報酬額固定報酬額

総額(百万円)

合計(百万円)

監査役(うち社外監査役)

合計(うち社外役員)

9名(2名)

5名(3名)

14名(5名)

97(11)

73(39)

171(50)

7名(-)

-(-)

7名(-)

74(-)

-(-)

74(-)

172(11)

73(39)

245(50)

当社の上場子会社タカラバイオについて

コーポレートガバナンスに重要な影響を与えうる特別な事情

 2018年6月28日現在、当社は、タカラバイオ株式会社

(東証一部、コード番号4974)の議決権の60.9%を所有する

親会社であり、当社と同社の関係は以下の通りです。

① 当社グループにおけるタカラバイオ株式会社の位置付け タカラバイオ株式会社は、2002年4月1日に、物的分割の

方法により当社の100%子会社として設立しました。その

後、当社の議決権所有比率は、同社による第三者割当増資、

公募増資、新株予約権付社債の発行などにより、現在の議決

権所有比率となっています。

 2018年6月28日現在、当社グループは、当社、子会社63社、

および関連会社2社で構成され、その中でタカラバイオ

株式会社はバイオテクノロジー専業の事業子会社として位置

付け、当社グループとしてバイオ事業を推進しています。

② 当社のグループ会社管理について タカラバイオ株式会社についても、前述の「グループ会社

管理規程」を適用し、同社の取締役会において決議された事項

等の報告を受けていますが、取締役会決議事項の事前承認

などは求めておらず、同社が独自に事業運営を行っています。

 また、「グループ戦略会議」、「タカラバイオ連絡会議」など

の会議体には、必要に応じてタカラバイオ株式会社の代表

取締役、役員、執行役員などの出席を求めていますが、これら

の会議体は、グループ全体の方針についての討議や、グループ

会社間の報告を目的としたものであり、同社の自主性・独立

性を妨げるものではありません。

※ 当社ウェブサイト「買収防衛策」参照http://ir.takara.co.jp/ja/Management_index/TakeoverDefense.html

2. コーポレートガバナンスの取り組みSection 4 ESG課題への取り組み

社外取締役メッセージMESSAGE

ステークホルダーの皆様の視点に立って、意見を発言してまいります。

(2016年6月29日就任)

吉田 寿彦社外取締役

当社グループは、2017年7月に宝酒造の海外事業を独立させ宝酒造インターナショナルを設立するなど、グループ内の事業セグメントを明確化しました。この体制のもとで、長期経営ビジョンの目標達成に向け、その最終ステップである「中期経営計画2019」に取り組み、環境変化に強いバランスのとれた事業構造を構築していきます。国内事業、海外事業およびバイオ事業それぞれで異なる事業環境のもと、各社が適切に事業を推進し、グループ全体の企業価値の

向上を図るべく、宝ホールディングスが経営資源の効率的配分をはじめ、グループ全体の経営を担っていくことになります。今後とも、的確な内部統制とコンプライアンスの徹底を基礎に、新たなセグメントのもとで適切な経営判断が行われ、宝グループの持続的な成長と企業価値の向上が図られるよう、ステークホルダーの皆様の視点に立って、社外取締役として必要な意見を発言してまいります。

コンプライアンスの充実とコーポレートガバナンスの強化に努めます。

友常 理子(2018年6月28日就任)

社外取締役

このたび、当社の社外取締役に就任いたしました友常理子です。当社は現在、長い歴史を持つ国内酒類事業に留まらず、海外やバイオ分野にも積極的に事業を展開していますが、同時に、社会・環境側面の活動にも早くから取り組んできました。1979年、他社に先駆けて環境活動を始め、その後も公益信託による自然保護活動・研究の支援や次世代に向けた環境教育活動を継続的に行っているほか、社内でもワークライフバランス実現や女性活躍推進に力を入れています。

私はこれまで、弁護士として、各企業の特性をふまえた法的アドバイスを心がけてまいりました。また、自衛隊員倫理審査会委員として、現場を視察しつつ、効率的な組織運営とコンプライアンスの両立を考えてまいりました。今後は、こうした経験を活かし、コンプライアンスの充実とコーポレートガバナンスの強化に努めることで、当社のより一層の企業価値向上に貢献できるよう精一杯取り組んでまいります。どうぞよろしくお願い申しあげます。

31 32TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

Page 18: 2018...2014年 年 年 年 タカラバイオグループ 1988年 2011 年 スパークリング清酒「澪」 2014 年 遺伝子・細胞プロセッシングセンター あくなきチャレンジ精神で

渡邉 酉造(62歳) 山中 俊人(57歳)

常勤監査役(社外監査役)

2012年 4月 (株)みずほ銀行営業店業務第三部長

2013年 4月 同行グループ人事部審議役    6月 同行退職

常勤監査役(現職)宝酒造(株)監査役

北井 久美子(65歳)

監査役(社外監査役)

2005年 8月 厚生労働省雇用均等・児童家庭局長2007年 8月 同省退官

中央労働災害防止協会専務理事2011年 5月 同協会理事退任2011年 6月 監査役(現職)

宝酒造(株)監査役2014年 7月 勝どき法律事務所弁護士(現職)

鷲野 稔(63歳)

常勤監査役

1978年 4月 当社入社2003年 4月 法務グループ

ジェネラルマネージャー2012年 4月 総務部長2014年 6月 取締役

宝酒造(株)取締役2017年 6月 常務取締役2018年 6月 常勤監査役(現職)

大宮 久(75歳)

代表取締役会長

1968年 4月 当社入社1974年 4月 開発部長    5月 取締役1982年 6月 常務取締役1988年 6月 専務取締役1989年 7月 バイオ事業部門本部長1990年 4月 東地区酒類事業部門本部長1991年 6月 代表取締役副社長1993年 4月 酒類事業部門本部長    6月 代表取締役社長2002年 4月 宝酒造(株)代表取締役社長

タカラバイオ(株)取締役会長(現職)2012年 6月 代表取締役会長(現職)

宝酒造(株)代表取締役会長(現職)2017年 7月 宝酒造インターナショナル(株)

代表取締役会長(現職)

仲尾 功一(56歳)

取締役

1985年 4月 当社入社2002年 4月 タカラバイオ(株)取締役2003年 6月 タカラバイオ(株)常務取締役2004年 6月 タカラバイオ(株)専務取締役2007年 6月 タカラバイオ(株)代表取締役副社長2009年 5月 タカラバイオ(株)代表取締役社長(現職)

Takara Bio USA Holdings Inc.代表取締役社長(現職)

    6月 取締役(現職)

柿本 敏男(67歳)

代表取締役副会長

1973年 4月 当社入社1998年 4月 製造部長2003年 6月 宝酒造(株)取締役2004年 6月 宝酒造(株)常務取締役2010年 6月 代表取締役副社長

宝酒造(株)代表取締役副社長2012年 6月 代表取締役社長

宝酒造(株)代表取締役社長2017年 6月 宝酒造(株)取締役(現職)2017年 7月 宝酒造インターナショナル(株)

取締役(現職)2018年 6月 代表取締役副会長(現職)

木村 睦(55歳)

代表取締役社長

1985年 4月 当社入社2002年 4月 タカラバイオ(株)取締役2004年 6月 タカラバイオ(株)常務取締役2007年 6月 タカラバイオ(株)専務取締役2009年 6月 タカラバイオ(株)

代表取締役副社長2014年 6月 取締役

宝酒造(株)専務取締役2016年 6月 代表取締役副社長2017年 6月 宝酒造(株)取締役(現職)2017年 7月 宝酒造インターナショナル(株)

代表取締役社長(現職)2018年 6月 代表取締役社長(現職)

髙橋 秀夫(56歳)

取締役人事、総務、環境広報、品質保証担当

1985年 4月 当社入社2012年 4月 人事部長2017年 6月 執行役員人事部長2018年 6月 取締役(現職)

宝酒造(株)監査役(現職)

友常 理子(46歳)

取締役(社外取締役)

2002年10月 田辺総合法律事務所入所2010年 4月 自衛隊員倫理審査会委員(現職)2013年 4月 田辺総合法律事務所パートナー

(現職)2018年 6月 取締役(現職)

吉田 寿彦(63歳)

取締役(社外取締役)

2014年 7月 国税庁高松国税局長2015年 7月 同庁退官2015年 8月 吉田寿彦税理士事務所

税理士(現職)2016年 6月 取締役(現職)

宝酒造(株)取締役

村田 謙二(58歳)

取締役

1983年 4月 当社入社2005年 4月 宝酒造(株)SCM部長2010年 6月 宝酒造(株)取締役

技術・供給本部長2014年 6月 宝酒造(株)常務取締役

調味料・酒精事業本部長2016年 6月 取締役(現職)

宝酒造(株)代表取締役副社長2017年 6月 宝酒造(株)代表取締役社長(現職)

常勤監査役

1978年 4月 当社入社2003年 6月 宝酒造(株)技術グループ

ジェネラルマネージャー2007年 4月 宝酒造(株)黒壁蔵工場長2009年 4月 宝酒造(株)執行役員黒壁蔵工場長2011年 4月 宝酒造(株)執行役員松戸工場長2013年 4月 宝酒造(株)執行役員品質保証部長2015年 6月 常勤監査役(現職)

宝酒造(株)監査役

役員(2018年6月28日現在)

監査役

取締役

三枝 智之(62歳)

常勤監査役(社外監査役)

2011年 6月 農林中央金庫監事2013年 6月 同金庫監事退任

監査役宝酒造(株)常勤監査役

2017年 6月 常勤監査役(現職)

森 圭助(55歳)

取締役事業管理、IR、経理・シェアードサービス、事業支援・IT推進担当

1985年 4月 当社入社2008年 4月 業務革新推進部長2011年 4月 経営企画部長兼務2012年 4月 事業管理部長(現職)2017年 6月 執行役員事業管理部長2017年 7月 宝酒造インターナショナル(株)

監査役(現職)2018年 6月 取締役(現職)

2. コーポレートガバナンスの取り組みSection 4 ESG課題への取り組み

33 34TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

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宝酒造(国内事業)

宝酒造インターナショナルグループ

2017年

3月期実績

清酒

ソフトアルコール

飲料

焼酎

その他酒類

2018年

3月期実績

調味料

149,452149,839

−165

+3,170

−2,369

−262

(百万円)

国内酒類市場における宝酒造のシェア (1-12月)

201720162014 2015(3月期)2018

(百万円)

201720162014 2015(3月期)2018

焼酎市場2016年シェア

清酒市場2017年シェア

ソフトアルコール飲料市場

2017年シェア

本みりん市場2017年シェア

 焼酎では“「極上〈宝焼酎〉」”や“宝焼酎「レモンサワー用」”、

“宝焼酎「タカラモダン」”などの拡売に努めましたが、市場

縮小の影響から減収となりました。清酒では、“松竹梅白壁

蔵「澪」〈WHITE〉スパークリング清酒”をはじめとする新商

品の投入、大吟醸や純米大吟醸などの中小容量タイプの品

ぞろえを強化することで、市場の縮小傾向が続く中、ほぼ

前期並みの売上となりました。ソフトアルコール飲料は、

“タカラ「焼酎ハイボール」”の拡売に最注力するとともに、

新ブランド「寶CRAFT」を立ち上げるなど、商品ラインアップ

の拡充を図り、大幅な増収となりました。

 調味料では、本みりんの売上が減少したものの、料理清酒

や食品調味料などの売上が増加したことから、前期並みの

売上となりました。

 以上の結果、宝酒造の売上高は前期比0.3%増収の

1,498億39百万円、営業利益は、販売経費の効率的な使用

により前期比9.8%増益の55億69百万円となりました。

売上高 営業利益

2018年3月期の売上高増減要因

商品のラインアップの強化と販売経費の効率的使用により増収増益

宝酒造

12.3%

宝酒造

9.9%

宝酒造

11.0%

宝酒造

55.8%

データ出所:日刊経済通信社公表値より当社推計

データ出所:日刊経済通信社 データ出所:醸造産業新聞社 データ出所:当社推計

145,492149,633149,452147,884

149,839

4,0824,4284,513

5,0715,569

2017年

3月期実績

海外日本食材卸事業

海外酒類事業

その他

2018年

3月期実績

連結消去

37,540

70,717

(百万円)

宝酒造インターナショナルグループの海外ネットワーク

 宝酒造インターナショナルグループでは、日本からの酒類

の輸出や海外各地で酒類の製造・販売を行う海外酒類事業

と、海外の日本食レストランや小売店に日本食材などを販売

する海外日本食材卸事業を展開しています。

 海外酒類事業では、英国のトマーチン社、米国のエイジ・

インターナショナル社のウイスキーの売上が増加し、海外

日本食材卸事業でも各社の販売が好調に推移したことに

加え、前期中に連結子会社とした米国のミューチャルト

レーディング社やポルトガルのケタフーズ社、また当期より

連結子会社となったオーストラリアのニッポンフード社の

業績が寄与し、売上、利益ともに大きく伸長しました。

 以上の結果、宝酒造インターナショナルグループの売上高

は前期比88.4%増収の707億17百万円、営業利益は前期比

38.0%増益の43億93百万円となりました。

2018年3月期の売上高増減要因

日本食材卸会社の新規連結とウイスキー販売の好調により増収増益

海外日本食材卸事業の拠点海外酒類事業の拠点

149,839 百万円

(百万円)

5,569 百万円

201720162014 2015(3月期)2018 201720162014 2015

(3月期)2018

売上高 営業利益

16,48126,233

30,49037,540

70,717

2,7522,270

907

3,182

4,393

(百万円)

70,717 百万円

(百万円)

4,393 百万円

(海外事業)

海外酒類事業海外日本食材卸事業その他

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

宝酒造食品上海宝酒造貿易

宝酒造アジアパシフィック

(2017年1月~)

米国宝酒造 エイジ・インターナショナル

フーデックスグループ

フーデックス

コミンポート(2016年7月~)ケタフーズ

トマーチン

英国駐在事務所

タザキフーズパリ駐在事務所

(2016年11月~連結子会社化)ミューチャルトレーディング

ニッポンフード

宝酒造インターナショナル

1. 事業概況Section 5 セグメント別事業概況

カテゴリー別売上構成比

焼酎清酒ソフトアルコール飲料その他酒類調味料原料用アルコール等

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

36.7 %14.8 %22.9 %

4.5 %15.9 %

5.2 %

14.4 %85.5 %

0.1 %

+1,081

+33,116 +49

−1,070

カテゴリー別売上構成比

−66

原料アルコール等

+81

クラフトタカラ

35 36TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

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バイオ産業支援遺伝子医療医食品バイオ

・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

91.5 %1.5 %7.0 %

タカラバイオグループ(バイオ事業)

