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- 1 - 第3学年 体育科学習指導案 平成26年6月25日(水) 第3学年2組 38名 指導者 久米 1.単元名 「器械運動 ~マット運動~」 2.教材について (1)一般的特性 マットの上で回転したり、転回したり、倒立、ジャンプ、静止(バランス)など 技を行う運動である。 (2)児童から見た特性 ・「できない」技が「できる」ようになったり、「できる」技が「より上手にでき る」ようになったりしたときに楽しさや喜びを味わえる運動である。 ・回転・支持・バランスなどの技の中から、今もっている力でできそうな技に取り 組むことが楽しい運動である。 ・自分の力にあっためあてをもち、いろいろな練習の場を選び、取り組むことが楽 しい運動である。 ・友達と学び合って練習することが楽しい運動である。 3.単元のねらい ・基本的な回転技や倒立技をできるようにする。 ・マット運動に進んで取り組み、きまりを守り仲よく運動できるようにする。 ・場や器械・器具の準備や片付けを友達と一緒にすることができるようにす る。 ・器械・器具の安全を確かめながら運動できるようにする。 思考・ 判断 ・技の練習の仕方を知り、自分の力に応じた練習方法や場を選ぶことができ るようにする。 ・技のポイントを知り、自分の力に合った課題を選ぶことができるようにす る。 4.児童の実態 (1)学級の実態 思いやりがあり、係活動や掃除など友達同士協力してやっている。全体的に落ち着 いて生活しているが、クラス替えをして間もないこともあり、まだ人見知りをしてい る子もいる。体育の時間は意欲的に取り組んでいる子がほとんどである。休み時間は 外に出て遊ぶ子が多いが、教室で過ごすことを好む子もいる。 マット、跳び箱、鉄棒の三つの器械運動の中ではマットを好む子が一番多く、好き・ どちらかといえば好きを合わせると37人中35人が好きと答えている。その理由と して「技ができると楽しいから」「得意だから」「教え合ったり認め合ったりできるか らといった理由が挙げられている。一方、マット運動を好まない子が2名おり、理由 として「けがをしそうでこわい」という理由や、「技が上手にできるようにならない」

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第3学年 体育科学習指導案

平成26年6月25日(水)

第3学年2組 38名

指導者 久米 亨

1.単元名 「器械運動 ~マット運動~」

2.教材について

(1)一般的特性

マットの上で回転したり、転回したり、倒立、ジャンプ、静止(バランス)など

技を行う運動である。

(2)児童から見た特性

・「できない」技が「できる」ようになったり、「できる」技が「より上手にでき

る」ようになったりしたときに楽しさや喜びを味わえる運動である。

・回転・支持・バランスなどの技の中から、今もっている力でできそうな技に取り

組むことが楽しい運動である。

・自分の力にあっためあてをもち、いろいろな練習の場を選び、取り組むことが楽

しい運動である。

・友達と学び合って練習することが楽しい運動である。

3.単元のねらい

技 能 ・基本的な回転技や倒立技をできるようにする。

態 度

・マット運動に進んで取り組み、きまりを守り仲よく運動できるようにする。

・場や器械・器具の準備や片付けを友達と一緒にすることができるようにす

る。

・器械・器具の安全を確かめながら運動できるようにする。

思考・

判断

・技の練習の仕方を知り、自分の力に応じた練習方法や場を選ぶことができ

るようにする。

・技のポイントを知り、自分の力に合った課題を選ぶことができるようにす

る。

4.児童の実態

(1)学級の実態

思いやりがあり、係活動や掃除など友達同士協力してやっている。全体的に落ち着

いて生活しているが、クラス替えをして間もないこともあり、まだ人見知りをしてい

る子もいる。体育の時間は意欲的に取り組んでいる子がほとんどである。休み時間は

外に出て遊ぶ子が多いが、教室で過ごすことを好む子もいる。

マット、跳び箱、鉄棒の三つの器械運動の中ではマットを好む子が一番多く、好き・

どちらかといえば好きを合わせると37人中35人が好きと答えている。その理由と

して「技ができると楽しいから」「得意だから」「教え合ったり認め合ったりできるか

らといった理由が挙げられている。一方、マット運動を好まない子が2名おり、理由

として「けがをしそうでこわい」という理由や、「技が上手にできるようにならない」

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という理由が挙げられていた。マット運動に恐怖心をいだいたり、技のポイントが押

さえきれていない実態が伺える。

(2)学年の実態(116名)

