2.7.3 臨床的有効性の概要...2.7.3 臨床的有効性の概要 32 (1)...

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2.7.3 臨床的有効性の概要 30 2.7.3 臨床的有効性の概要 2.7.3.1 背景及び概観 本項で評価した臨床試験の一覧を[表 2.7.3.11]に示した.国内では,尋常性乾癬患者及 び関節症性乾癬患者を対象とした検証的試験(試験番号:TA-650-15),継続投与試験(試験番 号:TA-650-16)及び本剤の使用が想定される全ての病型(尋常性乾癬,関節症性乾癬,乾癬 性紅皮症,膿胞性乾癬)の乾癬患者を対象とした長期投与試験(試験番号:TA-650-17)を実 施した.なお,海外臨床試験と比較するため,検証的試験と継続投与試験の結果は統合し検証・ 継続試験として評価した.海外では,尋常性乾癬患者を対象として SPIRIT 試験(試験番号: C0168T31), EXPRESS 試験(試験番号: C0168T38)及び EXPRESS II 試験(試験番号: C0168T44を実施し,関節症性乾癬患者を対象として IMPACT 試験(試験番号:P02114)及び IMPACT2 試験(試験番号:C0168T50)を実施した.なお,尋常性乾癬を対象とした医師主導試験[12]については,論文の情報のみであり十分な考察が困難であること,選択基準や主要評価 項目が他の試験と異なり比較することが困難なことから,本剤の有効性評価には使用しなかっ た. 2.7.3.11 実施した臨床試験の一覧 試験(試験番号) 試験デザイン 対象患者 主要評価項目 検証・継続試験 TA-650-15 TA-650-1622 週までは二 重盲検比較し, 以後非盲検験にて評価 PASI スコア 12 以上,局面型皮疹の病巣範囲が体表面積 BSA)の 10%以上の全身療法又は光線療法を必要とする 尋常性乾癬及び関節症性乾癬患者 また,上記の患者のうち,疼痛関節数 5 以上,腫脹関節数 5 以上, CRP 1.5mg/dL 以上又は朝のこわばり 45 分以上 の基準を満たした場合には ACR 基準評価を実施 10 週の PASI スコア 75% 改善率 副次的な評価項目として ACR 基準 20%改善率 PASI スコア 12 以上,局面型皮疹の病巣範囲が体表面積の 10%以上の全身療法又は光線療法を必要とする尋常性乾 癬患者 PASI スコア 75%改善率 DMARDs 又はステロイドで効果不十分な関節症性乾癬患 者で,疼痛関節数 5 以上,腫脹関節数 5 以上,CRP 1.5mg/dL 以上又は朝のこわばり 45 分以上の基準を満たす 患者 ACR 基準 20%改善率 乾癬性紅皮症患者 全般改善度 長期投与試験 TA-650-17非盲検非対照 試験 膿疱性乾癬患者 全般改善度 SPIRIT 試験 C0168T31二重盲検比較 試験 PASI スコア 12 以上,局面型皮疹の病巣範囲が BSA 10% 以上で,過去に PUVA 療法又はそれ以外の全身療法の経 験を有する尋常性乾癬患者(関節症性乾癬の合併可) 10 週の PASI スコア 75% 改善率 EXPRESS 試験 C0168T38二重盲検比較 試験 PASI スコア 12 以上,局面型皮疹の病巣範囲が BSA 10% 以上の全身療法又は光線療法を必要とする尋常性乾癬患 者(関節症性乾癬の合併可) 10 週の PASI スコア 75% 改善率 EXPRSSII 試験 C0168T44二重盲検比較 試験 PASI スコア 12 以上,局面型皮疹の病巣範囲が BSA 10% 以上の全身療法又は光線療法を必要とする尋常性乾癬患 者(関節症性乾癬の合併可) 10 週の PASI スコア 75% 改善率 IMPACT 試験 P02114二重盲検比較 試験 1 剤以上の DMARDs で効果不十分な関節症性乾癬患者で, 疼痛関節数 5 以上,腫脹関節数 5 以上,CRP 1.5mg/dL 以上又は朝のこわばり 45 分以上の基準を満たす患者 16 週の ACR 基準 20%善率 IMPACT2 試験 C0168T50二重盲検比較 試験 1 剤以上の DMARDs 又は NSAIDsで効果不十分な関節症 性乾癬患者で,疼痛関節数 5 以上,腫脹関節数 5 以上, CRP 1.5mg/dL 以上又は朝のこわばり 45 分以上の基準 を満たす患者 14 週の ACR 基準 20%善率及び 24 週の手足の X 線スコアの変化( vdH modified Sharp スコア)

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2.7.3 臨床的有効性の概要

30

2.7.3 臨床的有効性の概要

2.7.3.1 背景及び概観

本項で評価した臨床試験の一覧を[表 2.7.3.1―1]に示した.国内では,尋常性乾癬患者及

び関節症性乾癬患者を対象とした検証的試験(試験番号:TA-650-15),継続投与試験(試験番

号:TA-650-16)及び本剤の使用が想定される全ての病型(尋常性乾癬,関節症性乾癬,乾癬

性紅皮症,膿胞性乾癬)の乾癬患者を対象とした長期投与試験(試験番号:TA-650-17)を実

施した.なお,海外臨床試験と比較するため,検証的試験と継続投与試験の結果は統合し検証・

継続試験として評価した.海外では,尋常性乾癬患者を対象として SPIRIT試験(試験番号:

C0168T31),EXPRESS試験(試験番号:C0168T38)及び EXPRESS II試験(試験番号:C0168T44)

を実施し,関節症性乾癬患者を対象として IMPACT試験(試験番号:P02114)及び IMPACT2

試験(試験番号:C0168T50)を実施した.なお,尋常性乾癬を対象とした医師主導試験[1]

[2]については,論文の情報のみであり十分な考察が困難であること,選択基準や主要評価

項目が他の試験と異なり比較することが困難なことから,本剤の有効性評価には使用しなかっ

た.

表 2.7.3.1―1 実施した臨床試験の一覧

試験(試験番号) 試験デザイン 対象患者 主要評価項目 検証・継続試験 ( TA-650-15 ,TA-650-16)

22 週までは二重盲検比較し,

以後非盲検試

験にて評価

PASI スコア 12 以上,局面型皮疹の病巣範囲が体表面積(BSA)の 10%以上の全身療法又は光線療法を必要とする尋常性乾癬及び関節症性乾癬患者 また,上記の患者のうち,疼痛関節数 5以上,腫脹関節数5以上,CRP値 1.5mg/dL以上又は朝のこわばり 45分以上の基準を満たした場合には ACR基準評価を実施

10 週の PASIスコア 75%改善率 副次的な評価項目として

ACR基準 20%改善率

PASIスコア 12以上,局面型皮疹の病巣範囲が体表面積の10%以上の全身療法又は光線療法を必要とする尋常性乾癬患者

PASIスコア 75%改善率

DMARDs 又はステロイドで効果不十分な関節症性乾癬患者で,疼痛関節数 5 以上,腫脹関節数 5 以上,CRP 値1.5mg/dL以上又は朝のこわばり 45分以上の基準を満たす患者

ACR基準 20%改善率

乾癬性紅皮症患者 全般改善度

長期投与試験 (TA-650-17)

非盲検非対照

試験

膿疱性乾癬患者 全般改善度 SPIRIT試験 (C0168T31)

二重盲検比較

試験 PASIスコア 12以上,局面型皮疹の病巣範囲が BSAの 10%以上で,過去に PUVA 療法又はそれ以外の全身療法の経験を有する尋常性乾癬患者(関節症性乾癬の合併可)

10 週の PASIスコア 75%改善率

EXPRESS試験 (C0168T38)

二重盲検比較

試験 PASIスコア 12以上,局面型皮疹の病巣範囲が BSAの 10%以上の全身療法又は光線療法を必要とする尋常性乾癬患

者(関節症性乾癬の合併可)

10 週の PASIスコア 75%改善率

EXPRSSII試験 (C0168T44)

二重盲検比較

試験 PASIスコア 12以上,局面型皮疹の病巣範囲が BSAの 10%以上の全身療法又は光線療法を必要とする尋常性乾癬患

者(関節症性乾癬の合併可)

10 週の PASIスコア 75%改善率

IMPACT試験 (P02114)

二重盲検比較

試験 1剤以上のDMARDsで効果不十分な関節症性乾癬患者で,疼痛関節数 5以上,腫脹関節数 5以上,CRP値 1.5mg/dL以上又は朝のこわばり 45分以上の基準を満たす患者

16 週の ACR 基準 20%改善率

IMPACT2試験 (C0168T50)

二重盲検比較

試験 1剤以上の DMARDs又は NSAIDsで効果不十分な関節症性乾癬患者で,疼痛関節数 5 以上,腫脹関節数 5 以上,CRP 値 1.5mg/dL 以上又は朝のこわばり 45 分以上の基準を満たす患者

14 週の ACR 基準 20%改善率及び24週の手足のX線スコアの変化( vdH modified Sharpスコア)

2.7.3 臨床的有効性の概要

31

各試験で用いた有効性評価項目の一覧を[表 2.7.3.1―2]に示した.

表 2.7.3.1―2 有効性評価項目の一覧

項目 評価方法

PASIスコア PASIスコアは,局面型皮疹の程度及び病巣範囲を総合的に評価する標準化された指標で

ある[3].PASIスコアは,全身を頭部,体躯部,上肢,下肢の 4つのエリアに分け,そ

れぞれのエリアについて紅斑,浸潤,落屑(鱗屑)の皮膚所見,病巣範囲が評価されて

算出される値(0~72)である.

PGA PGAは局面型皮疹の全般的な重症度を評価する指標である.PGAは PASIスコアと同様

に紅斑,浸潤,落屑を評価するが,病巣範囲は考慮しない.スコアは 0(Cleared:なし),

1(Minimal:軽微),2(Mild:軽度),3(Moderate:中等度),4(Marked:高度),5(Severe:

極めて高度)の 6段階で評価される.

NAPSIスコア NAPSIスコアは爪乾癬の重症度を評価する指標である[4].NAPSIスコアは両手の最も

爪乾癬の状態が悪い爪(評価爪)を 4等分し,それぞれについて爪母乾癬及び爪床乾癬

の有無を評価し,算出されるスコア(0~8)である.

DLQI DLQIは皮膚疾患の QOLを評価する指標である[5].DLQIは 10項目の質問からなり,

それら 10項目は「症状と感情」,「日常生活機能」,「余暇」,「仕事や就業」,「人間関係」,

「治療」の 6 つの下位尺度で構成される.DLQI は各質問事項に対して被験者自身が評

価し,合計したスコア(0~30)である.

ACR基準評価 ACR 基準評価は関節リウマチ等で広く使用されている関節症状を評価する指標である

[6].ACR 基準評価は疼痛関節数,腫脹関節数,被験者による疼痛評価(VAS),被験

者による全般評価(VAS),医師による全般評価(VAS),被験者による日常生活の評価

(HAQ)[7],CRP値から算出される.

膿疱の程度

スコア

膿疱の程度スコアは,難治性皮膚疾患調査研究班の膿疱性乾癬の診断基準に用いられて

いるスコア[8]を用いた.膿疱の程度スコアは皮膚症状(紅斑,膿疱,膿海,粘膜疹)

についてそれぞれの程度を評価し,合計したスコア(0~8)である.

全般改善度 全般改善度は投与開始日からの各評価日の被験者の PASI スコアや乾癬所見の推移から

1:消失,2:改善,3:不変,4:悪化の 4段階で評価した.乾癬所見には,関節症性乾

癬の場合には関節症状,膿疱性乾癬の場合には膿疱症状も含めて評価した.

2.7.3 臨床的有効性の概要

32

(1) 検証的試験[添付資料:5.3.3.2.1]

尋常性乾癬患者及び関節症性乾癬患者を対象に,レミケード 5mg/kgの局面型皮疹に対する

有効性を検証するために,プラセボを対照とした二重盲検比較試験を実施した.対象は全身療

法又は光線療法を必要とする PASIスコア 12以上,局面型皮疹の病巣範囲が体表面積(BSA)

の 10%以上の乾癬患者(関節症状を有する患者を含む)とした.5mg/kg又はプラセボを 0週,

2週,6週に投与し,10週の PASIスコア 75%改善率を主要有効性評価項目として 14週まで評

価した.副次的有効性評価項目として,各評価時点の PASIスコア,PASIスコア 75%改善率,

PASIスコア 90%改善率,PGA,DLQI,NAPSIスコア,爪乾癬数,被験者による疼痛評価(VAS)

(関節症性乾癬患者のみ),ACR基準 20%改善率及び HAQスコア(ACR評価基準対象の関節

症性乾癬患者のみ)を評価した.有効性評価にあたり,乾癬に対する主な全身療法及び光線療

法は 4週間,外用療法は 2週間のWashoutを行い,試験期間中は併用禁止とした.目標症例数

は 45例(プラセボ群 15例,5mg/kg群 30例)とした.

(2) 継続投与試験[添付資料:5.3.3.2.8]

検証的試験の参加例の内,継続投与を希望した患者を対象に,長期投与時の安全性及びレミ

ケード 5mg/kg の有効性を検討するために,非盲検試験にて実施した.検証的試験において

5mg/kg群は,0週,8週,16週,24週,32週,40週,48週に 5mg/kgを継続投与した.なお,

検証的試験の盲検性を保つため 2週,4週はプラセボを投与した.検証的試験のプラセボ群は,

0週にプラセボを投与した後,2週,4週,8週,16週,24週,32週,40週,48週に 5mg/kg

を投与した.有効性は,各評価時点の PASIスコア,PASIスコア 50%改善率,PASIスコア 75%

改善率,PASIスコア 90%改善率,PGA,DLQI,NAPSIスコア,爪乾癬数,被験者による疼痛

評価(VAS)(関節症性乾癬患者のみ),ACR基準 20%改善率,ACR基準 50%改善率,ACR基

準 70%改善率及び HAQスコア(ACR評価基準対象の関節症性乾癬患者のみ)を評価した.

(3) 長期投与試験[添付資料:5.3.3.2.2]

非盲検非対照試験にて実施している長期投与試験では,尋常性乾癬,関節症性乾癬,膿疱性

乾癬,乾癬性紅皮症を対象として,レミケード 5mg/kgの長期投与時の有効性及び安全性を検

討した.対象は尋常性乾癬では,検証的試験と同様に全身療法又は光線療法を必要とする PASI

スコア 12以上,局面型皮疹の病巣範囲が BSAの 10%以上とし,関節症性乾癬では,DMARDs

又はステロイドで効果不十分で腫脹関節数及び疼痛関節数が 5以上,CRP値が 1.5mg/dL以上

又は朝のこわばりが 45分以上である患者とした.検証的試験では主な乾癬の治療薬をWashout

し併用禁止としたが,長期投与試験では,主な全身療法は切り替え,外用療法は併用可能とし

た.ただし,関節症性乾癬に対するステロイド及びMTXの併用は可能とした.用法・用量は

いずれの乾癬も 5mg/kgを 0,2,6週に投与し,以後 8週間隔投与とした.主要有効性評価は,

尋常性乾癬は,PASIスコア 75%改善率,関節症性乾癬は ACR基準 20%改善率,膿疱性乾癬及

び乾癬性紅皮症は,局面型皮疹と他の合併した乾癬症状を評価した全般改善度とした.また,

膿疱性乾癬は,膿疱の程度を難治性皮膚疾患調査研究班の膿疱性乾癬の診断基準に用いられて

2.7.3 臨床的有効性の概要

33

いるスコア[8]を用いて評価した.有効性評価期間は 50週とし,目標症例数は 60例とした.

(4) SPIRIT試験[添付資料:5.3.3.2.3]

尋常性乾癬患者を対象に,30 週までの局面型皮疹に対する有効性を検討するためにプラセ

ボ対照二重盲検比較試験を実施した.対象は PUVA 療法又はそれ以外の全身療法の治療経験

を有する PASIスコア 12以上,局面型皮疹の病巣範囲が BSAの 10%以上の尋常性乾癬患者(関

節症性乾癬の合併可)とし,レミケード 3mg/kg,5mg/kg 又はプラセボを 0 週,2 週,6 週に

投与後,更に 26週に PGAが 3以上の場合には再投与した.主要有効性評価項目は 10週の PASI

スコア 75%改善率とし,各評価時点の PASI スコア,PGA,DLQI を副次的に評価した.有効

性評価にあたり,乾癬に対する主な全身療法及び光線療法は 30 日間,外用療法は 2 週間

Washout し,試験期間中は併用禁止とした.有効性評価期間は 30 週で,目標症例数は 200 例

(プラセボ群 40例,3mg/kg群 80例,5mg/kg群 80例)として実施した.

(5) EXPRESS試験[添付資料:5.3.3.2.4]

尋常性乾癬患者を対象に,レミケード 5mg/kgの局面型皮疹に対する有効性を検証するため

に,プラセボ対照二重盲検比較試験を実施した.対象は全身療法又は光線療法を必要とする

PASIスコア 12以上,局面型皮疹の病巣範囲が BSAの 10%以上の尋常性乾癬患者(関節症性

乾癬の合併可)とした.0週,2週,6週,14週,22週にプラセボ又は 5mg/kgのいずれかを

投与した後,プラセボ群では,24週,26週,30週,38週,46週に 5mg/kgを投与し,5mg/kg

群には 30週,38週,46週に 5mg/kgを投与した.主要有効性評価項目は 10週の PASIスコア

75%改善率とし,副次的有効性評価項目として各評価時点の PASIスコア,PGA,DLQI,SF-36

[9],NAPSI スコアなどを評価した.有効性評価にあたり,乾癬に対する主な全身療法及び

光線療法は 30日間,外用療法は 2週間のWashoutを行い,試験期間中は併用禁止とした.有

効性評価期間は 50週で,目標症例数は 375例(プラセボ群 75例,5mg/kg群 300例)とした.

(6) EXPRESS II試験[添付資料:5.3.3.2.5]

尋常性乾癬患者を対象に,レミケード 3mg/kg,5mg/kgの局面型皮疹に対する有効性を検証

するために,プラセボ対照二重盲検比較試験を実施した.対象は全身療法又は光線療法を必要

とする PASIスコア 12以上,局面型皮疹の病巣範囲が BSAの 10%以上の尋常性乾癬患者(関

節症性乾癬の合併可)とした.3mg/kg,5mg/kg又はプラセボを 0週,2週,6週に投与し,14

週でレミケード群は 8週群(同一用量のレミケードを 8週間隔で 46週まで投与する群)と PRN

群(4週間隔で 46週までに PASIスコア改善率が 75%未満となった症例には同一用量のレミケ

ードを,PASIスコア 75%改善例はプラセボを投与する群)の各 2群に再割付けを行った.一

方,プラセボ群は 16週,18週,22週,30週,38週,46週に 5mg/kgを投与した.主要有効

性評価項目は 10 週の PASI スコア 75%改善率とし,副次的有効性評価項目として各評価時点

の PASI スコア,PGA,DLQI,SF-36 などを 50 週まで評価した.有効性評価にあたり,乾癬

に対する主な全身療法及び光線療法は 4週間,外用療法は 2週間のWashoutを行い,試験期間

2.7.3 臨床的有効性の概要

34

中は併用禁止とした.有効性評価期間は 50週で,目標症例数はプラセボ群 200例,3mg/kg群

300例,5mg/kg群 300例とした.

(7) IMPACT試験[添付資料:5.3.3.2.6]

関節症性乾癬患者を対象に,関節症状に対するレミケード 5mg/kgの有効性について検討す

るため,プラセボ対照二重盲検比較試験を実施した.対象は,腫脹関節数 5以上,疼痛関節数

5以上かつ ESR値 28mm/h以上,CRP値が 1.5mg/dL以上,朝のこわばりが 45分以上のいずれ

か 1つの基準を満たす関節症性乾癬患者とし,5mg/kgまたはプラセボを 0週,2週,6週,14

週に投与した.その後,プラセボ群は 16週,18週,22週,30週,38週,46週に 5mg/kgを

投与し,5mg/kg群は 16週,18週にプラセボを,22週,30週,38週,46週に 5mg/kgを投与

した.さらに,継続投与を希望した患者は,54週,62週,70週,78週,86週,94週に 5mg/kg

を投与した.有効性評価にあたり,治療薬剤のWashoutは設定せず,免疫抑制剤,ステロイド

(注射剤)及び光線療法のみ,試験期間中は併用禁止とした.主要有効性評価項目は 16週及

び 98週の ACR基準 20%改善率とし,副次的有効性評価項目として各評価時点の ACR基準改

善率,ACR基準の構成項目,PASIスコアなどを98週まで評価した.目標症例数は100例(5mg/kg

群 50例,プラセボ群 50例)とした.

(8) IMPACT2試験[添付資料:5.3.3.2.7]

関節症性乾癬患者を対象に,関節症状に対するレミケード 5mg/kgの有効性を検討するため,

プラセボ対照二重盲検比較試験を実施した.対象は,腫脹関節数 5以上,疼痛関節数 5以上か

つ CRP値が 1.5mg/dL以上,朝のこわばりが 45分以上のいずれか 1つの基準を満たす関節症

性乾癬患者とし,5mg/kg又はプラセボを 0週,2週,6週,14週,22週に投与した.その後,

プラセボ群は,24週,26週,30週,38週,46週に 5mg/kgを投与し,5mg/kg群は,24週,

26週にプラセボ,30,38,46週に 5mg/kgを投与した.プラセボ群,5mg/kg群のいずれも,

16週の腫脹関節数,疼痛関節数の改善率がいずれも 10%未満の患者については,Early escape

群に移行した.プラセボ群の Early escape群は,16,18,22,30,38,46週に 5mg/kgを投与

し,5mg/kg群は 16,18週にプラセボ,22,30,38,46週に 5mg/kgを投与した.また,5mg/kg

群(Early escape群含む)について,38週の腫脹関節数,疼痛関節数の合計の改善率が 20%未

満の患者は,38,46 週に 10mg/kg に増量した.有効性評価にあたり,乾癬に対する主な全身

療法(MTX を除く)及び光線療法(PUVA)は 4 週間,光線療法(UVB)及び外用療法は 2

週間Washoutを行い,試験期間中は併用禁止とした.主要有効性評価項目は 14週の ACR基準

20%改善率,24週の手足の X線スコア[van der Heijde modified Sharp (vdH-S) score]変化とし,

副次的有効性評価項目として各評価時点の ACR 基準改善率,ACR 基準の構成項目,PASI ス

コアなどを 54週まで評価した.目標症例数は 200例(5mg/kg群 100例,プラセボ群 100例)

とした.

2.7.3 臨床的有効性の概要

35

2.7.3.2 個々の試験結果の要約

(1) 検証・継続試験

投与例数の内訳は,プラセボ群 19例,5mg/kg群 35例であった.全 54例中,関節症性乾癬

患者はプラセボ群 7例,5mg/kg群 10例で,関節症性乾癬患者のうち ACR基準評価対象例は

プラセボ群 3例,5mg/kg群 3例であった.

主要有効性評価項目である投与開始 10週の PASIスコア 75%改善率は,プラセボ群で 0.0%,

5mg/kg群 68.6%であり,5mg/kg群ではプラセボ群に比べて有意に改善した.5mg/kg群の PASI

スコアは 2週から 10週にかけて低下しており,レミケードは皮膚症状を速やかに改善するこ

とが示唆された.10週の DLQI変化量においても 5mg/kg群はプラセボ群と比較して有意に改

善しており,レミケードは QOLを改善することが示唆された.同様に,関節症性乾癬患者を

対象とした被験者による疼痛評価や ACR 基準評価において 5mg/kg 群はプラセボ群よりも高

い改善率を示しており,関節症状に対するレミケードの有用性も示唆された.また,本剤

5mg/kgの継続投与により 5mg/kg群の PASIスコア 75%改善率は,16週から 62週は,62.5%~

81.3%で推移し,66週は 76.7%と改善を維持した.プラセボ→5mg/kg群においても,プラセボ

から 5mg/kgに切替えた後から速やかに改善し,5mg/kg群と同様にその改善を長期間に渡り維

持した.DLQIなどの他の有効性評価指標においても同様の傾向を示し,関節症性乾癬患者の

疼痛評価や ACR基準評価においても同様に長期に改善を維持した.

(2) 長期投与試験

投与例数の内訳は,尋常性乾癬 37例,関節症性乾癬 12例,膿疱性乾癬 7例,乾癬性紅皮症

8例であった.

主要有効性評価項目について,尋常性乾癬の PASI スコア 75%改善率は,10 週 72.2%,30

週 61.8%,50 週 53.6%であった.関節症性乾癬の ACR基準 20%改善率は,14週では 66.7%,

30週では 72.7%,46週では 80.0%であった.いずれも 10週或いは 14週で得られた効果は 50

週或いは 46週まで維持した.また,膿疱性乾癬,乾癬性紅皮症の全般改善度は共に 2週から

改善が認められた.消失或いは改善の割合は,それぞれ 10週で 85.7%,87.5%,30週で 66.7%,

87.5%,50週で 100.0%,87.5%であった.以上のように全ての病型において,レミケードによ

る改善と効果の維持が認められた.また,本治験ではWashoutを行っていないため,既存治療

にて効果不十分或いは副作用の問題からコントロール困難な症例であっても,本剤による治療

に切り替えた場合の有用性が併せて示唆された.

(3) SPIRIT試験

投与例数の内訳は,プラセボ群 51例,3mg/kg群の 98例,5mg/kg群 99例であった.

主要有効性評価項目である 10週の PASIスコア 75%改善率は,プラセボ群で 5.9%,3mg/kg

群で 71.7%,5mg/kg群で 87.9%であり,レミケード群ではプラセボ群に比べて有意に改善した.

14週の PASIスコア 75%改善率は 3mg/kg群で 60.6%,5mg/kg群で 88.0%であり,5mg/kg群で

2.7.3 臨床的有効性の概要

36

は 10週からの改善率の低下はなかったが,3mg/kg群では改善率が低下する傾向を示した.さ

らに,26週(最終投与から 20週後)では 3mg/kg群で 13.8%,5mg/kg群で 30.0%に低下した.

また,26週に導入時の同一用量を単回投与しても 10週に認められた改善効果は得られなかっ

た.以上のことから,本剤の継続投与の必要性が示唆された.

(4) EXPRESS試験

投与例数の内訳は,プラセボ群 77例, 5mg/kg群 298例であった.

主要有効性評価項目である 10週の PASIスコア 75%改善率は,プラセボ群 2.6%,5mg/kg群

80.4%であり,5mg/kg 群はプラセボ群と比較して有意な改善を示し,その効果は 50 週まで維

持することが示された.また,DLQI及び SF-36 による QOL評価において,本剤投与により

速やかに QOLが改善され,QOLの改善効果は皮膚病変の改善効果と同様な推移を示した.以

上のことから,5mg/kgを初回投与後,2週,6週に投与した後に 8週間隔で投与を継続するこ

とによって,その効果を維持できることが示唆された.

(5) EXPRESS II試験

835例が治験薬投与を受けた.14週での投与例数の内訳は,プラセボ群 207例,3mg/kg群

313 例,5mg/kg 群 314 例であった.14 週に 3mg/kg 群,5mg/kg 群はそれぞれ,8 週群,PRN

群(4週間隔で 46週までに PASIスコア改善率が 75%未満となった症例には同一用量のレミケ

ードを,PASIスコア 75%改善例はプラセボを投与する群)のいずれかに割付けられ,3mg/kg 8

週群 148例,3mg/kg PRN群 148例,5mg/kg 8週群 150例,5mg/kg PRN群 149例となった.ま

た,プラセボ群は 14週以降では 5mg/kgを 16,18,22週とそれ以降は 8週間隔で投与した.

主要有効性評価項目である 10週の PASIスコア 75%改善率は,プラセボ群で 1.9%,3mg/kg

群で 70.3%,5mg/kg群で 75.5%であり,レミケード群はプラセボ群に比べて有意に改善した.

また,DLQI及び SF-36による QOL評価において,本剤投与により速やかに QOLが改善され,

QOLの改善効果は皮膚病変の改善効果と同様な推移を示した.14週以降の維持療法の検討結

果,5mg/kgの 8週群が 50週まで最も効果を維持した.

(6) IMPACT試験

104例が治験薬投与を受けた.投与例数の内訳は,プラセボ群 52例,5mg/kg群 52例であっ

た.プラセボ群には 16週以降は全例に 5mg/kgを投与した.

主要有効性評価項目である16週のACR基準20%改善はプラセボ群で9.6%,5mg/kg群で65.4%

であり,5mg/kg群はプラセボ群に比べて有意に改善した.ACR基準20%改善は,初回投与2週

後よりプラセボ群に比べて有意に改善しており,速やかに改善効果が発現することが示唆され

た.ACR基準50%及び70%改善,ACR基準20%改善と同様な推移を示した.また,投与前のPASI

スコアが2.5以上である症例の16週のPASIスコア75%改善率は,プラセボ群で0.0%,5mg/kg群

で68.2%であり,5mg/kg群はプラセボ群と比べて有意に改善した.さらに,5mg/kg群の98週の

ACR基準20%改善は61.5%であり,レミケードを8週間隔で継続投与することで,2年間にわた

2.7.3 臨床的有効性の概要

37

り効果が維持された.

(7) IMPACT2試験

200例が治験薬投与を受けた.投与例数の内訳は,プラセボ群 98例,5mg/kg群 100例で,

残り 2例はプラセボ群に割り付けられたが,投与違反により 0週に 5mg/kgの投与を受けた.

Early escape群として評価された症例は,5mg/kg群 9例,プラセボ群 50例であった.10mg/kg

に増量した症例は,プラセボ群にはなく,5mg/kg群 15例であった.

主要有効性評価項目である 14週の ACR基準 20%改善はプラセボ群で 11.0%,5mg/kg群で

58.0%であり,5mg/kg群はプラセボ群に比べて有意に改善した.また,関節破壊の評価指標で

あるvdH modified Sharpスコアの変化量(平均値±SD)は,24週においてプラセボ群で0.82±2.62,

5mg/kg 群で-0.70±2.53 であり,5mg/kg 群はプラセボ群に対して有意に関節破壊の進展を抑制

した.さらに,投与前の BSAが 3%以上の症例における 14週の PASIスコア 75%改善率は,

プラセボ群で 2.3%,5mg/kg群で 63.9%であり,5mg/kg群はプラセボ群と比較して有意に改善

した.これらの関節症状及び皮膚症状に対する改善効果は,54週まで維持した.なお,5mg/kg

群のうち,38週に 10mg/kgへ増量した症例もあったが,多くの症例において 5mg/kgで本剤の

効果が維持されることが確認された.

