災対瓦版! - taoka · トリアージ訓練 を開催します...

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9 月は、1 日が「防災の日」、9 日が「救急の日」、11 日が「アメリカ同時多発テロ事件(9•11)」、と救 急・災害医療関係者にとっては節目となる出来事が目白押しの月です。改めて幸せな日常に感 謝したいと思います。さて今回は DMAT 訓練参加報告についてです。 発行 災害対策 委員会 災害対策委員会 ニュースレター 24 (2016.9.21) DMAT 技能維持研修に参加しました DMAT は隊員資格取得後も定期的に訓練を行いな がら、知識や技術の維持・向上に努めています。この 度下記訓練が開催され、当院からロジ2名と医師 1 名 が参加しました。 「平成 28 年度第2回中国四国ブロック DMAT 技能維持研修」 日時:平成 28 年 9 月 10 日(土)11 日(日) 場所:香川県坂出市社会医療法人財団大樹会総合病院回生病院 今回は訓練参加者が 176 名(+インスト 30 名)といつも以上に多く、 会場は熱気に溢れていました。初日は、EMIS 入力実習や医療搬送 時におけるトリアージ演習、MATTS(Medical Air Transport Tracking System;広域医療搬送患者情報管理システム)入力、活動拠点本部 運営のシミュレーション、などが行われ、翌日には病院支援と受援に 関するシミュレーションがありました。また今回は今年4月の熊本地震 での DMAT 活動報告も行われました。 熊本地震では私たち田岡 DMAT を含めた四国 DMAT はほぼすべて が県北菊池市の川口病院に集結しましたが、今回の技能維持訓練では、現場で共に活動したメンバ ーらと再会することができました。当時を振り返りながら、あの混乱した現場において、溢れかえる情 報から適切に判断することの難しさ、あいまいな情報の中で状況把握を行ってその後の DMAT 活動 を見極めていくことの難しさ、などを改めて共有しました。 さて訓練ですが、「病院支援と受援」では、南海トラフ地震が発生し、被災地内の病院として行うべき ことをシミュレーションしながら学んでいきました。発災直後に CSCA に沿って活動を開始するのです が、指揮命令系統を立ち上げ、職員の安全と建物・ライ フラインの安全を確認し、入院患者の安否確認をしてい きます。情報を本部に集め、病院機能が保たれていると 判断されれば「傷病者受入」の準備にかかります。例え ば右写真は4人部屋に6人収容して空床を確保している ところですが、このように非常時にはできるだけ多くの傷 病者を受け入れざるを得ない可能性もあることを常に考 えておく必要があります。受入準備が整った頃に、外来 に患者が殺到しはじめて、外来も病棟も次第に一杯とな 災対瓦版

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Page 1: 災対瓦版! - TAOKA · トリアージ訓練 を開催します 災対委員会では様々な訓練を定期的に行っていますが、今回は多数傷病 者が殺到した場合に行われる、トリアージ訓練を行います。start法や

発行:田岡病院災害対策委員会

No.

9 月は、1 日が「防災の日」、9 日が「救急の日」、11 日が「アメリカ同時多発テロ事件(9•11)」、と救

急・災害医療関係者にとっては節目となる出来事が目白押しの月です。改めて幸せな日常に感

謝したいと思います。さて今回は DMAT 訓練参加報告についてです。

発行

災害対策 委員会

災害対策委員会 ニュースレター

№24 (2016.9.21)

DMAT 技能維持研修に参加しました

DMAT は隊員資格取得後も定期的に訓練を行いな

がら、知識や技術の維持・向上に努めています。この

度下記訓練が開催され、当院からロジ2名と医師 1 名

が参加しました。

「平成 28 年度第2回中国四国ブロック DMAT 技能維持研修」

日時:平成 28 年 9 月 10 日(土)11 日(日)

場所:香川県坂出市社会医療法人財団大樹会総合病院回生病院

今回は訓練参加者が 176 名(+インスト 30 名)といつも以上に多く、

会場は熱気に溢れていました。初日は、EMIS 入力実習や医療搬送

時におけるトリアージ演習、MATTS(Medical Air Transport Tracking

System;広域医療搬送患者情報管理システム)入力、活動拠点本部

運営のシミュレーション、などが行われ、翌日には病院支援と受援に

関するシミュレーションがありました。また今回は今年4月の熊本地震

での DMAT 活動報告も行われました。

熊本地震では私たち田岡 DMAT を含めた四国 DMAT はほぼすべて

が県北菊池市の川口病院に集結しましたが、今回の技能維持訓練では、現場で共に活動したメンバ

ーらと再会することができました。当時を振り返りながら、あの混乱した現場において、溢れかえる情

報から適切に判断することの難しさ、あいまいな情報の中で状況把握を行ってその後の DMAT 活動

を見極めていくことの難しさ、などを改めて共有しました。

さて訓練ですが、「病院支援と受援」では、南海トラフ地震が発生し、被災地内の病院として行うべき

ことをシミュレーションしながら学んでいきました。発災直後に CSCA に沿って活動を開始するのです

が、指揮命令系統を立ち上げ、職員の安全と建物・ライ

フラインの安全を確認し、入院患者の安否確認をしてい

きます。情報を本部に集め、病院機能が保たれていると

判断されれば「傷病者受入」の準備にかかります。例え

ば右写真は4人部屋に6人収容して空床を確保している

ところですが、このように非常時にはできるだけ多くの傷

病者を受け入れざるを得ない可能性もあることを常に考

えておく必要があります。受入準備が整った頃に、外来

に患者が殺到しはじめて、外来も病棟も次第に一杯とな

災対瓦版

Page 2: 災対瓦版! - TAOKA · トリアージ訓練 を開催します 災対委員会では様々な訓練を定期的に行っていますが、今回は多数傷病 者が殺到した場合に行われる、トリアージ訓練を行います。start法や

りますが、この場合に「キャパオーバー」を早めに判断し、支援

DMAT を早く要請することが重要となります。受講者は、支援側と

受援側に別れてシミュレーションを体験し、これらの手順を学びま

すが、何度やってもうまくいかない点や反省点が見つかるこの訓

練は、南海トラフ大震災時には大いに役立つと思っています。

当院でも、徐々にではありますが傷病者受入訓練に向け、小さ

な訓練を重ねていきたいと思っています。日本で暮らしている以

上、災害に関係のない診療科や部署はないはずです。たまたま

病院で勤務中に被災しても後悔しないために、どうぞ訓練への参

加をお願いいたします。

9月9日(救急の日)イベントが開催されました

毎年救急の日に行われております心肺蘇生に関するイベントが

今年も開催されました。

日時:平成 28 年 9 月 9 日(金) 午前 11 時〜

場所:正面ロビー(地域連携室前)

当日は外来や入院患者さん 30 名ほどが足を止め

てくださいました。心停止時にみられる、まるで息

をしているようだけれども普段通りの呼吸ではな

い「死線期呼吸」や、「迷ったら押す」ことなどを強

調しましたが、みなさん真剣に取り組んでください

ました。引き続きこのような機会を通じて心肺蘇生

の重要性について広めていきたいと思います。

トリアージ訓練 を開催します

災対委員会では様々な訓練を定期的に行っていますが、今回は多数傷病

者が殺到した場合に行われる、トリアージ訓練を行います。START 法や

PAT 法などをシミュレーションを通じて体験してみてはいかがでしょうか?

日時;平成 28 年 9 月 30 日(金)17 時 30 分から 1 時間程度

場所:2 階研修ホール

参加者:全職員(各部署災対委にお問い合わせください。当日参加OKです)