b05 デジタル画像相関法ををを用を用用用いたいた...

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B05 デジタル デジタル デジタル デジタル画像相関法 画像相関法 画像相関法 画像相関法を用いた いた いた いた大変形 大変形 大変形 大変形、大回転時 大回転時 大回転時 大回転時における における における における 変形 変形 変形 変形・ひずみ ひずみ ひずみ ひずみ計測法 計測法 計測法 計測法の開発 開発 開発 開発 B05-1 大 平 紘 敬 (指導教員 正岡柴原) Development of Strain Measurement Using Digital Image Correlation in Large Deformation and Large Rotation by Hironori Ohira Abstract There is a growing demand for developing non-contact and accurate deformation and strain measurement technique of structures. Then, studies on digital image correlation technique, which can obtain the deformation of a surface by comparison of digital images of the unformed and deformed configurations, are presented in this paper. Since this technique does not need a complicated optical system, the measurement can be performed easily. However, it is difficult to measure large deformation and strain using this method. So, we develop incremental type measurement method and the method which can consider the effect of tensile and compressive strain and rotation. Using this method, the large deformation and large rotation can be analyzed. This paper presents the detail of these measurement method and the result of tensile test of these measurement method. 1. 料は他の料と比較して、超低弾性率、可逆的 大変形、粘弾性などの顕著な物性すため、近年各 工業分野で広く応用さてい。具体的には海洋分野で は浮標係留すに、自動車分野 ではに用いてい。しかし、料は各工 業分野で広く応用さていにもかかず、弾性 の発生でさえ解明さていないのが現状であ 1) 。その要因として、三次元持ち、複雑 な分子運動行い、金属、繊維、充填などが混合さ ていことなどが挙げ。そのため、料の変 形破壊挙動詳細に把握すことは非常に重要であ と考え。しかし、現在ひずみに計測方 法では 35%越え大ひずみの計測行うことができず、 などの柔軟な質の変形・破壊挙動把握すこと ができないため、料に模様つけ、目視で変形・破 壊挙動調べていのが現状であ。 そこで、研究では他の計測手法に比べ、安価、簡便 であ、非接触で高精度な変形・応力計測が可能であと 報告さてい画像相関法 2) 用いて、大変形、 大回転におけ変形・ひずみ計測法開発した。具体的 には、画像照合す際、直ひずみ考慮し、拡大・縮小 補正加えことで、照合精度高めた画像照合法と、 複数の画像用いことで、各画像間に生ず変位分布 算出し、そ足し合せことで大変形、大回転 した試験片の変位算出す増分加算型画像計測法であ 。この画像照合法用いことで、機械的に の変形挙動確認すことが可能となった。 2. 2.1 画像相関法 画像相関法 画像相関法 画像相関法を用いた いた いた いた画像照合法 画像照合法 画像照合法 画像照合法 変形前の画像であ基準画像領域と、変形後の画像で あ計測対象画像基に、 Fig.1 (a)に示すうな微小領域 とも良い相関得画像領域 Fig.1 (b)で示さ変 形後画像検出す。その方法以下に示す。 (1) 基準画像中におけあ画素位置 b i (x i y i )とす dx×dy の微小領域設定す。こ基 準画像領域 B(b i )と定義す。 (2) 計測対象画像においても、同様にして、画素位 a j (x i Δx, y i Δy)中心にした dx×dy の微小 領域であ比較画像領域 A(a j )設定し、基準画 像領域 B(b i )と比較画像領域 A(a j )の輝度相関値 R ij (x i Δx, y i Δy)、画像相関法用いて求め。 (3) 比較画像領域 A(a j ) 1 画素ずつずしなが全 画像領域内の輝度相関値 R ij (b i , a j )求め。輝 度相関値 R ij (b i , a j ) が小あいは大とな の座標(x i Δx, y i Δy)が相関性のも高い座標、 すなち画像照合位置であ、Δx おび Δy b i (x i , y i )におけ変位解であ。研究で用いた 残差自乗和相関 3) では輝度相関値 R ij が小の に相関性がも高くな。 変形前おび終変形の画像において、上記に示した 理論適用し、計測変位算出す手法従手法とす (a) Original Image (b) Deformed Image Fig.1 Basic procedure of digital image correlation. b i (x i ,y i ) B(b i ) dy dx A(a j ) dx Δy Δx a j (x i +Δx,y i +Δy) dy