2.7.3 臨床的有効性の概要

38

2.7.3.3 全試験を通しての結果の比較と解析

2.7.3.3.1 試験対象集団

検証・継続試験,長期投与試験の患者背景,基準値を[表 2.7.3.3―1~5]に示した.また,

海外臨床試験の患者背景,基準値は付録の[表 2.7.3.6―1~7]に示した.

(1) 局面型皮疹の有効性を主要評価とした試験の患者背景の比較

検証・継続試験,長期投与試験(尋常性乾癬),SPIRIT試験,EXPRESS試験,EXPRESS II

試験の患者背景の性別の分布,年齢に,大きな差は認められなかった.体重(中央値)は,検

証・継続試験は 69.0kg,長期投与試験(尋常性乾癬)は 62.0kgに対して,SPIRIT試験は 91.0kg,

EXPRESS試験は 86.0kg,EXPRESS II試験は 88.9kgと,国内臨床試験では海外臨床試験と比

較して体重は軽かった.局面型皮疹の罹病期間(中央値)は,検証・継続試験は 10.4 年,長

期投与試験(尋常性乾癬)は 20.0年,SPIRIT試験は 17.2年,EXPRESS試験は 17.3年,EXPRESS

II試験は 16.2年であり,検証・継続試験のみ他試験よりも短かった.検証・継続試験の PASI

スコア(中央値)は 29.9 であり, SPIRIT 試験の 18.9,EXPRESS 試験の 21.1,EXPRESS II

試験の 17.8 と比較して高かった.Washout を実施していない長期投与試験(尋常性乾癬)の

PASIスコアは 20.3であり,海外臨床試験のWashout後のスコアと同程度であった.また,局

面型皮疹の病巣範囲(中央値)についても検証・継続試験は 44.0%,長期投与試験(尋常性乾

癬)は 36.0%であり,SPIRIT試験の 27.0%,EXPRESS試験の 29.0%,EXPRESS II試験の 23.0%

と比較して高く,国内臨床試験における皮膚症状の疾患活動性は海外よりも高い傾向であった.

QOL の障害度については,検証・継続試験の DLQI(平均値±SD)は 11.9±6.8 で,SPIRIT 試

験は 12.9±7.1,EXPRESS試験は 12.5±7.1,EXPRESS II試験は 13.1±7.0であり,国内外で同程

度であった.Washout を実施していない長期投与試験(尋常性乾癬)の DLQI は 6.9±5.4 と他

試験と比べて低かった.治療歴については,国内臨床試験では全身療法としてシクロスポリン

の治療歴を有する患者の割合が最も多く,検証・継続試験 61.1%,長期投与試験(尋常性乾癬)

54.1%に対して,SPIRIT試験 27.3%,EXPRESS試験 30.4%,EXPRESS II試験 12.6%であり,

国内臨床試験は海外臨床試験と比べてシクロスポリンの治療歴を有する患者が多かった.一方,

海外臨床試験ではシクロスポリンよりも MTX の治療歴を有する患者が多く,SPIRIT 試験

53.4%,EXPRESS試験 42.6%,EXPRESS II試験 33.7%であり,全身療法の治療歴を有する患

者の割合は国内外の臨床試験で同程度であった.また,光線療法(UVB,PUVA)の治療歴を

有する患者の割合についても,国内外のいずれの臨床試験でも同程度であった.

(2) 乾癬に伴う関節症状を評価した試験における患者背景の比較

検証・継続試験(関節症性乾癬,ACR 基準評価対象例),長期投与試験(関節症性乾癬),

IMPACT 試験,IMPACT2 試験における性別の分布,年齢,関節症性乾癬の罹病期間は試験間

で大きな差は認めらなかった.体重(中央値)については,検証・継続試験の関節症性乾癬,

ACR基準評価対象例はそれぞれ 70.0kg,76.0kg,長期投与試験(関節症性乾癬)は 65.0kgで,

2.7.3 臨床的有効性の概要

39

IMPACT 試験や IMPACT2 試験と比較して 10kg 程度軽かった.関節症状の疾患活動性につい

ては,投与開始時の被験者による疼痛評価(VAS),HAQスコアは試験間で大きな差は認めら

れなかったが,CRP値(中央値)は長期投与試験(関節症性乾癬)2.6 mg/dLで,他の試験の

0.99~1.40 mg/dLと比較して高かった.また,PASIスコア(中央値)については,検証・継続

試験の関節症性乾癬,ACR基準評価対象例はそれぞれ 26.7,30.8,長期投与試験(関節症性乾

癬)は 20.7で,IMPACT試験のプラセボ群,レミケード群はそれぞれ 2.0,2.8,IMPACT2試

験は 6.6であり,国内臨床試験は海外臨床試験と比べて関節症性乾癬患者における皮膚症状の

重症度が高い傾向であった.併用薬について,長期投与試験のMTXの併用率は 16.7%であり,

IMPACT試験(プラセボ群,レミケード群はそれぞれ 65.4%,46.2%)及び IMPACT2試験(46.0%)

と比較して低かった.一方,長期投与試験のステロイド(経口剤)の併用率は 50%であり,

IMPACT試験(プラセボ群,レミケード群はそれぞれ 28.8%,17.3%)及び IMPACT2試験(12.5%)

と比較して高かった.

表 2.7.3.3―1 患者背景(検証・継続試験)

尋常性乾癬及び関節症性乾癬(全体) 関節症性乾癬

関節症性乾癬 (ACR評価対象例)

総症例数 54 17 6 性別 男 36 ( 66.7% ) 12 ( 70.6% ) 5 ( 83.3% ) 女 18 ( 33.3% ) 5 ( 29.4% ) 1 ( 16.7% ) 年齢(歳) 40未満 20 ( 37.0% ) 8 ( 47.1% ) 3 ( 50.0% ) 40~60未満 25 ( 46.3% ) 8 ( 47.1% ) 3 ( 50.0% ) 60以上 9 ( 16.7% ) 1 ( 5.9% ) 0 ( 0.0% ) 平均値±SD 45.6±12.7 41.8±11.3 42.0±9.1 中央値 44.0 42.0 40.5 [Q1 ,Q3] [ 36.0 ,55.0 ] [ 33.0 ,52.0 ] [ 33.0 ,52.0 ] 最小値~最大値 25.0 ~ 71.0 25.0 ~ 61.0 33.0 ~ 53.0 身長(cm) 160未満 13 ( 24.1% ) 2 ( 11.8% ) 0 ( 0.0% ) 160~170未満 19 ( 35.2% ) 6 ( 35.3% ) 3 ( 50.0% ) 170以上 22 ( 40.7% ) 9 ( 52.9% ) 3 ( 50.0% ) 平均値±SD 165.7±9.2 168.0±7.8 169.2±4.2 中央値 165.3 170.0 170.9 [Q1 ,Q3] [ 160.0 ,172.5 ] [ 163.0 ,172.0 ] [ 165.0 ,172.0 ] 最小値~最大値 144.2 ~ 181.2 151.9 ~ 180.5 163.0 ~ 173.3 体重(kg) 60未満 11 ( 20.4% ) 3 ( 17.6% ) 0 ( 0.0% ) 60~80未満 35 ( 64.8% ) 9 ( 52.9% ) 3 ( 50.0% ) 80以上 8 ( 14.8% ) 5 ( 29.4% ) 3 ( 50.0% ) 平均値±SD 68.9±11.9 71.0±14.0 75.3±9.6 中央値 69.0 70.0 76.0 [Q1 ,Q3] [ 60.0 ,75.0 ] [ 62.0 ,82.0 ] [ 69.0 ,84.0 ] 最小値~最大値 42.0 ~ 98.0 42.0 ~ 98.0 62.0 ~ 85.0 BMI(kg/m2) 25未満 29 ( 53.7% ) 11 ( 64.7% ) 3 ( 50.0% ) 25~30未満 18 ( 33.3% ) 3 ( 17.6% ) 1 ( 16.7% ) 30以上 7 ( 13.0% ) 3 ( 17.6% ) 2 ( 33.3% ) 平均値±SD 25.1±4.0 25.2±4.9 26.4±4.2 中央値 24.5 24.3 26.3 [Q1 ,Q3] [ 22.2 ,27.8 ] [ 22.9 ,28.2 ] [ 23.3 ,30.9 ] 最小値~最大値 17.6 ~ 37.3 17.6 ~ 37.3 21.0 ~ 30.9

2.7.3 臨床的有効性の概要

40

尋常性乾癬及び関節症性乾癬(全体) 関節症性乾癬

関節症性乾癬 (ACR評価対象例)

総症例数 54 17 6 局面型の皮疹の罹病期間(年) 5未満 6 ( 11.1% ) 1 ( 5.9% ) 0 ( 0.0% ) 5~10未満 18 ( 33.3% ) 6 ( 35.3% ) 1 ( 16.7% ) 10以上 30 ( 55.6% ) 10 ( 58.8% ) 5 ( 83.3% ) 平均値±SD 13.1±8.2 14.8±8.1 16.4±6.7 中央値 10.4 11.4 17.3 [Q1 ,Q3] [ 6.8 ,20.5 ] [ 8.3 ,22.3 ] [ 10.4 ,22.4 ] 最小値~最大値 0.7 ~ 31.3 3.3 ~ 29.9 7.6 ~ 23.4 関節症性乾癬の罹病期間(年) 5未満 - 6 ( 35.3% ) 1 ( 16.7% ) 5~10未満 - 6 ( 35.3% ) 3 ( 50.0% ) 10以上 - 5 ( 29.4% ) 2 ( 33.3% ) 平均値±SD - 8.8 ± 7.8 8.6 ± 5.2 中央値 - 8.5 8.0 [Q1 ,Q3] - [ 2.8 ,10.4 ] [ 5.1 ,10.4 ] 最小値~最大値 - 0.3 ~ 29.3 2.6 ~ 17.4

全身療法 無 3 ( 5.6% ) 0 ( 0.0% ) 0 ( 0.0% ) 有 51 ( 94.4% ) 17 (100.0% ) 6 (100.0% )

シクロスポリン 無 21 ( 38.9% ) 6 ( 35.3% ) 2 ( 33.3% ) 有 33 ( 61.1% ) 11 ( 64.7% ) 4 ( 66.7% ) エトレチナート 無 33 ( 61.1% ) 14 ( 82.4% ) 4 ( 66.7% ) 有 21 ( 38.9% ) 3 ( 17.6% ) 2 ( 33.3% )

無 40 ( 74.1% ) 15 ( 88.2% ) 4 ( 66.7% ) シクロスポリンかつ

エトレチナート 有 14 ( 25.9% ) 2 ( 11.8% ) 2 ( 33.3% ) 光線療法 無 18 ( 33.3% ) 8 ( 47.1% ) 5 ( 83.3% ) 有 36 ( 66.7% ) 9 ( 52.9% ) 1 ( 16.7% ) UVB 無 32 ( 59.3% ) 16 ( 94.1% ) 6 (100.0% )

有 22 ( 40.7% ) 1 ( 5.9% ) 0 ( 0.0% ) PUVA 無 35 ( 64.8% ) 9 ( 52.9% ) 5 ( 83.3% ) 有 19 ( 35.2% ) 8 ( 47.1% ) 1 ( 16.7% ) 局所療法 有 54 (100.0% ) 17 (100.0% ) 6 (100.0% ) ステロイド(外用剤) 無 2 ( 3.7% ) 1 ( 5.9% ) 0 ( 0.0% )

有 52 ( 96.3% ) 16 ( 94.1% ) 6 (100.0% ) 無 2 ( 3.7% ) 2 ( 11.8% ) 1 ( 16.7% )

乾 癬 に 対 す る 治 療 歴

活性型ビタミンD3誘導体(外用剤) 有 52 ( 96.3% ) 15 ( 88.2% ) 5 ( 83.3% )

2.7.3 臨床的有効性の概要

41

表 2.7.3.3―2 患者背景(長期投与試験)

原疾患 尋常性乾癬 関節症性乾癬 膿疱性乾癬 乾癬性紅皮症

全体

総症例数 37 12 7 8 64 男 25 (67.6%) 8 (66.7%) 2 (28.6%) 6 (75.0%) 41 (64.1%) 性別

女 12 (32.4%) 4 (33.3%) 5 (71.4%) 2 (25.0%) 23 (35.9%) 40未満 9 (24.3%) 6 (50.0%) 4 (57.1%) 4 (50.0%) 23 (35.9%)

40~60未満 18 (48.6%) 6 (50.0%) 2 (28.6%) 3 (37.5%) 29 (45.3%) 60以上 10 (27.0%) 0 (0.0%) 1 (14.3%) 1 (12.5%) 12 (18.8%) 平均値±SD 49.4±13.4 42.3±9.5 41.7±17.3 42.3±12.3 46.3±13.3 中央値 50.0 39.5 37.0 42.0 47.0

[Q1 ,Q3] [ 41.0 ,61.0 ] [ 34.0 ,52.0 ] [ 31.0 ,52.0 ] [ 32.0 ,47.5 ] [ 35.5 ,55.0 ]

年齢(歳) 最小値~最大値 21.0 ~ 72.0 31.0 ~ 57.0 20.0 ~ 74.0 29.0 ~ 66.0 20.0 ~ 74.0

160未満 10 (27.0%) 4 (33.3%) 3 (42.9%) 1 (12.5%) 18 (28.1%) 160~170未満 15 (40.5%) 4 (33.3%) 4 (57.1%) 3 (37.5%) 26 (40.6%)

170以上 12 (32.4%) 4 (33.3%) 0 (0.0%) 4 (50.0%) 20 (31.3%) 平均値±SD 164.8±9.7 166.0±8.4 160.0±6.4 168.2±8.9 164.9±9.1 中央値 164.5 167.6 162.9 170.9 166.4

[Q1 ,Q3] [ 159.7 ,173.0 ] [ 158.4 ,173.0 ] [ 153.8 ,166.3 ] [ 165.9 ,174.3 ] [ 158.4 ,173.0 ]

身長(cm) 最小値~最大値 137.8 ~ 181.2 150.3 ~ 179.0 150.0 ~ 166.5 148.3 ~ 175.5 137.8 ~ 181.2

60未満 14 (37.8%) 4 (33.3%) 4 (57.1%) 3 (37.5%) 25 (39.1%) 60~80未満 19 (51.4%) 6 (50.0%) 3 (42.9%) 2 (25.0%) 30 (46.9%)

80以上 4 (10.8%) 2 (16.7%) 0 (0.0%) 3 (37.5%) 9 (14.1%) 平均値±SD 64.5±14.6 66.2±15.3 58.9±9.5 71.3±19.1 65.1±14.9 中央値 62.0 65.0 56.0 69.0 64.5

[Q1 ,Q3] [ 55.0 ,72.0 ] [ 57.5 ,70.5 ] [ 50.0 ,69.0 ] [ 54.0 ,86.5 ] [ 55.0 ,72.0 ]

体重(kg) 最小値~最大値 39.0 ~ 98.0 44.0 ~ 101.0 49.0 ~ 70.0 49.0 ~ 102.0 39.0 ~ 102.0

25未満 25 (67.6%) 8 (66.7%) 4 (57.1%) 4 (50.0%) 41 (64.1%) 25~30未満 9 (24.3%) 3 (25.0%) 3 (42.9%) 2 (25.0%) 17 (26.6%)

30以上 3 (8.1%) 1 (8.3%) 0 (0.0%) 2 (25.0%) 6 (9.4%) 平均値±SD 23.7±4.4 23.9±4.2 22.9±3.2 25.0±5.6 23.8±4.3 中央値 23.2 24.0 21.8 23.7 23.4

[Q1 ,Q3] [ 20.5 ,26.3 ] [ 21.1 ,26.6 ] [ 20.2 ,25.3 ] [ 20.6 ,30.1 ] [ 20.5 ,26.5 ]

BMI(kg/m2) 最小値~最大値 15.0 ~ 33.8 17.5 ~ 31.5 18.8 ~ 27.8 18.2 ~ 33.1 15.0 ~ 33.8

5未満 2 (5.4%) 3 (25.0%) 2 (28.6%) 0 (0.0%) 7 (10.9%) 5~10未満 5 (13.5%) 5 (41.7%) 1 (14.3%) 3 (37.5%) 14 (21.9%)

10以上 30 (81.1%) 4 (33.3%) 4 (57.1%) 5 (62.5%) 43 (67.2%) 平均値±SD 19.7±9.8 9.4±8.7 13.2±10.5 11.1±5.5 16.0±10.1 中央値 20.0 5.8 11.0 10.9 14.5

[Q1 ,Q3] [ 11.8 ,26.4 ] [ 3.8 ,13.4 ] [ 1.8 ,23.3 ] [ 7.5 ,12.0 ] [ 7.5 ,24.5 ]

原疾患の罹病期間(年) 最小値~最大値 1.9 ~ 42.3 0.3 ~ 27.3 1.2 ~ 28.4 5.0 ~ 23.3 0.3 ~ 42.3

無 1 (2.7% ) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 1 (1.6%) 全身療法

有 36 (97.3% ) 12 (100.0%) 7 (100.0%) 8 (100.0%) 63 (98.4%) 無 17 (45.9% ) 3 ( 25.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 20 (31.3%)

シクロスポリン

有 20 (54.1%) 9 ( 75.0%) 7 (100.0%) 8 (100.0%) 44 (68.8%) 無 21 (56.8%) 4 (33.3%) 2 (28.6%) 3 (37.5%) 30 (46.9%) エトレチナート 有 16 (43.2%) 8 (66.7%) 5 (71.4%) 5 (62.5%) 34 (53.1%) 無 28 (75.7%) 7 (58.3%) 2 (28.6%) 3 (37.5%) 40 (62.5%) シクロスポリンかつ

エトレチナート 有 9 (24.3%) 5 (41.7%) 5 (71.4%) 5 (62.5%) 24 (37.5%) 無 11 (29.7%) 5 (41.7%) 2 (28.6%) 0 (0.0%) 18 (28.1%)

光線療法 有 26 (70.3%) 7 (58.3%) 5 (71.4%) 8 (100.0%) 46 (71.9%) 無 21 (56.8%) 8 (66.7%) 3 (42.9%) 7 (87.5%) 39 (60.9%)

UVB 有 16 (43.2%) 4 (33.3%) 4 (57.1%) 1 (12.5%) 25 (39.1%) 無 13 (35.1%) 9 (75.0%) 2 (28.6%) 0 (0.0%) 24 (37.5%)

PUVA 有 24 (64.9%) 3 (25.0%) 5 (71.4%) 8 (100.0%) 40 ( 62.5%)

局所療法 有 37 (100.0%) 12 (100.0%) 7 (100.0%) 8 (100.0%) 64 (100.0%) ステロイド(外用剤) 有 37 (100.0%) 12 (100.0%) 7 (100.0%) 8 (100.0%) 64 (100.0%)

活性型ビタミンD3誘導体(外用剤) 有 37 (100.0%) 12 (100.0%) 7 (100.0%) 8 (100.0%) 64 (100.0%)

2.7.3 臨床的有効性の概要

42

表 2.7.3.3―3 投与開始時の基準値(検証・継続試験) 尋常性乾癬及び関節症性乾癬(全体) 関節症性乾癬

関節症性乾癬

(ACR評価対象例)総症例数 54 17 6

局面型の皮疹の病巣範囲(%) 10~30未満 16 ( 29.6% ) 7 ( 41.2% ) 3 ( 50.0% ) 30~50未満 15 ( 27.8% ) 3 ( 17.6% ) 0 ( 0.0% ) 50~70未満 11 ( 20.4% ) 1 ( 5.9% ) 0 ( 0.0% ) 70以上 12 ( 22.2% ) 6 ( 35.3% ) 3 ( 50.0% ) 平均値±SD 47.2±23.5 45.7±28.0 49.4±33.4 中央値 44.0 37.0 48.0 [Q1 ,Q3] [ 26.0 ,66.0 ] [ 22.0 ,71.0 ] [ 23.0 ,77.0 ] 最小値~最大値 10.5 ~ 93.0 10.5 ~ 90.0 10.5 ~ 90.0 PASIスコア 12~20未満 9 ( 16.7% ) 4 ( 23.5% ) 1 ( 16.7% ) 20~30未満 18 ( 33.3% ) 6 ( 35.3% ) 2 ( 33.3% ) 30~40未満 12 ( 22.2% ) 3 ( 17.6% ) 1 ( 16.7% ) 40~72 15 ( 27.8% ) 4 ( 23.5% ) 2 ( 33.3% ) 平均値±SD 32.3±13.7 30.4±14.4 33.6±15.8 中央値 29.9 26.7 30.8 [Q1 ,Q3] [ 21.3 ,41.8 ] [ 21.3 ,34.8 ] [ 21.3 ,43.2 ] 最小値~最大値 13.2 ~ 72.0 13.8 ~ 62.4 16.8 ~ 59.9

Clerared 0 ( 0.0% ) 0 ( 0.0% ) 0 ( 0.0% ) Minimal 0 ( 0.0% ) 0 ( 0.0% ) 0 ( 0.0% )

Mild 3 ( 5.6% ) 2 ( 11.8% ) 0 ( 0.0% )

医師による皮膚病変の全般評価(PGA) Moderate 24 ( 44.4% ) 8 ( 47.1% ) 4 ( 66.7% ) Marked 23 ( 42.6% ) 5 ( 29.4% ) 1 ( 16.7% ) Severe 4 ( 7.4% ) 2 ( 11.8% ) 1 ( 16.7% ) DLQI 0~5 9 ( 16.7% ) 3 ( 17.6% ) 1 ( 16.7% ) 6~10 16 ( 29.6% ) 4 ( 23.5% ) 2 ( 33.3% ) 11~20 25 ( 46.3% ) 9 ( 52.9% ) 3 ( 50.0% ) 21~30 4 ( 7.4% ) 1 ( 5.9% ) 0 ( 0.0% ) 平均値±SD 11.9±6.8 12.4±6.9 10.0±6.3 中央値 11.0 15.0 9.5 [Q1 ,Q3] [ 6.0 ,17.0 ] [ 6.0 ,17.0 ] [ 6.0 ,17.0 ] 最小値~最大値 0.0 ~ 29.0 1.0 ~ 25.0 1.0 ~ 17.0 爪乾癬 無 11 ( 20.4% ) 2 ( 11.8% ) 1 ( 16.7% ) 有 43 ( 79.6% ) 15 ( 88.2% ) 5 ( 83.3% ) NAPSIスコア(爪乾癬が有りの症例のみ) 1~2 18 ( 41.9% ) 8 ( 53.3% ) 1 ( 20.0% ) 3~4 11 ( 25.6% ) 1 ( 6.7% ) 1 ( 20.0% ) 5~6 12 ( 27.9% ) 5 ( 33.3% ) 2 ( 40.0% ) 7~8 2 ( 4.7% ) 1 ( 6.7% ) 1 ( 20.0% ) 平均値±SD 3.7±1.9 3.7±2.2 5.0±2.4 中央値 3.0 2.0 6.0 [Q1 ,Q3] [ 2.0 ,5.0 ] [ 2.0 ,6.0 ] [ 3.0 ,6.0 ] 最小値~最大値 1.0 ~ 8.0 2.0 ~ 8.0 2.0 ~ 8.0 爪乾癬数(爪乾癬が有りの症例のみ) 1~4 10 ( 23.3% ) 3 ( 20.0% ) 1 ( 20.0% ) 5~6 5 ( 11.6% ) 2 ( 13.3% ) 0 ( 0.0% ) 7~8 9 ( 20.9% ) 5 ( 33.3% ) 2 ( 40.0% ) 9~10 19 ( 44.2% ) 5 ( 33.3% ) 2 ( 40.0% ) 平均値±SD 7.2±2.9 7.1±2.6 7.8±2.5 中央値 8.0 7.0 8.0 [Q1 ,Q3] [ 5.0 ,10.0 ] [ 5.0 ,10.0 ] [ 7.0 ,10.0 ] 最小値~最大値 1.0 ~ 10.0 3.0 ~ 10.0 4.0 ~ 10.0

2.7.3 臨床的有効性の概要

43

尋常性乾癬及び関節症性乾癬(全体) 関節症性乾癬

関節症性乾癬

(ACR評価対象例)総症例数 54 17 6

0.55未満 0.55~1.0未満1.0~1.5未満

1.5以上

10 ( 18.5 ) 9 ( 16.7 )

24 ( 44.4 ) 11 ( 20.4 )

1 ( 5.9 ) 5 ( 29.4 ) 9 ( 52.9 ) 2 ( 11.8 )

0 ( 0.0 ) 1 ( 16.7 ) 3 ( 50.0 ) 2 ( 33.3 )

TNFα(pg/mL)

平均値±SD 中央値

[Q1 ,Q3] 最小値~最大値

1.08±0.69 1.12

[0.86, 1.40] 0.00 ~ 3.44

1.09±0.43 1.09

[0.95, 1.19] 0.00 ~ 2.16

1.30±0.49 1.07

[1.02, 1.60] 0.88 ~ 2.16

CRP値(mg/dL) 0.5未満 23 ( 42.6% ) 6 ( 35.3% ) 2 ( 33.3% ) 0.5~1.5未満 13 ( 24.1% ) 3 ( 17.6% ) 2 ( 33.3% ) 1.5~3.0未満 7 ( 13.0% ) 3 ( 17.6% ) 1 ( 16.7% ) 3.0以上 11 ( 20.4% ) 5 ( 29.4% ) 1 ( 16.7% ) 平均値±SD 1.6±1.9 2.3±2.4 1.7±1.7 中央値 0.7 1.2 1.2 [Q1 ,Q3] [ 0.2 ,2.2 ] [ 0.4 ,3.4 ] [ 0.4 ,2.2 ] 最小値~最大値 0.0 ~ 8.4 0.0 ~ 8.4 0.4 ~ 5.0

2.7.3 臨床的有効性の概要

44

表 2.7.3.3―4 投与開始時の基準値(長期投与試験) 原疾患 尋常性乾癬 関節症性乾癬 膿疱性乾癬 乾癬性紅皮症

全体

総症例数 37 12 7 8 64 10未満 0 (0.0%) 4 (33.3%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 4 (6.3%)

10~30未満 10 (27.0%) 1 (8.3%) 1 (14.3%) 0 (0.0%) 12 (18.8%) 30~50未満 16 (43.2%) 3 (25.0%) 2 (28.6%) 0 (0.0%) 21 (32.8%) 50~70未満 6 (16.2%) 3 (25.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 9 (14.1%)

70以上 5 (13.5%) 1 (8.3%) 4 (57.1%) 8 (100.0%) 18 (28.1%) 平均値±SD 41.0±20.1 32.8±25.2 63.7±25.2 89.9±8.6 48.1±27.1 中央値 36.0 37.0 77.0 86.3 40.5

[Q1 ,Q3] [ 28.0 ,51.0 ] [ 7.3 ,53.0 ] [ 39.0 ,82.0 ] [ 83.5 ,100.0 ] [ 29.5 ,72.0 ]

皮疹の病巣範囲(%)

最小値~最大値 10.0 ~ 98.0 1.0 ~ 70.0 29.0 ~ 95.0 80.0 ~ 100.0 1.0 ~ 100.012未満 1 (2.7%) 5 (41.7%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 6 (9.4%)

12~20未満 17 (45.9%) 1 (8.3%) 1 (14.3%) 0 (0.0%) 19 (29.7%) 20~30未満 10 (27.0%) 3 (25.0%) 3 (42.9%) 2 (25.0%) 18 (28.1%) 30~40未満 6 (16.2%) 1 (8.3%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 7 (10.9%)

40~72 3 (8.1%) 2 (16.7%) 3 (42.9%) 6 (75.0%) 14 (21.9%) 平均値±SD 24.7±11.0 21.3±16.6 32.7±13.6 40.3±9.6 26.9±13.4 中央値 20.3 20.7 28.2 41.0 25.5

[Q1 ,Q3] [ 18.0 ,27.2 ] [ 7.0 ,29.9 ] [ 22.4 ,46.0 ] [ 34.3 ,44.0 ] [ 17.3 ,38.7 ]

PASIスコア

最小値~最大値 10.6 ~ 59.0 2.4 ~ 51.0 12.4 ~ 47.4 26.5 ~ 57.0 2.4 ~ 59.0 無 6 (16.2%) 0 (0.0%) 2 (28.6%) 0 (0.0%) 8 (12.5%) 爪乾癬

有 31 (83.8%) 12 (100.0%) 5 (71.4%) 8 (100.0%) 56 (87.5%) 1~2 9 (29.0%) 2 (16.7%) 0 (0.0%) 1 (12.5%) 12 (21.4%) 3~4 11 (35.5%) 6 (50.0%) 2 (40.0%) 2 (25.0%) 21 (37.5%) 5~6 10 (32.3%) 3 (25.0%) 2 (40.0%) 3 (37.5%) 18 (32.1%) 7~8 1 (3.2%) 1 (8.3%) 1 (20.0%) 2 (25.0%) 5 (8.9%)

平均値±SD 4.0±1.9 4.3±1.7 5.2±1.3 5.4±2.3 4.4±1.9 中央値 4.0 4.0 5.0 6.0 4.0

[Q1 ,Q3] [ 2.0 ,6.0 ] [ 3.5 ,5.5 ] [ 4.0 ,6.0 ] [ 4.0 ,7.0 ] [ 3.0 ,6.0 ]

NAPSIスコア(爪乾癬が有りの症例のみ)

最小値~最大値 1.0 ~ 8.0 2.0 ~ 8.0 4.0 ~ 7.0 1.0 ~ 8.0 1.0 ~ 8.0 1~4 6 (19.4%) 1 (8.3%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 7 (12.5%) 5~6 6 (19.4%) 1 (8.3%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 7 (12.5%) 7~8 2 (6.5%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 1 (12.5%) 3 (5.4%) 9~10 17 (54.8%) 10 (83.3%) 5 (100.0%) 7 (87.5%) 39 (69.6%)

平均値±SD 7.5±3.0 8.9±2.7 10.0±0.0 9.6±0.7 8.3±2.8 中央値 9.0 10.0 10.0 10.0 10.0

[Q1 ,Q3] [ 5.0 ,10.0 ] [ 10.0 ,10.0 ] [ 10.0 ,10.0 ] [ 9.5 ,10.0 ] [ 7.0 ,10.0 ]

爪乾癬数(爪乾癬が有り

の症例のみ)

