ac-ac...
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AC-AC変換の昇降圧動作と昇圧時の波形改善を実現する
リバーシブルインダイレクトマトリックスコンバータ
◎奥園 広大, 芳賀 仁 (長岡技術科学大学)
Reversible Indirect Matrix Converter Realized Step down-Boost Operation of AC / AC
Conversion and Improvement Waveform in Boost Mode
Kodai Okuzono, Hitoshi Haga (Nagaoka University of Technology)
This paper proposes a circuit configuration and a control method of matrix converter that expands the output voltage
range of AC-AC conversion. The voltage transfer ratio of conventional matrix converter is limited to 0.866. In order
to solve this problem, this paper proposes Reversible Indirect Matrix Converter (R-IMC) that combines the indirect
matrix converter and reverse matrix converter. The proposed circuit has two operation modes, the step-down mode
and boost mode. This paper shows the simulation and experimental results to demonstrate the performance of the
proposed system when the switching from the step-down operation to the boost operation.
キーワード:AC-AC変換,インダイレクトマトリックスコンバータ,リバースマトリックスコンバータ,電圧利用率
Keywords:AC-AC conversion, Indirect matrix converter, Reverse matrix converter, Voltage transfer ratio
1. はじめに
マトリックスコンバータ(MC)は,電解コンデンサを主回
路内に用いない構成として,従来の Back to Back(BTB)シス
テムと比較して電力変換器の長寿命,小型化,軽量化の点で
有利である。また,追加回路なく回生動作が可能であること
からモータドライブシステムへの応用にも有効である。し
かしながら,MCの電圧利用率は 0.866 が上限であるため,
永久磁石同期モータを低速から高速まで広範囲な可変速駆
動を行う場合は,BTB よりも低い速度から弱め磁束制御を
用いる必要がある。モータ電流の増加は導通損,銅損の要因
にもつながることから好ましくない(1)-(3)。さらに,比較的容
量の大きなモータでは,同期インダクタンスが小さいため,
出力電圧に含まれる PWM などの高調波成分が無視できな
く,高調波損失として影響が現れる。
このように,MCをモータドライブシステムへ適用して拡
大普及するには電圧利用率の向上と波形改善によるモータ
の高効率化が重要になる。MCのこれら問題を解決する手法
としてインダイレクトマトリックスコンバータ(IMC)の直
流リンクに補助回路を接続したシステム,LC フィルタを Z
ソース構成とした回路,交流チョッパを追加する回路など
が提案されている(4)-(6)。しかし,従来の電圧利用率を向上す
る方式は昇圧機能を持たせるための受動素子の追加や制御
の複雑化などの問題がある。また,従来の IMC の電力フロ
ーを逆とすることで昇圧を実現するリバースマトリックス
コンバータ(RMC)も検討されている(7)-(9)。RMC は追加素子
なしで昇圧を行うことができるが,逆に RMCの電圧利用率
図 1 BTBシステム回路構成
Fig. 1. Circuit configuration of BTB
は 1/0.866 に下限が制限されるため,負荷の要求電圧が電源
電圧よりも低い場合は適用することができない。
そこで筆者らは電圧利用率を拡大して,幅広い電圧利用
率を実現する一手法として,降圧動作(表)と昇圧動作(裏)
の回路トポロジを表と裏に切り替えられる構造をもつリバ
