advanced osceに関する実態調査 -中間報告- osce data.pdf調査の目的と方法 •...
TRANSCRIPT
Advanced OSCEに関する実態調査
国立大学医学部長会議
教育制度・カリキュラムに関する小委員会
大野 喜久郎 委員長
1
調査の目的と方法• 背景と目的
– 「国家試験改善検討委員会」ではadvanced OSCEの国試への導入の前提として各大学での導入と客観的な評価方法の確立を提起している
– 各大学における導入実績と試験方法は年々変化しており、実情が不明確である
– 各大学におけるadvanced OSCEの導入の実績と現状の問題点を調査する
– 国家試験への導入における各大学OSCEの位置づけに関する意識調査
• 方法– 全国80国公私立大学医学部、医科大学への郵送法によるアンケート調査(平成19年8月施行)
• 回収率92%(国立93%、公立75%、私立97%)2
実施状況について
全体
実施未実施
国立40大学
私立28大学
公立6大学
27校
13校
5校
1校
7校
20校
予定中
計画中
予定・計画なし
20校
3校
4校
89%
33%
50%
実施・計画率
3
実施している理由(導入に踏み切った理由)
臨床教育改革として(将来の)医師国家試験
OSCE対策
その他
4
実施開始年度
平成18年度
平成11年度以前
平成16年度
平成13年度
平成17年度
平成15年度
平成14年度
平成12年度
平成19年度
5
実施ステーション数について
7
6
5
4
3
21
8
10以上
9
6
使用課題の作製
厚生労働省研究班(畑尾班)が作成した課題
それ以外
自作の課題
7
使用課題の内容について
case-based である
case-basedではない
8
実施時期
6年5月6年6月
6年7月
6年9月
6年8月
6年12月 5年12月
5年1月
5年3月
5年2月
9
実施曜日について
日曜
土曜
平日(月曜から金曜)
10
所要時間
10分以下
11分以上20分以下
全所要時間
1時間以下1~4時間
4時間以上
21分以上
1ステーション所要時間
11
実施場所
その他(OSCE専用施設等)
教室(演習室等)
外来
12
必要とされる人員
教員(運営委員+評価者) 事務員
10名以下
11~50名
51名以上
10名以下
11~20名
21名以上
13
模擬患者の確保医療面接 身体診察
医師
学生
一般(ボランティア団体
公募、俳優など)
一般(ボランティア団体
公募、俳優など)
学生
医師
10名以下
31名以上
10名以下
11~30名
31名以上
11~30名
人数
内訳
14
医療面接の模擬患者の養成法
OSCE前に打合わせ等を実施
大学で養成
学外ボランティア団体等へ依頼または提携
なにもしていない
15
はい
いいえ
他大学の教員等の評価への参加
16
総括評価/形成的評価
卒業要件としているか
評価の種類
総括評価
形成的評価
はい
いいえ
追・再試験
している
していない
その他
17
実施上の問題点(自由記載)
作成、更新・蓄積 11
評価基準 3
内容(異常を扱う) 3
難易度 2
SPの負担 2
実習内容との乖離 1
試験時間の節約 1
基準の統一 7
客観性、課題数、信頼性の確保
5
問題はない 3
打合わせ、ガイダンスが重要
2
評価者の養成 2
評価者の確保 1
採点もれ 1
評価者の負担・確保
10
人員不足 7
場所の確保 5
SP確保 3
予算措置(日当) 2
事務の負担 2
問題なし 1
その他 7
課題 評価 実施・運営
18
実施していない理由 懸念される問題システム上の負担・不備 14
意義付けが不明確 10
教員の確保・負担増加 9
マンパワー不足(事務を含む) 6
クリニカルクラークシップで代行している
4
予定中 4
ステーション数が多く運営が困難 2
課題作成が困難 2
全国的なコンセンサスが得られていない
2
評価システムが確立していない 1
学生の反発が多い 1
教員の負担 14
模擬患者の質・数の確保 9
課題作成・標準化 8
マンパワー不足 8
場所の確保 7
評価の妥当性 7
教育内容との整合性 4
予算措置 4
カリキュラム上の問題 3
学生の負担増 2
意識が高まっていない 2
シミュレーター不足 1
評価者の育成 1
対象学年の設定 1
未実施校への回答結果
19
教員、事務員、模擬患者の負担の解決法
予算措置 19
教員・事務員の増員(特に専任職員) 16
意義の共有化、意識改革 7
名案はない、困難 6
SPの共有 3
OSCEセンターの設置 3
臨床、基礎全体の協力 3
各大学で対応できる 3
SPの養成機関 3
公的権威として義務づける 2
参加教員への評価・キャリアアップ 2
公的機関(機構)の設置 2
20
客観性、透明性を担保する方策
評価者の交流、外部評価者 19
実施機構の設置 13
評価者の訓練、講習 11
実施項目の統一化、標準化 7
ステーション数を多くする 7
OSCEセンターを設置する 4
評価の標準化 3
試験のブラッシュアップ 3
公的な機関でのSPの養成と標準化 3
一斉に行う(同日) 3
課題のプール化 3
課題の公開 2
厚労省に専門機関を設置 1
21
評価項目の基準の設定
現行の共用試験方式で 15
基準を中央に提示する 12
実践と改善 5
各大学の自主性 3
卒業時のコアカリキュラムを作成する 2
医療現場に出せない人をふるい落とす 2
態度に重点をおく 1
臨床実習中の観察記録などの評価も取り入れる
1
22
課題作成
共用試験実施機構のような組織 21
各大学で作成して中央でブラッシュアップ 11
作成委員会を組織する 8
全国統一 5
各学内で作成する 4
学習内容に適合する課題を 2
数校でプールしてブラッシュアップる 2
厚労省・国主導で 1
OSCEセンターの設置 1
23
評価は誰が行うか?
自・他大学評価者 24
自大学 12
養成講座が必要 10
大学の自主性 3
外部のみ 3
大学と独立した機関で定める 1
OSCEセンターが認定した評価者 1
専任評価者 1
24
国試導入の際の試験の母体は?
国主導
実施機構の確立
各大学の独自施行
25
国家試験におけるOSCEの位置づけ
国家試験の一部として行う
国家試験の受験資格
各大学の卒業要件
その他
26
まとめ
• Advanced OSCEの導入が進んでいるが、国公立大学では対応が遅れている
• 多くの人的・物的資源を必要とする試験であり、現状では対応が困難である大学が多い
• 人的、経済的な支援が必要である
• 課題、模擬患者、評価など個別の対応が困難な部分があり、機構の設立など中央での試験管理を望む意見が多い
• 国試への導入にあたっては、各大学でのOSCEによる卒業要件、または受験資格とする意見が多い 27