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第1学年1組 算数科学習指導案
平成22年2月1日(月)5校時
指導者 鯵 坂 真 由 美
1 単元名 おおきなかず
2 単元の目標
○ かずの表し方に関心をもち,数の数え方や表し方を工夫しようとする。
【関心・意欲・態度】
○ 既習の数の仕組みをもとに,100までの数の読み方や書き方を考え,数の仕組み
とその表現のよさに気づくことができる。 【数学的な考え方】
○ 100までの数を正しく数え,読んだり書いたりできる。 【表現・処理】
○ 100までの数の読み方,書き方,数の大小,順序,系列が分かる。【知識・理解】
3 単元について
(1) 単元の価値
児童は,「数」の領域についてこれまでに,「10までのかず」「10より大きい
かず」で,扱う数の範囲を段階的に拡張しながら,60未満の数の数え方,読み方,
書き方や,大小関係,系列,数構成についての学習を行っている。
そこで,本単元「おおきなかず」では,さらに扱う数の範囲を拡張し,120ま
での数について,作業的な算数的活動を通して,10をまとまりとして数えるよさ
や,2位数は10のまとまりの個数と端数の個数で表されるという,十進位取り記
数法についての理解をより一層深めさせることをねらいとしている。また,10が
10個で100,1が100個で100,100が1個で100など,100の相
対的な大きさについて考えさせたり,数直線を用いて数系列や数の大小について考
えさせたりすることで,基礎的な数概念を形成し,数についての感覚を豊かにして
いくことになる。
ここでの学習で身に付けた基礎的な数概念や感覚は,第2学年の「1000まで
の数」と「1000より大きい数」で段階的に数範囲が拡張されていく際に活用さ
れ,数概念をより一層深めるとともに,数についての感覚をさらに豊かにしていく
ものである。
(2) 系統
第 1 学年 第 2 学年
○ もりにいこう ○ 1000までの数
○ 10までのかず ○ 1000より大きい数
○ いくつといくつ
○ なんばんめ
○ 10よりおおきいかず
○ おおきなかず
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(3) 児童の実態
① 調 査 日 : 平成22年1月12日(火)
② 調査人数 : 25名
③ 調査方法 : 質問紙法
★既習内容についての意識調査
① 好き(19名)苦手( 6名)
② 好き(19名)苦手( 6名)
③ 好き(13名)苦手(12名)
④ 好き(18名)苦手( 7名)
⑤ 好き(16名)苦手( 9名)
⑥ 好き(22名)苦手( 3名)
⑦ 好き(19名)苦手( 6名)
⑧ 好き(25名)苦手( 0名)
⑨ 好き(17名)苦手( 8名)
⑩ 好き(19名)苦手( 6名)
⑪ 好き(24名)苦手( 1名)
⑫ 好き(17名)苦手( 8名)
⑬ 好き(23名)苦手( 2名)
⑭ 算数は 好き(19名) 嫌い(3名) どちらでもない(3名)
理由(記入した児童のみ)
○ 面白い,楽しい ○ 計算が楽しい
○ 形の勉強が楽しい ○ 計算が速くなったから
○ コツが分かってきた △ 数えるのが難しい
○ 100点が取れるから △ たし算が難しい
○ 数字を書くのが好き △ 計算が難しい
★既習内容(数の領域)についての実態調査
①正答(23名)誤答( 2名)
②正答(21名)誤答( 4名)
③正答(24名)誤答( 1名)
④正答(24名)誤答( 1名)
⑤正答(25名)誤答( 0名)
⑥正答(22名)誤答( 3名)
⑦正答(23名)誤答( 2名)
⑧正答(24名)誤答( 1名)
⑨正答(24名)誤答( 1名)
⑩正答(22名)誤答( 3名)
※うち無答2名
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⑪正答(23名)誤答( 2名) ⑫正答(23名)誤答( 2名)
⑬正答(18名)誤答( 7名) ⑭正答(19名)誤答( 6名)
⑮正答(22名)誤答( 3名) ⑯正答(22名)誤答( 3名)
⑰正答(23名)誤答( 2名) ⑱正答(24名)誤答( 1名)
⑲正答(24名)誤答( 1名) ⑳正答(23名)誤答( 2名)無答
21 正答(22名)誤答( 3名)うち無答 2 名 22 正答(23名)誤答( 2名)無答
意識調査の結果,本学級では算数の好きな児童が多く,問題が解けるようになったり,
計算が速くなったりすることで,意欲を持って取り組んでいるようである。しかし,領域
別の調査を見ると,算数が好きと答えた児童でも苦手と感じる分野があり,中でも本単元
