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第1章 オフィス賃料推計モデルによる賃料決定要因の変化の考察 不動産レポート 2013 5 第1章 オフィス賃料推計モデルによる賃料決定 要因の変化の考察 株式会社都市未来総合研究所 主任研究員 下向井 邦博 (しもむかい くにひろ) [email protected] はじめに 都市未来総合研究所は 2003 年にオフィス賃料の推計モデルを構築し、 オフィスの 立地や規模といった属性による賃料への影響を測定した。 その後、 都市部における不動産価格の上昇やリーマンショックによる世界的不況、 急激な円高等といった社会的 ・ 経済的なマクロの環境変化、 および交通インフラの整 備や都市再生 ・ 再開発等といったミクロの環境変化を経て、 近年のオフィス賃料の決 定要因には 2003 年の推計時から変化があるのではないかと考えた。 そこで、 2009 年以降のオフィス賃貸契約事例における成約賃料及びオフィス属性 データを、 オフィス賃料推計モデルに当てはめ、 前回調査からの係数等の変化を分析 することで、 オフィス賃料決定要因の変化を明らかにすることを試みた。 また、 今後の課題として最近の社会環境の変化を考慮したモデルの改善方向につ いても検討した。

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第 1章 オフィス賃料推計モデルによる賃料決定要因の変化の考察

不動産レポート 2013  5

第 1 章 オフィス賃料推計モデルによる賃料決定

     要因の変化の考察 

株式会社都市未来総合研究所

主任研究員下向井邦博 (しもむかい くにひろ)

[email protected]

はじめに

都市未来総合研究所は 2003 年にオフィス賃料の推計モデルを構築し、 オフィスの

立地や規模といった属性による賃料への影響を測定した。

その後、 都市部における不動産価格の上昇やリーマンショックによる世界的不況、

急激な円高等といった社会的 ・ 経済的なマクロの環境変化、 および交通インフラの整

備や都市再生 ・ 再開発等といったミクロの環境変化を経て、 近年のオフィス賃料の決

定要因には 2003 年の推計時から変化があるのではないかと考えた。

そこで、 2009 年以降のオフィス賃貸契約事例における成約賃料及びオフィス属性

データを、 オフィス賃料推計モデルに当てはめ、 前回調査からの係数等の変化を分析

することで、 オフィス賃料決定要因の変化を明らかにすることを試みた。

また、 今後の課題として最近の社会環境の変化を考慮したモデルの改善方向につ

いても検討した。

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 都市未来総合研究所6

第 1 編 特集

§ 1 : 2003 年のオフィス賃料推計モデルの概要

弊社が 2003 年に構築したオフィス賃料推計モデル (以後、 03 年モデル) の概要

について述べる。

モデル構築に用いたデータは、 1999 年第3四半期から 2002 年第4四半期までのオ

フィス賃貸借契約の成約賃料を被説明変数とし、 当該ビルの立地や規模などの属性を

説明変数 (アイテム) としている。 異常値等を除いたサンプル数は 2,899 件であった。

モデルに用いた解析手法は数量化1類で、 関数形は常用対数による対数線形型で

ある。

すなわち、 Y を推計賃料、C を基準賃料、 Xij を i というアイテムのj番目のカテゴリー

のもつ数値 (アイテム ・ スコア) とすると、

Y= C× X1j × X2j ×…× Xij ×… (A)

logY = logC + logX1j + logX2j +…+ logXij +… (B)

と表せる。

03 年モデルでは説明変数は次表に示す 「立地地区」 から 「使用面積」 までの 7つ、

カテゴリー数はそれぞれのアイテムにより6~ 38 が設定されている。

[図表 1-1-1] 03 年モデルで使用したデータの概要

被説明変数 説明

成約賃料月額の坪当たり賃料単価(共益費は含まない)契約時点に応じて補正係数を掛けている

説明変数(アイテム)

説明 カテゴリー数

立地地区 都区部の主要オフィス地区(37ヶ所+その他) 38

最寄り駅路線 当該ビルの最寄駅の鉄道路線(13路線+その他) 14

時間距離 最寄駅からの徒歩による時間距離 9

竣工時期 オフィスビルの竣工年(耐震基準等により7区分) 7

ビル地上階数 オフィスビルの地上階数(低層~超高層に6区分) 6

基準階床面積 オフィスビルの基準階床面積 6

使用面積 契約した賃貸面積 7

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第 1章 オフィス賃料推計モデルによる賃料決定要因の変化の考察

不動産レポート 2013  7

[図表 1-1-2] 03 年モデルのカテゴライズ

①立地地区カテゴリー カテゴリー

丸の内・大手町・有楽町 1 西池袋・池袋 26麹町・番町 2 東池袋・南池袋 27内神田・鍛冶町・駿河台 3 大塚・巣鴨 28岩本町・外神田 4 文京区 本郷・小石川 29飯田橋・九段 5 台東区 上野・台東 30八重洲・京橋・日本橋 6 江東区 東陽町・木場・有明 31銀座 7 墨田区 錦糸町・亀戸 32日本橋室町・本町 8 五反田・大崎 33築地・茅場町・八丁堀 9 北品川・東品川 34人形町・箱崎町・新川・月島 10 その他品川 35新橋・虎ノ門 11 大森・蒲田 36赤坂・青山 12 その他大田区 37六本木・麻布 13 目黒区 目黒区浜松町・高輪 14 世田谷区 世田谷区芝浦・海岸 15 杉並区 杉並区西新宿 16 中野区 中野区新宿・歌舞伎町 17 練馬区 練馬区四谷・市ヶ谷 18 板橋区 板橋区高田馬場・大久保 19 北区 北区早稲田・神楽坂 20 荒川区 荒川区渋谷・原宿 21 足立区 足立区桜丘・南平台 22 葛飾区 葛飾区千駄ヶ谷・代々木 23 江戸川区 江戸川区恵比寿 24初台・幡ヶ谷 25

豊島区

品川区

大田区

38

オフ ィ スエリ アオフ ィ スエリ ア

千代田区

中央区

港区

新宿区

渋谷区

②最寄駅路線              ③時間距離         ④竣工時期

カテゴリー 時間距離 カテゴリー 竣工時期 カテゴリーJR JR各線 1 1分 1 ~1974年 1

銀座線 2 2分 2 1974~83年 2東西線 3 3分 3 1984~87年 3日比谷線 4 4分 4 1988~93年 4半蔵門線 5 5分 5 1994~97年 5有楽町線 6 6分 6 1998~2002年 6丸ノ内線 7 7分 7千代田線 8 8分 8南北線 9 9分以上 9都営三田線 10都営新宿線 11都営浅草線 12都営大江戸線 13

14

路線

東京メトロ

都営地下鉄

その他

⑤ビル地上階数    ⑥基準階面積       ⑦使用面積

地上階数 カテゴリー 基準階床面積 カテゴリー 使用面積 カテゴリー1~5階 1 ~50坪 1 ~25坪 16~10階 2 50~100坪 2 25~50坪 211~15階 3 100~200坪 3 50~100坪 316~25階 4 200~400坪 4 100~200坪 426~35階 5 400~600坪 5 200~500坪 536階~ 6 600坪~ 6 500~1000坪 6