最小値~最大値 1.0 ~ 10.0 1.0 ~ 10.0 10.0 ~ 10.0 8.0 ~ 10.0 1.0 ~ 10.0 0~5 19 (51.4%) 6 (50.0%) 1 (14.3%) 1 (12.5%) 27 (42.2%) 6~10 9 (24.3%) 3 (25.0%) 1 (14.3%) 3 (37.5%) 16 (25.0%) 11~20 8 (21.6%) 2 (16.7%) 5 (71.4%) 3 (37.5%) 18 (28.1%) 21~30 1 (2.7%) 1 (8.3%) 0 (0.0%) 1 (12.5%) 3 (4.7%) 平均値±SD 6.9±5.4 8.3 ±6.6 12.9±5.8 11.8±6.4 8.4±6.1 中央値 5.0 6.5 15.0 11.0 6.0

[Q1 ,Q3] [ 3.0 ,9.0 ] [ 3.5 ,11.5 ] [ 6.0 ,18.0 ] [ 6.5 ,15.0 ] [ 4.0 ,12.0 ]

DLQI

最小値~最大値 0.0 ~ 24.0 2.0 ~ 25.0 4.0 ~ 19.0 5.0 ~ 24.0 0.0 ~ 25.0 Mild(2) 6 (16.2%) - - - -

Moderate(3) 19 (51.4%) - - - - Marked(4) 9 (24.3%) - - - -

医師による皮膚病変の

全般評価(PGA) Severe(5) 3 (8.1%) - - - -

0~2 - - 1 (14.3%) - - 3~4 - - 5 (71.4%) - - 5~6 - - 1 (14.3%) - -

平均値±SD - - 3.4±1.0 - - 中央値 - - 3.0 - -

[Q1 ,Q3] - - [ 3.0 ,4.0 ] - -

膿疱の程度 最小値~最大値 - - 2.0 ~ 5.0 - -

2.7.3 臨床的有効性の概要

45

原疾患 尋常性乾癬 関節症性乾癬 膿疱性乾癬 乾癬性紅皮症

全体

総症例数 37 12 7 8 64 0.55未満 16 (43.2%) 0 (0.0%) 2 (28.6%) 1 (12.5%) 19 (29.7%)

0.55~1.0未満 4 (10.8%) 4 (33.3%) 1 (14.3%) 0 (0.0%) 9 (14.1%) 1.0~1.5未満 10 (27.0%) 3 (25.0%) 2 (28.6%) 3 (37.5%) 18 (28.1%)

1.5以上 7 (18.9%) 5 (41.7%) 2 (28.6%) 4 (50.0%) 18 (28.1%) 平均値±SD 0.88±1.19 1.32±0.47 1.01±0.75 1.47±0.83 1.05±1.01 中央値 0.92 1.28 1.20 1.45 1.09

[Q1 ,Q3] [ 0.00 ,1.27 ] [ 0.87 ,1.71 ] [ 0.00 ,1.57 ] [ 1.17 ,1.80 ] [ 0.00 ,1.56 ]

TNFα(pg/mL)

最小値~最大値 0.00 ~ 6.49 0.73 ~ 2.15 0.00 ~ 1.93 0.00 ~ 2.97 0.00 ~ 6.490.5未満 28 (75.7%) 2 (16.7%) 3 (42.9%) 4 (50.0%) 37 (57.8%)

0.5~1.5未満 6 (16.2%) 2 (16.7%) 2 (28.6%) 3 (37.5%) 13 (20.3%) 1.5~3.0未満 0 (0.0%) 3 (25.0%) 2 (28.6%) 1 (12.5%) 6 (9.4%)

3.0以上 3 (8.1%) 5 (41.7%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 8 (12.5%) 平均値±SD 0.6±1.5 3.0±2.4 0.9±0.9 0.6±0.6 1.1±1.8 中央値 0.2 2.6 0.7 0.4 0.3

[Q1 ,Q3] [ 0.1 ,0.3 ] [ 0.8 ,4.4 ] [ 0.3 ,1.6 ] [ 0.1 ,1.1 ] [ 0.1 ,1.1 ]

CRP値(mg/dL) 最小値~最大値 0.0 ~ 8.2 0.0 ~ 7.5 0.0 ~ 2.6 0.1 ~ 1.7 0.0 ~ 8.2

表 2.7.3.3―5 関節症性乾癬の投与開始時の基準値(検証・継続試験,長期投与試験) 長期投与試験 検証・継続試験

関節症性乾癬 ACR評価対象例 関節症性乾癬 総症例数 17 6 12

被験者による疼痛評価(VAS)(mm) 40未満 7 ( 41.2% ) 2 ( 33.3% ) 4 (33.3%) 40~60未満 3 ( 17.6% ) 1 ( 16.7% ) 0 ( 0.0% ) 60~80未満 5 ( 29.4% ) 3 ( 50.0% ) 6 (50.0%) 80以上 2 ( 11.8% ) 0 ( 0.0% ) 2 (16.7%) 平均値±SD 52.4±26.2 55.0±20.8 58.2±28.4 中央値 46.0 58.0 64.0 [Q1 ,Q3] [ 32.0 ,70.0 ] [ 37.0 ,70.0 ] [ 36.0 ,76.0 ] 最小値~最大値 11.0 ~ 100.0 28.0 ~ 79.0 6.0 ~ 98.0

疼痛関節数 5未満 5~10未満

- 0 ( 0.0% ) 2 ( 33.3% )

1 (8.3%) 3 (25.0%)

10~20未満 - 2 ( 33.3% ) 4 (33.3%) 20以上 - 2 ( 33.3% ) 4 (33.3%) 平均値±SD - 23.8±24.7 17.3±13.9 中央値 - 10.0 12.5 [Q1 ,Q3] - [ 7.0 ,53.0 ] [ 7.0 ,20.5 ] 最小値~最大値 - 5.0 ~ 58.0 4.0 ~ 45.0

腫脹関節数 5未満 5~10未満

- 0 ( 0.0% ) 3 ( 50.0% )

1 ( 8.3%) 6 (50.0%)

10~20未満 - 0 ( 0.0% ) 4 (33.3%) 20以上 - 3 ( 50.0% ) 1 ( 8.3%) 平均値±SD - 23.3±20.7 10.1±6.3 中央値 - 14.5 7.0 [Q1 ,Q3] - [ 7.0 ,44.0 ] [ 6.0 ,14.0 ] 最小値~最大値 - 6.0 ~ 54.0 4.0 ~ 25.0 被験者による日常生活動作の評価 (HAQスコア)

1未満 1~2未満

- 0 ( 0.0% ) 5 ( 83.3% )

3 (25.0%) 9 (75.0%)

2以上 - 1 ( 16.7% ) 0 ( 0.0% ) 平均値±SD - 1.5±0.4 1.115±0.351 中央値 - 1.5 1.125 [Q1 ,Q3] - [ 1.3 ,1.9 ] [ 0.938 ,1.313 ] 最小値~最大値 - 1.0 ~ 2.0 0.500 ~ 1.750

2.7.3 臨床的有効性の概要

46

2.7.3.3.2 全有効性試験の結果の比較検討

2.7.3.3.2.1 各試験の相違

(1)試験デザイン

尋常性乾癬患者を対象に局面型皮疹に対する有効性を評価した二重盲検比較試験の試験

デザインを[表 2.7.3.3―6]に示した.検証・継続試験,SPIRIT試験,EXPRESS試験,EXPRESS

II 試験のいずれの試験においても尋常性乾癬及び関節症性乾癬患者を対象とし,主な選択

基準は「PASIスコア 12以上,局面型皮疹の病巣範囲が体表面積の 10%以上」であった.

対象患者の乾癬の治療歴については,SPIRIT試験では「過去に PUVA療法又はそれ以外の

全身療法の経験を有する患者」と規定したが,それ以外の試験では過去の乾癬の治療歴を

規定せず,登録時に「全身療法又は光線療法を必要とする患者」を対象としており,試験

間で異なった.しかし,[2.7.3.3.1 試験対象集団]の患者背景で述べたように,全身療法,

光線療法の治療歴を有する患者の割合には試験間で大きな差はなかった.局面型皮疹に対

する主要有効性評価は,全ての試験で 10週の PASIスコア 75%改善率を用い,副次的な評

価として局面型皮疹を評価する別の指標であるPGAやQOL障害度を評価するためにDLQI

を用いた.なお,PGAについては,EXPRESS II試験以外ではスコアは 0(Cleared:消失)

~5(Severe:極めて高度)の 6段階で評価したが,EXPRESS II試験では 1(Clear)~6(Worse)

の 6 段階評価であり,評価方法が一部異なった.しかし,EXPRESS II 試験のスコア 1 は

Clear:100%消失,2は Excellent:75~99%消失,3は Good:50~74%消失を評価しており,

EXPRESS II 試験以外のスコアの 0(Cleared:消失),1(Minimal:ほぼ消失),2(Mild:

軽度)と同等な評価基準であるので,本剤の改善効果を比較検討する上では問題ないと考

えた.

また,有効性評価にあたり,全ての試験で乾癬に対する全身療法,光線療法と主な外用

剤はWashoutし,評価期間中もこれらは併用禁止であった.

以上のように,検証・継続試験,SPIRIT試験,EXPRESS試験,EXPRESS II試験の試験

間で,対象患者の疾患活動性の基準や有効性の評価方法は同様であり,試験デザインに大

きな差異は認められず,これらの試験間で本剤の有効性評価を比較検討することに問題な

いと考えた.

2.7.3 臨床的有効性の概要

47

表 2.7.3.3―6 局面型皮疹に対する有効性を評価した試験デザイン 試験(試験番号) 試験デザイン 主な選択基準 主要評価項目 検証・継続試験 ( TA-650-15 ,TA-650-16)

22 週まで二重盲検比較試験,

以後非盲検試

PASI スコア 12 以上,局面型皮疹の病巣範囲が体表面積(BSA)の 10%以上の全身療法又は光線療法を必要とする尋常性乾癬及び関節症性乾癬患者 また,上記の患者のうち,疼痛関節数 5以上,腫脹関節数5以上,CRP値 1.5mg/dL以上又は朝のこわばり 45分以上の基準を満たした場合には ACR基準評価を実施

10 週の PASIスコア 75%改善率 副次的な評価項目として

ACR基準 20%改善率

SPIRIT試験 (C0168T31)

二重盲検比較

試験 PASIスコア 12以上,局面型皮疹の病巣範囲が BSAの 10%以上で,過去に PUVA 療法又はそれ以外の全身療法の経験を有する尋常性乾癬患者(関節症性乾癬の合併可)

10 週の PASIスコア 75%改善率

EXPRESS試験 (C0168T38)

二重盲検比較

試験 PASIスコア 12以上,局面型皮疹の病巣範囲が BSAの 10%以上の全身療法又は光線療法を必要とする尋常性乾癬患

者(関節症性乾癬の合併可)

10 週の PASIスコア 75%改善率

EXPRSSII試験 (C0168T44)

二重盲検比較

試験 PASIスコア 12以上,局面型皮疹の病巣範囲が BSAの 10%以上の全身療法又は光線療法を必要とする尋常性乾癬患

者(関節症性乾癬の合併可)

10 週の PASIスコア 75%改善率

関節症性乾癬患者を対象に関節症状に対する有効性を評価した二重盲検比較試験の試験

デザインを[表 2.7.3.3―7]に示した.検証・継続試験は一定以上の局面型皮疹を有する患

者を対象としたが,そのうち関節症状が「疼痛関節数 5以上,腫脹関節数 5以上,CRP値

1.5mg/dL以上又は朝のこわばり 45分以上」である IMPACT試験,IMPACT2試験と同じ疾

患活動性を示す患者については ACR基準による評価を行った.対象患者の治療歴に関する

選択基準として,IMPACT試験と IMPACT2試験では,それぞれ「1剤以上の DMARDsで

効果不十分な患者」,「1剤以上の DMARDs又は NSAIDsで効果不十分な患者」と規定した

が,検証・継続試験では規定しておらず,試験間で異なった.しかし,[2.7.3.3.1 試験対象

集団]の患者背景で述べたように,IMPACT試験と IMPACT2試験の間ではMTXの併用率

は同程度であった.

主要有効性評価は,IMPACT試験では 16週の ACR基準 20%改善率とし,IMPACT2試験

では 14週の ACR基準 20%改善率及び 24週の vdH modified Sharpスコアの変化とした.検

証・継続試験においては副次的な評価として ACR 基準 20%改善率を用いた.また,有効

性評価にあたり,検証・継続試験では乾癬に対する全身療法,光線療法と主な外用剤を

Washout し,評価期間中も併用禁止とした.IMPACT2 試験では全身療法(MTX を除く),

光線療法と主な外用剤をWashoutし,評価期間中も併用禁止しとしたが,MTXは評価期間

中に用量一定の使用方法でのみ併用可能とした.IMPACT 試験では,治療薬剤の Washout

は設定せず,評価期間中は免疫抑制剤とステロイド(注射剤),光線療法を併用禁止とした

が,外用剤は併用可能とした.

以上のように,検証・継続試験,IMPACT試験,IMPACT2試験の間で,対象患者の基準

や主要有効性評価の評価時期,評価期間中の併用薬の規定が一部異なる.しかし,いずれ

の試験も登録時の疾患活動性の基準は同一であり,有効性評価に大きな影響を及ぼす薬

剤・療法については併用禁止もしくは用量一定とした使用基準を設けており,試験間で本

剤の有効性評価を比較検討する上で,大きな問題にはならないと考えた.また,主要有効

性評価の評価時期の差異については,各試験の評価時期の前後のデータ推移を含めて検討

2.7.3 臨床的有効性の概要

48

することで,これらの試験間で本剤の有効性を比較検討することは可能と考えた.

表 2.7.3.3―7 関節症状に対する有効性を評価した試験デザイン 試験(試験番号) 試験デザイン 主な選択基準 主要評価項目 検証・継続試験 ( TA-650-15 ,TA-650-16)

22 週まで二重盲検比較試験,

以後非盲検試

PASI スコア 12 以上,局面型皮疹の病巣範囲が体表面積(BSA)の 10%以上の全身療法又は光線療法を必要とする尋常性乾癬及び関節症性乾癬患者 また,上記の患者のうち,疼痛関節数 5以上,腫脹関節数5以上,CRP値 1.5mg/dL以上又は朝のこわばり 45分以上の基準を満たし場合には ACR基準評価を実施

10 週の PASIスコア 75%改善率 副次的な評価項目として

ACR基準 20%改善率

IMPACT試験 (P02114)

二重盲検比較

試験 1剤以上のDMARDsで効果不十分な関節症性乾癬患者で,疼痛関節数 5以上,腫脹関節数 5以上,CRP値 1.5mg/dL以上又は朝のこわばり 45分以上の基準を満たす患者

16 週の ACR 基準 20%改善率

IMPACT2試験 (C0168T50)

二重盲検比較

試験 1 剤以上の DMARDs 又は NSAIDs で効果不十分な関節症性乾癬患者で,疼痛関節数 5 以上,腫脹関節数 5 以上,CRP 値 1.5mg/dL 以上又は朝のこわばり 45 分以上の基準を満たす患者

14 週の ACR 基準 20%改善率及び24週の手足のX線スコアの変化( vdH modified Sharpスコア)

非盲検非対照試験にて実施した長期投与試験の試験デザインを[表 2.7.3.3―8]に示した.

長期投与試験では尋常性乾癬,関節症性乾癬,膿疱性乾癬,乾癬性紅皮症を対象とした.

尋常性乾癬患者の選択基準は[表 2.7.3.3―6]に示した検証・継続試験や海外臨床試験と同

じ基準で,関節症性乾癬患者の選択基準は[表 2.7.3.3―7]に示した IMPACT 試験や

IMPACT2試験と同様の基準を用いた.長期投与試験ではWashoutは設定せず,実施中の全

身療法は本剤への切り替え,外用剤は併用可能としたが,関節症性乾癬に対してはステロ

イド(経口剤)及び MTX の併用は可能とした.主要有効性評価項目は,尋常性乾癬では

PASIスコア 75%改善率,関節症性乾癬では ACR基準 20%改善率,膿疱性乾癬及び乾癬性

紅皮症は局面型皮疹と他の合併した乾癬症状を評価した全般改善度を用いた.膿疱性乾癬

においては,副次的な評価項目として膿疱の程度スコアを用いた.

以上のように,長期投与試験の尋常性乾癬及び関節症性乾癬は,検証・継続試験,海外

臨床試験と同様な対象基準や評価方法ではあるが,非盲検非対照試験であることや

Washoutを実施していない点が異なる.

表 2.7.3.3―8 長期投与試験の試験デザイン 試験(試験番号) 試験デザイン 主な選択基準 主要評価項目

PASI スコア 12 以上,局面型皮疹の病巣範囲が体表面積(BSA)の 10%以上の全身療法又は光線療法を必要とする尋常性乾癬患者

PASIスコア 75%改善率

疼痛関節数 5以上,腫脹関節数 5以上,CRP値 1.5mg/dL以上又は朝のこわばり 45 分以上の DMARDs 又はステロイドで効果不十分な関節症性乾癬患者

ACR基準 20%改善率

乾癬性紅皮症患者 全般改善度

長期投与試験 (TA-650-17)

非盲検非対照

試験

膿疱性乾癬患者 全般改善度

2.7.3 臨床的有効性の概要

49

(2)用法・用量

各試験の投与スケジュールを[表 2.7.3.3―9]に示した.いずれの試験も 0,2,6週にレ

ミケード又はプラセボを投与した.14週以降は,SPIRIT試験では 26週に PGAが 3以上の

場合には同一用量を再投与し,それ以外の試験では 8週間隔で投与した.EXPRESS II試験

では 14週にレミケード群を 8週群と PRN群(4週間隔で 46週までに PASIスコア改善率

が 75%未満となった症例には同一用量のレミケードを,PASIスコア 75%改善例はプラセボ

を投与する群)の 2群に再割付けを行った.なお,SPIRIT試験以外のプラセボ群は,いず

れの試験においても 10週以降でレミケード 5mg/kgを投与した.

表 2.7.3.3―9 投与スケジュール

試験 (試験番号)

用法・用量 有効性 評価期間

検証・継続試験 ( TA-650-15 ,TA-650-16)

<5mg/kg群>:5mg/kgを 0,2,6週に投与し,以後 8週間隔投与.なお,上記以外に盲検性確保のために 16,18週にプラセボ投与. <プラセボ→5mg/kg 群>:プラセボを 0,2,6,14 週に投与.16,18,22 週にレミケード 5mg/kgにスイッチし,以後 8週間隔で 62週まで 5mg/kg投与.

66週

長期投与試験 (TA-650-17)

5mg/kgを 0,2,6週に投与し,以後 8週間隔で投与 50週

SPIRIT試験 (C0168T31)

<3mg/kg群>:3mg/kgを 0,2,6週に投与し,PGA3以上の場合には 26週に再投与 <5mg/kg群>:5mg/kgを 0,2,6週に投与し,PGA3以上の場合には 26週に再投与 <プラセボ群>:プラセボを 0,2,6週に投与し,PGA3以上の場合には 26週に再投与

30週

EXPRESS試験 (C0168T38)

<5mg/kg 群>:5mg/kg を 0,2,6 週に投与し,以後 8 週間隔で投与.なお,上記投与以外に,盲検性確保のために 24,26週にプラセボ投与. <プラセボ群>:プラセボを 0,2,6,14,22 週に投与し,24,26,30 週にレミケード5mg/kg投与にスイッチし,以降 8週間隔で 46週まで 5mg/kg投与.

50週

EXPRSSII試験 (C0168T44)

3mg/kg群:3mg/kgを 0,2,6週に投与する. <14~46週> 3mg/kg PRN群:4週毎の評価週で,規定に従い 3mg/kg又はプラセボを投与. 3mg/kg 8週群:3mg/kgを 8週間隔投与.

5mg/kg群:5mg/kgを 0,2,6週に投与する. <14~46週> 5mg/kg PRN群:4週毎の評価週で,規定に従い 5mg/kg又はプラセボを投与. 5mg/kg 8週群:5mg/kgを 8週間隔投与.

プラセボ群:プラセボを 0,2,6,14週に投与.16,18,22週は 5mg/kgを投与し,以降 8週間隔投与. <PRN群の投与規定> PASIスコアが 75%に満たない場合はレミケードを投与し,PASIスコアが 75%以上の場合はプラセボの投与を行う.

50週

IMPACT試験 (P02114)

<プラセボ群>:プラセボを 0,2,6,14週に投与し,5mg/kgを 16,18,22,30,38,46週に投与 <5mg/kg群>:5mg/kgを 0,2,6,14,22,30,38,46週に投与.16,18週にプラセボ投与 【継続投与(2年)】5mg/kgを 54,62,70,78,86,94週に投与

98週

IMPACT2試験 (C0168T50)

<プラセボ群>:プラセボを 0,2,6,14,22週に投与し,24,26,30週に 5mg/kg投与にスイッチし,以降 8週間隔で 46週まで 5mg/kgを投与.

<5mg/kg群>:5mg/kgを 0,2,6週に投与し,以降 8週間隔で 46週まで投与.24,26週にはプラセボを投与.

【Early Escape】(16週) 疼痛及び腫脹関節数の改善率がいずれも 10%未満の場合に Early Escape群に移行. 【増量】(38週) 5mg/kg 群で腫脹及び疼痛関節数の合計の改善率が 20%未満の場合,38 週及び 46 週に10mg/kgを投与

54週

2.7.3 臨床的有効性の概要

50

2.7.3.3.2.2 局面型皮疹の改善

(1) PASIスコアの改善

検証・継続試験,SPIRIT試験,EXPRESS試験,EXPRESS II試験では,中等度から重度の

尋常性乾癬(関節症性乾癬を含む)に対し,レミケード 3mg/kg,5mg/kg又はプラセボを投与

した.局面型皮疹に対する有効性は,いずれの試験も PASI スコア[3]を用いて評価し,0,

2,6 週の 3 回投与後の 10 週の PASI スコア 75%改善率を主要評価項目とした.10 週の PASI

スコア改善率を[表 2.7.3.3―10]に示した.

検証・継続試験の 10週の PASIスコア 75%改善率は,プラセボ群の 0.0%(0/19)に対して,

5mg/kg群は 68.6%(24/35)であり,統計学的に有意に高い改善を示した(投与群と 0週の PASI

スコアを説明変数とした exactな logistic回帰,p<0.001).

海外臨床試験における 5mg/kg群の 10週の PASIスコア 75%改善率は SPIRIT試験では 87.9%

(87/99),EXPRESS試験では 80.4%(242/301),EXPRESS II試験では 75.5%(237/314)を認

め,いずれの試験も同様にプラセボに対して有意に高い改善を認めた.また,SPIRIT 試験,

EXPRESS II試験で検討された 3mg/kg群も同様に 10週の PASIスコア 75%改善率においてプ

ラセボに対して有意に高い改善が認められ,レミケード群はいずれの用量においても 10週の

PASIスコア 75%改善率で高い改善を示した.

同様に PASI スコア 90%改善率においても 10 週でプラセボ群に対して有意に高い改善が認

められており,その改善率は,5mg/kg 群で検証・継続試験が 54.3%(19/35),SPIRIT 試験が

57.6%(57/99),EXPRESS試験が 57.1%(172/301),EXPRESS II試験が 45.2%(142/314)であ

り,いずれの試験も同程度であった.

以上の結果から,レミケード群はいずれの試験においても 10週で局面型皮疹に対する高い

有効性を認め,主要有効性評価の結果はいずれの試験も同様であることが示唆された.

2.7.3 臨床的有効性の概要

51

表 2.7.3.3―10 10週の PASIスコア改善率(検証・継続試験,海外臨床試験) プラセボ 3mg/kg p値 5mg/kg p値

検証・継続試験 症例数 19 - 35 90%改善率 0 (0.0%) - - 19 (54.3%) <0.001 75%改善率 0 (0.0%) - - 24 (68.6%) <0.001 50%改善率 2 (10.5%) - - 29 (82.9%) <0.001 中央値 11.4 - 90.4

SPIRIT試験 症例数 51 99 99 90%改善率 1 (2.0%) 45 (45.5%) <0.001 57 (57.6%) <0.001 75%改善率 3 (5.9%) 71 (71.7%) <0.001 87 (87.9%) <0.001 50%改善率 11 (21.6%) 83 (83.8%) <0.001 96 (97.0%) <0.001 中央値 14.9 87.8 93.3

EXPRESS試験 症例数 77 - 301 90%改善率 1 (1.3%) - - 172 (57.1%) <0.001 75%改善率 2 (2.6%) - - 242 (80.4%) <0.001 50%改善率 6 (7.8%) - - 274 (91.0%) - 中央値 0.0 - 92.1

EXPRESS II試験 総症例数 208 313 314 90%改善率 1 (0.5%) 116 (37.1%) <0.001 142 (45.2%) <0.001 75%改善率 4 (1.9%) 220 (70.3%) <0.001 237 (75.5%) <0.001 50%改善率 17 (8.2%) 270 (86.3%) - 291 (92.7%) - 中央値 4.1 84.8 88.4

海外全試験 総症例数 336 412 714 Combined studies 90%改善率 3 (0.9%) 161 (39.1%) - 371 (52.0%) -

75%改善率 9 (2.7%) 291 (70.6%) - 566 (79.3%) - 50%改善率 34 (10.1%) 353 (85.7%) - 661 (92.6%) -

各試験における 2週及び 6週の PASIスコア 90%,75%,50%改善率,PASIスコア改善率の

中央値を[表 2.7.3.3―11]に示した.検証・継続試験の 5mg/kg群は,PASIスコア 75%改善率

において 6週からプラセボ群に対して有意に高い改善を示した(投与群と 0週の PASIスコア

を説明変数とした exact な logistic 回帰,p<0.001).海外臨床試験の 5mg/kg 群の PASI スコア

75%改善率は,SPIRIT試験では 4週でプラセボ 0.0%(0/51)に対して 47.4%(45/95)で有意

に高い改善率となった(χ2検定,p<0.001).同様に,5mg/kg群は EXPRESS試験では 6週(χ2

検定,p<0.001),EXPRESS II試験では 2週(施設(地域)を層別とした Cochran-Mantel-Haenszel

の χ2検定,p=0.001)よりプラセボ群に対して有意に高い改善を示した.以上より本剤の局面

型皮疹への有効性は,1回又は 2回投与後より速やかに得られることが示された.

2.7.3 臨床的有効性の概要

52

表 2.7.3.3―11 2,6週の PASIスコア改善率(検証・継続試験,海外臨床試験) プラセボ 3mg/kg 5mg/kg

検証・継続試験 総症例数 19 - 35 2週 評価例数 19 - 34

90%改善率 0 (0.0%) - 0 (0.0%) 75%改善率 0 (0.0%) - 1 (2.9%) 50%改善率 0 (0.0%) - 6 (17.6%) 中央値 6.1 - 32.6

6週 評価例数 17 - 34 90%改善率 0 (0.0%) - 6 (17.6%) 75%改善率 0 (0.0%) - 16 (47.1%) 50%改善率 1 (5.9%) - 26 (76.5%) 中央値 10.7 - 71.5

SPIRIT試験 総症例数 51 99 99 2週 評価例数 50 98 98

90%改善率 0 (0.0%) 0 (0.0%) 1 (1.0%) 75%改善率 0 (0.0%) 3 (3.1%) 7 (7.1%) 50%改善率 2 (4.0%) 33 (33.7%) 39 (39.8%) 中央値 5.6 39.8 45.4

6週 評価例数 49 96 97 90%改善率 0 (0.0%) 18 (18.8%) 35 (36.1%) 75%改善率 0 (0.0%) 56 (58.3%) 68 (70.1%) 50%改善率 7 (14.3%) 78 (81.3%) 91 (93.8%) 中央値 18.8 78.3 84.3

EXPRESS試験 総症例数 77 - 301 2週 評価例数 77 - 298

90%改善率 0 (0.0%) - 3 (1.0%) 75%改善率 0 (0.0%) - 16 (5.4%) 50%改善率 3 (3.9%) - 106 (35.6%) 中央値 2.3 - 43.0

6週 評価例数 77 - 295 90%改善率 1 (1.3%) - 94 (31.9%) 75%改善率 4 (5.2%) - 184 (62.4%) 50%改善率 6 (7.8%) - 264 (89.5%) 中央値 3.4 - 82.0

EXPRESS II試験 総症例数 208 313 314 2週 評価例数 207 312 314

90%改善率 0 (0.0%) 2 (0.6%) 1 (0.3%) 75%改善率 0 (0.0%) 27 (8.7%) 15 (4.8%) 50%改善率 6 (2.9%) 104 (33.3%) 111 (35.4%) 中央値 1.3 39.2 41.2

6週 評価例数 202 312 312 90%改善率 0 (0.0%) 65 (20.8%) 85 (27.2%) 75%改善率 5 (2.5%) 151 (48.4%) 176 (56.4%) 50%改善率 11 (5.4%) 244 (78.2%) 274 (87.8%) 中央値 4.7 73.8 79.0

海外臨床試験 総症例数 336 412 714 2週 評価例数 334 410 710

90%改善率 0 (0.0%) 2 (0.5%) 5 (0.7%) 75%改善率 0 (0.0%) 30 (7.3%) 38 (5.4%) 50%改善率 11 (3.3%) 137 (33.4%) 256 (36.1%)

6週 評価例数 328 408 704 90%改善率 1 (0.3%) 83 (20.3%) 214 (30.4%) 75%改善率 9 (2.7%) 207 (50.7%) 428 (60.8%) 50%改善率 24 (7.3%) 322 (78.9%) 629 (89.3%)

2.7.3 臨床的有効性の概要

53

検証・継続試験では,有効性評価における全身療法,光線療法及び局所療法のWashoutによ

る影響を検討した.PASIスコア(中央値)は前治療併用中のWashout前では 5mg/kg群が 18.8,

プラセボ群が 20.7であったが,Washout後の 0週では 5mg/kg群が 28.8,プラセボ群が 33.6と

なり,10程度のスコアの増加を認めた.0週以降も引き続きWashoutした薬剤は併用しないこ

ととしたが,10週の PASIスコア(中央値)はプラセボ群で 27.1と 0週(33.6)からの増加は

認められなかった.以上のことから,0 週以降のプラセボ群の PASI スコアは安定しており,

本剤の薬効評価は正しくできていることが示唆された.また,5mg/kg 群では前治療薬併用時

(Washout前)の PASIスコア(中央値)は 18.8であったが,10週では PASIスコア(中央値)

は 3.5まで低下しており,Washoutなく既存の治療薬から切り替えで使用した際にも,高い有

効性が得られることが示唆された.

