より引用 - lab.hsugino.net · 3種類の乳酸菌と 納豆菌 納豆菌 bacillus subtilis...
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² 国家試験頻出項目を中心に
² 実際に細菌(および真菌)を培養し、観察することで細菌汚染に対する理解を深める
² 以下の細菌、または代替菌株で実験可能なものをピックアップ
³ 黄色ブドウ球菌 ³ 腸管出血性大腸菌 ³ 結核菌 ³ その他、日和見感染症の原因となる細菌
Taylor, L. J.: An evaluation of handwashing techniques-1. Nursing Times, 12:54, 1978より引用
² 高濃度の食塩(7.5%)を含む
³ ほとんどの細菌は生育しない。Staphylococcus科の細菌が選択的に増殖。
² マンニトールとフェノールレッド
³ マンニトール発酵を行う黄色ブドウ球菌は酸を生成し、培地が黄色になる。
³ 表皮ブドウ球菌などは白色のコロニーを形成する。
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黄色ブドウ球菌 その他のブドウ球菌(CNS)
黄色のコロニー
手洗いが不十分
² 鼻部(上咽頭)
² 口部(中咽頭)→ここからサンプル採取
² 喉頭部(下咽頭) ² Staphylococcus属、Streptococcus属
² Haemophilus influenzae
² Pseudomonas aerugonosa
² Klebsiella pneumoniae(肺炎桿菌)
² Streptococcus pneumoniae(肺炎球菌)
² 今回のターゲットは、黄色ブドウ球菌
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² 連鎖球菌、ナイセリアを中心に300種類、個人差あり
² 常在菌(α溶血)
² Streptococcus mitis
² Streptococcus salivarius
² Streptococcus sanguinis
² 常在菌(β溶血)
² Streptococcus pyogenes(化膿性レンサ球菌)
² ただし、血液中、呼吸器などへ移行すると病原性を示す
β溶血
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² 表皮ブドウ球菌などの細菌、及び真菌類
² 今回は真菌(Candida属)をターゲット ² Candida albicansが主な原因菌
² 免疫力低下などで、手、爪、指間で発症
² 細菌ではなく、真菌であることに注意
² 抗生物質は効かない、ステロイド外用薬で悪化
² 真菌類(カビ、酵母)の分離のための培地
² pHを5.6程度に下げているため、通常の細菌は増殖しない。
² カンジダ属は乳白色円形不透明、湿潤性のコロニーを形成
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² 医療行為の最中に携帯電話に触れることで、手指が汚染されることを認識する
² (ただし、健常者には影響はないと思われる)
² 今回は大腸菌群をターゲット
² Escherichia、Klebsiella、その他グラム陰性桿菌
² 大腸菌群は土壌などに大量に存在するため、検出されても深刻な汚染を意味するものではない。
² 大腸菌群のおおまかな同定に用いられる。
² 乳糖を分解する酵素をもつEscherichia属細菌などは、分解物が酸性となるため、黄色のコロニーを形成。
² 細菌により、乳糖分解性が異なるので黄変の有無による分類ができる→しかし、球菌なども生育するので注意(コロニーの大きさで判断する)
大きなコロニー
小さいコロニー
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黄変しているもの、していないもの
3種類の乳酸菌と納豆菌
納豆菌 Bacillus subtilis natto
通性嫌気性菌 グラム陽性桿菌 抗菌作用、免疫力を高めます。血栓溶解作用(ナットウキナーゼ)
アシドフィルス菌Lactobacillus acidophilus!(乳酸菌)
嫌気性菌 グラム陽性桿菌、培養時間が長くなるとグラム陰性
胃腸の調子を整え食中毒を防止低コレステロール作用
フェカリス菌Enterococcus faecalis!(乳酸菌)
好気性菌 グラム陽性球菌 優れたTNF-a(腫瘍壊死因子)誘導活性、各種腸内有用細菌を著しく増加させる
ビフィズス菌Bifidobacterium bifidum!(乳酸菌)
偏性嫌気性菌 グラム陽性桿菌、V字型、Y字型
コレステロールの軽減、ホルモンやビタミンの産生、悪玉菌を抑え腸内腐敗を防止
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好気状態で培養しているため、嫌気性菌は生育しない。
² 薬剤耐性 ³ 抗生物質に耐性を持ち、抗生物質の影響を受けずに生育することを言います。
² 抗生物質 ³ 微生物によって作られる化学物質で、他の微生物に対して作用し、その発育を阻止または死滅させる物質です。
³ 最近は、化学的に合成された物質も抗生物質と呼んでいます。(抗菌薬と呼ぶこともあります)。
² 多剤耐性菌 ³ 複数の抗生物質を投与しても増殖に影響しない細菌
² 多剤耐性のメカニズム ³ 細菌の遺伝子変異(内部) ³ 抗生物質耐性遺伝子の獲得(外部)
³ 抗生物質の乱用により、ごく少量の多剤耐性菌のみが増殖する
³ 院内感染が問題となっている:医療従事者が感染を拡大
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² MRSA ³ Methicillin-resistant Staphylococcus aureus!