1000坪~ 7

数量化 I 類のモデルの説明力は重回帰分析と同様に決定係数 (重相関係数の2乗)

で判断できる。 03 年モデルの決定係数は 0.7254 で、 賃料の変動の 72.5%がモデル

式に採用した説明変数の変動から説明できる。

カテゴリー数量は、 あるビルの属性があるカテゴリー値となることによって、 賃料が平

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 都市未来総合研究所8

第 1 編 特集

均値を基準にどの程度増減するかを表している。

カテゴリー数量の最大値から最小値までの変動幅 (レンジ) はそれぞれのアイテム

の賃料に対する影響の程度を表す指標となる。

03 年モデルでは、「立地地区」 が最も強い説明力を有していることを示し、カテゴリー

数量は最少 -0.29578 (カテゴリ 32 : 錦糸町 ・ 亀戸) から最大 0.18714 (カテゴリ 1 :

丸の内 ・ 大手町 ・ 有楽町) まで変化し、 その変動幅 (レンジ) は 0.48292 となる (立

地地区以外の説明変数のカテゴリー数量を 1 とすると、 丸の内 ・大手町 ・有楽町の理

論賃料は 104.15360 × 100.18714 で 21,915 円 / 坪、 錦糸町 ・亀戸は 104.15360 × 10-0.29578 で

7,208 円 / 坪と推計される。 その比は 3.0404 = 100.48292 となる)。

次にレンジの大きいアイテムは 「基準階面積」、そして 「ビル地上階数」、「時間距離」、

「最寄駅路線」、 「竣工時期」 の順であった。

個々のアイテムのカテゴリー数量についてみると、 「立地地区」 では 「丸の内 ・ 大

手町 ・ 有楽町」 の係数が最も高く、 以下、 「赤坂 ・ 青山」、 「銀座」 と一般に賃料の

高いエリアが続いている。

「最寄駅の路線」 については 「JR 線」 の係数が最も高く、 「東西線」、 「半蔵門線」、

「銀座線」 と主要なオフィス地区を通る路線の係数が高い。

「時間距離」 は駅から遠くなるにつれて係数が減少している。

「竣工時期」 は竣工が古いほど係数が減少している。

「階数 (ビル地上階数)」 は高層、 超高層ビルのほうが係数が高く、 賃料水準が高

いことを示しているが、 一部で逆転がみられる。

「基準階面積」 は面積が小さくなるにつれ、 係数が減少している。

「使用面積」 は 200 ~ 400 坪で最も係数が高くなり、 そこから狭いほうにも広いほう

にも減少している。

[図表 1-1-3] 03 年モデルの推計結果

アイテム レンジ 単相関 偏相関立地地区 0.48292 0.6191 0.7014路線/最寄駅 0.11665 0.0373 0.3252時間距離 0.13272 0.1879 0.3133竣工時期 0.10965 0.0498 0.2811階数 0.15558 0.5271 0.3008基準階 0.16999 0.5829 0.4311使用面積 0.01909 0.2840 0.0714

モデルの説明力重相関係数 0.8517重相関係数の2乗 0.7254

説明アイテム間の単相関係数アイテム 立地地区 路線/最寄駅 時間距離 竣工時期 階数 基準階 使用面積

立地地区 1.0000 -0.0908 0.1055 -0.1829 0.1801 0.1793 -0.0128路線/最寄駅 -0.0908 1.0000 -0.1125 -0.0533 -0.1369 -0.1027 -0.0363時間距離 0.1055 -0.1125 1.0000 -0.1005 0.0013 -0.0155 -0.0565竣工時期 -0.1829 -0.0533 -0.1005 1.0000 0.1435 -0.0577 0.0882階数 0.1801 -0.1369 0.0013 0.1435 1.0000 0.5653 0.2054基準階 0.1793 -0.1027 -0.0155 -0.0577 0.5653 1.0000 0.5471使用面積 -0.0128 -0.0363 -0.0565 0.0882 0.2054 0.5471 1.0000

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第 1章 オフィス賃料推計モデルによる賃料決定要因の変化の考察

不動産レポート 2013  9

カテゴリー数量アイテム カテゴリ- カテゴリ-数量

立地地区 1 0.187142 0.031773 -0.013594 -0.074975 -0.015296 0.062357 0.103398 -0.037489 -0.08705

10 -0.0935111 0.0743112 0.1124713 0.0239414 -0.0154515 -0.1062316 0.0658217 0.0107718 -0.0093319 -0.1579020 -0.0891121 0.0859022 0.0800923 0.0568924 0.0550725 -0.0902426 -0.0648727 -0.0711728 -0.1633829 -0.0716130 -0.1451231 -0.1722432 -0.2957833 -0.0858534 -0.0989635 -0.1709836 -0.02934

  

アイテム カテゴリ- カテゴリ-数量路線/最寄駅 1 0.03105

2 0.009693 0.013504 0.004795 0.010746 -0.005197 -0.037598 -0.007899 -0.01678

10 -0.0300311 -0.0313612 -0.0304013 -0.0855914 -0.04996

時間距離 1 0.033902 0.010623 0.000724 -0.016355 -0.023326 -0.036857 -0.042728 -0.047169 -0.09882

竣工時期 1 -0.041462 -0.023943 -0.012164 0.008165 0.031426 0.06820

階数 1 -0.020002 -0.011833 0.016574 0.089895 0.042706 0.13557

基準階 1 -0.055112 -0.033183 0.041064 0.063235 0.113496 0.11488

使用面積 1 -0.008072 -0.006743 0.004904 0.011025 0.004616 0.002547 0.00119

定数項 4.15360

0.483

0.117

0.133

0.110

0.156

0.170

0.019

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

立地地区

路線/最寄駅

時間距離

竣工時期

階数

基準階

使用面積

アイテム・レンジ

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 都市未来総合研究所10

第 1 編 特集

§ 2 : 対象データの分析

(1) 分析の対象

本稿の分析対象は都市未来総合研究所が収集した、 東京都区部における 2009 年

1 月から 2012 年 6 月までのオフィス賃貸契約の成約賃料及び当該ビルの属性データ

である。 異常値等を除いたサンプル数 (契約データ数) は 2,231 件である。

(2) 賃料データの分布状況

分析に用いている賃料データには共益費は含まないが、 共益費込みの賃料データ

については、 当該オフィスビルの基準階面積に応じた平均共益費を設定し、 共益費相

当分を除いている。

契約時期別のデータ件数、 および各期における賃料の平均値を以下の図に示す。

四半期毎の件数は 150 前後 (平均 159.4 件)、賃料の平均値は減少トレンドがある。

[図表 1-1-4] 賃料データの件数と平均値

0

5,000

10,000

15,000

0

100

200

1期 2期 3期 4期 1期 2期 3期 4期 1期 2期 3期 4期 1期 2期

2009年 2010年 2011年 2012年

契約時期別件数と賃料平均値 件数

賃料平均値

(円/坪)