また,本剤 5mg/kgの継続投与により 5mg/kg群の PASIスコア 75%改善率は,16週から 62

週は 62.5%~81.3%で推移し,66週は 76.7%と改善を維持した.プラセボ→5mg/kg群において

もプラセボから 5mg/kg に切替えた後から速やかに改善し,5mg/kg 群と同様にその改善を 66

週(5mg/kg投与 50週後)まで維持した.以上より,検証・継続試験においても海外と同様に

10 週時に認められた皮膚症状の改善を維持療法により長期に維持することが明らかとなった

[図 2.7.3.3―1][表 2.7.3.3―12].

●:5mg/kg群 ○:プラセボ→5mg/kg群

(プラセボ→5mg/kg群は 16週以降 5mg/kgを投与)

図 2.7.3.3―1 PASIスコア 75%改善率の推移(検証・継続試験)

PASIスコア

75%改善率

(%)

2.7.3 臨床的有効性の概要

54

表 2.7.3.3―12 維持療法における PASIスコア改善率の比較

(検証・継続試験,EXPRESS試験,EXPRESSII試験)

検証・継続試験 EXPRESS試験 EXPRESS II試験

プラセボ

→5mg/kg 8週※

5mg/kg 8週 5mg/kg 8週 5mg/kg 8週

26週

90%改善率 46.7% 60.6% 57.3% 56.0%

75%改善率 66.7% 72.7% 81.4% 78.0%

50%改善率 93.3% 84.8% 88.5% 89.4%

50週

90%改善率 69.2% 61.3% 45.2% 34.3%

75%改善率 92.3% 74.2% 60.5% 54.5%

50%改善率 92.3% 90.3% 68.7% 72.4%

66週

90%改善率 58.3% 56.7% - -

75%改善率 75.0% 76.7% - -

50%改善率 100.0% 83.3% - -

※16週以降は 5mg/kgを投与

非盲検非対照試験である長期投与試験では,尋常性乾癬の主要有効性評価は PASI スコア

75%改善率とした.長期投与試験(尋常性乾癬)の PASIスコア 75%改善率は,10週では 72.2%

(26/36),26週では 64.7%(22/34),50週では 53.6%(15/28)であり,国内外の検証的試験と

同程度であった.主な乾癬の治療薬をWashoutし併用禁止とした国内外の検証的試験と異なり,

長期投与試験では全身療法の前治療は切り替え,外用剤は併用を可能とした.長期投与試験の

尋常性乾癬ではシクロスポリンからの切り替え率は 21.6%(8/37),エトレチナートは 13.5%

(5/37),光線療法は 10.8%(4/37)であったが,10週の PASIスコア 75%改善率は,検証・継

続試験と同程度であり,シクロスポリンを含む他の全身療法から切り替えた際にも,局面型皮

疹を改善することが示唆された.また,その効果は 0,2,6週投与後,8週間隔での投与を継

続することにより 50週まで維持することが示された[図 2.7.3.3―2].

2.7.3 臨床的有効性の概要

55

図 2.7.3.3―2 尋常性乾癬の PASIスコア 75%改善率の推移(長期投与試験)

長期投与試験では,関節症性乾癬,膿疱性乾癬,乾癬性紅皮症の PASIスコアについても評

価した.病型別の PASI スコア改善率(中央値)は 10 週で尋常性乾癬 83.8%,関節症性乾癬

67.0%,膿疱性乾癬 72.4%,乾癬性紅皮症 67.9%といずれの乾癬においても高い改善率を示し

た.14 週以降は 46 週までそれぞれ 79.6~88.7%,64.2~84.3%,72.8~96.4%,78.3~86.3%で

推移し,50 週ではそれぞれ 78.3%,84.9%,96.3%,74.8%であり,継続投与により 50 週まで

改善を維持した[図 2.7.3.3―3].

●:全体 ○:尋常性乾癬 △:関節症性乾癬 □:膿疱性乾癬 ◇:乾癬性紅皮症

図 2.7.3.3―3 各乾癬における PASIスコア改善率の推移(長期投与試験)

PASIスコア

75%改善率(

%)

PA

SIスコア改善率

(%)(中央値)

2.7.3 臨床的有効性の概要

56

(2) PGAの改善

検証・継続試験の 10週での PGAのMinimal/Excellent以下率は,プラセボ群の 12.5%(2/16)

に対して,5mg/kg群は 73.5%(25/34)であり,PGAにおいても有意に高い改善を認めた(投

与群,0 週の PGA を説明変数とした logistic 回帰,p<0.001).海外臨床試験での 10 週の

Minimal/Excellent 以下率もプラセボに対して有意に高い改善を認め,5mg/kg 群の改善率は

SPIRIT試験では 89.9%(89/99)(χ2検定,p<0.001),EXPRESS試験では 82.9%(242/292)(χ2

検定,p<0.001),EXPRESS II 試験では 76.0%(234/308)(χ2検定,p<0.001)であり,国内外

の試験において大きな差はなかった[表 2.7.3.3―13].また,検証・継続試験の 5mg/kg 群の

Minimal/Excellent以下率は,16週から 62週まで 59.4%(19/32)~82.4%(28/34)で推移し,

66週も 70.0%(21/30)と継続投与により国内外で同様に PGAの改善も長期に維持することが

明らかとなった.

長期投与試験(尋常性乾癬)の 10 週における PGA の Minimal/Excellent 以下率は,72.2%

(26/36)であり,PASIスコアでの評価と同様に検証・継続試験の結果を支持した.また,そ

の後もMinimal/Excellent以下率は 55.2~78.8%で 50週まで維持した.

表 2.7.3.3―13 10週における PGAの Minimal/Excellent以下率(国内,海外臨床試験) プラセボ 3mg/kg 5mg/kg

検証・継続試験 総症例数 19 - 35 評価例数 16 - 34 Minimal/Excellent以下率※ 2 (12.5%) - 25 (73.5%) p値 <0.001

SPIRIT試験 総症例数 51 99 99 評価例数 51 99 99 Minimal/Excellent以下率※ 5 (9.8%) 71 (71.7%) 89 (89.9%) p値 <0.001 <0.001

EXPRESS試験 総症例数 77 - 301 評価例数 77 - 292 Minimal/Excellent以下率※ 3 (3.9%) - 242 (82.9%) p値 <0.001

EXPRESS II試験 総症例数 208 313 314 評価例数 200 311 308 Minimal/Excellent以下率※ 2 (1.0%) 217 (69.8%) 234 (76.0%) p値 <0.001 <0.001

海外全試験 総症例数 336 412 714 評価例数 328 410 699 Minimal/Excellent以下率※ 10 (3.0%) 288 (70.2%) 565 (80.8%)

長期投与試験 総症例数 - - 37 (尋常性乾癬) 評価例数 - - 36

Minimal/Excellent以下率※ - - 26 (72.2%) ※ EXPRESS II試験では Excellent以下率,EXPRESS II試験以外の試験ではMinimal以下率.なお,EXPRESS試験および EXPRESS II試験の各週の Excellent/ Minimal以下率は付録の[表 2.7.3.6―11]に示した.

2.7.3.3.2.3 爪乾癬の改善

検証・継続試験,長期投与試験,EXPRESS 試験では,NAPSI スコア[4]を用いて爪乾癬

の評価を実施した.検証・継続試験では,投与前の NAPSI スコア(平均値±SD)は,プラセ

2.7.3 臨床的有効性の概要

57

ボ群 3.5±1.7,5mg/kg群 3.7±2.0で差はなかった.10週の NAPSIスコア改善量(平均値±SD)

は,プラセボ群は-0.3±1.0と投与前に比べて大きな変化はなかったものの,5mg/kg群は,1.4±2.2

となりスコアの改善が認められた[表 2.7.3.3―14].この改善量は 10 週の EXPRESS 試験の

5mg/kg群の改善量(平均値±SD)の 1.3±1.8及び長期投与試験の改善量(平均値±SD)の 1.1±1.5

と同程度であり,NAPSIスコアの改善はいずれの試験も同様の傾向であった.また,このNAPSI

スコアの改善は,その後も 8週間隔での継続投与によりいずれの試験でも同様に維持した.

表 2.7.3.3―14 各試験の NAPSIスコア改善量(0週で爪乾癬有りの症例) 検証・継続試験 長期投与試験 EXPRESS試験

プラセボ→ 5mg/kg※3

5mg/kg 5mg/kg プラセボ→ 5mg/kg※4

5mg/kg

10週 症例数 12 28 55 65 235 平均値±SD -0.3±1.0 1.4±2.2 1.1±1.5 0.1±1.3 1.3±1.8 中央値 0.0 1.0 1.0 0.0 1.0 (Q1, Q3) (-1.0, 0.0) (0.0, 2.0) (0.0, 2.0) (0.0, 0.0) (0.0, 3.0) 最小値~最大値 -2.0~2.0 -2.0~8.0 -2.0~5.0 -3.0~5.0 -3.0~6.0

26週※1 症例数 11 27 55 65 223 平均値±SD 0.7±1.3 2.2±2.3 2.6±2.1 0.1±1.8 2.5±2.1 中央値 1.0 2.0 2.0 0.0 2.0 (Q1, Q3) (-1.0, 2.0) (0.0, 3.0) (1.0, 4.0) (-1.0, 1.0) (1.0, 4.0) 最小値~最大値 -1.0~2.0 -1.0~8.0 -3.0~8.0 -4.0~4.0 -3.0~8.0

50週※2 症例数 9 24 47 58 226 平均値±SD 2.4±1.0 2.6±2.0 2.5±2.4 2.9±2.0 2.5±2.4 中央値 2.0 2.0 2.0 3.0 2.0 (Q1, Q3) (2.0, 3.0) (1.5, 4.0) (1.0, 4.0) (2.0, 4.0) (0.0, 4.0) 最小値~最大値 1.0~4.0 -1.0~8.0 -2.0~8.0 -1.0~8.0 -6.0~8.0

※1)EXPRESS試験は 24週の結果 ※2)検証・継続試験は 66週の結果 ※3)16週以降は 5mg/kgを投与 ※4)24週以降は 5mg/kgを投与

また,爪乾癬数の減少については,検証・継続試験の 0週では爪乾癬数(平均値±SD)は

プラセボ群 6.9±3.5,5mg/kg群 7.3±2.7と同程度であったが,10週ではプラセボ群 0.1±1.2に対

して,5mg/kg群では 2.2±2.9の減少を認めた[表 2.7.3.3―15].その後も 5mg/kg群の爪乾癬数

の減少数(平均値±SD)は,26,66週で 4.3±3.7,5.7±3.0と継続投与を行うことにより,更に

改善する傾向を認めた.長期投与試験の爪乾癬数減少数(平均値±SD)では 10週で 0.8±1.8,

26週では 4.3±4.2,50週では 5.1±4.0と検証・継続試験,EXPRESS試験と同様に改善が認めら

れた.これらの結果から,本剤が海外臨床試験と同様に爪乾癬も改善することが示唆された.

2.7.3 臨床的有効性の概要

58

表 2.7.3.3―15 各試験の爪乾癬の減少数(0週で爪乾癬有りの症例) 検証・継続試験 長期投与試験 EXPRESS試験

プラセボ→ 5mg/kg※3

5mg/kg 5mg/kg プラセボ→ 5mg/kg※4

5mg/kg

10週 症例数 12 28 55 65 235 平均値±SD 0.1±1.2 2.2±2.9 0.8±1.8 -0.1±1.6 0.7±2.0 中央値 0.0 1.5 0.0 0.0 0.0 (Q1, Q3) (0.1, 0.0) (0.0, 3.5) (0.0, 1.0) (0.0, 0.0) (0.0, 1.0) 最小値~最大値 -2.0~3.0 0.0~10.0 -2.0~8.0 -5.0~8.0 -9.0~10.0

26週※1 症例数 11 27 55 65 223 平均値±SD 1.7±2.7 4.3±3.7 4.3±4.2 -0.2±2.0 2.9±3.5 中央値 0.0 5.0 5.0 0.0 2.0 (Q1, Q3) (0.0, 4.0) (0.0, 7.0) (0.0, 8.0) (0.0, 0.0) (0.0, 5.0) 最小値~最大値 -2.0~7.0 -3.0~10.0 -4.0~10.0 -6.0~8.0 -7.0~10.0

50週※2 症例数 9 24 47 58 226 平均値±SD 4.9±3.6 5.7±3.0 5.1±4.0 4.2±4.4 3.5±3.8 中央値 4.0 6.0 5.0 4.0 2.0 (Q1, Q3) (3.0, 7.0) (3.5, 8.0) (1.0, 9.0) (0.0, 9.0) (0.0, 7.0) 最小値~最大値 0.0~10.0 0.0~10.0 -1.0~10.0 -6.0~10.0 -3.0~10.0

※1)EXPRESS試験は 24週の結果.※2)検証・継続試験は 66週の結果 ※3)16週以降は 5mg/kgを投与.※4)24週以降は 5mg/kgを投与

2.7.3.3.2.4 膿疱の改善

長期投与試験では,汎発性の膿疱性乾癬 7例を評価した.膿疱の皮膚症状(紅斑,膿疱,膿

海,粘膜疹)をスコア化し,その合計スコアを膿疱の程度スコアとして評価した[表 2.7.3.3

―16].0週では,難治性皮膚疾患調査研究班の膿疱性乾癬の診断基準[8]の軽症(スコア 0

~2)が 1例,中等症(スコア 3~6)が 6例であった.レミケード 5mg/kg投与後,2週には全

例がスコア 3以下,そのうち 3例がスコア 1以下となり,早期に改善が認められた.10週で

は,7例中スコア 0が 2例,スコア 1 が 3例,スコア 2及び 3がそれぞれ 1例であった.50

週では,4例中スコア 0が 3例,スコア 3が 1例であった.なお,1例に再燃が認められ,有

害事象のため中止となった.

表 2.7.3.3―16 膿疱の程度スコアの推移(長期投与試験) 0 1 2 3 4 5 6 7 8 0週 0.0% (0/7) 0.0% (0/7) 14.3% (1/7) 42.9% (3/7) 28.6% (2/7) 14.3% (1/7) 0.0% (0/7) 0.0% (0/7) 0.0% (0/7)2週 14.3% (1/7) 28.6% (2/7) 28.6% (2/7) 28.6% (2/7) 0.0% (0/7) 0.0% (0/7) 0.0% (0/7) 0.0% (0/7) 0.0% (0/7)6週 14.3% (1/7) 28.6% (2/7) 42.9% (3/7) 14.3% (1/7) 0.0% (0/7) 0.0% (0/7) 0.0% (0/7) 0.0% (0/7) 0.0% (0/7)10週 28.6% (2/7) 42.9% (3/7) 14.3% (1/7) 14.3% (1/7) 0.0% (0/7) 0.0% (0/7) 0.0% (0/7) 0.0% (0/7) 0.0% (0/7)14週 42.9% (3/7) 28.6% (2/7) 0.0% (0/7) 14.3% (1/7) 14.3% (1/7) 0.0% (0/7) 0.0% (0/7) 0.0% (0/7) 0.0% (0/7)18週 42.9% (3/7) 42.9% (3/7) 0.0% (0/7) 0.0% (0/7) 0.0% (0/7) 14.3% (1/7) 0.0% (0/7) 0.0% (0/7) 0.0% (0/7)22週 33.3% (2/6) 50.0% (3/6) 0.0% (0/6) 16.7% (1/6) 0.0% (0/6) 0.0% (0/6) 0.0% (0/6) 0.0% (0/6) 0.0% (0/6)26週 66.7% (4/6) 16.7% (1/6) 16.7% (1/6) 0.0% (0/6) 0.0% (0/6) 0.0% (0/6) 0.0% (0/6) 0.0% (0/6) 0.0% (0/6)30週 66.7% (4/6) 16.7% (1/6) 0.0% (0/6) 0.0% (0/6) 16.7% (1/6) 0.0% (0/6) 0.0% (0/6) 0.0% (0/6) 0.0% (0/6)34週 75.0% (3/4) 25.0% (1/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4)38週 75.0% (3/4) 25.0% (1/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4)42週 75.0% (3/4) 25.0% (1/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4)46週 75.0% (3/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4) 25.0% (1/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4)50週 75.0% (3/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4) 25.0% (1/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4)

紅斑,膿疱(0;なし,1;一部の皮膚,2;BSAの 50%前後,3;ほぼ全身におよぶ)膿海,粘膜疹(0;なし,1;あり)

2.7.3 臨床的有効性の概要

59

長期投与試験において評価した膿疱性乾癬の皮膚症状(紅斑,膿疱,膿海,粘膜疹)のうち

膿疱の 0週と投与後各時点のクロス表を[表 2.7.3.3―17]に示した.

海外で膿疱性乾癬に対するレミケード使用の症例報告は,レミケード投与後,数日以内に膿

疱が消失したという報告が多く,本剤の高い有効性を示すものである.長期投与試験において

も 0週に膿疱を有していた 6例中 5例は 2週以内に膿疱が消失し,これまでの報告と同様に早

期の改善が認められた.また,本剤投与後,再投与を行わないと膿疱が再燃している報告もあ

り,汎発性の膿疱性乾癬においても維持療法が必要と考えられる.長期投与試験では,レミケ

ード 5mg/kgを 0,2,6週投与後は 8週間隔での維持療法を行い,50週評価例のうち 0週に膿

疱を有した 3例全例が膿疱なしであり,維持療法におけるレミケード 5mg/kgの高い有効性が

示唆された.

表 2.7.3.3―17 膿疱のクロス表(長期投与試験) 0週

なし(0) 一部の皮膚(1) 体表面積の 50% 前後(2)

ほぼ全身におよぶ

(3) 2週 なし(0) 1 4 1

一部の皮膚(1) 1 体表面積の 50%前後(2) ほぼ全身におよぶ(3)

6週 なし(0) 1 4 一部の皮膚(1) 1 1 体表面積の 50%前後(2) ほぼ全身におよぶ(3)

10週 なし(0) 1 5 一部の皮膚(1) 1 体表面積の 50%前後(2) ほぼ全身におよぶ(3)

14週 なし(0) 1 5 一部の皮膚(1) 1 体表面積の 50%前後(2) ほぼ全身におよぶ(3)

26週 なし(0) 1 5 一部の皮膚(1) 体表面積の 50%前後(2) ほぼ全身におよぶ(3)

50週 なし(0) 1 3 一部の皮膚(1) 体表面積の 50%前後(2) ほぼ全身におよぶ(3)

2.7.3 臨床的有効性の概要

60

2.7.3.3.2.5 関節症状の改善

海外で関節症性乾癬を評価した IMPACT試験,IMPACT2試験の ACR基準[6]20,50,70%

改善率を[表 2.7.3.3―18]に示した.

表 2.7.3.3―18 ACR基準 20%,50%,70%改善率(IMPACT試験,IMPACT2試験) IMPACT試験 IMPACT2試験※

プラセボ 5mg/kg プラセボ 5mg/kg 2週 症例数 52 52 2週 症例数 100 98

(Year1) 20%改善率 5.8% 42.3% 20%改善率 7.0% 29.6% p値 <0.01 <0.001 50%改善率 0.0% 17.3% 50%改善率 0.0% 8.2% p値 0.01 0.004 70%改善率 0.0% 1.9% 70%改善率 0.0% 2.0% p値 >0.99 0.154

6週 症例数 52 52 6週 症例数 98 98 20%改善率 7.7% 61.5% 20%改善率 11.2% 53.1% p値 <0.01 <0.001 50%改善率 0.0% 26.9% 50%改善率 2.0% 22.4% p値 <0.01 <0.001 70%改善率 0.0% 9.6% 70%改善率 0.0% 12.2% p値 0.07 <0.001

16週 症例数 52 52 14週 症例数 100 100 20%改善率 9.6% 65.4% 20%改善率 11.0% 58.0% p値 <0.01 <0.001 50%改善率 0.0% 46.2% 50%改善率 3.0% 36.0% p値 <0.01 <0.001 70%改善率 0.0% 28.8% 70%改善率 1.0% 15.0% p値 <0.01 <0.001

50週 症例数 50 49 24週 症例数 100 100 20%改善率 68.0% 69.4% 20%改善率 16.0% 54.0% 50%改善率 42.0% 53.1% 50%改善率 4.0% 41.0% 70%改善率 34.0% 38.8% 70%改善率 2.0% 27.0%

50週 症例数 78 54週 症例数 91 100 (Year2) 20%改善率 73.1% 20%改善率 56.0% 53.0%

50%改善率 50.0% 50%改善率 39.6% 33.0% 70%改善率 39.7% 70%改善率 23.1% 20.0%

98週 症例数 78 20%改善率 61.5%

50%改善率 44.9% 70%改善率 34.6%

※各週の ACR20%,50%,70%改善率は付録の[表 2.7.3.6―12~14]に示した.また,IMPACT2試験の 2週,6週と同様の解析手法による 14週,24週,54週の改善率も付録の[表 2.7.3.6―14]に示した.

2.7.3 臨床的有効性の概要

61

IMPACT試験の主要有効性評価である 16週の ACR基準 20%改善率は,プラセボ群の 9.6%

(5/52)に対し 5mg/kg 群では 65.4%(34/52)と有意に高く改善した(Yates 補正をした χ2検

定,p<0.01).また,IMPACT 試験では,プラセボ群は 16 週からレミケード群に切り替わり,

50 週では 5mg/kg の投与期間としては 34 週となるが,5mg/kg 群に含めて 98 週までの解析を

行った(Year2).その結果,5mg/kgの 8週間隔の継続投与により ACR基準 20%改善率は,98

週まで維持することが示された.IMPACT2 試験では,主要有効性評価である 14 週後の ACR

基準 20%改善率は,プラセボ群の 11.0%(11/100)に対し 5mg/kg群では 58.0%(58/100)と有

意に高く改善し(ベースラインのMTXの併用有無を因子とした van der Waerden normal score

による共分散分析,p<0.001),8週間隔の継続投与により 54週まで改善を維持した.いずれの

試験でも 5mg/kg群の ACR基準 20%改善率は,2週よりプラセボ群に比べ有意に高い改善とな

り,関節症状の改善はレミケード 5mg/kgの初回投与後より速やかに得られることが示された.

また,ACR基準 50%改善率においても IMPACT試験及び IMPACT2試験は,2週よりプラセボ

に対して有意に高い改善を示し,レミケード 5mg/kgの有効性が高いことも明らかとなった.

検証・継続試験では,関節症状を有する患者に対し,プラセボを対照としてレミケード

5mg/kgの関節症状に対する有効性を評価した.評価は ACR基準のコンポーネントの1つであ

る被験者による疼痛評価(VAS)を用いたが,ACR基準評価が可能な患者に対しては他の ACR

基準評価も併せて実施した.長期投与試験では,関節症性乾癬患者は,ACR 基準評価を行っ

た.検証・継続試験及び長期投与試験の被験者による疼痛評価の改善率の推移を[表 2.7.3.3―

19]に示した.検証・継続試験における 14週の疼痛評価の改善率(中央値)は,プラセボ群

の 32.1%に対して 5mg/kg 群は 90.9%であり,プラセボ群と比較して有意に高い改善を示した

(exactな wilcoxonの順位和検定,p=0.012).IMPACT試験及び IMPACT2試験における疼痛評

価においてもプラセボに対して同様の差を示した.IMPACT試験の疼痛評価の改善率(中央値)

では,16週にプラセボ群の−8.7%に対して 5mg/kg群は 53.7%であり,IMPACT2 試験の 14週

の疼痛評価の改善率(中央値)は,プラセボ群の 3.0%と比較して 5mg/kg群は 55.4%を示した.

これら検証・継続試験の結果においてはプラセボの反応率は異なるものの,5mg/kg 群は同様

のプラセボに対する有意性を示していると考えられた.長期投与試験においても 14週の疼痛

評価の改善率(中央値)は,68.0%を示し,国内外の検証的試験結果と同様の傾向を認めた.

また,検証・継続試験及び長期投与試験において,その改善率は継続投与を行うことにより,

約 1年以上に渡り長期間維持することが示された.

2.7.3 臨床的有効性の概要

62

表 2.7.3.3―19 被験者による疼痛評価の改善率(%)(国内臨床試験) 検証・継続試験 長期投与試験 プラセボ→5mg/kg※ 5mg/kg 5mg/kg 例数 中央値 最小値~最大値 例数 中央値 最小値~最大値 例数 中央値 最小値~最大値

2週 7 9.4 -135.9~82.9 9 51.0 -94.6~100 12 70.5 -17.9~89.5 6週 6 17.4 -85.7~74.3 9 81.4 -29.7~100 12 83.6 -289.5~95.6 14週 5 32.1 -75.0~44.3 9 90.9 4.0~100 12 68.0 -283.3~98.5 p値 0.012 - 16週 5 28.6 -59.4~75.0 9 87.1 20.0~100 - - - 22週 5 71.4 53.1~90.0 9 87.8 -52.0~100 12 74.6 -483.3~97.3 46週 4 94.6 15.6~98.6 9 95.9 23.8~100 10 68.3 -10.5~97.8 54週 4 86.8 29.2~100.0 9 90.5 64.0~100 - - - 62週 4 49.4 -125.0~100.0 9 96.9 -116.7~100 - - - ※ 16週以降は 5mg/kgを投与

検証・継続試験の副次有効性評価項目である 14 週の ACR 基準 20%改善率は,プラセボ群

の 33.3%(1/3)に対して 5mg/kg 群は 100.0%(3/3)であり,プラセボ群と比較して高かった

[表 2.7.3.3―20].また,ACR 基準 50%及び 70%改善率においても,5mg/kg 群はプラセボ群

に比べて高い症状の改善を示した.さらにその改善は 0,2,6週投与後 8週間隔での投与を継

続することにより,62週まで維持した.

長期投与試験(関節症性乾癬)では,海外臨床試験を参考に DMARDs又はステロイドで効

果不十分な関節症性乾癬を対象に主要有効性評価は ACR基準 20%改善率とした.長期投与試

験は 14週の ACR基準 20%改善率が 66.7%(8/12),ACR基準 50%改善が 50.0%(6/12),ACR

基準 70%改善が 33.3%(4/12)であり,国内外の検証的試験と同様な結果を示した.さらにそ

の有効性は海外臨床試験と同様に 0,2,6週投与後 8週間隔での投与を継続することにより,

46週まで維持した.

以上の結果より,国内外の試験の結果は同様な傾向を示し,海外と同様に乾癬に伴う関節症

状への有用性は高いことが示唆された.

2.7.3 臨床的有効性の概要

63

表 2.7.3.3―20 ACR基準 20%,50%,70%改善率(国内臨床試験) 検証・継続試験 長期投与試験 プラセボ→5mg/kg※ 5mg/kg 5mg/kg

2週 評価例数 ACR基準 20%改善率 ACR基準 50%改善率 ACR基準 70%改善率

3 0.0%(0/3) 0.0%(0/3) 0.0%(0/3)

3 66.7%(2/3) 66.7%(2/3) 66.7%(2/3)

12 58.3%(7/12) 41.7%(5/12) 25.0%(3/12)

6週 評価例数 ACR基準 20%改善率

ACR基準 50%改善率 ACR基準 70%改善率

3 33.3%(1/3) 0.0%(0/3) 0.0%(0/3)

3 66.7%(2/3) 33.3%(1/3) 33.3%(1/3)

12 83.3%(10/12) 33.3%(4/12) 33.3%(4/12)

14週 評価例数 ACR基準 20%改善率

ACR基準 50%改善率 ACR基準 70%改善率

3 33.3%(1/3) 0.0%(0/3) 0.0%(0/3)

3 100.0%(3/3) 100.0%(3/3) 66.7%(2/3)

12 66.7%(8/12) 50.0%(6/12) 33.3%(4/12)

16週 評価例数 ACR基準 20%改善率

ACR基準 50%改善率 ACR基準 70%改善率

3 0.0%(0/3) 0.0%(0/3) 0.0%(0/3)

3 100.0%(3/3) 66.7%(2/3) 66.7%(2/3)

-

22週 評価例数 ACR基準 20%改善率

ACR基準 50%改善率 ACR基準 70%改善率

3 100.0%(3/3) 100.0%(3/3) 33.3%(1/3)

3 66.7%(2/3) 66.7%(2/3) 66.7%(2/3)

12 75.0%(9/12) 66.7%(8/12) 33.3%(4/12)

46週 評価例数 ACR基準 20%改善率

ACR基準 50%改善率 ACR基準 70%改善率

2 100.0%(2/2) 100.0%(2/2) 100.0%(2/2)

3 100.0%(3/3) 100.0%(3/3) 33.3%(1/3)

10 80.0%(8/10) 70.0%(7/10) 60.0%(6/10)

54週 評価例数 ACR基準 20%改善率

ACR基準 50%改善率 ACR基準 70%改善率

2 100.0%(2/2) 100.0%(2/2) 100.0%(2/2)

3 100.0%(3/3) 100.0%(3/3) 66.7%(2/3)

-

62週 評価例数 ACR基準 20%改善率

ACR基準 50%改善率 ACR基準 70%改善率

2 100.0%(2/2) 100.0%(2/2) 100.0%(2/2)

3 100.0%(3/3) 100.0%(3/3) 66.7%(2/3)

-

※ 16週以降は 5mg/kgを投与

2.7.3 臨床的有効性の概要

64

2.7.3.3.2.6 身体機能障害の改善

関節症性乾癬に対する身体機能障害の改善は,IMPACT 試験及び IMPACT2 試験で HAQ ス

コア[7]を用いて評価した.IMPACT試験のレミケード群の HAQスコア変化率(平均値±SE)

は,16 週で-49.8±8.2%であり,プラセボ群の 1.6±8.3%に比べて有意に高い改善を示した(分

散分析,p<0.01)[表 2.7.3.3―21].HAQスコアは 0.22以上が臨床的に意味のある変化と考え

られており[10][11],各試験において 0.25 あるいは 0.3 以上の減少率を用いて評価した.

IMPACT試験における 16週の HAQスコアが 0.3以上の減少率は,プラセボ群の 13.7%(7/51)

に対して 5mg/kg群では 64.7%(33/51)であり,5mg/kgの改善は有意であった(χ2検定,p<0.001).

表 2.7.3.3―21 16週の HAQスコア(IMPACT試験) プラセボ 5mg/kg 例数 平均値±SE 例数 平均値±SE

p値

投与前 HAQスコア 51 1.2±0.1 51 1.2±0.1 - 16週 HAQスコア 51 1.2±0.1 51 0.6±0.1 <0.01 変化量 51 0.0±0.1 51 -0.6±0.1 <0.01 変化率(%) 47 1.6±8.3 48 -49.8±8.2 <0.01 0.3以上減少 51 7(13.7%) 51 33 (64.7%) <0.001

※Year1の 50週までの HAQスコアの推移は付録の[表 2.7.3.6―15]に示した.