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Page 1: B05 デジタル画像相関法ををを用を用用用いたいた …shibahara/osakafu-content/...these measurement method and the result of tensile test of these measurement method

B05 デジタルデジタルデジタルデジタル画像相関法画像相関法画像相関法画像相関法をををを用用用用いたいたいたいた大変形大変形大変形大変形、、、、大回転時大回転時大回転時大回転時におけるにおけるにおけるにおける

変形変形変形変形・・・・ひずみひずみひずみひずみ計測法計測法計測法計測法のののの開発開発開発開発

B05-1

大 平 紘 敬 (指導教員 正岡・柴原)

Development of Strain Measurement Using Digital Image Correlation in Large Deformation and Large Rotation

by Hironori Ohira

Abstract

There is a growing demand for developing non-contact and accurate deformation and strain measurement technique of structures.

Then, studies on digital image correlation technique, which can obtain the deformation of a surface by comparison of digital images

of the unformed and deformed configurations, are presented in this paper. Since this technique does not need a complicated optical

system, the measurement can be performed easily. However, it is difficult to measure large deformation and strain using this method.

So, we develop incremental type measurement method and the method which can consider the effect of tensile and compressive

strain and rotation. Using this method, the large deformation and large rotation can be analyzed. This paper presents the detail of

these measurement method and the result of tensile test of these measurement method.

