⑦嵯峨・嵐山、 大覚寺周辺...②嵐 あらし 山 やま 見学と散策のポイント...

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②嵐あらし

山やま

見学と散策のポイント

⑦嵯峨・嵐山、 大覚寺周辺

30

嵐山一帯は平安初期以来風ふ う

光こ う

明め い

媚び

な地として知られ、「源氏物語」や「平家物語」などの文学作品にもしばしば登場します。名所旧跡のなかでも、ぜひ見ておきたいスポットが天龍寺。貴族的な華やかさと禅的な落ち着きを兼ね備える名刹です。そこから北に広がるエリアは、落

ら く

柿し

舎し ゃ

から化あだし

野の

念ね ん

仏ぶ つ

寺じ

への道々に、ミュージアムや民芸土産店が続きます。大覚寺は嵯峨御所といわれただけに、御所に似た雰囲気が漂っています。

⑨⑧ ⑦

⑤ ①

嵯峨美術大学嵯峨美術短期大学

嵯峨嵐山文華館④

嵐山 渡月橋

もともと嵐山 は、標高380m ほどの山の名ですが、一般的には渡

月げつ

橋きょう

両岸の一帯を指します。このあたりは、平安時代以来、天皇や大

おお

宮みや

人びと

が春の桜、夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と四

亀山天皇が「満月の渡るに似る」と賞賛して命名したと伝わります。現在の橋は昭和 9 年の完成、周囲の景色と調和するよう欄

ら ん

干か ん

や桁けた

隠かく

しは木製にする等、風景になじんだつくりになっています。

①渡と

月げつ

橋きょう

室町時代の初め、1339 年に足利尊氏が後醍醐天皇の供養のために夢

想そう

疎そ

石せき

を招いて開いたお寺で、正しくは天

て ん

龍りゅう

資し

聖しょう

禅ぜ ん

寺じ

という臨済宗天龍寺派の本山です。創建時は京都五山の 1 位として、塔た っ

頭ちゅう

寺院は 150 を数える大寺でしたが、足利家の没落と応仁の乱で衰退しました。その後豊臣秀吉の寄進と江戸幕府の保護で復興したものの、明治維新の戦乱で焼失しました。庭園 は西

さ い ほ う

芳寺

(苔こ け で ら

寺)庭園と同じ夢窓疎石の作と伝えられ、嵐山と亀山を借

しゃっ

景け い

に曹そう

源げん

池ち

を中心として建物が並び、平安の貴族文化と禅宗文化が

③天てん

龍りゅう

寺じ

野の の み や じ ん じ ゃ

宮神社あたりから大お お こ う

河内ち

山さ ん そ う

荘に続く散策路の両側には、美しい竹林が連なり、幻想的な世界へ誘い込んでくれます。観光シーズンには多くの人でにぎわいますが、少し時期をはずすとしっとりとしてムードも抜群

百人一首の歴史や魅力を伝える常設展と、日本画を中心に京都にちなんだ芸術・文化を紹介する企画展で構成する美術館。館内は広さにゆとりを持った展示がなされており、2 階の展示室は 120畳の広さ。百人一首の展示では、日本語と英語で記されたそれぞれの歌と、作者のフィギュアが並んでおり、楽しく百人一首の世界に触れることができます。

電話番号:075-882-1111見学時間:10:00 〜 17:00(受付は16:30 まで)休日:火曜(祝日の場合は翌日)、年末年始、展示替期間

⑤竹ち く

林り ん

の小こ

径みち

④嵯さ が

峨 嵐あらし

山やま

文ぶん か かん

華館

嵯峨嵐山文華館

折せ っ

衷ちゅう

した優雅なたたずまいを見せています。

電話番号:075-881-1235見学時間:8:30 〜17:30 ※ 10/21 〜 3/20 は 17:00 まで休日:無休

<世界遺産>天龍寺

広域図 p.16〜17季折々の美しさを楽しんだ洛外一の名所で、歌枕にもよく出てきます。ここを流れる川は、橋から下流は桂かつら

川が わ

、上流は大お お い

堰川がわ

〜保ほ づ

津川が わ

と呼び名を変えながら源流である丹波山地へと続いています。江戸時代の初め、角

すみの

倉くら

了りょう

以い

父子は大堰川を開

かい

削さく

し、船便を開いたことにより、丹波の産物を京に運び込む主要なルートになりました。嵐山と川を挟んで北側に広がる嵐山公園(亀山地区)一帯は、自然歩道や頂上展望台などが整備されています。四季折々に変化する嵐山の自然の中を走る保津川下りとトロッコ列車(嵯峨野観光鉄道)が人気です。