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不動産レポート 2013  11

03 年モデルにおいては、賃料について、時点修正係数を用いて補正したケースを取り

上げていたため、本分析においても時点修正係数を用いて補正したケースを採用した。

時点修正については、三鬼商事から公表されている規模別(大型、中型、小型)の平均

募集賃料(各年 12月時点)を元に線形補間し、2009 年 12 月時点の各賃料を 1.0 として

指数化。賃料の原数値をビル規模に応じた指数で除して賃料を補正した。

2012 年 1月以降については、同社が月次で公表している東京ビジネス地区のオフィス

賃料の 2011 年 12 月時点と各月の比から推計賃料を外挿し、指数化した。

[図表 1-1-5] ビル規模別の平均成約賃料単価の推移

平均募集賃料 推計賃料 補正係数 平均募集賃料 推計賃料 補正係数 平均募集賃料 推計賃料 補正係数2008年12月 22,200 22,200 1.181 14,800 14,800 1.021 12,600 12,600 0.9472009年1月 21,917 1.166 14,775 1.019 12,658 0.9522009年2月 21,633 1.151 14,750 1.017 12,717 0.9562009年3月 21,350 1.136 14,725 1.016 12,775 0.9612009年4月 21,067 1.121 14,700 1.014 12,833 0.9652009年5月 20,783 1.105 14,675 1.012 12,892 0.9692009年6月 20,500 1.090 14,650 1.010 12,950 0.9742009年7月 20,217 1.075 14,625 1.009 13,008 0.9782009年8月 19,933 1.060 14,600 1.007 13,067 0.9822009年9月 19,650 1.045 14,575 1.005 13,125 0.9872009年10月 19,367 1.030 14,550 1.003 13,183 0.9912009年11月 19,083 1.015 14,525 1.002 13,242 0.9962009年12月 18,800 18,800 1.000 14,500 14,500 1.000 13,300 13,300 1.0002010年1月 18,683 0.994 14,417 0.994 13,233 0.9952010年2月 18,567 0.988 14,333 0.989 13,167 0.9902010年3月 18,450 0.981 14,250 0.983 13,100 0.9852010年4月 18,333 0.975 14,167 0.977 13,033 0.9802010年5月 18,217 0.969 14,083 0.971 12,967 0.9752010年6月 18,100 0.963 14,000 0.966 12,900 0.9702010年7月 17,983 0.957 13,917 0.960 12,833 0.9652010年8月 17,867 0.950 13,833 0.954 12,767 0.9602010年9月 17,750 0.944 13,750 0.948 12,700 0.9552010年10月 17,633 0.938 13,667 0.943 12,633 0.9502010年11月 17,517 0.932 13,583 0.937 12,567 0.9452010年12月 17,400 17,400 0.926 13,500 13,500 0.931 12,500 12,500 0.9402011年1月 17,283 0.919 13,425 0.926 12,425 0.9342011年2月 17,167 0.913 13,350 0.921 12,350 0.9292011年3月 17,050 0.907 13,275 0.916 12,275 0.9232011年4月 16,933 0.901 13,200 0.910 12,200 0.9172011年5月 16,817 0.895 13,125 0.905 12,125 0.9122011年6月 16,700 0.888 13,050 0.900 12,050 0.9062011年7月 16,583 0.882 12,975 0.895 11,975 0.9002011年8月 16,467 0.876 12,900 0.890 11,900 0.8952011年9月 16,350 0.870 12,825 0.884 11,825 0.8892011年10月 16,233 0.863 12,750 0.879 11,750 0.8832011年11月 16,117 0.857 12,675 0.874 11,675 0.8782011年12月 16,000 16,000 0.851 12,600 12,600 0.869 11,600 11,600 0.8722012年1月 15,993 0.851 12,595 0.869 11,595 0.8722012年2月 15,888 0.845 12,512 0.863 11,519 0.8662012年3月 15,674 0.834 12,343 0.851 11,364 0.8542012年4月 15,467 0.823 12,180 0.840 11,213 0.8432012年5月 15,261 0.812 12,018 0.829 11,064 0.8322012年6月 15,092 0.803 11,885 0.820 10,941 0.8232012年7月 14,900 0.793 11,734 0.809 10,803 0.8122012年8月 14,703 14,703 0.782 11,579 11,579 0.799 10,660 10,660 0.8012012年9月2012年10月2012年11月2012年12月

大型以上 中型 小型

大型以上 : 100 坪以上

中型 : 50 ~ 100 坪

小型 : 50 坪未満

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(3) ビル属性データの分布状況

使用データの概要を次表に示す。

賃料補正の結果、 賃料はダウントレンドのため上方に修正され、 平均賃料は 800 円

近く増加している (推計モデルで得られる賃料も 2009 年 12 月価格によるものとなる)。

[図表 1-1-6] 使用データの記述統計量

変  数成約賃料

( 円/坪)

補正済み成約賃料

( 円/坪)

最寄駅からの時間距離

( 分)

竣工時期( 年)

ビ ル地上階数

基準階面積( 坪)

使用面積( 坪)

最小値 2, 900 3, 154 1 1928 2 8 5最大値 51, 000 50, 721 12 2012 60 1, 952 6, 719平  均 13, 322. 6 14, 129. 8 3. 0 1989 11. 4 186. 5 133. 5

標準偏差 5, 679. 39 5, 764. 22 1. 92 11. 39 7. 99 232. 07 251. 41中央値 12, 000 12, 926 3 1989 9 101 62尖  度 5. 13 3. 87 0. 70 0. 51 9. 41 12. 66 230. 20歪  度 1. 69 1. 49 0. 98 -0. 36 2. 92 3. 00 11. 02

標準誤差 120. 24 122. 04 0. 04 0. 24 0. 17 4. 91 5. 32変動係数 0. 43 0. 41 0. 63 0. 01 0. 70 1. 24 1. 88

尖度は頻度分布の尖り具合を示しており、 正規分布の尖度を 0 として尖度が大きければピークが鋭い分布を

持ち, 尖度が小さければより丸みがかったピークを持った分布であるという事が判断できる。

歪度は分布の偏りや歪みを示し、 左右対称であれば 0 となる。 ヒストグラムにすると正の値をとれば右に裾が

長く、 最頻値が左にずれる。

説明変数のカテゴリー毎のデータ件数 (成約件数) は以下の図のとおりである。

[図表 1-1-7] 立地地区別の件数

0

100

200

丸の内・大手町・有楽町

麹町・番町

内神田・鍛冶町・駿河台

岩本町・外神田

飯田橋・九段

八重洲・京橋・日本橋

銀座

日本橋室町・本町

築地・茅場町・八丁堀

人形町・箱崎町・新川・月島

新橋・虎ノ門

赤坂・青山

六本木・麻布

浜松町・高輪

芝浦・海岸

西新宿

新宿・歌舞伎町

四谷・市ヶ谷

高田馬場・大久保

早稲田・神楽坂

渋谷・原宿

桜丘・南平台

千駄ヶ谷・代々木

恵比寿

初台・幡ヶ谷

西池袋・池袋

東池袋・南池袋

大塚・巣鴨

本郷・小石川

上野・台東

東陽町・木場・有明

錦糸町・亀戸

五反田・大崎

北品川・東品川

その他品川

大森・蒲田

その他の区

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 38

立地地区別の件数

(地区名)