1. 緒緒緒緒 言言言言

ゴム材料は他の材料と比較して、超低弾性率、可逆的

大変形、粘弾性などの顕著な物性を有するため、近年各

工業分野で広く応用されている。具体的には海洋分野で

は浮標ブイを係留するラバージョイナーに、自動車分野

ではタイヤに用いられている。しかし、ゴム材料は各工

業分野で広く応用されているにもかかわらず、ゴム弾性

の発生メカニズムでさえ解明されていないのが現状であ

る 1)。その要因として、三次元ネットワークを持ち、複雑

な分子運動を行い、金属、繊維、充填材などが混合され

ていることなどが挙げられる。そのため、ゴム材料の変

形・破壊挙動を詳細に把握することは非常に重要である

と考えられる。しかし、現在ひずみゲージによる計測方

法では 35%を越える大ひずみの計測を行うことができず、

ゴムなどの柔軟な材質の変形・破壊挙動を把握すること

ができないため、ゴム材料に模様をつけ、目視で変形・破

壊挙動を調べているのが現状である。

そこで、本研究では他の計測手法に比べ、安価、簡便

であり、非接触で高精度な変形・応力計測が可能であると

報告されているデジタル画像相関法 2)を用いて、大変形、

大回転時における変形・ひずみ計測法を開発した。具体的

には、画像照合をする際、直ひずみを考慮し、拡大・縮小

補正を加えることで、照合精度を高めた画像照合法と、

複数の画像を用いることで、各画像間に生ずる変位分布

を算出し、それらを足し合わせることで大変形、大回転

した試験片の変位を算出する増分加算型画像計測法であ

る。これらの画像照合法を用いることで、機械的にゴム

の変形挙動を確認することが可能となった。

2. 理理理理 論論論論

2.1 画像相関法画像相関法画像相関法画像相関法をををを用用用用いたいたいたいた画像照合法画像照合法画像照合法画像照合法

変形前の画像である基準画像領域と、変形後の画像で

ある計測対象画像を基に、Fig.1 (a)に示すような微小領域

と最も良い相関を得る画像領域を Fig.1 (b)で示される変

形後画像より検出する。その方法を以下に示す。

(1) 基準画像中におけるある画素位置 bi (xi,yi)を中

とする dx×dy の微小領域を設定する。これを基

準画像領域 B(bi)と定義する。

(2) 計測対象画像においても、同様にして、画素位

置 aj(xi+∆x, yi+∆y)を中心にした dx×dy の微小

領域である比較画像領域 A(aj)を設定し、基準画

像領域B(bi)と比較画像領域A(aj)の輝度相関値Rij

(xi+∆x, yi+∆y)を、画像相関法を用いて求める。

(3) 比較画像領域 A(aj)を 1 画素ずつずらしながら全

画像領域内の輝度相関値 Rij (bi, aj)を求める。輝

度相関値 Rij (bi, aj) が最小あるいは最大となる時

の座標(xi+∆x, yi+∆y)が相関性の最も高い座標、

すなわち画像照合位置であり、∆x および ∆y が

bi (xi, yi)における変位解である。本研究で用いた

残差自乗和相関 3)では輝度相関値 Rijが最小の時

に相関性が最も高くなる。

変形前および最終変形時の画像において、上記に示した

理論を適用し、計測変位を算出する手法を従来手法とす

る。

(a) Original Image (b) Deformed Image

Fig.1 Basic procedure of digital image correlation.

bi(xi,yi)

B(bi)

dy

dx

A(aj) dx ∆y

∆x

aj(xi+∆x,yi+∆y)

dy

Page 2: B05 デジタル画像相関法ををを用を用用用いたいた …shibahara/osakafu-content/...these measurement method and the result of tensile test of these measurement method

平成 19 年度 卒論・修論概要集(2008 年 2 月)

B05-2

2. 2 直直直直ひずみをひずみをひずみをひずみを考慮考慮考慮考慮したしたしたした画像照合法画像照合法画像照合法画像照合法

一般的によく用いられる画像照合法では、Fig.2 に示す

(a)変形前画像照合領域の点(X,Y)と(b)変形後画像照合領

域の点(Xo,Yo)を照合する際、点(X1,Y1)と点(Xe1,Ye1)、点

(X2,Y2)と点(Xe2,Ye2)という照合領域の対応した点の相関

を全てとることで点(X,Y)と点(Xo,Yo)の相関をとる。

本手法は、点 (X1,Y1)と点 (Xe1’,Ye1’)、点 (X2,Y2)と点

(Xe2’,Ye2’)という(a)の照合領域と(b)の黒線で示す各点を

点(Xo,Yo)を中心に x 方向にm倍、y 方向に n 倍させた照

合領域とで相関をとることで直ひずみを考慮した画像照

合をすることが可能になった。拡大・縮小させた照合領

域の各点の座標は(1)式より算出する。ただし、一般的に

拡大・縮小した点には輝度値が存在しないので、その場合

には、近傍 4 点の輝度値から線形補間により算出した値

を使用する。

YonYoYeYe

XomXoXeXe

+×−=

+×−=

)('

)('

