第3回 旭川市清掃工場検討委員会資料 · ・炉数 ・ごみピット容量...

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第3回 旭川市清掃工場検討委員会資料 平成30年10月30日 旭川市環境部 廃棄物政策課

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第3回

旭川市清掃工場検討委員会資料

平成30年10月30日

旭川市環境部 廃棄物政策課

Page 2: 第3回 旭川市清掃工場検討委員会資料 · ・炉数 ・ごみピット容量 ・溶融を含める焼却方式に比べて,溶融を含めない 焼却方式の方が売電量が多く,施設整備費や運営費

検討のポイント 市の考え方

(1)新設及び再延命化の比較(資料2)

 新たなごみ処理システムに対応した清掃工場に建て替えるか,又は近文清掃工場の再延命化及び改修を図りながら施設廃止まで稼働するか

 エネルギー回収率が高く,工事費に対して交付金が活用できて市の実質負担額が軽減できること,売電収入が多く見込めることなどから,新たに清掃工場を整備(新設)することとしたい。

【廃プラスチック類の焼却処理】 廃プラスチック類の焼却処理は,最終処分量の削減や発電量の増加,排ガス処理の安全性も確認されていることから,有効な手段である。

【破砕・選別施設の導入】 燃やせないごみや粗大ごみの破砕・選別処理は,最終処分量の削減や資源化率の向上などが見込めることから,有効な手段である。

【メタン発酵施設の導入】 乾式メタン発酵処理は,リサイクル率の向上や発生したメタンによる発電を見込むことができ,環境の面での貢献度が高い手段である。しかし,本市のごみ量では,焼却処理だけで高効率エネルギー回収が可能であり,売電収入を含めた施設整備費や維持管理費などのコスト比較では,経済性で優位とはならなかった。また,全国的な導入実績は少なく,特に,積雪寒冷地での導入実績は無い。

【まとめ】 次期ごみ処理体制は,破砕・選別施設を併設し,廃プラスチック類の焼却処理に対応したものとし,メタン発酵施設の導入は見送ることとしたい。

(3)焼却処理方式(資料4)

 焼却施設の方式は,溶融を含める場合と含めない場合について評価・選定・焼却処理方式・基本処理フロー・処理対象物・計画ごみ質・規模・炉数・ごみピット容量

・溶融を含める焼却方式に比べて,溶融を含めない焼却方式の方が売電量が多く,施設整備費や運営費が安価であるほか,市内や近郊でのスラグの利用先の確保が難しく,また,焼却残さは埋立処分を見込んでいることから,現行と同様の溶融を含めない焼却方式を採用したい。・その他は,各項目の優位性を整理し,詳しい仕様は基本計画で整理したい。

(4)破砕・選別処理方式(資料5)

 これまで埋立処分していた燃やせないごみ,粗大ごみの破砕・選別処理に必要な方式を選定・破砕・選別方式・基本処理フロー・処理対象物・規模

・燃やせないごみ及び不燃性の粗大ごみは,組成品目が多岐に渡るため,機器類の負荷低減や火災発生防止対策として有効であり,全国稼働実績も多い低速回転破砕機及び高速回転破砕機を採用したい。・可燃性の粗大ごみは,処理対象物の適合性や全国稼働実績も多い切断機を採用したい。・詳しい仕様は,基本計画で整理したい。

・新施設の設置に当たり,周辺環境を良好に保てるよう公害防止基準を設定

・国の規制値に基づき設定することとしたい。

ア廃棄物エネルギーの利用

・新清掃工場における廃棄物エネルギーの利用を検討・熱(蒸気・温水)・電気(発電)

・環境負荷の低減と回収した廃棄物エネルギーの有効利用を目指す。・焼却によって発生するエネルギーについては,工場内の利用や隣接施設などに熱や電気として供給し,余剰電力は売電する。

イ施設配置

・搬入車両の増加対応のため,施設配置・面積・設置台数の確保・構内道路・計量機・焼却施設・破砕・選別施設

・新施設では,処理されるごみの種類が増えることから,搬入車両の増加が見込まれるため,周辺道路への渋滞をできるだけ発生させない方策を検討する。

本市における最適なごみ処理方式の選定について(前回会議の継続)

(5)環境保全対策について(資料6)

(6)廃棄物エネルギーの利用及び施設配置の考え方について(資料7)

第3回検討委員会の検討事項と市の考え方

(2)中間処理システムの検討(資料3)

次期清掃工場の整備の方向性について(前回会議の継続)

第3回検討委員会の議題

 最終処分場整備基本構想において新たなごみ処理システムの案として示された3つの方策(廃プラスチック類の焼却処理,破砕・選別施設の導入,メタン発酵施設の導入)について,最終処分量の抑制,経済性,エネルギー回収等の観点で方向性を整理

1-1 1-2

第3回検討委員会

資料1

2018.10.30

1-1

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2-1

(1)新設及び再延命化の比較

整備方法の分類 (1)

次期清掃工場の整備に当たり,新たなごみ処理システム(廃プラスチック類の焼却処理)

への対応を踏まえて,整備方法を次のとおり分類して比較します(図 1-1)。

図 1-1 整備方法の分類

施設整備の工事内容 (2)

1)工事内容

リニューアル型,大規模改修型,基幹改良型において,更新・補修工事の対象となる設

備等を表 2-1及び図 2-1に示します。

表 2-1 焼却施設の整備対象設備等

分類 リニューアル型 大規模改修型 基幹改良型

建物 管理棟・発電機棟の

新築

更新なし 更新なし

発電機 更新 更新なし 更新なし ①計量器 更新 更新 補修

②ごみピット 増設する 増設する 増設しない ③クレーン 更新 更新 更新 ④焼却炉本体 更新 更新 補修 ⑤ボイラ 更新 更新 補修 ⑥排ガス処理装置 更新 更新 補修 ⑦灰出し,灰処理 更新 更新 補修 ⑧灰ピット,クレーン 更新 更新 補修 ⑨誘引送風機 更新 更新 補修 ⑩給水装置 更新 更新 補修

⑪電気計装 更新 更新 更新

⑫水処理施設 更新 更新 補修

仮設焼却炉の設置 必要 必要 不要

既存建物

を活用

する

新たなごみ処理システム(廃プラスチック類焼却)に対応するため

焼却炉を更新

しない 基幹改良型

する

高効率エネルギー回収に対応するため

発電機を更新 (発電機棟の増築含む) しない 大規模改修型

する リニューアル型

しない 建替型

新たなごみ処理システムへの対応はで

きるが,高効率のエネルギー回収は困難

管理棟・発電機棟は新築,それ以

外は既存建物を活用し,主要設備の

全てを取替・更新して建替型と同等

にエネルギー回収する。

第 3回検討委員会

資料2

2018.10.30

新たに施設を整備する

新たなごみ処理システムへの対応は困難

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2-2

図 2-1 工事の対象となる設備

2)施設整備のまとめ

建替型,リニューアル型,大規模改修型,基幹改良型の概要を表 2-2にまとめました。

表 2-2 整備方法の概要

区分 分類 概要

新設

建替型 施設の建屋のほか焼却炉や発電設備など,全

てを新たに整備する。

リニューアル型

管理棟・発電機棟は新築,それ以外は既存建

物を活用し,焼却炉や発電設備などの主要設備

の全てを新しいものに取替・更新する。

再延命化 大規模改修型

既存建物をそのまま活用し,発電設備を除

き,焼却炉などの主要な設備の取替や,省エネ

設備への更新等によるエネルギー回収の効率

化を図る。

基幹改良型 既存建物をそのまま使用し,機能・能力を維

持し延命化改修をする。

施設整備方法の分類を整理しましたが,どの方法を採用するかについては,処理施設の

基本仕様等がおおむね決まった段階で改めて検討しなければならないため,基本構想では

整備方法の選定に向けた基本的な方針までを整理します。

基本的な方針を整理するに当たり,施設整備の要素が多く高効率エネルギーの回収が期

待できる「建替型」及び「リニューアル型」を『新設』と区分し,設備改修の要素が多く

既存施設を活用する「大規模改修型」と「基幹改良型」を『再延命化』と区分します。

:工事対象範囲

①計量器

③クレーン

②ごみピット

④焼却炉

⑤ボイラ

⑥排ガス処理装置

⑨誘引送風機

⑦灰出し,灰処理

⑧灰ピット・クレーン ⑫水処理施設

⑩給水装置

(発電機)

⑪電気計装

※リニューアル型の場合は の工事対象範囲に加え, の発電機の更新も行う。

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2-3

そのうち,「基幹改良型」は,新たなごみ処理システムへの対応や高効率エネルギーの回

収が困難であることから,検討対象から外し,「建替型」,「リニューアル型」及び「大規模

改修型」を検討対象とします。

また,「リニューアル型」は,今回の比較結果で「建替型」に優位性があり,かつ現近文

清掃工場の敷地内で整備可能となった場合において,基本計画や基本設計で詳細な検討を

行うこととし,『新設』の区分における今回の検討対象は,一般的に経済性で不利と考えら

れる「建替型」とします。

このことから,『新設』区分における「建替型」と『再延命化』区分における「大規模改

修型」で今回の比較検討を行うこととします。

表 2-3 整備型式の比較

項目 新設 再延命化

建替型 リニューアル型 大規模改修型 基幹改良型

新たなごみ処理システムへの対応 可能 可能 可能 困難

高効率エネルギー回収 可能 可能 困難

(一部効率化) 困難

循環型社会形成推進交付金の活用 可能 可能 困難 困難

仮設焼却炉の設置 不要 必要 必要 不要

施設の強靱化 可能 可能

(既存建築の強化) 可能

(既存建築の強化) 困難

既存設備の改修 - 改修する

(主要部全面取替)

改修する

(主要部取替・改修)

改修する

(主要部改修)

既存建築物の再使用 -

再使用する

(管理棟の解体・新築と

発電機棟ほか新築)

再使用する 再使用する

ごみピットの増量 可能

困難

(破砕施設に増設ピットを

新設)

困難

(破砕施設に増設ピットを

新設)

困難

立地可能エリア 現在地及び

市内全域 現在地 現在地 現在地

競争性 高い 低い 低い 低い

建設費 256億円 211億円 198億円 -

コスト比較の対象 ○ ○

※ 建設費はメーカー概算額

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施設整備のスケジュール (3)

1)全体スケジュール

施設整備の全体スケジュールを表 3-1に示します。

設計・建設の期間として,建替型は 4年間,大規模改修型は 5年となります。

大規模改修型の工程の詳細については,次の 2)のとおりです。

表 3-1 施設整備のスケジュール

項目 平成 30 平成 31 平成 32 平成 33 平成 34 平成 35 平成 36 平成 37 平成 38 平成 39

清掃工場整備基本構想

新施設供用開始

新設(建替型)

・地域計画

・基本計画

・PFI導入可能性調査

・測量・地質調査

・環境影響評価

・事業者選定

・実施設計

・建設工事

(

大規模改修型)

再延命化

・延命化工事計画

・発注仕様書作成等

・事業者選定

・実施設計

・建設工事

※詳細は 2)を参照

2)再延命化(大規模改修型)工事の工程

工事期間中も燃やせるごみの焼却を続ける必要があるため,大規模改修型の場合,現有

施設の焼却炉2炉のうち1炉ずつ更新します。そのため,更新期間中は仮設焼却炉を設置

する必要があり,その設置・撤去の費用として約 15億円(メーカー概算額),設置から撤

去までの期間として 4年間が必要となります。

表 3-2 再延命化(大規模改修型)工事の工程

項目 平成 34 平成 35 平成 36 平成 37 平成 38 平成 39

設計

仮設焼却炉設置・撤去

仮設焼却炉運転

計量棟建設

新低圧復水器棟建設・試運転

破砕施設建設・試運転

1号炉撤去・更新・試運転

2号炉撤去・更新・試運転

既存建築の補修

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2-5

エネルギー回収率の比較 (4)