(カテゴリー)

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[図表 1-1-8] 最寄駅路線別の件数

0

500

1000

銀座線

東西線

日比谷線

半蔵門線

有楽町線

丸ノ内線

千代田線

南北線・副都心線

都営三田線

都営新宿線

都営浅草線

都営大江戸線

JR

各線

東京メトロ 都営地下鉄 その他

最寄駅路線別の件数

[図表 1-1-9] 最寄駅からの時間距離別の件数

0

500

1分 2分 3分 4分 5分 6分 7分 8分 9分以上

最寄駅からの時間距離別の件数

[図表 1-1-10] 竣工期間別の件数

0

500

1000

~1973年 1974~

1983年

1984~

1987年

1988~

1993年

1994~

1997年

1998~

2002年

2003年~

竣工期間別の件数

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[図表 1-1-11] ビル地上階数別の件数

0

500

1,000

1,500

1~5階 6~10階 11~15階 16~25階 26~35階 36階~

ビル地上階数別の件数

[図表 1-1-12] 基準階面積別の件数

0

500

~50坪 50~100坪 100~200坪 200~400坪 400~600坪 600坪~

基準階面積別の件数

[図表 1-1-13] 使用面積別の件数

0

500

~25坪 25~50坪 50~100坪 100~200坪 200~500坪 500~1000坪 1000坪~

使用面積別の件数

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第 1章 オフィス賃料推計モデルによる賃料決定要因の変化の考察

不動産レポート 2013  15

(4) 賃料データとビル属性データの分布

アイテム/カテゴリー毎の賃料 (補正前) の最大値、最小値、平均値の分布をみると、

バブル期以降の 「竣工期間」、 「ビル地上階数」、 「基準階面積」 には賃料と正の相

関関係、「最寄駅からの時間距離」 には賃料 (補正前) と負の相関関係が認められる。

[図表 1-1-14] 立地地区別の賃料範囲

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

丸の内・大手町・有楽町

麹町・番町

内神田・鍛冶町・駿河台

岩本町・外神田

飯田橋・九段

八重洲・京橋・日本橋

銀座

日本橋室町・本町

築地・茅場町・八丁堀

人形町・箱崎町・新川・月島

新橋・虎ノ門

赤坂・青山

六本木・麻布

浜松町・高輪

芝浦・海岸

西新宿

新宿・歌舞伎町

四谷・市ヶ谷

高田馬場・大久保

早稲田・神楽坂

渋谷・原宿

桜丘・南平台

千駄ヶ谷・代々木

恵比寿

初台・幡ヶ谷

西池袋・池袋

東池袋・南池袋

大塚・巣鴨

本郷・小石川

上野・台東

東陽町・木場・有明

錦糸町・亀戸

五反田・大崎

北品川・東品川

その他品川

大森・蒲田

その他の区

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 38

立地地区別の賃料範囲

最小値

最大値

平均値

(地区名)

(カテゴリー)

[図表 1-1-15] 最寄駅路線別の賃料範囲

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

銀座線

東西線

日比谷線

半蔵門線

有楽町線

丸ノ内線

千代田線

南北線・副都心線

都営三田線

都営新宿線

都営浅草線

都営大江戸線

JR

各線

東京メトロ 都営地下鉄 その他

最寄駅路線別の賃料範囲

最小値

最大値

平均値

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[図表 1-1-16] 最寄駅からの時間距離別の賃料範囲

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

1分 2分 3分 4分 5分 6分 7分 8分 9分以上

最寄駅からの時間距離別の賃料範囲

最小値

最大値

平均値

[図表 1-1-17] 竣工期間別の賃料範囲

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

~1973年 1974~

1983年

1984~

1987年

1988~

1993年

1994~

1997年

1998~

2002年

2003年~

竣工期間別の賃料範囲

最小値

最大値

平均値

[図表 1-1-18] ビル地上階数別の賃料範囲

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

1~5階 6~10階 11~15階 16~25階 26~35階 36階~

ビル地上階数別の賃料範囲

最小値

最大値

平均値

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[図表 1-1-19] 基準階面積別の賃料範囲

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

~50坪 50~100坪 100~200坪 200~400坪 400~600坪 600坪~

基準階面積別の賃料範囲

最小値

最大値

平均値

[図表 1-1-20] 使用面積別の賃料範囲

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

~25坪 25~50坪 50~100坪 100~200坪 200~500坪 500~1000坪 1000坪~

使用面積別の賃料範囲

最小値

最大値

平均値

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§ 3 : 推計結果の概要

2009 年 1 月以降のデータを用いたモデル (以下、 12 年モデル) の推計結果を以

下に示す (比較のため、 03 年モデルと同じ常用対数による両対数線形とした)。

なお、 2003 年以降に開業した鉄道路線について、 東京メトロ副都心線を最寄駅路

線のカテゴリー 「9」 とし、 その他私鉄の新規開業路線については 「その他」 の 「14」

とした。 また、 2003 年以降に竣工した物件について、 竣工時期のカテゴリー 「7」 を

追加している。

[図表 1-1-21] 追加されたカテゴリー

②最寄駅路線                 ④竣工時期

カテゴリー 竣工時期 カテゴリーJR JR各線 1 ~1974年 1

銀座線 2 1974~83年 2東西線 3 1984~87年 3日比谷線 4 1988~93年 4半蔵門線 5 1994~97年 5有楽町線 6 1998~2002年 6丸ノ内線 7 2003年~ 7千代田線 8南北線副都心線都営三田線 10都営新宿線 11都営浅草線 12都営大江戸線 13

14

9

都営地下鉄

その他

路線

東京メトロ

(1) 推計結果

モデルの決定係数は0.6570で 03年モデルの0.7254 を下回った。このことは、オフィ

ス賃料の決定に際し、 モデルで使用した7つの説明変数以外の未知の要因 (未採用

の変数) が相対的に強くなっていることを示唆している。

最も強い説明力を有しているのは 「立地地区」 であり、 レンジは 0.35626 であった。

次にレンジの大きいアイテムは 0.17068 の 「竣工時期」 となり、 以下、 「基準階面積」、

「時間距離」、 「ビル地上階数」、 「最寄駅路線」、 「使用面積」 の順となった。

次にアイテムごとに各カテゴリーに割り当てられた係数をみてみる。 純粋な質的要素

である 「立地地区」 と 「最寄駅路線」 については 03 年モデルの結果と比較したほう

が分かりやすいため、 後段で述べる。

「時間距離」 については、概ね立地が遠くなるにつれて係数が単調減少しており (賃

料を押し下げ)、 理論的に妥当と考えられるものである。

「竣工時期」 については、 概ね築年が浅いほど係数が増加しており (賃料を押し上

げ)、 これも理論的に妥当と考えられるものである。

「ビル地上階数」 及び 「基準階面積」 については概ね規模の大きい方向に係数が

増加しており、 規模が大きくなるにつれて賃料が高くなる傾向を示している。 理論的に

妥当と考えられるものである。

「使用面積」 は 03 年モデルと異なる係数の分布となった。 賃貸契約した面積が広く

なるほど、 係数が減少しており、 単位面積当たりの賃料が逓減する傾向を示している。

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[図表 1-1-22] 12 年モデルの推計結果

ア イ テ ム レ ン ジ 単相関 偏相関立地地区 0. 35626 0. 5667 0. 6348最寄駅路線 0. 06794 0. 1198 0. 2200時間距離 0. 13234 0. 2001 0. 2312竣工時期 0. 17068 0. 3802 0. 4710ビ ル地上階数 0. 12853 0. 5094 0. 2445基準階面積 0. 15195 0. 4508 0. 3379使用面積 0. 05953 -0. 2304 0. 1140

