第Ⅴ章 セミナーの企画・運営€¦ · ③セミナー当日の配布資料作成...

20
38 第Ⅴ章 セミナーの企画・運営

Upload: others

Post on 07-Aug-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 第Ⅴ章 セミナーの企画・運営€¦ · ③セミナー当日の配布資料作成 チラシデザインと呼応させた講師、パネリストの概略を作成した。

38

第Ⅴ章

セミナーの企画・運営

Page 2: 第Ⅴ章 セミナーの企画・運営€¦ · ③セミナー当日の配布資料作成 チラシデザインと呼応させた講師、パネリストの概略を作成した。

39

Ⅴ.セミナーの企画・運営

平成 24 年 2 月 22 日に行ったセミナーにおいて実施したアンケートでは、参加者総数 110 名のうち、58

名から回答があり、概ね好評価を得た。アンケート内容と、アンケート結果詳細は【資料3】に示す。

1.セミナーの企画

①セミナーチラシの作成

<チラシ表面>

Page 3: 第Ⅴ章 セミナーの企画・運営€¦ · ③セミナー当日の配布資料作成 チラシデザインと呼応させた講師、パネリストの概略を作成した。

40

<チラシ裏面>

Page 4: 第Ⅴ章 セミナーの企画・運営€¦ · ③セミナー当日の配布資料作成 チラシデザインと呼応させた講師、パネリストの概略を作成した。

41

②セミナープログラム概要の作成

以下、当日の概要を示す。

・日時 :平成 24年 2月 22 日(水) 13:30~16:50

・会場 :鯉城会館 5F パールの間

・出席者:100 程度

・プログラム

13:15~ 受付・開場

※12:30 より来場者受付は会場外で対応。開場は 13:15 から

13:30 開会

13:30~13:40 開会あいさつ

※産業部 流通サービス産業課課長松本 正(まつもと ただし)

13:40~15:00 基調講演(講師 内藤 耕氏)※以下ずれた時刻を修正

15:00~15:10 休憩

15:10~ パネルディスカッション

15:10~15:20 事例発表①(有)勉強堂 取締役社長 門田 治己氏

15:20~15:30 事例発表②ミッドナイトスギタニ 店主 杉谷 篤志氏

15:30~15:40 事例発表③(有)酒のマエダ 取締役 前田 美都子氏

15:40~16:30 意見交換

※聴衆参加 (5分~10分)

16:45 閉会のアナウンス

16:50~17:00 片づけ

17:15~ 交流会

③セミナー当日の配布資料作成

チラシデザインと呼応させた講師、パネリストの概略を作成した。

次ページに概略を記す。

Page 5: 第Ⅴ章 セミナーの企画・運営€¦ · ③セミナー当日の配布資料作成 チラシデザインと呼応させた講師、パネリストの概略を作成した。

42

Page 6: 第Ⅴ章 セミナーの企画・運営€¦ · ③セミナー当日の配布資料作成 チラシデザインと呼応させた講師、パネリストの概略を作成した。

43

Page 7: 第Ⅴ章 セミナーの企画・運営€¦ · ③セミナー当日の配布資料作成 チラシデザインと呼応させた講師、パネリストの概略を作成した。

44

2.セミナーの運営

①当日タイムスケジュール

時間 全体プログラム

受付 会場設営等 記録・ 写真

司会 VIP接遇

12:00 事前打合 13:00 受付開始

13:00~ 会場設営 講師対応

13:25~ 事前アナウンス 13:30~ 司会

セミナー

13:30~ 記録・撮影 15:40~ マイク係

懇親会 会場撤去

13:00

14:30

14:00

15:00

15:30

16:00

16:30

13:30

17:15

Page 8: 第Ⅴ章 セミナーの企画・運営€¦ · ③セミナー当日の配布資料作成 チラシデザインと呼応させた講師、パネリストの概略を作成した。

45

3.実施結果(議事概要)

(1)開催概要

日時:平成 24年2月 22日(水)13:15~19:00

会場:広島鯉城会館(広島市中区大手町 1丁目5-3)