再延命化(大規模改修型)では,発電機の更新・発電機棟の建設などを行わず,現有発電

設備を使い省エネルギー型機器への更新による方法とし,概ね 7.5%のエネルギー回収率と

なります。

新設(建替型・リニューアル型)では,高効率エネルギー回収が見込める発電設備(6,800kW

程度)を設置するため,エネルギー回収率が現在の約 3倍に増加することから,新設の方が

有利となります。

表 4-1 新設及び再延命化におけるエネルギー回収率の比較

新設(建替型・リニューアル型) 再延命化(大規模改修型)

22.3% 7.5%

出典:清掃工場将来整備に係る報告書

財源措置と交付金制度の活用 (5)

1)活用できる交付金の種類

現在の廃棄物処理施設整備に伴う国の補助制度は表 5-1に示すものがありますが,北海

道内では循環型社会形成推進交付金のみが対象となります。

表 5-1 交付金の種類と対象地域

交付金 活用の可否 対象地域等

循環型社会形成推進交付金

(エネルギー回収型廃棄物処理施設) ○

人口 5万人以上又は 400㎢以上の市町村

(沖縄県,離島地域は特例として対象)」 循環型社会形成推進交付金

(基幹的設備改良事業) ○

二酸化炭素排出抑制対策事業費交付金

(先進的設備導入推進事業) ×

※環境省及び経済産業省のみが活用できるエネルギー

対策特別会計予算を充当するため,国土交通省が所管

する北海道開発予算を充当する北海道の廃棄物処理施

設整備には交付されない。

廃棄物処理施設整備交付金 × 北海道,沖縄県,離島地域を除く。

人口 5万人以上又は 400㎢以上の市町村

2)循環型社会形成推進交付金の活用

新設(建替型・リニューアル型)は,循環型社会形成推進交付金(エネルギー回収型廃

棄物処理施設)を活用できる条件を満たす内容ですが,再延命化(大規模改修型)は,同

交付金(基幹的設備改良事業)及び同交付金(エネルギー回収型廃棄物処理施設)の活用

はできません。

なお,交付金は,焼却施設等の処理施設の整備には活用できますが,管理棟の整備など,

一部の施設は交付対象外となります。

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2-6

表 5-2 循環型社会形成推進交付金の適用の可否

交付金

活用の可否

交付要件等 新設 再延命化

建替型 リニュー

アル型

大規模

改修型

循環型社会形成推進交付金

(エネルギー回収型廃棄物

処理施設) 〇 〇 ×

・焼却施設規模 300t超,450t以下

の場合 16.5%以上のエネルギー回

収率が必要との要件があり,大規

模改修型は適用しない。

循環型社会形成推進交付金

(基幹的設備改良事業) × × × ・施設規模:現施設規模を超えな

い範囲

・二酸化炭素排出量:3%削減

※ 循環型社会形成推進交付金(交付率 1/2)は,平成 30年度までの時限措置であるため,交付率は 1/3とします。

3)起債

新設(建替型・リニューアル型)では,交付金(交付率 1/3)を充当した上で,残り 2/3

に対して補助事業に係る「一般廃棄物処理事業債」を活用できます。また,交付金の対象

外である管理棟等についても,市の単独事業に係る同起債を活用できます。

再延命化(大規模改修型)でも起債の活用ができますが,交付金の活用ができないため,

市の単独事業に係る起債となります。

一般廃棄物処理事業債の充当率及びその適用について,表 5-3に示します。

なお,起債は 15年間で償還します。その期間中,起債元本及びその利子に対して,国か

ら表 5-3 の措置率により交付税措置を受けることができるため,市の負担額が軽減されま

す。補助事業に係る起債の方が交付税措置率がより高いため,多くの交付税措置を受けら

れます。

表 5-3 一般廃棄物処理事業債(充当率・交付税措置)及び適用

一般廃棄物処理事業債 (単位:%)

区 分 用地関係 施設整備

補助事業 単独事業

充当率 100 90 75

元利償還交付税措置 0 50 30

新設 建替型 〇 〇 〇

リニューアル型 〇 〇 〇

再延命化 大規模改修型 〇 × 〇

新設と再延命化の費用比較 (6)

1)建設費

国の循環型社会形成推進交付金等を考慮した,市の負担額を試算しました。

新設(建替型)では,再延命化(大規模改修型)と比較して施設整備費が高額になりま

すが,交付金等の財源を活用することができるため,市の負担額が再延命化(大規模改修

型)よりも有利となります。

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なお,新設(建替型)の既存施設の解体費用(既設設備撤去も含む)約 10億円は,建設

費に含まれていません。

表 6-1 建設費(市負担額)の比較

項目 新設(建替型) 再延命化(大規模改修型) 備考

建設費 256億円

198億円

土木建築費 120億円 土木建築費 21億円

設備費 136億円 設備費 154億円

既設設備撤去 8億円

仮設焼却炉設置・解体 - 仮設焼却炉設置・解体 15億円

交付金 -66億円

-

交付対象額 197億円 交付対象額 -

交付率 1/3 交付率 -

起債利息 14億円

13億円

起債額(補助事業) 118億円 起債額(補助事業) ‐

利子額 10億円 利子額 ‐ 起債額(単独事業) 44億円 起債額(単独事業) 148億円

利子額 4億円 利子額 13億円

交付税措置分 -78億円

-48億円

元金分(補助事業) -59億円 元金分(補助事業) - 利子分(補助事業) -5億円 利子分(補助事業) - 元金分(単独事業) -13億円 元金分(単独事業) -44億円 利子分(単独事業) -1億円 利子分(単独事業) -4億円

市の負担額 126億円 163億円

※ 建設費はメーカー概算額

2)維持管理費

平成 29から 38年度までは現有施設,平成 39から 48年度までは工事終了後の新施設の

維持管理費(人件費,用役費,点検・補修費)を表 6-2のとおり試算し比較しました。

人件費は,再延命化(大規模改修型)に比べて新設(建替型)は,運転員の人数が減る

ため,新設(建替型)が再延命化(大規模改修型)に比べて若干安くなっています。

再延命化(大規模改修型)の用役費について,現有施設は仮設焼却炉の運転が伴うこと,

工事終了後は再延命化では不足するピットを別に設けるなどで場内運搬などの設備が増え

るため,費用が発生することから,施設の最適配置が可能な新設(建替型)に比べて,若

干高くなっています。

再延命化(大規模改修型)の点検・補修費について,現有施設は焼却施設の更新に伴い

点検・補修費が少なくなりますが,工事終了後は再延命化工事で改修していない設備や建

屋の老朽化部分の補修などの費用が新設(建替型)に比べて多くなることから,新設(建

替型)に比べて若干高くなっています。

以上のことから,維持管理費は再延命化(大規模改修型)に比べて,新設(建替型)が

有利となります。

表 6-2 維持管理費の比較

項目 新設(建替型) 再延命化(大規模改修型)

維持管理費

平成 29~38年度:現有施設

62億円

61億円

人件費 28億円 人件費 28億円

用役費 8億円 用役費 9億円

点検・補修費 26億円 点検・補修費 24億円

平成 39~48年度:工事終了後

74億円

86億円

人件費 26億円 人件費 28億円

用役費 11億円 用役費 14億円

点検・補修費 37億円 点検・補修費 44億円

合計(20年) 136億円 147億円

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2-8

3)電力費用

平成 29から 38年度までは現有施設,平成 39から 48年度までは工事終了後の新施設の

発電電力量,売電電力量及び電力費用を試算し比較しました。

新設(建替型)では再延命化(大規模改修型)に比べて,発電電力量が増え,売電でき

る余剰電力量が多くなることから,その収益で運営面からも有利となります。

なお,平成 29から 38年度(現有施設)において,両者に発電電力量の違いがあるのは,

再延命化工事に伴い一炉運転となるため,発電量が減少することによるものです。

表 6-3 発電電力量と売電電力量の比較

項目 新設(建替型) 再延命化(大規模改修型)

発電電力量 平成 29~38年度:現有施設 126GWh 112GWh

平成 39~48年度:工事終了後 395GWh 138GWh

合計(20年) 521GWh 250GWh

購入電力量 平成 29~38年度:現有施設 1GWh 1GWh

平成 39~48年度:工事終了後 2GWh 2GWh

合計(20年) 3GWh 3GWh

消費電力量 平成 29~38年度:現有施設

63GWh

67GWh

自己消費分 57GWh 自己消費分 61GWh

リサイクルプラザ分 1GWh リサイクルプラザ分 1GWh

ふれあいセンター分 5GWh ふれあいセンター分 5GWh

平成 39~48年度:工事終了後

130GWh

120GWh

自己消費分 118GWh 自己消費分 106GWh

破砕施設分 7GWh 破砕施設分 9GWh

ふれあいセンター分 5GWh ふれあいセンター分 5GWh

合計(20年) 193GWh 187GWh

売電電力量 平成 29~38年度:現有施設 64GWh 46GWh

平成 39~48年度:工事終了後 267GWh 20GWh

合計(20年) 331GWh 66GWh

表 6-4 電力費用の比較

項目 新設

(建替型)

再延命化

(大規模改修型)

電力費用

平成 29~38年度:現有施設 基本料金 0.7億円 0.7億円

購入料金 0.1億円 0.1億円

売電収入 -7.6億円 -6.0億円

合計 -6.8億円 -5.2億円

平成 39~48年度:工事終了後 基本料金 1.0億円 0.8億円

購入料金 0.3億円 0.4億円

売電収入 -43.1億円 -3.7億円

合計 -41.8億円 -2.5億円

合計(20年) 合計 -49 億円 -8 億円

※ 電力価格(H29実績,税込み) 購入 17.89円/kWh,売電 13.04円/kWh

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2-9

4)概算費用の比較

国の循環型社会形成推進交付金等や余剰電力の売電を考慮した 20年間(平成 29~48年

度)の概算費用を比較検討した結果,表 6-5に示すとおり,新設(建替型)による整備が

優位となりました。

表 6-5 概算費用の比較

項目 新設

(建替型)

再延命化

(大規模改修型) 備考

建設費 256億円 198億円

交付金等 -130億円 -35億円 交付金,交付税措置の合計

維持管理費 136億円 147億円 H29~38:現有施設

H39~48:工事終了後

電力費用

(基本料金・購入料金・売電収入) -49億円 -8億円 H29~48,売電含む

合計 213億円 302億円

出典:清掃工場将来整備に係る報告書

評価結果 (7)