と関係の深い③番「2位数の表し方を言葉で説明する」問題については,苦手としている
児童が最も多い。また,⑤,⑫番の,作問をしたり,文章からなに算になるかを判断する
問題についても苦手意識を感じている児童が多く,計算はできても文章を読んで理解する
ことが難しいのではないかと考える。
実態調査の結果では,ほとんどの児童がおおむね既習内容について理解しているものの,
やはり誤答の多い問題がある。①~③の数を数える問題では,17 名の児童が10ずつの
まとまりを囲んで答えているが,それでも数が多くなると数え間違いが見られる。
また,2 位数の構成については,④,⑤のように図で数を示してある問題はできても,⑥
~⑨のように文章で問われると理解が難しいといった結果が出ている。⑩の結果からも分
かるように,児童は既習の 60 までの数をほぼ確実に理解してはいるが,⑪~⑯のように,
2とび,5とびで考えることや,⑳~ 22 のように数の連続性を考える問題では若干のつ
まずきが見られる。これは,多くの数を数える機会が少ないといった,日頃の生活経験と
も大きく関連していると考えられる。
(4) 指導に当たって
本単元では,1 ずつ数えたり,2ずつ,5ずつ数えたりすることのよさをふまえつ
つ,後から見ても分かりやすく,数え間違いがないという点から,10 のまとまりを
作ることのよさに気づかせ,数え棒やブロックを用いたり,線で囲んだりする具体的
な操作活動を十分に取り入れていきたい。
また,2 位数の構成については,10 のまとまりの個数と,端数の個数の数え方をも
とにして構成されていることを理解できるようにし,数の大きさを考えるときに十を
単位にして考え,数の構成についての感覚を豊かにしていくことにもつなげたい。
さらに,100までの数の表を作る活動では,規則性を発見したり,数直線と関連
づけて,数直線上の数を読んだり,数に対応する点を見つけたりして,数の系列や大
小関係といった数概念の理解を深めさせたい。また,数は 100 を超えても続いており,
100よりも大きい数が存在することに気づかせ,その表し方もこれまでに学習した
ように1が10個で10,10が10個で100といった十進位取り記数法によって
構成されていることをしっかりと理解させていきたい。
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(5) 研究テーマおよび研究仮説との関連
○ 研究テーマ
算数科において,一人一人の児童に意欲を持たせ,基礎基本の定着を図る
学習指導のあり方
○ 仮説Ⅰ
児童の実態を的確に把握し,明瞭な課題を設定し,単元を見通した学習過程を
工夫すれば,児童の意欲も高まり,定着を図ることができるのではないか。
○ 仮説Ⅱ
個に応じ,個を生かした学習指導や学習形態を工夫することによって,児童一
人一人が意欲的に問題解決に取り組み,よく分かる学習が展開されるのではない
か。
今回の授業は,仮説Ⅰに基づいて構成した。半具体物の操作や,半具体物を数に置き換
える活動などを取り入れ,指示を明確に行うことで,児童が見通しを持って学習に臨める
ように努めたい。
4 観点別評価基準
関心・意欲・態度 ものの個数を数える活動を通して,数の数え方や表し方に関心を
持ち,工夫して数えたり,数を表そうとする。
数学的な考え方 100までの数表を見て,いろいろな数のきまりを見つけ,数の
仕組みとその表現のよさに気づくことができる。
表現・処理 100までの数を正しく数え,読んだり書いたりできる。
知識・理解 100までの数の読み方,書き方,数の大小,順序,系列が分か
る。
5 指導計画(全15時間)
小単元 時数 主な学習活動 単位時間の評価基準
○カードの上にブロックを置いて,それを集 関:工夫して数を数えたり
めて10のまとまりを作って数える。 表そうとする。
1 ○2位数の書き方を確認する。 考:10のまとまりを作っ
て数えればいいと考え
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ることができる。
○10のまとまりだけで,ばらがない場合の 知:空位の0について分か
書き方を知る。 る。
1 ○指示された数のブロックを並べる。 表:指示された数をブロッ
クを使って並べること
1 0 0 ができる。
までの ○写真や文で表された2位数の構成について 表:具体的に表された数を
かず 理解する。 読み,書くことができ
1 る。
表:抽象的に表現された数
を読んだり,書いたり
できる。
○ブロックをカードと同じように並べて数を 知:100の構成が分か
1 数える。 る。
