⼭椒⾟味成分である サンショオール類の 安定化技術研究と関...
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⼭椒⾟味成分であるサンショオール類の
安定化技術研究と関連製品開発
和歌⼭⼤学教育学部教授 ⼭本奈美⾷農総合研究教育センター客員教授 三⾕隆彦
⼋幡康⼦
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全国の栽培⾯積 323.7 ha全国の収穫量 792.8 t
都道府県別収穫量
第1位 和歌⼭県 549 t (69%)
第2位 ⾼知県 133 t (17%)
第3位 ⼤分県 30 t ( 4%)
農林⽔産省平成23年産特産果樹生産動態等調査
⼭椒の産地和歌⼭県は全国の70%⽣産
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⼭椒の利⽤⽤途が限られている
葉⼭椒、実⼭椒(30 % )
成熟⼭椒(70 % )
漢⽅薬・・・・「⼤建中湯」
粉⼭椒・・・・⾹⾟料
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⼭椒をめぐる状況栽培農家の⾼齢化と激減
○新しい⾵味としての⼭椒、ヨーロッパで着⽬
○⼤建中湯の⼿術後の消化管⿇痺(術後イレウス)、クローン病、潰瘍性⼤腸炎に対する作⽤
→⽶国メイヨークリニック【ミネソタ州、ロチェスター】における治験
○塩味増強作⽤
●うなぎ資源の枯渇、絶滅危惧種への指定→うなぎの⾼騰と消費低下に伴う⾹⾟料としての利⽤量の減少
●栽培農家の⾼齢化(平均年齢80歳以上)、⼭椒の⽊の経済栽培期間は20年
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JAながみね⼭椒部会員数
JAながみね⼭椒部会員数
H20 611
H21 643
H22 650
H23 653
H24 586
H25 593
H26 463
H27 463
H28 442
H29 395
ピーク時(H23 653⼈)の60%に減少
統計資料提供 JAながみね本店経済部
栽培農家の⾼齢化と激減(JAながみねの場合)
栽培農家の平均年齢:80歳
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サンショオールとヒドロキシサンショオール様々な薬理作⽤がある!!
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①⼭椒の薬効に注⽬ (2012年 NHKためしてガッテン)⾷事の前に⼭椒をなめると、味を濃く感じる減塩⾷を⼭椒で美味しく
②和歌⼭⼤学との産学連携による研究開発スタート・⼭椒を利⽤した塩味増強材で特許取得(2015年)・国内外の⾼⾎圧学会で発表(2017年)・特許取得
⼭椒の新規利⽤法の開発
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特許公報特許番号第5625089号 「塩味増強剤」
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「所さんの⽬がテン!」2020年1⽉26⽇(⽇) 07:00〜07:30 ⽇本テレビ
『ブーム到来・⼭椒の科学』
和歌⼭⼤学教育学部調理科学 ⼭本奈美教授出演
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⼭椒果⽪およびその粉末(原末)中のヒドロキシαサンショオールの安定性 70℃加酷試験
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HαS残存量(%)
⽇数
⼭椒に存在するサンショオール類⾮常に不安定 !!
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サンショオール類の安定化物質およびpH条件和歌⼭⼤学での研究成果
• トコフェロール類
• アスコルビン酸類
• ヒドロキシ安息⾹酸類
• ヒドロキシ桂⽪酸類
• リポ酸
• チオール類0
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mAU
pH
pH安定性試験
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特許公報特許番号第 6630880号 「サンショオール類の安定化⽅法」
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エマルジョン⼜はその粉末
希釈溶液⼜はその粉末
ミセル安定化物質サンショオール類
エマルジョン技術でサンショオール類の安定性増強
サンショオール類は不安定 サンショオール類は安定
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ヒドロキシαサンショオール含有エマルジョンの粉末の安定性試験(50℃ 加速試験)
特許出願中
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エマルジョン粉末
油脂粉末(エマルジョンなし)
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安定化したサンショオール類の⽤途⼭椒の⽤途が広がる!!
1.飲料・・・(例)エネルギードリンク
2.⾷品・・・⼭椒味のスープ、スープ粉末調味料、練⼭椒チューブ
3.機能性⾷品⼝腔スプレー・・・塩味増強、唾液分泌促進ドリンク・・・消化管運動促進、便秘改善
4.医薬品原料