以上より,本市では新設(建替型)と再延命化(大規模改修型)を比較評価した結果,次

に示す理由等から新設(建替型)が優位である結果となりました。

エネルギー回収率が優位である

建設費に対して国の交付金が活用でき,市の実質負担額が優位である

より多くの売電収入が見込めることや,維持管理費が優位である

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3-1

(2)中間処理システムの検討

本項では,「旭川市最終処分場整備基本構想」において示された 3 つの方策(廃プラスチッ

ク類の焼却処理,破砕・選別施設の導入,メタン発酵施設の導入)を組み入れたごみ処理シス

テムについて,最終処分量の抑制,経済性,エネルギー回収と二酸化炭素排出抑制の観点で比

較・整理し,方向性を検討しました。

(1) 検討するケース

① ケースの概要

清掃工場将来整備に係る報告書では, 3つの中間処理システムを検討し,次の表 1-1

に示す現行,ケースA及びケースBを比較しました。

表 1-1 検討するケース

現行 ケースA ケースB

整備する施

設及び施設

規模

・焼却施設:273t/日

・焼却施設:303t/日

・破砕・選別施設:36t/日

・焼却施設:293t/日

・破砕・選別施設:53t/日

・乾式メタン発酵施設

:30t/日

概 要

・廃プラスチック類(その他プラ

スチックを含む。以下同様。)は,

燃やせないごみとして排出する。

・粗大ごみの一部を解体し,金属

類,木質類を資源化する。

・現在,燃やせないごみに分類し

ている廃プラスチック類を燃や

せるごみに分別変更し,焼却施設

で焼却処理を行う。

・粗大ごみ,燃やせないごみは,

破砕後,選別処理し資源化,焼却

処理及び埋立処理を行う。

・現在,燃やせないごみに分類し

ている廃プラスチック類は,現在

のまま燃やせないごみとして排

出する。

・粗大ごみ,燃やせないごみは

破砕後,選別処理し資源化,焼却

処理及び埋立処理を行う。

・燃やせるごみは,生ごみ及び紙

ごみ,可燃性残渣に破砕後に選別

する。メタン発酵処理された生ご

み及び紙ごみは,残渣として焼却

処理を行う。

第 3回検討委員会

資料3

2018.10.30

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3-2

② 各ケースの処理量

現行及び検討したケースA及びケースBにおける処理量の比較は,図 1-1及び図 1-2

に示すとおりです。

【現行】

【ケースA】

図 1-1 現行,ケースAのマテリアルフロー

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3-3

【ケースB】

図 1-2 ケースBのマテリアルフロー

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3-4

(2) 廃プラスチック類の焼却処理に係る検討

① 焼却処理に係るメリット及びデメリット

廃プラスチック類の焼却処理に係るメリット・デメリットは,表 2-1のとおりです。

表 2-1 廃プラスチック類の焼却処理に係る主なメリット・デメリット

メリット デメリット

最終処分量の削減

焼却ごみの発熱量増加

排ガス処理の負荷の増加

焼却対象物の増加による施設の大型

化にかかる費用の増加

② 本市におけるプラスチック系ごみの分別

本市の燃やせないごみは,図 2-1に示すとおり,家庭ごみで 44.3%,事業系ごみで

63.9%のプラスチックが含まれていますので,燃やせるごみとして焼却処理した場合,

燃やせないごみの減量化が見込まれます。

出典:処分場検討委員会資料

図 2-1 燃やせないごみの組成

③ まとめ

廃プラスチック類の焼却処理への移行は,最終処分量の削減や発電量の増加など得ら

れるメリットが大きく,排ガス処理技術の進展により他都市の事例でも十分な対応が取

られていることが確認されており,有効な方策です。そのため,本市では,廃プラスチ

ック類の分別区分を現在の燃やせないごみから燃やせるごみへ変更し,焼却処理するこ

ととします。

プラスチッ

ク44.3%

可燃物22.0%

金属12.2%

小型家電10.8%

コンクリー

ト7.2%

その他3.5%

家庭ごみ

プラスチック:44.3%

プラ製容

器包装43.6%

その他プ

ラ19.2%発泡スチロー

ル0.7%

ペットボトル0.4%

可燃物22.2%

不燃物4.3%

その他9.7% プラスチック:63.9%

事業系ごみ

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3-5

(3) 破砕・選別施設の導入に係る検討

① 破砕・選別施設の導入に係るメリット・デメリット

破砕・選別施設の導入に係るメリット・デメリットは,表 3-1に示すとおりです。

表 3-1 破砕・選別施設の導入に係るメリット・デメリット

メリット デメリット

最終処分量の削減

鉄・アルミ等の回収が可能となり,資源化

率が上昇

可燃物を選別することで熱回収が可能

建設費及び維持管理費が新たに必要

不適物の混入による火災や故障の発生リ

スク

② 粗大ごみ中に占める可燃物及び金属類

本市の粗大ごみには,図 3-1,表 3-2のとおり 70%の可燃物が含まれています。

可燃物は,破砕後に焼却施設で焼却処理することで,最終処分量の削減が見込めます。

また,粗大ごみ中の小型家電や金属類は,資源化が可能であることから,資源化率の向

上も見込めます。

出典:処分場検討委員会資料

図 3-1 粗大ごみの内訳(平成 27年度)

家電等,

5.1% 家電(特

大), 1.6%

家具(小), 1.4%

家具, 21.7%

家具(大), 42.3%

家具(小), 0.9%

器具(金属),

21.8%

器具(木), 2.3%

器具(プラ),

2.8%

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3-6

家電等, 2.1% 家電特大,

0.6%

家具

小,

1.1%

家具, 32.1%

家具大,

11.9%

器具金属,

20.2%

器具木質,

22.7%

器具プ

ラ,

9.3%

表 3-2 粗大ごみの項目ごとの可燃物と金属の重量(平成 27年度)

項目 個数 平均重量 組成割合[%] 重量[トン]

項目例 [個] [kg] 金属 可燃 金属 可燃

家電等 3,989 15 60 40 35.9 23.9 照明器具、ストーブ

家電(特大) 466 40 60 40 11.2 7.5 マッサージ機

家具(小) 2,057 8 10 90 1.6 14.8 踏み台、戸

家具 16,861 15 10 90 25.3 227.6 絨毯、カラーボックス

家具(大) 19,683 25 10 90 49.2 442.9 食器棚、イス

家具(小) 2,057 5 10 90 1.0 9.3 衣装ケース

器具(金属) 12,706 20 90 10 228.7 25.4 車いす、鏡

器具(木) 2,691 10 0 100 0.0 26.9 スキーセット、襖

器具(プラ) 3,253 10 0 100 0.0 32.5 チャイルドシート、スーツケース

合計 63,763 352.9 810.8

出典:処分場検討委員会資料

③ 自己搬入ごみ中に占める可燃物及び金属類

本市の自己搬入による粗大ごみには,図 3-2,表 3-3のとおり 76%の可燃物が含まれて

いるので,破砕後に焼却施設で焼却処理することで,最終処分量の削減が見込めます。

出典:処分場検討委員会資料

図 3-2 自己搬入ごみの内訳(平成 28年 6月 11日及び 13~18日)

可燃物(70%)

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3-7

表 3-3 自己搬入ごみの項目ごとの可燃物と金属の重量(平成 28年 6月 11日及び 13~18日)

項目

項目ごと

の総重量

[kg]

項目ごと

の重量比

[%]

組成割合[%] 重量[kg]

金属 可燃 金属 可燃

家電等 360 2.1 60 40 216 144

家電特大 100 0.6 60 40 60 40

家具小 192 1.1 10 90 19 173

家具 5,445 32.1 10 90 545 4,901

家具大 2,025 11.9 10 90 203 1,823

器具金属 3,423 20.2 90 10 3,081 342

器具木質 3,846 22.7 0 100 0 3,846

器具プラ 1,586 9.3 0 100 0 1,586

合計 16,977 100.0 4,123 12,854

出典:処分場検討委員会資料

④ 燃やせないごみの組成及び減量化

本市の燃やせないごみ中の組成割合は,表 3-4に示すとおり可燃分 41.21%,不燃分

40.69%,鉄類・非鉄金属類は,合わせて 18.10%となっています。

表 3-4 燃やせないごみの物理組成

出典:清掃工場将来整備に係る報告書

⑤ まとめ

燃やせないごみ及び粗大ごみを破砕・選別処理することで,最終処分量の削減や資源化

率の向上などが見込めることから有効な方策です。そのため,本市では,燃やせないごみ

及び粗大ごみを破砕・選別処理するため,破砕・選別施設を整備します。

可燃物(41%)

可燃物(76%)

(t/年)

 厨 芥 142 142

 資源以外の紙(手紙、おむつ等) 34 34

 布 類 167 167

 プラスチック 1,432 1,432

 金属類 1,026 513 513

 びん以外のガラス 749 749

 陶磁器類 739 739

 草 木 73 73

 大型ごみ 1,307 488 819

 合 計 5,669 2,336 2,307 513 513

41.21 40.69 9.05 9.05

鉄類 非鉄金属類燃やせないごみの組成 年間搬入量

割合(%)

可燃物 不燃物

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3-8

(4) メタン発酵施設の導入に係る検討

① メタン発酵施設の導入に係るメリット・デメリット

メタン発酵施設の導入に係るメリット・デメリットは,表 4-1に示すとおりです。

表 4-1 メタン発酵施設の導入に係る主なメリット・デメリット

メリット デメリット

リサイクル率の向上

有利な交付金(交付率:1/2)を活用でき

メタン発酵施設の売電単価は,FIT申請を

行うことにより,ごみ発電と比べて有利な

単価を活用できる

メタン発酵施設導入による焼却施設の規

模縮小の効果は少ない

建設費と維持管理費の増加

運転人員の増加

将来のごみ質・ごみ量変動への対応が困難

採用実績が少なく,積雪寒冷地では採用実

績が無い

② メタン発酵による減量効果

メーカーヒアリングから,メタン発酵施設で発生するメタン発酵後の残さは,機械選別

で投入量 100%に対して 25~45%発生し,メタン発酵処理で投入量 100%に対して 55~

90%発生するとの調査結果であります。処理全体では,メタン発酵施設に投入された廃棄

物全体を 100%とした場合,最も効率よく処理できた場合で残さが 66%程度です。

③ メタン発酵施設の施設規模

最終処分場整備基本構想では,メタン発酵施設を最大規模(150t/日)で検討し,エネル

ギー回収及び二酸化炭素排出抑制の効果が高いものの,経済性は優位とはならないことが

示されています。

この規模では,メタン発酵が安定しない場合には焼却処理量が減らないため,減ること

を想定して小型化した焼却施設では処理を賄えない可能性があり,また,将来,ごみの減

量化が進めば対象ごみが減るため,メタン発酵施設が過大となる可能性もありました。

このため,将来に渡り安定したごみ処理を継続できる実現可能な規模として,本検討で

は先進事例を参考に,かつ,循環型社会形成推進交付金の交付率 1/2 の要件を満たす最小

規模からの検討を行い,この規模で優位性が確認できれば,より規模の大きい条件も検討

することとし,施設規模を 30t/日として検討しました。

④ まとめ

メタン発酵施設を導入した場合,施設規模が小さければ焼却施設の小型化はあまり見込

めませんが,リサイクル率の向上や発生したメタンによる発電を見込むことができ,環境

面への貢献度は高い方策です。

なお,これまで本市のような積雪寒冷地でのメタン発酵施設(乾式)の導入実績はあり

ません。

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3-9

(5) 費用の比較

① 建設費

表 5-1に示すとおり,破砕・選別施設は,ケースBの方がケースAよりも処理能力が

大きいため,建設費(市負担額)も高くなりましたが,焼却施設は,ケースAの方がケ

ースBよりも処理能力が大きいため,建設費(市負担額)も高くなりました。全施設の

合計では,ケースAの方がケースBより安価となりました。

表 5-1 建設費(市負担額)の比較

施設種類 項目 ケースA ケースB 備考

破砕・

選別施設

建設費 31 億円 39 億円 ※1 土木建築費 17億円 21億円

設備費 14億円 18億円

交付金 -10億円 -13億円 ※2 交付対象額 30億円 38億円

交付率 1/3

起債利息 1 億円 2 億円 ※3 起債額(補助事業) 18億円 23億円

利子額 1億円 2億円

起債額(単独事業) 0億円 0億円

利子額 0億円 0億円

交付税措置分 -10億円 -13億円 ※3

※4 元金分(補助事業) -9億円 -12億円

利子分(補助事業) -1億円 -1億円

元金分(単独事業) -0億円 -0億円

利子分(単独事業) -0億円 -0億円

市の負担額 12 億円 15 億円

メタン

発酵施設

建設費 - 62 億円 ※1 土木建築費 - 29億円

設備費 - 33億円

交付金 - -20億円 ※2 交付対象額 - 62億円

交付率 1/3 -

起債利息 - 3 億円 起債額(補助事業) - 40億円

利子額 - 3億円

交付税措置分 - -20億円 ※4 起債額(補助事業) - -18億円

利子額 - -2億円

市の負担額 - 25 億円

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3-10

表 5-1 建設費(市負担額)の比較(続き)