器械運動系それぞれの運動について、

「好き」「どちらかというと好き」と答えた児童は「マット運動」が89%、「跳び箱

運動」が71%、「鉄棒運動」が70%おり、多くの児童が器械運動系を好きと感じて

いる。マット運動は特に多く、跳び箱と鉄棒は、マットに比べやや少ない。跳び箱と

鉄棒を「どちらかというと好きではない」「好きではない」と答えた児童は、それぞれ

29%、30%に上った。マットは好きだが、跳び箱と鉄棒は好きではない児童も多

くいることがわかる。器械運動系のなかでも跳び箱と鉄棒は、大きく跳んだり回転し

たりするため、恐怖心をもっている児童が多いと考えられる。

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マット運動が好きな理由について、「技ができると楽しい」と答えた児童が一番多

く、次いで「マット運動が得意」と答えた児童が多かった。できた時の喜びや自信が、

好きな理由につながっていると考えられる。また、「友達や先生に褒められると嬉しい

から」と答えた児童もいる。友達や先生とのかかわりのなかで、楽しさを感じている

ことがわかった。今回の実践でも、グループの友達同士が見合い伝え合う工夫につい

て研究していく。一方、好きでない理由は「マット運動が得意ではない」「けがをしそ

うでこわい」等があった。技ができないとつまらないと感じたり、「マット運動」に恐

怖心をもったりしている児童がいることがわかった。実践の中で見通しをもたせるこ

とや恐怖心を取り除く手立てが重要である。

「跳び箱運動」が好きな理由は「技ができると楽しい」「跳び箱が得意」「運動を工夫

できる」と答えた児童が多かった。「跳び箱運動」では、技ができた時の喜びを味わっ

たり、自分で上手な跳び方を考えながら学習に取り組んだりする児童が多いようだ。

一方、好きではない理由では、「技が上手にならない」「けがをしそうでこわい」と

答えた児童が多かった。「跳び箱運動」は、うまくならないあせりや、跳んだときに体

をぶつけるのではないかといった恐怖心をもつ児童が多いようである。そのような児

童が、楽しみながら跳び箱に取り組めるよう、つまづきに対する手立ての工夫や適切

な場を設定する必要がある。

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「鉄棒運動」が好きな理由は「技ができると楽しい」「鉄棒運動が得意」と答えた

児童が多かった。鉄棒でも技ができることで、喜びや楽しさを感じていることがわか

った。

一方、鉄棒が好きではない理由として、「鉄棒運動が得意ではない」「技が上手にで

きるようにならない」が多かった。「鉄棒運動」でも、技ができるようにならないこと

や上達できないことで、好きではなくなってしまうようである。楽しみながら回転す

る感覚や腕で体を支える感覚に慣れる手立てが必要である。

「マット運動」「跳び箱運動」「鉄棒運動」が「好き」と答えた児童はそれぞれ、6

5%、51%、45%だったのに比べ、「得意」と答えた児童はそれぞれ、50%、4

0%、36%であった。「好き」と感じている子に比べて「得意」と感じている子の割

合が有意に低いという結果から、楽しいにもかかわらず技が十分に習得できていない

実態が浮かび上がる。児童に明確に技のポイントを提示したり、児童自ら力に応じた

場を選んだりする工夫を通して「楽しい」を「得意」にしていける授業実践にしてい

きたい。

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5.研究主題との関連

研究主題

研究主題にせまるために、3年生では子どもたちの目指すべき児童像を

とした。そのための研究の重点を

とし、以下のような手立てを考えた。

(1)技能向上の手立て

①学習過程の工夫

・一単位時間の流れを「準備運動」「感覚づくり」「ポイントタイム」「チャレンジ

タイム」「ふり返りタイム」とした。学習の流れを固定することで、児童が見通

しをもって学習に取り組めるようにした。

・「つかむ」「取り組む」の2段階で行い、「取り組む」段階を前半は回転系の技、

後半は倒立系の技を行うようにした。回転系と倒立系を分けることで、児童が

技のポイントをしぼって取り組めるようにするとともに、教師も児童の動きを

見取りやすくできるようにした。

マット運動に必要な運動感覚(回転・接転・腕支持・逆さ・体の締め)をつくる

ために、単元を通して毎時間行うようにする。また、動きのポイントを確認しなが

ら取り組んでいくようにした。

各時間で取り組む技のポイントについて、資料や教師の手本を見て確認する。そ

の後、グループごとに技を見合い、自分の課題を見つける時間とした。

1 2 3 4(本時) 5 6

つ か む 取 り 組 む

オ リ エ ン テ

ーション

互いにかかわ り合 い、できる喜 びを 味わえる指導 法の 工夫

― 「マット 」運 動「跳び箱」 運動 を通して―

系統性を考えた学習過程やかかわり合いの工夫をし、技のポイントを明確化

することにより、できた喜びを共に感じられるようにさせる。

・基本的な技ができる子

・めあてに向かって取り組む子

・友達と励まし合い、仲良く運動する子

感覚づくり

ポイントタイム

準 備 運 動

チ ャ レ ン ジ タ イ ム

感 覚 づ く り

ポ イ ン ト タ イ ム

整 理 運 動 ・ ふ り 返 り

前 転 後 転 腕 立 て 横 跳 び 越 し 壁倒立

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自分の課題解決に向けて、グループで見合いながら取り組む時間。それぞれの課