11

11

2. 3 増分増分増分増分加算加算加算加算型画像計測法型画像計測法型画像計測法型画像計測法

従来の画像照合法では変形前後の 2 枚の画像を用いて

照合するため、大きな変形が起こった場合に画像自体が

大きく変化し補正をしない状態では照合ができない可能

性がある。しかし、画像相関法と本章で説明する増分加

算型画像計測法を使用することによって、大きな変形や

回転などが起こった場合でも補正をすることなく解析が

可能になる。

増分加算型画像計測法とは変形前後の画像に加え変形

途中の画像も撮影し、連続する 2 枚の画像で画像照合を

して得られた各画像間の変位をピクセル単位で追跡して

いき、サブピクセル単位で計測 4)した変位を全て足し合わ

せることにより最初の画像と最後の画像における変位量

を得る手法である。これにより、大変形、大回転をして

も微小な変形、回転として比較することが可能となり、

一般的によく用いられている画像相関法を適用すること

で変形を計測することができる。例えば、Fig.3 のように

Image 1、2、3、4 の 4 枚で増分加算型画像計測法を用い

て変位計測を行う場合は Image 1 と 2 で照合、2 と 3 で照

合、3 と 4 で照合を行い、3 つの変位量を足し合わせるこ

とで Image 1 と 4 での変位量を得ることができる。

本研究では直ひずみを考慮した画像照合法と増分加算

型画像計測法の 2 手法を開発したが、両手法とも異なる

長所を有する。直ひずみを考慮した画像照合法では変形

前後 2 枚の画像だけで解析が可能であるとともに、照合

時の拡大・縮小率でおおよそのひずみを算出することが

可能になる。一方、増分加算型画像計測法では 2.1 節で示

した、画像相関法を用いた画像照合法で照合できる画像

を撮影し続けることができたら、大変形時でも変位計測

が可能であり、かつ高速で解析を行うことができる。

3. 大変形時大変形時大変形時大変形時におけるにおけるにおけるにおける帯板帯板帯板帯板のののの引張引張引張引張りりりり試験試験試験試験

3. 1 実験装置実験装置実験装置実験装置およびおよびおよびおよび試験片試験片試験片試験片のののの形状形状形状形状・・・・寸法寸法寸法寸法

本章では提案手法の大変形時における変位・ひずみ計

測への適用性について検討するため、試験装置として島

津製作所製島津オートグラフ AG-IS MS(卓上)形を使用し、

帯板の一軸引張り試験を実施した。Fig.4 にその試験片形

状と寸法を示す。また、大変形時の挙動を確認するため

材料はゴム材料 MBA079-B を使用した。

3. 2 変位変位変位変位・・・・ひずみひずみひずみひずみ計測計測計測計測

増分加算型画像計測法では計 6 枚 の画像を使用し解

析を行った。 Fig.5(a) に case1(F=0) の画像を、 (b) に

case6(F=219.6N)の画像を示す。Fig.6 に Fig.5(a)に示される

解析領域における y 方向変位分布、Fig.7 に y 方向ひずみ

分布、Fig.8 と Fig.9 には Fig.8 中に示す B-B’上の y 方向変

位分布と y 方向ひずみ分布を示す。

(a) Image 1 (b) Image 2 (c) Image 3 (d) Image 4

x

(2,1) (4(4(4(4,,,,5)5)5)5)

(7,6)

(8,9)

{∆u1}T= (2.2,3.9)

{∆u3}T= (1.4,2.8)

{∆u2}T= (2.6,1.1)

{∆u1}T+{∆u2}

T+{∆u3}

T

= (6.2,7.8)

Fig.3 Incremental type measurement method

(1)

(a) Original Image

(F=0)

(b) Deformed Image (F=219.6N)

Fig.5 Images used in experiment.

analysis

area

Fig.4 Shape and size

of test specimen.

40mm

125mm

t=2mm

(a) Incremental type

measurement method

(b) The method which can consider

the effect of tensile and

compressive strain

Fig.6 Distribution of displacement in y direction

(pixel)

(Xe1’,Ye1’)

Fig.2 Expansion and Reduction matching area

(a)

Original Image

(b)

Deformed Image

(Xo,Yo)

(Xe1,Ye1) (X1,Y1)

(X,Y)

(X2,Y2) (Xe2,Ye2)

(Xe2’,Ye2’)

measurement method (a)Incremental type

Fig.7 Distribution of strain y direction

(%)

(b) The method which can consider

the effect of tensile and

compressive strain

Page 3: B05 デジタル画像相関法ををを用を用用用いたいた …shibahara/osakafu-content/...these measurement method and the result of tensile test of these measurement method

平成 19 年度 卒論・修論概要集(2008 年 2 月)

B05-3

600

700

800

900

1000

1100

0 100 200 300 400 500

Inclemental image measurement method

The method which can consider the effect of tensile and compressive strain

Displacement in y along B-B' (pixel)