 バイオ産業支援事業では、理化学機器の売上は減少した

ものの、研究用試薬および受託サービスの売上が増加した

ため、増収となりました。遺伝子医療事業では、Canerpaturev

(略称:C-REV、旧称:HF10)に関する共同開発・独占販売

契約にかかる対価料を受領しました。医食品バイオ事業

では、キノコ関連製品の売上は増加したものの、健康食品

関連製品の売上が減少し、減収となりました。

 以上の結果、タカラバイオグループ全体の売上高は前期

比10.0%増収の323億12百万円となりました。

 利益面では、売上高の増加に伴い売上総利益が増加した

ため、新規連結子会社の人件費やのれん償却額などの影響

により販売費及び一般管理費が増加したものの、営業利益

では前期比11.0%増益の35億55百万円となりました。

研究用試薬と受託サービスの伸長により増収増益

主要プロジェクトの開発状況(2018年4月現在)

2017年

3月期実績

バイオ産業支援

遺伝子医療

医食品バイオ

2018年

3月期実績

(百万円)

201720162014 2015(3月期)2018 201720162014 2015

(3月期)2018

2018年3月期の売上高増減要因

※1 旧称:HF10  ※2 ALL:急性リンパ芽球性白血病

プロジェクト 対象疾患 地域 状況 提携

腫瘍溶解性ウイルス

Canerpaturev※1(C-REV)

メラノーマ

29,72925,96923,905

29,37532,312

1,9542,302

2,6673,202

3,555(百万円)

売上高 営業利益

32,312 百万円

(百万円)

3,555 百万円

29,375

32,312

地域限定クラフトチューハイブランド「寶CRAFT」を新発売

チューハイ市場への新たな提案

として2017年9月に、新ブランド

「寶CRAFT」を立ち上げました。

ご当地の素材を使用し、その素材に

合う樽貯蔵熟成焼酎などにこだわっ

た、各地のグルメにも合う地域限定

のチューハイです。今後もライン

アップの充実により、地域で愛され

るブランドに育成していきます。 「寶CRAFT」〈京都ゆず〉

近年、脳やがんのような複雑な組織や、iPS細胞から作製される

再生医療用の細胞などの遺伝子解析ニーズが高まっています。

2018年3月より販売を開始した「SMARTerTMICELL8® cx」は、

米国で買収したWaferGen

社とタカラバイオの技術

シナジーにより、幅広い

細胞サイズ・細胞種を対象

に精度の高い解析を行う

ことができるシングルセル

解析システムです。

シングルセル解析システム「SMARTerTMICELL8® cx」を発売

TOPICS

国際酒類コンペティション“SWSC2017”で「トマーチン36年」が特別金賞を受賞

英国でスコッチウイスキーを製造・

販売するトマーチン社の「トマーチン

36年」が、2017年のSWSC※において、

特別金賞を受賞しました。また、あわ

せて最優秀スコッチ&最優秀シングル

モルトスコッチ&最優秀賞(シングル

モルト20 年以上部門)も受賞しました。

大塚製薬株式会社と遺伝子治療薬に関する共同開発・独占販売契約を締結

2018年4月、大塚製薬株式会社(以下、大塚製薬)とNY-ESO-1・

siTCR®およびCD19・CARの日本国内における共同開発・

独占販売に関する契約を締結しました。今後、タカラバイオ

は両治療薬の製法検討、試験製剤の製造、品質管理を行い、

大塚製薬は治験、その他の臨床試験、製造販売承認申請・

取得、安全性情報収集を行います。製造販売承認取得後は、

当社が製造し、大塚製薬が国内での販売を独占的に担います。

なお、本契約締結に伴い、大塚製薬より契約一時金および

マイルストーン達成金を最大で約63億円受領します。

遺伝子改変T細胞療法

成人ALL※2

siTCR®

CAR

NY-ES0-1

CD19

日本第Ⅱ相臨床試験進行中2018年度承認申請予定

大塚製薬(株)

日本

米国第Ⅱ相臨床試験終了

第Ⅱ相医師主導治験進行中検討中

膵がん 日本 第Ⅰ相臨床試験進行中 大塚製薬(株)

滑膜肉腫 日本 第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験進行中 大塚製薬(株)

固形がん 日本 第Ⅰ相医師主導治験進行中 ー

固形がん カナダ第Ⅰb相医師主導治験進行中

検討中

食道がんなどMAGE-A4 日本 第Ⅰ相医師主導治験進行中 ー

第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験進行中 大塚製薬(株)

−58+2,995 0

バレンタインやひなまつり、お盆

など、季節の催事に合わせ“松竹梅

白壁蔵「澪」〈WHITE〉スパークリン

グ清酒”を期間限定で発売しました。

「澪」のおいしさはそのままに、さらり

と飲みやすいうすにごりタイプで、

さわやかで甘ずっぱい味わいに

仕上げています。松竹梅白壁蔵「澪」〈WHITE〉スパークリング清酒

さわやかで甘ずっぱい「澪」〈WHITE〉を限定発売

※ サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション

トマーチン36年

SMARTerTMICELL8® cx

スペインで海外日本食材卸事業を展開するコミンポート社

(フーデックスグループ)が、在外公館長表彰を授与されました。

同表彰は、在外公館の任務の遂行に協力し、とくに顕著な貢献

を行ったと認められる個

人や団体を顕彰するもの

で、スペインにおける同

社の日本食材・日本食文

化の継続的な普及活動

が評価され、今回の表彰

となりました。

コミンポート社がスペイン在外公館長より表彰状を授与

表彰式の様子

クラフトタカラ

カテゴリー別売上構成比

1. 事業概況 2. TOPICSSection 5 セグメント別事業概況

37 38TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

Page 21: 2018...2014年 年 年 年 タカラバイオグループ 1988年 2011 年 スパークリング清酒「澪」 2014 年 遺伝子・細胞プロセッシングセンター あくなきチャレンジ精神で

単位:百万円※2 単位:百万円※2 単位:千米ドル※3

期間項目

(単位:米ドル)

※1. 2018年3月期より事業セグメントの変更を行っています。2014年3月期から2017年3月期の売上高および営業利益(損失)については、変更後の事業セグメントの区分に基づき算出しています。

※2. 百万円未満は切り捨てにより算出しています。

※3. 米ドルは2018年3月31日現在のレートの近似値106円/ドルで便宜換算しています。※4. みなし配当性向=配当総額/(連結営業利益×(1-法定実効税率))

期末項目 総資産 有利子負債 純資産 自己資本

指標(単位:%) 総資産当期純利益率 自己資本当期純利益率 自己資本比率 D/Eレシオ 配当性向 みなし配当性向※4

1株当たり(単位:円) 1株当たり当期純利益 1株当たり純資産 年間配当金

¥ 287,05947,982

176,217145,111

¥ 54.97726.9016.00

3.9%7.9

50.633.129.029.6

売上高※1

 宝酒造 宝酒造インターナショナルグループ タカラバイオグループ その他(国内グループ会社) 調整額

売上原価売上総利益販売費及び一般管理費営業利益(損失)※1

 宝酒造 宝酒造インターナショナルグループ タカラバイオグループ その他(国内グループ会社) 調整額

税金等調整前当期純利益親会社株主に帰属する当期純利益有形固定資産の減価償却費 及びその他の償却費資本的支出研究開発費

営業活動によるキャッシュ・フロー投資活動によるキャッシュ・フロー財務活動によるキャッシュ・フローフリー・キャッシュ・フロー

$ 2,529,642

1,413,575667,142304,830144,066

1,542,726986,906839,613147,283

52,53841,44333,53819,755

178,330104,04772,660

60,50947,764

153,443(187,887)(52,547)(34,434)

¥ 225,364

145,49230,49029,72941,050(21,398)

135,86889,49577,81511,680

4,0822,7522,6672,058

120

12,5487,0556,180

6,0034,608

10,373(10,864)(9,482)

(490)

¥ 234,193

149,45237,54029,37539,017(21,193)

140,18294,01080,45813,551

5,0713,1823,2022,167

(72)

14,5208,4806,213

6,6584,550

12,82616,200(2,828)

29,026

¥ 253,25342,837

156,148130,386

¥ 35.06647.9712.00

2.7%5.4

51.532.934.230.9

¥ 274,36847,852

165,920135,043

¥ 42.15671.1113.00

3.2%6.4

49.235.430.828.0

¥ 264,43848,324

158,404131,923

¥ 28.36655.6010.00

2.3%4.5

49.936.635.328.3

¥ 219,490

147,88426,23325,96942,980(23,577)

134,39085,09974,00311,096

4,4282,2702,3021,654

440

11,4535,7065,537

9,5333,754

9,545(10,253)

6,819(708)

¥ 209,568

149,63316,48123,90543,123(23,575)

129,44780,12170,6319,490

4,513907

1,9541,581

533

18,64210,2804,997

8,9673,376

7,233(12,254)

2,562(5,021)

¥ 238,57738,909

146,422121,431

¥ 50.83603.4411.00

4.6%9.3

50.932.021.637.6

¥ 198,690

121,46277,22867,9639,264

8,5903,9955,209

5,3303,027

9,013(4,779)(3,265)4,233

¥ 197,43738,493

107,65994,783

¥ 19.32461.41

9.00

2.0%4.2

48.040.646.633.9

¥ 191,878

117,86474,01465,5078,506

8,3214,6586,384

3,8523,643

9,816(411)

3,4149,404

¥ 207,84343,717

113,27399,969

¥ 21.53462.00

8.50

2.2%4.6

48.143.739.536.7

¥ 192,790

118,84973,94165,0908,851

8,1935,6395,992

3,6163,343

8,954(7,769)(9,294)1,184

¥ 190,79239,092

105,31693,093

¥ 26.32437.42

8.50

2.8%5.8

48.842.032.334.7

¥ 190,525

115,80574,71966,1468,572

8,2084,6775,652

3,6453,665

10,452(7,350)(3,219)3,102

¥ 195,49539,162

109,20696,666

¥ 22.20459.92

8.50

2.4%4.9

49.440.538.335.4

¥ 189,769

115,48074,28965,9538,335

7,5053,7885,384

3,7353,076

9,462

(11,323)(3,199)(1,861)

¥ 192,44838,881

106,89594,308

¥ 18.21454.21

8.50

2.0%4.0

49.041.246.735.9

2018年3月期2018年3月期 2016年3月期2017年3月期 2015年3月期 2014年3月期 2012年3月期 2008年3月期2009年3月期2010年3月期2011年3月期2013年3月期

¥ 200,989

123,63077,35968,2259,133

9,2564,6874,973

5,2823,090

7,967(3,672)1,2294,295

¥ 207,58643,098

114,318100,040

¥ 23.01493.14

9.00

2.3%4.8

48.243.139.132.2

$ 2,708,104452,660

1,662,4251,368,972

$ 0.526.860.15

——————

¥ 268,142

149,83970,71732,31236,412

(21,140)

163,529104,61288,99915,612

5,5694,3933,5552,318(224)

18,90311,0297,702

6,4145,063

16,265(19,916)(5,570)(3,650)

1. 11ヵ年連結財務サマリー(2018年3月期)Section 6 財務・企業情報

39 40TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

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41 42TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

経営成績等の状況の概要

 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は

268,142百万円(前期比114.5%)となり、売上総利益は売上高の

増加に伴い104,612百万円(前期比111.3%)となりました。販売

費及び一般管理費では、運送費や研究開発費、管理費などが増加

しましたが、営業利益は15,612百万円(前期比115.2%)となりま

した。営業外損益では、持分法投資損益などの営業外収益が減少

し、社債発行費などの営業外費用が増加しましたが、経常利益は

16,084百万円(前期比112.1%)となりました。特別損益では、特別

利益に関係会社株式売却益、特別損失に減損損失などを計上した

ことより、親会社株主に帰属する当期純利益は11,029百万円(前期

比130.0%)となりました。また、海外売上高比率は33.0%となり

ました。

 セグメントの業績は次のとおりであります。

 なお、2017年2月16日開催の当社取締役会において、当社の

連結子会社である宝酒造株式会社が同社の海外事業を会社分割

(新設分割)し、2017年7月3日付で新設した宝酒造インターナショナル

株式会社に承継させることを決議したことに伴って報告セグメントの

見直しを行った結果、当連結会計年度より、報告セグメントの区分

を変更しており、以下の前期比については、前年同期の数値を変更

後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

〔宝酒造〕

 国内の酒類総消費数量は減少が続くことが予想され、消費者の

嗜好の多様化や節約志向の継続などもあり、今後も厳しい競争環

境が続くことが予想されます。

り、前連結会計年度末に比べ2,394百万円増加いたしました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は176,217百万円とな

り、前連結会計年度末に比べ10,296百万円増加いたしました。こ

れは主に親会社株主に帰属する当期純利益11,029百万円による

ものであります。この結果、自己資本比率は50.6%(前連結会計年

度末は49.2%)となりました。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益

18,903百万円、減価償却費6,430百万円、関係会社株式売却益

3,312百万円、たな卸資産の増加2,520百万円、未払酒税の増加

1,685百万円、法人税等の支払額6,017百万円などで16,265百万

円の収入と前年同期に比べ3,439百万円の増加となりました。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支

出13,993百万円、定期預金の払戻による収入12,160百万円、有

価証券の取得による支出12,502百万円、有価証券の売却及び償

還による収入8,736百万円、有形及び無形固定資産の取得による

支出6,601百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得に

よる支出12,396百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の

売却による収入4,150百万円などにより19,916百万円の支出(前

年同期は16,200百万円の収入)となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純減少額

3,356百万円、社債の発行による収入14,887百万円、社債の償還

による支出10,547百万円、自己株式の取得による支出2,001百万

円、配当金の支払額2,614百万円などにより5,570百万円の支出

と前年同期に比べ2,741百万円の支出増加となりました。

 以上の結果、現金及び現金同等物に係る換算差額を含めた当連

結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度

末より9,423百万円減少し、49,341百万円となりました。

 当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費に力強さが欠ける

ものの、国内外の底堅い需要を背景に企業収益や雇用環境は改善

し、緩やかな回復基調が続いております。一方、海外においては、

米国の製造業を中心とした景気拡大や中国経済の持ち直しなど、

今後も引き続き緩やかな回復傾向が続くものと見込まれております

が、貿易摩擦への不安の高まりや、東アジアや中東情勢の緊迫など

もあり、世界経済は依然として先行きが不透明な状況です。

 このような経済状況のもと、当社グループは、当連結会計年度より、

長期経営ビジョン「宝グループ・ビジョン2020」の達成に向けた最終

ステップとしての「宝グループ中期経営計画2019」をスタートし、

海外売上高比率をさらに高めるとともに、国内外で抜け・モレのない

商品と競争優位性をもった商品を多数もつことで、他社に勝てる

分野を数多く築き上げ、どんな環境変化が起ころうとも収益を大きく

伸長させることができるバランスのとれた事業基盤を確立すること

を目指し、着実な事業活動に努めました。

 このような環境のもと、宝酒造では、技術で差異化された商品の

開発を継続するとともに、多様化する消費者ニーズにスピーディー

かつタイムリーに対応するために商品開発体制を強化し、ライン

アップの拡充を行うことで酒類・調味料の各カテゴリーにおける競

争力を高めることに注力しております。また、高付加価値商品の売

上構成比を高めることで利益率の向上を図りながら、食品メー

カーとして安全・安心な商品を提供すべく原材料等の安全性確保

と品質管理体制の強化にも努めました。

 その結果、宝酒造の売上高は149,839百万円(前期比100.3%)