モデルの説明力0. 81050. 6570

説明ア イ テ ム間の単相関係数ア イ テ ム 立地地区 最寄駅路線 時間距離 竣工時期 ビル地上階数 基準階面積 使用面積

立地地区 1. 0000 -0. 0247 0. 0691 -0. 0164 0. 1987 0. 1191 -0. 0039最寄駅路線 -0. 0247 1. 0000 -0. 0852 0. 0119 0. 0299 -0. 0085 0. 0469時間距離 0. 0691 -0. 0852 1. 0000 -0. 0093 0. 1386 0. 0355 0. 0304竣工時期 -0. 0164 0. 0119 -0. 0093 1. 0000 0. 2225 0. 1347 -0. 2565ビ ル地上階数 0. 1987 0. 0299 0. 1386 0. 2225 1. 0000 0. 5389 -0. 3343基準階面積 0. 1191 -0. 0085 0. 0355 0. 1347 0. 5389 1. 0000 -0. 6063使用面積 -0. 0039 0. 0469 0. 0304 -0. 2565 -0. 3343 -0. 6063 1. 0000

重相関係数重相関係数の2乗

カテゴリー数量

アイ テム カ テゴリ ー数量

立地地区 丸の内・ 大手町・ 有楽町 1 0. 16743麹町・ 番町 2 0. 01251内神田・ 鍛冶町・ 駿河台 3 -0. 01852岩本町・ 外神田 4 -0. 04381飯田橋・ 九段 5 0. 00484八重洲・ 京橋・ 日本橋 6 0. 07398銀座 7 0. 12382日本橋室町・ 本町 8 -0. 00277築地・ 茅場町・ 八丁堀 9 -0. 07839人形町・ 箱崎町・ 新川・ 月島 10 -0. 10250新橋・ 虎ノ 門 11 0. 05378赤坂・ 青山 12 0. 07840六本木・ 麻布 13 0. 01374浜松町・ 高輪 14 0. 00620芝浦・ 海岸 15 -0. 01488西新宿 16 0. 03919新宿・ 歌舞伎町 17 -0. 00470四谷・ 市ヶ 谷 18 -0. 02986高田馬場・ 大久保 19 -0. 04654早稲田・ 神楽坂 20 -0. 03560渋谷・ 原宿 21 0. 09828桜丘・ 南平台 22 0. 05635千駄ヶ 谷・ 代々木 23 0. 07242恵比寿 24 0. 09194初台・ 幡ヶ 谷 25 -0. 16659西池袋・ 池袋 26 -0. 03613東池袋・ 南池袋 27 0. 01924大塚・ 巣鴨 28 -0. 08639本郷・ 小石川 29 -0. 11573上野・ 台東 30 -0. 14448東陽町・ 木場・ 有明 31 -0. 18054錦糸町・ 亀戸 32 -0. 15362五反田・ 大崎 33 -0. 04271北品川・ 東品川 34 -0. 03558その他品川 35 -0. 15426大森・ 蒲田 36 -0. 18883その他 38 -0. 07876

カ テゴリ

 

アイ テム カ テゴリ ー数量

最寄駅路線 J R 線 1 0. 02155銀座線 2 -0. 00204東西線 3 -0. 00929日比谷線 4 0. 02181半蔵門線 5 -0. 00291有楽町線 6 -0. 00791丸ノ 内線 7 -0. 00570千代田線 8 0. 01398南北線・ 副都心線 9 -0. 00734都営三田線 10 -0. 03587都営新宿線 11 -0. 02334都営浅草線 12 -0. 02491都営大江戸線 13 -0. 04613その他 14 -0. 04322

時間距離 1分 1 0. 027102分 2 0. 003893分 3 0. 000944分 4 -0. 010695分 5 -0. 028466分 6 -0. 002067分 7 -0. 040098分 8 -0. 067119分以上 9 -0. 10525

竣工時期 ~1974年 1 -0. 056311974~83年 2 -0. 060741984~87年 3 -0. 027981988~93年 4 -0. 007551994~97年 5 0. 014071998~2002年 6 0. 066512003年~ 7 0. 10994

ビル地上階数 1~5階 1 -0. 035446~10階 2 -0. 0097211~15階 3 0. 0234716~25階 4 0. 0431726~35階 5 0. 0931036階~ 6 0. 09275

基準階面積 ~50坪 1 -0. 0591650~100坪 2 -0. 03014100~200坪 3 0. 04210200~400坪 4 0. 03159400~600坪 5 0. 05877600坪~ 6 0. 09280

使用面積 ~25坪 1 0. 0222925~50坪 2 0. 0062450~100坪 3 -0. 00122100~200坪 4 -0. 00750200~500坪 5 -0. 01702500~1000坪 6 -0. 037161000坪~ 7 -0. 03724