IMPACT 試験では,プラセボ群は 16 週からレミケード群に切り替わり,50 週では 5mg/kg

の投与期間としては 34週となるが,5mg/kg群に含めて 50週,98週の解析を行った.その結

果,5mg/kg群の 98週評価完了例における HAQスコアの変化率(平均値±SD)は,50週では

-48.8±55.35%,98週では-37.7±71.78%であり,98週までの身体機能の改善効果が認められた[表

2.7.3.3―22].

表 2.7.3.3―22 50週,98週の HAQスコア(IMPACT試験) 5mg/kg 例数 平均値±SD

50週 HAQスコア 76 0.54±0.59 変化量 76 -0.57±0.57 変化率(%) 70 −48.8±55.35 98週 HAQスコア 77 0.64±0.64 変化量 77 -0.47±0.57 変化率(%) 71 −37.7±71.78

※Year2の各週の HAQスコアの推移は付録の[表 2.7.3.6―15]に示した.

IMPACT2試験においても IMPACT試験と同様に身体機能の改善効果が認められた.5mg/kg

群の HAQスコア(平均値±SD)は投与前の 1.1±0.6から 14週は 0.7±0.7に改善した.14週で

0.25以上の減少率は,プラセボ群の 26.5%(26/98)に対して,5mg/kg群では 68.7%(68/99)

と有意に高い改善を認めた[表 2.7.3.3―23](ベースラインの MTX 使用を層とした

Cochran-Mantel-Haenszel検定,p<0.001).また,HAQスコア 0.3以上の減少率においては,14

2.7.3 臨床的有効性の概要

65

週,24週,54週でそれぞれ 58.0%,54.0%,58.9%であり,54週まで身体機能の改善は維持し

た.

表 2.7.3.3―23 14週,24週の HAQスコア(IMPACT2試験) プラセボ 5mg/kg 投与前 症例数 100 100 HAQスコア(平均値±SD) 1.1±0.6 1.1±0.6 14週 症例数 98 99 HAQスコア(平均値±SD) 1.1±0.7 0.7±0.7

0.25以上減少 p値

26(26.5%)

68 (68.7%) <0.001

24週 症例数 95 94 HAQスコア(平均値±SD) 1.1±0.7 0.7±0.7

0.25以上減少 p値

26(27.4%)

61 (64.9%) <0.001

一方,検証・継続試験では,ACR評価対象例の 14週の HAQ スコア改善率(平均値±SD)

は,プラセボ群が 26.7±30.6%に対し,5mg/kg群では 83.3±28.9%であり,海外と同様にプラセ

ボ群に比べ高い改善を認めた.この改善は 5mg/kg群では,継続投与により 62週まで維持し,

プラセボ→5mg/kg群も同様な推移で改善を認めた[表 2.7.3.3―24].また,長期投与試験(関

節症性乾癬)の HAQスコア改善率(平均値±SD)は,14週で 53.1±51.1%,46週で 53.0±61.4%

であった.この長期投与試験で HAQスコアが 0.25以上の減少を示した割合は,14週で 83.3%

(10/12)と多くの症例で改善を示し,46 週で 80.0%(8/10)と改善を維持し,検証・継続試

験,海外臨床試験と同様に身体機能障害の改善が認められた[表 2.7.3.3―24],[表 2.7.3.3―25].

表 2.7.3.3―24 関節症性乾癬における HAQスコア(国内臨床試験) HAQスコア(平均値±SD) HAQスコア改善率(%)(平均値±SD) 検証・継続試験 長期投与試験 検証・継続試験 長期投与試験

n プラセボ→

5mg/kg※ n 5mg/kg n 5mg/kg n プラセボ→

5mg/kg※n 5mg/kg n 5mg/kg

0週 3 1.375±0.451 3 1.667±0.382 12 1.115±0.351 - - - - - - 14週 3 0.917±0.144 3 0.333±0.577 12 0.563±0.630 3 26.7±30.6 3 83.3±28.9 12 53.1±51.1 16週 3 0.708±0.402 3 0.292±0.505 - - 3 38.9±44.0 3 85.4±25.3 - - 22週 3 0.333±0.260 3 0.208±0.361 12 0.500±0.517 3 70.3±29.2 3 89.6±18.0 12 59.4±39.3 46週 2 0.063±0.088 3 0.250±0.433 10 0.575±0.787 2 96.7±4.7 3 87.5±21.7 10 53.0±61.4 54週 2 0.063±0.088 3 0.167±0.289 - - 2 96.7±4.7 3 91.7±14.4 - - 62週 2 0.063±0.088 3 0.250±0.433 - - 2 96.7±4.7 3 87.5±21.7 - -

※ 16週以降は 5mg/kgを投与

2.7.3 臨床的有効性の概要

66

表 2.7.3.3―25 HAQスコアが 0.25以上の減少を示した症例の割合(国内臨床試験) 検証・継続試験 長期投与試験 プラセボ→5mg/kg※ 5mg/kg 5mg/kg

14週 66.7%(2/3) 100.0%(3/3) 83.3% (10/12) 16週 66.7%(2/3) 100.0%(3/3) - 22週 100.0%(3/3) 100.0%(3/3) 83.3% (10/12) 46週 100.0%(2/2) 100.0%(3/3) 80.0% (8/10) 54週 100.0%(2/2) 100.0%(3/3) - 62週 100.0%(2/2) 100.0%(3/3) -

※ 16週以降は 5mg/kgを投与

2.7.3 臨床的有効性の概要

67

2.7.3.3.2.7 関節破壊の進展抑制

レミケード 5mg/kg の関節破壊の進展抑制効果は,IMPACT2 試験で関節 X 線評価により評

価した[表 2.7.3.3―26].vdH modified Sharpスコア変化量の値が小さい程,関節破壊の進展が

抑制されたことを示す.IMPACT2試験の主要有効性評価である 24週の vdH modified Sharpス

コア変化量(平均値±SD)は,プラセボ群では 0.82±2.62,5mg/kg群では-0.70±2.53であり,5mg/kg

群はプラセボ群に対して有意に関節破壊の進展を抑制した(ベースラインのMTXの併用有無

を因子とした van der Waerden normal scoreによる分散分析,p<0.001).その後,54週の vdH

modified Sharpスコア変化量(平均値±SD)は,5mg/kg群では-0.94±3.40と維持し,5mg/kgの

継続投与による関節破壊の進展抑制効果の持続が認められた(ベースラインのMTXの併用有

無を因子とした van der Waerden normal scoreによる分散分析,p=0.001).プラセボ→5mg/kg群

でも,54週の vdH modified Sharpスコア変化量(平均値±SD)は 0.53±2.60となり,24週での

変化量(0.82±2.62)を下回り,レミケードが投与された 24週以降は関節破壊の進展が抑制さ

れたことを示唆した.

表 2.7.3.3―26 24週,54週の vdH modified Sharpスコア変化量(IMPACT2試験)

プラセボ 5mg/kg p値

24週 症例数 100 100 平均値±SD 0.82±2.62 -0.70±2.53 < 0.001 中央値 0.00 0.00 四分位範囲 [0.00, 0.50] [-0.80, 0.00] 範囲 -4.50~12.68 -15.00~4.00

54週 症例数 100 100 平均値±SD 0.53±2.60 -0.94±3.40 0.001 中央値 0.00 0.00 四分位範囲 [0.00, 0.00] [-0.50, 0.00] 範囲 -6.13~12.12 -29.00~3.00

vdH modified Sharpスコア変化量が評価者間のスコアの Smallest Detectable Change (SDC)

を超えて増加した場合を関節破壊が進展したと定義した.24 週において関節破壊の進行を示

した症例の割合を[表 2.7.3.3―27]に示した.vdH modified Sharpスコアから関節破壊の進展

を示した症例の割合は,プラセボ群で 12.0%(12/100),5mg/kg群で 3.0%(3/100)であり,5mg/kg

はプラセボ群に対して有意に低い割合であった(ベースラインの MTX 使用を層とした

Cochran-Mantel-Haenszel検定,p=0.017).同様に,Erosionスコア及び JSNスコアについても,

5mg/kg 群の関節破壊の進展を示した症例の割合は,プラセボ群に対して有意に低く,関節破

壊の進展が抑制されていることが示された.

2.7.3 臨床的有効性の概要

68

表 2.7.3.3―27 24週の関節破壊進展率(IMPACT2試験) プラセボ 5mg/kg p値

症例数 100 100 vdH modified Sharpスコア a 12 (12.0%) 3 (3.0%) 0.017

Erosion スコア b 12 (12.0%) 2 (2.0%) 0.006 JSN スコア c 11 (11.0%) 1 (1.0%) 0.003

a:Change in modified vdH-S score > SDC (= 2.7). b:Change in erosion score > SDC (= 1.8). c:Change in JSN score > SDC (= 1.5).

同様に,24週から 54週において関節破壊の進行を示した症例の割合を[表 2.7.3.3―28]に

示した.5mg/kg群は vdH modified Sharpスコアから関節破壊の進行を示した症例の割合は,

3.0%(3/100)であり,24週以降も関節破壊の進展は認められなかった.一方,24週以降 5mg/kg

を投与したプラセボ→5mg/kg群の進展率は 4.0%(4/100)となり,5mg/kg群とプラセボ→5mg/kg

群に関節破壊の進展率に差は認められず,レミケードが投与された 24週以降は 5mg/kg群と同

様に関節破壊の進展が抑制されたことを示唆した.

表 2.7.3.3―28 24週から 54週の関節破壊進行率(IMPACT2試験) プラセボ→5mg/kg 5mg/kg p値

症例数 100 100 vdH modified Sharpスコア a 4 (4.0%) 3 (3.0%) 0.704

Erosion スコア b 4 (4.0%) 3 (3.0%) 0.704 JSN スコア c 1 (1.0%) 2 (2.0%) 0.556

a:Change in modified vdH-S score > SDC (= 2.7) b:Change in erosion score > SDC (= 1.8). c:Change in JSN score > SDC (= 1.5).

24週,54週における vdH modified Sharpスコア変化量の Cumulative Probability plotを[図

2.7.3.3―4~5]に示した.Cumulative Probability plotはスコア変化量を小さい症例から順番に

並べたものである[12].なお,スコア変化量小さい程,関節破壊の進行が抑制されたこと

を示す.24週の Cumulative Probability plotでは,5mg/kg群はプラセボ群に比べてスコア変化

量も小さくなる傾向を示した.また,54週の Cumulative Probability plotにおいても 5mg/kg

群は 24週からスコア変化量が増加する傾向は認められず,24週以降においても関節破壊進

展抑制効果が維持する傾向を認めた.一方,プラセボ→5mg/kg 群でも,54 週の Cumulative

Probability plot では 24週からの変化量の増加は認められず,レミケードが投与された 24週

以降は関節破壊の進展が抑制されたことが示された.

2.7.3 臨床的有効性の概要

69

図 2.7.3.3―4 24週の Cumulative Probability plot(IMPACT2試験)

図 2.7.3.3―5 54週の Cumulative Probability plot(IMPACT2試験)

2.7.3 臨床的有効性の概要

70

2.7.3.3.2.8 乾癬の全般症状と QOLの改善

検証・継続試験,SPIRIT試験,EXPRESS試験,EXPRESS II試験では,皮膚症状の改善に

伴う QOL の変化を DLQI[5]により評価した[表 2.7.3.3―29].検証・継続試験の 10 週の

DLQI の変化量(平均値±SD)は,プラセボ群では大きな変化はなかったが,5mg/kg 群では

-9.9±7.1 と有意に高い改善を認めた(投与群,0 週の DLQI を説明変数とした共分散分析,

p<0.001).海外臨床試験においても 5mg/kg 群はプラセボ群に対して有意に高い DLQI の改善

を認めており,SPIRIT試験,EXPRESS試験,EXPRESS II試験における 10週の DLQI変化量

(平均値±SD)は,それぞれ-10.3±7.3,-10.3±7.1,-10.5±7.1 と国内外の QOL 改善は同様に高

いものであった.また,この DLQIの改善は 5mg/kgを継続投与することにより,検証・継続

試験では 66週,EXPRESS試験,EXPRESSII試験では 50週まで維持した[表 2.7.3.3.―34],

[表 2.7.3.6―17].

表 2.7.3.3―29 10週における DLQI変化量(検証・継続試験,海外臨床試験) プラセボ 3mg/kg p値 5mg/kg p値

検証・継続試験 総症例数 19 - 35 評価例数 16 - 34 平均値±SD -0.4±6.2 - - -9.9±7.1 <0.001 中央値 0.5 - -10.0 範囲 -12~13 - -23~1

SPIRIT試験 総症例数 51 99 99 評価例数 51 99 99 平均値±SD -2.6±5.7 -8.8±7.2 -10.3±7.3 中央値 0.0 -8.0 <0.001 -10.0 <0.001 範囲 -19.0~11.0 -26.0 ~ 3.0 -28.0~9.0

EXPRESS試験 総症例数 77 - 301 評価例数 75 - 290 平均値±SD -0.4±5.7 - -10.3±7.1 中央値 0.0 - - -9.0 <0.001 範囲 -19.0~18.0 - -28.0~6.0

EXPRESS II試験 総症例数 208 313 314 評価例数 200 309 308 平均値±SD -0.6±5.4 -9.5±6.9 -10.5±7.1 中央値 0.0 -9.0 <0.001 -9.0 <0.001 範囲 -17.0~19.0 -30.0~10.0 -29.0~13.0

海外臨床試験 総症例数 336 412 714 評価例数 326 408 697 平均値±SD -0.8±5.6 -9.3±7.0 -10.4±7.1 中央値 0.0 -8.0 - -9.0 - 範囲 -19.0~19.0 -30.0~10.0 -29.0~13.0

DLQI はスコア減少量が 5 以上である場合に臨床的に意味のある変化とされている[13].

検証・継続試験,SPIRIT試験,EXPRESS試験,EXPRESS II試験で DLQIスコアが 5以上減

少した症例の割合を[表 2.7.3.3―30]に示した.検証・継続試験において 0週の DLQIが 5以

上の症例(5mg/kg群 30例,プラセボ群 13例)で 10週に 0週からのスコアが 5以上減少した

症例の割合は,プラセボ群では 30.8%(4/13)であったが,5mg/kg群では 83.3%(25/30)であ

2.7.3 臨床的有効性の概要

71

り,プラセボ群よりも高かった.同様に,海外臨床試験において 10週に 0週からのスコアが

5以上減少した症例の割合は SPIRIT試験では,プラセボ群の 27.5%に対して 5mg/kg群は 76.8%,

EXPRESS試験では,プラセボ群の 14.7%に対して 5mg/kg群は 77.7%,EXPRESS II試験では,

プラセボ群の 21.0%に対して 5mg/kg群は 79.5%であり,いずれの試験でも 5mg/kg群は高い割

合であった.

表 2.7.3.3―30 10週における DLQIスコアが 5以上減少した症例数

(検証・継続試験,海外臨床試験) プラセボ 3mg/kg 5mg/kg

検証・継続試験 総症例数 19 - 35 評価例数 13 - 30 DLQIが 5以上減少 4 (30.8%) - 25 (83.3%)

SPIRIT試験 総症例数 51 99 99 評価例数 51 99 99 DLQIが 5以上減少 14 (27.5%) 68 (68.7%) 76 (76.8%)

EXPRESS試験 総症例数 77 - 301 評価例数 75 - 291 DLQIが 5以上減少 11 (14.7%) - 226 (77.7%)

EXPRESS II試験 総症例数 208 313 314 評価例数 200 311 308 DLQIが 5以上減少 42 (21.0%) 233 (74.9%) 245 (79.5%)

EXPRESS試験,EXPRESS II試験では,SF-36[9]による QOL評価も実施した[表 2.7.3.3

―31].10 週での「身体的健康度」サマリースコアの変化量(中央値)は,EXPRESS 試験で

は,プラセボ群の 0.0に対して,5mg/kg群は 3.9であり,EXPRESS II試験では,プラセボ群

は 0.0に対して,3mg/kg群は 2.4,5mg/kg群は 2.5といずれの試験においてもレミケード群は

有意に高いスコアの改善が認められた(EXPRESS試験は van der Waerden normal scoreによる t

検定,EXPRESS II試験 van der Waerden normal scoreによる分散分析,いずれも p<0.001).同

様に 10週の「精神的健康度」サマリースコアの変化量(中央値)においても,EXPRESS試験

では,プラセボ群-0.1に対して 5mg/kg群は 3.4となり,EXPRESS II試験では,プラセボ群は

0.0,3mg/kg 群は 3.4,5mg/kg 群は 3.2 とレミケード群は有意に高いスコアの改善を認めた

(EXPRESS試験は van der Waerden normal scoreによる t検定,EXPRESS II試験 van der Waerden

normal scoreによる分散分析,いずれも p<0.001).

2.7.3 臨床的有効性の概要

72

表 2.7.3.3―31 10週の SF-36変化量(EXPRESS試験,EXPRESS II試験) EXPRESS試験 EXPRESS II試験

プラセボ 5mg/kg プラセボ 3mg/kg 5mg/kg

総症例数 77 301 208 313 314 「身体的健康度」サマリ

ー 評価例数 77 290 199 311 307

スコア変化量 平均値±SD -0.4±7.7 5.0±8.3 -0.1±7.7 3.8±8.8 3.8±8.9 中央値 0.0 3.9 0.0 2.4 2.5 p値 <0.001 <0.001 <0.001

「精神的健康度」サマリ

ー 評価例数 77 290 199 311 307

スコア変化量 平均値±SD -0.8±9.7 6.3±11.0 -0.2±9.8 4.6±9.3 5.3±10.9 中央値 -0.1 3.4 0.0 3.4 3.2 p値 <0.001 <0.001 <0.001

※10週以降の各週における SF-36の推移は付録の[表 2.7.3.6―18~19]に示した.

関節症性乾癬に対する皮膚症状の改善と関節症状の改善は,検証・継続試験,IMPACT試験,

IMPACT2 試験でプラセボを対照に評価し,その有効性が示された.検証・継続試験では,乾

癬の皮膚症状や関節症状の改善に伴い,DLQI や HAQ スコアからも改善が認められ,関節症

性乾癬に伴う症状や QOL の障害に対する一貫した有効性が示された.更に IMPACT2 試験で

は,身体機能障害の改善に伴う QOLの改善についても SF-36を用いて評価した[表 2.7.3.3―

32].「身体的健康度」サマリースコア及び「精神的健康度」サマリースコアにおける 14週の

変化量の中央値はプラセボ群がそれぞれ 1.0,0.5に対して,5mg/kg群がそれぞれ 8.7,2.1 と

有意な改善が認められ,身体機能障害の改善に伴う QOL改善効果についても明らかとなった.

また,その効果は 54週まで維持することが示された.

表 2.7.3.3―32 SF-36(IMPACT2試験) 「身体的健康度」サマリースコア 「精神的健康度」サマリースコア

プラセボ→5mg/kg※ 5mg/kg プラセボ→5mg/kg 5mg/kg

総症例数 100 100 100 100

14週 評価例数 94 98 94 98 変化量 平均値±SD 1.1±8.4 9.1±9.3 -1.2±9.3 3.8±11.1

中央値 1.0 8.7 0.5 2.1

p値 <0.001 0.001

24週 評価例数 92 93 92 93 変化量 平均値±SD 1.3±8.2 7.7±9.8 0.4±11.6 3.9±11.9

中央値 0.6 6.9 0.8 2.8

p値 <0.001 0.047

54週 評価例数 82 84 82 84 変化量 平均値±SD 10.7±10.4 8.8±10.6 2.8±10.3 3.7±9.5

中央値 10.2 7.4 1.9 2.8

※ 24週以降は 5mg/kgを投与

長期投与試験では,乾癬に特徴的な症状を加味した全般改善度を評価し,各乾癬への有用性

2.7.3 臨床的有効性の概要

73

を考察した[表 2.7.3.3―33].その結果,膿疱性乾癬及び乾癬性紅皮症の全般的な症状の改善

は,国内及び海外で検証されている尋常性乾癬,関節症性乾癬と同様に改善し,また,本剤の

継続投与により,改善の維持が認められた.

表 2.7.3.3―33 全般改善度(長期投与試験) 消失 改善 不変 悪化 改善率 尋常性乾癬 2週 0.0% (0/37) 86.5% (32/37) 10.8% (4/37) 2.7% (1/37) 86.5% 6週 8.1% (3/37) 81.1% (30/37) 8.1% (3/37) 2.7% (1/37) 89.2% 10週 16.7% (6/36) 75.0% (27/36) 5.6% (2/36) 2.8% (1/36) 91.7% 14週 14.3% (5/35) 74.3% (26/35) 8.6% (3/35) 2.9% (1/35) 88.6% 30週 23.5% (8/34) 70.6% (24/34) 5.9% (2/34) 0.0% (0/34) 94.1% 50週 28.6% (8/28) 64.3% (18/28) 3.6% (1/28) 3.6% (1/28) 92.9% 関節症性乾癬 2週 0.0% (0/12) 100.0% (12/12) 0.0% (0/12) 0.0% (0/12) 100.0% 6週 0.0% (0/12) 91.7% (11/12) 8.3% (1/12) 0.0% (0/12) 91.7% 10週 8.3% (1/12) 91.7% (11/12) 0.0% (0/12) 0.0% (0/12) 100.0% 14週 8.3% (1/12) 91.7% (11/12) 0.0% (0/12) 0.0% (0/12) 100.0% 30週 27.3% (3/11) 63.6% (7/11) 9.1% (1/11) 0.0% (0/11) 90.9% 50週 20.0% (2/10) 70.0% (7/10) 10.0% (1/10) 0.0% (0/10) 90.0% 膿疱性乾癬 2週 0.0% (0/7) 100.0% (7/7) 0.0% (0/7) 0.0% (0/7) 100.0%

6週 0.0% (0/7) 100.0% (7/7) 0.0% (0/7) 0.0% (0/7) 100.0% 10週 0.0% (0/7) 85.7% (6/7) 14.3% (1/7) 0.0% (0/7) 85.7% 14週 14.3% (1/7) 57.1% (4/7) 14.3% (1/7) 14.3% (1/7) 71.4% 30週 50.0% (3/6) 16.7% (1/6) 16.7% (1/6) 16.7% (1/6) 66.7% 50週 75.0% (3/4) 25.0% (1/4) 0.0% (0/4) 0.0% (0/4) 100.0%

乾癬性紅皮症 2週 0.0% (0/8) 75.0% (6/8) 25.0% (2/8) 0.0% (0/8) 75.0% 6週 0.0% (0/8) 100.0% (8/8) 0.0% (0/8) 0.0% (0/8) 100.0% 10週 0.0% (0/8) 87.5% (7/8) 12.5% (1/8) 0.0% (0/8) 87.5% 14週 0.0% (0/8) 100.0% (8/8) 0.0% (0/8) 0.0% (0/8) 100.0% 30週 25.0% (2/8) 62.5% (5/8) 12.5% (1/8) 0.0% (0/8) 87.5% 50週 25.0% (2/8) 62.5% (5/8) 0.0% (0/8) 12.5% (1/8) 87.5%

※ 改善率は消失または改善の症例の割合を示す.

国内における長期投与時の QOL改善について,検証・継続試験,長期投与試験で評価した.

検証・継続試験の 5mg/kg群の DLQI変化量(平均値±SD)は,26週で-10.2±7.5,66週で-9.6±7.1

であり,5mg/kgを 8週間隔で継続することで皮膚症状と同様に QOLの改善も維持した.長期

投与試験の 0週の DLQI(平均値±SD)は,尋常性乾癬では 6.9±5.4,関節症性乾癬では 8.3±6.6,

膿疱性乾癬では 12.9±5.8,乾癬性紅皮症では 11.8±6.4であり,重症度が高く様々な症状を伴う

乾癬ではより QOLが障害されていたが,検証・継続試験及び海外試験と同様にいずれの乾癬

においても改善を認め,50週まで維持した[表 2.7.3.3―34].

2.7.3 臨床的有効性の概要

74

表 2.7.3.3―34 DLQI(国内臨床試験) 検証・継続試験 長期投与試験

5mg/kg プラセボ→

5mg/kg※2 5mg/kg 尋常性

乾癬 関節症性 乾癬

膿疱性 乾癬

乾癬性 紅皮症

0週 症例数 19 35 37 12 7 8 DLQI(平均値±SD) 10.5±6.8 12.7±6.8 6.9±5.4 8.3±6.6 12.9±5.8 11.8±6.4

10週 症例数 16 34 36 12 7 8 DLQI(平均値±SD) 8.9±7.4 2.5±3.1 2.3±3.0 2.8±4.0 6.3±4.8 6.5±3.9 変化量(平均値±SD) -0.4±6.2 -9.9±7.1 -4.4±4.1 -5.6±3.7 -6.6±9.0 -5.3±3.5

26週 症例数 14 33 34 12 6 8 DLQI(平均値±SD) 2.4±2.9 2.2±4.1 3.4±4.4 3.8±6.9 5.0±4.7 6.0±7.6 変化量(平均値±SD) -6.6±6.4 -10.2±7.5 -3.4±5.0 -4.6±8.4 -9.3±6.5 -5.8±3.7

50週 症例数※1 12 30 28 10 4 8 DLQI(平均値±SD) 2.5±3.1 2.9±4.4 3.0±3.9 5.5±8.9 1.8±2.4 7.8±8.8 変化量(平均値±SD) -6.9±6.9 -9.6±7.1 -3.2±5.1 -2.7±12.0 -11.0±7.2 -4.0±5.8

※1 検証・継続試験は 66週の結果 ※2 16週以降は 5mg/kgを投与

検証・継続試験,長期投与試験で 0週の DLQIが 5以上であった症例を対象に 0週からのス

コアが 5以上減少した症例の割合を[表 2.7.3.3―35]に示した.検証・継続試験の結果より,

10週ではプラセボ群 30.8%(4/13)に対して 5mg/kg群 83.3%(25/30)と高く,この効果が 66

週まで維持することが確認された.また,長期投与試験おいて 10週で DLQIが 5以上減少し

た割合は,病型別では,尋常性乾癬は 63.6%(14/22),関節症性乾癬は 75.0%(6/8),膿疱性

乾癬は 83.3%(5/6),乾癬性紅皮症は 62.5%(5/8)であり,検証・継続試験と同様に 0 週に

QOL で障害の高かった乾癬でも 10 週で高い QOL 改善が認められた.この QOLの改善は 50

週まで認められ,レミケード 5mg/kg はいずれの乾癬に対しても QOL を改善する薬剤である

ことが明らかとなった.また,既存の乾癬治療薬のWashoutを実施していない状況においても,

QOL改善が認められ,シクロスポリンを含む他の全身療法や光線療法からの切り替え下でも,

更に QOL改善が期待できることが示唆された.

表 2.7.3.3―35 DLQIが 5以上減少した割合(国内臨床試験) 検証・継続試験 長期投与試験

5mg/kg

プラセボ

→5mg/kg※2 5mg/kg 尋常性

乾癬 関節症性 乾癬

膿疱性 乾癬

乾癬性 紅皮症

0週 DLQI 5以上 の症例数

13 30 22 8 6 8

10週 30.8%(4/13) 83.3%(25/30) 63.6%(14/22) 75.0%(6/8) 83.3%(5/6) 62.5%(5/8)

26週 72.7%(8/11) 82.8%(24/29) 52.4%(11/21) 62.5%(5/8) 66.7%(4/6) 62.5%(5/8)

50週※1 88.9%(8/9) 74.1%(20/27) 50.0%(8/16) 66.7%(4/6) 75.0%(3/4) 50.0%(4/8)

※1 検証・継続試験は 66週の結果 ※2 16週以降は 5mg/kgを投与

2.7.3 臨床的有効性の概要

75

2.7.3.3.2.9 乾癬に対する有効性のまとめ

国内及び海外で実施された検証的試験の成績より,レミケード 5mg/kgの尋常性乾癬,関節

症性乾癬の局面型皮疹に対する有効性が検証され,長期投与試験(尋常性乾癬)からも国内外

の検証的試験の結果を支持した.その他,爪乾癬の改善も検証・継続試験及び長期投与試験は

同様の傾向を示し,爪乾癬への有効性も海外臨床試験と同程度であることが示された.また,

長期投与試験においては,膿疱性乾癬及び乾癬性紅皮症に対する有効性も検討し,局面型皮疹

や膿疱への有効性が認められ,本剤の有用性が高いことが示唆された.更に,長期投与試験で

は,レミケード 5mg/kgにより尋常性乾癬,関節症性乾癬,膿疱性乾癬,乾癬性紅皮症で同様

に局面型皮疹を改善することも明らかとなった.

乾癬に伴う関節症状に対する有効性は,IMPACT 試験,IMPACT2 試験で評価し,関節の疼

痛,腫脹の改善が検証された.この関節症状に対する有効性は,検証・継続試験,長期投与試

験(関節症性乾癬)でも評価し,ACR基準評価,HAQスコアによる身体機能改善評価の結果

は,IMPACT試験及び IMPACT2試験と同様の傾向であった.また,IMPACT2試験では関節 X

線評価により,関節破壊の進展抑制効果も認められており,本剤が,既存の乾癬治療薬にない

作用を有することも明らかとなっている.

以上より,本剤は,局面型皮疹のほか,爪乾癬,膿疱,関節症状に対しても有効性が認めら

れ,各種症状の改善は全般改善度や QOLの評価からも一貫する結果であった.以上の結果よ

り,レミケード 5mg/kgは尋常性乾癬,関節症性乾癬,膿疱性乾癬,乾癬性紅皮症に有効であ

ると考えた.

2.7.3 臨床的有効性の概要

76

2.7.3.3.3 部分集団における結果の比較

検証・継続試験における FASを対象とした部分集団別の 10週の PASIスコア 75%改善率を

[表 2.7.3.3―36]に示した.