その他の見どころ

平安時代の初め、嵯峨天皇の離宮をお寺に改めたもので、嵯峨御所の名にふさわしく、菊の紋章をつけた重厚な諸殿が並ぶ門

も ん

跡ぜ き

寺院です(真言宗大覚寺派大本山)。鎌倉期には亀山・後宇多法皇が院政を行い、この大覚寺統(南朝)と持

明みょう

院いん

統(北朝)が交代で皇位につきました。1392 年に大覚寺で南北朝合一の和が成ると、南朝最後の後亀山天皇はここに隠

い ん

棲せ い

⑬直じ き

指し

庵あ ん

:正保 3(1646)年、臨りん ざい しゅう

済宗を学んだ独

ど く

照しょう

性しょう

円え ん

によって北嵯峨細ほ そ

谷だ に

に草そ う

庵あ ん

が結ばれました。その後荒廃しましたが、幕末の頃になって近

こ の

衛え

家け

老ろ う

女じ ょ

津つ

崎ざ き

村む ら

岡おかの

局つぼね

が浄土宗として再興。人びとの思いがつづられた「想い出草ノート」が人気です。⑭祇

王お う

寺じ

:平清盛の寵ちょう

愛あ い

を失い、余生を尼となって過ごしたと伝わる

「平家物語」に名高い白し ら

拍びょう

子し

(笛や鼓にあわせて舞い歌う女性)・祇王ゆかりのお寺です。⑮法

ほ う り ん

輪寺じ

:子どもが数え年 13 歳の時におまいりすると知恵を授かるという十三まいりで有名なお寺で、本尊に虚

空くう

蔵ぞう

菩ぼ

薩さつ

をまつっていること

⑫大だい

覚かく

寺じ

天皇の代理で伊勢神宮に仕える未婚の皇女(斎

さい

宮ぐう

)が心身を清めた「野

のの

宮みや

」に名の由来があります。黒木の鳥居や小

柴しば

垣がき

のある小さな社は源氏物語「賢

さか

木き

の巻」をしのばせてくれます。ここは嵯峨野めぐりの起点で、縁結びのご利益でにぎわっています。

電話番号:075-871-1972見学時間:9:00 〜 17:00休日:無休

⑥野のの

宮みや

神じん

社じゃ

⑪清せい

凉りょう

寺じ

(嵯さ

峨が

釈しゃ

迦か

堂どう

風葬の行われた無常の地であった化

あだし

野の

に、平安時代初期に空海が死者を弔う寺を建てたのがはじまり。後に法

ほ う ね ん

然が念仏道場に改め念仏寺と称しました(浄土宗)。吉よ し だ け ん こ う

田兼好の『徒つ れ づ れ ぐ さ

然草』第 7 段に「あだし野の露消ゆる時なく……」と書かれています。境内は約8000 体の無縁仏の小さな石塔・石仏で埋まり、賽

さい

の河原さながらの無常感が漂います。

電話番号:075-861-2221見学時間:9:00 〜 16:30 ※ 12 〜 2 月 は 15:30 まで休日:不定休

⑩化あだし

野の

念ねん

仏ぶつ

寺じ

松まつ

尾お

芭ば

蕉しょう

の高弟(蕉しょう

門もん

十じっ

哲てつ

)の一人、向

むか

井い

去きょ

来らい

の別宅です。門口に蓑みの

と笠がかけてあるのは主人の在宅を知らせるためです。去来の小さな自然石の墓は裏の墓地にあります。松尾芭蕉もこちらに17日間滞在し、『嵯峨日記』を著しています。

電話番号:075-881-1953見学時間:9:00 〜 17:00 ※ 1・2 月 は 10:00 〜 16:00休日:12/31、1/1

⑦落らく

柿し

舎しゃ

小倉百人一首を編へん

纂さん

した藤ふじ

原わらの

定てい

家か

の山荘・時し ぐ れ

雨亭てい