施設種類 項目 ケースA ケースB 備考

焼却施設 建設費 256億円 248億円 ※1 土木建築費 120億円 116億円

設備費 136億円 132億円

交付金 -66億円 -64億円 ※2 交付対象額 197億円 192億円

交付率 1/3

起債利息 15 億円 14 億円 起債額(補助事業) 118億円 115億円

利子額 11億円 10億円

起債額(単独事業) 44億円 43億円

利子額 4億円 4億円

交付税措置分 -79億円 -76億円 ※4 元金分(補助事業) -59億円 -57億円

利子分(補助事業) -6億円 -5億円

元金分(単独事業) -13億円 -13億円

利子分(単独事業) -1億円 -1億円

市の負担額 126億円 122億円

市の負担額合計 138億円 162億円

出典:清掃工場将来整備に係る報告書

※1 ・建設費はメーカー概算額

※2 ・循環型社会形成推進交付金(交付率 1/2)は,平成 30年度までの時限措置であるため,交付率は 1/3と

する

※3 ・1億円未満は「0億円」と表記

※4 ・一般廃棄物処理事業債では 15年間で起債額を償還し,その期間に,元利償還の一部が措置率に応じて

国から交付税措置されることから市の負担額が軽減される

② 維持管理費

破砕・選別施設,メタン発酵施設,焼却施設における20年間の維持管理費(人件費,

用役費,点検・補修費)を表 5-2に示すとおり試算し,比較しました。ケースBの方が

ケースAと比べて破砕・選別施設の処理能力が大きく,メタン発酵施設の維持管理費も

かかることから,ケースBの維持管理費が多い結果となりました。また,焼却施設の処

理能力が比較的小さいケースBがケースAと比べて維持管理費が多いのは,メタン発酵

施設との接続に伴い人件費等が多くなったことによるものです。

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3-11

表 5-2 維持管理費の比較

施設種類 項目 ケースA ケースB

破砕・選別施設 人件費 14 億円 14 億円

用役費 3 億円 4 億円

点検・補修費 9 億円 11 億円

維持管理費計 26 億円 29 億円

メタン発酵施設 人件費 -

焼却施設の

人件費に含む

用役費 - 6 億円

点検・補修費 - 32 億円

維持管理費計 - 38 億円

焼却施設 人件費 42 億円 59 億円

用役費 26 億円 34 億円

点検・補修費 90 億円 86 億円

維持管理費計 158億円 179億円

維持管理費の合計(20 年) 184億円 246億円

出典:清掃工場将来整備に係る報告書

※ 維持管理費はメーカー概算額

③ 売電収入

表 5-3に示すとおり,ケースAは焼却施設,ケースBはメタン発酵施設及び焼却施設

からの20年間における売電電力量及び売電収入を試算し,比較しました。

ケースBは,ケースAと比べて売電電力量が少なく,焼却処理だけでも高効率エネル

ギー回収が期待できることが示されておりますが,売電収入は,ケースBの売電単価が

高いことからほとんど差が無い結果となりました。

(売電電力量)

〇ケースA

・焼却施設:27,315,565kWh/年(メーカーヒアリング値) × 20 年

= 546,311,300kWh → 546GWh

〇ケースB

・焼却施設:20,666,160kWh/年(メーカーヒアリング値) × 20 年

= 413,323,200kWh → 413GWh

・メタン発酵施設:2,604,000kWh/年(メーカーヒアリング値) × 20年

= 52,080,000kWh → 52GWh

・ケースB合計:焼却施設 413GWh + メタン発酵施設 52GWh = 465GWh

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3-12

(売電収入)

〇ケースA

・焼却施設:546,311,300kWh/20 年 ×16.13円/kWh(H29FIT電力価格※)

= 8,812,001,269円 → 88億円

〇ケースB

・焼却施設:413,323,200kWh/20 年 ×16.18円/kWh(H29FIT電力価格※)

= 6,687,569,376円 → 67億円

・メタン発酵施設:52,080,000kWh/20年×42.12円/kWh(H29FIT 電力価格)

= 2,193,609,600円 → 22億円

・ケースB合計:焼却施設 67億円 + メタン発酵施設 22億円 = 89億円

※焼却施設の電力価格は,焼却施設ごとにバイオマス比率が設定されるため,それぞれ単

価が変わります。

表 5-3 売電電力量及び売電収入の比較

施設種類 ケースA ケースB

売電電力量 売電収入 売電電力量 売電収入

メタン発酵施設 - - 52GWh -22億円

焼却施設 546GWh -88億円 413GWh -67億円

合計(20 年) 546GWh -88億円 465GWh -89億円

出典:清掃工場将来整備に係る報告書

④ 中間処理システムのケース別比較

中間処理システムの各ケースの 20年間のライフサイクルコスト(建設費,維持管理費,

売電収入の合計)について,比較結果を表 5-4に示します。

ケースBよりもケースAが優位である結果となりました。

表 5-4 中間処理システムのライフサイクルコスト(市負担額)比較

項目 ケースA ケースB 備考

建設費 破砕・選別施設+メタン発酵施設+焼却施設 138億円 162億円 表 5-1

維持管理費 破砕・選別施設+メタン発酵施設+焼却施設 184億円 246億円 表 5-2

売電収入 メタン発酵施設+焼却施設 -88億円 -89億円 表 5-3

市負担額合計(20年) 234億円 319億円

出典:清掃工場将来整備に係る報告書

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3-13

⑤ 収集運搬費

最終処分場整備基本構想で検討した20年間の収集運搬費を表 5-5に示します。ケース

Bの方がケースAと比べて破砕・選別処理の対象が多いため,燃やせないごみ及び破砕残

さの収集運搬費が多くなりましたが,ケースAは燃やせるごみの処理量が多いため,燃や

せるごみ及び焼却灰の収集運搬費が多くなり,ケースAの収集運搬費が多い結果となりま

した。

表 5-5 収集運搬費の比較

種類 ケースA ケースB

燃やせるごみ 104億円 91 億円

燃やせないごみ 10 億円 18 億円

焼却灰 5 億円 4 億円

破砕残さ 1 億円 2 億円

合計(20 年) 120億円 115億円

出典:最終処分場整備基本構想

⑥ 最終処分場の建設費及び維持管理費

最終処分場整備基本構想で検討した最終処分場の建設費(下水道放流)及び維持管理

費(埋立期間 15年と管理期間 5年の 20年間)を表 5-6に示します。ケースBの方がケ

ースAと比べて最終処分量が多く,施設規模が大きくなるため,建設費及び維持管理費

が多い結果となりました。

表 5-6 最終処分場の建設費及び維持管理費の比較

項目 ケースA ケースB

建設費 54 億円 58 億円

交付金等 -11億円 -12億円

維持管理費(20 年) 7 億円 7 億円

合計 50 億円 53 億円

出典:最終処分場整備基本構想

⑦ ごみ処理システムのケース別比較

20年間の収集運搬費,最終処分場に係る建設費及び維持管理費を用いて,本市のご

み処理システムの各ケースのコストについて比較した結果を表 5-7 に示します。

ケースBよりもケースAが優位である結果となりました。

表 5-7 ごみ処理システムのケース別比較

項目 ケースA ケースB 備考

収集運搬費 委託料 120億円 115億円 表 5-5

中間処理システム 建設費+維持管理費+売電収入 234億円 319億円 表 5-4

最終処分場 建設費+維持管理費 50 億円 53 億円 表 5-6

市負担額合計(20年) 404億円 487億円

出典:清掃工場将来整備に係る報告書

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3-14

⑧ まとめ

ケースBの売電収入はケースAと比べてほとんど変わらず,中間処理システムのライフ

サイクルコスト,収集運搬費,最終処分場に係る建設費及び維持管理費を含めたごみ処理

システムのコストを比べると,ケースAが優位である結果となりました。

(6) 評価結果

以上より,本市ではケースAとケースBを比較評価した結果,次に示す理由等からケース

Aが優位である結果となりました。

廃プラスチック類の焼却処理により,最終処分量の削減などを見込める

破砕・選別施設の導入により,最終処分量の削減や資源化率の向上などを見込める

メタン発酵施設(乾式)の導入は,リサイクル率の向上と有利な交付金や売電単価の

活用が見込めるが,経済性の面から優位とはならず,積雪寒冷地での実績がなく確立

された技術とはいえない

収集運搬,中間処理,最終処分のごみ処理システム全体でのコスト比較では,ケース

Aが優位であった

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4-1

(3)焼却処理方式

(1)焼却処理方式の評価

① 焼却施設の種類と検討対象

検討対象とする焼却処理方式を図 1 に示します。焼却施設は,溶融まで含めるか否か

で 2種類に大別されます。

本市では,これらの焼却施設のうち,溶融を含めるか否かの 2 つの方式を検討し,評

価・選定します。

※②は,①の焼却に灰溶融設備を設置する方式

注)設備概要の名称は、ごみ処理施設整備の計画・設計要領 2017改訂版(全国都市清掃会議) による。

図 1 検討対象とする焼却処理方式

② 全国実績

焼却処理方式ごとの全国実績を表 1に示します。「全国稼働施設」及び「過去 5年間に

稼働した施設」では,溶融を含めない方式が多くなっています。なお,「2000年以降に稼

働した施設」では,溶融を含める方式が多くなっていますが,これはその頃,国が灰溶

融炉の設置を推奨したことによるものです。

表 1 方式ごとの実績数

出典:平成 28年度環境省一般廃棄物処理実態調査より集計(全連続燃焼式のみ。ガス化溶融方式には

ガス化改質を含む。)

①焼却

③ガス化溶融

②焼却+灰溶融

ストーカ式

流動床式

回転炉式

シャフト炉式

流動床式

キルン式

④ガス化改質

一体方式

分離方式

シャフト炉式

流動床式

キルン式

一体方式

分離方式

検討対象:

(件) (件) (件)焼却方式(ストーカ式)  419 83% 109 91% 44 98%焼却方式(流動床式)  84 17% 11 9% 1 2%

計 503 100% 120 100% 45 100%焼却方式+灰溶融  53 32% 47 33% 7 47%ガス化溶融方式(シャフト炉式) 39 24% 39 27% 5 33%ガス化溶融方式(流動床式) 12 7% 12 8% 0 0%ガス化溶融方式(キルン式) 62 37% 46 32% 3 20%