セミナー出席者:110 名

支援機関(商工会、商工会議所等)、金融機関、医療機関、企業、店舗関係者、団

体職員、行政職員、大学関係者など

交流会出席者:35名

(2)プログラム

①主催者挨拶

中国経済産業局 産業部 流通・サービス産業課長 松本 正

②基調講演

(独)産業技術総合研究所

サービス工学研究センター 副研究センター長(工学博士)内籐 耕

③パネルディスカッション

◇パネリスト

(有)勉強堂 取締役社長 門田 治己

ミッドナイトスギタニ 店主 杉谷 篤志

(有)酒のマエダ 取締役 前田 美都子

◇コーディネーター

(独)産業技術総合研究所

サービス工学研究センター 副研究センター長(工学博士)内籐 耕

(3)プログラム概要

①主催者挨拶

◇概要

中国経済産業局では、平成20年度から、サービス産業生産性向上について、セミナー開催、研

修事業を通じた普及啓発等を推進しておりサービス工学研究の第一人者である産業技術総合研究所

の内藤先生にも協力を頂きながら、顧客満足度の向上と資源投入の効率化を同時に追求するため、

科学的、工学的アプローチを取り入れ、事業を実施してきた。

今年度は、特徴的な取組が見られる「元気な地域密着型店舗」18事業者を訪問したが、ワーク

ショップという形式で、支援機関や自治体、中小企業診断士、商工会議所・商工会の経営指導員の

方々とも一緒に、店舗等を訪問し、訪問後には元気に存続していくための秘訣などをディスカッシ

ョンを実施。

本日のセミナーは、今年度事業の成果発表という位置づけ。

基調講演では、内藤先生から、これまで200近いサービス現場を回られた、フィールド調査で

得られた豊富な実例に基づき、小商圏に展開する地域密着型店舗におけるコスト削減とサービス向

上を両立する取り組みについて、ご説明いただく。

Page 9: 第Ⅴ章 セミナーの企画・運営€¦ · ③セミナー当日の配布資料作成 チラシデザインと呼応させた講師、パネリストの概略を作成した。

46

後半のパネルディスカッションでは、今年度事業の中で訪問した事業者の中で、色々な工夫やこ

だわりにより特徴あるサービスを展開し、地域密着型で頑張っておられる元気な経営者の方々にお

越しいただいる。今年度の事業結果として、特徴的な取組が見られる「元気な地域密着型店舗」に

ついては、事例集にまとめる予定。

今回のセミナーを通じて、サービスの付加価値の向上について、ご参加いただいた皆様の御参考に

なれば幸いである。

Page 10: 第Ⅴ章 セミナーの企画・運営€¦ · ③セミナー当日の配布資料作成 チラシデザインと呼応させた講師、パネリストの概略を作成した。

47

②基調講演

◇基調講演概要

20 世紀は、ワンストップで買物できるチェーンストア化が主流となり、お客さんが駐車場から、また

店内を長く歩かなければならない大規模店舗が増えた。少子高齢化になり、車に乗らない人や、長く歩

くことが困難な人たちが増えるようになり、これまで当たり前だった店の形態に疑問が生じてきた。

また、つくりおきが一般的な大規模店だが、地域の小型店舗が温かい惣菜を提供する等のサービス形

態にはかなわない現実もある。お客さんの立場に立てば、小規模店舗しか提供できないサービスに魅力

を感じており、小規模店舗が大規模店に勝てるポイントはそこである。

「売上」と「利益」という考え方は、経営者はよく口にするが、実は利益を意識した経営をしない傾

向がある。「売上」はお客さんの都合である。「利益」はコストを意識して伸びるもの、つまり自分本位

で改善ができることである。

理美容室業界の現状は、趣味の形態の域を脱しておらず、理美容師 1人当たりの年間売上 400 万円程

度、経営という面では非常に厳しい。理美容室を推移予測すれば、2050 年には 10万軒が減少しなければ

成立しない計算となる。クリーニング業界も同様に厳しい状況である。

そういう中で事業の継続は、自力本願に目を向けて行くことが重要である。

千葉県にある美容室「オオクシ」では、半径500mの小商圏が一