があったところと伝わります。小倉山の中腹にあり、閑静な常

じょう

寂じゃく

光こう

土ど

(理想郷)のような風情があることからその名がついた日

に ち れ ん

蓮宗しゅう

のお寺です。石段の上に本堂・妙

みょうけんどう

見堂と多た

宝ほ う と う

⑧常じょう

寂じゃっ

光こう

寺じ

平安時代初期に、慈じ

覚かく

大だい

師し

円えん

仁にん

が嵯峨天皇の命を受けて開いた天台宗のお寺で、本尊に釈

し ゃ

迦か

如に ょ

来ら い

と阿

あ み だ

弥陀如に ょ ら い

来 の二体をまつることから二尊院と呼ばれます。堂々たる総門をくぐり、「紅葉の馬場」と呼ばれる広い参道は、京都屈指の紅葉の名所です。境内には法然の廟、角

すみの

倉く ら

了りょう

以い

、伊藤仁じん

斎さい

などの名家・文人の墓があります。

電話番号:075-861-0687見学時間:9:00 〜 16:30休日:無休

⑨二に

尊そん

院いん

竹林の小径

大覚寺大沢池

平安初期の貴族・源みなもとの

融とおる

の山荘・栖せい

霞か

観かん

があった場所に、東大寺の僧・

ちょう

然ねん

が中国から持ち帰った仏像を安置するために建てた浄土宗寺院。本堂の本尊は清凉寺式という異国的容姿の木造釈

し ゃ

迦か

如に ょ ら い

野宮神社

ました。宸しん

殿でん

から正しょう

寝しん

殿でん

・御み

影え

堂どう

・五大堂等は長い廊下でつながっています。移築した明智光秀の陣屋

(庫く り

裏)と門があり、また華か

道どう

嵯さ

峨が

御ご

流りゅう

の総司所としても有名です。境内の東には、古来、月の名所として知られた大

お お

沢さわの

池い け

があります。

電話番号:075-871-0071見学時間:9:00〜17:00(受付は16:30 まで)休日:無休

から「嵯峨の虚空蔵さん」として親しまれています。⑯大

お お こ う ち

河内山さ ん

荘そ う

:時代劇の名優・故大お お

河こ

内う ち

伝で ん

次じ

郎ろ う

の別荘です。松・桜・楓の美しい庭があります。⑰小

倉ぐ ら や ま

山:鎌倉時代の初め、『小倉百人一首』を編

へ ん さ ん

纂した藤ふ じ

原わらの

定て い

家か

の山荘・時し ぐ れ

雨亭て い

があったと伝わる山です。⑱滝口寺:平家物語に登場する平重盛の家臣斉藤時頼(滝口入道)と横笛ゆかりのお寺です。⑲京

きょう

都と

市し

嵯さ

峨が

鳥と り

居い

本も と

町ま ち

並な

み保ほ

存ぞ ん

館か ん

:奥嵯峨の昔ながらの町家ふう民家を復元した施設。この地域で使われていた道具や昭和初期の町並みを精密に復元した模型が展示されています。

化野念仏寺

31

です。人力車が竹林を縫うように行きかい、美しい京都の風情が感じられます。

が建ち、ここから嵯峨野の景色が一望できます。

電話番号:075-861-0435見学時間:9:00 〜 17:00(受付は 16:30 まで)休日:無休

常寂光寺

立り つ ぞ う

像 で、胎た い な い

内には絹製五色の五臓 が収めてありました。

電話番号:075-861-0343見学時間:9:00〜16:00 ※ 4・5・10・ 11 月は 17:00 まで休日:無休

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