表 2.7.3.3―36 部分集団別の 10週の PASIスコア 75%改善率(FAS)(検証・継続試験) 検定 オッズ比の推定

項目 5mg/kg プラセボ p値* 点推定値 95%信頼区間

性別 男 72.7%(16/22) 0.0%(0/14) <0.001 51.79 6.70~∞ 女 61.5%(8/13) 0.0%(0/5) 0.013 24.31 1.92~∞ 年齢(歳) 40未満 81.8%(9/11) 0.0%(0/9) <0.001 37.33 4.06~∞ 40以上 62.5%(15/24) 0.0%(0/10) <0.001 40.24 4.60~∞ 関節症状 無 68.0%(17/25) 0.0%(0/12) <0.001 56.77 6.68~∞ 有 70.0%(7/10) 0.0%(0/7) 0.010 18.30 1.90~∞ 0週の PASIスコア 20未満 40.0%(2/5) 0.0%(0/4) 0.556 2.26 0.15~∞ 20以上 73.3%(22/30) 0.0%(0/15) <0.001 49.47 7.18~∞ 0週の PASIスコア 30未満 47.4%(9/19) 0.0%(0/8) 0.039 8.57 1.10~∞ 30以上 93.8%(15/16) 0.0%(0/11) <0.001 103.04 11.68~∞ 局面型の皮疹の病巣範囲(%) 30未満 50.0%(5/10) 0.0%(0/6) 0.115 6.24 0.67~∞ 30以上 76.0%(19/25) 0.0%(0/13) <0.001 105.21 12.21~∞ 乾癬に対する治療歴 無 60.0%(9/15) 0.0%(0/6) 0.021 13.38 1.43~∞ (シクロスポリン) 有 75.0%(15/20) 0.0%(0/13) <0.001 66.42 7.86~∞ 乾癬に対する治療歴 無 76.9%(10/13) 0.0%(0/5) 0.014 14.37 1.64~∞ (光線療法) 有 63.6%(14/22) 0.0%(0/14) <0.001 68.96 7.83~∞ *「0週の PASIスコア」の項目は投与群を説明変数とした exactな logistic回帰,それ以外の項目は投与群と 0週の PASIスコアを説明変数とした exactな logistic回帰を行った.

10週の PASIスコア 75%改善率は,0週の PASIスコアが「20未満」,局面型皮疹の病巣範囲

が「30未満」を除いた部分集団で,5mg/kg群はプラセボ群と比較して有意な改善が見られた

(全て p<0.05).なお,0 週の PASI スコアの「20 未満」でのオッズ比(プラセボ群に対する

5mg/kg群)は 2.26,局面型皮疹の病巣範囲の「30未満」でのオッズ比の推定値は 6.24であっ

た.また,最終の PASI スコア 75%改善率においても,5mg/kg 群,プラセボ→5mg/kg 群を合

算した集計の結果,10週から悪化は認められなかった.

長期投与試験(尋常性乾癬)の 10週及び 50週までの最終評価日における部分集団別の PASI

スコア 75%改善率を[表 2.7.3.3―37]に示した.投与前の疾患活動性と 10 週の PASI スコア

75%改善率については,長期投与試験(尋常性乾癬)においても検討しており,疾患活動性に

関するいずれの部分集団においても 10 週の PASI スコア 75%改善率に明らかな違いは認めら

れなかった.また,SPIRIT試験,EXPRESS試験,EXPRESS II試験,IMPACT2試験での部分

集団の検討においても,投与前の疾患活動性による 10 週の PASI スコア 75%改善率は長期投

与試験と同様の傾向であり,検証・継続試験で 0週の PASIスコアが「20未満」,局面型皮疹

の病巣範囲が「30未満」の部分集団に認められたような,PASIスコア 75%改善率での差は認

められていないことから,検証・継続試験での傾向は,試験規模が小さく,例数に偏りが生じ

たことによるものと考えられた.

2.7.3 臨床的有効性の概要

77

表 2.7.3.3―37 尋常性乾癬における部分集団別の PASIスコア 75%改善率(長期投与試験)

その他,検証・継続試験では,性別,年齢及び乾癬に対する治療歴(シクロスポリン,光線

療法),関節症性乾癬の関節症状の有無別の PASI スコア 75%改善率には大きな差は認められ

ておらず,長期投与試験及び海外臨床試験も同様の傾向を示した.

長期投与試験では,治験開始時に切り替えた前治療薬についても検討した[表 2.7.3.3―37].

シクロスポリンの切り替え「有」,「無」別の 10週の PASIスコア 75%改善率は,それぞれ 50.0%

(4/8),78.6%(22/28)であり,最終ではそれぞれ 37.5%(3/8),58.6%(17/29)であった.

光線療法では,切り替えの「有」,「無」別の PASIスコア 75%改善率は,10週でそれぞれ 100.0%

(3/3),69.7%(23/33)であり,最終ではそれぞれ 25.0%(1/4),57.6%(19/33)であった.

この結果から,シクロスポリン及び光線療法からの切り替えで,いずれも 10週と最終の改善

の傾向に相違がみられた.この相違について,病型別の前治療薬について 10週と 50週までの

最終評価における PASIスコア及び PASIスコア改善率から検討した[表 2.7.3.3―38].シクロ

スポリンの有無別の PASIスコア改善率(中央値)については,全体における「無」の 10週,

最終は 79.0%,75.9%で,「有」の 10週,最終は 71.4%,74.3%であった.評価時期に関わらず,

シクロスポリン使用有無で改善率の傾向に大きな相違は認められなかった.エトレチナートの

有無別の PASIスコア改善率(中央値)についても全体における「無」の 10週,最終は 77.6%,

75.9%で,「有」の 10週,最終は 78.9%,73.7%であり,改善率の傾向に大きな相違はなかった.

また,光線療法の有無別の PASI スコア改善率(中央値)は,全体における「無」の 10 週,

最終は 77.5%,81.4%で,「有」の 10週,最終は 84.3%,49.1%と「有」の最終で改善率が低く

項目 10週 最終 男 79.2% (19/24) 64.0% (16/25)

性別 女 58.3% (7/12) 33.3% (4/12)

40未満 77.8% (7/9) 66.7% (6/9) 年齢(歳)

40以上 70.4% (19/27) 50.0% (14/28) 10未満 50.0% (3/6) 42.9% (3/7)

原疾患の罹病期間(年) 10以上 76.7% (23/30) 56.7% (17/30) 20未満 72.2% (13/18) 61.1% (11/18)

0週の PASIスコア 20以上 72.2% (13/18) 47.4% (9/19) 30未満 66.7% (18/27) 50.0% (14/28)

0週の PASIスコア 30以上 88.9% (8/9) 66.7% (6/9) 30未満 70.0% (7/10) 70.0% (7/10)

皮疹の病巣範囲(%) 30以上 73.1% (19/26) 48.1% (13/27) 無 75.0% (12/16) 64.7% (11/17)

シクロスポリン 有 70.0% (14/20) 45.0% (9/20) 無 72.7% (8/11) 72.7% (8/11)

乾癬に対する治療歴 光線療法

有 72.0% (18/25) 46.2% (12/26) 無 78.6% (22/28) 58.6% (17/29)

シクロスポリン 有 50.0% (4/8) 37.5% (3/8) 無 71.0% (22/31) 53.1% (17/32)

エトレチナート 有 80.0% (4/5) 60.0% (3/5) 無 69.7% (23/33) 57.6% (19/33)

前治療薬

光線療法 有 100.0% (3/3) 25.0% (1/4) 無 71.4% (5/7) 71.4% (5/7)

ステロイド(外用剤) 有 72.4% (21/29) 50.0% (15/30) 無 57.1% (8/14) 64.3% (9/14)

併用薬 活性型ビタミン D3誘導体

有 81.8% (18/22) 47.8% (11/23)

2.7.3 臨床的有効性の概要

78

なった.光線療法「有」は全体で 7例と例数が少なく詳細な検討は困難であるが,7例のうち

最終時点で悪化している症例は 1例のみであり,他の症例では改善が認められていた.

よって,原疾患によっては例数が少なく明確には言及し得ないが,いずれの原疾患において

も,治療の切り替えにより悪化する傾向は認められておらず,前治療の部分集団において問題

となる部分集団はないものと考えられた.

以上の結果より,本剤の有効性は,疾患活動性,関節症状の有無,性別,年齢,治療歴及び

前治療薬の違いに大きな差はないことが示唆された.

表 2.7.3.3―38 切り替えた前治療薬別のPASIスコア及びPASIスコア改善率(長期投与試験)

PASIスコア PASIスコア改善率(%)

例数 中央値 Q1 Q3 最小値 最大値 例数 中央値 Q1 Q3 最小値 最大値前治療:シクロスポリン(経口) 全体 無 0週 47 23.1 16.6 38.8 2.4 59.0 10週 46 4.5 1.5 8.9 0.0 25.4 46 79.0 60.5 92.4 -75.5 100.0 最終 47 7.2 0.8 12.8 0.0 61.8 47 75.9 33.0 94.6 -126.5 100.0 有 0週 17 27.0 18.9 28.2 7.0 57.0 10週 17 6.6 3.0 16.0 1.2 37.0 17 71.4 50.6 82.9 -20.6 91.9 最終 17 7.0 0.8 28.5 0.0 54.5 17 74.3 28.1 88.9 -96.8 100.0尋常性乾癬 無 0週 29 19.4 16.6 31.8 10.6 59.0 10週 28 3.1 1.4 6.4 0.0 18.6 28 85.4 76.0 93.5 -75.5 100.0 最終 29 6.1 0.8 11.2 0.0 30.9 29 83.4 43.8 94.6 5.2 100.0 有 0週 8 26.6 20.5 27.1 15.4 32.4 10週 8 6.0 2.9 17.0 1.3 22.8 8 74.9 42.0 89.1 -20.6 91.9 最終 8 8.4 3.5 23.9 0.4 31.4 8 69.0 7.9 85.2 -36.5 97.4関節症性乾癬 無 0週 9 27.8 9.8 30.4 2.4 51.0 10週 9 6.8 1.4 17.2 0.0 18.4 9 63.9 41.7 79.1 35.3 100.0 最終 9 12.4 2.1 16.2 0.0 28.7 9 55.4 12.5 88.2 -126.5 100.0 有 0週 3 7.0 7.0 14.7 7.0 14.7 10週 3 2.1 1.2 6.6 1.2 6.6 3 70.0 55.1 82.9 55.1 82.9 最終 3 0.8 0.0 2.7 0.0 2.7 3 88.6 81.6 100.0 81.6 100.0膿疱性乾癬 無 0週 3 44.9 12.4 47.4 12.4 47.4 10週 3 7.2 0.2 23.6 0.2 23.6 3 84.0 50.2 98.4 50.2 98.4 最終 3 2.1 0.0 19.8 0.0 19.8 3 95.3 58.2 100.0 58.2 100.0 有 0週 4 28.0 25.1 37.1 22.4 46.0 10週 4 9.6 4.7 14.3 3.0 15.9 4 71.9 57.0 80.9 42.6 89.4 最終 4 29.2 14.6 42.2 0.6 54.5 4 16.2 -51.2 67.7 -96.8 97.3乾癬性紅皮症 無 0週 6 41.0 28.3 42.4 26.5 45.6 10週 6 12.4 4.4 19.6 3.9 25.4 6 69.9 44.3 85.3 30.7 89.6 最終 6 11.1 3.4 20.8 0.0 61.8 6 74.8 21.5 91.7 -118.4 100.0 有 0週 2 48.6 40.2 57.0 40.2 57.0 10週 2 26.6 16.2 37.0 16.2 37.0 2 39.8 8.0 71.6 8.0 71.6 最終 2 14.5 0.0 28.9 0.0 28.9 2 64.1 28.1 100.0 28.1 100.0前治療:エトレチナート 全体 無 0週 55 23.1 16.2 38.4 2.4 59.0 10週 54 4.9 1.6 12.7 0.0 37.0 54 77.6 55.1 91.0 -20.6 100.0 最終 55 7.0 0.6 16.8 0.0 61.8 55 75.9 28.1 94.6 -126.5 100.0 有 0週 9 29.4 18.8 38.8 10.6 45.6 10週 9 6.8 3.9 8.2 1.2 25.4 9 78.9 76.6 85.3 -75.5 96.9 最終 9 8.2 2.1 13.8 0.8 26.0 9 73.7 33.0 93.4 21.5 95.7尋常性乾癬 無 0週 32 20.7 17.3 27.1 13.4 59.0 10週 31 3.5 1.5 7.2 0.0 22.8 31 85.3 67.4 92.4 -20.6 100.0 最終 32 7.1 0.9 11.5 0.0 31.4 32 77.6 38.0 93.5 -36.5 100.0

2.7.3 臨床的有効性の概要

79

PASIスコア PASIスコア改善率(%)

例数 中央値 Q1 Q3 最小値 最大値 例数 中央値 Q1 Q3 最小値 最大値 有 0週 5 18.8 18.3 38.8 10.6 38.8 10週 5 4.4 1.2 8.2 1.2 18.6 5 78.9 76.6 93.4 -75.5 96.9 最終 5 6.1 1.2 8.2 0.8 26.0 5 84.3 33.0 93.4 22.6 95.7関節症性乾癬 無 0週 11 14.7 7.0 30.4 2.4 51.0 10週 11 4.9 1.2 17.2 0.0 18.4 11 63.9 41.7 82.9 35.3 100.0 最終 11 2.7 0.3 16.2 0.0 28.7 11 81.6 12.5 88.9 -126.5 100.0 有 0週 1 29.4 29.4 29.4 29.4 29.4 10週 1 6.8 6.8 6.8 6.8 6.8 1 76.9 76.9 76.9 76.9 76.9 最終 1 13.8 13.8 13.8 13.8 13.8 1 53.1 53.1 53.1 53.1 53.1膿疱性乾癬 無 0週 6 28.0 22.4 46.0 12.4 47.4 10週 6 9.6 3.0 15.9 0.2 23.6 6 71.9 50.2 89.4 42.6 98.4 最終 6 24.2 0.6 29.8 0.0 54.5 6 48.1 -5.7 97.3 -96.8 100.0 有 0週 1 44.9 44.9 44.9 44.9 44.9 10週 1 7.2 7.2 7.2 7.2 7.2 1 84.0 84.0 84.0 84.0 84.0 最終 1 2.1 2.1 2.1 2.1 2.1 1 95.3 95.3 95.3 95.3 95.3乾癬性紅皮症 無 0週 6 41.0 40.2 42.4 28.3 57.0 10週 6 15.5 10.0 19.6 4.4 37.0 6 67.9 30.7 75.5 8.0 89.6 最終 6 6.8 0.0 28.9 0.0 61.8 6 83.8 28.1 100.0 -118.4 100.0 有 0週 2 36.1 26.5 45.6 26.5 45.6 10週 2 14.7 3.9 25.4 3.9 25.4 2 64.8 44.3 85.3 44.3 85.3 最終 2 16.4 12.0 20.8 12.0 20.8 2 47.6 21.5 73.7 21.5 73.7シクロスポリン(経口)またはエトレチナート 全体 無 0週 38 21.4 16.2 38.5 2.4 59.0 10週 37 4.4 1.5 8.9 0.0 23.6 37 79.1 60.5 92.4 30.7 100.0 最終 38 6.6 0.5 12.4 0.0 61.8 38 78.0 43.8 94.6 -126.5 100.0 有 0週 26 27.0 18.8 38.8 7.0 57.0 10週 26 6.7 3.0 16.0 1.2 37.0 26 74.5 50.6 85.3 -75.5 96.9 最終 26 7.6 1.2 25.8 0.0 54.5 26 74.0 28.1 93.4 -96.8 100.0尋常性乾癬 無 0週 24 19.6 16.4 28.4 13.4 59.0 10週 23 2.9 1.5 5.8 0.0 14.6 23 85.5 75.4 93.5 36.8 100.0 最終 24 6.4 0.7 11.3 0.0 30.9 24 81.7 44.5 96.0 5.2 100.0 有 0週 13 26.1 18.8 27.2 10.6 38.8 10週 13 4.8 2.2 16.0 1.2 22.8 13 78.9 50.6 91.6 -75.5 96.9 最終 13 7.0 2.9 22.0 0.4 31.4 13 74.3 32.1 88.9 -36.5 97.4関節症性乾癬 無 0週 8 27.2 6.3 38.6 2.4 51.0 10週 8 7.4 0.9 17.4 0.0 18.4 8 57.0 39.2 84.0 35.3 100.0 最終 8 9.2 1.2 19.2 0.0 28.7 8 60.4 2.3 88.6 -126.5 100.0 有 0週 4 10.9 7.0 22.1 7.0 29.4 10週 4 4.4 1.7 6.7 1.2 6.8 4 73.4 62.6 79.9 55.1 82.9 最終 4 1.8 0.4 8.3 0.0 13.8 4 85.1 67.3 94.3 53.1 100.0膿疱性乾癬 無 0週 2 29.9 12.4 47.4 12.4 47.4 10週 2 11.9 0.2 23.6 0.2 23.6 2 74.3 50.2 98.4 50.2 98.4 最終 2 9.9 0.0 19.8 0.0 19.8 2 79.1 58.2 100.0 58.2 100.0 有 0週 5 28.2 27.7 44.9 22.4 46.0 10週 5 7.2 6.4 12.7 3.0 15.9 5 72.4 71.4 84.0 42.6 89.4 最終 5 28.5 2.1 29.8 0.6 54.5 5 38.0 -5.7 95.3 -96.8 97.3乾癬性紅皮症 無 0週 4 41.0 34.6 41.8 28.3 42.4 10週 4 12.4 7.2 17.2 4.4 19.6 4 69.9 47.5 82.6 30.7 89.6 最終 4 6.8 1.7 36.0 0.0 61.8 4 83.8 -21.2 95.8 -118.4 100.0 有 0週 4 42.9 33.4 51.3 26.5 57.0 10週 4 20.8 10.1 31.2 3.9 37.0 4 57.9 26.1 78.4 8.0 85.3 最終 4 16.4 6.0 24.9 0.0 28.9 4 50.9 24.8 86.8 21.5 100.0

2.7.3 臨床的有効性の概要

80

PASIスコア PASIスコア改善率(%)

例数 中央値 Q1 Q3 最小値 最大値 例数 中央値 Q1 Q3 最小値 最大値光線療法 全体 無 0週 57 24.9 16.6 38.8 2.4 59.0 10週 57 4.9 1.6 12.7 0.0 37.0 57 77.5 55.1 89.4 -75.5 100.0 最終 57 6.0 0.8 16.2 0.0 54.5 57 81.4 33.0 94.6 -126.5 100.0 有 0週 7 28.3 18.2 38.5 15.3 42.4 10週 6 5.6 1.0 8.1 0.0 19.6 6 84.3 76.9 93.5 30.7 100.0 最終 7 11.2 10.2 30.9 0.0 61.8 7 49.1 19.7 75.9 -118.4 100.0尋常性乾癬 無 0週 33 20.3 18.0 27.2 10.6 59.0 10週 33 4.0 1.6 7.2 0.0 22.8 33 82.4 67.4 91.9 -75.5 100.0 最終 33 6.1 1.0 11.4 0.0 31.4 33 81.4 43.8 93.4 -36.5 100.0 有 0週 4 20.0 16.8 30.2 15.3 38.5 10週 3 1.0 0.0 8.1 0.0 8.1 3 93.5 79.0 100.0 79.0 100.0 最終 4 11.2 5.6 21.1 0.0 30.9 4 37.9 23.3 74.5 19.7 100.0関節症性乾癬 無 0週 11 14.7 7.0 30.4 2.4 51.0 10週 11 4.9 1.2 17.2 0.0 18.4 11 63.9 41.7 82.9 35.3 100.0 最終 11 2.7 0.3 16.2 0.0 28.7 11 81.6 12.5 88.9 -126.5 100.0 有 0週 1 29.4 29.4 29.4 29.4 29.4 10週 1 6.8 6.8 6.8 6.8 6.8 1 76.9 76.9 76.9 76.9 76.9 最終 1 13.8 13.8 13.8 13.8 13.8 1 53.1 53.1 53.1 53.1 53.1膿疱性乾癬 無 0週 7 28.2 22.4 46.0 12.4 47.4 10週 7 7.2 3.0 15.9 0.2 23.6 7 72.4 50.2 89.4 42.6 98.4 最終 7 19.8 0.6 29.8 0.0 54.5 7 58.2 -5.7 97.3 -96.8 100.0乾癬性紅皮症 無 0週 6 41.0 40.2 45.6 26.5 57.0 10週 6 15.5 10.0 25.4 3.9 37.0 6 67.9 44.3 75.5 8.0 85.3 最終 6 7.7 0.0 20.8 0.0 28.9 6 82.7 28.1 100.0 21.5 100.0 有 0週 2 35.4 28.3 42.4 28.3 42.4 10週 2 12.0 4.4 19.6 4.4 19.6 2 60.2 30.7 89.6 30.7 89.6 最終 2 36.0 10.2 61.8 10.2 61.8 2 -21.2 -118.4 75.9 -118.4 75.9

2.7.3 臨床的有効性の概要

81

2.7.3.4 推奨用法・用量に関する臨床情報の解析

2.7.3.4.1 海外臨床試験における用法・用量の考察

尋常性乾癬については,33 例の尋常性乾癬患者を対象に本剤 5mg/kg,10mg/kg 又はプラセ

ボを 0,2,6 週に投与する医師主導試験が実施され[1][2],10 週の医師の全般評価におい

て,5mg/kg,10mg/kgはいずれもプラセボに対し有意に高い改善率が示された.

この医師主導試験の結果をもとに,SPIRIT 試験では,3mg/kg 及び 5mg/kg についてプラセ

ボを用いて評価した.レミケード 3mg/kg,5mg/kg 又はプラセボを 0,2,6 週の 3 回投与し,

10週後の PASIスコア 75%改善率を評価した.その結果,10週の PASIスコア 75%改善率は,

プラセボ群で 5.9%(3/51)に対して,3mg/kg群は 71.7%(71/99),5mg/kg群は 87.9%(87/99)

であった.5mg/kg群と 3mg/kg群は,いずれもプラセボに対しては有意に改善したが(いずれ

も χ2検定,p<0.001),両群の間に大きな差はなかった.しかし,その後の PASIスコア 75%改

善率における 14週(最終投与後 8週目)では 5mg/kg群は,88.0%(81/92)と 10週からの改

善率の低下はなかったが,3mg/kg群では 60.6%(57/94)となり,10週に比べ改善率が低下す

る傾向を示した.更に 18週(最終投与後 12週目)での改善率は,いずれの投与量でも低下し,

26週(最終投与後 20週目)では,3mg/kg群の 13.8%(12/87)に比べ,5mg/kg群は 30.0%(27/90)

と 5mg/kgがより高い改善率であったが,引き続き投与を行わなければ次第に効果が低減し,

再燃することが示された.

EXPRESS試験,EXPRESS II試験では,50週までの維持療法について検討した.EXPRESS II

試験では SPIRIT試験と同様に 3mg/kg,5mg/kg又はプラセボを用いて 50週まで評価した.こ

の試験では,レミケード 3mg/kg,5mg/kgを 0,2,6週に投与し,その後は 8週間隔にて維持

投与を行う群(8週群)と 14週以降は 4週間隔で 46週までに PASIスコア改善率が 75%未満

となった症例には同一用量のレミケードを,PASI スコア 75%改善例はプラセボを投与する群

(PRN 群)に再割付を行い,維持療法の投与量と投与間隔を検証した.EXPRESS 試験,

EXPRESS II試験の 10週,14週,26週,50週の PASIスコア 75%改善率を[表 2.7.3.4―1]に

示した.EXPRESS II試験の 10週の PASIスコア 75%改善率は,SPIRIT試験と同様に 5mg/kg

群と 3mg/kg群で有効性に明らかな差はなかったが,14週(最終投与後 8週目)では,3mg/kg

群ではやや有効性が低下する傾向を認めた.50週における PASIスコア 75%改善率は,3mg/kg

8週群,3mg/kg PRN群,5mg/kg 8週群,5mg/kg PRN群でそれぞれ 43.8%,25.4%,54.5%,38.1%

であり 5mg/kg 8週群が最も高く,3mg/kg群においても PRN群より 8週群の方が高かった.ま

た,この傾向は,26週,50週の PGAからも認められた[表 2.7.3.4―2].この EXPRESS II試

験での 5mg/kg 8週群の結果は,EXPRESS試験においても同様の傾向であった.以上より,乾

癬の維持療法では 8週間隔での定期的な投与方法の方が,症状が悪くなったときに投与を行う

方法よりも高い改善が維持できることが明らかとなった.

2.7.3 臨床的有効性の概要

82

表 2.7.3.4―1 PASIスコア 75%改善率(EXPRESS試験,EXPRESS II試験)

EXPRESS試験 EXPRESS II試験

5mg/kg 3mg/kg 8週

3mg/kg PRN

5mg/kg 8週

5mg/kg PRN

10週 80.4% 73.6% 73.0% 78.0% 77.9%

14週 81.8% 65.5% 64.9% 76.7% 76.5%

26週 81.4% 64.5% 42.0% 78.0% 57.6%

50週 60.5% 43.8% 25.4% 54.5% 38.1%

表 2.7.3.4―2 PGAがMinimal/Excellent以下率(EXPRESS試験,EXPRESS II試験)

EXPRESS試験 EXPRESS II試験 5mg/kg

8週 3mg/kg

8週 3mg/kg

PRN 5mg/kg

8週 5mg/kg

PRN 26週 PGA

Minimal/Excellent以下率※ 69.8% 63.8% 39.1% 79.4% 56.9%

50週 PGA Minimal/Excellent以下率※ 53.0% 46.9% 31.7% 58.2% 42.1%

※EXPRESS試験ではMinimal以下率,EXPRESS II試験では Excellent以下率

PRN群は投与間隔が一定でないためトラフの血清中インフリキシマブ濃度を比較すること

が困難であるため,EXPRESS II試験の 3mg/kg 8週群と 5mg/kg 8週群のトラフの血清中濃度の

推移を比較した[図 2.7.3.4―1].トラフの血清中濃度は 3mg/kg 8週群が 5mg/kg 8週群より低

く推移し,3mg/kg 8週群では 22週以降のトラフの血清中濃度は半数以上で定量限界値

(0.1µg/mL)未満となったが,5mg/kg 8週群では半数以上がトラフの血清中濃度を定量限界値

以上で維持していた.

図 2.7.3.4―1 8週群のトラフの血清中インフリキシマブ濃度推移(EXPRESS II試験)

↑:レミケード投与□:3 mg/kg群,△:5 mg/kg群■: 3 mg/kg 8週群,▲:5 mg/kg 8週群*: 0.1μg/mL

0.1

1

10

100

6 10 14 18 22 26 30 34 38 42 46 50

初回投与後時間(Week)

血清中インフリキシマブ濃度(μ

g/m

L)

< *

↑:レミケード投与□:3 mg/kg群,△:5 mg/kg群■: 3 mg/kg 8週群,▲:5 mg/kg 8週群*: 0.1μg/mL

0.1

1

10

100

6 10 14 18 22 26 30 34 38 42 46 50

初回投与後時間(Week)

血清中インフリキシマブ濃度(μ

g/m

L)

< *0.1

1

10

100

6 10 14 18 22 26 30 34 38 42 46 50

初回投与後時間(Week)

血清中インフリキシマブ濃度(μ

g/m

L)

0.1

1

10

100

6 10 14 18 22 26 30 34 38 42 46 50

初回投与後時間(Week)

血清中インフリキシマブ濃度(μ

g/m

L)

< *

2.7.3 臨床的有効性の概要

83

トラフの血清中インフリキシマブ濃度と有効性の関係は,EXPRESS II試験でトラフの血清

中濃度別の PASIスコア 75%改善率から検討した[図 2.7.3.4―2].その結果,トラフの血清中

濃度が定量限界値(0.1µg/mL)未満の患者の PASIスコア 75%改善率は,定量限界値(0.1µg/mL)

以上のグループと比べ改善率は低く,維持療法のトラフの血清中濃度は,定量限界値

(0.1µg/mL)以上を維持する方が良いことが示唆された.このことは 22週以降,半数以上の

トラフの血清中濃度が定量限界値(0.1µg/mL)未満となる 3mg/kg 8週群よりも 5mg/kg 8週群

の方が,PASIスコア 75%改善率が高いことからも支持された([表 2.7.3.4―1]参照).以上

より,海外では乾癬の維持療法においては 5mg/kgの 8週間隔での投与を選択することが妥当

であると考えられ,米国,欧州で承認されている.

図 2.7.3.4―2 トラフの血清中インフリキシマブ濃度別の PASIスコア 75%改善率

(EXPRESS II試験)

10週時

30週時

46週時

2.7.3 臨床的有効性の概要

84

2.7.3.4.2 国内臨床試験における用法・用量の考察

検証・継続試験より,レミケード 5mg/kgの局面型皮疹に対する有効性は,PASIスコア 75%

改善率の結果から,海外臨床試験(SPIRIT試験,EXPRESS試験,EXPRESS II試験)と同様

であることが示された[表 2.7.3.3―10].また,長期投与試験においても尋常性乾癬の PASI

スコア 75%改善率は,検証・継続試験,EXPRESS II試験の 5mg/kg 8週群と同程度であった.

更に長期投与試験では,関節症性乾癬,膿疱性乾癬,乾癬性紅皮症においても尋常性乾癬と同

様に 5mg/kgにおいて局面型皮疹の改善が認められた[表 2.7.3.4―3],[図 2.7.3.3―3].

表 2.7.3.4―3 PASIスコア 75%改善率の比較(国内臨床試験,EXPRESSII試験)

10週 14週 22週 26週 30週 38週 46週 50週 62週 66週

検証・継続試験 5mg/kg 68.6% 73.5% 72.7% 72.7% 75.0% 68.8% 62.5% 74.2% 73.3% 76.7%

長期投与試験

(尋常性乾癬) 5mg/kg 72.2% 62.9% 64.7% 64.7% 61.8% 68.8% 55.2% 53.6% - -

3mg/kg 8週 73.6% 65.5% 61.9% 64.5% 48.6% 41.6% 36.2% 43.8% - - EXPRESS II試験

5mg/kg 8週 78.0% 76.7% 75.7% 78.0% 65.2% 59.9% 54.5% 54.5% - -

検証・継続試験の 10,26,50週(投与後 4週目)及び 14,22,30,46週(投与後 8週目)

のトラフの血清中濃度は海外で乾癬の用法・用量の考察に用いた EXPRESS II試験と比較する

と,いずれも 3mg/kg 8週群よりは高く,5mg/kg 8週群と同様の傾向と考えられた[表 2.7.3.4

-4].長期投与試験の 30週及び 46週のトラフの血清中濃度は他の国内外臨床試験(5mg/kg

群)と比較して低い傾向を示したが,いずれもEXPRESS II試験の3mg/kg 8週群より高かった.

