花の縁 02－02－09

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９）バラアカシアとカスケード･ルージュとキングサリ＝金鎖 バラアカシアはマメ科の落葉灌木で高さは 3m ぐらい､ 4～5 月頃ピンク色の美しい

花を房状につける。オーストラリア原産のこの木は、あまり売られていないのが残念

である。しかしマメ科の樹木の中では、ひときわ目を引く存在である。花の大きさは

径 3cm ぐらいあって、ハリエンジュよりはずっと大きく、バラというだけあって､

ピンクの花はなかなか美しい。和名の由来は花も葉もアカシアによく似ているために、

この名前がついたのだろう。学名は『Robinia hispida』で、属名は ハリエンジュ属を

意味し、種小辞は刺が髭のように生えることを示し、幹や小枝には細かいヒゲのような

刺が密集している。繁殖は｢根伏せ｣だが、これがなかなか活着しない。およそ根らしい

根がなく、棒根が延々と伸びて、ところどころに申し訳程度のヒゲネがあるだけで、

繁殖は簡単ではない。このため移植も難しく普及しにくいところが惜しまれる。

バラアカシアは鉢に植えておいても、鉢穴から根を出して、その根が伸びてて新しい

株になる。古い株は 6～7 年ぐらいのサイクルで枯れてしまう。その理由は、長期

の連作を嫌うことと、陽当たりを好むためだろうか。花は背丈が 40～50cm ぐらい

になると咲き始める。あちこちに株立ちすることも多いので、これを葉が落ちてから

鉢にあげておけば苗にすることも不可能ではない。育て方は簡単で何もしなくてもよい。

病害虫も着かないし、肥料を欲しがるわけでもない。ただ木質部が柔らかく、5 月の風

にあたっただけで、幹そのものが折れてしまうこともある。花の頃は花の重みで倒れる

こともあるので、あらかじめ支柱を立てておくことも大切である。連休が終わる頃、

花エンジュとか花アカシアとして、着蕾したものがホームセンターなどで売られている。

これと極めた近い種にカスケード・ルージュがある。バラアカシアと同じ頃、バラ

アカシアよりも少し濃い赤紫の花を咲かせる落葉高木で、樹高も 10m ほどになり、花

の頃は見事である。匍匐根があちこちに伸びて芽を出し、数年で何株にも増えて

しまうほど繁殖力が強い。このため荒地などをあっという間に覆いつくし、最近では

『特定外来植物』に指定されつつある。学名は『Robinia margaretta』で、苗木屋

さんの店先でもたまに見られるようになった。しかし親木の周辺にはいくつもの新芽

が出て来るので、これを植えておけばすぐ新苗になり、翌年ぐらいには花を咲かせる。

本種はむしろ殖えすぎて困るくらいである。どれも病虫害に強く適潤地でよく育つ。

一方キングサリはヨーロッパ南部原産のマメ科の落葉高木で、山地の林内や潅木帯

に生え、高さは 8～10m ほどになり、バラアカシアよりも少し遅れて 5～6 月頃、

長さ 2cm で黄色の蝶形花を総状に着けて垂れ下がる。木全体に有毒なアルカロイド

(05-02-00参照)を含み、別名をキンレンカともいい、日本には明治の初め頃に渡来した。

学名は『Laburnum anagyroides』で、こちらの方がバラアカシアやカスケード・

ルージュよりもむしろ入手しやすい。バラアカシアもキングサリも、陽当たりがよく

水捌けの良いところなら、毎年、緑の風が気持ちよい頃、美しい花を咲かせてくれる。

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バラアカシアはオーストラリア原産の落葉低木で、せいぜい 2～3m 程度にしかならない。

連休の頃美しい花をたくさん咲かせるが、移植が難しくあまり売られていない。

バラアカシアは棒根しかない。この棒根を50cmほど切って植えておけば芽が出ることも多い。

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新緑の真っ只中で、明るいピンクの美しい花を咲かせたバラアカシア。木の背丈はカスケード・

ルージュよりもずっと小さいが、花はカスケード・ルージュよりも一回り大きい。

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近縁種のカスケード・ルージュ、こちらの方は高さが 10ｍほどになり、花つきがよいので

遠くからでもよく目立つ。前種ニセアカシアのいわば紅花版である(長野県軽井沢町）。

カスケード・ルージュはバラアカシアよりもむしろ入手しやすい(長野県軽井沢町）。

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カスケード･ルージュ、これは花色が淡いピンクだった(埼玉県深谷市)。

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黄色の花を咲かせるキングサリ、明治の初めヨーロッパから渡来した(栽培品）。

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蓼科高原のイングリッシュ・ガーデンに植えられたキングサリの花(長野県茅野市)。 目次に戻る