改善意識の生まれる場 -コミュニティ運営の経験から-

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改善意識の生まれる場 コミュニティ運営の経験から SPES 2004 200471日本科学未来館 (株)SRA先端技術研究所 好一 [email protected]

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コミュニティ=目的意識を共有して集まる場となるためには何が必要かを、経験を通して得た気づきから説明。

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改善意識の生まれる場 - コミュニティ運営の経験から -

SPES 2004 2004年7月1日

日本科学未来館

(株)SRA先端技術研究所 林 好一

[email protected]

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2004年7月1日 SRA Key Technology Laboratory, Inc. 2

はじめに

プロセス改善には複数の要素が必要 プロセス管理・改善の技術 エンジニアリングの技術、そして

改善したいという意識 プロセス改善には現場の協力が不可欠 押し付けで改善意識は生まれない

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改善意識に興味を持ったきっかけ

親会社内で技術交流の活性化を題目としたワークショップ開催を手伝った 他にどんな技術があるのかわからない、 自分の技術が何に使えるのかわからない、という状況を打開するため

真の目的は技術者ネットワークの自然発生を促すこと 「わからない」、「知らない」ことによる閉塞感の打破 仲間の発見による、やる気の鼓舞 「わからない」、「知らない」ことを少なくすることによって得られるシナジーの醸成

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経過

親会社のワークショップの手伝いを通して、 意識の高い人に接し、触発され、 是非成功させようと、思いを新たにし、 さらにツテを使って手伝いを増やし、 意識を共有して以降の企画・運営の共同作業に当たった。 経験を他のコミュニティ運営と相互にフィードバックしている

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運営に従事/創設した「場」

社内ワークショップの他、 社内勉強会、 業界内プロセス技術研鑽団体、および プロセス技術シンポジウム 「場」⇒コミュニティ

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運営で気づいたこと (1)

良い情報が必ず流通するとは限らない だが知識/経験のある人には耳を傾ける 尊敬される人ならばなおのこと

熱意は伝播する 熱意が感じられれば、話を聴こうかな、という気にもなる 熱意が感じられれば、役割分担に応じようかな、という気にもなる

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運営で気づいたこと (2)

コミュニティ活動の理解者が後ろにいると活動が活発になる コミュニティの目的の/コミュニティの活動の/メンバの活動の、理解者 賛同者ならなお良い 協力者ならもっと良い

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運営で気づいたこと (3)

コミュニティ運営は複数人で行なうのが良い リスク分散 三人寄れば文殊の知恵

コミュニティ内コミュニティ=運営グループでの密な交流!

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反省

コミュニティを作る・運営するということは、そもそも何らかの信念を支援することではなかったか 信念とは意識 コミュニティを運営するということは、意識を広めるということ 単なる技術伝達媒体ではない

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気づいたことの再構成

コミュニティ運営の(充分)条件 チャンピオン スポンサー コミュニティというものの理解 複数人での運営

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信念を持ち、

知識/経験があり、

人が耳を貸す人。

コミュニティでの役割: 知識/経験を基に、信念を広める

チャンピオン

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改善活動のために... 実効を伴った協力をしてくれる人

何らかの権限またはコネを持っている

上司であってもなくても良い

コミュニティ活動の理解者・支援者 コミュニティ内で権限を持つ人、または

コミュニティ構成員の所属組織内での理解ある上司・その他

スポンサー

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単なる情報媒体ではなく意識の媒体 意識=問題意識や改善意識

意識は無から生じるのでも植えつけるものでもない 誰かが別の誰かの意識に共鳴し、伝播することによってのみもたらされる

押し付けでは意識は育たない

コミュニティというものの理解

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コミュニティ内での意識の共有を目指し、

そのための機会・仕組みを用意し、

チャンピオンにコミュニティに加わってもらい、

スポンサーを獲得する。

運営グループはそれ自体がコミュニティ 上記の運営項目を討議するため、熱意/意識、知識/経験などに触れる機会がより多い

複数人による運営

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社内ワークショップ →意識向上あった チャンピオン 各開催時の基調講演者

スポンサー 参加者の上司-参加の許可/奨励

スタッフの上司-運営の許可/奨励

企画部署の責任者-スタッフの意向に沿った社内アナウンス

コミュニティというものの理解、複数での運営 現場の意識向上を目標にしたスタッフ達の活躍

眺め直してみると…(1)

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社内勉強会 →意識向上認められず

チャンピオン

不在

スポンサー

不在

コミュニティというものの理解

あやふやな理解

複数人による運営

主催者一人のみ

眺め直してみると…(2)

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業界内プロセス技術研鑚団体 →意識向上あり

チャンピオン

複数

スポンサー

団体内および構成員の組織内

コミュニティというものの理解、複数での運営

幹事、事務担当者、催事企画者、そしてチャンピオンによる理解の発展・共有

眺め直してみると…(3)

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プロセス技術シンポジウム →意識向上? チャンピオン 基調講演者、パネル討論者、他

スポンサー 主催団体内での権限上・精神上の支援

コミュニティというものの理解、複数での運営 企画運営者、事務担当者、そしてチャンピオンによる理解とその発露

「知識・経験をできる限り共有する」という趣旨を理解した参加者もあった

眺め直してみると…(4)

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結び

「文化を作る」という言い方はおかしい コミュニティのメンバが共有する意識を文化と言う

コミュニティの運営者が作ることはできない。意識が共有されやすい場を提供することができるだけ

運営者のグループ内では交流が一段濃い