計 166 100% 144 100% 15 100%669 - 100% 264 - 100% 60 - 100%合計

全国稼働施設2000年以降に稼働した施設(H12~H29)

過去5年間に稼働した施設(H25~H29)

割合

75%

25%

割合 割合

溶融を含めない方式

溶融を含める方式

45%

55%

75%

25%

第 3回検討員会

資料4

2018.10.30

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4-2

③ 残さの資源化の概要

焼却残さの処理技術は,図 2に示すとおりです。

焼却残さの資源化技術には,セメント原料化,溶融固化,山元還元等があります。焼

却残さの種類及び内容は,表 2に示すとおりです

図 2 発生する焼却残さの処理技術

表 2 焼却残さ等の種類及び内容

種類 内容

焼却灰 ごみを焼却処理した後

に残る燃え殻で、焼却炉

底部より排出されるもの。

近文清掃工場焼却灰サンプル

焼却飛灰 ごみを焼却処理した後

に残る燃え殻で,排ガス

に含まれるもの。

近文清掃工場焼却飛灰サンプル

溶融スラグ 焼却残さ(焼却灰等)

を電気エネルギー若しく

は燃料で溶融することで

得られる焼却残さ中の無

機物が溶融固化したもの。 出典:埼玉県HP

溶融飛灰 ガス化溶融炉や灰溶融

で溶融処理する際に発生

するばいじん。

出典:国立研究開発法人 国立研究所HP

焼却灰

セメント

原料化

その他資源化(人工砂等)

溶融固化(灰溶融)

焼却飛灰

普通ポルトランドセメント,エコセメント

埋立処分

有効利用

山元還元

埋立処分

有効利用

有効利用

溶融スラグ

溶融飛灰

セメント固化・

薬剤処理等

焼却処理

ガス化溶融処理

(水洗)

資源化凡例:

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4-3

④ 焼却処理方式設定の評価

1)焼却処理方式設定の基本的な考え方

評価項目については,「新・旭川市ごみ処理・生活排水処理基本計画【改訂版】(平成

28 年 3 月)」に示される基本方針及び基本施策をもとに設定し,検討対象とする焼却処

理方式の評価を行いました。評価の結果を表 3に示します。

2)焼却処理方式の評価

溶融の有無で比較評価した結果,溶融を含めない方式が優位である結果となりました。

表 3 検討対象とする焼却処理方式の評価

基本方針 基本施策 評価項目 溶融を含めない方式 溶融を含める方式

安全・適正

な ご み 処

理 の 推 進

と エ ネ ル

ギ ー の 活

焼却処理

の充実

実 績 数

(表 1)

【◎】

全体稼働数:503件

【○】

全体稼働数:166件

エネルギ

ーの有効

活用

エネルギー性

【◎】

溶融処理にかかるエネルギー

が不要となる。

【○】

溶融処理にかかるエネルギー

が必要となる。

効率的・効果的なごみ

処理の推進 経 済 性

[施設整備・運営費] 【◎】

溶融設備を含まないため,建設

費及び維持管理費が安い。

[施設整備・運営費] 【○】

溶融設備を建設するため,建設

費及び維持管理費が高い。

[焼却残さ等の処分費(運

搬費含む)]【○】

焼却残さ等の発生量が多いた

め,運搬費を含め最終処分費用が

高い。

[焼却残さ等の処分費(運

搬費含む)] 【◎】

溶融スラグを利用できれば埋

立量を削減できる。しかし,スラ

グ利用は困難である。

環境との共生の推進 環 境 性

[環境保全基準] 【-】

環境保全基準(排ガス,水質,騒音等)は,同じである。

[二酸化炭素排出量] 【◎】

運転で使用するエネルギーは

少ない。

[二酸化炭素排出量] 【〇】

運転で使用するエネルギーは

多い。

合 計 【◎:4,〇:1】 【◎:1,〇:4】 注)評価は,「◎:相対的に評価した結果,優れる方」,「○:相対的に評価した結果,◎ではなかった方」,

「-:方式間で差がないと想定される場合や評価できない場合」とする。

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4-4

(2)基本処理フローの設定

焼却施設における基本処理フローを,「焼却方式+埋立処分」を基本として,図 3に示し

ます。

焼却対象ごみは,焼却炉において焼却処理し,発生する焼却灰及び焼却飛灰は,埋立処

分します。また,ボイラにより生成する高圧蒸気は,近文清掃工場と同様に隣接するふれ

あいセンターで使用し,発電を行うことで発生する電気は,場内で使用するとともに,余

剰電力を売電します。

図 3 溶融処理を伴わない焼却の処理フロー

(3)主な施設諸元の検討

① 処理対象物の設定

新清掃工場における焼却施設の処理対象物を,表 4に示すとおり設定します。

表 4 焼却施設における処理対象物

施設の種類 処理対象物

焼却施設 ・燃やせるごみ

・破砕・選別施設からの可燃物

・資源化施設からの可燃物

・現在,燃やせないごみに含まれる廃プラスチック類

(燃やせるごみに分別区分を変更予定)

② 計画ごみ質の設定

本市では,これまで燃やせないごみとして埋立処分してきたプラスチック類を,焼却

処理の対象として見直すことから,焼却施設の計画ごみ質に影響することが考えられま

す。そのため,焼却施設における処理対象物を考慮した計画ごみ質については,整備報

告書において推計しています。その結果は,表 5に示すとおりです。

焼却対象ごみ

ごみピット 焼却炉 ボイラ

蒸気タービン

排ガス処理設備

電気(場内利用・売電)

高圧蒸気ふれあいセンター

煙突

焼却灰飛灰

埋立処分

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4-5

表 5 焼却施設における計画ごみ質

注)低位発熱量:ごみの低位発熱量は,ごみ焼却施設やガス化溶融施設等,熱的処理を

行う施設を設計するときの重要な要素であり,火格子,焼却室,ガス

冷却設備,排ガス処理設備等の主要数値がこれによって決定されます。

出典:清掃工場将来整備に係る報告書(平成 30年 2月)

③ 施設規模の設定

「ごみ処理施設整備の計画・設計要領 2017 改訂版」(以下「設計要領」という。)に

基づき,焼却施設における施設規模を設定します。

焼却施設の施設規模は 303t/日となります。なお,計画年間日平均処理量については,

ごみ処理基本計画に基づき,将来予測の確度,施設の耐用年数,費用対効果,今後の施

設整備計画,災害廃棄物の処理等を勘案して定める必要があることから,今後,施設規

模の見直しは発生するものと考えます。

④ 炉数及びピット容量の設定

1)炉数設定の基本的な考え方

焼却施設は,原則,年間を通じて 24 時間連続運転を行う一方で,焼却施設の機能を

適切に維持するためには計画的な維持補修を行う必要があり,年 1回の全炉停止期間を

除き,1 炉毎に停止して補修点検を行い,残りの炉を稼働させることで,ごみ処理を継

続するのが一般的な運転となっています。

焼却施設における炉数は,実績数,費用(建設費,運営費,維持管理費)の観点から

は「2炉構成」が優位となりますが,運転性やエネルギー回収性の観点からは「3炉構成」

が優位となります。炉数の設定に当たっては,今後,詳細な検討や優先的な取組方針を

踏まえ,整理していきます。

2 炉又は 3 炉の炉数の違いによる 1 炉当たりの施設規模は,それぞれ表 6 に示すとお

りとなります。

表 6 炉数の構成による 1炉当たりの施設規模

2炉構成 3炉構成

151.5t/日×2炉(303t/日) 101.0t/日×3炉(303t/日)

低位発熱量 5,200 kJ/kg 9,100 kJ/kg 13,000 kJ/kg

三成分 水分

可燃分

灰分

単位体積重量 0.21 kg/L 0.16 kg/L 0.11 kg/L

元素組成 炭素

(質ベース) 酸素

水素

窒素

塩素

硫黄

8.3%

54.0%

37.7%

8.4%

43.3%

48.3%

0.1%

0.4%

0.5%

3.5%

15.2%

高質ごみ基準ごみ低質ごみ項目

23.5%

32.5%

59.0%

8.5%

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4-6

2)ごみピット容量設定の基本的な考え方

ごみピットは,ごみ処理施設に搬入されたごみを一時的に貯留して,焼却量の調整を

図るために設置するもので,ごみ質を混合によって均質化を図り,安定燃焼を容易にす

るという重要な役目も担っています。

ごみピットに関し,設計要領では,次のとおり規定されています。

■ごみピット容量

・ごみピット容量は,安定的なごみ処理のために施設規模の 5~7日分以上とする。

2炉構成の場合:8,700m3

3炉構成の場合:5,300m3

■単位体積重量

・ごみピット容量計画時のごみの単位体積重量は圧縮を考慮し 0.3t/m3程度としている。※

※ 必要容量は,設計要領の規定によると,単位体積重量を 0.3t/m3として算出することとなっていますが,本市の実績では

0.15t/m3であることも考慮し,単位体積重量の設定は,基本計画策定までに整理します。

(4)まとめ

本市の焼却処理方式は,溶融を含めない方式「焼却方式+埋立処分」を基本とします。

処理対象物は,燃やせるごみ,破砕・選別処理施設からの可燃物,資源化施設からの可

燃物,現在,燃やせないごみに含まれる廃プラスチック類とします。

焼却施設の施設規模は 303t/日としますが,炉数及びごみピット容量は,今後の基本計

画で整理することとします。

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5-1

(4)破砕・選別処理方式

破砕・選別施設は,処理物を処理しやすくするための破砕設備と破砕された処理物を可燃

物,不燃物,金属類に分別するための選別設備から構成されます。

参考として,道内視察都市における破砕・選別処理の概要を表 7に示します。

表 7 道内視察都市における破砕・選別処理の概要

破砕・選別施設は,処理対象物に適した各種処理設備を組み合わせることによって,施設

の内容を決定していくことになるため,ここでは,破砕処理システムと選別処理システムに

分けてそれぞれ評価を行いました。

第 3回検討員会

資料5

2018.10.30

不燃ごみ不燃性粗大ごみ

不燃ごみ不燃性粗大ごみ選別

可燃性粗大ごみ

不燃ごみ 11,901.80 12,847.43 8,768.55 440.87

大型ごみ 3,579.34 4,077.21 3,103.81 1,004.25

計 15,481.14 16,924.64 11,872.36 1,445.12

鉄 1,036.34 1,642.39 844.10 349.59

アルミ 19.02 119.55 0.00 34.94

計 1,055.36 (7%) 1,761.94 (10%) 844.10 (7%) 384.53 (27%)

3,337.00 (22%) 879.11 (5%) 0.00 (0%) 330.76 (23%)

11,624.01 (71%) 14,283.59 (85%) 13,459.42 (93%) 729.83 (50%)

S55(1980)

100t/5h横型高速回転破砕機×1基

50t/5h竪型切断機×1基

岩見沢市

いわみざわ環境クリーンプラザいわ☆ぴか

H27(2015)

15t/5h二軸低速回転破砕機×1基竪型高速回転破砕機×1基

1.5t/5h竪型切断機×1基

搬入量(t/年)

資源化量(t/年)

最終処分量(t/年)

可燃搬出量(t/年)

札幌市

不燃ごみ,粗大ごみ

自治体名

稼働年度

処理対象物

発寒破砕工場 駒岡破砕工場

50t/5h竪型高速回転破砕機×1基

150t/5h竪型切断機×2基

S61(1986)H10(1998)