定数項 4. 11796

カ テゴリ

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 都市未来総合研究所20

第 1 編 特集

0.35626

0.06794

0.13234

0.17068

0.12853

0.15195

0.05953

0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4

立地地区

最寄駅路線

時間距離

竣工時期

ビル地上階数

基準階面積

使用面積

アイテム・レンジ

(2) 03 年モデル結果との比較

前述のように、 最も説明力の高いアイテムは 03 年モデル同様 「立地地区」 であっ

たが、 説明力は低下した。 他のアイテム ・ カテゴリーを一定とした場合、 立地地区で

決定される賃料の最大値と最小値 (今回は最大値が 「丸の内 ・ 大手町 ・ 有楽町」 の

19,293 円、 最小値は 「大森 ・蒲田」 の 8,494 円) の比率は 100.35626 = 2.27 倍となり、

03 年モデルの 3.04 倍から縮小し、 立地地区間の違いが成約賃料に与える影響が小

さくなっている。

次にアイテム ・ レンジが大きかった 「竣工時期」 は 03 年モデルでは 7 アイテム中 5

番目の大きさであったが、レンジは 「0.10965」 から 「0.17068」 に拡大し、「基準階面積」

や 「最寄駅路線」 と最寄駅までの 「時間距離」 より強く賃料決定に効いている結果と

なった。 1974 年以前の竣工物件に対するカテゴリー数量は 03 年モデルの「-0.03922」

から 「-0.05631」 に減少し、 より賃料を下げる要素となり、 直近の竣工期間について

は 03 年モデルの 「0.06820」 から 「0.10994」 に増加し、より賃料を上げる要素となった。

「基準階面積」 と 「ビル地上階数」 はそれぞれアイテムレンジが縮小し、 順位を下

げており、 特にカテゴリ最大値、 すなわち基準階面積の 「600 坪以上」 と地上階数の

「36 階以上」 についてのカテゴリー数量の減少が大きい (「600 坪以上」 は 「0.11489」

から 「0.09280」 に減少、 「36 階以上」 は 「0.13557」 から 「0.09275」 に減少)。 超

大規模、 あるいは超高層のビルについて賃料を上げる要因が弱まっていることを示して

いる。

「時間距離」 はアイテム ・ レンジにほとんど変化がなかった。 8 分以上のカテゴリで

はカテゴリー数量の減少がみられる (遠いほどより賃料を下げる要因が強くなる) が、

1 分~ 3 分のカテゴリー数量も減少しており、 最寄駅からの近接性が賃料を上げる要

因としては弱まっていることが示された。

「最寄駅路線」 はアイテムレンジの縮小率が比較的大きい。 03 年モデルで最も大き

かったのは 「JR 線」 でカテゴリー数量は 「0.03105」 であったが、12 年モデルでは 「日

比谷線」 の 「0.02181」 に減少している。 また、 最も低かったのは 「都営大江戸線」

の 「-0.08559」 で、12 年モデルも同様に最下位であるが、カテゴリー数量は 「-0.04613」

と増加し、 賃料を下げる要因としては弱まっている。

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第 1章 オフィス賃料推計モデルによる賃料決定要因の変化の考察

不動産レポート 2013  21

「使用面積」 はアイテム ・ レンジの増加率は最も大きいものの、 絶対値が小さいため

賃料に影響を与える要素としては、 03 年モデルと同様、 あまり大きくない。

[図表 1-1-23] アイテム ・ レンジの変化

0.48292

0.10965

0.16999

0.13272

0.15558

0.11665

0.01909

0.35626

0.17068

0.15195

0.13234

0.12853

0.06794

0.05953

0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

立地地区

竣工時期

基準階面積

時間距離

ビル地上階数

最寄駅路線

使用面積

アイテム・レンジの変化

03年モデル

12年モデル

03年モデル 12年モデル

レンジの降順 立地地区 立地地区

基準階面積 竣工時期

ビル地上階数 基準階面積

時間距離 時間距離

最寄駅路線 ビル地上階数

竣工時期 最寄駅路線

使用面積 使用面積

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 都市未来総合研究所22

第 1 編 特集

次に質的要素の強いアイテムについて、03年モデル結果とのカテゴリー数量の変化、

特にアイテム内でのカテゴリー数量による順位の変動についてみた。

まず、 「立地地区」 について、 カテゴリー数量の比較を行うと、 順位は次表のように

変動した。 上位では 「恵比寿」 が 03 年モデルの 10 位から 4 位へと上昇し、 「赤坂 ・

青山」、 「桜丘・南平台」、 「新橋・虎ノ門」 がそれぞれ 3段階下げた。 「恵比寿地区」

は恵比寿駅周辺や広尾、 代官山を含むエリアで恵比寿ガーデンプレイス (1994 年)

や代官山アドレス (2000 年開業) などの集客スポットがあり、 オフィスの物件は少ない

ものの、 イメージの良さなどから一定の需要のあるエリアであることなどが、 順位上昇の

背景にあると考えられる。

下位では 「大森・蒲田」 が大きく順位を下げて最下位となり、「本郷・小石川」 や 「初

台・幡ヶ谷」 も大きく下降している。 他方、「東池袋・南池袋」 や 「北品川・東品川」、「芝

浦 ・ 海岸」 等で順位が上昇しており、 再開発などでオフィスエリアとしての開発が進ん

でいることなどが要因として考えられる。

[図表 1-1-24] 「立地地区」 カテゴリー数量の順位変化

順位 03年モデル カテゴリー数量降順 12年モデル カテゴリー数量降順

1 丸の内・大手町・有楽町 → ±0 丸の内・大手町・有楽町2 赤坂・青山 ↓ -3 銀座3 銀座 ↑ +1 渋谷・原宿4 渋谷・原宿 ↑ +1 恵比寿5 桜丘・南平台 ↓ -3 赤坂・青山6 新橋・虎ノ門 ↓ -3 八重洲・京橋・日本橋7 西新宿 ↓ -3 千駄ヶ谷・代々木8 八重洲・京橋・日本橋 ↑ +2 桜丘・南平台9 千駄ヶ谷・代々木 ↑ +2 新橋・虎ノ門

10 恵比寿 ↑ +6 西新宿11 麹町・番町 ↓ -2 東池袋・南池袋12 六本木・麻布 → ±0 六本木・麻布13 新宿・歌舞伎町 ↓ -4 麹町・番町14 四谷・市ヶ谷 ↓ -6 浜松町・高輪15 内神田・鍛冶町・駿河台 ↓ -4 飯田橋・九段16 飯田橋・九段 ↑ +1 日本橋室町・本町17 浜松町・高輪 ↑ +3 新宿・歌舞伎町18 大森・蒲田 ↓ -19 芝浦・海岸19 日本橋室町・本町 ↑ +3 内神田・鍛冶町・駿河台20 西池袋・池袋 ↓ -3 四谷・市ヶ谷21 東池袋・南池袋 ↑ +10 北品川・東品川22 本郷・小石川 ↓ -9 早稲田・神楽坂23 岩本町・外神田 ↓ -2 西池袋・池袋24 五反田・大崎 → ±0 五反田・大崎25 築地・茅場町・八丁堀 ↓ -2 岩本町・外神田26 早稲田・神楽坂 ↑ +4 高田馬場・大久保27 初台・幡ヶ谷 ↓ -8 築地・茅場町・八丁堀28 人形町・箱崎町・新川・月島 ↓ -2 その他29 北品川・東品川 ↑ +8 大塚・巣鴨30 芝浦・海岸 ↑ +12 人形町・箱崎町・新川・月島31 上野・台東 ↓ -1 本郷・小石川32 高田馬場・大久保 ↑ +6 上野・台東33 大塚・巣鴨 ↑ +4 錦糸町・亀戸34 その他品川 → ±0 その他品川35 東陽町・木場・有明 ↓ -1 初台・幡ヶ谷36 錦糸町・亀戸 ↑ +3 東陽町・木場・有明37 大森・蒲田

変動

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第 1章 オフィス賃料推計モデルによる賃料決定要因の変化の考察