般的な理美容室業界の中で、繰り返しお客さんが来るようにサービス

を徹底的に考えた。20世紀のモデル形態は、①カリスマ美容師のカ

ット技術をウリにして、大商圏のお客さんを相手にしていた。②美容

師のスキルに依存するため歩合制となり、給与の差が出て職場環境の

維持が難しくなった。それに対し、「オオクシ」ではお客さんが求める

サービス、清潔、挨拶を徹底的にし、しかもリーズナブルにした。「ロ

ープライス・ハイクオリティ」で対応した。

リピート率をチェックした。「生の花」「ピンクの壁」だと男性客は来づらくなる。注文を取る時の聞

き方も、男性は「雰囲気」で、女性は「具体的」に聞くなど情報をもとに区別していった。ある新人女

性の美容師例として、本社では、カット技術は他に劣るが、お客さんのリピート率が高い理由を徹底追

及。その結果、理由が分かってきた。新人美容師が技術力の無さから、鏡で頻繁に出来栄えを見せるこ

とをした結果、丁寧さをお客さんに感じさせ、同時に「切り直し」が無くなった。その経験から、鏡で

頻繁に聞くことを全店で徹底した。「切り直し」がなくなれば、作業時間は発生するが、売上に繋がらな

い時間を減らすことができた。

店の立地に応じてサービスを特化した店を作った。新しい住宅地

では染めの店がウケる。家を汚したくないお客さんの気持ちを汲む。

ブローもセルフブローにした。店を出てから手ぐしで直すお客さん

の姿を見て、ブローが価値を生むサービスに繋がっていないことに

気付いた。全て引き算のサービスから作業効率アップを引き出し、

お客さんには低価格で還元する。

こういう仕組みを作ったことで 1 店舗での経営だった店舗が現

社長が美容師学校を卒業後僅か7年で急激に増え、現在では 23店舗となった。仕組みを作るとお客さん

Page 11: 第Ⅴ章 セミナーの企画・運営€¦ · ③セミナー当日の配布資料作成 チラシデザインと呼応させた講師、パネリストの概略を作成した。

48

が勝手に増える。

「でんかのヤマグチ」の例は、パナソニックの販売店であるが、小商圏戦略に切り替えて成功したも

のである。

「城崎温泉」の例は、旅館間で競争するのではなく、城崎温泉全体として共存共栄していく戦略を取

っている。内湯を持たず、1つの旅館でお客さんの囲い込みをせず、他の旅館を積極的に勧めていく。

お客さんにあったサービス提供をする旅館をお客さんが見つけて行くことで、城崎全体ではお客さんを

リピート獲得できるようになっている仕組みを作った。

囲い込みが当たり前だった旅館同士の関係を止め、地域が協力連携して成功した例は、商店街にもあ

てはめられる。このやり方を模倣して成功した温泉地として、「湯布院」「黒川温泉」がある。

場所を選んで旅館を決めるのが一般的だが、「加賀屋」「鶴雅リゾート」などは何も無い場所にわざわ

ざ旅館を選んでお客さんが集まるサービスを提供している。

いいやり方がわからなかったら、他の人がやらないことをやってみる。極めてニッチなことをやった

としても、それをお客さんが求めればそこにお客さんがいる。足し算でなく、引き算のサービスを考え

て行くことが大事である。顧客満足を得るための作業量が必要であれば、サービス内容を検討し直し、

無駄な作業を止めることが必要である。

当たり前のことだが、これが出来ていない。多くのコンサルタントが言うことは、先に売上を伸ばし

ましょう。そのためにまず経費を払ってそれから効果が出るのを待ちましょう。この考え方は博打であ

る。私が勧めるのは、まず無駄をカットしましょう。その分をサービスに転嫁しましょう。無駄をカッ

トした場合、利益も余るが、時間も余るようになる。余った時間を、その余裕を挨拶ひとつ、サービス

ひとつに変えて行きましょうということである。

集客戦略として、第 1の集客戦略は「広告宣伝」で新規顧客を集客する。

第 2の集客戦略は、「顧客のリピート率」を上げて行く。これについてはい

ろいろ議論がある。リピート率が増えすぎると新規客が来なくなる。予約

客が多くなれば、突然のリピート客からのキャンセルが埋まらないという

こともあり、リスクもある。