○10が10個で100ということを知る。
(本時)○100より大きい数の読み方,書き方を知 知:100より大きい数の
る。 読み方や書き方が分か
る。
○100までの数の表を作り,その規則性を 考:0から100までの数
1 発見する。 表を見て,きまりを発
1 0 0 ○数表の一部を隠し,数を当てる。 見することができる。
より
大きい ○100までの数の大小,系列を理解し,数 知:数直線の約束が分か
かず 直線についての理解を深める。 る。
2 ○120までの数の順序,系列を理解する。 知:数の大小,序列,系列
が理解できる。
○すごろく遊びを通して,100までの数の 関:意欲的に取り組む。
1 理解を深める。(弾力的扱いとして)
たしざんと ○簡単な(2位数)± (1,2位数)の計 考:既習事項を元に,ブロ
ひきざん 算のしかたを理解する。 ックなどを操作しなが
3 ら計算のしかたを考え
ることができる。
ち か ら 1 ○既習事項の確かめをする
だめし
チ ャ レ ○日常生活の場面にはいろいろな数があるこ 関:生活から問題場面を見
ンジ とに気づき,調べようとする。 い出そうとする。
3 ○加法や減法の問題作りに取り組む。 考:条件を変えたり,問の
○練習問題をする。 部分を変えたりして,
問題を作ればよいと考
えることができる。
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7 本時(4/15)
1.目標
○ 10のまとまりを意識しながら,進んで数を数えようとする。
○ 100や100より大きい数を正しく数え,読んだり書いたりできる。
○ 100や100より大きい数の構成が分かる。
2.指導にあたって
児童は前時までに,99までの数について学習し,数を数えたり,2 位数の構成につ
いて確かめたりしている。本時では,その続きとして,新たに100という数について
知り,実際に数えたりブロックを並べたりする活動を通して,100という数について
の理解を深めていくことになる。また,数は連続しており,日常生活においては100
より大きい数についても触れる機会が多いことから,本時では100という数の構成だ
けでなく,100を超えた数についても,これまでの学習を生かして,読んだり,書い
たり,ブロックで表したりすることができるようにしていきたい。
「つかむ段階」では,前時の学習の振り返りとして,大きな数を数えるときは10ず
つのまとまりにして数えるとよいことを確認した上で,本時の学習課題へと導いていく。
「しらべる段階」では,「99から一つ増えるといくつになるか」という連続性を生
かしながら,100という数の存在に気づかせる。また,追加した切手を貼る,絵から
ブロックへ置き換えるという実際の操作活動を通して,一人一人が意欲的に活動しなが
ら数の量感を養い,「10が10個で100」ということを実感できるようにしたい。
さらに,これまでの学習を振り返りながら,100より大きい数の構成についても考
え,既習の内容を生かして100より大きい数も読んだり表したりできることに気づか
せたい。その際,黒板教具を操作することにより,理解が深まるようにしていきたい。
「まとめる段階」では,「10が10個で100」という本時の学習内容を再確認し,
次時からの学習に生かしていけるよう助言していく。
3.本時の実際
過程 主な学習活動 時間 教師の働きかけ
1 前時までの学習の確認をする。 ・ 大きな数を数えるときには,10ずつのまとまりをつくると
つか よいことを確認する。む 2 本時の学習課題を確認する。 5
ぜんぶでなんまいあるでしょうか。
3 切手の枚数を数える。 ・ 10のまとまりごとに数えられているか確認する。
・ 10ずつ並んでいるから数えやす
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いな。・ 99枚あったよ。
4 一枚増えると何枚になるか考える。 ・ 新たに切手を追加し,全部の枚数が何枚になったか考えさせ
・ 99の次は何かな。 る。・ 10が10こあつまったぞ。 ・ すぐに100と答えられる児
童もいると思われるが,数構成し の理解を確かなものにするため,ら ブロックに置き換えて考えさせべ 35 る。る 5 切手をブロックに置き換えて並べ, ・ ワークシートの上にブロック
100はどんな数か確認をする。 を並べさせ,正しく置き換えられるよう指導する。
・ 10のまとまりが10本並んだよ。 ・ 1が10こで10になったこ・ 10が10本集まって大きな箱に とを想起させ,10が10こでなったぞ。 100になることへと導く。