不動産レポート 2013  23

次に 「最寄駅路線」 について、 カテゴリー数量の比較を行うと、 順位は次表のよう

に変動した。

前述のように 「JR 線」 はカテゴリー数量が減少し、1 位から 2 位に交代した。 代わっ

て 「日比谷線」 が 1 位となり、 カテゴリー数量も 「0.00479」 から 「0.02181」 に増加

している。 「日比谷線」 を最寄駅路線とする賃料が比較的高いビルとして港区の大規

模ビルなどが 12 年モデルから加わったことなどがその背景にあるとみられる。

その他、 順位が大きく上がったのは 「千代田線」、 「丸の内線」 で、 大きく下げたの

は 「東西線」 であった。

[図表 1-1-25] 「最寄駅路線」 カテゴリー数量の順位変化

順位 03年モデル カテゴリー数量降順 12年モデル カテゴリー数量降順

1 JR線 ↓ -1 日比谷線

2 東西線 ↓ -7 JR線

3 半蔵門線 ↓ -2 千代田線

4 銀座線 → ±0 銀座線

5 日比谷線 ↑ +4 半蔵門線

6 有楽町線 ↓ -2 丸ノ内線

7 千代田線 ↑ +4 南北線・副都心線

8 南北線 ↑ +1 有楽町線

9 都営三田線 ↓ -3 東西線

10 都営浅草線 ↓ -1 都営新宿線

11 都営新宿線 ↑ +1 都営浅草線

12 丸ノ内線 ↑ +6 都営三田線

13 その他 → ±0 その他

14 都営大江戸線 → ±0 都営大江戸線

変動

§ 4 : モデルの改善の検討

12 年モデルの決定係数が 03 年モデルと比較して低下したことについて、 賃料決定

に際して本分析で取上げた 7つの説明変数以外の要因が相対的に強くなっていると述

べた。 これら未知の要因については、 いくつかの先行研究の例にあるように、 オフィス

の前面道路幅や駐車場の確保台数、 OA 床の有無などが考えられるが、 2003 年と現

在の社会環境の変化を考慮すると、 環境対応と BCP 対応、 バリアフリー対応なども検

討対象になると考えられる。 これら付加価値的な要素は CSR の観点から取組みを図る

企業も多く、 一般には上場企業などの大手企業から普及していくので、 これら企業が

入居するような都心部の大規模オフィスビルから賃料の増加方向への動きとして現れる

可能性がある。

環境対応についてはグリーンビルディング、 あるいは省エネビルという概念で捉える

ことができ、 近年普及しつつある CASBEE などの環境認証の種類やグレード、 省エネ

に関連する指標などが変数として考えられる。

BCP 対応関連では、 耐震性能を竣工時期によってある程度判断することが可能であ

り、 03 年モデルでは耐震性能の代理変数として竣工時期を用いたが、 その後、 特に

東京都区部は耐震改修を既に済ませた物件も多く、 本分析では竣工時期に耐震性能

の意味を持たせてはいない。 新耐震物件及び耐震改修によって新耐震と同程度の耐

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 都市未来総合研究所24

第 1 編 特集

震性を有する物件、 免震や制震機能のある物件、 非常用発電能力やライフラインの二

重化などといった視点で、 BCP 対応を変数に取り入れることが可能と考えられる。

オフィスビルは旧ハートビル法の対象外であったが、 2006 年の改正法では特定建築

物 (基準に適合する様努力義務がある建物) に指定されており、 定年延長や外国人

などオフィスワーカーの多様化に対応したバリアフリーやユニバーサルデザインの導入

状況などを変数に取り入れることが可能と考えられる。

(1) 省エネ性能指標の採用

環境対応に関わる分野でのモデル改善の一つの試みとして、 東京都が 2002 年

6 月から施行した 「東京都建築物環境計画書制度」 の対象となる大規模ビル (概

ね 2004 年以降に竣工したビルで延床面積 10,000 ㎡ [現在は 5,000 ㎡] 以上) の

省エネ性能を評価する PAL※ 1 (PerimeterAnnualLoad) 低減率と ERR※ 2 (Energy

ReductionRatio) の2つの指標を収集し、ベースの 12 年モデルに組み込むこととした。

通常 PAL 低減率と ERR は百分率で表現されるが、 東京都の 「省エネルギー性能評

価書」 で使用されている AAA、 AA、 A、 B、 C の 5 段階評価を下表のように 1 ~ 5

のカテゴリーとして使用する。

ただし、PAL低減率があるデータは2,231件中82件、ERRがあるデータは同80件と、

分析対象のデータ全体に占める割合はわずかであり、 今回は試験的に採用した。

[図表 1-1-26] 省エネ性能指標のカテゴリー区分

評価 PAL低減率 カテゴリ 評価 ERR カテゴリAAA 25%以上 1 AAA 35%以上 1AA 20%以上25%未満 2 AA 30%以上35%未満 2A 15%以上20%未満 3 A 25%以上30%未満 3B 10%以上15%未満 4 B 15%以上25%未満 4C 0%以上10%未満 5 C 5%以上15%未満 5

評価外 データなし 6 評価外 データなし 6※評価Cに満たない場合は「評価外」とした

省エネ性能評価データを含めて、 賃料推計を行った結果が次表である。 新たなア

イテムが加わったことで、 これまでの 7 つのアイテムのカテゴリー数値は多少変わるが、

全体の傾向は変わっていない。 また、 モデルの決定係数は 0.6590 とベースのモデル

からわずかな上昇にとどまった。

PAL 低減率、 ERR が高いほど (カテゴリが小さいほど)、 賃料は高くなる (係数は

高くなる) と予想したが、 PAL は概ねその傾向が出ているものの、 ERR についてはむ

しろ逆の傾向が現れている。

PAL 低減率、 ERR のデータがある物件データが少ないことが、 この結果の主な理由

と考えられるが、 省エネ指標がビル選択あるいは賃料決定にまだ影響するほどの要素

にはなっていないのではないかという見方もできる。 今後、 「東京都建築物環境計画書

制度」 の対象ビルの賃貸契約が増加したり、既存ビルでも PAL 低減率や ERR の測定・

公表が進めば、 省エネ性能指標のあるデータが充実し、 省エネ性能が賃料に与える

効果も適正に測定することが可能となるであろう。

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第 1章 オフィス賃料推計モデルによる賃料決定要因の変化の考察

不動産レポート 2013  25

[図表 1-1-27] 省エネ性能指標を採用した推計結果

アイテム レンジ 単相関 偏相関立地地区 0.36120 0.5678 0.6375最寄り駅路線 0.06971 0.1177 0.2251時間距離 0.13454 0.1991 0.2367竣工時期 0.16714 0.3780 0.4493ビル地上階数 0.13234 0.5081 0.2428基準階床面積 0.15345 0.4512 0.3371使用面積 0.05664 -0.2318 0.1102PAL低減率 0.08616 0.2227 0.0795ERR 0.07195 -0.2323 0.0645