ーシブルインダイレクトマトリックスコンバータ(R-IMC)
を提案している(10)。提案回路は負荷の要求電圧が電源電圧
よりも低い場合は従来の IMCとして降圧動作を行う。また,
負荷の要求電圧が電源電圧よりも高い場合は RMC として
動作し昇圧動作を行う。これらの動作はシステムを停止す
ることなく切り替えを行う。本稿では,提案回路の各動作モ
ードとモードを切り替えた場合をシミュレーションと実験
により検証し,確認したので報告する。
VSR VSIElectrolytic
capacitor
2
2. 提案回路構成
〈2・1〉 回路構成
図 1に BTBシステムの回路構成を示す。BTBは電圧形整
流器(VSR)と電圧形インバータ(VSI)を用いて,直流リンクに
は大容量の電解コンデンサが接続される。そして,図 2(a)は
従来の IMCの回路構成,図 2(b)に RMCの回路構成を示す。
IMCは電流形整流器(CSR)と VSIで構成されており,MCよ
りも損失が増加するが,制御構成が簡単であり従来の整流
器やインバータで検討されてきた制御方式を適用すること
が可能である。RMC は VSR と電流形インバータ(CSI)で構
成されており,IMC と同様に損失の増加につながるが制御
構成が簡単である。また,IMC ではスイッチングによる入
力電流の高周波成分を取り除くために電源とスイッチの間
に LC フィルタを含む。一方,RMC ではスイッチと負荷の
間にフィルタが含まれる。
図 3 に提案する R-IMC の回路構成を示す。提案回路は従
来の IMC や RMC と同様に整流器段とインバータ段から構
成されているが,提案回路は両段とも双方向スイッチを用
いている。また,三相電源と主回路の間にコンデンサ Cinが
双方向スイッチ Sr-St を介して接続されている。出力側も同
様に主回路と負荷の間にコンデンサ Cout が双方向スイッチ
Su-Sw を介して接続されている。これにより,提案回路では
運転状態に応じてコンデンサの位置を切り替えることが可
能であり,回路トポロジの切り替えを行うことができる。こ
れらのコンデンサは必ず入力相のみの接続もしくは出力相
のみの接続となり,同時に接続されることはない。
提案回路の制御は AC/DC/AC 変換で考える(11)。式(1),(2)
に IMCのスイッチングパターンを示す。式(1)はインバータ
段において入力電圧が直流リンク電圧と考えることができ
ることを示しており,式(2)は三相電圧を入力とする整流器
を示している。ここで,Sxyは各スイッチのスイッチング関
数を示し,Sxy=1 のときはスイッチがオン,Sxy=0 のときは
スイッチがオフしていることを示す。また, [𝑣𝑟 𝑣𝑠 𝑣𝑡]𝑡 は入
力電圧, [𝑣𝑢 𝑣𝑣 𝑣𝑤]𝑡 は出力電圧, [𝐸𝑑𝑐𝑝 𝐸𝑑𝑐𝑛]
𝑡 は直流リンク
電圧を示している。
[
𝑣𝑢𝑣𝑣𝑣𝑤] = [
𝑆𝑢𝑝 𝑆𝑢𝑛𝑆𝑣𝑝 𝑆𝑣𝑛𝑆𝑤𝑝 𝑆𝑤𝑛
] [𝐸𝑑𝑐𝑝𝐸𝑑𝑐𝑛
] (1)
[𝐸𝑑𝑐𝑝𝐸𝑑𝑐𝑛
] = [𝑆𝑟𝑝 𝑆𝑠𝑝 𝑆𝑡𝑝𝑆𝑟𝑛 𝑆𝑠𝑛 𝑆𝑡𝑝
] [
𝑣𝑟𝑣𝑠𝑣𝑡] (2)
〈2・2〉 降圧動作原理
提案回路では負荷の要求電圧が電源電圧よりも低く,降
圧動作が必要な場合は入力側コンデンサ Cinを接続し,出力
側コンデンサ Cout を開放することで回路構成を従来の IMC
として動作させる。そのため,この降圧動作では IMC と同
様の特性となるため提案回路においても降圧時の線形領域
での電圧利用率は 0.866に制限される。また,降圧動作での
出力線間電圧制御では,CSRと VSIで行う。そのため,図
(a) Indirect matrix converter
(b) Reverse matrix converter
図 2 インダイレクトマトリックスコンバータ回路構成
Fig. 2. Circuit configuration of the indirect matrix converter
図 3 提案回路構成
Fig. 3. Proposed circuit configuration
4(a)のように入力電流制御を CSR,出力電圧制御を VSIで行
うため,入力力率制御はオープンループとすることができ
る。
〈2・2〉 昇圧動作原理
負荷の要求電圧が電源電圧よりも高く昇圧動作が必要な
場合は入力側コンデンサ Cin を開放し,出力側コンデンサ
Coutを接続することで RMC として動作を行うことで昇圧動
作を実現する。RMC として動作する場合,出力特性は CSI
の特徴をもつため出力波形には PWM による高調波が少な
い。また,電圧利用率は RMC と同様に 1/0.866 に制限され
る。昇圧動作において出力電圧制御を考える場合は VSRと