題に応じて場を移動しながら運動する。一人3回行ったら交代する。

②技能ポイントと見合いの方法

《技能ポイントについて》

<前転>

<後転>

<腕立て横跳び越し>

チャレンジタイム

グッ ピョン クルリン パ

①手をつい

て腰を上げ

② 頭 の 後 ろ

を マ ッ ト に

つける

③足の裏で

立つ

スー クルリン パ

① お し り を

遠くにつく

② 手 で マ ッ ト を 押

して、足の裏で立つ

トン ピョン パ

① マ ッ ト を 見 な が

ら両手で支える

②腰を高く

上げる

③ 両 足 で

着地する

★つまずき

・まっすぐ回れな

・足の裏で立てな

・背中から落ちて

しまう

★つまずき

・途中で回転が止ま

・足の裏で立てず正

座になる

・まっすぐ回れない

★つまずき

・腰が高く上がっていか

ない

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<壁倒立>

「ポイントタイム」の中で教えてもらったそれぞれの技能ポイントを、グループ

の友達とお互いに技を見合いながら各技に挑戦してみる。

友達の動きを見て、どんな様子かを伝えたり、いいところを見つけたりする。

見合いの仕方と位置関係については以下の通りとする。

《見合いの仕方と位置関係》

☆安全面に配慮して、次のような約束で行う。

・②は①から見て左側に立つ。

・①は、技を行った後安全を確認して整えてから次の児童(別のグループの①)に

合図をする。

・見合ったことを伝えるのは、③の後ろ側で行う。

・見合ったことを伝え終わり、スタートの①に戻る時には②の後ろ側を通って移動

する。

②横から見る児童

マットの横から、技の

できばえを見る。

③正面から見る児童

マットの正面から、技

のできばえを見る。

①技に取り組む児童

挑戦する前に、めあて

を伝える。

トン サッサ ギュッ

① 片 足 ず つ

振り上げる

②ゆかを見る

★つまずき

・壁まで足が届か

ない

・手で体を支えき

れずにつぶれて

しまう

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③効果的な場作りの工夫

児童のつまずきに合わせて、いくつかの場を作り手立てをとることができるよう

にする。

<後転>

▲途中で回転が止まる。 → 【大きなゆりかご】

①ゆりかご ②手を伸ばしてゆりかご

③手と足をのばしてゆりかご

④手でマットを押してゆりかご

【エビ】

【段差マット】

【坂マット】

▲足の裏で立てず、正座になる。

→ 【重ねたマット】

▲まっすぐに回れない。 → 【V字マット】

<前転>

▲まっすぐに回れない。 → 【かえるの足打ち】

【膝を伸ばした状態からの前転】

▲足の裏で立てない。 → 【ゆりかご】

▲背中から落ちてしまう。

→ 【ゆりかご ~ 立つ】

足を高く上げよう!

両 手 で し っ か り と 支 え

よう!

手 と 足 を 大 き く ふ

ろう!

おしりを遠くにつこう!

いきおいをつけよう!

頭 と 手 を 下 の マ ッ

トにつこう!

下 の マ ッ ト に 足 を つ こ

う!

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④運動量と教え合いのバランス

ペア(2人)で学習することに比べて運動量は少なくなってしまうが、トリオで

グループを作ることにより、自分以外の2人の友達から自分のできばえを的確に見

てもらうことができる。器械運動は、自分で運動している姿が自分自身では見るこ

とが難しいので、トリオによって見合ってできばえを伝えることが有効になると考

えた。

⑤感覚づくりの工夫

音楽に合わせて、マット運動に必要な運動感覚(回転・接転・腕支持・逆さ・体

の締め)をつくるために、単元を通して毎時間行う。毎時間行うことによりマット

運動に必要な感覚を養うことができると考えた。

<壁倒立>

▲壁まで足が届かない。 → 【かえるの足打ち】

→ 【壁登り倒立】

→ 【セーフティーマット】

▲手で体を支えられず、つぶれてしまう。

→ 【楽らく倒立】

→ 【手形・目印マーク】

<腕立て横跳び越し>

▲腰が高く上がっていかない。

→ 【かえるの足打ち】

→ 【ゴムを跳び越す】

足を高く上げよう!