第3の集客戦略は、「コスト削減に向けた集客」である。顧客数の谷、つ

まりロスを減らし、顧客数のピークの山から、ロスを埋めていき、稼働率

を平準化していくことである。その手順として、サービス内容の棚卸から、

ターゲット顧客を明確化していく。次にそれに対応できる現場能力を向上

させていく。次の段階は、ステップアップしていく顧客とそうでない顧客

があるので、それを絞り込んでいく。また、コスト削減を進める中で、需

要の変動をどう均していくか、どう集客していくかということを考えて行

く。顧客数の山を上げるか、つまり売上をどう上げるかということより、

山を削っても、谷との差を縮めて利益率を上げて行くことが次のステップ

である。

また、その集客のため、どのようなサービスを提供していけばよいのか。そういうことを中心に事例

を交えてパネルディスカッションでは話を進めて行きたいと考えている。

Page 12: 第Ⅴ章 セミナーの企画・運営€¦ · ③セミナー当日の配布資料作成 チラシデザインと呼応させた講師、パネリストの概略を作成した。

49

③パネルディスカッション

◇パネリスト

(有)勉強堂 取締役社長 門田 治己

ミッドナイトスギタニ 店主 杉谷 篤志

(有)酒のマエダ 取締役 前田 美都子

◇コーディネーター

(独)産業技術総合研究所

サービス工学研究センター 副研究センター長(工学博士)内籐 耕

◇パネルディスカッション概要

発 言 者 内 容

コーディネーター 何をやめて、その結果どうなったかお話いただきたい。

前田 バブル崩壊後、専門店として生き残ることを決めた。ビールの販

売は売上の60%を占めていたが配達に人件費もかかり、低価格化

などもあるので、切り捨てた。その結果粗利が 2.5 割増した。

杉谷 昼の営業時間をやめた。配達を止め、酒屋というプライドも捨て

た。

門田 卸、百貨店や地方の催事に商品を持って行っていたが、それを止

め、路面展開し、福山市民の客に特化した。もみじまんじゅうも作

ることを止めた。地元の住民しか知らないロケーションに出店した。

コーディネーター いかに社会の流れについていき、そのニーズを掴んでいるかをお

話いただきたい。

門田 自社サイトを立ち上げ、社員間で来店客の情報をオンタイムで共

有。現場スタッフからの 1日 60 件以上の書き込みがあり、顧客との

密な関係が保てるほか、商品開発にも繋がる。

杉谷 徹底的にリサーチをする。何が欲しいか、何があったら便利かを

直接お客さんに聞く。

コーディネーター お客さんのリクエストの取捨選択はどうしているのか。

杉谷 在庫ロスが最も怖いので賞味期限で判断する。

前田 いかに選択肢を持つかということである。そのため知識の吸収が

必要である。

コーディネーター コミュニケーションを素朴に行われていることが3者共通であ

る。

どういうお客さんがやって来るのか?常連さんのイメージである

が。

前田 出張者が多い。ホームページをみて来られる方も。不思議と商店

街の人は少ない。

Page 13: 第Ⅴ章 セミナーの企画・運営€¦ · ③セミナー当日の配布資料作成 チラシデザインと呼応させた講師、パネリストの概略を作成した。

50

杉谷 酔ったお客さんが主である。

門田 県外からの客は利用しにくい立地にある。

コーディネーター 杉谷さんは大商圏化は可能か?

杉谷 大商圏化はないと思う。

コーディネーター 今後の展開についてお話いただきたい。

前田 まだまだ需要を掘り起こせると考えている。

杉谷 独自商品(いけずごの T シャツ)など、まだまだお客さんにでき

る可能性があると思う。

門田 人口40万人の商圏では、まだまだお客さんにできると考えている。

コーディネーター 本日のディスカッションは本質的な答えを聞くことができた。地

域単位で考えると地域間競争やお客さんと競争することで、まだま

だ需要は増やせるだろう。消える側に回るか残る側に回るのかは経

営者自身にかかっているのだろう。

◇会場との意見交換

Q:サービスや社内改革等の優先順位は?