となりました。売上原価は89,681百万円(前期比100.5%)となり、

売上総利益は60,158百万円(前期比100.0%)となりました。販売

費及び一般管理費は販売促進費や人件費などの減少により

54,589百万円(前期比99.1%)となり、営業利益は5,569百万円

(前期比109.8%)となりました。

 当セグメントのカテゴリー別売上高は以下のとおりです。● 焼酎 55,034百万円(前期比▲4.1%)● 清酒 22,222百万円(前期比▲0.7%)● ソフトアルコール飲料 34,267百万円(前期比+10.2%)● その他酒類 6,639百万円(前期比▲3.8%)● 本みりん 14,063百万円(前期比▲3.1%)● その他調味料 9,760百万円(前期比+4.0%)● 原料用アルコール等 7,852百万円(前期比+1.0%)

〔宝酒造インターナショナルグループ〕

 宝酒造インターナショナルグループは、日本からの酒類の輸出

や海外各地で酒類の製造・販売を行う海外酒類事業と、海外の日

本食レストランや小売店に日本食材などを販売する海外日本食材

卸事業を展開しており、今後もさらなる拡大が期待される世界の

日本食市場の広がりを背景に、「和食」に加え、日本伝統のお酒で

ある清酒や焼酎といった「和酒」のおいしさを伝えることで、日本の

食文化を世界に広め、世界の和酒・和食市場におけるリーディング

カンパニーを目指して事業活動に取り組んでおります。

 宝酒造インターナショナルグループの売上高は、前連結会計年

度中に連結子会社としましたMutual Trading Co.,Inc.(米国)な

どの売上高が寄与して海外日本食材卸事業が増加し、海外酒類事

業でもウイスキーなどが増加しましたので、70,717百万円(前期

比188.4%)となりました。売上原価は49,843百万円(前期比

194.4%)となり、売上総利益は20,874百万円(前期比175.4%)と

なりました。販売費及び一般管理費は人件費などの増加により

16,480百万円(前期比189.1%)となり、営業利益は4,393百万円

(前期比138.0%)となりました。

〔タカラバイオグループ〕

 タカラバイオグループでは、「バイオ産業支援事業」、「遺伝子医

療事業」、「医食品バイオ事業」の3つの事業部門戦略の推進とこれ

を支える経営基盤を強化し、グローバルかつ再生医療等製品企業

としてのプレゼンスを向上させ、飛躍的な成長を目指していくため

の取り組みを推進いたしました。

 その結果、タカラバイオグループ全体の売上高は、新規連結子

会社の寄与に加え、受託サービスが前期比で大きく上回り、

32,312百万円(前期比110.0%)となりました。売上原価は売上高

の増加等により13,657百万円(前期比109.9%)となり、売上総利

益は18,655百万円(前期比110.0%)となりました。販売費及び一

般管理費は新規連結子会社の人件費やのれん償却額等の増加に

より15,099百万円(前期比109.8%)となり、営業利益は3,555百

万円(前期比111.0%)となりました。

 当セグメントのカテゴリー別売上高は以下のとおりです。● バイオ産業支援事業 29,568百万円(前期比+11.3%)● 遺伝子医療事業 500百万円(-)● 医食品バイオ事業 2,243百万円(前期比▲2.5%)

〔その他〕

 その他のセグメントは当社の不動産賃貸事業や国内グループ会社

の物流事業などであります。当セグメントの売上高は、タカラ長運

株式会社の株式を売却したことに伴い、同社を当連結会計年度中に

連結の範囲から除外したことにより、36,412百万円(前期比

93.3%)となりました。売上原価は30,634百万円(前期比92.3%)

となりましたので、売上総利益は5,777百万円(前期比99.1%)と

なりました。販売費及び一般管理費は3,458百万円(前期比94.5%)

となりましたので、営業利益は2,318百万円(前期比107.0%)となり

ました。

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は173,352百万円となり、

前連結会計年度末に比べ559百万円減少いたしました。これは主

に現金及び預金が10,318百万円減少し、有価証券が6,483百万

円、商品及び製品が2,679百万円増加したことによるものでありま

す。固定資産は113,707百万円となり、前連結会計年度末に比べ

13,250百万円増加いたしました。これは主にのれんが7,139百万

円、無形固定資産その他が4,873百万円、投資有価証券が3,024

百万円増加し、有形固定資産が1,688百万円減少したことによる

ものであります。この結果、総資産は、287,059百万円となり、前

連結会計年度末に比べ12,691百万円増加いたしました。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は52,712百万円となり、

前連結会計年度末に比べ12,794百万円減少いたしました。これ

は主に短期借入金が3,985百万円、1年内償還予定の社債が

10,000百万円減少したことによるものであります。固定負債は

58,130百万円となり、前連結会計年度末に比べ15,188百万円増

加いたしました。これは主に社債が15,000百万円増加したことに

よるものであります。この結果、負債合計は、110,842百万円とな

経営成績の状況

財政状態の状況

キャッシュ・フローの状況

2. 経営者による財政状態及び経営成績の解説と分析Section 6 財務・企業情報

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43 44TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、2011年4月よりスタートした10ヵ年の長期経営

ビジョン「宝グループ・ビジョン2020」で目標に掲げた「国内外の

強みを活かせる市場で事業を伸ばし、環境変化に強いバランスの

とれた事業構造を確立する」ことを目指し、その達成のための最終

ステップとなる「宝グループ中期経営計画2019」に取り組んでおります。

 「宝グループ中期経営計画2019」の概要は以下のとおりであり

ます。なお、2020年3月期の定量目標につきましては、直近の業績

等を踏まえ、売上高、営業利益、海外売上高比率のいずれにつきま

しても上方修正しております。

基本方針  海外売上高比率をさらに高めるとともに、国内外で抜け・モレの

ない商品と競争優位性をもった商品を多数もつことで、他社に勝てる

分野を数多く築き上げ、どんな環境変化が起ころうとも収益を大き

く伸長させることができるバランスのとれた事業基盤を確立する。

定量目標2020年3月期 宝グループ連結● 売上高 2,950億円以上(当初計画2,900億円以上)● 営業利益 187億円以上(当初計画155億円以上)● 海外売上高比率 35%以上(当初計画33%以上)

事業戦略<宝酒造>

 清酒を中心に各カテゴリーの売上高を拡大するとともに、利益

率を向上させ、国内の酒類・調味料市場で和酒No.1メーカーとし

ての確固たるポジションを確立する。

<宝酒造インターナショナルグループ>

 日本食材卸網の拡充により事業規模を飛躍的に拡大するととも

に、事業基盤の整備を進め、世界の和酒・和食市場におけるリー

ディングカンパニーに向けて地歩を固める。

<タカラバイオグループ>

 「バイオ産業支援」、「遺伝子医療」、「医食品バイオ」の各事業部

門戦略の推進とこれを支える経営基盤を強化し、グローバル企業

かつ再生医療等製品企業としてのプレゼンスを向上させ、飛躍的

な成長を目指す。

財務方針 健全な財務体質を維持しながら、成長投資を行うとともに、適切

な株主還元を実施することによってROEを向上させ、適正な株価

水準を実現する。

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

a.経営成績に重要な影響を与える要因 宝酒造の国内事業では、高齢化や人口減少などによる酒類総消

費数量は減少傾向にあり、国内酒類業界はメーカー間の競争が激

化し、厳しい経営環境にあります。

 当事業では、国内市場における和酒No.1メーカーとしての確固

たるポジションを確立するため、清酒を中心に、売上高の拡大を図り

ます。一方で、拡大するRTD市場に向け、当社の強みを活かした

ソフトアルコール飲料の商品開発に注力いたします。また、売上高

の拡大に並行して、商品構成の改善により、収益力を改善したいと

考えております。

 宝酒造インターナショナルグループの海外事業では、世界的に

和酒・和食の人気が高まっており、今後も一層の市場拡大が見込

まれますが、競争も激化してくるものと考えられます。

 当事業では、海外酒類事業においては、米国清酒市場を最重点

エリアと定め、原地産に加え日本からの輸出拡大による商品ライン

アップの強化等により、シェアの拡大を図ります。海外日本食材卸

事業においては、事業規模のさらなる拡大に向け拠点・エリアの拡

充と営業強化に注力するとともに、卸ネットワークを活かした共通

購買の具体化を目指してまいります。

 タカラバイオグループのバイオ事業では、当事業のリスク要因と

しまして、各国政府の政策動向の変化による研究開発予算の伸び

率の鈍化、また、CDMO事業においては、市場参入企業の増加に

伴う競争激化などが考えられます。

 当事業では、研究開発力強化により、新製品・新サービスを継続

して投入することで対処していきたいと考えております。

b.資本の財源および資金の流動性 当社グループは、本中計の財務方針として、「健全な財務体質を

維持しながら、成長投資を行うとともに、適切な株主還元を実施す

ることによってROEを向上させ、適正な株価水準を実現する」こと

を掲げております。

 営業活動から得られるキャッシュ・フローおよび内部留保資金を、

各事業セグメントの成長分野へ積極的に投資するとともに、自己

株式の取得や配当を通じた適切な株主還元を行い、一方で、多様な

資金調達手段を確保し金融負債を利用することにより、適切な資本、

負債のバランスを維持し、財務の安全性と資本の効率性の両立を

 記載の数値目標は、当連結会計年度末時点で入手可能な情報お

よび合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達

成を保証するものではありません。

図ります。

(a) 資金の流動性

 当社グループの短期運転資金需要の主なものは、原材料、製品

の購入費用および、製造・販売経費、管理費、研究開発費等ですが、

これらの資金については、営業活動から得られるキャッシュ・フ

ローのほか、主として金融機関からの短期借入金およびコマー

シャル・ペーパーによる調達資金を充当することとしております。

 当社は格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)

