パブリッククラウドサービスamazon ec2の性能検証レポート...
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[研究レポート発表]
パブリッククラウドサービスAmazon EC2の性能検証レポート
(株)サイバーエージェントアメーバ事業本部 プラットフォームディヴィジョン
サービスディベロップメントグループ, CADC
並河 祐貴(id:rx7, @namikawa)
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アジェンダ
• Amazon Web Servicesについて• 本研究の目的• 性能計測の比較対象• ネットワークレイテンシ測定• CPUベンチマーク• ディスクベンチマーク
今回は時間の都合上、全ての検証結果を載せていません。興味がある方は、研究レポートをご覧ください。
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Amazon Web Services
Amazon EC2
(仮想サーバ)Amazon S3
(オンラインストレージ)
• サービスの特徴– ロードバランサや監視など、運用に必要となるサービスが揃って
いる– 初期費用無料、1時間/1GB単位での従量課⾦($0.02〜/1h)– ⾼い稼働率保障(EC2: 99.95%, S3: 99.9%)
Amazon.com社の提供するITインフラ(ハードウェア/ネットワーク)のクラウドサービス
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本研究の目的
• パブリッククラウドを使う目的の1つは部分的なコストの削減
• コスト的な観点からクラウドサービスの利用シーンがあるかもしれない– 既存のデータと連携しないような新規サービス等
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サンプルケース1
• サービスインしてみないと必要なサーバ台数がまったく計算できない場合
– 通常、新しいWebサービスはサービスインしてみないと、どのくらいアクセスがあるかは不明
– 新しいWebサービスに多額の初期投資(多くのサーバやネットワークの準備)は賭けに出るようなもの
クラウドを利用すれば、アクセス状況を⾒ながら、サーバ数を増減させることが容易かつ低コストで実現出来る
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サンプルケース2
• 季節モノ(クリスマス・お正月など)やキャンペーン等で一時的にしか多くのサーバを必要としない場合
– 例えば、お正月向けのサービスであれば、お正月のみ本稼動させていれば良い
サーバの増減に柔軟に対応できるクラウドサービスの利用は相性が良い
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本研究の目的
• Amazon EC2の公称スペック– CPUスペックが”ECU”といった独自単位– I/O性能が非定量的かつ相対的な4段階評価– 初めて利用するユーザにとっては、サーバの選定・
サイジングがし辛い
Amazon EC2の仮想サーバ上で、ベンチマークツールで実際に測定してみよう!
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計測・比較対象
• 4 Region– us-east, us-west, ap-southeast, eu-west
• 10 Instance Type– CPU: 1ECU 〜 33.5ECU– Mem: 613MB 〜 68.4GB– Disk: 160GB 〜 1690GB + α– I/O Performance: Low ~ Very High (4types)– Price: $0.02/h 〜 $2.40/h
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各Regionからのネットワークレイテンシ
from OCN系ISP from Softbank系ISP
us-east 183.920 178.129us-west 129.306 124.487eu-west 278.324 262.590ap-southeast 85.716 77.956
• 日本国内よりping(ICMP Echo)を10回実⾏し、RTT(Round Trip Time)の平均値を取得 (単位はmsec)
レポートでは、日本国内からはap-southeastからのネットワークレイテンシが最も小さい結果となっているが、
2011/3以降、ap-northeast(日本)が存在する!
0 50 100 150 200 250 300
us-east
us-west
eu-west
ap-southeast
from Softbank系ISP
from OCN系ISP
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各Instance TypeでのCPUベンチマーク
• “姫野ベンチマーク”を利用 (単位はMFLOPS)Instance type MFLOPS measured (vCore)t1.micro 271.320092 (x1)m1.small 324.676111 (x1)c1.medium 774.602322 (x2)m1.large 892.176316 (x2)m1.xlarge 880.100758 (x4)c1.xlarge 1044.821975 (x8)m2.xlarge 1544.973882 (x2)m2.2xlarge 1600.39996 (x4)m2.4xlarge 1572.732919 (x8)cc1.4xlarge 1676.395005 (x16)
姫野ベンチマークでは、シングルコアでの性能値が算出されているように⾒受けられるため、実際の総合的なベンチマークとしては、
上記の実測値とCore数の積と考えられる。
0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800
t1.micro
m1.small
c1.medium
m1.large
m1.xlarge
c1.xlarge
m2.xlarge
m2.2xlarge
m2.4xlarge
cc1.4xlarge
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各Instance TypeでのディスクI/Oベンチマーク
• “dbench”を利用– Instance-rootタイプのローカルディスクに実施– レポートでは”hdparm”も利用しましたが割愛
Throughput max_latencym1.small 83.3971 3152.082c1.medium 144.739 1847.075m1.large 172.128 4875.352m1.xlarge 197.14 2492.915c1.xlarge 198.618 3100.112m2.xlarge 276.09 4059.14m2.2xlarge 293.215 3569.074m2.4xlarge 313.331 3623.604
同じ“Moderate”の“m1.small”と“c1.medium”、“m2.xlarge”の3つでも、割と差がある感じ。公表スペックのI/Oパフォーマンスは、ディスク
だけではなくネットワークのI/Oも含まれていると考えられる。
0
50
100
150
200
250
300
350
m1.small c1.medium m1.large m1.xlarge c1.xlarge m2.xlarge m2.2xlargem2.4xlarge
0
1000
2000
3000
4000
5000
6000
Throughput max_latency
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最後に
• 調査結果より、各Instance typeで、CPUおよびディスク性能の定量的な数値から、既存物理サーバとの比較材料とすることができる
• パブリッククラウドサービスはシステム上のメリットとデメリットをきちんと把握した上で利用することで、大きなコストメリットが生まれる場合がある