Q:「60歳にウケる洋食屋レストラン」を作ったが、「大盛り」「飲み放題」「卵料理」などを捨て選択集中

しすぎたせいで、若者客を失い、結果として価格が上がってしまい、いい傾向ではないと思っている。そ

れに何かヒントを得たい。

Q:支援機関としては、店側が捨てる決断ができていないように思える。

内籐先生:基本的に共通した質問に思えるので一度に答えていきたいと考える。

前田:きっかけは、ビールを大口で入れていた大型店舗があったが、その本社から値引きを強く要求され、

その結果体を壊し、配送する手が足りない状況であった。そこで、何を攻め、何を専門化するかを考えた

時、初めて捨てることを考えた。捨てないとできない。

杉谷:意思決定は家族やお客さんから。お客さんに嫌なことを言われるが、嫌なことの方が得ることが大き

い場合がある。「60歳にウケる居酒屋」さんは、20万人商圏の松江ではできないが、ニッチなところ

には成功の香りがする。期待している。

門田:意思決定は、スタッフに決定をゆだねる。また、ポイントカードをやめた。

内籐先生:やってはいけないムダがある。「運ぶ」「盛り付け」はサービス向上に質しない。無意識でやって

いるムダは減らさなければならない。

「60歳にウケる洋食屋レストラン」は、原因を早く決めつける前に徹底的に調査した方がいいと思う。

経営者によく言うのは、「お店はやぼったくする方がよい。」おしゃれにし過ぎることで、店が客を選ぶよ

うになる。

味を濃くすることで、若者が増え、薄くすればリピーターが増えるなどが言える。

20代女性をターゲットにすると浮気をされる。一方50代男性をターゲットにし、それに連れられてく

るグループをターゲットにしていくことを勧めている。

Page 14: 第Ⅴ章 セミナーの企画・運営€¦ · ③セミナー当日の配布資料作成 チラシデザインと呼応させた講師、パネリストの概略を作成した。

51

決断の瞬間については、「意思決定には科学はない。」ということである。経営者に聞くことは、「やめ

なければできない」ということだ。事実は、止めると得るということだった。それを経営者に伝えるだけ

でも、経営者は楽になるだろう。

また、こういった事実をサービス産業であり、支援機関でもある銀行が理解し、話題にしていただきた

い。融資先と議論して需要を掘り起こしていただきたい。そうすることで、開発型融資が増え、企業が元

気になっていくことを願っている。

④閉会

⑤交流会

(4)その他

・山陰中央新報(2012 年 2 月 28 日掲載)

Page 15: 第Ⅴ章 セミナーの企画・運営€¦ · ③セミナー当日の配布資料作成 チラシデザインと呼応させた講師、パネリストの概略を作成した。

52

(5)当日の模様

セミナーは、この事業を通じて行った事務局ヒアリングとWSヒアリングの結果発表の場として位置づけ

られる。2つの聞き取りを合わせると18店舗へ取材を行ったが、内籐先生のユニークな切り口の質問に、

「普段はそこまでは話さないのだが」と前置きされた上で、お店のこだわりについて快く店舗の皆さまが答

えて下さった。

各支援機関からのWS参加者からは、毎回、とても有意義だったと感謝の言葉をいただいている。内籐先

生の専門家の視点での質問を、興味深く書き留めておられたのが印象的である。また、取材後の意見交換会

では、取材中に感じたそれぞれのWS参加者の思いを他の参加者と共有し、内籐先生にコメントいただくこ

とで、より具体的な支援の方法などを考察することができた。

これら全てのエッセンスをセミナーご参加の皆さんと共有できるよう、Ⅰ基調講演では、内籐先生から全

国的な事例を交え、具体的に着目するポイントについてご講演いただいた。また、Ⅱパネルディスカッショ

ンでは、取材を通じ特にご紹介したい事業者の皆さんからお店の特徴について発表をしていただき、内籐先

生の質問に答える形で、各店舗の素晴らしさを引き出していただくことができた。

セミナーは当初予定していた人数を大きく上回り、セミナー内容に対する支援機関等の注目の高さを伺え

る。また、セミナー終了後に行われたアンケート調査の結果を見ても、参加者の満足度が伺え、セミナー参

加者が期待されていた答えがそこにあったことと思われる。

今回の取材とWS、セミナーを通し、厳しい時代にあってなお個店や商店街が強く元気に存続していくた

めのポイントが発信され、個店の課題解決から商店街全体、地域商業の活性化につなげていくことのヒント

が共有できたことと推測する。

今後も、このようなWS形式の参加型勉強会を期待する声は多く、組織を超えた繋がりで、地域を元気に

していく体制が築かれることが望まれる。

【セミナーの様子】

Page 16: 第Ⅴ章 セミナーの企画・運営€¦ · ③セミナー当日の配布資料作成 チラシデザインと呼応させた講師、パネリストの概略を作成した。

53

【交流会の様子】

Page 17: 第Ⅴ章 セミナーの企画・運営€¦ · ③セミナー当日の配布資料作成 チラシデザインと呼応させた講師、パネリストの概略を作成した。

54

4.セミナー参加者アンケート結果

1.該当する所属機関に☑をつけてください。

その他

診断士

店舗コンサルタント会社経営

病院

大学

2.このセミナーでは、何を聞きたいと思って参加されましたか?(複数回答)

0.0%

5.2%

1.7%

15.5%

17.2%

25.9%

25.9%

31.0%

39.7%

46.6%

48.3%

無回答

その他

特になかった

商品のこだわり

情報発信の仕方

お店づくり(店構え・レイアウト)

きめ細やかなサービス

生産性の向上

地域や人とのつながり

サービス工学の理論・実践

売上・集客の向上

0.0%

8.6%

8.6%

10.3%

12.1%

13.8%

19.0%

29.3%

無回答

その他

行政職員

団体職員

店舗従業員・経営者

金融機関

会社員・役員

支援機関(商工会・商工会議所等)