および株式会社日本格付研究所(JCR)から10,000百万円の発行

枠を設定しているCP(コマーシャルペーパー)の格付(a-1、J-1)を

両社から取得しておりますが、当連結会計年度中は発行しており

ません。また、当社は機動的な資金調達および流動性の補完を目

的として、10,000百万円のコミットメント・ラインを設定しており

ますが、当連結会計年度中は借入を行っておりません。

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は49,341百万

円で、前連結会計年度末より9,423百万円減少いたしましたが、十

分な手元流動性は維持できているものと認識しております。

 当社は、当社の信用力を生かし外部資金を一括して調達し、タカ

ラバイオグループを除く主要な連結子会社に必要資金を貸付ける

とともに、一部の連結子会社とはCMS(キャッシュ・マネジメント・

システム)を導入し、各社の余剰資金を当社へ集中し一元管理する

など、資金効率の向上と金融費用の極小化を図っております。

(b) 資本の源泉

 当社グループの投資支出の主なものは、生産設備や研究設備、

製品倉庫等への設備投資やM&A等の無形資産への投資ですが、

これらの資本の財源としては、営業活動から得られるキャッシュ・

フローのほか、主として金融機関からの長期借入金や社債の発行

による調達資金を充当することとしております。

 当社は、20,000百万円の普通社債の発行登録を行うとともに、

格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)および株

式会社日本格付研究所(JCR)から長期債格付A(シングルAフラッ

ト)を取得しております。

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、総額

19,916百万円で、このうち主なものは、有形及び無形固定資産の

取得による支出6,601百万円、タカラバイオグループによる連結の

範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出12,396百万円な

どでした。

 翌連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、総額

15,400百万円の支出で、14,900百万円の有形及び無形固定資産

の取得を予定しております。このうち主なものは、連結子会社であ

るタカラバイオ株式会社の再生医療等製品の研究・製造施設建設

などで、全額を同社の手元流動性と営業活動によるキャッシュ・フ

ローにより充当する予定であります。なお、その他の設備投資等に

つきましても当社グループ内の手元流動性と営業活動による

キャッシュ・フローにより充当する予定であります。

事業等のリスク

 以下において、当社グループの事業、その他においてリスク要因

となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。ま

た、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、

投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発

生の回避および発生した場合の対応に努める所存であります。

 なお、記載中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在に

おいて当社グループが判断したものであります。また、以下の記載

事項は投資判断に関連するリスクすべてを網羅するものではあり

ませんのでご留意下さい。

(1)消費者の嗜好及び需要動向の変化について 宝酒造の売上高の大部分は、日本国内のものであり、その市場

は、消費者の嗜好の変化の影響を受けやすいものであります。同

社は、消費者の嗜好の変化を捉えた商品の開発や、他社商品と差

異化を図った独創的な商品の開発に注力しておりますが、消費者

の嗜好の多様化が進み、消費動向の変化が加速しております。そ

のため、今後同社が消費者の嗜好や市場の変化を捉えた魅力的な

商品を提供できない場合は、将来の成長性や収益性を低下させ、

業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また日本

国内の人口減少や、少子化、高齢化の進行が酒類の需要の減少を

招いた場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及

ぼす可能性があります。

(2)競合について①宝酒造

 日本国内の酒類・調味料市場では、商品開発やマーケティング

戦略など、競合各社との競争が激化しております。

 同社は、独自の技術で差異化された商品の開発・育成や、ブラン

ド力強化、流通業態の変化に対応した販売活動を行っていますが、

競争力強化のためのマーケティング費用の増加を、売上高の増加

やコストダウンの施策等で吸収できない場合には、当社グループ

の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

②宝酒造インターナショナルグループ

 海外酒類事業では、ウイスキー市場においては世界中に多くの

強豪メーカーが存在するほか、清酒をはじめとする和酒市場にお

いても、海外現地生産および日本生産の輸出メーカーなど多くの

競合各社との競争が激化しております。また、海外日本食材卸事業

においても、海外での和酒・和食市場が拡大を続けている一方で、

同事業への参入障壁が低いことから競合の状況は激化しております。

 同社グループでは、魅力的な商品の開発・育成やブランド力の

強化、流通業態の変化に対応した製造・販売活動に努めていますが、

競合各社に勝る競争力を維持できない場合には、当社グループの

業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

③タカラバイオグループ

 収益基盤であるバイオ産業支援事業においては、試薬や理化学

機器の製造・販売には医療機器のような許可や承認を必要としな

いことから、特許等による障壁がない場合、参入は比較的容易であ

り、多数の競合企業が存在しております。

 遺伝子医療事業においては、技術的進展により安全性が高く治

療成績に優れる治療薬が開発され、海外で製造販売承認が得られ

はじめています。実際に大きな市場が望めるようになったことか

ら、欧米の大手製薬会社やベンチャー企業を含め多数の企業が遺

伝子治療の研究開発に取り組み始めております。

 医食品バイオ事業においては、健康食品ブームでもあり、その急

拡大している市場を目指し、食品企業のみならず製薬企業まで多

数の企業が参入しており、競合が激化しております。

 このような環境の中、同グループは、独自もしくは大学等の外部

団体と協力して、技術や製品を開発し、可能な限り知的財産化す

ることにより、独占化あるいは差異化を図っておりますが、このよ

うな開発戦略が必ずしも成功するとは限らず、他社が類似の製品

や技術分野で先行した場合、当社グループの製品開発や経営成績

に影響を及ぼす可能性があります。

(3)製造に関する依存について①宝酒造

 同社の酒類製品の大部分は、伏見工場(京都市伏見区)および

松戸工場(千葉県松戸市)で製造され、また同社は、必要に応じ、そ

れらの工場における製造ラインの維持、更新を行っております。従

いまして、これらの地域において大規模な地震やその他の操業を

中断する事象が発生した場合、同社の商品の生産、供給能力が著

しく低下し、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす

可能性があります。また、同社の主要な原材料であるエタノール

は、消防法において第4類危険物(火災発生、拡大の危険性が大き

く、消火の困難性が高いなどの性状を有する引火性液体)として指

定されております。

②宝酒造インターナショナルグループ

 海外酒類事業において、The Tomatin Distillery Co.Ltd(英

国スコットランド)でウイスキーを、またTakara Sake USA Inc.

(米国カリフォルニア州)および宝酒造食品有限公司(中国北京市)で

清酒やみりん等の製造・供給を行っております。従いまして、これら

の地域において大規模な地震やその他の操業を中断する事象が発生

した場合、同事業の商品の生産、供給能力が著しく低下し、当社

グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

③タカラバイオグループ

 タカラバイオグループでは、バイオ産業支援事業における主力

の研究用試薬を、中国の子会社である宝生物工程(大連)有限公司

でその殆どを生産しております。同グループでは生産拠点の集約

により、価格競争力の強い製品の製造を実現しており、また、同グ

ループの規模では製造拠点の分散化は得策ではないと考えており

ますが、当該子会社の収益動向の変化や、何らかの理由による事

業活動の停止などにより、当社グループの業績および財務状況に

影響を及ぼす可能性があります。

(4)原材料価格の変動について 宝酒造の原材料の調達については、調達先の国又は地域の天候

や経済状況の影響を間接的に受ける可能性があります。焼酎等の

原料である粗留アルコールは主に南米やアジア地域の、また清酒

等の原料米は主に日本の天候、原料相場の影響を受けます。原材

料の調達価格の高騰は製造コストの上昇に繋がり、また市場の状

況等により販売価格に転嫁できない場合には、当社グループの業

績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(5)特有の法的規制について①宝酒造

 宝酒造は、日本国内において酒類の製造免許、販売業免許、酒

税等を定める酒税法の規制を受けております。同社は酒税法に基

づき、販売業免許のほか、種類別、製造場ごとに所轄税務署長の

製造免許を取得しております。今後の事業展開においても酒税法

の規制を受けるほか、酒税の税率の変更によって酒類の販売価格、

販売動向等に影響を受ける可能性があります。

②宝酒造インターナショナルグループ

 宝酒造インターナショナルグループでは、事業を展開する各国

において、事業・投資の許可、国家安全保障又はその他の理由によ

る輸出制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、様々な政

府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、消

費者、租税、為替管制、運輸、環境・リサイクル関連の法規制の適

用も受けております。これらの規制を遵守できなかった場合、当社

グループの活動が制限される可能性があり、またコストの増加に

つながる可能性があります。

③タカラバイオグループ

 バイオ産業支援事業における研究開発を進めるにあたっては、

放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律や遺伝

子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関

する法律(以下、「カルタヘナ法」という。)等の関連法規の規制を受

けており、同グループは当該法規制を遵守していく方針でありま

す。また、試薬類の製造・販売および貿易にあたっては、毒物およ

び劇物取締法や検疫法等関連法規を遵守する必要がありますが、

医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関す

る法律(以下、「医薬品医療機器等法」という。)に定める医薬品や

再生医療等製品ではないことから、医薬品医療機器等法の適用お

よび規制は受けておりません。しかしながら、研究支援産業の拡大

等に伴い、このような規制が強化されたり、新たな規制が導入され

た場合等においては、当社グループの事業戦略や経営成績に影響

を及ぼす可能性があります。

 また、同グループがその開発を目指す遺伝子治療や細胞医療の

商業化は、医薬品医療機器等法、再生医療等の安全性の確保等に

関する法律、カルタヘナ法等関連法規の規制を受けており、同グ

ループは当該法規制を遵守していく方針であります。これらの関

連法規は、医薬品、再生医療等製品、医薬部外品、特定細胞加工

物、化粧品および医療機器の品質、有効性および安全性の確保を

目的としており、商業活動のためには所轄官公庁の承認又は許可

が必要になります。同グループが遺伝子医療事業で研究開発を進

めている個々のプロジェクトについて、かかる許認可が得られな

かった場合には、当社グループの事業戦略に影響を及ぼす可能性

があります。

 上記のほか、当社グループは食品を扱う会社として、食品衛生

法に基づいた営業施設の整備、器具・容器包装の管理やその他の

製造工程および販売などの管理運営を行っております。当社グ

ループでは、食品衛生法を遵守し、食品衛生管理には万全の注意

を払っておりますが、食品衛生問題や故意の妨害も含め食品の安

全問題は不可避の問題でもあり、これらに関する問題が発生した

場合は、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、健康食品の販売にあたっては、薬事法に基づいた効能

効果や用法用量などの表示や広告についても遵守するよう努めて

おりますが、一般的に健康食品の性質上、いわゆる表示義務違反

となる可能性は完全には否定しがたく、そのような場合には当社

グループへの信頼の低下等により、当社グループの事業に影響を

及ぼす可能性があります。

 また、一部の商品の販売では、インターネットによる通信販売を

展開しており、特定商取引に関する法律に基づいた表示規制など

についても遵守する必要があります。

(6)飲酒に対する社会的規制について 酒類は人々の生活に豊かさと潤いを与えるものであるとともに、

酒類に関する伝統と文化が人々の生活に深く浸透している一方

で、不適切な飲酒はアルコール健康障害の原因となり、アルコー

ル健康障害は、本人の健康の問題であるのみならず、その家族へ

の深刻な影響や重大な社会問題を生じさせる危険性が高いことが

指摘されております。宝酒造および宝酒造インターナショナルグ

ループでは、これらの指摘を認識したうえで、酒類の製造、販売を

行う企業として、人々の健康を維持増進し、社会的責任を果たす観

点から「節度ある適度な飲酒」を普及啓発する様々な取り組みを

行っておりますが、これらのアルコールに関連する諸問題が社会

的に一層深刻となった場合には、酒類の製造、販売に何らかの影

響、規制が及ぶ可能性があり、当社グループの業績および財務状

況に影響を及ぼす可能性があります。

(7)研究開発活動について タカラバイオグループにおいては、多岐にわたるバイオテクノロ

ジー関連産業分野において広範囲にわたる研究開発活動を行って

おり、同グループは、競争優位性を維持していくためにも、研究開

発活動を非常に重要であると考え、積極的に研究開発費を投下し

ております。しかしながら、研究開発活動は計画通りに進む保証は

なく、特に遺伝子医療事業における臨床開発については長期間を

要しますので、十分な研究開発活動の成果が適時にあがる保証は

ないことから、研究開発活動の遅延により、同グループの事業戦略

や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、現在推進し

ている研究開発活動から必ずしも期待した効果を得られる保証は

なく、その結果、当社グループの業績および財務状況に影響を及

ぼす可能性があります。

(8)知的財産権について タカラバイオグループは、研究開発の成否がそのまま事業開発

の成否につながるバイオテクノロジー関連産業において、特許そ

の他の知的財産権の確保は非常に重要であると認識しており、競

合他社を排除するため自らの技術を特許で保護しております。同

グループは今後も研究開発を進めていくにあたり、特許出願を第

一に考え対応していく方針でありますが、出願した特許すべてが登

録されるとは限らず、また、登録特許が何らかの理由で無効となっ

たり、期間満了などにより消滅した場合には、同グループの業績や

財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、バイオテクノロジー関連産業においては、日々研究開発競

争が繰り広げられており、同グループが自らの技術を特許権により

保護したとしても、同グループの研究開発を超える優れた開発力

により、同グループの特許技術が淘汰される可能性は常に存在し

ていると考えております。さらに、同グループは今後の事業展開の

中で、有望な他者特許については取得又はライセンスを受ける方

針でありますが、このために多大な費用が発生したり、必要な他者

特許が生じてもそのライセンスが受けられない可能性があります。

(9)投資有価証券の減損処理について 当社グループでは、時価のある有価証券を保有しておりますが、

時価が著しく下落した場合には、取得原価と時価との差額を当該

期の損失とすることとなり、当社グループの業績および財務状況

に影響を及ぼす可能性があります。

(10)固定資産の減損処理について 当社グループでは、固定資産を保有しておりますが、固定資産の

減損に係る会計基準の対象となる資産又は資産グループについて

減損損失を認識すべきであると判定した場合には、当該資産又は

資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額

を減損損失として当該期の損失とすることとなり、当社グループの

業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(11)退職給付債務について 当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数

理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づ

いて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合又

は前提条件が変更された場合、あるいは年金資産運用で利回りが

悪化した場合には当社グループの業績および財務状況に影響を及

ぼす可能性があります。

(12)事業・資本提携について 当社グループは、成長戦略の一環として、主に海外の他社との事

業・資本提携を推進しています。しかしながら、提携先および出資

先を取り巻く事業環境の変化等の影響により、提携先および出資先

の事業、経営および財務状況の悪化等が生じた場合、当社グルー

プの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 また、出資に伴い、「のれん」の償却が多額に発生した場合、あるい

は出資先の業績不振等により多額の減損損失を計上する必要が生

じた場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能

性があります。

(13)海外展開について 当社グループは、北米、欧州、中国を中心とするアジア、豪州な

どにおいても、生産、販売など事業活動を展開しております。これ

らの国又は地域で、経済状況、政治、社会体制等が著しく変化した

り、地震など自然災害の発生によって需要の減少や生産施設にお

ける操業の中断などを引き起こした場合や、移転価格税制等の国

際税務問題による影響を受けた場合は、当社グループの業績およ

び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(14)為替レートの変動について 当社グループが事業を展開する日本国外の各地域における売上

高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作

成のために円換算されております。これらの項目は、換算時の為替

レートにより円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。

 当社グループは、為替予約取引など為替ヘッジ取引を行い、為

替レートの短期的な変動による影響を最小限に止める努力をして

おりますが、中長期的には為替変動により計画的な調達および販売

活動を確実に実行できない場合があるため、為替レートの変動は

当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があり

ます。

(15)製造物責任について 当社グループが開発、製造する全ての商品について製造物責任

賠償のリスクが内在しています。特に、酒類、食品、医薬品、医療

機器などについては、製造、販売、臨床試験において瑕疵が発見さ

れ、健康障害等を引き起こしたりした場合には製造物責任を負う可

能性があります。また、製造物責任賠償については保険に加入して

おりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバー

できるという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任

賠償につながるような商品の欠陥は、多額のコストが発生するう

えに、当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの

業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(16)情報の管理について 当社グループは、販促キャンペーンや通信販売等により、多数の

個人情報を保持しており、個人情報の管理に関しては、管理体制

の構築、責任者の設置、従業員に対する継続的な研修会の実施等、

個人情報の漏洩を防ぐための万全の努力をしております。しかし

ながら、予期し得ない事象により、個人情報に限らず社内情報の紛

失、漏洩、改ざんなどのリスクがあり、このような事態が発生した

場合には、当社グループへの信頼の低下等により、当社グループ

の事業に影響を及ぼす可能性があります。

(17)訴訟について 当社グループでは、事業の遂行にあたり各種法令および規制等

に違反しないようコンプライアンス活動を強化するなど最善の努

力をしております。しかしながら、国内外において事業活動を遂行

していくうえで、当社グループおよびその従業員が法令等に対する

違反の有無にかかわらず、製造物責任法や知的財産権、発明対価

請求などの問題において訴訟提起される可能性を抱えています。

万が一当社グループが訴訟を提起された場合、また不利な判決結

果が生じた場合は、当社グループの業績および財務状況に影響を

及ぼす可能性があります。

(c) 資金の調達

 当連結会計年度において、当社は社債償還資金および子会社へ

の運転資金の貸付けに充当するため、無担保社債15,000百万円

の発行を行いました。当連結会計年度末の社債の残高は25,000

百万円であります。なお、当連結会計年度末の短期借入金の残高

は5,221百万円、長期借入金の残高は10,620百万円であります。

2. 経営者による財政状態及び経営成績の解説と分析Section 6 財務・企業情報

Page 24: 2018...2014年 年 年 年 タカラバイオグループ 1988年 2011 年 スパークリング清酒「澪」 2014 年 遺伝子・細胞プロセッシングセンター あくなきチャレンジ精神で