・ たくさんの数だなあ。 ・ 「10が10こで100」ということを確認する。
10が10こで百→100
6 ブロックを位ごとに並べ,数の表し ・ 黒板の教具を用いて,ブロッ方や読み方を考える。 クでの数の表し方を発表させ,
理解を深める。・ どのブロックをどの位においたら ・ これまでの学習を想起させ,いいかな。 百,十,一の位ごとに並べられ
・ 100の箱はどこに並ぶかな。 るように助言する。・ 「百の位」という名称につい
ては2年生で学習するため,用語としては取り扱わない。
・ 100を超える数についても取りあげ,これまでの内容を生かして位取りをすれば読んだり書いたりできることに気づかせる。
7 プリントの練習問題をする。 ・ 理解が確実でない児童を把握し,助言を行う。
ま 8 本時の学習内容についてまとめる。 ・ ワークシートに記入したものと 5 を読み,本時の学習内容の確認め 10が10こで百→100 をする。る
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2月1日 1年1組授業研究記録
研究授業 算数『おおきなかず』 指導者 鰺坂 真由美教諭
研究テーマ
算数科において,一人一人の児童に意欲を持たせ,基礎基本の定着を図る学習指導法の在り方
仮説Ⅰ
児童の実態を的確に把握し,明瞭な課題を設定し,単元を見通した学習過程を工夫すれば,
児童の意欲も高まり,定着を図ることができるのではないか。
仮説Ⅱ
個に応じ,個を生かした学習指導や学習形態を工夫することによって,児童一人一人が意
欲的に問題解決に取り組み,よく分かる授業が展開されるのではないか。
仮説Ⅰの検証に重点をおく授業構想
ア 児童の実態を的確に把握する
イ 明瞭な課題の設定
ウ 学習過程の工夫
エ 意欲の高まる操作活動の工夫
オ 明確な指示の与え方
授業の視点
意欲を高める操作活動の工夫
○ 実態の取り方と授業への生かし方
○ めあて(学習課題・学習問題)の表現方法と評価
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○ 操作活動(半具体物・具体物)と理解の度合い
↓
児童の算数科への興味・関心・意欲を高める
○ 授業者反省
・ 事前授業を他のクラスで2回実施した上での授業
・ 途中まで丁寧に進めすぎた。前半をもう少し早く進めることができたら,後半も余
裕をもって できたと思う。
・ 「10が10個で百」のところでの押さえを,子供たちの意見を取り上げながらまとめ
たらよか った。教師の方から言ってしまったが,子供たちは意欲を持って取り組んで
いた。
・ 最後にワークシートで練習問題をしたときに,百の位に100と書いて,書き直す子
が4名いた。 → 繰り返し指導で定着を図っていく。
○ 質疑応答
Q1: 前時の授業の様子や本時へのつながりは?
A1: 99までの学習。位取りを文章で説明してある内容。(10が□こと1が□こで□)
ブロック操作は,2学期から練習しスムーズにできた。
Q2: 前時の最後に本時の予告はしてあったか?子供たちは,100が出てきたことに
ついて「何 か違うぞ」という意識がどの程度できたと思うか?
A2: 100という数字や100を数えることには,子供たちに驚きはなかった。(ふだん
目にする機 会が多い)100のブロックのかたまりを目にしたとき,新しいものが
出てきたと思ったよう だ。
Q3: 学習課題が『全部で何枚あるでしょうか』だったが,本時の目標から考えると,
『100より 大きい数について考えよう』など他の学習課題があると,子供たちも
分かりやすかったので はないか。?
A3: 子供たちに学習課題と学習問題の区別が難しいのではと考え,学習問題だけに
した。
意見: 「99枚より1枚増えると何枚になるのかな」というめあてでもよかったのでは?
Q4: 事前授業を通して,他のクラスの子供たちからどのような反応があったか。ま
た,それを 本時にどのように生かしたか。
A4: 3組は切手を数える時,10のかたまりで数えることができず,横に数える子が
いた。99を 数えるのに時間を要した。
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2組は10ずつ数えることがスムーズにできた。位取り表にブロックを置いて数
字を書くと き,10の位の下に10,1の位の下に0で,100とした。百の位がある
ということが子供たちの 頭の中にはなかった。口では「百の位」と言っても,百
の位がどこにあるのか,どのように 位が移動するのかよく分かっていなかった。
Q5: 位取り表の下の□に数字を一つしか入れてはいけないことを,いつ教えていた
のか?