つ い た 手 の 間 を 見 よ

う!

手 を 壁 に 近 づ け て 足 を

高くしよう!

思 い 切 り 体 を 投 げ だ そ

う!

手 と 手 の 間 の 少 し

上を見よう!

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(2)学習内容・方法の工夫

①オリエンテーションの工夫

マット運動の学習の進め方や友達とお互いに見合う方法、安全に活動できるよう

に場の準備の仕方や約束を資料を使いながらわかりやすく指導する。また、感覚づ

くりタイムで行う運動感覚についてポイントを押さえて感覚 づくりの運動に取り

組む。

②グループ作りの工夫

生活班を中心とした3人組のトリオ学習で行う。トリオで組むことで技能ポイン

トについて、よりしっかりと見合うことができる。器械運動は技能追求型の運動で

あることから、自分で運動をしている様子については自身で見ることができない。

そこで、グループの友達に見てもらう中で「できた」「できなかった」ことを伝

え合い、友達の言葉を聞くことで「わかった」につながると考えた。

どの児童も終わった後に「どうだった?」とグループの友達に聞くことにより出

来ばえを伝えて見合うことができる。3人が協力して力を合わせてお互いを高めて

いくことができると考えた。

③学習カードの工夫

3年生の発達段階を考えて、毎時間、児童がどのように学習することができたか

を簡単にふり返ることができるようなカードを用意した。

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6.学習過程

時 1 2 3 4(本時) 5 6

段階 つ か む 取 り 組 む

オリエンテーション

1学習のねらいや進め

方を知り、見通しを

もつ。

2マットの運び方など

準備の仕方を確か

め、場の準備をする。

3「感覚づくりタイム」

の仕方を知り、取り

組む。

4グループでの見合い

の仕方を知る。

○マット運動の学習の

進め方についておさ

える。

○安全に活動できるよ

うに場の準備の仕方

や約束を徹底する。

○感覚づくりタイムで

行う運動感覚につい

てポイントを押さえ

て取り組む。

○安全に気をつけて活動できるよう、用具の扱い方や場の確認等について、言葉かけをする。

○感覚づくりタイムでは、それぞれの運動感覚がしっかりと養えるよう、行い方を確認しながら取り組み、児童に声をかける。

○ポイントタイムでは、掲示物や教師の示範により、視覚的に技のポイントを確かめられるようにする。

○チャレンジタイムでは、児童が互いに見合う視点や声かけの仕方を資料で示して、活発に学び合いができるようにする。

○学習活動中、学び合いが深まっているグループを称賛し、クラス全体に広める。

○学習活動中、学び合いが深まらないグループには、めあての伝え方や見る視点について適宜助言をする。

準 備 運 動

整 理 運 動 ・ 学 習 の 振 り 返 り

感 覚 づ く り タ イ ム

技につながる感覚を中心に、さまざまな感覚づくりの運動を行う。

ポ イ ン ト タ イ ム

基本的な技のポイントを知り、技の習得ができるように運動を行う。

チ ャ レ ン ジ タ イ ム

自分の課題解決に向けて、友達と見合いながら運動に取り組む。

前 転

後 転

腕立て横跳び越し

壁 倒 立 それぞれの場の使い

方を知る。

自分の課題に合った

場で運動を行う。

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7.評価計画

段 階 知る 取り組む(回転系) 取り組む(倒立系)

時 間 1 2 3 4(本時) 5 6

運動への意欲・

関心・態度

観点 ③④ ①② ①②

方法 観察 観察

学習カード

観察

学習カード

運動についての

思考・判断

観点 ① ② ②

方法 観察

学習カード

観察

学習カード

観察

学習カード

運動の技能

観点 ① ①

方法 観察

学習カード

観察

学習カード

評価の観点 評価規準 評価方法

運動への意欲・関心・

態度

① マット運動に進んで取り組もうとしている。

② マット運動のきまりを守って、友達と励まし合って運動しようとしている。

③ 器械・器具の準備や片付けを友達と協力してしようとしている。

④ 器械・器具の安全を確かめようとしている。

観察

学習カード

運動についての

思考・判断

① 自分の力に合った課題を選んでいる。

② 自分の力に合った練習方法や練習の場を選んでいる。

観察

学習カード

運動の技能

① 基本的な回転技(前転・後転)や倒立技(腕立て横跳び越し・壁倒立)ができる。 観察

学習カード

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8.本時の学習(4/6)