45 46TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

 以下において、当社グループの事業、その他においてリスク要因

となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。ま

た、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、

投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発

生の回避および発生した場合の対応に努める所存であります。

 なお、記載中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在に

おいて当社グループが判断したものであります。また、以下の記載

事項は投資判断に関連するリスクすべてを網羅するものではあり

ませんのでご留意下さい。

(1)消費者の嗜好及び需要動向の変化について 宝酒造の売上高の大部分は、日本国内のものであり、その市場

は、消費者の嗜好の変化の影響を受けやすいものであります。同

社は、消費者の嗜好の変化を捉えた商品の開発や、他社商品と差

異化を図った独創的な商品の開発に注力しておりますが、消費者

の嗜好の多様化が進み、消費動向の変化が加速しております。そ

のため、今後同社が消費者の嗜好や市場の変化を捉えた魅力的な

商品を提供できない場合は、将来の成長性や収益性を低下させ、

業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また日本

国内の人口減少や、少子化、高齢化の進行が酒類の需要の減少を

招いた場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及

ぼす可能性があります。

(2)競合について①宝酒造

 日本国内の酒類・調味料市場では、商品開発やマーケティング

戦略など、競合各社との競争が激化しております。

 同社は、独自の技術で差異化された商品の開発・育成や、ブラン

ド力強化、流通業態の変化に対応した販売活動を行っていますが、

競争力強化のためのマーケティング費用の増加を、売上高の増加

やコストダウンの施策等で吸収できない場合には、当社グループ

の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

②宝酒造インターナショナルグループ

 海外酒類事業では、ウイスキー市場においては世界中に多くの

強豪メーカーが存在するほか、清酒をはじめとする和酒市場にお

いても、海外現地生産および日本生産の輸出メーカーなど多くの

競合各社との競争が激化しております。また、海外日本食材卸事業

においても、海外での和酒・和食市場が拡大を続けている一方で、

同事業への参入障壁が低いことから競合の状況は激化しております。

 同社グループでは、魅力的な商品の開発・育成やブランド力の

強化、流通業態の変化に対応した製造・販売活動に努めていますが、

競合各社に勝る競争力を維持できない場合には、当社グループの

業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

③タカラバイオグループ

 収益基盤であるバイオ産業支援事業においては、試薬や理化学

機器の製造・販売には医療機器のような許可や承認を必要としな

いことから、特許等による障壁がない場合、参入は比較的容易であ

り、多数の競合企業が存在しております。

 遺伝子医療事業においては、技術的進展により安全性が高く治

療成績に優れる治療薬が開発され、海外で製造販売承認が得られ

はじめています。実際に大きな市場が望めるようになったことか

ら、欧米の大手製薬会社やベンチャー企業を含め多数の企業が遺

伝子治療の研究開発に取り組み始めております。

 医食品バイオ事業においては、健康食品ブームでもあり、その急

拡大している市場を目指し、食品企業のみならず製薬企業まで多

数の企業が参入しており、競合が激化しております。

 このような環境の中、同グループは、独自もしくは大学等の外部

団体と協力して、技術や製品を開発し、可能な限り知的財産化す

ることにより、独占化あるいは差異化を図っておりますが、このよ

うな開発戦略が必ずしも成功するとは限らず、他社が類似の製品

や技術分野で先行した場合、当社グループの製品開発や経営成績

に影響を及ぼす可能性があります。

(3)製造に関する依存について①宝酒造

 同社の酒類製品の大部分は、伏見工場(京都市伏見区)および

松戸工場(千葉県松戸市)で製造され、また同社は、必要に応じ、そ

れらの工場における製造ラインの維持、更新を行っております。従

いまして、これらの地域において大規模な地震やその他の操業を

中断する事象が発生した場合、同社の商品の生産、供給能力が著

しく低下し、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす

可能性があります。また、同社の主要な原材料であるエタノール

は、消防法において第4類危険物(火災発生、拡大の危険性が大き

く、消火の困難性が高いなどの性状を有する引火性液体)として指

定されております。

②宝酒造インターナショナルグループ

 海外酒類事業において、The Tomatin Distillery Co.Ltd(英

国スコットランド)でウイスキーを、またTakara Sake USA Inc.

(米国カリフォルニア州)および宝酒造食品有限公司(中国北京市)で

清酒やみりん等の製造・供給を行っております。従いまして、これら

の地域において大規模な地震やその他の操業を中断する事象が発生

した場合、同事業の商品の生産、供給能力が著しく低下し、当社

グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

③タカラバイオグループ

 タカラバイオグループでは、バイオ産業支援事業における主力

の研究用試薬を、中国の子会社である宝生物工程(大連)有限公司

でその殆どを生産しております。同グループでは生産拠点の集約

により、価格競争力の強い製品の製造を実現しており、また、同グ

ループの規模では製造拠点の分散化は得策ではないと考えており

ますが、当該子会社の収益動向の変化や、何らかの理由による事

業活動の停止などにより、当社グループの業績および財務状況に

影響を及ぼす可能性があります。

(4)原材料価格の変動について 宝酒造の原材料の調達については、調達先の国又は地域の天候

や経済状況の影響を間接的に受ける可能性があります。焼酎等の

原料である粗留アルコールは主に南米やアジア地域の、また清酒

等の原料米は主に日本の天候、原料相場の影響を受けます。原材

料の調達価格の高騰は製造コストの上昇に繋がり、また市場の状

況等により販売価格に転嫁できない場合には、当社グループの業

績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(5)特有の法的規制について①宝酒造

 宝酒造は、日本国内において酒類の製造免許、販売業免許、酒

税等を定める酒税法の規制を受けております。同社は酒税法に基

づき、販売業免許のほか、種類別、製造場ごとに所轄税務署長の

製造免許を取得しております。今後の事業展開においても酒税法

の規制を受けるほか、酒税の税率の変更によって酒類の販売価格、

販売動向等に影響を受ける可能性があります。

②宝酒造インターナショナルグループ

 宝酒造インターナショナルグループでは、事業を展開する各国

において、事業・投資の許可、国家安全保障又はその他の理由によ

る輸出制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、様々な政

府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、消

費者、租税、為替管制、運輸、環境・リサイクル関連の法規制の適

用も受けております。これらの規制を遵守できなかった場合、当社

グループの活動が制限される可能性があり、またコストの増加に

つながる可能性があります。

③タカラバイオグループ

 バイオ産業支援事業における研究開発を進めるにあたっては、

放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律や遺伝

子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関

する法律(以下、「カルタヘナ法」という。)等の関連法規の規制を受

けており、同グループは当該法規制を遵守していく方針でありま

す。また、試薬類の製造・販売および貿易にあたっては、毒物およ

び劇物取締法や検疫法等関連法規を遵守する必要がありますが、

医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関す

る法律(以下、「医薬品医療機器等法」という。)に定める医薬品や

再生医療等製品ではないことから、医薬品医療機器等法の適用お

よび規制は受けておりません。しかしながら、研究支援産業の拡大

等に伴い、このような規制が強化されたり、新たな規制が導入され

た場合等においては、当社グループの事業戦略や経営成績に影響

を及ぼす可能性があります。

 また、同グループがその開発を目指す遺伝子治療や細胞医療の

商業化は、医薬品医療機器等法、再生医療等の安全性の確保等に

関する法律、カルタヘナ法等関連法規の規制を受けており、同グ

ループは当該法規制を遵守していく方針であります。これらの関

連法規は、医薬品、再生医療等製品、医薬部外品、特定細胞加工

物、化粧品および医療機器の品質、有効性および安全性の確保を

目的としており、商業活動のためには所轄官公庁の承認又は許可

が必要になります。同グループが遺伝子医療事業で研究開発を進

めている個々のプロジェクトについて、かかる許認可が得られな

かった場合には、当社グループの事業戦略に影響を及ぼす可能性

があります。

 上記のほか、当社グループは食品を扱う会社として、食品衛生

法に基づいた営業施設の整備、器具・容器包装の管理やその他の

製造工程および販売などの管理運営を行っております。当社グ

ループでは、食品衛生法を遵守し、食品衛生管理には万全の注意

を払っておりますが、食品衛生問題や故意の妨害も含め食品の安

全問題は不可避の問題でもあり、これらに関する問題が発生した

場合は、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、健康食品の販売にあたっては、薬事法に基づいた効能

効果や用法用量などの表示や広告についても遵守するよう努めて

おりますが、一般的に健康食品の性質上、いわゆる表示義務違反

となる可能性は完全には否定しがたく、そのような場合には当社

グループへの信頼の低下等により、当社グループの事業に影響を

及ぼす可能性があります。

 また、一部の商品の販売では、インターネットによる通信販売を

展開しており、特定商取引に関する法律に基づいた表示規制など

についても遵守する必要があります。

(6)飲酒に対する社会的規制について 酒類は人々の生活に豊かさと潤いを与えるものであるとともに、

酒類に関する伝統と文化が人々の生活に深く浸透している一方

で、不適切な飲酒はアルコール健康障害の原因となり、アルコー

ル健康障害は、本人の健康の問題であるのみならず、その家族へ

の深刻な影響や重大な社会問題を生じさせる危険性が高いことが

指摘されております。宝酒造および宝酒造インターナショナルグ

ループでは、これらの指摘を認識したうえで、酒類の製造、販売を

行う企業として、人々の健康を維持増進し、社会的責任を果たす観

点から「節度ある適度な飲酒」を普及啓発する様々な取り組みを

行っておりますが、これらのアルコールに関連する諸問題が社会

的に一層深刻となった場合には、酒類の製造、販売に何らかの影

響、規制が及ぶ可能性があり、当社グループの業績および財務状

況に影響を及ぼす可能性があります。

(7)研究開発活動について タカラバイオグループにおいては、多岐にわたるバイオテクノロ

ジー関連産業分野において広範囲にわたる研究開発活動を行って

おり、同グループは、競争優位性を維持していくためにも、研究開

発活動を非常に重要であると考え、積極的に研究開発費を投下し

ております。しかしながら、研究開発活動は計画通りに進む保証は

なく、特に遺伝子医療事業における臨床開発については長期間を

要しますので、十分な研究開発活動の成果が適時にあがる保証は

ないことから、研究開発活動の遅延により、同グループの事業戦略

や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、現在推進し

ている研究開発活動から必ずしも期待した効果を得られる保証は

なく、その結果、当社グループの業績および財務状況に影響を及

ぼす可能性があります。

(8)知的財産権について タカラバイオグループは、研究開発の成否がそのまま事業開発

の成否につながるバイオテクノロジー関連産業において、特許そ

の他の知的財産権の確保は非常に重要であると認識しており、競

合他社を排除するため自らの技術を特許で保護しております。同

グループは今後も研究開発を進めていくにあたり、特許出願を第

一に考え対応していく方針でありますが、出願した特許すべてが登

録されるとは限らず、また、登録特許が何らかの理由で無効となっ

たり、期間満了などにより消滅した場合には、同グループの業績や

財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、バイオテクノロジー関連産業においては、日々研究開発競

争が繰り広げられており、同グループが自らの技術を特許権により

保護したとしても、同グループの研究開発を超える優れた開発力

により、同グループの特許技術が淘汰される可能性は常に存在し

ていると考えております。さらに、同グループは今後の事業展開の

中で、有望な他者特許については取得又はライセンスを受ける方

針でありますが、このために多大な費用が発生したり、必要な他者

特許が生じてもそのライセンスが受けられない可能性があります。

(9)投資有価証券の減損処理について 当社グループでは、時価のある有価証券を保有しておりますが、

時価が著しく下落した場合には、取得原価と時価との差額を当該

期の損失とすることとなり、当社グループの業績および財務状況

に影響を及ぼす可能性があります。

(10)固定資産の減損処理について 当社グループでは、固定資産を保有しておりますが、固定資産の

減損に係る会計基準の対象となる資産又は資産グループについて

減損損失を認識すべきであると判定した場合には、当該資産又は

資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額

を減損損失として当該期の損失とすることとなり、当社グループの

業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(11)退職給付債務について 当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数

理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づ

いて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合又

は前提条件が変更された場合、あるいは年金資産運用で利回りが

悪化した場合には当社グループの業績および財務状況に影響を及

ぼす可能性があります。

(12)事業・資本提携について 当社グループは、成長戦略の一環として、主に海外の他社との事

業・資本提携を推進しています。しかしながら、提携先および出資

先を取り巻く事業環境の変化等の影響により、提携先および出資先

の事業、経営および財務状況の悪化等が生じた場合、当社グルー

プの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 また、出資に伴い、「のれん」の償却が多額に発生した場合、あるい

は出資先の業績不振等により多額の減損損失を計上する必要が生

じた場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能

性があります。

(13)海外展開について 当社グループは、北米、欧州、中国を中心とするアジア、豪州な

どにおいても、生産、販売など事業活動を展開しております。これ

らの国又は地域で、経済状況、政治、社会体制等が著しく変化した

り、地震など自然災害の発生によって需要の減少や生産施設にお

ける操業の中断などを引き起こした場合や、移転価格税制等の国

際税務問題による影響を受けた場合は、当社グループの業績およ

び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(14)為替レートの変動について 当社グループが事業を展開する日本国外の各地域における売上

高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作

成のために円換算されております。これらの項目は、換算時の為替

レートにより円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。

 当社グループは、為替予約取引など為替ヘッジ取引を行い、為

替レートの短期的な変動による影響を最小限に止める努力をして

おりますが、中長期的には為替変動により計画的な調達および販売

活動を確実に実行できない場合があるため、為替レートの変動は

当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があり

ます。

(15)製造物責任について 当社グループが開発、製造する全ての商品について製造物責任

賠償のリスクが内在しています。特に、酒類、食品、医薬品、医療

機器などについては、製造、販売、臨床試験において瑕疵が発見さ

れ、健康障害等を引き起こしたりした場合には製造物責任を負う可

能性があります。また、製造物責任賠償については保険に加入して

おりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバー

できるという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任

賠償につながるような商品の欠陥は、多額のコストが発生するう

えに、当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの

業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(16)情報の管理について 当社グループは、販促キャンペーンや通信販売等により、多数の

個人情報を保持しており、個人情報の管理に関しては、管理体制

の構築、責任者の設置、従業員に対する継続的な研修会の実施等、

個人情報の漏洩を防ぐための万全の努力をしております。しかし

ながら、予期し得ない事象により、個人情報に限らず社内情報の紛

失、漏洩、改ざんなどのリスクがあり、このような事態が発生した

場合には、当社グループへの信頼の低下等により、当社グループ

の事業に影響を及ぼす可能性があります。

(17)訴訟について 当社グループでは、事業の遂行にあたり各種法令および規制等

に違反しないようコンプライアンス活動を強化するなど最善の努

力をしております。しかしながら、国内外において事業活動を遂行

していくうえで、当社グループおよびその従業員が法令等に対する

違反の有無にかかわらず、製造物責任法や知的財産権、発明対価

請求などの問題において訴訟提起される可能性を抱えています。

万が一当社グループが訴訟を提起された場合、また不利な判決結

果が生じた場合は、当社グループの業績および財務状況に影響を

及ぼす可能性があります。

2. 経営者による財政状態及び経営成績の解説と分析Section 6 財務・企業情報

Page 25: 2018...2014年 年 年 年 タカラバイオグループ 1988年 2011 年 スパークリング清酒「澪」 2014 年 遺伝子・細胞プロセッシングセンター あくなきチャレンジ精神で