(pixel)

(pixel)

(pixel)

Coordinate y (pixel)(pixel)(pixel)(pixel)

Fig.8 Distribution of displacement in y direction along B-B '

従来手法では不可能であった変位・ひずみ計測が、直ひ

ずみを考慮した照合方法および、増分加算型画像計測法

を適用することにより可能であることが確認できた。ま

た、Fig.6 および Fig.8 より 2 手法の結果を比較すると、y

方向変位分布においてほぼ一致していることが確認でき

る。Fig.7 と Fig.9 から直ひずみを考慮した照合方法から

得られたひずみは振動が小さいことが確認できる

次に、同様の実験をカメラ・試験片間の距離を長くして

行い、さらに大きな伸びを撮影した。変位計測には 16 枚

の画像を使用し計 15 ケースの解析を行った。この解析で

は、直ひずみを考慮した照合方法では計測ができなかっ

たため、増分加算型画像計測法を用いて計測した結果を

示す。

Fig.10 に解析に使用した 1、2、9、16 枚目の画像を示

す。図中の白線で囲まれた領域が解析対象領域である。

Fig.11 に case1、8、15 における y 方向変位分布を、Fig.12

に y 方向ひずみ分布を、Fig.13 に図中に示す A-A’上のひ

ずみ分布を示す。

同図より増分加算型画像計測法を用いることで 1800ピ

クセル(約 234mm)を越えるような大きな変位でも画像照

合可能であることが確認できる。また、変位勾配が増加

していく傾向が見られ、それにともないひずみ量も増加

している挙動が確認できる。直ひずみを考慮した照合方

法では 70%程度のひずみまで計測できたが、増分加算型

画像計測法は 200%以上のひずみも計測可能であること

が確認できた。

0 100 200 300 400 500

Incremental image measurement method

The method which can consider the effect of tensile and compressive strain

0

20

40

60

80

100

Strain in y along B-B'(%)

Coordinate y (pixel)

B

Fig.9 Distribution of strain in y direction along B-B'

B’

B’

B

B’

B

analysis area

(a) Image 1 (F=0)

(d) Image 16 (F=988.8N)

(c) Image 9 (F=311.6N)

(311.6N)

(b) Image 2 (F=26.3N)

Fig.10 Images used in experiment

(pixel)

(a) case 1 (F=26.3N)

(b) case 8 (F=311.6N)

(c) case 15 (F=988.8N)

Fig.11 Distribution of displacement in y direction

(pixel) (pixel)

0 50 100 150 200 250

case 1 (26.3 N)case 1 (26.3 N)case 1 (26.3 N)case 1 (26.3 N)case 8 (311.6 N)case 8 (311.6 N)case 8 (311.6 N)case 8 (311.6 N)case 15 (988.8 N)case 15 (988.8 N)case 15 (988.8 N)case 15 (988.8 N)

0

100

200

300

400

500

Strain in y along A-A'(%)

Coordinate x (pixel)

A’ A

Fig.13 Distribution of strain in y direction along A-A '

A A’

(a) case 1 (F=26.3N)

(b) case 8 (F=311.6N)

(c) case 15 (F=988.8N)

Fig.12 Distribution of strain in y direction

(%) (%) (%)

Page 4: B05 デジタル画像相関法ををを用を用用用いたいた …shibahara/osakafu-content/...these measurement method and the result of tensile test of these measurement method

平成 19 年度 卒論・修論概要集(2008 年 2 月)

