モビリティ革命と 次世代交通計画 -...

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モビリティ革命と次世代交通計画~次世代交通計画に求められる事~

計量計画研究所 理事博士(工学) 牧村和彦

革新的な将来交通ビジョンが続々発表

ロンドンの交通戦略2030

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サディク・カーン市長の提言、交通戦略2030:「健康な街路政策」実現に向け、自転車利用、公共交通の改善、健康、渋滞緩和を重視。2041年までに自動車分担率を36%から20%に削減することを目指す。図はセントラルロンドンのビジョン

英国・ロンドン市

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ボストンの交通戦略 Go Boston 2030:2030年までに1人乗り自動車利用を半減を目標、そのため、あらゆる手段のアクセス向上、安全性改善(速達性よりも安全を重視)、信頼性確保などを柱とした具体の行動目標を明示

ヘルシンキ 交通ビジョン2050:自動車に依存しない都市のあり方を提案ヘルシンキ市都市計画局 4

次世代交通計画の潮流

• 歩行者ファーストの交通計画

• マルチモーダルなモビリティデザイン

–網形成+街路再配分+MaaSが一体

• モビリティ革命を牽引する先行投資

• タクティカルトランジット

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歩行者ファーストの哲学

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街路空間デザインの優先順位

1.歩行者

2.自転車及び公共交通の利用者

3.ビジネスの都市活動を行う人

4.個人の自動車利用者

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自動車大国ニューヨークの交通革命

NYのヴィジョンゼロ

• 2014年~

• 街路空間を再編し、安全な移動環境を創出

• 4年間で交通事故死者数は28%減少。

そのうち歩行者の死者数は45%減少

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横断距離の縮小横断箇所の増加小さい交差点

(ラウンドアバウト)

歩行者ファースの街路空間にリ・デザイン:

出典)NACTO

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マルチモーダルなモビリティ・デザイン

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NACTOの提案~自動運転社会における街路デザインのあり方~

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街路空間の利用効率を上げ、台数ではなく、移動人数を大幅に増加させ、地域活性化を実現

NACTO:National Association Transportation Officials

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光学式の白線検知によるバス運行。歩行者空間を最大限確保するために採用された技術。バス停には6cm以内に正着可能

仏・ルーアン

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マルチモーダルネットワーク:デンバーの街路毎にモビリティの優先順位を設定、単一モードではなく複数モードの組み合わせにも配慮している点が特徴的

出典)Denver(2018):Blueprint Denver

シアトルの基幹交通ネットワーク:ライトレール(1系統)、スト

リートカー(2系統)、BRT(6系統) 、モノレール(1系統)などが基幹的な網を形成。BRTは信号交差点ではほとんど停止しない優先信号制御

出典)シアトルDOT

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シアトルのマイカー通勤、従業者の変化

モビリティ革命を牽引する先行投資

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ロンドンのバス専用レーン:2000年から17年間で290kmの空間再配分

を実施出典)TfL

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NYのバス専用レーン:2010年以降、15区間の160kmの空間再配分を

実施。優先信号、停留所などの総合施策を展開出典)ニューヨーク市DOT

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自動運転時代の交差点デザイン:止まらないバス停、優先信号と一

体となったインフラ設計

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街路空間内の短時間駐車スペース: 長時間駐車は路

外、短時間駐車は路上を政策的に進めるシアトル米国・シアトル市

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駐車のリ・デザイン:電動のカーシェアリングのデポ(充電施設完備)を戦略的に配置オランダ・アムステルダム

タクティカル・トランジットの発想

戦術的な交通施策:長期的変化のための、短期的プロジェクト(SHORT-TERM ACTION FOR LONG-TERM CHANGE)であり、長期的戦略に基づいた仮設的実践やパイロットプロジェクト(社会実験)

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タクティカル・トランジット:公共交通を優先する新しい取組みが始まってい 米国・ニューヨーク市

次世代交通計画に求められる事

• 歩行者ファーストの哲学

• マルチモーダルなモビリティデザイン

–網形成+街路再配分+MaaSが一体

–モビリティ革命を牽引する先行投資

– タクティカルトランジットの発想

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