47 48TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

 以下において、当社グループの事業、その他においてリスク要因

となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。ま

た、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、

投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発

生の回避および発生した場合の対応に努める所存であります。

 なお、記載中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在に

おいて当社グループが判断したものであります。また、以下の記載

事項は投資判断に関連するリスクすべてを網羅するものではあり

ませんのでご留意下さい。

(1)消費者の嗜好及び需要動向の変化について 宝酒造の売上高の大部分は、日本国内のものであり、その市場

は、消費者の嗜好の変化の影響を受けやすいものであります。同

社は、消費者の嗜好の変化を捉えた商品の開発や、他社商品と差

異化を図った独創的な商品の開発に注力しておりますが、消費者

の嗜好の多様化が進み、消費動向の変化が加速しております。そ

のため、今後同社が消費者の嗜好や市場の変化を捉えた魅力的な

商品を提供できない場合は、将来の成長性や収益性を低下させ、

業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また日本

国内の人口減少や、少子化、高齢化の進行が酒類の需要の減少を

招いた場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及

ぼす可能性があります。

(2)競合について①宝酒造

 日本国内の酒類・調味料市場では、商品開発やマーケティング

戦略など、競合各社との競争が激化しております。

 同社は、独自の技術で差異化された商品の開発・育成や、ブラン

ド力強化、流通業態の変化に対応した販売活動を行っていますが、

競争力強化のためのマーケティング費用の増加を、売上高の増加

やコストダウンの施策等で吸収できない場合には、当社グループ

の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

②宝酒造インターナショナルグループ

 海外酒類事業では、ウイスキー市場においては世界中に多くの

強豪メーカーが存在するほか、清酒をはじめとする和酒市場にお

いても、海外現地生産および日本生産の輸出メーカーなど多くの

競合各社との競争が激化しております。また、海外日本食材卸事業

においても、海外での和酒・和食市場が拡大を続けている一方で、

同事業への参入障壁が低いことから競合の状況は激化しております。

 同社グループでは、魅力的な商品の開発・育成やブランド力の

強化、流通業態の変化に対応した製造・販売活動に努めていますが、

競合各社に勝る競争力を維持できない場合には、当社グループの

業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

③タカラバイオグループ

 収益基盤であるバイオ産業支援事業においては、試薬や理化学

機器の製造・販売には医療機器のような許可や承認を必要としな

いことから、特許等による障壁がない場合、参入は比較的容易であ

り、多数の競合企業が存在しております。

 遺伝子医療事業においては、技術的進展により安全性が高く治

療成績に優れる治療薬が開発され、海外で製造販売承認が得られ

はじめています。実際に大きな市場が望めるようになったことか

ら、欧米の大手製薬会社やベンチャー企業を含め多数の企業が遺

伝子治療の研究開発に取り組み始めております。

 医食品バイオ事業においては、健康食品ブームでもあり、その急

拡大している市場を目指し、食品企業のみならず製薬企業まで多

数の企業が参入しており、競合が激化しております。

 このような環境の中、同グループは、独自もしくは大学等の外部

団体と協力して、技術や製品を開発し、可能な限り知的財産化す

ることにより、独占化あるいは差異化を図っておりますが、このよ

うな開発戦略が必ずしも成功するとは限らず、他社が類似の製品

や技術分野で先行した場合、当社グループの製品開発や経営成績

に影響を及ぼす可能性があります。

(3)製造に関する依存について①宝酒造

 同社の酒類製品の大部分は、伏見工場(京都市伏見区)および

松戸工場(千葉県松戸市)で製造され、また同社は、必要に応じ、そ

れらの工場における製造ラインの維持、更新を行っております。従

いまして、これらの地域において大規模な地震やその他の操業を

中断する事象が発生した場合、同社の商品の生産、供給能力が著

しく低下し、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす

可能性があります。また、同社の主要な原材料であるエタノール

は、消防法において第4類危険物(火災発生、拡大の危険性が大き

く、消火の困難性が高いなどの性状を有する引火性液体)として指

定されております。

②宝酒造インターナショナルグループ

 海外酒類事業において、The Tomatin Distillery Co.Ltd(英

国スコットランド)でウイスキーを、またTakara Sake USA Inc.

(米国カリフォルニア州)および宝酒造食品有限公司(中国北京市)で

清酒やみりん等の製造・供給を行っております。従いまして、これら

の地域において大規模な地震やその他の操業を中断する事象が発生

した場合、同事業の商品の生産、供給能力が著しく低下し、当社

グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

③タカラバイオグループ

 タカラバイオグループでは、バイオ産業支援事業における主力

の研究用試薬を、中国の子会社である宝生物工程(大連)有限公司

でその殆どを生産しております。同グループでは生産拠点の集約

により、価格競争力の強い製品の製造を実現しており、また、同グ

ループの規模では製造拠点の分散化は得策ではないと考えており

ますが、当該子会社の収益動向の変化や、何らかの理由による事

業活動の停止などにより、当社グループの業績および財務状況に

影響を及ぼす可能性があります。

(4)原材料価格の変動について 宝酒造の原材料の調達については、調達先の国又は地域の天候

や経済状況の影響を間接的に受ける可能性があります。焼酎等の

原料である粗留アルコールは主に南米やアジア地域の、また清酒

等の原料米は主に日本の天候、原料相場の影響を受けます。原材

料の調達価格の高騰は製造コストの上昇に繋がり、また市場の状

況等により販売価格に転嫁できない場合には、当社グループの業

績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(5)特有の法的規制について①宝酒造

 宝酒造は、日本国内において酒類の製造免許、販売業免許、酒

税等を定める酒税法の規制を受けております。同社は酒税法に基

づき、販売業免許のほか、種類別、製造場ごとに所轄税務署長の

製造免許を取得しております。今後の事業展開においても酒税法

の規制を受けるほか、酒税の税率の変更によって酒類の販売価格、

販売動向等に影響を受ける可能性があります。

②宝酒造インターナショナルグループ

 宝酒造インターナショナルグループでは、事業を展開する各国

において、事業・投資の許可、国家安全保障又はその他の理由によ

る輸出制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、様々な政

府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、消

費者、租税、為替管制、運輸、環境・リサイクル関連の法規制の適

用も受けております。これらの規制を遵守できなかった場合、当社

グループの活動が制限される可能性があり、またコストの増加に

つながる可能性があります。

③タカラバイオグループ

 バイオ産業支援事業における研究開発を進めるにあたっては、

放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律や遺伝

子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関

する法律(以下、「カルタヘナ法」という。)等の関連法規の規制を受

けており、同グループは当該法規制を遵守していく方針でありま

す。また、試薬類の製造・販売および貿易にあたっては、毒物およ

び劇物取締法や検疫法等関連法規を遵守する必要がありますが、

医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関す

る法律(以下、「医薬品医療機器等法」という。)に定める医薬品や

再生医療等製品ではないことから、医薬品医療機器等法の適用お

よび規制は受けておりません。しかしながら、研究支援産業の拡大

等に伴い、このような規制が強化されたり、新たな規制が導入され

た場合等においては、当社グループの事業戦略や経営成績に影響

を及ぼす可能性があります。

 また、同グループがその開発を目指す遺伝子治療や細胞医療の

商業化は、医薬品医療機器等法、再生医療等の安全性の確保等に

関する法律、カルタヘナ法等関連法規の規制を受けており、同グ

ループは当該法規制を遵守していく方針であります。これらの関

連法規は、医薬品、再生医療等製品、医薬部外品、特定細胞加工

物、化粧品および医療機器の品質、有効性および安全性の確保を

目的としており、商業活動のためには所轄官公庁の承認又は許可

が必要になります。同グループが遺伝子医療事業で研究開発を進

めている個々のプロジェクトについて、かかる許認可が得られな

かった場合には、当社グループの事業戦略に影響を及ぼす可能性

があります。

 上記のほか、当社グループは食品を扱う会社として、食品衛生

法に基づいた営業施設の整備、器具・容器包装の管理やその他の

製造工程および販売などの管理運営を行っております。当社グ

ループでは、食品衛生法を遵守し、食品衛生管理には万全の注意

を払っておりますが、食品衛生問題や故意の妨害も含め食品の安

全問題は不可避の問題でもあり、これらに関する問題が発生した

場合は、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、健康食品の販売にあたっては、薬事法に基づいた効能

効果や用法用量などの表示や広告についても遵守するよう努めて

おりますが、一般的に健康食品の性質上、いわゆる表示義務違反

となる可能性は完全には否定しがたく、そのような場合には当社

グループへの信頼の低下等により、当社グループの事業に影響を

及ぼす可能性があります。

 また、一部の商品の販売では、インターネットによる通信販売を

展開しており、特定商取引に関する法律に基づいた表示規制など

についても遵守する必要があります。

(6)飲酒に対する社会的規制について 酒類は人々の生活に豊かさと潤いを与えるものであるとともに、

酒類に関する伝統と文化が人々の生活に深く浸透している一方

で、不適切な飲酒はアルコール健康障害の原因となり、アルコー

ル健康障害は、本人の健康の問題であるのみならず、その家族へ

の深刻な影響や重大な社会問題を生じさせる危険性が高いことが

指摘されております。宝酒造および宝酒造インターナショナルグ

ループでは、これらの指摘を認識したうえで、酒類の製造、販売を

行う企業として、人々の健康を維持増進し、社会的責任を果たす観

点から「節度ある適度な飲酒」を普及啓発する様々な取り組みを

行っておりますが、これらのアルコールに関連する諸問題が社会

的に一層深刻となった場合には、酒類の製造、販売に何らかの影

響、規制が及ぶ可能性があり、当社グループの業績および財務状

況に影響を及ぼす可能性があります。

(7)研究開発活動について タカラバイオグループにおいては、多岐にわたるバイオテクノロ

ジー関連産業分野において広範囲にわたる研究開発活動を行って

おり、同グループは、競争優位性を維持していくためにも、研究開

発活動を非常に重要であると考え、積極的に研究開発費を投下し

ております。しかしながら、研究開発活動は計画通りに進む保証は

なく、特に遺伝子医療事業における臨床開発については長期間を

要しますので、十分な研究開発活動の成果が適時にあがる保証は

ないことから、研究開発活動の遅延により、同グループの事業戦略

や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、現在推進し

ている研究開発活動から必ずしも期待した効果を得られる保証は

なく、その結果、当社グループの業績および財務状況に影響を及

ぼす可能性があります。

(8)知的財産権について タカラバイオグループは、研究開発の成否がそのまま事業開発

の成否につながるバイオテクノロジー関連産業において、特許そ

の他の知的財産権の確保は非常に重要であると認識しており、競

合他社を排除するため自らの技術を特許で保護しております。同

グループは今後も研究開発を進めていくにあたり、特許出願を第

一に考え対応していく方針でありますが、出願した特許すべてが登

録されるとは限らず、また、登録特許が何らかの理由で無効となっ

たり、期間満了などにより消滅した場合には、同グループの業績や

財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、バイオテクノロジー関連産業においては、日々研究開発競

争が繰り広げられており、同グループが自らの技術を特許権により

保護したとしても、同グループの研究開発を超える優れた開発力

により、同グループの特許技術が淘汰される可能性は常に存在し

ていると考えております。さらに、同グループは今後の事業展開の

中で、有望な他者特許については取得又はライセンスを受ける方

針でありますが、このために多大な費用が発生したり、必要な他者

特許が生じてもそのライセンスが受けられない可能性があります。

(9)投資有価証券の減損処理について 当社グループでは、時価のある有価証券を保有しておりますが、

時価が著しく下落した場合には、取得原価と時価との差額を当該

期の損失とすることとなり、当社グループの業績および財務状況

に影響を及ぼす可能性があります。

(10)固定資産の減損処理について 当社グループでは、固定資産を保有しておりますが、固定資産の

減損に係る会計基準の対象となる資産又は資産グループについて

減損損失を認識すべきであると判定した場合には、当該資産又は

資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額

を減損損失として当該期の損失とすることとなり、当社グループの

業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(11)退職給付債務について 当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数

理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づ

いて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合又

は前提条件が変更された場合、あるいは年金資産運用で利回りが

悪化した場合には当社グループの業績および財務状況に影響を及

ぼす可能性があります。

(12)事業・資本提携について 当社グループは、成長戦略の一環として、主に海外の他社との事

業・資本提携を推進しています。しかしながら、提携先および出資

先を取り巻く事業環境の変化等の影響により、提携先および出資先

の事業、経営および財務状況の悪化等が生じた場合、当社グルー

プの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 また、出資に伴い、「のれん」の償却が多額に発生した場合、あるい

は出資先の業績不振等により多額の減損損失を計上する必要が生

じた場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能

性があります。

(13)海外展開について 当社グループは、北米、欧州、中国を中心とするアジア、豪州な

どにおいても、生産、販売など事業活動を展開しております。これ

らの国又は地域で、経済状況、政治、社会体制等が著しく変化した

り、地震など自然災害の発生によって需要の減少や生産施設にお

ける操業の中断などを引き起こした場合や、移転価格税制等の国

際税務問題による影響を受けた場合は、当社グループの業績およ

び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(14)為替レートの変動について 当社グループが事業を展開する日本国外の各地域における売上

高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作

成のために円換算されております。これらの項目は、換算時の為替

レートにより円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。

 当社グループは、為替予約取引など為替ヘッジ取引を行い、為

替レートの短期的な変動による影響を最小限に止める努力をして

おりますが、中長期的には為替変動により計画的な調達および販売

活動を確実に実行できない場合があるため、為替レートの変動は

当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があり

ます。

(15)製造物責任について 当社グループが開発、製造する全ての商品について製造物責任

賠償のリスクが内在しています。特に、酒類、食品、医薬品、医療

機器などについては、製造、販売、臨床試験において瑕疵が発見さ

れ、健康障害等を引き起こしたりした場合には製造物責任を負う可

能性があります。また、製造物責任賠償については保険に加入して

おりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバー

できるという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任

賠償につながるような商品の欠陥は、多額のコストが発生するう

えに、当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの

業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(16)情報の管理について 当社グループは、販促キャンペーンや通信販売等により、多数の