B05-4

4. 端部端部端部端部きききき裂裂裂裂をををを有有有有するするするする帯板帯板帯板帯板のののの引張引張引張引張りりりり試験試験試験試験

4. 1 試験片試験片試験片試験片のののの形状形状形状形状・・・・寸法寸法寸法寸法

本章では提案手法の大回転時における変位・ひずみ計

測への適用性について検討するため、端部亀裂を有する

帯板の一軸引張り試験を実施した。Fig.14 にその試験片

形状と寸法を示す。また、材料は 3 章と同様のゴム材料

MBA079-B を使用した。

4. 2 変位変位変位変位・・・・ひずみひずみひずみひずみ計測計測計測計測

変位計測には 6 枚の画像を使用し、計 5 ケースの解析

を行った。Fig.15 中の白線で囲まれた領域が解析対象領

域である。解析に使用した 1、2、4、6 枚目の画像を Fig.16

に示す。 Fig.17 に case1(F=12.0N) 、 case3(F=28.8N) 、

case5(F=40.3N)における y 方向変位分布を、Fig.17 に y 方

向ひずみ分布を、Fig.18 に図中に示す A-A’上の y 方向ひ

ずみ分布を示す。

Fig.17 より、変位勾配が増加していることが確認でき

る。また、同図よりき裂先端部において、他の場所より

大きな回転が起きていることが確認できる。Fig.18 より、

荷重負荷が大きくなるに従い、全体的なひずみが大きく

なっていることが確認できる。また、き裂先端部におい

て、ひずみの集中が見られることが確認できる。増分加

算型画像計測法を用いることで、大回転時における変位・

ひずみ計測が可能であると確認できた。

5. 結結結結 言言言言

本研究では、開発した直ひずみを考慮した照合方法と

増分加算型画像計測法を用いて、大変形・大回転時におけ

る変形・ひずみ計測を行った。これにより以下の知見が得

られた。

1) ゴムの帯板の引張り試験において直ひずみを考慮

した照合方法を適用することで、変形前後 2 枚の

画像で大変形時の変位・ひずみ計測が可能となる

ことが確認できた。

2) 端部き裂を有する帯板の引張り試験において増分

加算型画像計測法を適用することで、大変形・大回

転時における変位・ひずみ計測が可能となること

が確認できた。

3) 画像相関法を用いることで、ゴムの変形挙動を確

認することができた。

参考文献参考文献参考文献参考文献

1) 岡本伸吾、小村勇樹:非直線軌道上を非等速で動

く幾何学的非線形薄肉構造物の動的有限要素解析、

日本計算工学会論文集、2002 年号(2002)

2) 柴原正和、山口晃司、正岡孝治、坪郷尚:画像処

理による非接触変形・応力計測法の開発、溶接構造

シンポジウム’06 講演論文集(2006)、pp.216-217.

3) 畝田道雄、柴原正和、松石正克、石川憲一、岩田

節雄、北村幸嗣:サブピクセル画像処理を用いた

構造物の非接触変形・応力計測法に関する研究、精

密工学会論文集 (2006)、pp.360-365.

4) Mizuki Hagiwara and Masayuki Kawamata : Detection

of Subpixel Displacement for Image Using Phase-Only

Correlation、電子情報通信学会技術研究報告(2001),

pp.79-86.

(a) Image 1 (F=0)

(b) Image 2 (F=12.0N)

(c) Image 4 (F=28.8N)

(d) Image 6 (F=40.3N)

Fig.16 Image used in experiment

Fig.19 Distribution of strain in y direction along A-A '

A’ (

100 200 300 400 500 600 700 800

case 1 (12.0 N)case 3 (28.8 N)case 5 (40.3 N)

0

20

40

60

80

100

Strain in y along A-A'(%)

Coodinate x(pixel)

Fig.18 Distribution of strain in y direction

(a) case 1 (F=12.0N)

(c) case 5 (F=40.3N)

(b) case 3 (F=28.8N)

(%)

(a) case 1 (F=12.0N)

(b) case 3

(F=28.8N)

(c) case 5 (F=40.3N)

Fig.17 Distribution of displacement in y direction

(pixel) (pixel) (pixel)

40mm

15mm

125mm

t=2mm

Fig.14 Shape and size

of test specimen

analysis area

Fig.15 Original Image (F=0)