100t/5h横型高速回転破砕機×1基

50t/5h竪型切断機×1基

篠路破砕工場

磁気型ドラム式選別機×1基ふるい分け型回転式選別機×1基比重差型風力式選別機×2基渦電流型磁石回転式選別機×1基

磁気型ドラム式選別機×1基ふるい分け型回転式選別機×1基渦電流型磁石回転式選別機×1基

磁気型ドラム式選別機×1基振動式コンベア×1基

磁気型吊り下げ式選別機×1基ふるい分け型回転式選別機×1基比重差型風力式選別機×2基渦電流型磁石回転式選別機×1基

破砕・選別施設の概要

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5-2

(1)破砕処理システムの評価

① 破砕機の種類

一般的な破砕機の種類を図 4に示し,表 8 に各破砕設備の特徴を示します。

出典:ごみ処理施設整備の計画・設計要領 2017改訂版(全国都市清掃会議)

図 1 破砕機の種類

表 8 破砕機の特徴

低速回転破砕機

切断機

単軸式

多軸式

竪型

横型

高速回転破砕機 スイングハンマ式

破砕機

竪型

横型

リンググラインダ式

スイングハンマ式

リングハンマ式

低速回転破砕機 高速回転破砕機 切断機

原理

低速回転する回転刃と固定刃又は複数の回転刃の間でのせん断作用により破砕する。

高速回転するハンマー状のものを取付け,これとケーシングに固定した衝突板やバーとの間でごみを衝撃,せん断又は擦り潰し作用により破砕する。

固定刃と可動刃又は可動刃と可動刃との間で,切断力により破砕する。

長所

・単軸式低速回転破砕機は,プラスチックや紙等の軟質物の破砕に適している。・多軸式低速回転破砕機は,軟質物,延性物を含めた,比較的広い範囲のごみに適応できる。・ゆっくりした動きであるため安全性は高い。

・ある程度の大きさの金属塊,コンクリート塊が破砕可能である。・大型化が可能であることや,ごみの供給を連続して行えること等から大容量処理が可能である。

・長尺もの等の破砕に適している。・ゆっくりした動きであるため安全性は高い。・破砕時の衝撃,振動が少ないことから基礎が簡略できる。

短所

・大きな金属片,石,がれき,鋳物等は処理が困難。・ガラスや石,がれき等の混入が多い場合は刃の消耗が速くなる。

・軟質・延性物の繊維製品,マットレス,プラスチックテープ等は比較的破砕し難い。・破砕時の衝撃や高速回転するロータにより発生する振動,破砕処理中に発生する火花を原因とする爆発・火災,高速回転するロータ,ハンマ等により発する粉じん,騒音等がある。

・大量処理には向かない・破砕後の寸法は,揃え難い。

項目破砕機

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5-3

② 破砕機の適合比較

本市の処理対象物(燃やせないごみ,粗大ごみ)の物理組成に対する破砕機の適合比較

を表 9に整理しました。

表 9 処理対象物の物理組成に対する破砕機の適合比較

注 1) 〇:適 △:一部不適 ×:不適

注 2) 適合機種の選定に関して一般的に利用されているものを記載しているが,不適と例示されたごみに対しても対応できる例が

あるため,確認し,機種選別することが望ましい。

出典:清掃工場将来整備に係る報告書(平成 30年 2月),旭川市最終処分場整備基本構想(平成 29年 6月)

破砕するごみの種類によって,適,不適が様々であり,これに対応するためには,原則全種

の破砕機の導入が望ましいと考えます。

③ 先進事例

燃やせないごみ,粗大ごみを対象とした破砕処理システムについて,過去5年間(平

成25~29年度)の全国稼働実績(全32件)を調査し,導入されている破砕機の種

別及び組み合わせを整理しました。

単位:t/年

不燃物 金属類 1,026 1,026 × ○ △

びん以外のガラス 749 749 × ○ △

陶磁器類 739 739 × ○ △

せんい類・木材・小型家電製品 1,307 488 819 × ○ △

不適物 厨芥 142 142 - - -

資源以外の紙(手紙、おむつ等)

34 34 - - -

布類 167 167 ○ × ×

プラスチック 1,432 1,432 × △ ○

草木 73 73 ○ × △

不燃性 自転車,ガスレンジ等 583 × △ △

大型家電製品 29 × △ △

可燃性 繊維類(布団,カーペット等) 670 ○ × ×

木材(タンス,椅子等) 1,013 ○ × ○(多軸)

7,964 4,259 2,307 1,398

100% 53.5% 29.0% 17.6%

項目年間搬入量

内訳 破砕機の種類及び適合

可燃物 不燃物 金属類 切断機高速回転破砕機

低速回転破砕機

1683

粗大ごみ

240 372

燃やせないごみ

合 計

割 合

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5-4

表 10 粗大ごみ処理施設の全国稼働実績(平成25~29年度)

出典:環境省排出実態調査(平成 28年度)

全国の実績では,燃やせないごみと不燃性粗大ごみでは,低速回転破砕機と高速回転破

砕機が,可燃性粗大ごみでは切断機の組み合わせによる処理が多く採用されています。

低速回転破砕機と高速回転破砕機の組み合わせは,高速回転破砕機への負荷軽減や火災

発生防止対策として有効であることから,採用実績の増加につながっているものと推測さ

れます。

④ 破砕処理システムの評価

表 9に示す適合比較及び表 10に示す破砕処理機の組み合わせを踏まえ,燃やせないご

み,不燃性粗大ごみ及び可燃性粗大ごみを処理する場合の破砕機の種類について,次の

とおり整理します。

ア 燃やせないごみ

組成品目が多岐に渡ることから,1ラインで低速回転破砕機,高速回転破砕機の順

に処理することが他都市の導入事例からも有効といえます。

イ 不燃性粗大ごみ

低速回転破砕機,高速回転破砕機を選択することとなります。この場合,燃やせない

ごみからも資源物が回収可能なため、燃やせないごみの破砕で導入する低速回転破砕機,

高速回転破砕機と共用することでコスト面でも有効であると考えられます。

件数(件) 割合

低速回転破砕機+高速回転破砕機 24 75%

高速回転破砕機 7 22%

低速回転破砕機 1 3%

計 32

低速回転破砕機+高速回転破砕機 20 63%

高速回転破砕機 11 34%

低速回転破砕機 1 3%

計 32

切断機 20 63%

低速回転破砕機+高速回転破砕機 5 16%

低速回転破砕機 6 19%

高速回転破砕機 1 3%

計 32

破砕選別方法

燃やせないごみ

不燃性粗大ごみ

可燃性粗大ごみ

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5-5

ウ 可燃性粗大ごみ

処理対象物の一部に低速回転破砕機,高速回転破砕機に適合しない品目があることか

ら,切断機の導入が有効と考えられます。

以上より,本市における破砕処理は表 11に示すシステムを基本とします。

なお,同システムは表 10 の稼働実績(全32件)において,最も多い13件で採用が

ありました。

表 11 想定される破砕処理システム

処理対象物 破砕処理システム

燃やせないごみ 低速回転破砕機+高速回転破砕機(共用)

不燃性粗大ごみ

可燃性粗大ごみ 切断機

(2)破砕処理システムの評価

① 選別機の種類

一般的な選別機の特徴を表 12に示します。

表 12 選別機の特徴

② 選別処理システムの評価

燃やせないごみ,粗大ごみを対象とした破砕処理システムについて,過去5年間(平成

25~29年度)の全国稼働実績を調査し,そのうち,新清掃工場に近い施設(全11件)

に導入されている選別機を整理した結果,燃やせないごみ,粗大ごみの選別工程として,

次のような工程が一般的に採用されています。

この組み合わせを基本に,各選別方式の特徴や費用対効果を踏まえて,基本計画におい

て最適な選別工程を選定していきます。

ふるい分け型 比重差型 磁気型 渦電流型

原理

一定の大きさの開孔または,間隙を有するふるいにより,個体粒子を通過の可否により大小に分ける方式。

廃棄物選別の分野では,混合物の形状 の差 または,各物性の破砕特性からくる粒度の差,すなわち可燃物は比較的荒く,不燃物は細かく破砕されることを利用している。

処理物の比重の差を利用し,軽量物と重量物を分ける方式。

磁気型及び渦電流式で鉄若しくはアルミを回収する際に、軽量物が巻き込まれることがある。磁気型及び渦電流式の回収物から軽量物(可燃物)を除去することを目的としている。

永久磁石または電磁石の磁力を使用し,鉄を回収する方式。

処理物から効率よく鉄を回収するためには,前段処理で鉄とそれ以外が十分に分離されていることが必要である。

電磁的な誘導作用によってアルミ内に渦電流を生じさせ,アルミを回収する方式。

処理物から効率よくアルミを回収するためには,前段処理でアルミとそれ以外が十分に分離されていることが必要である。

作用

ふるい分けすることで,後段の選別機の効率が上がる。

比重選別することで,選別対象物の純度が上がる。

資源物(鉄)を回収することができる。

資源物(アルミ)を回収することができる。

項目選別機

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5-6

図 5 選別処理方式の評価

(3)破砕・選別処理フロー

燃やせないごみ及び粗大ごみのマテリアルフローを図 6に示します。

本市がごみの収集区分として位置づける,「燃やせないごみ」及び「不燃性粗大ごみ」は,

低速回転破砕機及び高速回転破砕機により破砕処理した後,選別機による金属類,不燃物,

可燃物へ選別を行い,金属類は資源化,不燃物は埋立処分,可燃物は焼却処理することを

基本とします。また,「可燃性粗大ごみ」については,切断機により切断し,ごみピットへ

投入後,焼却処理することを基本とします。

注)焼却処理された可燃物の内、焼却灰(飛灰)として約 10%発生すると想定する。

図 6 燃やせないごみ・粗大ごみのマテリアルフロー

破砕したごみ

不燃物

磁気型

ふるい分け型 比重差型

渦電流型

鉄可燃物アルミ

燃やせないごみ

不燃性粗大ごみ

可燃性粗大ごみ

受入ヤード(またはピット)

低速回転破砕機

磁気型選別機

金属類

不燃物

可燃物

資源化

埋立処分

焼却処理

高速回転破砕機

渦電流型選別機

ふるい分け型

アルミ

5,669t/年

612t/年

1,683t/年

7,964t/年(100%)

6,281t/年(78.9%)

1,683t/年(21.1%)

17.6% 1,398/年

29.0%

32.3%

2,733/年(34.3%)

4,259/年53.4%

灰分 426/年

2,307/年

2,576/年

28.4t/日 28.4t/日

7.6t/日

プラットホーム(または受入ヤード)

切断機ごみピット(焼却施設)