³ 前ページスライドにある多剤耐性菌の代表
³ メチシリン(抗生物質)に耐性を獲得した黄色ブドウ球菌
³ 国内では1980年代になって報告されるように
³ 医療現場での抗生物質の乱用が指摘
² 治療薬
³ バンコマイシンが用いられている
³ しかし、バンコマイシン耐性腸球菌の急速な院内感染の広がりが問題になっている
³ このバンコマイシン耐性腸球菌から、バンコマイシン耐性遺伝子がMRSAへ
³ バンコマイシン耐性MRSAの出現へ(VRSA)
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右のディスクの周囲には 阻止円が存在しない
右のディスクに含まれる 抗生物質に耐性
左右のディスクの周囲に 阻止円が存在する
左右のディスクに含まれる 抗生物質に感受性
阻止円の直径は、完全阻止帯の直径とする。
寒天平板培地
完全阻止帯
ディスク
中心からの距離
抗生物質の濃度
阻止円
この濃度以下では 細菌の増殖を抑制 できない。
それぞれの抗生物質ついて、 耐性、中間、感性に対応する 阻止円の直径が決まっている。 耐性 中間 感性 アンピシリン 13 14-16 17mm以上 カナマイシン 13 14-16 18 医療の現場では、この判定によって 有効な抗生物質を選択し、 投与している。 なお、一般には阻止円の半径により、 +や++の判定をおこなう。 (基準は抗生物質の種類による) ++の抗生物質から使用する。
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l クリスタルバイオレットのような塩基性色素で細菌を染色
l アルコールで脱色
l 脱色されるもの(グラム陰性)とされないもの(グラム陽性)に分ける方法である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/より引用
² グラム陽性菌
³ 細胞壁はぺプチトグリカン層(長い糖鎖とペプチドからなる固い構造の巨大分子)が比較的厚いため、脱色されにくい
² グラム陰性菌
³ グラム陰性菌は、細胞壁のぺプチトグリカン層が薄いため、グラム染色の際に、染色剤を保持できないために脱色される
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クリスタル
バイオレット
アルコール等での脱色
フクシンで
再度、染色
グラム陽性細菌
グラム陰性細菌
² 青色:グラム陽性細菌 赤色:グラム陰性細菌
² 脱色しすぎると陽性菌が陰性と判断されることがある
² 細菌の種類によってはグラム陽性であっても脱色されやすいものがある
² 多量の菌を塗抹すると正しい配列像が得られなくなる
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² グラム陽性桿菌
² 傷口から感染して破傷風を起こす。
² 芽胞を形成する(球状胞子)。
² 毒素はきわめて強力な神経毒、末梢運動神経終末を攻撃し、反射性の痙攣発作をおこす
² 抗毒素血清が有用。
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² グラム陰性球菌、双球菌状
² 性行為による感染
² 尿道炎、子宮頸管炎、副睾丸炎、膀胱炎
² 菌が血中に入ると、関節炎、骨髄炎、心内膜炎、髄膜炎など
² 淋菌性結膜炎で失明の恐れもあり
² グラム陽性桿菌(長い連鎖)
² 芽胞を形成
² 一般には非病原性だが、創傷の二次感染の原因になることも
² B. anthraisは炭疽菌として知られ、家畜から感染、敗血症で死亡することもある