個人情報を保持しており、個人情報の管理に関しては、管理体制

の構築、責任者の設置、従業員に対する継続的な研修会の実施等、

個人情報の漏洩を防ぐための万全の努力をしております。しかし

ながら、予期し得ない事象により、個人情報に限らず社内情報の紛

失、漏洩、改ざんなどのリスクがあり、このような事態が発生した

場合には、当社グループへの信頼の低下等により、当社グループ

の事業に影響を及ぼす可能性があります。

(17)訴訟について 当社グループでは、事業の遂行にあたり各種法令および規制等

に違反しないようコンプライアンス活動を強化するなど最善の努

力をしております。しかしながら、国内外において事業活動を遂行

していくうえで、当社グループおよびその従業員が法令等に対する

違反の有無にかかわらず、製造物責任法や知的財産権、発明対価

請求などの問題において訴訟提起される可能性を抱えています。

万が一当社グループが訴訟を提起された場合、また不利な判決結

果が生じた場合は、当社グループの業績および財務状況に影響を

及ぼす可能性があります。

連結貸借対照表宝ホールディングス株式会社及び連結子会社2018年3月31日

単位:百万円 単位:千米ドル※

2017年3月期 2018年3月期2018年3月期

¥ 58,765

7,524

5,021

57,951

778

(236)

39,851

2,112

2,144

173,912

20,089

53,980

82,563

14,609

2,056

262

173,561

(114,387)

59,174

24,135

1,447

6,626

1,496

7,575

41,282

¥ 274,368

¥ 49,341

9,445

8,690

57,889

574

(329)

42,909

2,284

2,547

173,352

18,821

53,842

83,143

15,462

1,050

1,064

173,384

(115,898)

57,485

27,091

1,516

13,765

1,783

12,064

56,221

¥ 287,059

$ 465,481

89,103

81,981

546,122

5,415

(3,103)

404,801

21,547

24,028

1,635,396

177,556

507,943

784,367

145,867

9,905

10,037

1,635,698

(1,093,377)

542,311

255,575

14,301

129,858

16,820

113,811

530,386

$ 2,708,103

流動資産:

 現金及び現金同等物

 定期預金

 有価証券

 受取手形及び売掛金:

  取引に係るもの

  その他

  貸倒引当金

 たな卸資産

 繰延税金資産

 前払費用及びその他

   流動資産合計

有形固定資産:

 土地

 建物及び構築物

 機械装置及び運搬具

 工具、器具及び備品

 リース資産

 建設仮勘定

   合計

 減価償却累計額

   有形固定資産合計(純額)

投資その他の資産:

 投資有価証券

 関連会社に対する投資

 のれん

 繰延税金資産

 その他の資産

   投資その他の資産合計

資産合計

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資産の部

ここに掲載している連結財務諸表は、日本の金融商品取引法および関連する会計規則ならびに日本で一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠した連結財務諸表を基礎として作成された英文連結財務諸表を日本語に翻訳したものです。

※ 米ドルは2018年3月31日現在のレートの近似値106円/ドルで便宜換算しています。

3. 連結財務諸表2. 経営者による財政状態及び経営成績の解説と分析Section 6 財務・企業情報

Page 26: 2018...2014年 年 年 年 タカラバイオグループ 1988年 2011 年 スパークリング清酒「澪」 2014 年 遺伝子・細胞プロセッシングセンター あくなきチャレンジ精神で

単位:百万円 単位:千米ドル

2017年3月期 2018年3月期2018年3月期

¥ 8,389

11,106

16,759

6

4,822

7,593

2,468

8,025

1,899

4,435

65,506

21,776

8,961

5,342

5,564

1,296

42,941

13,226

1,650

119,729

(9,939)

9,583

0

1,426

(634)

135,043

30,877

165,920

¥ 274,368

¥ 4,919

466

16,512

4,084

9,278

3,126

7,992

1,853

4,477

52,712

36,064

8,759

5,312

6,293

1,700

58,130

13,226

2,219

117,571

(1,367)

11,520

(120)

2,645

(583)

145,111

31,106

176,217

¥ 287,059

$ 46,405

4,396

155,773

38,528

87,528

29,490

75,396

17,481

42,235

497,283

340,226

82,632

50,113

59,367

16,037

548,396

124,773

20,933

1,109,160

(12,896)

108,679

(1,132)

24,952

(5,500)

1,368,971

293,452

1,662,424

$ 2,708,103

流動負債: 短期借入金 1年内返済予定の長期債務 支払手形及び買掛金:  取引に係るもの  関連会社に係るもの  工事に係るもの及びその他 未払酒税 未払法人税等 未払費用 販売促進引当金 その他   流動負債合計

長期負債: 長期債務 退職給付に係る負債 長期預り金 繰延税金負債 その他   長期負債合計

契約債務及び偶発債務

株主資本: 資本金  発行可能株式総数(普通株式): 870,000,000株  発行済株式総数: 201,699,743株(2018年3月期)

217,699,743株(2017年3月期) 資本剰余金 利益剰余金 自己株式  期末自己株式数: 2,069,224株(2018年3月期)

16,475,731株(2017年3月期) その他の包括利益(損失)累計額:  その他有価証券評価差額金  繰延ヘッジ損益  為替換算調整勘定  退職給付に係る調整累計額   合計非支配株主持分   純資産合計

負債純資産合計

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負債及び純資産の部

連結損益計算書宝ホールディングス株式会社及び連結子会社2018年3月期

単位:百万円 単位:千米ドル

単位:円 単位:米ドル

2017年3月期 2018年3月期2018年3月期

¥ 234,193

140,182

94,010

80,458

13,551

659

288

878

(481)

(667)

(264)

554

968

14,520

5,208

74

5,283

9,236

755

8,480

¥ 42.15

13.00

¥ 268,142

163,529

104,612

88,999

15,612

700

3,312

239

(568)

(112)

(446)

(222)

388

3,291

18,903

6,859

(484)

6,374

12,528

1,499

¥ 11,029

¥ 54.97

16.00

$ 2,529,641

1,542,726

986,905

839,613

147,283

6,603

31,245

2,254

(5,358)

(1,056)

(4,207)

(2,094)

3,660

31,047

178,330

64,707

(4,566)

60,132

118,188

14,141

$104,047

$ 0.51

0.15

売上高

売上原価

    売上総利益

販売費及び一般管理費

    営業利益

その他収益(費用):

 受取利息及び配当金

 関係会社株式売却益

 補助金収入

 段階取得に係る差益

 支払利息

 社債発行費

 減損損失

 固定資産除売却損

 その他(純額)

    その他収益(純額)

税金等調整前当期純利益

法人税等:

 法人税、住民税及び事業税

 法人税等調整額

    法人税等合計

当期純利益

非支配株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益

普通株式1株当たり情報:

 基本的1株当たり当期純利益

 年間配当金

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3. 連結財務諸表Section 6 財務・企業情報

49 50TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

Page 27: 2018...2014年 年 年 年 タカラバイオグループ 1988年 2011 年 スパークリング清酒「澪」 2014 年 遺伝子・細胞プロセッシングセンター あくなきチャレンジ精神で

単位:百万円 単位:千米ドル

2017年3月期 2018年3月期2018年3月期当期純利益

その他の包括利益(損失): その他有価証券評価差額金 繰延ヘッジ損益 為替換算調整勘定 退職給付に係る調整額    その他の包括利益(損失)合計

包括利益内訳: 親会社株主に係る包括利益 非支配株主に係る包括利益

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連結包括利益計算書宝ホールディングス株式会社及び連結子会社2018年3月期

連結株主資本等変動計算書宝ホールディングス株式会社及び連結子会社2018年3月期

¥ 12,528

1,936

(115)

1,262

93

3,177

¥ 15,706

¥ 14,114

1,591

$ 118,188

18,264

(1,084)

11,905

877

29,971

$ 148,169

$ 133,150

15,009

¥ 9,236

2,760

446

(4,310)

(348)

(1,451)

¥ 7,784

¥ 7,300

483

単位:百万円

その他の包括利益累計額

単位:千株

発行済株式数(普通株式) 資本金

資本剰余金

利益剰余金

自己株式

その他有価証券評価差額金

繰延ヘッジ損益

為替換算調整勘定

退職給付に係る調整額 合計

非支配株主持分

純資産合計

201,224

0

201,224

(1,594)0

199,631

¥13,226

13,226

¥13,226

¥156,1488,480

(2,414)(0)

(229)3,935

165,92011,029(2,615)(2,001)

0

570

3,314

¥176,217

¥25,762

5,115

30,877

228

¥ 31,106

¥130,3868,480

(2,414)(0)

(229)(1,179)

135,04311,029(2,615)(2,001)

0

570

3,085

¥145,111

¥5,548

(4,122)

1,426

1,218

¥2,645

¥(370)

(264)

(634)

51

¥(583)

¥(445)

445

0

(121)

¥(120)

¥ 6,822

2,760

9,583

1,936

¥11,520

¥(9,938)

(0)

(9,939)

(2,001)0

10,572

¥(1,367)

¥113,6638,480

(2,414)

119,72911,029(2,615)

(10,572)

¥117,571

¥1,879

0(229)

1,650

0(10,572)

57010,572

¥2,219

$1,565,283104,047(24,669)(18,877)

0

5,377

31,264

$1,662,424

$1,129,518104,047(24,669)

(99,735)

$1,109,160

$124,773

$124,773

$15,566

0(99,735)

5,37799,735

$20,993

$(93,764)

(18,877)0

99,735

$(12,896)

$1,273,990104,047(24,669)(18,877)

0

5,377

29,103

$1,368,971

$(5,981)

481

$(5,500)

$291,292

2,150

$293,452

$13,452

11,490

$24,952

$0

(1,141)

$(1,132)

$90,405

18,264

$108,679

前期首(2016年4月1日)残高 親会社株主に帰属する当期純利益 剰余金の配当(1株当たり¥12.0) 自己株式の増加(純額) 連結子会社株式の取得による持分の増減 当期変動額(純額)前期末(2017年3月31日)残高 親会社株主に帰属する当期純利益 剰余金の配当(1株当たり¥13.0) 自己株式の取得 自己株式の処分 自己株式の消却 連結子会社株式の取得による持分の増減 利益剰余金から資本剰余金への振替 当期変動額(純額)当期末(2018年3月31日)残高

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単位:千米ドル

その他の包括利益累計額

資本金資本剰余金

利益剰余金

自己株式

その他有価証券評価差額金

繰延ヘッジ損益

為替換算調整勘定

退職給付に係る調整額 合計

非支配株主持分

純資産合計

前期末(2017年3月31日)残高 親会社株主に帰属する当期純利益 剰余金の配当(1株当たり$0.12) 自己株式の取得 自己株式の処分 自己株式の消却 連結子会社株式の取得による持分の増減 利益剰余金から資本剰余金への振替 当期変動額(純額)当期末(2018年3月31日)残高

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連結キャッシュ・フロー計算書宝ホールディングス株式会社及び連結子会社2018年3月期

単位:百万円 単位:千米ドル

2017年3月期 2018年3月期2018年3月期

¥14,520

(5,218)6,213

667(878)

(1,334)(1,377)

37208(261)478

6419(653)

(1,694)12,826

8,449(10,070)22,028(5,376)(1,327)2,070

42616,200

72(108)

(0)(2,413)

(379)(2,828)

3126,22832,536

¥ 58,765

¥ 18,903

(6,017)7,702

446

112(3,312)

(240)(2,520)

19(10)

1,685176

851

(739)(2,638)16,265

(1,833)(12,783)

8,736(6,601)

(12,396)

4,150811

(19,916)

(3,356)(858)

14,887(10,547)

(2,001)(2,614)

(585)(493)

(5,570)

(202)(9,423)58,765

¥ 49,341

$ 178,330

(56,764)72,660

4,207

1,056(31,245)

(2,264)(23,773)

179(94)

15,8961,660

75481

(6,971)(24,886)153,443

(17,292)(120,594)

82,415(62,273)

(116,943)

39,1507,650

(187,886)

(31,660)(8,094)

140,443(99,500)(18,877)(24,660)

(5,518)(4,650)

(52,547)

(1,905)(88,896)554,386

$ 465,481

営業活動によるキャッシュ・フロー : 税金等調整前当期純利益 調整額:  法人税等の支払額  減価償却費  減損損失  段階取得に係る損失(利益)  社債発行費  関係会社株式売却損失(利益)  資産及び負債の増減:   売上債権の減少(増加)額   たな卸資産の減少(増加)額   受取利息及び受取配当金の減少(増加)額   仕入債務の増加(減少)額   未払酒税の増加(減少)額   未払消費税等の増加(減少)額   支払利息の増加(減少)額   退職給付に係る負債の増加(減少)額  その他(純額)    調整額合計    営業活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フロー : 定期預金の預入及び払戻による支出(収入) 有価証券及び投資有価証券の取得による支出 有価証券の売却及び償還による収入 有形及び無形固定資産の取得による支出 連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出 連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入 連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入 その他    投資活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フロー : 短期借入金の純増加(減少)額 長期借入金の返済による支出 社債の発行による収入 社債の償還による支出 自己株式の取得 配当金の支払額 連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出 その他    財務活動によるキャッシュ・フロー

現金及び現金同等物に係る換算差額現金及び現金同等物の純増加(減少)額現金及び現金同等物の期首残高現金及び現金同等物の期末残高

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3. 連結財務諸表Section 6 財務・企業情報

51 52TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

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焼酎

宝グループの中核事業である国内酒類・調味料事業の歴史は、1842年までさかのぼります。以来170年以上にわたり、時代や

消費者が求める価値観や嗜好に対して、常に独創的で確かな技術に裏付けられた商品を提供してきました。そして現在、清酒・

焼酎や和の調味料の本みりんなど、日本の伝統的な酒類・調味料である「和酒」に強みを持つ国内有数のメーカーとして、独自の

技術開発力と安定的な生産体制から生み出されるバランスのとれた商品ポートフォリオを築いています。

 長年培ってきた独自の蒸留技術や貯蔵技術によって、時代が求める焼酎を追求し、市場を創造し続けることで、焼酎市場の発展に貢献してきました。 甲類焼酎では、伝統と安心の甲類焼酎No.1ブランド“宝焼酎”、樽貯蔵熟成酒を3%ブレンドし、まろやかな口当たりと芳醇な味わいが特徴の“極上〈宝焼酎〉”、発売から40周年を迎えロングセラーを続ける“宝焼酎「純」”など、独自の品質と味わいを持つブランドによりトップシェアを堅持しています。また、本格焼酎では芋100%にこだわった“全量芋焼酎「一刻者(いっこもん)」”、麦本来の味わいを追求した“本格麦焼酎「知心剣(しらしんけん)」”をはじめとするこだわり商品、日常の晩酌ニーズに最適なすっきりとして香り高い“本格麦焼酎「ひゅうが晴」”など、独自の技術によるオリジナリティーのある商品を開発・育成しています。