比重差型

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5-7

(4)各種対策技術

① 火災・爆発対策

破砕・選別施設においては,破砕対象物中に使用済みのカセットボンベやスプレー

缶等の混入が予想されることから,火災・爆発対策について十分に留意する必要があ

ります。火災・爆発予防としては,ダンピングボックスでの確認,散水装置,水蒸気

吹込式防爆装置などが,火災・爆発検知及び発生時においては,監視カメラ,煙・熱

感知器,屋内消火栓,爆風逃し口などがあります。

② 騒音・振動対策

破砕・選別施設においては,装置の性質上騒音と振動に十分に注意する必要があり

ます。振動対策については,振動の伝播を防止するための独立基礎や防振装置などが

あり,騒音については,吸音材等による減音対策や必要に応じて別室に収容するなど

の対策が考えられます。

(5)まとめ

本市の破砕・選別処理システムとして,「燃やせないごみ」及び「不燃性粗大ごみ」は,

低速回転破砕機と高速回転破砕機で処理した後に,各種選別装置によって,金属類,不燃物,

可燃物へ分離し,資源化の促進と埋立処分の減容を行うことを基本とします。また,「可燃

性粗大ごみ」については,切断機による切断を行い,直接焼却処理することで埋立処分の減

容を行うことを基本とします。

火災・爆発及び騒音・振動に係る対策は,今後の基本計画で整理することとします。

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6-1

(5)環境保全対策(公害防止基準)の検討

1 検討の概要

公害(大気汚染・騒音・振動・悪臭・水質汚濁)を発生するおそれのある施設を設置する場

合,各種法令や条例等に定める基準を遵守する必要があります。

近文清掃工場では,排ガス・騒音・振動・悪臭・排水に対して,国の基準の他に自主基準値

を設定しています。

新清掃工場における公害防止基準は,仕様が決まる基本計画において詳細に検討し,地域の

理解を得てから設定します。このため,基本構想の段階では,法令等の基準や近文清掃工場の

自主基準値を整理し,新清掃工場の公害防止基準に係る本市の考え方について検討します。

2 公害防止基準の現状

新清掃工場の公害防止基準は,排ガス・騒音・振動・悪臭・排水の 5種類の項目について設

定します。本項では,項目ごとに法令による基準値・近文清掃工場の自主基準値を整理します。

(1)排ガス

ア 国の排出基準及び近文清掃工場の自主基準値

清掃工場に設置する「廃棄物焼却炉」は,大気汚染防止法において,ばい煙発生施設に

該当し,物質ごとに排出基準が定められています。ばい煙発生施設設置者は,「ばい煙量又

はばい煙濃度の測定・結果の記録・保存」の義務があります。

また,「廃棄物焼却炉」は,ダイオキシン類対策特別措置法において,特定施設に該当し,

排ガス中のダイオキシン類の排出基準が定められています。特定施設設置者は,排出ガス

のダイオキシン類による汚染の状況について測定する義務があります。廃棄物焼却炉設置

者においては,ばいじん・焼却灰その他の燃え殻のダイオキシン類による汚染の状況につ

いても測定する義務があります。

表 1 国の排出基準及び近文清掃工場の自主基準値

種類 排出基準 自主基準値

ばいじん 〔g/m3N〕 H10.6.30 以前設置 H10.7.1以降設置

0.02 以下 0.08 以下 0.04 以下

硫黄酸化物 SOx 〔ppm〕 1400 以下(K値規制=8.0 以下) 30以下

窒素酸化物 NOx 〔ppm〕 250 以下 150 以下

塩化水素 HCl 〔ppm〕 430 以下 50以下

水銀 Hg 〔μg/m3N〕 H30.3.31 以前設置 H30.4.1以降設置

- 50 以下 30 以下

ダイオキシン類 〔ng-TEQ/m3N〕 H12.1.14以前設置 H12.1.15以降設置

0.5 以下 1以下 0.1以下

※ 近文清掃工場は,「廃棄物焼却炉」を平成 8年 4月 1日に設置している。

第 3回検討委員会

資料6

2018.10.30

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6-2

イ 近文清掃工場の測定値及び薬品費用

近文清掃工場における排ガス測定値は,表 2に示すとおり自主基準値を下回っています。

また,同工場では,硫黄酸化物(SOx)及び塩化水素(HCl)を除去するために消石灰を

使用しています。ばいじん,水銀(Hg)及びダイオキシン類は,ろ過式集じん器(バグフ

ィルタ)による捕集除去,窒素酸化物(NOx)は炉内燃焼温度制御及び自動燃焼制御による

発生抑制を行っています。

表 2 近文清掃工場の測定値及び薬品使用量・費用

項目 単位 H28 H29 H30

自主基準値等 1号炉 2号炉 1号炉 2号炉 1号炉 2号炉

ばいじん [g/m³N] 不検出 不検出 不検出 不検出 不検出 不検出 0.02

硫黄酸化物 SOx [ppm] 6 6 6 6 6 7 30以下

窒素酸化物 NOx [ppm] 78 77 64 77 84 102 150以下

塩化水素 HCl [ppm] 12 8 12 11 3.6 9.4 50以下

水銀 Hg [μg/m³N] - - - - 1.5 2.2 50以下

ダイオキシン類 [ng‐TEQ/m³N] 0.00077 0.00063 0.00047 0.000007 - - 0.5以下

薬品

消石灰

費用 [千円] 5,424 5,321 - -

使用量 [t] 132 130 - -

注)消石灰は,硫黄酸化物(SOx)及び塩化水素(HCl)除去のため使用(表 7及び図 1参照)

(2)騒音

清掃工場に設置する「空気圧縮機及び送風機」は,騒音規制法において,特定施設に該当

し,規制基準が定められています。規制基準は,敷地境界における騒音レベルとして区域や

時間帯別に定められています。なお,近文清掃工場の敷地は,第四種区域に指定されていま

す。

表 3 国の規制基準及び近文清掃工場の自主基準値

朝(6 時から 8時まで)

夕(19時から 22時まで)

昼間

(8時から 19時まで)

夜間(22 時から

翌日 6時まで)

第一種区域 40dB以下 40dB 以下 40dB 以下

第二種区域 45dB以下 45dB 以下 40dB 以下

第三種区域 55dB以下 55dB 以下 50dB 以下

第四種区域 65dB以下 65dB 以下 60dB 以下

自主基準値 45dB 以下

注)第一種区域:第一種低層住居専用地域,第二種低層住居専用地域,田園住居地域,第一種中高層

住居専用地域及び第二種中高層住居専用地域のうち,中高層住宅が一団地として建

設されている地域

第二種区域:第一種中高層住居専用地域,第二種中高層住居専用地域,第一種住居地域,第二種

住居地域,準住居地域

第三種区域:近隣商業地域,商業地域,準工業地域

第四種区域:工業地域

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6-3

(3)振動

清掃工場に設置する「圧縮機」は,振動規制法において,特定施設に該当し,規制基準が

定められています。規制基準は,敷地境界における振動レベルとして区域や時間帯別に定め

られています。なお,近文清掃工場の敷地は,第二種区域に指定されています。

表 4 国の規制基準及び近文清掃工場の自主基準値

昼間(8時から 19時まで) 夜間(19 時から翌日 8 時まで)

第一種区域 60dB以下 55dB 以下

第二種区域 65dB以下 60dB 以下

自主基準値 55dB以下

注)第一種区域:第一種低層住居専用地域,第二種低層住居専用地域,田園住居地域,第一種中高

層住居専用地域及び第二種中高層住居専用地域のうち,中高層住宅が一団地とし

て建設されている地域,第一種中高層住居専用地域,第二種中高層住居専用地域,

第一種住居地域,第二種住居地域,準住居地域

第二種区域:近隣商業地域,商業地域,準工業地域,工業地域

(4)悪臭

悪臭防止法では,工場や事業場などの事業活動に伴って発生する悪臭の排出を規制してお

り,アンモニア,メチルメルカプタン等 22 物質が「特定悪臭物質」として指定されていま

す。悪臭防止法には,他の公害関係法令と異なり「特定施設」という考え方はありませんが,

工場等における事業活動に伴って排出される特定悪臭物質の濃度が規制基準に適合しない

場合に,市町村長による改善勧告・改善命令がなされる場合があります。なお,近文清掃工

場は,第A区域に指定されています。

表 5 国の規制基準値(ごみ処理場・廃棄物処分場)

(単位:ppm)

項目 法(第A区域) 法(第B区域)

アンモニア 1 2

メチルメルカプタン 0.002 0.004

硫化水素 0.02 0.06

硫化メチル 0.01 0.05

二硫化メチル 0.009 0.03

ノルマル酪酸 0.001 0.002

ノルマル吉草酸 0.0009 0.002

イソ吉草酸 0.001 0.004

注)第A区域:市街化区域

第B区域:市街化調整区域

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6-4

(5)排水

近文清掃工場では,ボイラ排水を処理し,公共下水道へ放流しています。

新清掃工場の計画に当たり,近文清掃工場とは異なる排ガス処理を行い排水放流が必要に

なる場合は,近文清掃工場と同様に公共用水域ではなく,公共下水道へ放流することになる

ため,排水の自主基準値は,旭川市下水道放流基準を準拠することになります。

公共用水域(河川・湖沼又は海域等)に排水を放流する場合は,水質汚濁防止法の規制が

かかります。

表 6 旭川市下水道放流基準

1.1-ジクロロエチレンシス—1.2-ジクロロエチレン1.1.1-トリクロロエタン1.1.2-トリクロロエタン1.3-ジクロロプロペン

ノルマルヘキサン抽出物質 動植物油鉱油

30㎎/ℓ以下5㎎/ℓ以下5以上9以下220㎎/ℓ以下45℃以下

物質又は項目 下水道放流基準

2㎎/ℓ以下10㎎/ℓ以下10㎎/ℓ以下2㎎/ℓ以下600㎎/ℓ以下600㎎/ℓ以下

10㎎/ℓ以下8㎎/ℓ以下0.5㎎/ℓ以下

10pg-TEQ/ℓ以下5㎎/ℓ以下3㎎/ℓ以下

0.02㎎/ℓ以下0.06㎎/ℓ以下0.03㎎/ℓ以下0.2㎎/ℓ以下0.1㎎/ℓ以下0.1㎎/ℓ以下

0.02㎎/ℓ以下0.04㎎/ℓ以下1㎎/ℓ以下0.4㎎/ℓ以下3㎎/ℓ以下0.06㎎/ℓ以下

0.005㎎/ℓ以下検出されないこと0.003㎎/ℓ以下0.1㎎/ℓ以下0.1㎎/ℓ以下0.2㎎/ℓ以下

0.03㎎/ℓ以下1㎎/ℓ以下1㎎/ℓ以下0.1㎎/ℓ以下0.5㎎/ℓ以下0.1㎎/ℓ以下

総クロムBODSS

チオベンカルブベンゼンセレンホウ素フッ素1.4-ジオキサン

チウラムシマジン

トリクロロエチレンテトラクロロエチレンジクロロメタン四塩化炭素1.2-ジクロロエタン

カドミウムシアン

pH値ヨウ素消費量温度

ダイオキシン類フェノール銅亜鉛溶解性鉄溶解性マンガン

有機リン鉛六価クロムヒ素総水銀アルキル水銀ポリ塩化ビフェニル

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6-5

3 環境保全対策の検討

(1)排ガス対策

排ガスは,前項において設定したばいじん,硫黄酸化物,窒素酸化物,塩化水素,水銀,

ダイオキシン類を除去する対策を実施します。近文清掃工場では,現在,次に示す方法で排

ガス対策を行っています。

新清掃工場では,同様の対策を基本としますが,施設整備基本計画において改めて検討し

ていきます。

表 7 近文清掃工場における対策

項目 対策方法 図 1

ばいじん ろ過式集じん器(バグフィルタ)で捕集除去。 ①

硫黄酸化物(SOx) 有害ガス除去装置で消石灰と反応させて除去。 ②

窒素酸化物(NOx) 焼却炉内で水噴射を行うなど,燃焼を制御して発生を抑制。 ③

塩化水素(HCl) 有害ガス除去装置で消石灰と反応させて除去。 ②

水銀(Hg) ろ過式集じん器(バグフィルタ)で捕集除去。 ①

ダイオキシン類 ろ過式集じん器(バグフィルタ)で捕集除去。 ①

図 1 近文清掃工場処理フロー

① ②

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6-6

(2)騒音・振動対策

ごみ処理施設では,騒音が発生する設備・機器は,低騒音型の機種を選定するほか,排風

機等には消音器を取り付けるなどの騒音対策を講じています。また,必要に応じて防音構造

の室内に収納し,内壁には吸音材を施工するなど騒音対策を講じています。

振動が発生する設備・機器は,振動の伝搬を防止するため,独立基礎や防振装置を設ける

などの対策を講じています。

表 8 騒音・振動対策事例

項目 対策事例

機器類での対策

・低騒音や低振動型の機器を採用

・機器類を地下や建物内部に設置

・配管やダクトでの防振対策

・独立基礎の設置

建築での対策

・排風口の位置や音の反射に注意し,音源の種類と敷地境界ま

での距離を考慮した設置

・機械室などでの吸音材貼付け

(3)悪臭対策

ごみ処理施設から外部への臭気拡散を防止するため,施設稼働時はごみピット内の空気を

燃焼用空気として炉内へ送風し,高温酸化処理を行います。そのため,ごみピット内は常に

負圧に保ち,臭気が外部に拡散しない構造とします。

(4)排水対策

排水には,ごみピット排水,洗車排水,プラットホーム洗浄排水,ボイラ排水など様々な

種類がありますが,排水処理設備で処理した後,河川や公共下水道への放流,又は無放流が

一般的です。新清掃工場から出る排水のうち,公共下水道へ直接放流することが基本になる

生活排水を除き,プラント排水については,公共下水道への放流を想定した排水処理設備を

設けます。また,少量の場合は,炉内やピット内での噴霧(無放流)による対応とします。

図 2 一般的な排水処理フロー

【清掃工場】

処理水

炉内やピット内で噴霧(無放流)