(1)ねらい

技 能 ・後転ができるようにする。

態 度 ・マット運動に進んで取り組み、きまりを守り励まし合って運動をしたり、場の安全に気を付けたりすることができるようにする。

思考・判断 ・自分の課題を持ち、それに合った練習方法や練習の場を選んでいる。

(2)本時の展開

時間 学 習 活 動 ○・・・教師の支援、☆・・・評価(★重点)

19

22

37

41

1.整列をし、あいさつをする。

2.準備運動をする。

3.場の準備を行う。

4.感覚づくりタイム 「感覚づくり体操」を行う。

5.ポイントタイム

◇後転技のポイントについて、資料や教師の示範で確認する。

◇グループで技を見合い、自分の課題を確認する。一人三回ずつ

とする。その後チャレンジタイムの時にどの課題の時にどの場

にいけばよいのか指導する。

6.場を作り替える。

7.チャレンジタイム

◇課題に合わせて場を変えながら、一人2回ずつグループで技を

見合う。

○大きなゆりかご ○エビ ○段差マット ○坂マット

○重ねたマット ○V 字マット

8.ふり返り

◇学習をふり返り、学習カードに記入する。

◇自分の上達したところや、友達の良くなったところを発表する。

9.整理運動

10.あいさつ・用具の片付けをする。

○いろいろな部位をしっかりと動かす。

○安全なマットの運び方について確認する。

☆友達と協力して用具の準備・片付けをしている。

○正しい運動感覚が養えるよう、運動の行い方を確認しながら取り組む。

○掲示物で技のポイントを視覚的に捉えられるようにする。

○上手に取り組めている児童がいれば、一旦全体を止めて紹介する。

○技を行う前には進路が安全か確認させ、行った後に安全か次に取り組む児童に伝

えるよう指導する。

○技に取り組む児童は、挑戦する前にグループの児童にめあてを伝えるようにする。

○技を見る児童は、左側と正面の2カ所で見るよう指導する。

○児童が意欲をもって運動することができるように、見合いが効果的に行われてる

グループや励まし合う声について賞賛する。

★自分の課題を持ち、それに合った練習方法や練習の場を選んでいる。

○学習カードで今日の学習について振り返りができるようにする。

★後転ができる。

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資料

①� 場

<感覚づくりタイム><ポイントタイム><チャレンジタイム(第2時・前転)>

教師用マット

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<チャレンジタイム(第3,4時・後転)>

教師用マット

坂道マット

坂道マット

段差マット

段差マット

重ねたマット

重ねたマット

V字マット

V字マット

大きなゆりかご

大きなゆりかご

エ ビ

エ ビ

後転・平場

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<チャレンジタイム(第5時・腕立て横跳び越し)>

教師用マット

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<チャレンジタイム(第6時・壁倒立)>

手形・目印

かえる足打ち

かえる足打ち

壁登り倒立

エバーマット

楽らく倒立

楽らく倒立

壁倒立・平場

かえる足打ち

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②3,4年生 2年間の学習過程

3年生(6時間扱い)

4年生(6時間扱い)

時 1 2 3 4 5 6

段階 知 る 取 り 組 む

オリエンテーション

○学習の流れを知る。

○グループでの見合い

を知る。

時 1 2 3 4 5 6

段階 知 る 取 り 組 む

オリエンテーション

○学習の流れを知る。

○グループでの見合い

を知る。

準 備 運 動

感 覚 づ く り タ イ ム

技につながる感覚を中心に、様々な感覚をつくる時間。

ポ イ ン ト タ イ ム

技のポイントを知り、自分の課題を見つける時間。

チ ャ レ ン ジ タ イ ム

自分の課題解決に向けて、友達と見合いながら取り組む時間。

前 転 後 転 腕立て横跳び越し 壁倒立

整 理 運 動 ・ 学 習 の 振 り 返 り

準 備 運 動

感 覚 づ く り タ イ ム

技につながる感覚を中心に、様々な感覚をつくる時間。

ポイントタイム

技のポイントを知り、自分の課題を見つける時間。

チャレンジタイム①

自分の課題解決に向けて、友達と見合いながら取り組む時間。

前転、大きな前転

開脚前転

後転

開脚後転

腕立て横跳び越し

側方倒立回転

壁倒立、頭倒立

補助倒立

整 理 運 動 ・ 学 習 の 振 り 返 り

チャレンジタイム

回転系、倒立系の技

から自分の課題解決

に向けて、友達と見

合いながら取り組む

時間。

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