CSIを考える。そのため,入力電流制御を VSR,出力電圧制
御を電流形インバータで行う必要がある。よって,昇圧動作
CSR VSI
VSR CSI
vr
vs
vt
ir
is
it
Cin Cout
Ll Rliu
iv
iw
Srp Ssp Stp
Srn Ssn Stn
Sup Svp Swp
Sun Svn Swn
Lin
Sr Ss St Su Sv Sw
3
時は入力電流制御,出力電圧制御の二つの独立した制御系
が必要となり,これら二つの制御系でそれぞれフィードバ
ック制御が必要となる。これら二つのフィードバック制御
をそれぞれ独立した制御系で構成した場合,動作が不安定
となる。マトリックスコンバータは回路内にエネルギーバ
ッファを持たないため入出力の瞬時有効電力は等しくなく
てはならないが,入出力の各制御系に独立した制御系が存
在する場合は瞬時入力有効電力と瞬時出力有効電力に差が
発生してしまう。これにより入出力制御間において干渉が
発生することで動作が不安定となる。このことから,制御間
の干渉を防ぐ必要があるため,出力電圧制御系の CSI に一
定値(1p.u.)を与える。これにより,CSIはフィードバックを
持たなくなるため入力電流制御との干渉を防ぐことができ
る。
〈2・3〉 切り替えアルゴリズム
本提案回路は,降圧動作から昇圧動作へと運転を停止さ
せることなく切り替えが可能である。また,動作切り替えの
瞬間に過電流,過電圧が発生しないように切り換えること
が求められる。そこで,降圧動作から昇圧動作への切り替え
は以下に示す手順で行う。まず,入力電流がゼロクロス付近
になった相から順次入力側コンデンサを開放する。入力側
コンデンサが全相切り離されるまでは降圧動作で待機し,
入力側コンデンサが全相切り離されると出力側コンデンサ
を接続し,昇圧動作として制御を開始する。
3. シミュレーション結果
〈3・1〉 シミュレーション条件
表 1にシミュレーション条件を示す。負荷は RL負荷と
し,0.15s のタイミングで降圧動作から昇圧動作へと動作の
切り替えを行った。また,動作切り替えのみを確認するため
理想転流(転流時間ゼロ)とした。
〈3・2〉 シミュレーション結果
図 5 に提案回路において,降圧動作から昇圧動作へと切
り替えた場合のシミュレーション結果を示す。波形は上か
ら,入力線間電圧 vrs,入力電流 ir,,出力線間電圧 vuv,出力
電流 iuを示している。
シミュレーションでは,降圧動作から昇圧動作への切り
替えを 0.15sのタイミングでおこなった。切り替え前の降圧
動作では入力電流に LC フィルタの共振成分によりひずみ
が確認できるが,入力電流 irは出力電流 iuよりも小さく,出
力線間電圧には PWMによる高調波成分が見られており,従
来の IMC と同様の降圧動作が行えていることが確認でき
る。一方,切り替え後は昇圧動作として出力線間電圧が入力
線間電圧よりも昇圧されていることが確認できる。さらに,
昇圧動作では出力特性は CSI と同様となるため,出力線間
電圧,出力電流において PWMによる高調波成分がフィルタ
で除去されていることが確認できる。また,降圧動作から昇
圧動作へと回路トポロジが切り替えわった瞬間は電流,電
圧にオーバーシュートが発生していることも確認できる。
(a) In down operation
(b) In boost operation
図 4 制御ブロック図
Fig. 4. Block diagram of control
図 5 シミュレーション結果
Fig. 5 Simulation results
4. 実験結果
本稿では,提案した回路の有用性を動作切り替えの実験
を行うことで確認した。実験条件を表 1に示す。シミュレー
ションと同様に RL負荷で実験を行った。図 6に降圧動作か
ら昇圧動作へと切り替えた場合の実験結果を示す。波形は
上から,入力線間電圧 vrs,入力電流 ir,,出力線間電圧 vuv,
= 1
= 0
dq
↓
3φ
CSR
dq
↓
3φ
VSI
PI
PI
dq
↓
3φ
VSR
=1
=0
dq
↓
3φ
CSI
+ -+ -
0
-30
-60
30
60
vrs
0
-3
-6
3
6
ir
0
-50
-100
50
100
Vuv
0.1 0.15 0.2
Time (s)
0
-1
-2
1
2
Iu
0
-30
-60
30
60
vrs
0
-3
-6
3
6
ir
0
-50
-100
50
100
Vuv
0.1 0.15 0.2
Time (s)
0
-1
-2
1
2
Iu
0
-30
-60
30
60
vrs
0
-3
-6
3
6
ir
0
-50
-100
50
100
Vuv
0.1 0.15 0.2
Time (s)
0
-1
-2
1
2
Iu