河川放流

下水道放流

・ごみピット排水・洗車排水・プラットホーム洗浄排水・ボイラ排水など

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6-7

表 9 排水の種類とその性状及び処理法の例

出典:ごみ処理施設整備の計画・設計要領 2017改訂版

注)1.有機系排水とは,BOD(生物化学的酸素要求量),COD(化学的酸素要求量),油分等を多く含んだ

排水。無機系排水とは,鉄(Fe),亜鉛(Zn),マンガン(Mn)等,重金属類を多く含んだ排水。

注)2.出典:ごみ処理施設整備の計画・設計要領 2017 改訂版

図 3 下水道への放流型のフロー例

4 新清掃工場における公害防止基準の考え方

本市では,大気汚染防止法,ダイオキシン類対策特別措置法,騒音規制法,振動規制法,悪

臭防止法,水質汚濁防止法等の各種法令などを参考に,公害防止基準を設定していきます。

有機系排水 (スクリーン) (生物処理) 放流

無機系排水 沈砂 スクリーン 凝集沈殿

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7-1

(6)廃棄物エネルギーの利用及び施設配置の考え方

ア 廃棄物エネルギーの利用

(1) 基本的な考え方

新清掃工場では,環境負荷の低減と地球温暖化対策のひとつとして,高効率エネルギー回収

を目指します。ごみの焼却によって発生した熱をボイラーで回収し,蒸気として工場内の設備

や近隣施設で使用すると共に,蒸気タービンで発電を行い焼却施設や隣接施設に使用します。

また,余剰電力は売電します。

表 1-1 焼却施設の余熱利用

種類 利用先

熱(蒸気・温水) 場内利用 焼却施設(プラント設備,給湯,暖房など)

場外利用 隣接施設(給湯,暖房など)

電気(発電)

場内利用 焼却施設(プラント設備,建築設備〔照明,コンセントなど〕)

場外利用 隣接施設(建築設備)

余剰電力の売電

近文清掃工場では余熱利用として,隣接施設(近文市民ふれあいセンター,近文リサイクル

プラザ)へ熱と電力の供給が行われており,新清掃工場においても利用実績を考慮し次のよう

に検討します。

(2) その他の余熱利用の例

その他の余熱利用では,場内利用や隣接施設の立地により次のような例があります。

(3) 新清掃工場で利用可能な熱量

低位発熱量及び焼却量により次のとおり見込みます。なお,詳細な検討は,今後施設の計画

が具体化する中で行います。

焼却炉発生熱量 約 115,000MJ/h

※低位発熱量 9,100[kJ/kg]×303[t/日]÷24[h]≒115,000[MJ/h]

(4) 新清掃工場の発電能力

利用可能な熱量から,発電能力は次のとおり見込みます。なお,詳細な検討は今後,施設の

計画が具体化する中で行います。

発電能力 約 6,200~7,450kW

※メーカーヒアリング値(清掃工場将来整備に係る報告書より)

【新清掃工場のエネルギー利用先の想定】

① 焼却施設内の熱・電気利用

② 破砕・選別施設への熱・電気の供給

③ 近文市民ふれあいセンターへの熱・電気の供給

④ 余剰電力の売電

・融雪槽

・ロードヒーティング

第 3回検討委員会

資料7

2018.10.30

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7-2

待機長(計量機~搬入口)

約60m

現在の計量機待機長:約40m

イ 施設配置

施設配置の検討では,周辺道路への渋滞をできるだけ発生させないための方策を検討します。

(1)近文清掃工場の現状

搬入車両が概ね1時間当たり 35台を超えると,構内道路で待機状態が発生しています。

図 2-1 搬入車両の混雑状況(近文清掃工場(16時ごろ))

(2)搬入車両の増加への対応

新清掃工場では燃やせるごみに加えて,燃やせないごみや粗大ごみも処理する計画であり,

搬入車両の増加が見込まれます。搬入車両は計画収集のごみ収集車のほか,自己搬入の車両も

あることから,今後想定される条件を検討し,プラットホームや構内道路での待機を抑制する

方策を検討します。

(3)施設配置の基本的考え方

搬入車両の増加に対応するため,施設配置の考え方は次のとおりとします。また,施設配置

の例を次のとおり示します。

・構 内 道 路:車両の待機抑制のため,計量機までの延長をできるだけ確保するなど経路を考慮して配

置します。

・計 量 機:車両の増加を見込み,必要な台数を配置します。

・焼 却 施 設:車両の待機抑制のため,必要なプラットホームの面積やごみ投入口を確保します。

・破砕・選別施設:破砕の前処理(フロアでの選別)をする荷捌きスペースを確保します。

図 2-2 施設配置の例(清掃工場将来整備に係る報告書より)

注)本図は,同報告書作成

時点のものであり,確

定したものではあり

ません。

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追加-1

清掃工場検討委員会に係る地域説明会での主な質問・意見(報告)

平成 30 年 10 月 26 日(金):北星六地区市民委員会会長

Q 新施設では悪臭が出る可能性はないか。

A 現施設同様に,臭気を吸い取って焼却することで周辺への臭気拡散を抑える考え

です。

Q 札幌市の発寒破砕工場では周辺で振動が出たと聞いたが,建設から 20年も経過

した後に出るものか。

A 札幌市の例は,機械の低周波音が原因であると聞いております。新施設ではその

様なことがないよう,防振対策により振動を抑制する考えです。

Q 近文市民ふれあいセンターは,新清掃工場稼働後も利用できるのか。

A これまで通り利用していく予定です。

Q 交通量や渋滞について,構内道路の整備や配置の説明をして欲しい。

A 構内道路の配置,必要な設備の設置やスペース確保等で,車両を円滑に流すこと

で渋滞抑制していく考えです。

・ 焼却ごみの種類が増えるのであれば,健康面での影響が一番心配である。ダイオ

キシン類の測定場所を増やす等の姿勢を見せてほしい。

平成 30 年 10 月 28 日(日):北星六地区各町内会長等

Q 9月6日の地震により旭川市内でも停電となったが,清掃工場の余剰電力を地域

に供給できないのか。

A 現状では,一般送配電事業許可もなく,電力を一般家庭に供給する設備も有して

いないことから困難な状況です。

・ 先日の停電時には,携帯電話等の充電のため市庁舎等で電源を開放していたが,

今後の計画では清掃工場でも開放できるよう検討して欲しい。

第 3回検討委員会

追加資料

2018.10.30

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第2号 平成30年9月発行

編集・発行 旭川市廃棄物政策課

町 内 会 回 覧 用

「清掃工場整備NEWS」では,清掃工場の将来整備に関する情報を町内会の皆さまにお届けします。

ニュース

【裏面へ】

地域説明会の開催

第2回旭川市清掃工場検討委員会の開催に先立ち,平成30年8月23日(木)に北星六地区市民委員会連絡協議会,8月28日(火)に北星六地区の各市民委員会・町内会の皆さまへの説明会を開催しました。 今回の説明会では,第1回会議や視察の報告のほか,第2回会議で検討していく内容や課題等についてご説明し,「分別変更をするなら周知をしっかりしてほしい」や「周辺住民の健康面への配慮をきちんとしてほしい」といったご意見をいただきました。いただいたご意見につきましては,第2回旭川市清掃工場検討委員会において報告しました。 ご参加くださいまして,誠にありがとうございました。

第2回旭川市清掃工場検討委員会の開催

検討委員会

第2回会議(平成30年8月30日開催)では,次期清掃工場の整備の方向性や本市における最適なごみ処理システムの選定について話し合いが行われ,次期清掃工場は,現在の近文清掃工場の敷地内に整備することを前提として,「どういった施設とするのか」や「どういった設備を導入するのか」などを検討していくことになりました。 次回,第3回会議は,平成30年10月30日(火)午後1時30分から旭川市近文清掃工場・2階大会議室にて開催予定です。第3回会議では,「余熱利用」や「環境保全対策」などについて話し合われる予定です。

各市民委員会・町内会

なお,会議は傍聴が可能です。ご希望がありましたら廃棄物政策課までお問合せください。

北星六地区市民委員会連絡協議会

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各市民委員会や町内会での個別説明会開催のご要望や,清掃工場の整備についてご不明な点等ありましたら,お気軽に廃棄物政策課までお問合せください。

≪お問合せ先≫ 〒070-8525 旭川市6条通9丁目 総合庁舎8階 旭川市 環境部 廃棄物政策課 TEL:0166-25-6324 FAX:0166-29-3977 E-mail:[email protected]

プラスチック製ごみの分別

旭川市清掃工場検討委員会で検討している「廃プラスチック類の焼却処理」に関連して,分別を迷いやすいプラスチック製ごみの分別についてご紹介します。

ごみ 現在の分別 将来の分別 (新しい処理施設稼働後の分別)

コンビニ等の 弁当がら プラスチック製

容器包装 ※汚れが落ちないものは, 燃やせないごみ

プラスチック製 容器包装 ※汚れが落ちないものは, 燃やせるごみ

梱包用の 発泡スチロール

プラスチック製の ハンガー

ストロー

プラスチック製の バケツや容器

食品用ラップ

ビニール手袋

CDケース

クリーニングの袋

※商品を包んでいた場合は, プラスチック製容器包装

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廃棄物処理に係る施設整備スケジュール(案)

H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 H38 H39 H40 H41 H42 H43

缶・びん等資源物

中間処理施設

清掃工場

廃棄物処分場

出典:上川中部地域ごみ処理広域化対策協議会 幹事会資料から抜粋(平成 30年 7月 26日開催)

現施設供用期間(~H33)

現施設供用期間(~H38)

現施設供用期間(~H41)

基本計画・基本設計

基本計画・基本設計

新施設供用開始

新施設供用開始

新施設

供用開始

事業者選定・建設工事

実施設計・建設工事

実施設計・建設工事

地域

計画

基本

構想