A5: 以前20などの時に十の位に20,1の位に0と書くと,20にならず200になるか
らおかしいと 教えていた。
意見: 十の部屋に10を10本並べたとき,「新しく部屋を作らなきゃ」と言った子がい
た。そのつぶ やきを拾い上げれば,スムーズに進んだかもしれない。
Q6: 100以上の数を数えるとき,109から110へ数える際,「200」と言った子がいた
が,今までそ のようなつまずきはなかったか?それを拾い上げてもおもしろかっ
たかも。
A6: 時間が無くて,丁寧にできなかった。109から110へのつながりは大切なので,
丁寧に扱っ ていきたい。
Q7: 100のブロックは以前線がなくて100というブロックだったのに,今は線で区切
られたブロ ックなので,子供たちは100のかたまりと認識しづらいのではないか。
教師が意識しながら指 導する必要がある。
A7: 算数セットに1枚100のシートがあるが,位取り表にはまらず,はみ出すこと
が子供たちは 気になるようだった。算数セットの位取り表は,大きすぎて使いに
くい。今回は必要な道具 だけ準備したが,事前授業では全部ブロックケースに入
っていたので,遊ぶ子が多かった。 必要な道具だけ机上に置くということも大切
だと感じた。
Q8: 指導内容を入れ替えてみて,良かったところは?
A8: 100までの数をカードに書いて並べるとき,並べるのに時間がかかった。「10が
10個で100」 だけ学習して,途中にカード並べなどが入るよりは,今回の指導内
容の方が分かりやすいと 思った。2組では100が数列の通過点であることを子供
たちが認識できてよかった。
意見: 位取り表の一の位の所をせまくしたり,これ以上入らないというようにしても
よかったの では
意見: 3年生のかけ算で10×10=20と書く子がいる。10が10個で100ということはと
ても大切だ。 お金だと分かりやすい面もあるようだ。(10円が10枚で百円)
Q9: 数字を漢字に直す学習をする機会はあるのか?例えば「108と書きなさい」と
言ったとき, 書くことができるか?
A9: 位取り表がないと,できないと思う。一年生では,ブロックの下に数字を書く
ことしか学 習していない。(100以上の数)
教科書には『10が10こで百』と書いてあり,なぜ漢字の百を使うのか違和感が
あった。(教 科書では音声がでないから,百と書いてあるのかな)大切なのは,
百の上に「ひゃく」と読 み方を書いて確認すること。
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意見: 最後のまとめのとき,「100はどんな数?」と聞いて,「99より1大きい数」「10
1より1小 さい数」など,いろいろな意見を出させてみると,理解が深まるかな
と思った。
Q10: お金で考えさせたら,理解も深まると思われるが?
A10: お金に置き換えると,1年生はあまりおかねになじみのある子が少ないので,
お金がもっ となじみ深いものになれば,お金に置き換えて考えさせてみたい。
Q11: 10この読み方は「じゅっこ」ではなく「じっこ」だと思うが,「じっこ」と言
うと,高学年 が笑ったことがあった。意識して,はっきり発音した方がいいのか?
A11: 国語の読み方では「じっこ」という読み仮名が出てくる。気をつけて言った方
がよい。
○ 成果と課題
・ 1年生において,具体物や半具体物を使い操作活動を取り入れることで,理解も深
まってくる ことが分かった。
・ 学年の系統を踏まえた指導の重要性を再認識することができた。
・ 学年に応じた学習課題・学習問題の提示法と表現の仕方に工夫することの必要性を
感じた。
新しい発見や疑問を持たせるような学習課題・学習問題を作成する。
・ 教材・教具の効果的な活用法を探る。理解を深めるための自作教材作り。
・ 指導内容の入れ替えをすることで,子どもの理解も深まった。指導計画への朱書き
で対応する。
・ 算数的活動の掘り起こしをさらに研究する。
・ 発表話型や発表の仕方の定着を図り,言語活動を豊かにする。
・ 個に応じたワークシートの作成
・ 自己評価,相互評価の方法と児童の評価能力を高める。
・ 児童のつぶやきを大切にし,授業に生かす工夫
・ 児童への支援法や声かけの仕方
○ 来年度の方向性
・ 係としては一つに絞りたい。今の学年の子供たちのことを考えて,どこをどのよう
に研究を進 めていけばよいかアンケートを取りたい。2月8日の研修時間に学年部で
検討し,方向性を探る。
・ CRTを実施して,時間内に解くことが厳しかったという声を聞いたが
移行措置関連の多い6年生の問題が多く,時間内に解けなかった子どもがいた。
○ 校長指導
・ 「授業中の十個の約束」をきちんと指導していくことが大切。
・ 事前授業を生かした授業で,より深い研修ができた。