表 2.7.3.4―4 トラフの血清中インフリキシマブ濃度(µg/mL,中央値)

(国内臨床試験,EXPRESSII試験)

10週 14週 22週 26週 30週 46週 50週

検証・継続試験 5mg/kg 16.09 2.45 1.74 8.65 1.48 1.90 8.18

長期投与試験(尋常性乾癬) 5mg/kg 15.86 2.93 1.15 7.89 0.95 0.14 6.00

EXPRESS II試験 3mg/kg 8週 6.2 0.2 0.0 0.9 0.0 0.0 0.0

5mg/kg 8週 23.5 5.5 2.6 7.2 1.6 2.1 13.8

検証・継続試験及び長期投与試験(尋常性乾癬)のトラフの血清中濃度の定量限界値(0.1

µg/mL)未満の割合は投与より 8週目となる 14,30,46週において,EXPRESS II試験の 3mg/kg

群よりも低く,一部を除き 5mg/kg 8週群と同様の傾向であった[表 2.7.3.4―5].

2.7.3 臨床的有効性の概要

85

表 2.7.3.4―5 トラフの血清中インフリキシマブ濃度の定量限界値(0.1 µg/mL)未満率 (国内臨床試験,EXPRESSII試験)

検証・継続試験 長期投与試験 (尋常性乾癬)

EXPRESS II試験

5mg/kg 8週 5mg/kg 8週 3mg/kg 8週 5mg/kg 8週

10週 0.0% 5.6% 16.9% 1.4%

14週 9.4% 14.3% 46.0% 11.1%

30週 24.1% 35.3% 72.4% 35.5%

46週 31.0% 48.3% 71.4% 38.5%

検証・継続試験の血清中濃度別の PASIスコア 75%改善率は,EXPRESS II試験と同様の傾

向が認められ,トラフの血清中濃度が定量限界値(0.1 µg/mL)未満では,それ以上の集団と

比べ PASIスコア 75%改善率は低く,血清中濃度は定量限界値(0.1 µg/mL)以上を維持する方

が高い改善率を維持することが示唆された.長期投与試験も同様に定量限界値(0.1 µg/mL)

以上を維持する方が高い改善率を維持することが示唆された[表 2.7.3.4―6].したがって,国

内においても海外と同様の有効性を維持するためには 3mg/kgでは不十分であり,5mg/kgは必

要であると考えられた.なお,長期投与試験の 46週の血清中濃度及び定量限界値未満の割合

は,他の国内外臨床試験と比べるとやや差異があるが,[表 2.7.3.4―3]に示したように,46

週の PASIスコア 75%改善率は他の国内外臨床試験と同程度であったため,有効性に影響を及

ぼす程の差ではなかったと考えられた.

表 2.7.3.4―6 血清中インフリキシマブ濃度別の PASIスコア 75%改善率

(国内臨床試験,EXPRESS II試験)

トラフの血清中濃度(µg/mL) 0.1未満 0.1~1.0未満 1.0~10.0未満 10.0以上

検証・継続試験 30週

46週

42.9%

22.2%

75.0%

50.0%

94.4%

94.4%

-

-

長期投与試験 30週

46週

33.3%

28.6%

60.0%

33.3%

81.3%

91.7%

100%

-

EXPRESS II試験 30週

46週

41.7%

16.7%

100.0%

100.0%

88.2%

84.6%

100.0%

66.7%

長期投与試験において,尋常性乾癬,関節症性乾癬,膿疱性乾癬,乾癬性紅皮症に対する

5mg/kg の有効性は同様であった([表 2.7.3.3―33]参照).また,症例数が少ない病型もあり

バラツキはあるものの,各乾癬のトラフの血清中濃度の推移及び血清中濃度の定量限界値未満

率においても,病型間に大きな差は認められなかった[表 2.7.3.4―7],[表 2.7.3.4―8].

2.7.3 臨床的有効性の概要

86

表 2.7.3.4―7 トラフの血清中インフリキシマブ濃度(µg/mL,中央値)(長期投与試験)

10週 14週 26週 30週 46週 50週

長期投与試験 尋常性乾癬(n=28~36) 15.86 2.93 7.89 0.95 0.14 6.00 関節症性乾癬(n=10~12) 9.27 1.46 5.58 0.50 0.33 4.98 膿疱性乾癬(n=4~7) 17.82 4.58 10.39 0.90 1.65 16.12 乾癬性紅皮症(n=8) 15.69 3.56 10.01 1.50 0.61 7.48

表 2.7.3.4―8 10週,30週,46週のトラフの血清中インフリキシマブ濃度の定量限界値(0.1

µg/mL)未満率(長期投与試験)

尋常性乾癬 (n=29~36)

関節症性乾癬 (n=10~12)

膿疱性乾癬 (n=4~7)

乾癬性紅皮症 (n=8)

10週 5.6% 8.3% 14.3% 0.0% 30週 35.3% 36.4% 33.3% 12.5% 46週 48.3% 40.0% 25.0% 37.5%

各試験における 30,54週のトラフの血清中濃度を比較した[表 2.7.3.4―9].維持療法が検

証されている各疾患のトラフの血清中濃度と比較すると,国内で乾癬を対象として実施した臨

床試験(検証・継続試験,長期投与試験)のトラフの血清中濃度(中央値)は,他疾患のトラ

フの血清中濃度(中央値)の範囲(30週;0.31~12.5µg/mL ,54週;0.44~14.0µg/mL)内で

あった.

表 2.7.3.4―9 各試験における 30,54週のトラフの血清中インフリキシマブ濃度(µg/mL)

<国内臨床試験> 関節リウマチ クローン病 ベーチェット病 乾癬 増量試験 維持療法試験 長期投与試験 検証・継続試験 長期投与試験

3mg/kg 8週 5mg/kg 8週 5mg/kg 8週 5mg/kg 8週 5mg/kg 8週

例数 93 34 4 29 59 30 週 中央値 0.31 2.6 6.3 1.48 1.04

例数 86 31 4 28 50 54 週 中央値 0.44 2.0 7.0 0.97 0.78

<海外臨床試験> 関節リウマチ 潰瘍性大腸炎 強直性脊椎炎 乾癬

ATTRACT ASPIRE ACT I ASSERT IMPACT2 EXPRESS EXPRESS II 3mg/kg 8週 3mg/k 8週 5mg/kg 8週 5mg/kg 6週 5mg/kg 8週 5mg/kg 8週 5mg/kg 8週

例数 67 48 83 86 411) 92 31 30 週 中央値 0.5 0.8 3.5 12.5 5.51) 2.8 1.6 例数 57 47 71 73 32 952) 262) 54

週 中央値 0.7 0.9 3.8 14.0 4.7 2.92) 2.12)

1)22週の評価 2) 46週の評価

2.7.3 臨床的有効性の概要

87

<まとめ>

・ 検証・継続試験,長期投与試験(尋常性乾癬)の 5mg/kg群での PASIスコア 75%改善率

は,EXPRESS II試験の 5mg/kg 8週群と同様であった.

・ 検証・継続試験,長期投与試験(尋常性乾癬)のトラフの血清中インフリキシマブ濃度

の推移は,EXPRESS II試験の 3mg/kg8週群よりは高い傾向であった.また,国内臨床

試験の 5mg/kg群のトラフの血清中インフリキシマブ濃度が定量限界値未満になる症例

の割合では EXPRESS II試験の 5mg/kg 8週群と同様であった.

・ 検証・継続試験及び長期投与試験(尋常性乾癬)のトラフの血清中インフリキシマブ濃

度別のPASIスコア 75%改善率はEXPRESS II試験と同様にトラフの血清中濃度が定量限

界値未満であると改善率が低かった.

・ 長期投与試験では,関節症性乾癬,膿疱性乾癬,乾癬性紅皮症の有効性,トラフの血清

中インフリキシマブ濃度の推移,トラフの血清中濃度の定量限界未満率に大きな差はな

かった.

・ 乾癬の 5mg/kgでの維持療法は,他の疾患と比較しても適切なトラフの血清中インフリ

キシマブ濃度であることが示唆された.

以上の結果より,本邦の尋常性乾癬に対するレミケードの用法・用量は,承認されている海

外と同様に 5mg/kgを 0,2,6週投与後,8週間隔で投与することが適切であると考えた.ま

た,関節症性乾癬,膿疱性乾癬,乾癬性紅皮症の用法・用量は,尋常性乾癬と同様とすること

が妥当であると考えた.

2.7.3.5 効果の持続、耐薬性

国内及び海外の臨床試験結果から,長期にわたって本剤の効果が持続することが確認されて

いる.

2.7.3.6 付録

2.7.3 臨床的有効性の概要

88

表 2.7.3.6―1 患者背景(SPIRIT試験,EXPRESS試験,EXPRESS II試験)

SPIRIT試験 EXPRESS 試験

EXPRESS II 試験 全体

総症例数 249 378 835 1462 性別 評価例数 249 378 835 1462 男性 174 (69.9%) 268 (70.9%) 554 (66.3%) 996 (68.1%) 女性 75 (30.1%) 110 (29.1%) 281 (33.7%) 466 (31.9%) 人種 評価例数 249 378 835 1462 白人 216 (86.7%) 369 (97.6%) 773 (92.6%) 1358 (92.9%) 黒人 9 (3.6%) 2 (0.5%) 19 (2.3%) 30 (2.1%) アジア人 9 (3.6%) 4 (1.1%) 23 (2.8%) 36 (2.5%) その他 15 (6.0%) 3 (0.8%) 20 (2.4%) 38 (2.6%) 年齢(歳) 評価例数 249 378 835 1462 平均値±SD 44.5 ± 12.8 42.8 ± 11.9 44.0 ± 12.7 43.8 ± 12.5 中央値 44.0 42.0 44.0 43.0 [Q1 ,Q3] [35.0, 53.0] [34.0, 51.0] [34.0, 53.0] [34.0, 53.0] 最小値~最大値 19.0 ~ 83.0 19.0 ~ 76.0 18.0 ~ 80.0 18.0 ~ 83.0 体重(kg) 評価例数 249 375 835 1459 平均値±SD 93.3 ± 23.4 86.6 ± 19.8 91.9 ± 22.8 90.8 ± 22.3 中央値 91.0 86.0 88.9 88.0 [Q1 ,Q3] [77.0, 104.1] [73.2, 96.5] [76.0, 104.0] [75.3, 102.5] 最小値~最大値 52.0 ~ 187.0 43.0 ~ 162.3 44.3 ~ 184.2 43.0 ~ 187.0身長(cm) 評価例数 249 377 835 1461 平均値±SD 173.1 ± 9.8 172.6 ± 10.0 171.8 ± 9.8 172.2 ± 9.9 中央値 174.0 173.0 172.0 173.0 [Q1 ,Q3] [167.0, 180.3] [166.0, 180.0] [165.0, 179.0] [165.0, 179.0] 最小値~最大値 134.6 ~ 194.0 145.0 ~ 194.0 137.0 ~ 200.0 134.6 ~ 200.0罹病期間(年) 評価例数 248 378 835 1461 平均値±SD 18.6 ± 11.0 18.7 ± 11.1 18.4 ± 11.5 18.5 ± 11.3 中央値 17.2 17.3 16.2 16.9 [Q1 ,Q3] [10.8 ,24.4] [10.0, 26.1] [9.6, 25.0] [9.9, 25.2] 最小値~最大値 0.8 ~ 59.4 0.5 ~ 60.2 0.5 ~ 62.1 0.5 ~ 62.1 診断時の年齢 評価例数 248 378 835 1461 (歳) 平均値±SD 26.0 ± 12.4 24.2 ± 12.4 25.7 ± 13.3 25.3 ± 12.9 中央値 24.0 21.0 23.0 23.0 [Q1 ,Q3] [17.0, 35.0] [16.0, 30.0] [16.0, 35.0] [16.0, 34.0]

最小値~最大値 0.0 ~ 71.0 0.0 ~ 69.0 0.0 ~ 73.0 0.0 ~ 73.0

2.7.3 臨床的有効性の概要

89

表 2.7.3.6―2 投与開始時の基準値(SPIRIT試験,EXPRESS試験,EXPRESS II試験)

SPIRIT試験 EXPRESS 試験

EXPRESS II試験 全体

総症例数 249 378 835 1462 局面型の皮疹の病 評価例数 249 375 835 1459 巣範囲(%) 平均値±SD 34.1 ± 20.9 34.0 ± 18.7 28.4 ± 16.7 30.8 ± 18.2 中央値 27.0 29.0 23.0 25.0 [Q1 ,Q3] [19.0, 45.0] [19.0, 44.0] [16.0, 36.0] [17.0, 39.0] 最小値~最大値 8.0 ~ 95.0 10.0 ~ 95.0 10.0 ~ 100.0 8.0 ~ 100.0 ≥20% 186 (74.7%) 281 (74.9%) 524 (62.8%) 991 (67.9%) ≥30% 117 (47.0%) 184 (49.1%) 292 (35.0%) 593 (40.6%) 関節症性乾癬性 評価例数 249 378 835 1462 有 78 (31.3%) 114 (30.2%) 230 (27.5%) 422 (28.9%) 無 171 (68.7%) 264 (69.8%) 605 (72.5%) 1040 (71.1%)PASIスコア 評価例数 249 375 835 1459 平均値±SD 22.5 ± 10.5 22.9 ± 9.2 20.1 ± 7.7 21.3 ± 8.7 中央値 18.9 21.1 17.8 18.6 [Q1 ,Q3] [15.0, 26.6] [16.2, 27.1] [14.8, 22.9] [15.0, 24.8] 最小値~最大値 6.5 ~ 69.6 12.0 ~ 60.4 12.0 ~ 60.0 6.5 ~ 69.6 ≥20 110 (44.2%) 203 (54.1%) 317 (38.0%) 630 (43.2%) PGAスコア 評価例数 249 375 0 624 Severe 8 (3.2%) 9 (2.4%) 0 (0.0%) 17 (2.7%) Marked 54 (21.7%) 134 (35.7%) 0 (0.0%) 188 (30.1%) Moderate 155 (62.2%) 194 (51.7%) 0 (0.0%) 349 (55.9%) Mild 32 (12.9%) 37 (9.9%) 0 (0.0%) 69 (11.1%) Minimal 0 (0.0%) 1 (0.3%) 0 (0.0%) 1 (0.2%) DLQI 評価例数 249 374 833 1456 平均値±SD 12.9 ± 7.1 12.5 ± 7.1 13.1 ± 7.0 12.9 ± 7.1 中央値 12.0 12.5 12.0 12.0 [Q1 ,Q3] [8.0, 17.0] [7.0, 18.0] [8.0, 18.0] [7.0, 18.0] 最小値~最大値 0.0 ~ 30.0 0.0 ~ 30.0 0.0 ~ 30.0 0.0 ~ 30.0 爪乾癬 評価例数 - 373 - - 有 - 305 (81.8%) - - 無 - 68 (18.2%) - - NAPSIスコア(爪 評価例数 - 305 - - 乾癬が有の症例の 平均値±SD - 4.5 ± 2.0 - - み) 中央値 - 4.0 - - [Q1 ,Q3] - [3.0, 6.0] - - 最小値~最大値 - 1.0 ~ 8.0 - - 爪乾癬数(爪乾癬 評価例数 - 305 - - が有の症例のみ) 平均値±SD - 7.4 ± 3.2 - -

中央値 - 10.0 - - [Q1 ,Q3] - [5.0, 10.0] - - 最小値~最大値 - 1.0 ~ 10.0 - -

2.7.3 臨床的有効性の概要

90

表 2.7.3.6―3 投与開始前の治療歴(SPIRIT試験,EXPRESS試験,EXPRESS II試験)

SPIRIT試験 EXPRESS 試験

EXPRESS II 試験 全体

総症例数 249 378 835 1462 外用剤 評価例数 249 378 835 1462 無 23 (9.2%) 6 (1.6%) 60 (7.2%) 89 (6.1%) 有 226 (90.8%) 372 (98.4%) 775 (92.8%) 1373 (93.9%) UVB 評価例数 249 378 835 1462 無 152 (61.0%) 127 (33.6%) 389 (46.6%) 668 (45.7%) 有 97 (39.0%) 251 (66.4%) 446 (53.4%) 794 (54.3%) PUVA 評価例数 249 378 835 1462 無 140 (56.2%) 215 (56.9%) 598 (71.6%) 953 (65.2%) 有 109 (43.8%) 163 (43.1%) 237 (28.4%) 509 (34.8%) MTX 評価例数 249 378 835 1462 無 116 (46.6%) 217 (57.4%) 554 (66.3%) 887 (60.7%) 有 133 (53.4%) 161 (42.6%) 281 (33.7%) 575 (39.3%) アシトレチン 評価例数 249 377 835 1461 無 194 (77.9%) 267 (70.8%) 709 (84.9%) 1170 (80.1%) 有 55 (22.1%) 110 (29.2%) 126 (15.1%) 291 (19.9%) シクロスポリン 評価例数 249 378 835 1462 無 181 (72.7%) 263 (69.6%) 730 (87.4%) 1174 (80.3%) 有 68 (27.3%) 115 (30.4%) 105 (12.6%) 288 (19.7%)

評価例数 249 378 835 1462 2 剤以上の全身療法(PUVA,MTX,Acitretin,シクロスポリン) 有 104 (41.8%) 163 (43.1%) 201 (24.1%) 468 (32.0%)

生物学的製剤 評価例数 249 378 835 1462 無 168 (67.5%) 316 (83.6%) 714 (85.5%) 1198 (81.9%) 有 81 (32.5%) 62 (16.4%) 121 (14.5%) 264 (18.1%)

2.7.3 臨床的有効性の概要

91

表 2.7.3.6―4 患者背景(IMPACT試験) プラセボ 5mg/kg

総症例数 52 52 性別 評価例数 52 52 男性 30 (57.7%) 30 (57.7%) 女性 22 (42.3%) 22 (42.3%) 年齢(歳) 評価例数 52 52 平均値±SD 45.2 ± 9.7 45.7 ±11.1 中央値 46.5 47.0 最小値~最大値 26 ~ 70 22 ~ 72 身長(cm) 評価例数 48 45 平均値±SD 170.8 ± 9.6 170.4 ± 9.4 中央値 172.5 171.0 最小値~最大値 149 ~ 192 153 ~ 190 体重(kg) 評価例数 52 52 平均値±SD 81.1 ± 16.0 82.9 ± 17.6 中央値 81.2 81.0 最小値~最大値 51 ~ 115 49 ~ 120 罹病期間(年) 評価例数 52 52 関節症性乾癬 平均値±SD 11.0 ± 6.6 11.7± 9.8 中央値 10.4 8.1 最小値~最大値 0.7 ~ 26.0 0.7 ~ 40.3 罹病期間(年) 評価例数 52 51 乾癬 平均値±SD 19.4 ± 11.6 16.9 ± 10.9 中央値 16.1 16.8 最小値~最大値 1.0 ~ 61.7 0.7 ~ 38.7 MTX併用 有 34 (65.4%) 24 (46.2%) 無 18 (34.6%) 28 (53.8%) DMARD併用 有 11 (21.2%) 12 (23.1%) (MTXを除く) 無 41 (78.8%) 40 (76.9%) ステロイド併用 有 15 (28.8%) 9 (17.3%) 無 37 (71.2%) 43 (82.7%) NSAID併用 有 41 (78.8%) 46 (88.5%) 無 11 (21.2%) 6 (11.5%) DMARD使用歴 0 1 (1.9%) 0 1 20 (38.4%) 27 (51.9%) 2~3 25 (48.0%) 19 (36.5%) 4以上 6 (11.5%) 6 (11.5%) PASIスコア 評価例数 40 42 平均値±SD 4.2 ± 5.8 5.1 ± 5.9 中央値 2.0 2.8 最小値~最大値 0.0 ~ 27.9 0.0 ~ 26.1 PASIスコア分布 0 or 未測定 14 (26.9%) 12 (23.1%)

0<2.5 20 (38.5%) 18 (34.6%) ≥2.5 18 (34.6%) 22 (42.3%)

2.7.3 臨床的有効性の概要

92

表 2.7.3.6―5 投与開始時の基準値(IMPACT試験) プラセボ 5mg/kg

総症例数 52 52 腫脹関節数(0-66) 評価例数 52 52 平均値±SD 14.7 ± 8.2 14.6 ± 7.5 中央値 12.6 13.0 最小値~最大値 5.0 ~ 44.0 5.0 ~ 34.0 疼痛関節数(0-68) 評価例数 52 52 平均値±SD 20.4 ± 12.1 23.7 ± 13.7 中央値 19.0 21.5 最小値~最大値 5.0 ~ 64.0 7.0 ~ 64.0 被験者による疼痛評価(VAS)(mm) 評価例数 52 52 (VAS 0-100mm) 平均値±SD 56.0 ± 20.8 53.4 ± 21.3 中央値 61.0 50.0 最小値~最大値 4.0 ~ 100.0 7.0 ~ 98.0 被験者による全般評価(VAS)(mm) 評価例数 52 52 (VAS 0-100mm) 平均値±SD 56.0 ± 22.7 52.4 ± 23.5 中央値 57.5 51.0 最小値~最大値 3.5 ~ 100.0 6.0 ~ 100.0 医師による全般評価(VAS)(mm) 評価例数 52 51 (VAS 0-100mm) 平均値±SD 52.4 ± 18.7 53.6 ± 18.5 中央値 50.5 55.0 最小値~最大値 14.0 ~ 93.0 15.0 ~ 86.0 HAQ(0-3) 評価例数 52 51 平均値±SD 1.2 ± 0.7 1.2 ± 0.7 中央値 1.3 1.0 最小値~最大値 0.0 ~ 2.5 0.0 ~ 2.9 CRP値(mg/dL) 評価例数 50 48 平均値±SD 3.11 ± 3.81 2.17 ± 2.70 中央値 1.40 0.99

最小値~最大値 0.0 ~ 14.5 0.13 ~ 13.0

2.7.3 臨床的有効性の概要

93

表 2.7.3.6―6 患者背景(IMPACT2試験) プラセボ 5mg/kg 全体

総症例数 100 100 200 性別 評価例数 100 100 200 男性 51 (51.0%) 71 (71.0%) 122 (61.0%) 女性 49 (49.0%) 29 (29.0%) 78 (39.0%) 人種 評価例数 100 100 200 白人 94 (94.0%) 95 (95.0%) 189 (94.5%) 黒人 3 (3.0%) 2 (2.0%) 5 (2.5%) アジア人 0 (0.0%) 3 (3.0%) 3 (1.5%) その他 3 (3.0%) 0 (0.0%) 3 (1.5%) 年齢(歳) 評価例数 100 100 200 平均値±SD 46.5 ± 11.3 47.1 ± 12.8 46.8 ± 12.1 中央値 47.0 46.5 47.0 [Q1 ,Q3] [39.0, 54.0] [38.5, 55.5] [39.0, 55.0] 最小値~最大値 24.0 ~ 71.0 18.0 ~ 80.0 18.0 ~ 80.0 体重(kg) 評価例数 100 100 200 平均値±SD 84.5 ± 20.3 87.9 ± 16.5 86.2 ± 18.5 中央値 81.9 86.8 84.0 [Q1 ,Q3] [72.0, 96.4] [74.6, 98.1] [74.0, 97.5] 最小値~最大値 46.8 ~ 175.0 56.3 ~ 155.5 46.8 ~ 175.0 身長(cm) 評価例数 99 100 199 平均値±SD 169.3 ± 10.0 172.4 ± 9.4 170.9 ± 9.8 中央値 168.0 174.0 172.0 [Q1 ,Q3] [163.0, 177.0] [166.5, 179.0] [163.0, 178.0] 最小値~最大値 145.0 ~ 203.0 137.0 ~ 193.0 137.0 ~ 203.0 罹病期間(年) 評価例数 100 100 200 関節症性乾癬 平均値±SD 7.5 ± 7.8 8.4 ± 7.2 7.9 ± 7.5 中央値 4.9 5.9 5.5 [Q1 ,Q3] [1.4, 10.4] [3.0, 13.2] [1.8, 11.5] 最小値~最大値 0.3 ~ 38.5 0.4 ~ 29.2 0.3 ~ 38.5 罹病期間(年) 評価例数 100 99 199 乾癬 平均値±SD 16.8 ± 12.0 16.2 ± 11.0 16.5 ± 11.5 中央値 12.7 13.4 12.9 [Q1 ,Q3] [8.3, 26.3] [6.8, 22.4] [7.5, 23.5] 最小値~最大値 0.9 ~ 45.6 0.6 ~ 49.2 0.6 ~ 49.2 MTX併用 評価例数 100 100 200 有 45 (45.0%) 47 (47.0%) 92 (46.0%) 無 55 (55.0%) 53 (53.0%) 108 (54.0%) 経口ステロイド併用 評価例数 100 100 200 有 10 (10.0%) 15 (15.0%) 25 (12.5%) 無 90 (90.0%) 85 (85.0%) 175 (87.5%) NSAID併用 評価例数 100 100 200 有 73 (73.0%) 71 (71.0%) 144 (72.0%) 無 27 (27.0%) 29 (29.0%) 56 (28.0%) 局面型皮疹の病巣範囲 評価例数 98 100 198 <3% BSA 11 (11.2%) 17 (17.0%) 28 (14.1%) ≥3% BSA 87 (88.8%) 83 (83.0%) 170 (85.9%) PASIスコア 評価例数 87 83 170 (BSA3%以上の症例 平均値±SD 10.2 ± 9.0 11.4 ± 12.7 10.8 ± 10.9 のみ) 中央値 6.6 6.4 6.6

[Q1 ,Q3] [3.6, 15.3] [3.5, 13.7] [3.6, 13.7] 最小値~最大値 1.2 ~ 42.8 0.6 ~ 66.0 0.6 ~ 66.0

2.7.3 臨床的有効性の概要

94

表 2.7.3.6―7 投与開始時の基準値(IMPACT2試験) プラセボ 5mg/kg 全体

総症例数 100 100 200 腫脹関節数(0-66) 評価例数 100 100 200 平均値±SD 14.4 ± 8.9 13.9 ± 7.9 14.2 ± 8.4 中央値 12.0 11.5 12.0 [Q1 ,Q3] [8.5 ,18.0] [8.0, 19.0] [8.0, 19.0] 最小値~最大値 3.0 ~ 49.0 2.0 ~ 39.0 2.0 ~ 49.0 疼痛関節数(0-68) 評価例数 100 100 200 平均値±SD 25.1 ± 13.3 24.6 ± 14.1 24.9 ± 13.7 中央値 24.0 20.5 23.0 [Q1 ,Q3] [14.0, 32.5] [14.0, 32.0] [14.0, 32.0] 最小値~最大値 6.0 ~ 63.0 5.0 ~ 63.0 5.0 ~ 63.0 被験者による疼痛評価(VAS)(mm) 評価例数 99 100 199 (VAS 0-100mm) 平均値±SD 59 ± 23 56 ± 21 58 ± 22 中央値 64 59 61 [Q1 ,Q3] [43, 77] [40, 74] [40, 76] 最小値~最大値 5 ~ 100 10 ~ 94 5 ~ 100 被験者による全般評価(VAS)(mm) 評価例数 99 100 199 (VAS 0-100mm) 平均値±SD 59 ± 22 54 ± 21 57 ± 22 中央値 61 59 60 [Q1 ,Q3] [43, 76] [37, 70] [42, 75] 最小値~最大値 5 ~ 100 4 ~ 91 4 ~ 100 医師による全般評価(VAS)(mm) 評価例数 100 100 200 (VAS 0-100mm) 平均値±SD 59 ± 17 55 ± 18 57 ± 18 中央値 60 56 59 [Q1 ,Q3] [50, 71] [45, 69] [47, 69] 最小値~最大値 10 ~ 93 7 ~ 93 7 ~ 93 HAQ(0-3) 評価例数 100 100 200 平均値±SD 1.1 ± 0.6 1.1 ± 0.6 1.1 ± 0.6 中央値 1.1 1.1 1.1 [Q1 ,Q3] [0.8, 1.6] [0.8, 1.6] [0.8, 1.6] 最小値~最大値 0.1 ~ 2.6 0.1 ~ 3.0 0.1 ~ 3.0 CRP(mg/dL) 評価例数 100 100 200

平均値±SD 2.3 ± 3.4 1.9 ± 2.1 2.1 ± 2.9 中央値 1.2 1.0 1.1 [Q1 ,Q3] [0.5, 2.0] [0.4, 2.5] [0.5, 2.4] 最小値~最大値 0.4 ~ 17.8 0.4 ~ 11.6 0.4 ~ 17.8

2.7.3 臨床的有効性の概要

95

表 2.7.3.6―8 PASIスコア 90%改善率の推移(EXPRESS試験,EXPRESS II試験) EXPRESS試験 EXPRESS II試験

3mg/kg 5mg/kg プラセボ→5mg/kg

(24週) 5mg/kg プラセボ→5mg/kg

(16週) 8週 PRN 8週 PRN 総症例数 77 301 208 148 148 150 149

2週 0.0% (0/77) 1.0% (3/298) 0.0% (0/207) 0.7% (1/148) 0.7% (1/148) 0.0% (0/150) 0.7% (1/149) 6週 1.3% (1/77) 31.9% (94/295) 0.0% (0/202) 21.6% (32/148) 22.3% (33/148) 22.0% (33/150) 34.2% (51/149)

10週 1.3% (1/77) 57.1% (172/301) 0.5% (1/208) 40.5% (60/148) 37.8% (56/148) 42.7% (64/150) 50.3% (75/149) 14週 1.3% (1/77) 59.5% (173/291) 1.0% (2/198) 32.4% (48/148) 36.5% (54/148) 46.7% (70/150) 49.0% (73/149) 16週 - - 0.5% (1/197) 42.0% (60/143) 31.7% (46/145) 52.4% (77/147) 43.2% (64/148) 18週 - - 8.2% (15/183) 49.7% (71/143) 27.1% (39/144) 61.0% (86/141) 40.8% (60/147) 22週 1.3% (1/76) 55.6% (158/284) 33.5% (61/182) 33.1% (46/139) 18.2% (26/143) 48.6% (70/144) 32.9% (48/146) 24週 1.3% (1/77) 58.3% (161/276) - - - - - 26週 7.5% (5/67) 57.3% (160/279) 53.0% (96/181) 33.3% (47/141) 20.3% (28/138) 56.0% (79/141) 23.6% (34/144) 30週 27.9% (19/68) 46.8% (133/284) 46.4% (84/181) 24.6% (34/138) 11.6% (16/138) 40.4% (57/141) 12.4% (18/145) 34週 - - 54.7% (98/179) 28.3% (39/138) 8.9% (12/135) 45.7% (64/140) 14.1% (20/142) 38週 54.4% (37/68) 42.2% (119/282) 44.6% (78/175) 23.4% (32/137) 9.8% (13/132) 35.8% (49/137) 12.2% (17/139) 42週 - - 45.3% (78/172) 25.6% (34/133) 6.9% (9/131) 36.0% (49/136) 13.2% (18/136) 46週 52.9% (36/68) 40.8% (115/282) 35.7% (61/171) 25.4% (33/130) 7.0% (9/129) 32.1% (43/134) 10.4% (14/135) 50週 50.0% (34/68) 45.2% (127/281) 40.4% (69/171) 25.0% (32/128) 9.5% (12/126) 34.3% (46/134) 10.4% (14/134)