モデルの説明力0.81180.6590

説明アイテム間の単相関係数アイテム 立地地区 最寄り駅路線 時間距離 竣工時期 ビル地上階数 基準階床面積 使用面積 PAL低減率 ERR

立地地区 1.0000 -0.0278 0.0694 -0.0184 0.2013 0.1208 -0.0049 0.0344 -0.0827最寄り駅路線 -0.0278 1.0000 -0.0899 0.0122 0.0293 -0.0073 0.0469 -0.0120 -0.0393時間距離 0.0694 -0.0899 1.0000 -0.0109 0.1394 0.0341 0.0325 -0.0026 -0.0599竣工時期 -0.0184 0.0122 -0.0109 1.0000 0.2192 0.1340 -0.2550 0.3363 -0.3162ビル地上階数 0.2013 0.0293 0.1394 0.2192 1.0000 0.5351 -0.3291 0.2029 -0.2526基準階床面積 0.1208 -0.0073 0.0341 0.1340 0.5351 1.0000 -0.6108 0.1714 -0.1926使用面積 -0.0049 0.0469 0.0325 -0.2550 -0.3291 -0.6108 1.0000 -0.2113 0.2350PAL低減率 0.0344 -0.0120 -0.0026 0.3363 0.2029 0.1714 -0.2113 1.0000 -0.6856ERR -0.0827 -0.0393 -0.0599 -0.3162 -0.2526 -0.1926 0.2350 -0.6856 1.0000

重相関係数重相関係数の2乗

カテゴリー数量

アイテム カテゴリー数量

立地地区 丸の内・大手町・有楽町 1 0.17164麹町・番町 2 0.01246内神田・鍛冶町・駿河台 3 -0.01873岩本町・外神田 4 -0.04437飯田橋・九段 5 0.00223八重洲・京橋・日本橋 6 0.07301銀座 7 0.12473日本橋室町・本町 8 -0.00277築地・茅場町・八丁堀 9 -0.07938人形町・箱崎町・新川・月島 10 -0.10285新橋・虎ノ門 11 0.05360赤坂・青山 12 0.07855六本木・麻布 13 0.01420浜松町・高輪 14 0.00613芝浦・海岸 15 -0.01548西新宿 16 0.03921新宿・歌舞伎町 17 -0.00356四谷・市ヶ谷 18 -0.02908高田馬場・大久保 19 -0.04540早稲田・神楽坂 20 -0.03641渋谷・原宿 21 0.09867桜丘・南平台 22 0.05669千駄ヶ谷・代々木 23 0.07146恵比寿 24 0.09146初台・幡ヶ谷 25 -0.16681西池袋・池袋 26 -0.03641東池袋・南池袋 27 0.02083大塚・巣鴨 28 -0.08681本郷・小石川 29 -0.11516上野・台東 30 -0.14355東陽町・木場・有明 31 -0.18772錦糸町・亀戸 32 -0.15260五反田・大崎 33 -0.04297北品川・東品川 34 -0.03423その他品川 35 -0.15507大森・蒲田 36 -0.18956その他 38 -0.07680

最寄り駅路線 JR線 1 0.02242銀座線 2 -0.00203東西線 3 -0.00759日比谷線 4 0.02231半蔵門線 5 -0.00317有楽町線 6 -0.00955丸ノ内線 7 -0.00652千代田線 8 0.01196南北線・副都心線 9 -0.00801都営三田線 10 -0.03647都営新宿線 11 -0.02512都営浅草線 12 -0.02494都営大江戸線 13 -0.04729その他 14 -0.04344

カテゴリ

 

アイテム カテゴリー数量

時間距離 1分 1 0.027972分 2 0.003993分 3 0.000434分 4 -0.009725分 5 -0.028486分 6 -0.004457分 7 -0.040718分 8 -0.071799分以上 9 -0.10657

竣工時期 ~1974年 1 -0.056551974~83年 2 -0.060001984~87年 3 -0.027471988~93年 4 -0.006951994~97年 5 0.014391998~2002年 6 0.067242003年~ 7 0.10713

ビル地上階数 1~5階 1 -0.035066~10階 2 -0.0093611~15階 3 0.0206416~25階 4 0.0408226~35階 5 0.0916136階~ 6 0.09728

基準階床面積 ~50坪 1 -0.0589850~100坪 2 -0.02993100~200坪 3 0.04198200~400坪 4 0.03122400~600坪 5 0.05726600坪~ 6 0.09447

使用面積 ~25坪 1 0.0221025~50坪 2 0.0061950~100坪 3 -0.00135100~200坪 4 -0.00769200~500坪 5 -0.01760500~1000坪 6 -0.034551000坪~ 7 -0.02936

PAL低減率 AAA 1 0.08433AA 2 0.04415A 3 0.04893B 4 0.08295C 5 0.00867評価外 6 -0.00183

ERR AAA 1 -0.02325AA 2 -0.02856A 3 -0.05242B 4 -0.06618C 5 0.00578評価外 6 0.00140

定数項 4.11796

カテゴリ

Page 22: 第1章 オフィス賃料推計モデルによる賃料決定 要因の変化の …tmri.co.jp/report_2/pdf/2013special01.pdf路線/最寄駅 0.11665 0.0373 0.3252 時間距離 0.13272

 都市未来総合研究所26

第 1 編 特集

0.36120

0.06971

0.13454

0.16714

0.13234

0.15345

0.05664

0.08616

0.07195

0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4

立地地区

最寄り駅路線

時間距離

竣工時期

ビル地上階数

基準階床面積

使用面積

PAL低減率

ERR

アイテム・レンジ

(2) 関数形の検討

本分析は 03 年モデルとの比較によってオフィス賃料決定に関する構造変化を明らか

にすることを目的としたことから、 数量化 I 類による対数線形のモデルを採用したが、 量

的変数をそのまま扱う重回帰分析によるヘドニック ・ アプローチもこうした分析には有効で

あり、 今後の課題として関数形の検討も必要であると考えられる。

※ 1 PAL は建築物の外壁, 窓などからの熱損失の防止性能に関する基準値のことであり、 建物用途別に省エネ法に

定められている。 PAL 低減率が大きいほど建物の断熱性能が高いと評価でき、 そのためには窓の断熱性能を

高める材料の選定や, 日射を調整する庇やルーバーなどが重要になるといわれている。

※ 2 ERR は空調、 換気、 照明、 給湯、 エレベーターの5つの設備分野を対象として、 基準値と実際に採用した設備

機器のエネルギー消費量を比較してエネルギー消費量の低減率を示す東京都の独自指標。 ERR が大きいほ

ど設備の省エネ性能が高いと評価できる。 エネルギー消費全体の 7 割以上を占める空調と照明の省エネ化が、

ERR の改善に有効だといわれている。

※ 3 2010 年 1 月 1 日以降に東京都に建築物環境計画書を提出した延床面積 10,000 ㎡超の新築、 または増築建築

物を対象に、 「東京都省エネルギー性能評価書」 の作成と建築物の売買 ・ 賃貸の相手方への交付が義務付け

られている。 ここで PAL 低減率と ERR は AAA から C までの 5 段階で評価される。 本稿では、 省エネルギー性

能評価書の対象となっていない建築物についても PAL 低減率と ERR について、 同様の 5 段階評価の当てはめ

を行っている。