[第3回日韓若者フォーラム]日本の若年neet問題の展開と対応-宮本みち子(jp)

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3回日韓若者フォーラム 平成25年7月3日(水)14時~ 日本の若年NEET問題の展開と対 放送大学 宮本みち子

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第3回日韓若者フォーラム

平成25年7月3日(水)14時~

日本の若年NEET問題の展開と対応

放送大学 宮本みち子

若者支援に関する主な取り組み

1990年代後半 フリーターの急増 2002-03年 2009年 若年失業率のピーク 政府が若者の労働市場の問題を公式に認める 2004年から、若者就労支援の取り組みが開始 2005年 若者自立塾 2006年 地域若者サポートステーション開設 20ヶ所から160ヶ所へ(2013年) 2009年 ひきこもり対策推進事業・・・ひきこもり地域支援センター 2010年 子ども若者育成支援推進法 2011年 パーソナルサポート・モデル事業・・・生活困窮者支援の開始 2011年 ひきこもり支援・・アウトリーチ型支援の導入 2012年 生活支援戦略 貧困の連鎖の防止、若者の就労・自立の促進 中間的就労 2013年 引きこもりやその家族を支援する「ひきこもりサポーター」を養成 2013年 子どもの貧困対策法

若者の深刻な雇用状況 1995年~2010年の変化

■15~23歳男子人口 31.2%減 正規雇用 52.9%減

■24~34歳男子人口 51万人減 正規雇用 128万人減

■ 完全失業者+無業者 6%->11%へ

■ 非正規雇用者 2.5%->11.5%へ

■正社員と同様の職務を担う有期契約労働者

6.68回の契約更新、勤続年数が5年を超える人 31.9%

10年を超える人 14.3%=非正規の長期化傾向

日本全体の雇用機会が拡大しない限り、根本的な解決はない

◆ 現代の労働市場は働けない人を作りやすい

◆ とくに若者は不就労者(失業者+無業者)が増えていく

◆ 仕事の世界の高度化は、格差を拡大させやすい

◆ 条件に恵まれない生徒たちがどのような教育を受ければ社会で自立することができるのかが社会的課題

◆ 健常者と障害者という単純な2項区分は実態にあっていない

◆“働けない人“はどうやって生きて行ったらよいのか?

(20代の生活保護受給者の増加が著しい)

◆ 何が有効な支援策か

このままの状態が続くと将来どうなるの

か?

50年後には65歳以上が5人に2人

生産年齢人口が半減する超少子高齢社会に

「働かない」、「働けない」若者

=結婚できない、自活できない若者

=>少子・高齢化の原因、生活保護費の

増大へ

OECD加盟国の若者の実態から

26カ国の15,6歳~24歳のニート比率(失業者および無業者) 失業リスクが高い集団 置き去り層: 中退、移民マイノリティ、貧困地域、農村部、過疎地 労働市場への統合が不完全な新規参入者: 安定した技能を有していない: 短期雇用、失業、無業を繰り返す 置き去り層に関しては、早期介入が必要 1)就学前教育 2)義務教育における学力 3)後期中等教育を修了することを支援すること ■なぜ後期中等教育の修了が必要なのか? 職を確保するのに必要 これ以後の就業に際して、または離職に際して、学習できるための 最低限の要件 出所: OECD 2011, Off to a Good Start? Jobs for Youth

就労で最も不利な状況に置かれた若年に必要なこと

は?

■教育段階でのハンディキャップに対する早期対応

■中退者:パソコン技術、基本的な技術資格など、労働市場で必要とされる技能の獲得を強化。復学は逆効果のこともある。学校以外の訓練プログラムと労働体験、助言のセット

■企業の積極的関与が極めて重要。そのため、採用する企業や実習受け入れ企業(中小企業が良い)への補助金も効果

■高校中退後、安定した仕事に就けない若者に対してはとくに配慮が必要

出所: OECD 2011, Off to a Good Start? Jobs for Youth

職業教育・訓練機会が少ない

内部労働市場の国日本の課題

若者の3分の1は職業訓練を受けるチャンスがない。 理由 ◆ 企業内教育・訓練が中心、それ以外の機会が少ない ◆ 訓練を受ける期間の生活費がない。教育・訓練費の自己負担 雇用保険による離職者訓練が中心 ー>雇用保険に入っていない者には2011年10月求職者訓練制度が発足した が、NEETの若者には適用が難しい ◆ 経済負担を伴わない良い訓練機会がない ◆ たとえ訓練を受けたとしても、その資格が有効とは限らない =外部労働市場の未発達 新規一括採用の慣習は変わっていないため、学卒時に就職が決まらないと、 そのあとは決定的に不利になる

仕事の世界へと入っていくのは、スモールステップを上がっていくプロセス

構成要素

①相談・診断

②社会体験・仕事セミナー

③ジョブ・トレーニング

④インターンシップ

⑤中間的就労

⑥就労(定着支援)

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社会参加の促進 → 職業意識顕在化 → コミュニケーション能力 → 就労に向けた 自己表現が身に付く 実践的能力の修得

就 労(定着支援)

資格取得講座 職業訓練 ジョブカード

専門学校・職業訓練校 ハローワーク ジョブカフェ ジョブカードサポートセンター ジョブマッチングよこはま との連携

経済観光局 ポータルサイト

横浜で働こう!

ジョブトレーニング

インターンシップ

E-若者サポートステーション(ハマトリアム・カフェ) 利用者情報提供

相談・診断

社会体験 仕事セミナー

若者サポートステーション 相談・支援 セミナー等 連携企業での就労体験

よこはま型若者自立塾 カウンセリング ジョブキャンプ 関連企業での就労体験

求職活動

きっかけ

訓練

実践

みつめ直し 動機づけ

次のステップアップにつながる就労支援の仕組み(横浜市の場合)

中間的就労

地域ユースプラザ 相談・支援 居場所づくり 社会体験等

青少年相談センター 訪問相談 グループ活動 等

うながし(アウトリーチ事業)

2013/7/22

日本で取り組むべき重要な課題: 生活困窮者自立支援法

■一般労働市場で働くことがにわかには難しい若者にとっての出口は、教育・訓練・就労支援・学び・交わり・労働・くらしが一体化した世界

■「誰でももっているはずの可能性を引き出すこと」が価値として確立している場

■ 人と出会えること、仲間がいること、人間らしい活動の場

若者支援は

崩壊する地域社会の再建の一環

■若者の社会参加を応援し、困難を抱える若者に手を差し伸べる人々のいるコミュニティを作ること

■公的責任において、若者の自立を保障する社会システムを作ること 「親」と「会社」で若者を自立させた時代は終わっている

若者にとっての生活保障体系

教育・訓練、すまい、お金、対人サービス、意思決定への参画・・・