Page 18: 第Ⅴ章 セミナーの企画・運営€¦ · ③セミナー当日の配布資料作成 チラシデザインと呼応させた講師、パネリストの概略を作成した。

55

2.その他

各会社の事例

国内マーケットの現状

内藤先生の話

3.実際に参加して、どの項目が参考になりましたか?(複数回答)

3.実際に参加して、どの項目が参考になりましたか?(複数回答)

各会社の事例

小規模店の生残り方

無駄な点の見直し

引き算の経営、減収増益を目指してもよいこと。真の品質向上とは。

4.本日のセミナーでは、どの話がもっとも参考になりましたか?

6.9%

6.9%

0.0%

5.2%

13.8%

19.0%

25.9%

32.8%

34.5%

34.5%

34.5%

無回答

その他

特になかった

情報発信の仕方

お店づくり(店構え・レイアウト)

商品のこだわり

地域や人とのつながり

きめ細やかなサービス

サービス工学の理論・実践

生産性の向上

売上・集客の向上

3.4%

0.0%

22.4%

24.1%

25.9%

36.2%

75.9%

無回答

あまり参考にならなかった

「酒のマエダ」事例

「ミッドナイトスギタニ」事例

「勉強堂」事例

パネルディスカッション

内藤先生基調講演

Page 19: 第Ⅴ章 セミナーの企画・運営€¦ · ③セミナー当日の配布資料作成 チラシデザインと呼応させた講師、パネリストの概略を作成した。

56

5.セミナー全体の印象はいかがでしたか。

6.同様のテーマのセミナーやシンポジウムがあったら参加したいと思いますか?

7.セミナー全体に関してご意見、感想などございましたら参考にさせてください。

個人的にもっともっと質問などしたい。アドバイスをもらいたい。

具体的な話でとても参考になった。

パネリストの皆さんの本音が聞けて、元気な店になるために必要なものが何か、わかっ

たように思います。

有難うございました(引き算の経営をさらに考えたい)。

真剣に取り組む大切さを実感しました。ありがとうございました。

会場を横向きにして、パネラーや講師との一体感を出した方が顔も見えやすいし良いと

思った。顧客に集中すれば、コストは低下すること、理解できました。

無駄を探して排除することは、何にでも通じると思いました。

具体的な内容であり、有意義であったと思います。

密度の濃いセミナーだった。

大変ためになる勉強会でした。自社のことも含め、色々と課題や方向性が明確になりま

した。何かをやめるのは勇気がいる、でもそれをしっかり実践されて、結果が出ている

会社を事例にした確信をついたお話は、とても感動するためになる話でした。ありがと

うございました。

業種が違う企業同士のディスカッションは、一見異なっていることを言っているようだ

が、一貫した法則のようなものがあることを感じました。

3.4%

0.0%

6.9%

36.2%

55.2%

無回答

参加しない

講演者による

タイミングが合えば

ぜひ参加したい

1.7%

0.0%

1.7%

6.9%

34.5%

56.9%

無回答

悪い

やや悪い

ふつう

まあ良い

良い

Page 20: 第Ⅴ章 セミナーの企画・運営€¦ · ③セミナー当日の配布資料作成 チラシデザインと呼応させた講師、パネリストの概略を作成した。

57

人口減少というキーワードはあったが、前提となっている「売れない時代」についての

説明が、やや不足していたと思う。生産年齢人口の減少による内需縮小、それで当り前

の時代なのかどうなのか、国のマクロ的な政策により景気が良くなるのか、それとも内

需縮小は変わらないのか、などなど。

会場の広さ、息苦しい。

小商圏密着型について、勉強になりました。

今回のパネリストは共通して BtoB を捨て、BtoC に特化したということ。商圏が小さくな

り、特定少数にしたことから、より顧客のことが判るようになった。これはすばらしい

と思った。ただ、その過程で雇用の維持ができなくなった場面があったのではと心配す

る。パネリストのお三人は、飾らず開けっぴろげに話をしてくれた。内藤先生のお人柄

と感じた。

全体としてポイントが明確で素晴らしい構成だったと思います。非常に特徴が明確な3

社様、内藤先生の事例に出てきた企業様に現状打破のヒントを感じました。

具体的な集客方法や、もっとどのように利益を出していくのか聞きたかった。

内藤先生の話のもっていき方が上手かった。