2.7.3 臨床的有効性の概要

96

表 2.7.3.6―9 PASIスコア 75%改善率の推移(EXPRESS試験,EXPRESS II試験) EXPRESS試験 EXPRESS II試験

3mg/kg 5mg/kg プラセボ→5mg/kg

(24週) 5mg/kg プラセボ→5mg/kg

(16週) 8週 PRN 8週 PRN 総症例数 77 301 208 148 148 150 149

2週 0.0% (0/77) 5.4% (16/298) 0.0% (0/207) 9.5% (14/148) 8.1% (12/148) 4.7% (7/150) 4.7% (7/149) 6週 5.2% (4/77) 62.4% (184/295) 2.5% (5/202) 50.7% (75/148) 50.7% (75/148) 53.3% (80/150) 61.1% (91/149)

10週 2.6% (2/77) 80.4% (242/301) 1.9% (4/208) 73.6% (109/148) 73.0% (108/148) 78.0% (117/150) 77.9% (116/149) 14週 3.9% (3/77) 81.8% (238/291) 3.0% (6/198) 65.5% (97/148) 64.9% (96/148) 76.7% (115/150) 76.5% (114/149) 16週 - - 5.1% (10/197) 70.6% (101/143) 61.4% (89/145) 82.3% (121/147) 75.7% (112/148) 18週 - - 26.2% (48/183) 73.4% (105/143) 56.3% (81/144) 84.4% (119/141) 71.4% (105/147) 22週 3.9% (3/76) 79.6% (226/284) 65.4% (119/182) 61.9% (86/139) 42.0% (60/143) 75.7% (109/144) 61.0% (89/146) 24週 3.9% (3/77) 82.2% (227/276) - - - - - 26週 14.9% (10/67) 81.4% (227/279) 76.2% (138/181) 64.5% (91/141) 42.0% (58/138) 78.0% (110/141) 57.6% (83/144) 30週 66.2% (45/68) 70.1% (199/284) 69.1% (125/181) 48.6% (67/138) 38.4% (53/138) 65.2% (92/141) 56.6% (82/145) 34週 - - 75.4% (135/179) 48.6% (67/138) 38.5% (52/135) 65.7% (92/140) 43.0% (61/142) 38週 77.9% (53/68) 63.1% (178/282) 64.6% (113/175) 41.6% (57/137) 29.5% (39/132) 59.9% (82/137) 43.9% (61/139) 42週 - - 66.3% (114/172) 44.4% (59/133) 31.3% (41/131) 64.0% (87/136) 43.4% (59/136) 46週 80.9% (55/68) 57.4% (162/282) 55.6% (95/171) 36.2% (47/130) 28.7% (37/129) 54.5% (73/134) 40.7% (55/135) 50週 76.5% (52/68) 60.5% (170/281) 56.7% (97/171) 43.8% (56/128) 25.4% (32/126) 54.5% (73/134) 38.1% (51/134)

2.7.3 臨床的有効性の概要

97

表 2.7.3.6―10 PASIスコア 50%改善率の推移(EXPRESS試験,EXPRESS II試験) EXPRESS試験 EXPRESS II試験

3mg/kg 5mg/kg プラセボ→5mg/kg

(24週) 5mg/kg プラセボ→5mg/kg

(16週) 8週 PRN 8週 PRN 総症例数 77 301 208 148 148 150 149

2週 3.9% (3/77) 35.6% (106/298) 2.9% (6/207) 36.5% (54/148) 32.4% (48/148) 34.0% (51/150) 37.6% (56/149) 6週 7.8% (6/77) 89.5% (264/295) 5.4% (11/202) 82.4% (122/148) 77.7% (115/148) 84.7% (127/150) 91.9% (137/149)

10週 7.8% (6/77) 91.0% (274/301) 8.2% (17/208) 89.2% (132/148) 89.2% (132/148) 95.3% (143/150) 95.3% (142/149) 14週 11.7% (9/77) 91.8% (267/291) 9.6% (19/198) 86.5% (128/148) 85.1% (126/148) 92.0% (138/150) 92.6% (138/149) 16週 - - 15.2% (30/197) 89.5% (128/143) 84.8% (123/145) 93.9% (138/147) 91.9% (136/148) 18週 - - 54.1% (99/183) 87.4% (125/143) 80.6% (116/144) 93.6% (132/141) 89.1% (131/147) 22週 11.8% (9/76) 89.1% (253/284) 85.2% (155/182) 81.3% (113/139) 76.2% (109/143) 89.6% (129/144) 90.4% (132/146) 24週 6.5% (5/77) 89.9% (248/276) - - - - - 26週 50.7% (34/67) 88.5% (247/279) 88.4% (160/181) 85.1% (120/141) 67.4% (93/138) 89.4% (126/141) 87.5% (126/144) 30週 91.2% (62/68) 81.7% (232/284) 86.7% (157/181) 68.8% (95/138) 67.4% (93/138) 81.6% (115/141) 80.7% (117/145) 34週 - - 87.7% (157/179) 71.0% (98/138) 65.9% (89/135) 83.6% (117/140) 81.7% (116/142) 38週 91.2% (62/68) 76.2% (215/282) 82.3% (144/175) 61.3% (84/137) 65.9% (87/132) 75.2% (103/137) 77.0% (107/139) 42週 - - 83.1% (143/172) 60.9% (81/133) 60.3% (79/131) 75.7% (103/136) 73.5% (100/136) 46週 88.2% (60/68) 69.1% (195/282) 76.0% (130/171) 51.5% (67/130) 57.4% (74/129) 67.9% (91/134) 75.6% (102/135) 50週 89.7% (61/68) 68.7% (193/281) 77.8% (133/171) 55.5% (71/128) 59.5% (75/126) 72.4% (97/134) 73.9% (99/134)

2.7.3 臨床的有効性の概要

98

表 2.7.3.6―11 PGAのminimal(1)もしくは cleared(0)の症例数(EXPRESS試験),excellent(2)もしくは clear(1)(EXPRESS II試験) EXPRESS試験 EXPRESS II試験

3mg/kg 5mg/kg プラセボ→5mg/kg

(24週) 5mg/kg プラセボ→5mg/kg

(16週) 8週 PRN 8週 PRN 総症例数 77 301 208 148 148 150 149

2週 3.9% (3/77) 19.8% (59/298) 1.0% (2/207) 10.8% (16/148) 7.4% (11/148) 8.1% (12/149) 10.1% (15/149)6週 2.6% (2/77) 69.5% (205/295) 1.5% (3/202) 54.1% (80/148) 45.3% (67/148) 55.3% (83/150) 63.8% (95/149)10週 3.9% (3/77) 82.9% (242/292) 1.0% (2/200) 73.0% (108/148) 71.6% (106/148) 80.0% (120/150) 73.8% (110/149)14週 2.6% (2/77) 75.3% (219/291) 2.0% (4/198) 66.2% (98/148) 66.2% (98/148) 78.7% (118/150) 73.8% (110/149)16週 - - 4.6% (9/197) 68.5% (98/143) 62.8% (91/145) 80.3% (118/147) 70.3% (104/148)18週 - - 25.1% (46/183) 74.8% (107/143) 56.3% (81/144) 86.5% (122/141) 69.4% (102/147)22週 2.6% (2/76) 67.5% (191/283) 62.1% (113/182) 59.7% (83/139) 44.1% (63/143) 77.1% (111/144) 57.5% (84/146)24週 2.6% (2/77) 73.6% (203/276) - - - - - 26週 23.9% (16/67) 69.8% (194/278) 75.7% (137/181) 63.8% (90/141) 39.1% (54/138) 79.4% (112/141) 56.9% (82/144)30週 67.6% (46/68) 56.7% (161/284) 71.3% (129/181) 49.3% (68/138) 39.4% (54/137) 66.7% (94/141) 54.5% (79/145)34週 - - 74.3% (133/179) 54.3% (75/138) 39.3% (53/135) 72.1% (101/140) 54.9% (78/142)38週 73.5% (50/68) 53.5% (151/282) 66.3% (116/175) 45.3% (62/137) 37.1% (49/132) 56.2% (77/137) 47.5% (66/139)42週 - - 69.2% (119/172) 45.9% (61/133) 39.7% (52/131) 62.5% (85/136) 47.1% (64/136)46週 70.6% (48/68) 48.9% (138/282) 62.0% (106/171) 38.5% (50/130) 34.9% (45/129) 56.0% (75/134) 42.2% (57/135)50週 67.6% (46/68) 53.0% (149/281) 62.6% (107/171) 46.9% (60/128) 31.7% (40/126) 58.2% (78/134) 42.1% (56/133)

2.7.3 臨床的有効性の概要

99

表 2.7.3.6―12 ACR基準 20%,50%,70%改善率の推移(IMPACT試験 Year1) プラセボ 5mg/kg

総症例数 52 52 2週 ACR基準 20%改善率 3 (5.8%) 22 (42.3%)

ACR基準 50%改善率 0 (0.0%) 9 (17.3%) ACR基準 70%改善率 0 (0.0%) 1 (1.9%)

6週 ACR基準 20%改善率 4 (7.7%) 32 (61.5%) ACR基準 50%改善率 0 (0.0%) 14 (26.9%) ACR基準 70%改善率 0 (0.0%) 5 (9.6%)

10週 ACR基準 20%改善率 7 (13.5%) 28 (53.8%) ACR基準 50%改善率 1 (1.9%) 17 (32.7%) ACR基準 70%改善率 0 (0.0%) 7 (13.5%)

14週 ACR基準 20%改善率 6 (11.5%) 35 (67.3%) ACR基準 50%改善率 1 (1.9%) 19 (36.5%) ACR基準 70%改善率 0 (0.0%) 11 (21.2%)

16週 ACR基準 20%改善率 5 (9.6%) 34 (65.4%) ACR基準 50%改善率 0 (0.0%) 24 (46.2%) ACR基準 70%改善率 0 (0.0%) 15 (28.8%)

プラセボ→5mg/kg 5mg/kg 総症例数 50 49

18週 ACR基準 20%改善率 26 (52.0%) 38 (77.6%) ACR基準 50%改善率 13 (26.0%) 24 (49.0%) ACR基準 70%改善率 4 (8.0%) 14 (28.6%)

22週 ACR基準 20%改善率 31 (62.0%) 35 (71.4%) ACR基準 50%改善率 18 (36.0%) 19 (38.8%) ACR基準 70%改善率 10 (20.0%) 11 (22.4%)

30週 ACR基準 20%改善率 33 (66.0%) 32 (65.3%) ACR基準 50%改善率 22 (44.0%) 21 (42.9%) ACR基準 70%改善率 11 (22.0%) 13 (26.5%)

38週 ACR基準 20%改善率 31 (62.0%) 28 (57.1%) ACR基準 50%改善率 24 (48.0%) 20 (40.8%) ACR基準 70%改善率 14 (28.0%) 13 (26.5%)

46週 ACR基準 20%改善率 33 (66.0%) 28 (57.1%) ACR基準 50%改善率 23 (46.0%) 24 (49.0%) ACR基準 70%改善率 12 (24.0%) 16 (32.7%)

50週 ACR基準 20%改善率 34 (68.0%) 34 (69.4%) ACR基準 50%改善率 21 (42.0%) 26 (53.1%) ACR基準 70%改善率 17 (34.0%) 19 (38.8%)

2.7.3 臨床的有効性の概要

100

表 2.7.3.6―13 ACR基準 20%,50%,70%改善率の推移(IMPACT試験 Year2) 5mg/kg

総症例数 781) 50週 ACR基準 20%改善率 57 (73.1%)

ACR基準 50%改善率 39 (50.0%) ACR基準 70%改善率 31 (39.7%)

54週 ACR基準 20%改善率 44 (56.4%) ACR基準 50%改善率 28 (35.9%) ACR基準 70%改善率 21 (26.9%)

62週 ACR基準 20%改善率 48 (61.5%) ACR基準 50%改善率 34 (43.6%) ACR基準 70%改善率 23 (29.5%)

70週 ACR基準 20%改善率 48 (61.5%) ACR基準 50%改善率 38 (48.7%) ACR基準 70%改善率 23 (29.5%)

78週 ACR基準 20%改善率 46 (59.0%) ACR基準 50%改善率 33 (42.3%) ACR基準 70%改善率 25 (32.1%)

86週 ACR基準 20%改善率 50 (64.1%) ACR基準 50%改善率 31 (39.7%) ACR基準 70%改善率 19 (24.4%)

94週 ACR基準 20%改善率 45 (57.7%) ACR基準 50%改善率 33 (42.3%) ACR基準 70%改善率 21 (26.9%)

98週 ACR基準 20%改善率 48 (61.5%) ACR基準 50%改善率 35 (44.9%) ACR基準 70%改善率 27 (34.6%)

1) Year1でプラセボ群は 16週からレミケード群に切り替わるため,50週では 5mg/kgの投与期間としては 34週となるが,Year2では 5mg/kg群に含めて評価

2.7.3 臨床的有効性の概要

101

表 2.7.3.6―14 ACR基準 20%,50%,70%改善率の推移(IMPACT2試験)

プラセボ→5mg/kg (24週時)1)

5mg/kg2)

総症例数 100 100 2週 評価例数 100 98

ACR基準 20%改善率 7 (7.0%) 29 (29.6%) ACR基準 50%改善率 0 (0.0%) 8 (8.2%) ACR基準 70%改善率 0 (0.0%) 2 (2.0%)

6週 評価例数 98 98 ACR基準 20%改善率 11 (11.2%) 52 (53.1%) ACR基準 50%改善率 2 (2.0%) 22 (22.4%) ACR基準 70%改善率 0 (0.0%) 12 (12.2%)

14週 評価例数 99 99 ACR基準 20%改善率 11 (11.1%) 58 (58.6%) ACR基準 50%改善率 3 (3.0%) 36 (36.4%) ACR基準 70%改善率 1 (1.0%) 15 (15.2%)

14週(missing = nonresponder) 評価例数 100 100 ACR基準 20%改善率 11 (11.0%) 58 (58.0%) ACR基準 50%改善率 3 (3.0%) 36 (36.0%) ACR基準 70%改善率 1 (1.0%) 15 (15.0%)

22週 評価例数 96 92 ACR基準 20%改善率 14 (14.6%) 48 (52.2%) ACR基準 50%改善率 8 (8.3%) 36 (39.1%) ACR基準 70%改善率 1 (1.0%) 20 (21.7%)

24週 評価例数 95 93 ACR基準 20%改善率 16 (16.8%) 54 (58.1%) ACR基準 50%改善率 4 (4.2%) 41 (44.1%) ACR基準 70%改善率 2 (2.1%) 27 (29.0%)

24週(missing = nonresponder) 評価例数 100 100 ACR基準 20%改善率 16 (16.0%) 54 (54.0%) ACR基準 50%改善率 4 (4.0%) 41 (41.0%) ACR基準 70%改善率 2 (2.0%) 27 (27.0%)

54週 評価例数 83 90 ACR基準 20%改善率 51 (61.4%) 53 (58.9%) ACR基準 50%改善率 36 (43.4%) 33 (36.7%) ACR基準 70%改善率 21 (25.3%) 20 (22.2%)

54週(missing = nonresponder) 評価例数 91 100 ACR基準 20%改善率 51 (56.0%) 53 (53.0%) ACR基準 50%改善率 36 (39.6%) 33 (33.0%) ACR基準 70%改善率 21 (23.1%) 20 (20.0%)

1) 16週の腫脹関節数,疼痛関節痛の改善がいずれも 10%未満の患者に 16,18,22,30,38,46週に 5mg/kgを投与した Early escape群を含む

2) 38 週に腫脹関節数,疼痛関節痛の合計の改善が 20%未満の患者に 38,46 週に 10mg/kg に増量した 5→10mg/kg群を含む

2.7.3 臨床的有効性の概要

102

表 2.7.3.6―15 HAQの推移(IMPACT試験 Year1) プラセボ 5mg/kg

症例数 平均値 中央値 SE 症例数 平均値 中央値 SE 投与前 測定値 51 1.17 1.25 0.10 51 1.15 1.00 0.10 2週 測定値 51 1.15 1.13 0.10 51 0.85 0.75 0.10 変化量 -0.02 0.00 0.05 -0.30 -0.25 0.05 変化率(%) 47 -0.22 0.00 5.90 48 -24.3 -18.2 5.84 6週 測定値 49 1.14 1.00 0.10 50 0.65 0.50 0.10 変化量 -0.04 0.00 0.06 -0.49 -0.38 0.06 変化率(%) 45 -1.84 0.00 8.95 47 -38.7 -45.5 8.76 10週 測定値 47 1.12 1.00 0.11 46 0.70 0.44 0.11 変化量 -0.06 -0.13 0.06 -0.44 -0.38 0.06 変化率(%) 43 -0.05 -7.69 8.25 44 -41.8 -38.2 8.15 14週 測定値 48 1.16 1.13 0.11 50 0.58 0.38 0.10 変化量 -0.02 0.00 0.06 -0.56 -0.50 0.06 変化率(%) 44 -7.24 0.00 5.98 47 -51.8 -63.6 5.78 16週 測定値 49 1.20 1.13 0.11 50 0.57 0.38 0.10 変化量 -0.01 0.00 0.06 -0.57 -0.56 0.06 変化率(%) 45 -8.72 0.00 6.60 47 -50.8 -54.6 6.46 16週 測定値 51 1.18 1.13 0.10 51 0.59 0.38 0.10 missing = nonresponder 変化量 0.01 0.00 0.06 -0.56 -0.50 0.06 変化率(%) 47 1.58 0.00 8.28 48 -49.8 -54.2 8.19

プラセボ→5mg/kg 5mg/kg 18週 測定値 48 0.94 0.94 0.10 47 0.50 0.25 0.10 変化量 -0.27 -0.25 0.07 -0.61 -0.63 0.07 変化率(%) 44 -28.3 -26.1 6.87 44 -52.8 -62.0 6.87 22週 測定値 48 0.84 0.81 0.10 48 0.52 0.38 0.10 変化量 -0.37 -0.29 0.08 -0.58 -0.50 0.08 変化率(%) 44 -37.2 -38.8 7.48 45 -50.4 -63.2 7.40 30週 測定値 45 0.66 0.63 0.09 45 0.47 0.25 0.09 変化量 -0.53 -0.50 0.08 -0.57 -0.50 0.08 変化率(%) 41 -49.4 -40.0 6.60 42 -52.9 -64.6 6.52 38週 測定値 46 0.67 0.56 0.09 44 0.45 0.25 0.09 変化量 -0.53 -0.50 0.08 -0.56 -0.63 0.08 変化率(%) 42 -50.2 -50.0 8.66 41 -46.7 -62.5 8.76 46週 測定値 44 0.66 0.50 0.09 40 0.45 0.25 0.10 変化量 -0.57 -0.50 0.09 -0.64 -0.75 0.09 変化率(%) 40 -53.4 -52.3 6.96 38 -57.4 -70.3 7.14 50週 測定値 46 0.67 0.50 0.09 42 0.41 0.25 0.09 変化量 -0.53 -0.50 0.09 -0.58 -0.63 0.09 変化率(%) 42 -51.0 -54.2 9.37 40 -44.2 -72.1 9.60 50週 測定値 49 0.70 0.50 0.10 48 0.54 0.25 0.10 missing = nonresponder 変化量 -0.51 -0.50 0.08 -0.56 -0.63 0.08 変化率(%) 45 -49.2 -53.3 8.79 45 -42.5 -71.4 8.79

2.7.3 臨床的有効性の概要

103

表 2.7.3.6―16 HAQの推移(IMPACT試験 Year2)

1) Year1でプラセボ群は 16週からレミケード群に切り替わるため,50週では 5mg/kgの投与期間としては 34週となるが,Year2では 5mg/kg群に含めて評価

症例数 1) 平均値 中央値 SD 投与前 測定値 77 1.11 1.13 0.64 50週 測定値 76 0.54 0.38 0.59 変化量 76 -0.57 -0.63 0.57 変化率(%) 70 -48.8 -61.8 55.35 54週 測定値 58 0.58 0.38 0.62 変化量 58 -0.54 -0.50 0.56 変化率(%) 54 -51.4 -58.6 43.11 62週 測定値 69 0.59 0.38 0.62 変化量 69 -0.51 -0.50 0.56 変化率(%) 64 -44.5 -57.1 56.29 70週 測定値 73 0.63 0.50 0.65 変化量 73 -0.46 -0.38 0.59 変化率(%) 67 -40.2 -53.8 61.30 78週 測定値 72 0.62 0.50 0.65 変化量 72 -0.49 -0.50 0.57 変化率(%) 66 -42.1 -50.9 64.18 86週 測定値 70 0.63 0.44 0.66 変化量 70 -0.47 -0.50 0.54 変化率(%) 64 -42.7 -54.7 57.38 94週 測定値 69 0.64 0.50 0.65 変化量 69 -0.47 -0.50 0.52 変化率(%) 63 -40.3 -46.7 71.39 98週 測定値 67 0.57 0.38 0.60 変化量 67 -0.52 -0.50 0.51 変化率(%) 61 -47.8 -54.5 60.06 98週 測定値 77 0.64 0.50 0.64 missing = nonresponder 変化量 77 -0.47 -0.50 0.57 変化率(%) 71 -37.7 -46.2 71.78

2.7.3 臨床的有効性の概要

104

表 2.7.3.6―17 DLQI変化量の推移(EXPRESS試験,EXPRESS II試験) EXPRESS試験 EXPRESS II試験

3mg/kg 5mg/kg プラセボ→5mg/kg

(24週) 5mg/kg プラセボ→5mg/kg

(16週) 8週 PRN 8週 PRN 総症例数 77 301 208 148 148 150 149

10週 評価例数 75 290 200 146 148 150 149 平均値 ± SD -0.4 ± 5.7 -10.3 ± 7.1 -0.6 ± 5.4 -9.8 ± 6.7 -9.8 ± 6.7 -10.3 ± 6.9 -10.9 ± 7.3 中央値 0.0 -9.0 0.0 -9.0 -9.0 -9.0 -11.0 [Q1 ,Q3] (-3.0, 3.0) (-15.0, -5.0) (-4.0, 2.0) (-14.0, -5.0) (-14.0, -5.0) (-15.0, -5.0) (-16.0, -6.0) 範囲 -19.0 ~ 18.0 -28.0 ~ 6.0 -17.0 ~ 19.0 -28.0 ~ 10.0 -29.0 ~ 8.0 -29.0 ~ 3.0 -27.0 ~ 13.0

24週 評価例数 77 275 - - - - - 平均値 ± SD -0.2 ± 6.1 -10.0 ± 7.3 - - - - - 中央値 0.0 -9.0 - - - - - [Q1 ,Q3] (-3.0, 2.0) (-16.0, -5.0) - - - - - 範囲 -19.0 ~ 22.0 -30.0 ~ 6.0 - - - - -

30週 評価例数 - - 178 136 138 141 144 平均値 ± SD - - -9.0 ± 8.1 -6.5 ± 7.5 -5.6 ± 6.9 -8.8 ± 7.8 -8.0 ± 8.2 中央値 - - -8.0 -5.5 -5.0 -8.0 -7.0 [Q1 ,Q3] - - (-14.0, -3.0) (-11.0, -1.0) (-11.0, 0.0) (-13.0, -4.0) (-14.0, -2.0) 範囲 - - -30.0 ~ 13.0 -28.0 ~ 18.0 -22.0 ~ 15.0 -29.0 ~ 15.0 -26.0 ~ 15.0

50週 評価例数 68 279 171 126 125 134 134 平均値 ± SD -8.6 ± 7.6 -7.3 ± 8.0 -7.8 ± 7.6 -5.7 ± 7.7 -4.6 ± 7.0 -8.3 ± 7.4 -7.0 ± 7.7 中央値 -7.0 -6.0 -5.0 -4.5 -3.0 -7.0 -6.0 [Q1 ,Q3] (-14.0, -2.5) (-13.0, 0.0) (-13.0, -2.0) (-10.0, 0.0) (-9.0, 0.0) (-13.0, -2.0) (-12.0, 0.0) 範囲 -28.0 ~ 3.0 -27.0 ~ 16.0 -30.0 ~ 10.0 -27.0 ~ -18.0 -24.0 ~ 15.0 -30.0 ~ 6.0 -28.0 ~ 14.0

2.7.3 臨床的有効性の概要

105

表 2.7.3.6―18 SF-36の身体的健康サマリー概要スコアの変化量の推移(EXPRESS試験,

EXPRESS II試験) EXPRESS試験 EXPRESS II試験

3mg/kg 5mg/kg

プラセボ →5mg/kg (24週)

5mg/kg プラセボ →5mg/kg (16週) 8週 PRN 8週 PRN

総症例数 77 301 208 148 148 150 149

10週 評価例数 77 290 199 148 148 150 148

変化量 平均値 ± SD -0.4 ± 7.7 5.0 ± 8.3 -0.1 ± 7.7 4.4 ± 8.6 3.9 ± 8.6 3.4 ± 8.6 4.4 ± 9.4

中央値 0.0 3.9 0.0 2.8 2.7 2.2 2.7

[Q1 ,Q3] (-4.9, 2.9) (0.0, 9.0) (-3.6, 3.8) (-1.1, 8.3) (-1.6, 7.4) (-1.6, 7.9) (-1.8, 8.3)

範囲 -22.8~25.6 -21.9~34.8 -22.3~27.4 -20.9~33.9 -17.2~29.0 -23.0~34.8 -23.4~35.1

p値 <0.001

24週 評価例数 77 274 - - - - -

変化量 平均値 ± SD -1.4 ± 9.2 4.9 ± 9.5 - - - - -

中央値 0.0 3.4 - - - - -

[Q1 ,Q3] (-5.6, 3.0) (0.0, 9.3) - - - - -

範囲 -35.6~20.5 -31.2~38.2 - - - - -

30週 評価例数 - - 179 138 137 141 144

変化量 平均値 ± SD - - 4.3 ± 9.3 1.7 ± 8.8 1.7 ± 9.1 1.9 ± 10.2 3.2 ± 9.8

中央値 - - 3.2 1.2 0.2 1.8 2.1

[Q1 ,Q3] - - (-0.7, 9.5) (-2.6, 5.3) (-2.8, 5.2) (-3.0, 6.4) (-1.8, 7.9)

範囲 - - -23.4~29.0 -22.9~27.6 -25.8~39.4 -37.0~33.5 -29.0~34.8

50週 評価例数 68 276 170 128 123 134 134

変化量 平均値 ± SD 2.2 ± 8.8 3.1 ± 9.4 1.9 ± 9.3 0.9 ± 10.0 0.4 ± 9.9 1.7 ± 9.4 2.3 ± 10.1

中央値 1.8 0.7 3.2 0.0 0.0 0.7 0.7

[Q1 ,Q3] (-2.2, 7.4) (-0.9, 7.4) (-2.6~6.3) (-2.2, 4.5) (-3.2, 3.7) (-1.8, 5.9) (-1.6, 6.3)

範囲 -26.7~25.8 -29.7~40.4 -29.7~33.6 -40.8~27.6 -32.6~41.0 -26.9~31.5 -33.3~32.9

2.7.3 臨床的有効性の概要

106

表 2.7.3.6―19 SF-36の精神的健康サマリー概要スコアの変化量の推移

(EXPRESS試験,EXPRESS II試験) EXPRESS試験 EXPRESS II試験

3mg/kg 5mg/kg

プラセボ →5mg/kg (24週)

5mg/kg プラセボ →5mg/kg (16週) 8週 PRN 8週 PRN

総症例数 77 301 208 148 148 150 149

10週 評価例数 77 290 199 148 148 150 148

変化量 平均値 ± SD -0.8 ± 9.7 6.3 ± 11.0 -0.2 ± 9.8 4.7 ± 10.0 5.0 ± 8.7 5.7 ± 9.9 5.1 ± 12.0

中央値 -0.1 3.4 0.0 3.8 3.7 3.1 3.6

[Q1 ,Q3] (-4.0, 2.0) (-0.6, 11.0) (-4.8, 4.8) (-1.5, 11.1) (-0.2, 8.3) (-0.5, 11.1) (-1.4, 11.4)

範囲 -32.3~31.7 -23.2~41.6 -30.1~24.9 -31.1~28.7 -20.0~30.5 -12.7~40.0 -39.5~34.4

p値 <0.001

24週 評価例数 77 274 - - - - -

変化量 平均値 ± SD -1.4 ± 9.2 4.9 ± 9.5 - - - - -

中央値 0.0 3.4 - - - - -

[Q1 ,Q3] (-4.1, 4.4) (-0.5, 10.6) - - - - -

範囲 -29.9~33.9 -20.2~42.2 - - - - -

30週 評価例数 - - 179 138 137 141 144

変化量 平均値 ± SD - - 3.2 ± 11.0 2.8 ± 7.9 0.6 ± 10.9 3.3 ± 11.1 2.3 ± 11.1

中央値 - - 1.7 1.9 0.0 1.5 0.5

[Q1 ,Q3] - - (-2.7, 8.4) (-1.1, 7.1) (-3.7, 4.4) (-3.4, 9.9) (-2.6, 6.8)

範囲 - - -28.3~46.3 -22.4~24.3 -31.1~30.5 -36.2~30.4 -31.1~39.7

50週 評価例数 68 276 170 128 123 134 134

変化量 平均値 ± SD 2.2 ± 8.8 3.1 ± 9.4 3.2 ± 10.1 2.0 ± 8.1 1.5 ± 9.2 4.4 ± 10.1 3.5 ± 10.0

中央値 1.8 0.7 0.9 0.4 0.0 1.3 1.0

[Q1 ,Q3] (-4.0, 9.6) (-0.5, 8.9) (-1.5, 7.3) (-1.7, 5.2) (-2.1, 4.8) (-0.8, 9.8) (-0.8, 8.0)

範囲 -24.3~37.3 -22.6~42.5 -29.0~39.9 -23.6~23.6 -26.3~38.1 -31.0~36.7 -23.3~43.8