0
-30
-60
30
60
vrs
0
-3
-6
3
6
ir
0
-50
-100
50
100
Vuv
0.1 0.15 0.2
Time (s)
0
-1
-2
1
2
Iu
0
30
-30
60
-60
0
3
-3
6
-6
0
50
-50
100
-100
0
1
-1
2
-20.05 0.15 0.2
Time [s]
Input line voltage [V]
Input current[A]
Output line voltage [V]
Output Current[V]
Table 1 Simulation and experimental Condition
Input Power source 3Φ, 30V, 50Hz
Input inductance Lin 2 mH
Input capacitor Cin 20 μF
Output capacitor Cout 20 μF
Carrier Frequency fc 10 kHz
Load resistance Rl 15 Ω
Load inductance Ll 5 mH
4
図 6 実験結果
Fig. 6 Experimental results
図 7 実験結果
Fig.7 Experimental results
出力電流 iu を示している。また,図 7 に同様の条件で実験
を行ったときの各部の三相波形を示す。
動作が切り替わるまでは,入力電流 ir は出力電流 iu より
も小さく,入力 LC フィルタによる共振成分が含まれてお
り,出力線間電圧には PWMによる高調波成分が含まれてい
ることが確認できる。これより,従来の IMC と同様に降圧
動作を行っていることが確認できる。また,動作を降圧から
昇圧へとステップ的に切り替えた後は,出力線間電圧は
PWMによる高調波成分が少なく,また入力線間電圧よりも
高くなっており昇圧されていることが確認できる。また,出
力電流 iu も昇圧動作に従い入力電流 ir より小さくなってい
ることが確認できる。しかし,降圧から昇圧動作へと切り替
えを行った瞬間はシミュレーションと同様に電流,電圧に
オーバーシュートが発生している。
これらにより,提案回路の動作切り替え関してシミュレ
ーションと同様の傾向がみられ実験結果が妥当であると言
える。以上の結果より提案回路は降圧動作から昇圧動作へ
と動作を停止させることなく切り替えることができ,電圧
利用率の拡大,出力線間電圧の波形改善に有用であると言
える。
5. おわりに
本稿では,マトリックスコンバータの電圧利用率の拡大
を目的として,昇降圧切り替え可能なリバーシブルインダ
イレクトマトリックスコンバータの制御法を提案した。提
案回路において,降圧動作昇圧動作をそれぞれ実現可能で
あり,降圧動作から昇圧動作への切り替えを回路トポロジ
を切り替えることで実現可能であることをシミュレーショ
ンと実験結果から示した。また,降圧動作から昇圧動作への
切り替えは動作中に行えることを確認した。本稿で提案し
た動作切り替えを行うことで,従来の IMC,RMCより広い
電圧利用率を得られることができ,また昇圧動作時に出力
線間電圧の波形改善を行えることができるため高調波損失
の削減につながると考えられる。今後は,より電圧電流のオ
ーバーシュートが発生しない切り替えアルゴリズムの検討
を行っていく。
文 献
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Power Electron. Appl., pp. 1-10, Barcerona, spain(2009)
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コンバータの実機検証」,電気学会論文誌 D,Vol.132,No.1, pp.1-
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ックスコンバータの制御法」,電気学会論文誌 D,Vol.124,No.5,
pp.457-463 (2004)
0
0
0
0
Input line voltage 𝑟𝑠 [50V/div]
Input current 𝑟 [5A/div]
Output line voltage 𝑢𝑣 [100V/div]
Output current 𝑢 [2A/div]
10ms/div
0
0
0
0
Input line voltage 𝑟𝑠 , 𝑠𝑡 , 𝑡𝑟[50V/div]
Input current 𝑟, 𝑠 , 𝑡[2A/div]
Output line voltage 𝑢𝑣 , 𝑣𝑤 , 𝑤𝑢 [50V/div]
Output current 𝑢, 𝑣, 𝑤[1A/div]
10ms/div