近年、世界的な健康志向の高まりや「和食」のユネスコ無形文化遺産への登録などを契機に、海外で日本食の人気が高まる中、

宝酒造インターナショナルグループは、酒類の輸出や海外各地で製造販売を行う海外酒類事業と、海外の日本食レストランや

小売店に日本食材などを販売する海外日本食材卸事業を展開しています。

宝グループのバイオ事業の使命は、遺伝子治療などの革新的な技術の開発を通じて人々の健康に貢献することです。その実現を

担うタカラバイオグループでは、技術基盤である「バイオ産業支援事業」により安定的な収益を創出するとともに、「医食品バイオ

事業」の安定成長を継続しつつ、将来の成長事業である「遺伝子医療事業」への投資を行い、遺伝子治療の早期商業化を目指

しています。

清酒 松竹梅は、「よろこびの清酒」として慶祝・贈答市場におけるトップブランドの地位を確立しています。 2001年には「本当に旨くてよい酒とは何か」を徹底的に追求するため、伝統的な手造りの原理を再現した最新鋭の設備と、人の手で行う酒造りの両方をあわせもった松竹梅白壁蔵(しらかべくら)を完成させ、新感覚のスパークリング清酒“松竹梅白壁蔵「澪(みお)」”や“松竹梅「白壁蔵」〈生酛(きもと)純米〉”などの高品質酒を送り出しています。さらに2018年には、二段酵母仕込の「コクがあってすっきり飲みやすい」味わいがご好評いただいております“松竹梅「天」”を、さらに旨み豊かでお客様の多様なニーズに応えるブランドへとリニューアル。業務用市場においては“松竹梅「豪快」”が多くのお客様からご支持をいただいています。これからも松竹梅は造りや原材料にこだわり、新しい商品を提案していきます。

バイオ産業支援事業 研究支援分野とCDMO分野の双方で、世界中のライフサイエンス研究を支援しています。遺伝子増幅に用いられる高性能のPCR酵素やリアルタイムPCR装置、幹細胞関連製品など、市場ニーズに応じた研究用試薬や理化学機器を開発・販売するとともに、次世代シーケンス解析やiPS細胞作製などの受託サービスも提供しています。

遺伝子医療事業 がんなどを対象にした遺伝子治療の臨床開発を進めています。 メラノーマや膵がんを対象にした腫瘍溶解性ウイルスC-REV、滑膜肉腫を対象にしたNY-ESO-1・siTCR®遺伝子治療および、急性リンパ芽球性白血病を対象としたCD19・CAR遺伝子治療の早期商業化を目指します。

医食品バイオ事業 食品素材をバイオテクノロジーで解析し、ガゴメ昆布「フコイダン」、ボタンボウフウ「イソサミジン」など、機能性を活かした健康食品素材を開発しています。 また、キノコの大規模栽培の技術を活かし、ホンシメジ、ハタケシメジなどを生産・販売しています。

海外日本食材卸事業 欧州ではフーデックス社(フランス)、タザキフーズ社(イギリス)、コミンポート社(スペイン)、ケタフーズ社(ポルトガル)が、米国では

ソフトアルコール飲料 下町の大衆酒場で愛され続ける辛口な味わいを追求した“タカラ「焼酎ハイボール」”や、1984年に日本初の缶入りチューハイとして衝撃的なデビューを飾って以来、30年以上にわたりご愛飲いただいている“タカラcanチューハイ”など確かな技術に裏打ちされた独自のおいしさが多くのお客様からご支持をいただいています。 また、「樽貯蔵熟成酒」ならではの深いコクと食事に合うすっきりとしたキレのある味わいを実現した“タカラ「樽熟成焼酎ハイボール」”や、繁盛店のこだわりのレモンサワーを参考に、すっきり&甘くない味わいの“寶「極上レモンサワー」”など、お客様に新しい価値をお届けする商品の開発・育成に取り組んでいきます。

調味料 本みりんのトップブランドとして日本の食文化とともに進化・発展を続けてきた“タカラ本みりん”や、食塩0(ゼロ)の料理清酒“タカラ「料理のための清酒」”など、「お酒のチカラでもっとおいしく」をテーマに、料理をおいしく、食卓を豊かにする様々な酒類調味料をご提案しています。 また、加工業務用市場に向けては、惣菜や加工食品などに適した酒類調味料や、だし調味料などの商品を取り揃えるとともに、食品分析や調理効果研究、レシピ開発などお客様とともに様々な課題解決に取り組んでいきます。

ミューチャルトレーディング社が、またオーストラリアではニッポンフード社が、拡大する日本食市場に向けてそれぞれ積極的な事業展開を行っています。

海外酒類事業 米国全土および欧州向けに清酒やみりんなどを製造・販売する米国宝酒造、中国で清酒や本みりん、焼酎の製造・販売を行う宝酒造食品、バーボンウイスキー“ブラントン”を扱うエイジ・インターナショナル社、スコッチウイスキーの製造・販売を行うトマーチン社の4社を軸に、事業を展開しています。

4. 会社情報Section 6 財務・企業情報

宝酒造(国内事業) 宝酒造インターナショナルグループ(海外事業)

タカラバイオグループ(バイオ事業)

53 54TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

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株主メモ

株価の推移 (円)

A /安定的A/安定的

a-1J-1

52.74%1.76%16.53%10.99%16.96%1.02%

商号

事業内容

本店所在地

電話

宝ホールディングス株式会社

持株会社

京都市下京区四条通烏丸東入長刀鉾町20

075-241-5130

設立

資本金

代表者

ホームページアドレス

1925年9月6日

13,226百万円

代表取締役社長  木村 睦

www.takara.co.jp

発行株式 発行可能株式総数 発行済株式総数

株主数

上場取引所

証券コード

株主名簿管理人

株主名簿管理人事務連絡先

株主総会

独立監査人

870,000,000株201,699,743株

24,632名

東証1部

2531

東京都中央区八重洲一丁目2番1号みずほ信託銀行株式会社

〒168-8507東京都杉並区和泉二丁目8番4号みずほ信託銀行株式会社 証券代行部電話:0120-288-324(フリーダイヤル)

定時株主総会は、毎年6月に京都で開催されています。その他、必要のある場合には、あらかじめ公告して基準日を定めた上で、臨時株主総会が開かれる場合があります。

有限責任監査法人トーマツ

1,500

1,000

500

0

金融機関証券会社その他の国内法人外国法人等個人その他その他

大株主(上位10名)

格付

所有者別株式分布状況

格付投資情報センター(R&I)日本格付研究所(JCR)

長期格付 短期格付格付機関

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)株式会社みずほ銀行農林中央金庫明治安田生命保険相互会社株式会社京都銀行国分グループ本社株式会社宝グループ社員持株会資産管理サービス信託銀行株式会社(証券投資信託口)日本アルコール販売株式会社(注) 所有株式数の千株未満は切り捨てております。

所有株式数(千株)

所有株式数の割合(%)氏名又は名称

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2

2018年3月期

3

高値安値

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3

2016年3月期

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2

2017年3月期

3

12.108.444.834.712.662.481.731.571.531.49

24,40317,0169,7389,5005,3705,0003,4893,1733,0953,000

タカラバイオグループ(バイオ事業)

宝酒造株式会社 1,000百万円 100.0% 酒類、調味料、原料用アルコールの製造・販売

(注)議決権の所有割合の括弧書きは間接所有割合議決権の所有割合会社名 所在地 資本金 主な事業内容

〒600-8688 京都府京都市下京区四条通烏丸東入長刀鉾町20

宝酒造インターナショナル株式会社 10百万円 100.0% グループ会社管理、酒類・調味料の輸出販売等〒600-8688 京都府京都市下京区四条通烏丸東入長刀鉾町20

タカラバイオ株式会社 14,965百万円 60.9%研究用試薬・理化学機器の開発・製造・販売、受託サービス、遺伝子治療薬の開発他、健康食品・キノコ事業

〒525-0058 滋賀県草津市野路東7-4-38

〒622-0313 京都府船井郡京丹波町保井谷三ツ枝38

〒891-4207 鹿児島県熊毛郡屋久島町小瀬田810-9

〒904-1201 沖縄県国頭郡金武町字金武9006

1290 Terra Bella Avenue, Mountain View, CA 94043, U.S.A.2, avenue du President Kennedy, 78100 St Germain en Laye, FranceArvid Wallgrens Backe 20, 41346, Göteborg, SwedenA-5 Mohan Co-op Industrial Estate, Mathura Road, New Delhi,110044, IndiaNo.19 Dongbei 2nd Street, Development Zone, Dalian, China 116600Life Science Park, 22 KeXueYuan Road Changping District, Beijing, China 102206Lotte New T Castle 601, 429-1, Gasan-dong, Gumchun-gu, Seoul, 153-803, Korea

10百万円

3百万円

5百万円

83千米ドル

891千ユーロ

2,222千SEK※

110百万ルピー

2,350百万円

1,330百万円

3,860百万ウォン

(49.0%)

(48.3%)

(49.0%)

(100.0%)

(100.0%)

(100.0%)

(51.0%)

(100.0%)

(100.0%)

(100.0%)

キノコの生産・販売

明日葉等の生産

キノコの生産・販売

研究用試薬・理化学機器の開発・販売

研究用試薬・理化学機器の販売

研究用試薬の製造・販売、受託サービス

研究用試薬の製造・販売

研究用試薬の開発・製造、受託サービス

研究用試薬・理化学機器の販売

研究用試薬・理化学機器の販売

瑞穂農林株式会社

株式会社きのこセンター金武

Takara Bio USA, Inc.(アメリカ)

Takara Bio Europe S.A.S.(フランス)

Takara Bio Europe AB(スウェーデン)

DSS Takara Bio India Pvt. Ltd.(インド)

宝生物工程(大連)有限公司(中国)

宝日医生物技術(北京)有限公司(中国)

Takara Korea Biomedical Inc.(韓国)

708 Addison St., Berkeley, CA 94710, U.S.A.

229 W.Main St., Frankfort, KY 40602, U.S.A.

431Crocker St. Los Angeles CA 90013, U.S.A.

Tomatin, Inverness-shire, IV13 7YT Scotland, U.K.

12 Innova Way, Enfield, Middlesex EN3 7FL, U.K.

4, impasse des Carrières 75016 Paris, France

Avenida Marconi nave 1 - P.A.E. Neysa Sur - 28021, Madrid, SpainQuinta do Olival das Minas Quinta do Duque No.26, 2625-573 Valonga, Prtugal

Unit 8/697 Gardeners Rd,Alexandria NSW 2015, Australia

No.31 Nanyuan West St. Fengtai District Beijing, China 100076

Room 103, Building 12, No.505, Zhong Shan Nan Road, Shanghai, China 200010

Level 8, Suite 8. 08, M Hotel, 81 Anson Road Singapore 079908

7,000千米ドル

250千米ドル

2,703千米ドル

3,297千ポンド

357千ポンド

250千ユーロ

143千ユーロ

15千ユーロ

17百万豪ドル

130,000千元

4,896千元

500千SGドル※

(100.0%)

(100.0%)

(64.2%)

(80.6%)

(100.0%)

(100.0%)

(100.0%)

(100.0%)

(51.0%)

(62.0%)

(100.0%)

(100.0%)

酒類の製造・販売、輸出および輸入販売

バーボンウイスキーの販売

酒類・食品・調味料等の輸入・卸売業

スコッチウイスキーの製造・販売

酒類・食品・調味料等の輸入・卸売業

酒類・食品・調味料等の輸入・卸売業

酒類・食品・調味料等の輸入・卸売業

酒類・食品・調味料等の輸入・卸売業

酒類・食品・調味料等の輸入・卸売業

酒類の製造・販売、輸出および輸入販売

酒類・食品の輸出および輸入販売

宝酒造製品の市場開発および販売促進

Takara Sake USA Inc.(アメリカ)

Age International, Inc.(アメリカ)

Mutual Trading Co., Inc.(アメリカ)

The Tomatin Distillery Co. Ltd(イギリス)

Tazaki Foods Ltd(イギリス)

FOODEX S.A.S.(フランス)

Cominport Distribución S.L.(スペイン)

Keta Foods, Lda(ポルトガル)

宝酒造食品有限公司(中国)(英文名:Takara Shuzo Foods Co., Ltd.)上海宝酒造貿易有限公司(中国)(英文名:Shanghai Takara ShuzoInternational Trading Co., Ltd.)

Takara Shuzo Asia Pacific Pte. Ltd.(シンガポール)

Nippon Food Supplies Company Pty Ltd(オーストラリア)

※ シンガポールドル

※ スウェーデンクローナ

有限会社タカラバイオファーミングセンター

〒604-8166 京都府京都市中京区三条通烏丸西入御倉町85-1

〒612-8338 京都府京都市伏見区舞台町1

〒600-8008 京都府京都市下京区四条通烏丸東入長刀鉾町20

〒600-8008 京都府京都市下京区四条通烏丸東入長刀鉾町20

〒610-0343 京都府京田辺市大住浜55-13

〒600-8008 京都府京都市下京区四条通烏丸東入長刀鉾町20

〒612-8081 京都府京都市伏見区新町5-487

〒107-0052 東京都港区赤坂3-2-12

90百万円

90百万円

30百万円

20百万円

50百万円

30百万円

10百万円

80百万円

100.0%

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健康食品の製品開発・販売

印刷業

不動産賃貸

マーケティングに関する調査、販促企画、人材派遣事業運送業、倉庫業、自動車整備業、損害保険代理業、旅行業等

容器卸売業

飼料販売

ワイン輸入販売

宝ヘルスケア株式会社

大平印刷株式会社

川東商事株式会社

株式会社トータルマネジメントビジネス

タカラ物流システム株式会社

タカラ容器株式会社

タカラ物産株式会社

株式会社ラック・コーポレーション

宝酒造(国内事業)

宝酒造インターナショナルグループ(海外事業)

その他(国内グループ会社)

5. 主要子会社データ(2018年7月31日現在)Section 6 財務・企業情報

6. 投資家情報(2018年3月31日現在)

55 56TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2018

Page 30: 2018...2014年 年 年 年 タカラバイオグループ 1988年 2011 年 スパークリング清酒「澪」 2014 年 遺伝子・細胞プロセッシングセンター あくなきチャレンジ精神で

京都市下京区四条通烏丸東入長刀鉾町20Phone: 075-241-5130

www.takara.co.jp

この印刷物は環境に配慮し、植物油インキ・水なしオフセット印刷で制作しています。この用紙費用の一部は『日本赤十字社』に寄付されています。

表紙について

「宝」の語源は「田から」にあります。宝グループの事業のルーツであるお米を用いて、日本の伝統的な庭園様式である「枯山水」を表現することで、自然との調和を大切にする当社の企業理念を伝えています。

2018